JP2004306036A - 光触媒性親水性部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表面を恒久的に高度の親水性に維持できるようになるとともに、遮光時にも親水性がある程度維持される部材の提供。
【解決手段】 光触媒性酸化チタンと、アモルファス酸化物を含有する層が形成されている、或いは光触媒性酸化チタン含有層が形成され、さらにその上にアモルファス酸化物を含有する層が形成されている光触媒性親水性部材。
を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、部材表面を高度の親水性になし、かつ維持する技術に関する。より詳しくは、本発明は、鏡、レンズ、ガラス、プリズムその他の透明部材の表面を高度に親水化することにより、部材の曇りや水滴形成を防止する防曇技術に関する。本発明は、また、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高度に親水化することにより、表面が汚れるのを防止し、又は表面を自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易に清掃する技術に関する。
寒冷時に自動車その他の乗物の風防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡のレンズ、および各種計器盤のカバーガラスが凝縮湿分で曇るのはしばしば経験されることである。また、浴室や洗面所の鏡や眼鏡のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇される。更に、車両の風防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、車両のバックミラー、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシールドが降雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が表面に付着すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、斑模様になり、或いは曇り、やはり可視性が失われる。言うまでもなく、上記“曇り”は安全性や種々の作業の能率に深い影響を与える。例えば、車両の風防ガラスや窓ガラス、車両のバックミラーが、寒冷時や雨天に翳り或いは曇ると、視界の確保が困難となり、交通の安全性が損なわれる。内視鏡レンズや歯科用歯鏡が曇ると、的確な診断、手術、処置の障害となる。計器盤のカバーガラスが曇るとデータの読みが困難となる。
上記“曇り”の解消のために、表面を親水性にすることが提案されている。例えば、特許文献1には、基材の表面にポリマー層を設け、この層に紫外線を照射した後アルカリ水溶液により処理することにより高密度の酸性基を生成し、これによりポリマー層の表面を親水性にすることからなる鏡の防曇方法が開示されている。しかし、この方法で得られる程度の酸性基では、表面極性が充分でなく、表面に付着する汚染物質により時間が経つにつれて表面は親水性を失い、防曇性能が次第に失われるものと考えられる。
他方、建築及び塗料の分野においては、環境汚染に伴い、建築外装材料や屋外建造物やその塗膜の汚れが問題となっている。大気中に浮遊する煤塵や粒子は晴天には建物の屋根や外壁に堆積する。堆積物は降雨に伴い雨水により流され、建物の外壁を流下する。更に、雨天には浮遊煤塵は雨によって持ち運ばれ、建物の外壁や屋外建造物の表面を流下する。その結果、表面には、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着する。表面が乾燥すると、表面には縞状の汚れが現れる。建築外装材料や塗膜の汚れは、カーボンブラックのような燃焼生成物や、都市煤塵や、粘土粒子のような無機質物質の汚染物質からなる。このような汚染物質の多様性が防汚対策を複雑にしているものと考えられている(非特許文献1)。
従来の通念では、上記建築外装などの汚れを防止するためにはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような撥水性の塗料が好ましいと考えられていたが、最近では、疎水性成分を多く含む都市煤塵に対しては、塗膜の表面を出来るだけ親水性にするのが望ましいと考えられている(非特許文献2)。そこで、親水性のグラフトポリマーで建物を塗装することが提案されている(非特許文献3)。報告によれば、この塗膜は水との接触角に換算して30〜40゜の親水性を呈する。しかしながら、粘土鉱物で代表される無機質塵埃の水との接触角は20゜から50゜であり、水との接触角が30〜40゜のグラフトポリマーに対して親和性を有しその表面に付着しやすいので、このグラフトポリマーの塗膜は無機質塵埃による汚れを防止することができないと考えられる。
実開平3−129357号公報 橘高義典著"外壁仕上材料の汚染の促進試験方法"、日本建築学会構造系論文報告集、第404号、1989年10月、p.15−24 高分子、44巻、1995年5月号、p.307 新聞"化学工業日報"、1995年1月30日
上記の如く、部材表面を親水性にすることにより、部材の曇りや水滴形成を防止したり、また、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面が汚れるのを防止し、又は表面を自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは容易に清掃することができる提案は存在するものの、表面を高度の親水性に長期にわたり維持できないため、その効果は充分でなかった。そこで、本発明では、上記事情に鑑み、表面を長期にわたり高度の親水性に維持できる部材を提供することを目的とする。
本発明は、光触媒を含有する表面層を形成した部材において、光触媒を光励起すると、部材の表面が高度に親水化されるという発見に基づく。この現象は以下に示す機構により進行すると考えられる。すなわち、光触媒の価電子帯上端と伝導電子帯下端とのエネルギーギャップ以上のエネルギーを有する光が光触媒に照射されると、光触媒の価電子帯中の電子が励起されて伝導電子と正孔が生成し、そのいずれかまたは双方の作用により、おそらく表面に極性が付与され、水や水酸基等の極性成分が集められる。そして伝導電子と正孔のいずれかまたは双方と、上記極性成分の協調的な作用により、吸着表面と表面に化学的に吸着した汚染物質との化学結合を切断すると共に、表面に化学吸着水が吸着し、さらに物理吸着水層がその上に形成されるのである。
本発明では、光触媒性酸化チタンと、アモルファス酸化物を含有する表面層が形成されている、或いは光触媒性酸化チタン含有層が形成され、さらにその上にアモルファス酸化物を含有する表面層が形成されている、光触媒性親水性部材を提供する。表面層にアモルファス酸化物が含有されると、前記アモルファス酸化物は、開いた構造であるため、優れた蓄水性を有し、そのため安定な物理吸着水層が形成されやすく、暗所に保持しても、表面の親水性をかなり長期にわたり高度に維持できる。さらに、表面層に光触媒性酸化物が含有されていることにより、長期の暗所放置などで表面の親水性が失われてきた場合においても、光触媒性酸化物の光励起に応じて超親水性を呈するようになる。
本発明では、光触媒性酸化チタンと、アモルファス酸化物を含有する層が形成されている、或いは光触媒性酸化チタン含有層が形成され、さらにその上にアモルファス酸化物を含有する層が形成されているようにすることにより、光触媒の光励起に応じて表面が親水化されるようになるので、表面を恒久的に高度の親水性に維持できるようになるとともに、アモルファス酸化物の示す蓄水効果により、遮光時の親水性も長期にわたり維持されるようになる。
本発明の第一実施態様においては、
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に示すように、基材表面に、光触媒性酸化チタンと、アモルファス酸化物を含有する表面層が形成されているようにする。本発明の第二実施態様においては、
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に示すように、基材表面に、光触媒性酸化チタン含有層が形成され、さらにその上にアモルファス酸化物を含有する表面層が形成されているようにする。
本発明における高度の親水性とは、水との接触角に換算して10゜以下、好ましくは5゜以下の水濡れ性を呈する状態をいう。PCT/JP96/00733号に示したように、部材表面が水との接触角に換算して10゜以下の状態であれば、空気中の湿分や湯気が結露しても、凝縮水が個々の水滴を形成せずに一様な水膜になる傾向が顕著になる。従って、表面に光散乱性の曇りを生じない傾向が顕著になる。同様に、窓ガラスや車両用バックミラーや車両用風防ガラスや眼鏡レンズやヘルメットのシールドが降雨や水しぶきを浴びた場合に、離散した目障りな水滴が形成されずに、高度の視界と可視性を確保し、車両や交通の安全性を保証し、種々の作業や活動の能率を向上させる効果が飛躍的に向上する。また、同様にPCT/JP96/00733号に示したように、部材表面が水との接触角に換算して10゜以下、好ましくは5゜以下の状態であれば、都市煤塵、自動車等の排気ガスに含有されるカーボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シーラント溶出成分等の疎水性汚染物質、及び無機粘土質汚染物質双方が付着しにくく、付着しても降雨や水洗により簡単に落せる状態になる。
部材表面が上記高度の親水性を維持できれば、上記防曇効果、表面清浄化効果の他、帯電防止効果(ほこり付着防止効果)、断熱効果、水中での気泡付着防止効果、熱交換器における効率向上効果、生体親和性効果等が発揮されるようになる。
本発明が適用可能な基材としては、上記防曇効果を期待する場合には透明な部材であり、その材質はガラス、プラスチック等が好適に利用できる。適用可能な基材を用途でいえば、車両用バックミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノーモービル、オートバイ、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の風防ガラス;防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグル、防護用マスクのシールド、スポーツ用マスクのシールド、ヘルメットのシールド、冷凍食品陳列ケースのガラス;計測機器のカバーガラス、及び上記物品表面に貼付させるためのフィルムを含む。本発明が適用可能な基材としては、上記表面清浄化効果を期待する場合にはその材質は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、それらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用途でいえば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフード、換気扇、及び上記物品表面に貼付させるためのフィルムを含む。本発明が適用可能な基材としては、上記帯電防止効果を期待する場合にはその材質は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、それらの組合せ、それらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用途でいえば、ブラウン管、磁気記録メディア、光記録メディア、光磁気記録メディア、オーディオテープ、ビデオテープ、アナログレコード、家庭用電気製品のハウジングや部品や外装及び塗装、OA機器製品のハウジングや部品や外装及び塗装、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、及び上記物品表面に貼付させるためのフィルムを含む。
光触媒性酸化物とは、酸化物結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)によって、伝導電子と正孔を生成しうる酸化物をいい、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が好適に利用できる。ここで光触媒性酸化物の光励起に用いる光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、太陽、それらの光源からの光を低損失のファイバーで誘導した光源等が好適に利用できる。光触媒性酸化物の光励起により、基材表面が高度に親水化されるためには、励起光の照度は、0.001mW/cm以上あればよいが、0.01mW/cm以上だと好ましく、0.1mW/cm以上だとより好ましい。
ここでアモルファス酸化物には、無定型シリカ、水ガラス、無定型酸化チタン、水酸化チタン、無定型アルミナ、水酸化アルミニウム等が好適に利用できる。
上記表面層の膜厚は0.2μm以下にするのが好ましい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止することができる。また表面層が薄ければ薄いほど部材の透明度を確保することができる。更に、膜厚を薄くすれば表面層の耐摩耗性が向上する。上記表面層の表面に、更に、親水化可能な耐摩耗性又は耐食性の保護層や他の機能膜を設けてもよい。上記表面層は、基材と比較して屈折率があまり高くないのが好ましい。好ましくは表面層の屈折率は2以下であるのがよい。そうすれば、基材と表面層との界面における光の反射を抑制できる。基材がナトリウムのようなアルカリ網目修飾イオンを含むガラスや施釉タイルの場合には、基材と上記表面層との間にシリカ等の中間層を形成してもよい。そうすれば、焼成中にアルカリ網目修飾イオンが基材から表面層へ拡散するのが防止され、光触媒機能がよりよく発揮される。上記表面層にはAg、Cu、Znのような金属を添加することができる。前記金属を添加した表面層は、表面に付着した細菌を死滅させることができる。更に、この表面層は、黴、藻、苔のような微生物の成長を抑制する。従って、微生物起因の部材表面の汚れ付着がより有効に抑制されるようになる。上記表面層にはpt、Pd、Rh、Ru、Os、Irのような白金族金属を添加することができる。前記金属を添加した表面層は、光触媒による酸化活性を増強させることができ、部材表面に付着した汚染物質の分解を促進する。

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の親水性部材の形成方法について、アモルファス酸化物が無定型シリカである場合を例にとり説明する。この場合、例えば光触媒性酸化チタンゾルと、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシランとの混合物を、基材表面上に、スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング等の方法で塗布後、乾燥させて、テトラアルコキシシランを加水分解、脱水縮重合させることにより無定型シリカを生成させるとともに、表面層を基材に固定することにより得られる。
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の親水性部材を形成する他の方法においては、光触媒性酸化チタンゾルとシリカゾルとの混合物を、基材表面上に、スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング等の方法で塗布後、表面層を基材に固定することにより得られる。
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の親水性部材を形成する他の方法においては、例えば、テトラエトキシチタン、テトラメトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン;チタンキレート、アセテートチタン;硫酸チタン、四塩化チタン等の溶解性無機チタン化合物;水酸化チタン;無定型酸化チタンなどの光触媒性酸化チタンの前駆体とシリカゾルを基材表面上に、スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、電子ビーム蒸着等の方法で塗布後、光触媒性酸化チタンの上記前駆体が光触媒性酸化物に変化する温度(アナターゼ型酸化チタンの結晶化温度)以上である400℃以上の温度で焼成し、表面層を基材に固定することにより得られる。

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の親水性部材の形成方法は、例えば光触媒性酸化チタン粒子を懸濁したゾルを基材表面上に、スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング等の方法で塗布、乾燥後、をさらにその上にテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;又はシリカゾル;を、上記いずれかの方法で塗布後、乾燥させて、テトラアルコキシシランを加水分解、脱水縮重合させることにより無定型シリカを生成させるとともに、表面層を基材に固定することにより得られる。
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の親水性部材を形成する他の方法においては、例えば、テトラエトキシチタン、テトラメトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン;チタンキレート、アセテートチタン;硫酸チタン、四塩化チタン等の溶解性無機チタン化合物;水酸化チタン;無定型酸化チタンなどの光触媒性酸化チタンの前駆体を基材表面上に、スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、電子ビーム蒸着等の方法で塗布、乾燥後、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;又はシリカゾル;を、さらにその上に上記いずれかの方法で塗布し、光触媒性酸化チタンの上記前駆体が光触媒性酸化物に変化する温度(アナターゼ型酸化チタンの結晶化温度)以上である400℃以上の温度で焼成し、表面層を基材に固定することにより得られる。
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の親水性部材においては、光触媒性酸化物層の膜厚が10nm以上だと特に光触媒の光励起による親水化性能に優れ、好ましい。
実施例1.(
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型、酸化チタンゾル+シリカゾル)
アンモニア解膠アナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業、STS−11)とコロイダルシリカ(日産化学、スノーテックスO)を固形分のモル比で88:12の割合で混合し、10×5cm角の施釉タイル(東陶機器、AB02E11)の表面に、フローコーティング法により塗布し、800℃の温度で1時間焼成し、アナターゼ型酸化チタン粒子と、シリカ粒子とからなる被膜で被覆された試料を得た。被膜の膜厚は0.3μmであった。焼成直後の試料の水との接触角は5゜であった。ここで水との接触角は、接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)により、マイクロシリンジから試料表面に水滴を滴下した後30秒後に測定した。試料を1週間暗所に放置した後の水との接触角は依然5゜であった。その後、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用い、照度0.03mW/cmの紫外線を約1日間試料表面に照射したところ、水との接触角は0゜になった。
実施例2.(
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型、チタンアルコキシド+シリカゾル)
10cm角のソーダライムガラス板表面に、テトラエトキシシラン(和光純薬)6重量部、エタノール86重量部、純水6重量部、36%塩酸2重量部からなるコーティング溶液を、フローコーティング法により塗布し、80℃の温度で乾燥させた。ここまでの過程で、テトラエトキシシランは加水分解によりシラノールになり、続いて脱水縮重合により無定型シリカの薄膜がガラス板表面に形成された。次に、シリカゾル5重量部とエタノール95重量部からなる液状物1gと、テトラエトキシチタン10重量部、エタノール90重量部、36%塩酸1重量部からなる液状物5gとを混合して得たコーティング溶液を、フローコーティング法により塗布し、80℃の温度で乾燥させた。ここまでの過程で、テトラエトキシチタンは加水分解により水酸化チタンになり、続いて脱水縮重合により無定型酸化チタンに変化した。すなわちここまでの過程で、ガラス板表面には無定型酸化チタンとシリカゾルからなる薄膜が形成された。次いで500℃で焼成することにより、無定型酸化チタンをアナターゼ型酸化チタンに相変化し、アナターゼ型酸化チタン粒子と、シリカ粒子とからなる被膜で被覆された試料を得た。次いで、試料表面にオレイン酸を塗布し、充分に伸した後、バスマジックリンを染み込ませたスポンジで表面をこすり、流水で濯いだ後、乾燥器により50℃で30分乾燥させることにより、表面を故意に汚染させた。その結果、試料表面の水との接触角は70゜となった。その後、BLB蛍光灯を用い、紫外線照度0.2mW/cmで2日間照射した。その結果、試料表面の水との接触角は3゜まで親水化された。次に、暗所で1日間放置し、試料表面の水との接触角の変化を測定した。その結果、水との接触角は5゜程度と低い値に維持された。
本発明の一実施態様を示す図 本発明の他の実施態様を示す図

Claims (1)

  1. 基材表面に、光触媒性酸化チタンと、アモルファス酸化物を含有する表面層が形成され、光励起に応じて親水性を呈することを特徴とする光触媒性親水性部材。
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