JP2011068136A - 塗装物および塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できる塗装物および塗装方法を提供すること。
【解決手段】基材の表面に、当該基材のひび割れに追従して伸びる下塗材を塗布し、この下塗材の表面に、ポリシラザン、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成される上塗材を塗布してなる塗装物であって、前記上塗材は、赤外線を選択的に反射する無機顔料を含有し、前記無機顔料は、光触媒でコーティングされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塗装物および塗装方法に関し、特に、防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できる塗装物および塗装方法に関する。
従来より、建築物の外壁の美観性を高める観点から、外壁の汚れ防止技術が利用されている。このような汚れ防止技術としては、例えば、二酸化チタン等の光触媒物質が混合された塗料を外壁表面に塗布し、外壁表面の親水化を進めることにより、外壁表面と汚れの間に雨水等を潜り込ませて、外壁表面の汚れを水で洗い流すものがある(特許文献1参照)。
また、常温硬化型でガラス質であるポリシラザンからなる塗料を用いる技術もある。この場合には、ポリシラザンからなる塗料が基材に塗布されて硬化し塗膜化すると、比較的初期の段階からその表面が親水化するため、汚れ防止効果が迅速に発揮されるという利点がある。また、塗膜化した際に、表面が高硬度となるため、塗膜内に汚れ粒子等が入り込みにくく、この点からも防汚性に優れている。
特開2001−152051号公報
しかしながら、ポリシラザンは、ガラス質であってその塗膜硬度が非常に高いため、基材となるコンクリート等にひび割れが生じた場合に、このひび割れに伴って、ポリシラザンの塗膜にもひび割れが生じてしまうことがある。この場合には、ポリシラザンのひび割れ部分から雨水等が入り込んで、最終的には、コンクリート製の基材等ではエフロレッセンスが発生したり、漏水、コンクリートの劣化等の二次的な問題が生じる場合がある。なお、このような問題は、ポリシラザンに限らず、ポリシラザン以外の他の窒化ケイ素系樹脂や、塗膜化した際に表面が高硬度となるような硬質のフッ素樹脂等からなる塗料においても同様に発生する。
本発明の目的は、防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できる塗装物および塗装方法を提供することにある。
本発明の塗装物は、基材の表面に、当該基材のひび割れに追従して伸びる下塗材を塗布し、この下塗材の表面に、ポリシラザン、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成される上塗材を塗布してなる塗装物であって、前記上塗材は、赤外線を選択的に反射する無機顔料を含有し、前記無機顔料は、光触媒でコーティングされていることを特徴とする
また、無機顔料は、上塗材の外表面からその一部が突き出た状態で担持されていることが好ましい。なお、本発明の無機顔料としては、例えば、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セリウム等がある。
また、上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、赤外線を選択的に反射する無機顔料と、光触媒を備えた中空微粒子とが、上塗材の外表面から一部突き出た状態で、上塗材のみに担持されており、無機顔料および中空微粒子のサイズは、1〜10μmであることが好ましい。なお、無機顔料および中空微粒子のサイズが1μm未満の場合には遮熱性および防汚性が不十分となり、10μmを超える場合には上塗材に適切な状態で担持させることが困難となる。
また、上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、赤外線を選択的に反射する無機顔料が、上塗材の外表面から一部突き出た状態で、上塗材および下塗材の双方に跨って担持されており、無機顔料のサイズは、1〜100μmであることが好ましい。なお、無機顔料のサイズが1μm未満の場合には遮熱性が不十分となり、100μmを超える場合には上塗材に適切な状態で担持させることが困難となる。
また、下塗材は、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含むものを用いることができ、この場合には、少なくとも微弾性タイプや弾性タイプ等の弾性を有するものであればよい。このような弾性を有する下塗材としては、伸び率が10〜100%となるものが好ましく、より好ましくは、伸び率が10〜50%のものである。また、下塗材の塗膜厚としては、例えば、0.1〜2.0mmとすることが好ましい。より好ましくは、0.3〜0.6mmである。塗膜厚が0.1mmより小さい場合には、基材のひび割れに対して十分に追従できないおそれがあり、塗膜厚が2.0mmより大きい場合には、基材に対する付着性が低下するおそれがある。
また、上塗材や下塗材を基材側へ塗布する場合には、例えば、吹付けや、ローラー、刷毛、鏝等により行うことができる。なお、本発明の塗料と基材との間に、基材の材質や表面状態等に応じて、シーラーやフィラー等を適宜介在させてもよい。
本発明によれば、基材と上塗材との間に弾性を有する下塗材を設けたので、基材の表面に微少なひび割れ(例えば、0.06mm程度)等の欠損が生じた場合でも、下塗材の弾性力によって基材のひび割れを吸収できるため、基材のひび割れに対して十分に追従でき、上塗材の表面にひび割れが生じることを防止できる。また、上塗材が塗膜化した際に高硬度となるため、本塗料の中に汚れ粒子等が入り込みにくく汚れ防止効果を向上できる上、十分な耐久性も確保できる。さらに、上塗材には赤外線を選択的に反射する無機顔料が含まれているので、遮熱性が付与される。また、光触媒作用によって防汚性がより一層向上する。
本発明の塗装物および塗装方法によれば、防汚性を発揮できるとともに、基材のひび割れに対しても十分に追従できるという効果がある。さらに、遮熱性または防汚性の向上に寄与するという効果もある。
実施形態における塗装物を説明するための概略断面図である。
===参考例(基材のひび割れに対する追従性の向上)===
本発明の参考例に係る塗装物は、コンクリート製の基材の表面側に、微弾性を有する下塗材を塗布した後、下塗材の表面に上塗材を塗布することにより構成されている。なお、前記基材と前記下塗材との間には、基材の表面状態等に応じて、適宜、シーラーやフィラー等を塗布してもよい。
前記下塗材は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成されている。前記下塗材の塗膜厚は、例えば、0.1〜2.0mmである。前記下塗材は、吹付けや、ローラー、刷毛、鏝等により、コンクリート製の基材の表面側に形成される。また、下塗材には、伸び率が10〜100%程度の材料が用いられている。なお、好ましくはその伸び率が10〜50%のものが用いられる。
前記上塗材は、ポリシラザンを含んで構成されている。このポリシラザンは、塗膜化した際に高硬度になるとともに、塗膜化した初期の段階からその表面が親水化する材料である。この上塗材は、塗膜化した際には、試験機または手かきによる鉛筆引っ掻き硬度法(JIS K 5600に準拠)で測定した硬度が7H程度である。また、前記上塗材も、吹付けや、ローラー、刷毛、鏝等により前記下塗材の表面に形成される。
本参考例によれば、上塗材としてポリシラザンを用いたので、塗膜化した際にその表面が迅速に親水化して、雨筋等の汚れが付着するのを十分に防止できる。さらに、上塗材が塗膜化すると高硬度となるため、本塗料の中に汚れ粒子等が入り込みにくくなって、汚れ防止効果を向上できる上、十分な耐久性も確保できる。
また、基材と上塗材との間に微弾性を有する下塗材を設けたので、基材の表面に微少なひび割れ(例えば、0.06mm程度)等の欠損が生じた場合でも、下塗材の弾性力によって基材のひび割れが吸収されるため、上塗材の表面にひび割れが生じることを防止できる。このため、上塗材の表面にひび割れが生じた場合のように、コンクリート製の基材でエフロレッセンスの発生や漏水等の二次的な問題を防止できる。
また、ポリシラザンからなる上塗材とコンクリート製の基材との間に下塗材を設け、上塗材がコンクリートに直接触れないようにしたので、下塗材がバリアー層となり、高アルカリ条件に弱いポリシラザンをコンクリート製の基材の表面側に塗布することも可能である。
なお、前記参考例において、上塗材をポリシラザンとしたが、これに限らず、塗膜化した際に、JIS K5600に示す鉛筆引っ掻き硬度法で測定した硬度がH以上となるような高硬度の材料を利用でき、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂等を用いることができる。また、下塗材を、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含む材料により構成したが、これには限定されない。また、下塗材の塗膜厚は0.1〜2.0mmには限定されない。また、基材はコンクリートに限定されず、例えば、モルタル板や、ALC板、スレート板、繊維強化コンクリート板、繊維強化モルタル板等を用いてもよい。
ここで、下塗材として好適な材料を、下記の引張試験を実施することにより確認した。具体的には、JISに規格される引張試験に準じたゼロスパンテンション試験を実施して、その伸びを測定することにより実施した。
<1>試験体
長方形状(幅70mm×長さ150mm、または幅70mm×長さ200mm)のスレート板またはモルタル板からなる基材を用意し、基材の裏面側の長さ方向の略中央位置に切り込み(亀裂)を形成した。基材の表面側には、幅50mm×長さ140mmまたは150mm×厚みt(mm)で下記条件にて塗材を塗布した。なお、厚みtは、塗材の標準使用量を基準として塗布した仕上がり厚みとした。
試験例1では、下塗材:伸び率50%の材料、上塗材:なし、厚みt:0.37〜0.46mmの条件で塗布した。
試験例2では、下塗材:伸び率30%の材料、上塗材:なし、厚みt:0.89〜1.34mmの条件で塗布した。
試験例3では、下塗材:伸び率50%の材料、上塗材:あり、厚みt:0.77〜0.95mmの条件で塗布した。
試験例4では、下塗材:伸び率30%の材料、上塗材:あり、厚みt:1.08〜1.59mmの条件で塗布した。
<2>測定方法
塗材が破断するまで、5mm/minの速度で上記各試験体を長さ方向に引っ張り、塗材が破断した際の伸び(mm)を測定した。
<3>結果
各試験の結果を表1に示す。
上記の各試験結果より、下塗材として伸び率30〜50%の材料を用いれば、少なくともその伸びを0.26mmは確保できるため、0.06mm程度の微少なひび割れに十分に追従できることがわかった。このため、伸び率が10〜100%程度の材料を使用することにより、微少なひび割れに十分に追従できることが判明した。
===実施形態(遮熱性または防汚性の向上)===
次に、図1を参照しながら、遮熱性および防汚性が付与された塗装物について説明する。
本実施形態における塗装物10は、前述と同様の方法によって製造されたものであり、上塗材1と、下塗材2と、基材3とから構成されている。但し、この上塗材1は、赤外線を選択的に反射する無機顔料4(以下、単に「無機顔料」という)と、光触媒を備えた中空微粒子5(以下、単に「中空微粒子」という)とを含有している。
無機顔料4としては、遮熱性に優れたものが好ましく、例えば、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セリウム等が挙げられる。
一方、中空微粒子5としては、光触媒が中空状の担体に担持されてなるもの(例えば、光触媒ガラスビーズ「BL2.5シリーズ」:株式会社光触媒研究所製)や、光触媒それ自体が中空状に成形されてなるものがある。中空微粒子5は、その中空領域が断熱機能を有するので、遮熱性の向上にも寄与する。さらに、光触媒にはその表面に付着した少量の水分を超親水性に変え、気化熱によって表面温度を下げる作用がある。従って、光触媒を備えた中空微粒子5は、それ自体で遮熱効果をも発揮する。なお、光触媒には、空気中に含まれるSOx、NOx等の有害ガス成分を分解する作用があるので、これらの塗料1及び塗装物10は環境浄化にも寄与する。
そして、本実施形態における塗装物10は、上塗材1がポリシラザンから構成されている場合と、ポリシラザン以外(例えば、フッ素樹脂,変性アクリル樹脂等)から構成されている場合とがあり、さらに前者の場合には、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1のみに担持されている場合と、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1および下塗材2の双方に跨って担持されている場合とがある。なお、いずれの場合にも、無機顔料4および中空微粒子5は、上塗材1の外表面から一部突き出た状態で担持されていることが好ましい。かかる塗装物10は、無機顔料4および中空微粒子5として、上塗材1よりも比重が小さいものを用いることにより製造できる。
これにより、無機顔料4および中空微粒子5と外気との接触の機会が増加し、高い遮熱性および防汚性を確保することができる。以下、各別に説明する。
図1は、本実施形態における塗装物10を示す概略断面図であり、(a)は上塗材1がポリシラザンから構成されており、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1のみに担持されている場合、(b)は上塗材1がポリシラザンから構成されており、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1および下塗材2の双方に跨って担持されている場合、(c)は上塗材1がポリシラザン以外から構成されている場合を示す。
図1(a)および(b)に示すように、上塗材1がポリシラザンから構成されている場合には、その性質上、塗膜厚をそれほど厚くすることができず、上塗材1の塗膜厚は約0.01〜5μmであり、好ましくは約0.5〜2μm程度である。なお、下塗材2の塗膜厚は100μm〜2mm程度である。
このため、無機顔料4および中空微粒子5を上塗材1のみに担持させる場合には、無機顔料4および中空微粒子5のサイズ(以下、粒径で表示する)は、いずれも約1μm〜上塗材1の塗膜厚の2倍程度にする必要がある(但し、上塗材1の塗膜厚の2倍が1μm未満となる場合は除く)。従って、無機顔料4および中空微粒子5のサイズは、いずれも約1〜10μmとする(図1(a)参照)。
なお、この場合における無機顔料4および中空微粒子5の担持状態としては、例えば、同図の左側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5の大部分が上塗材1の外表面から突き出た状態で担持されている場合や、逆に、同図の右側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5の大部分が上塗材1に埋まった状態で担持されている場合がある。いずれの場合にも、高い遮熱性および防汚性を示す。
また、無機顔料4および中空微粒子5を上塗材1および下塗材2の双方に跨って担持させる場合には、無機顔料4のサイズは約1〜100μmとし、中空微粒子5のサイズは1〜350μmとする(図1(b)参照)。そして、この場合における無機顔料4および中空微粒子5の担持状態としては、例えば、同図の左側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5の大部分が上塗材1および下塗材2に埋まった状態で担持されている場合がある。また、同図の右側に示すように、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1および下塗材2に埋まった状態で担持されながら、比較的大きな領域が上塗材1の外表面から突き出た状態で担持されている場合もある。いずれの場合にも、無機顔料4および中空微粒子5は上塗材1および下塗材2によって強固に担持されており、高い遮熱性および防汚性を示す。
一方、図1(c)に示すように、上塗材1がポリシラザン以外の樹脂(例えば、フッ素樹脂,変性アクリル樹脂,エポキシ樹脂,変性エポキシ樹脂,アクリルシリコン樹脂,アクリル樹脂,ウレタン樹脂等)から構成されている場合には、一般的に塗膜厚を厚くすることができ、その塗膜厚は約10〜120μmである(但し、樹脂によっては最大60μm程度)。そこで、この場合には、無機顔料4および中空微粒子5のサイズを大きくすることが可能となる。そして、無機顔料4および中空微粒子5のサイズを図1(b)と同様のサイズにした場合にも、無機顔料4および中空微粒子5の担持状態としては、図1(c)のア〜オに示すような各種の形態があり、特に、図1(b)とは異なり、無機顔料4および中空微粒子5が上塗材1のみに担持された形態を採りうる(エ,オ参照)。これにより、無機顔料4および中空微粒子5を上塗材1に強固に担持させつつ、高い遮熱性および防汚性を確保することができる。
特に、上塗材1が有機樹脂系塗料を含んで構成されている場合には、マスクメロン型の中空微粒子5(但し、上記の中空微粒子5と同一符号を付している)を用いることが好ましい(例えば、マスクメロン型光触媒:株式会社明成商会製)。マスクメロン型の中空微粒子5とは、多孔質状に成形された中空微粒子の表面に光触媒が担持されたものであり、例えば、中空微粒子の表面を多孔質状に加工し、あるいは表面が多孔質となるように中空微粒子を製造し、その多孔質内に光触媒が担持されたものがある。これにより、光触媒による分解作用を維持確保しつつ、上塗材1を構成する有機樹脂系塗料が光触媒によって分解されてしまうことを防ぐことができる。その結果、上塗材1の耐久性が維持向上する。なお、有機樹脂系塗料としては、例えば、フッ素樹脂系,アクリルシリコン系,ウレタン系,変性ウレタン樹脂系,アクリル系,変性アクリル樹脂系,エポキシ樹脂系,変性エポキシ樹脂系,ポリエステル樹脂系等がある。
また、中空微粒子5が上塗材1のみならず下塗材2にも担持されており(例えば、図1(b)および図1(c)のア、ウ参照)、しかも下塗材2に有機樹脂系塗料が含まれている場合には、同様の問題が生じ得る。そこで、この場合にもマスクメロン型の中空微粒子5を用いることが好ましい。
以上のように、下塗材2の作用により、基材3のひび割れに対して十分に追従できるだけでなく、上塗材1に無機顔料4と中空微粒子5とを併用することで、遮熱性および防汚性も付与されるので、塗装物10の耐久性が向上するなど優れた効果を奏する。
ところで、本実施形態では、上塗材として、無機顔料4および中空微粒子5を含有させたものを例に挙げているが、無機顔料4または中空微粒子5の一方のみを含有させたものを用いてもよい。また、無機顔料として、光触媒でコーティングされていない無機顔料4を例に挙げているが、光触媒でコーティングされた無機顔料を用いてもよい。さらに中空微粒子として光触媒を備えた中空微粒子5を例に挙げているが、光触媒を備えていない中空微粒子を用いてもよい。いずれの場合にも塗装物10は、基材3のひび割れに対して十分な追従性を示すとともに、遮熱性または防汚性が向上する。
なお、上記の各実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
1 上塗材
2 下塗材
3 基材
4 無機顔料
5 中空微粒子(マスクメロン型を含む)
10 塗装物

Claims (8)

  1. 基材の表面に、当該基材のひび割れに追従して伸びる下塗材を塗布し、
    この下塗材の表面に
    ポリシラザン、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成される上塗材を塗布してなる塗装物であって、
    前記上塗材は、赤外線を選択的に反射する無機顔料を含有し、
    前記無機顔料は、光触媒でコーティングされていることを特徴とする塗装物。
  2. 請求項1に記載の塗装物において、
    前記無機顔料は、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セリウムのうち少なくともいずれかを含んで構成されることを特徴とする塗装物。
  3. 請求項1又は2に記載の塗装物において、
    前記無機顔料は、前記上塗材の外表面からその一部が突き出た状態で担持されていることを特徴とする塗装物。
  4. 請求項1に記載の塗装物において、
    前記上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、
    前記無機顔料が、前記上塗材の外表面から一部突き出た状態で、前記上塗材のみに担持されており、
    前記無機顔料のサイズは、1〜10μmであることを特徴とする塗装物。
  5. 請求項1に記載の塗装物において、
    前記上塗材は、ポリシラザンから構成されており、その塗膜厚は、0.01〜5μmであって、
    前記無機顔料が、前記上塗材の外表面から一部突き出た状態で、前記上塗材および前記下塗材の双方に跨って担持されており、
    前記無機顔料のサイズは、1〜100μmであることを特徴とする塗装物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の塗装物において、
    前記下塗材は、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、およびアクリル系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成されることを特徴とする塗装物。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の塗装物において、
    前記下塗材の塗膜厚は、0.1〜2.0mmであることを特徴とする塗装物。
  8. 基材の表面に、当該基材のひび割れに追従して伸びる下塗材を塗布した後、
    この下塗材の表面に
    ポリシラザン、フッ素樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリルシリコン系樹脂、およびウレタン系樹脂のうち少なくともいずれかを含んで構成される上塗材を塗布する塗装方法であって、
    前記上塗材は、赤外線を選択的に反射する無機顔料を含有し、
    前記無機顔料は、光触媒でコーティングされていることを特徴とする塗装方法。
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