JP3266523B2 - 光触媒性親水性部材、及びその製造方法 - Google Patents

光触媒性親水性部材、及びその製造方法

Info

Publication number
JP3266523B2
JP3266523B2 JP28121896A JP28121896A JP3266523B2 JP 3266523 B2 JP3266523 B2 JP 3266523B2 JP 28121896 A JP28121896 A JP 28121896A JP 28121896 A JP28121896 A JP 28121896A JP 3266523 B2 JP3266523 B2 JP 3266523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
photocatalytic
oxide
aluminum
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28121896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1085608A (ja
Inventor
厚 北村
信 早川
Original Assignee
東陶機器株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東陶機器株式会社 filed Critical 東陶機器株式会社
Priority to JP28121896A priority Critical patent/JP3266523B2/ja
Publication of JPH1085608A publication Critical patent/JPH1085608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3266523B2 publication Critical patent/JP3266523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In General (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材表面を高度の
親水性になし、かつ維持する技術に関する。より詳しく
は、本発明は、鏡、レンズ、ガラス、プリズムその他の
透明部材の表面を高度に親水化することにより、部材の
曇りや水滴形成を防止する防曇技術に関する。本発明
は、また、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面を高
度に親水化することにより、表面が汚れるのを防止し、
又は表面を自己浄化(セルフクリーニング)し若しくは
容易に清掃する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時に自動車その他の乗物の風防ガラ
スや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡のレンズ、および
各種計器盤のカバーガラスが凝縮湿分で曇るのはしばし
ば経験されることである。また、浴室や洗面所の鏡や眼
鏡のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇される。更に、
車両の風防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、車両の
バックミラー、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシ
ールドが降雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が
表面に付着すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、斑模
様になり、或いは曇り、やはり可視性が失われる。言う
までもなく、上記“曇り”は安全性や種々の作業の能率
に深い影響を与える。例えば、車両の風防ガラスや窓ガ
ラス、車両のバックミラーが、寒冷時や雨天に翳り或い
は曇ると、視界の確保が困難となり、交通の安全性が損
なわれる。内視鏡レンズや歯科用歯鏡が曇ると、的確な
診断、手術、処置の障害となる。計器盤のカバーガラス
が曇るとデータの読みが困難となる。
【0003】上記“曇り”の解消のために、表面を親水
性にすることが提案されている。例えば、実開平3−1
29357号には、基材の表面にポリマー層を設け、こ
の層に紫外線を照射した後アルカリ水溶液により処理す
ることにより高密度の酸性基を生成し、これによりポリ
マー層の表面を親水性にすることからなる鏡の防曇方法
が開示されている。しかし、この方法で得られる程度の
酸性基では、表面極性が充分でなく、表面に付着する汚
染物質により時間が経つにつれて表面は親水性を失い、
防曇性能が次第に失われるものと考えられる。
【0004】他方、建築及び塗料の分野においては、環
境汚染に伴い、建築外装材料や屋外建造物やその塗膜の
汚れが問題となっている。大気中に浮遊する煤塵や粒子
は晴天には建物の屋根や外壁に堆積する。堆積物は降雨
に伴い雨水により流され、建物の外壁を流下する。更
に、雨天には浮遊煤塵は雨によって持ち運ばれ、建物の
外壁や屋外建造物の表面を流下する。その結果、表面に
は、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着する。表面が乾
燥すると、表面には縞状の汚れが現れる。建築外装材料
や塗膜の汚れは、カーボンブラックのような燃焼生成物
や、都市煤塵や、粘土粒子のような無機質物質の汚染物
質からなる。このような汚染物質の多様性が防汚対策を
複雑にしているものと考えられている(橘高義典著“外
壁仕上材料の汚染の促進試験方法”、日本建築学会構造
系論文報告集、第404号、1989年10月、p.1
5−24)。
【0005】従来の通念では、上記建築外装などの汚れ
を防止するためにはポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)のような撥水性の塗料が好ましいと考えられてい
たが、最近では、疎水性成分を多く含む都市煤塵に対し
ては、塗膜の表面を出来るだけ親水性にするのが望まし
いと考えられている(高分子、44巻、1995年5月
号、p.307)。そこで、親水性のグラフトポリマー
で建物を塗装することが提案されている(新聞“化学工
業日報”、1995年1月30日)。報告によれば、こ
の塗膜は水との接触角に換算して30〜40゜の親水性
を呈する。しかしながら、粘土鉱物で代表される無機質
塵埃の水との接触角は20゜から50゜であり、水との
接触角が30〜40゜のグラフトポリマーに対して親和
性を有しその表面に付着しやすいので、このグラフトポ
リマーの塗膜は無機質塵埃による汚れを防止することが
できないと考えられる。
【0006】
【発明の解決すべき課題】上記の如く、部材表面を親水
性にすることにより、部材の曇りや水滴形成を防止した
り、また、建物や窓ガラスや機械装置や物品の表面が汚
れるのを防止し、又は表面を自己浄化(セルフクリーニ
ング)し若しくは容易に清掃することができる提案は存
在するものの、表面を高度の親水性に長期にわたり維持
できないため、その効果は充分でなかった。そこで、本
発明では、上記事情に鑑み、表面を長期にわたり高度の
親水性に維持できる部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、及び作用】本発明は、光
触媒を含有する表面層を形成した部材において、光触媒
を光励起すると、部材の表面が高度に親水化されるとい
う発見に基づく。この現象は以下に示す機構により進行
すると考えられる。すなわち、光触媒の価電子帯上端と
伝導電子帯下端とのエネルギーギャップ以上のエネルギ
ーを有する光が光触媒に照射されると、光触媒の価電子
帯中の電子が励起されて伝導電子と正孔が生成し、その
いずれかまたは双方の作用により、おそらく表面に極性
が付与され、水や水酸基等の極性成分が集められる。そ
して伝導電子と正孔のいずれかまたは双方と、上記極性
成分の協調的な作用により、吸着表面と表面に化学的に
吸着した汚染物質との化学結合を切断すると共に、表面
に化学吸着水が吸着し、さらに物理吸着水層がその上に
形成されるのである。
【0008】本発明では、光触媒性酸化チタンと、アル
ミニウムとチタンの複合酸化物を含有する表面層が形成
されている、或いは光触媒性酸化チタン含有層が形成さ
れ、さらにその上にアルミニウムとチタンの複合酸化物
を含有する表面層が形成されている、光触媒性親水性部
材を提供する。表面層にアルミニウムとチタンの複合酸
化物が含有されると、前記複合酸化物表面はハメットの
酸度関数Ho=−5.6程度の酸性を呈するため、表面
の極性が光の有無にかかわらず極端に大きな状態にな
る。そのために、疎水性分子よりも極性分子である水分
子を選択的に吸着させやすい。そのため安定な物理吸着
水層が形成されやすく、暗所に保持しても、表面の親水
性をかなり長期にわたり高度に維持できる。さらに、表
面層に光触媒性酸化物が含有されていることにより、長
期の暗所放置などで表面の親水性が失われてきた場合に
おいても、光触媒性酸化物の光励起に応じて超親水性を
呈するようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第一実施態様において
は、図1に示すように、基材表面に、光触媒性酸化チタ
ンと、アルミニウムとチタンの複合酸化物を含有する表
面層が形成されているようにする。本発明の第二実施態
様においては、図2に示すように、基材表面に、光触媒
性酸化チタン含有層が形成され、さらにその上にアルミ
ニウムとチタンの複合酸化物を含有する表面層が形成さ
れているようにする。
【0010】本発明における高度の親水性とは、水との
接触角に換算して10゜以下、好ましくは5゜以下の水
濡れ性を呈する状態をいう。PCT/JP96/007
33号に示したように、部材表面が水との接触角に換算
して10゜以下の状態であれば、空気中の湿分や湯気が
結露しても、凝縮水が個々の水滴を形成せずに一様な水
膜になる傾向が顕著になる。従って、表面に光散乱性の
曇りを生じない傾向が顕著になる。同様に、窓ガラスや
車両用バックミラーや車両用風防ガラスや眼鏡レンズや
ヘルメットのシールドが降雨や水しぶきを浴びた場合
に、離散した目障りな水滴が形成されずに、高度の視界
と可視性を確保し、車両や交通の安全性を保証し、種々
の作業や活動の能率を向上させる効果が飛躍的に向上す
る。また、同様にPCT/JP96/00733号に示
したように、部材表面が水との接触角に換算して10゜
以下、好ましくは5゜以下の状態であれば、都市煤塵、
自動車等の排気ガスに含有されるカーボンブラック等の
燃焼生成物、油脂、シーラント溶出成分等の疎水性汚染
物質、及び無機粘土質汚染物質双方が付着しにくく、付
着しても降雨や水洗により簡単に落せる状態になる。
【0011】部材表面が上記高度の親水性を維持できれ
ば、上記防曇効果、表面清浄化効果の他、帯電防止効果
(ほこり付着防止効果)、断熱効果、水中での気泡付着
防止効果、熱交換器における効率向上効果、生体親和性
効果等が発揮されるようになる。
【0012】本発明が適用可能な基材としては、上記防
曇効果を期待する場合には透明な部材であり、その材質
はガラス、プラスチック等が好適に利用できる。適用可
能な基材を用途でいえば、車両用バックミラー、浴室用
鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レ
ンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡レンズ、照明
用レンズ、半導体用レンズ、複写機用レンズのようなレ
ンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラス;自動車、鉄
道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、ロープウエイ
のゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の
窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、
雪上車、スノーモービル、オートバイ、ロープウエイの
ゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙船のような乗物の風
防ガラス;防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグル、防護
用マスクのシールド、スポーツ用マスクのシールド、ヘ
ルメットのシールド、冷凍食品陳列ケースのガラス;計
測機器のカバーガラス、及び上記物品表面に貼付させる
ためのフィルムを含む。本発明が適用可能な基材として
は、上記表面清浄化効果を期待する場合にはその材質
は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチッ
ク、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、そ
れらの組合せ、それらの積層体が好適に利用できる。適
用可能な基材を用途でいえば、建材、建物外装、建物内
装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装及び塗装、
機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交通標
識、各種表示装置、広告塔、道路用防音壁、鉄道用防音
壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装
及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カ
バー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバー、住宅設
備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照明カバー、台所
用品、食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レン
ジ、キッチンフード、換気扇、及び上記物品表面に貼付
させるためのフィルムを含む。本発明が適用可能な基材
としては、上記帯電防止効果を期待する場合にはその材
質は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、
それらの組合せ、それらの積層体が好適に利用できる。
適用可能な基材を用途でいえば、ブラウン管、磁気記録
メディア、光記録メディア、光磁気記録メディア、オー
ディオテープ、ビデオテープ、アナログレコード、家庭
用電気製品のハウジングや部品や外装及び塗装、OA機
器製品のハウジングや部品や外装及び塗装、建材、建物
外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外
装及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗
装、及び上記物品表面に貼付させるためのフィルムを含
む。
【0013】光触媒性酸化物とは、酸化物結晶の伝導電
子帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大き
なエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照
射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)によ
って、伝導電子と正孔を生成しうる酸化物をいい、アナ
ターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸
化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化
第二鉄、チタン酸ストロンチウム等が好適に利用でき
る。ここで光触媒性酸化物の光励起に用いる光源として
は、蛍光灯、白熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ラ
ンプのような室内照明、太陽、それらの光源からの光を
低損失のファイバーで誘導した光源等が好適に利用でき
る。光触媒性酸化物の光励起により、基材表面が高度に
親水化されるためには、励起光の照度は、0.001m
W/cm以上あればよいが、0.01mW/cm
上だと好ましく、0.1mW/cm以上だとより好ま
しい。
【0014】上記表面層の膜厚は0.2μm以下にする
のが好ましい。そうすれば、光の干渉による表面層の発
色を防止することができる。また表面層が薄ければ薄い
ほど部材の透明度を確保することができる。更に、膜厚
を薄くすれば表面層の耐摩耗性が向上する。上記表面層
の表面に、更に、親水化可能な耐摩耗性又は耐食性の保
護層や他の機能膜を設けてもよい。上記表面層は、基材
と比較して屈折率があまり高くないのが好ましい。好ま
しくは表面層の屈折率は2以下であるのがよい。そうす
れば、基材と表面層との界面における光の反射を抑制で
きる。基材がナトリウムのようなアルカリ網目修飾イオ
ンを含むガラスや施釉タイルの場合には、基材と上記表
面層との間にシリカ等の中間層を形成してもよい。そう
すれば、焼成中にアルカリ網目修飾イオンが基材から表
面層へ拡散するのが防止され、光触媒機能がよりよく発
揮される。上記表面層にはAg、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌を死滅させることができる。更
に、この表面層は、黴、藻、苔のような微生物の成長を
抑制する。従って、微生物起因の部材表面の汚れ付着が
より有効に抑制されるようになる。上記表面層にはP
t、Pd、Rh、Ru、Os、Irのような白金族金属
を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、光触媒による酸化活性を増強させることができ、部
材表面に付着した汚染物質の分解を促進する。また、上
記白金族金属の添加により、アルミニウムとチタンとの
複合酸化物の酸度が向上するので、親水維持性も向上す
る。上記表面層にMoを添加してもよい。この場合もア
ルミニウムとチタンとの複合酸化物の酸度が向上するの
で、親水維持性は向上する。
【0015】図1の親水性部材の形成方法は、例えば光
触媒性酸化チタンゾルと、アルミナゾルとの混合物;又
は光触媒性酸化チタンゾルと、アルミニウムプロポキシ
ド、アルミニウムエトキシド等のアルミニウムアルコキ
シドとの混合物;を基材表面上に、スプレーコーティン
グ、フローコーティング、スピンコーティング、ディッ
プコーティング、ロールコーティング等の方法で塗布
後、アルミニウムとチタンとの複合酸化物が粒子間の粒
界に形成されうる450〜900℃の温度で焼成し、表
面層を基材に固定する。図1の親水性部材を形成する他
の方法においては、例えば、テトラエトキシチタン、テ
トラメトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ
ブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン;チタンキ
レート、アセテートチタン;硫酸チタン、四塩化チタン
等の溶解性無機チタン化合物;水酸化チタン;無定型酸
化チタンなどの光触媒性酸化チタンの前駆体と、アルミ
ナゾルを基材表面上に、スプレーコーティング、フロー
コーティング、スピンコーティング、ディップコーティ
ング、ロールコーティング等の方法で塗布後、アルミニ
ウムとチタンとの複合酸化物が粒子間の粒界に形成され
うる450〜900℃の温度で焼成し、表面層を基材に
固定する。
【0016】図2の親水性部材の形成方法は、例えば光
触媒性酸化チタン粒子を懸濁したゾルを基材表面上に、
スプレーコーティング、フローコーティング、スピンコ
ーティング、ディップコーティング、ロールコーティン
グ等の方法で塗布、乾燥後、アルミニウムプロポキシ
ド、アルミニウムエトキシド等のアルミニウムアルコキ
シドをさらにその上に上記いずれかの方法で塗布し、ア
ルミニウムとチタンとの複合酸化物が形成される450
〜900℃の温度で焼成し、表面層を基材に固定する。
図2の親水性部材を形成する他の方法においては、例え
ば、テトラエトキシチタン、テトラメトキシチタン、テ
トラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテト
ラアルコキシチタン;チタンキレート、アセテートチタ
ン;硫酸チタン、四塩化チタン等の溶解性無機チタン化
合物;水酸化チタン;無定型酸化チタンなどの光触媒性
酸化チタンの前駆体を基材表面上に、スプレーコーティ
ング、フローコーティング、スピンコーティング、ディ
ップコーティング、ロールコーティング、電子ビーム蒸
着等の方法で塗布、乾燥後、アルミニウムプロポキシ
ド、アルミニウムエトキシド等のアルミニウムアルコキ
シドをさらにその上に上記いずれかの方法で塗布し、光
触媒性酸化チタンの上記前駆体が光触媒性酸化物に変化
する温度(アナターゼ型酸化チタンの結晶化温度)以上
であり、かつアルミニウムとチタンとの複合酸化物が形
成される450〜900℃の温度で焼成し、表面層を基
材に固定する。図2の親水性部材においては、光触媒性
酸化物層の膜厚が10nm以上だと特に光触媒の光励起
による親水化性能に優れ、好ましい。
【0017】
【実施例】塩酸解膠アナターゼ型酸化チタンゾル(石原
産業、CS−C、固形分濃度30重量%)と、無定型酸
化アルミニウムゾル(日産化学、アルミナゾル−10
0、固形分濃度10重量%)を固形分のモル比で88:
12になるように混合して得た混合液を、5×10cm
角の施釉タイル(東陶機器、AB02E11)に、フロ
ーコーティング法により塗布し、800℃で1時間焼成
し、アナターゼ型酸化チタン粒子と、アルミナ粒子と、
その粒界に生成するアルミニウムとチタンとの複合酸化
物からなる被膜で被覆された試料を得た。被膜の膜厚は
0.3μmであった。焼成直後の水との接触角は2゜で
あった。ここで水との接触角は、接触角測定器(協和界
面科学、CA−X150)により、マイクロシリンジか
ら試料表面に水滴を滴下した後30秒後に測定した。得
られた試料を2週間放置した後、紫外線光源(三共電
気、ブラックライトブルー(BLB)蛍光灯)を用い、
照度0.3mW/cm2の紫外線を約10日間試料表面
に照射した。その結果、水との接触角は2゜に回復し
た。その後、暗所に1日放置したが、水との接触角は6
゜程度に維持された。
【0018】
【発明の効果】本発明では、光触媒性酸化チタンと、ア
ルミニウムとチタンとの複合酸化物を含有する層が形成
されている、或いは光触媒性酸化チタン含有層が形成さ
れ、さらにその上にアルミニウムとチタンとの複合酸化
物を含有する層が形成されているようにすることによ
り、光触媒の光励起に応じて表面が親水化されるように
なるので、表面を恒久的に高度の親水性に維持できるよ
うになるとともに、アルミニウムとチタンとの複合酸化
物が酸性を示すことに基づく極性付与効果により、遮光
時の親水性も長期にわたり維持されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様を示す図。
【図2】 本発明の他の実施態様を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−218635(JP,A) 特開 平8−132075(JP,A) 特開 平9−310039(JP,A) 特開 平9−217028(JP,A) 特開 平8−309203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74 JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒性酸化チタン含有層
    が形成され、さらにその上にアルミニウムとチタンから
    なる複合酸化物を含有する表面層が形成されていること
    を特徴とする光触媒性親水性部材。
  2. 【請求項2】 前記光触媒性酸化物含有層の膜厚は10
    nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の光触
    媒性親水性部材。
  3. 【請求項3】 基材表面を、光触媒性酸化チタン粒子を
    含有する層で被覆する工程、さらにその上をアルミニウ
    ムアルコキシドを含有する層で被覆する工程、450〜
    900℃の温度で焼成してアルミニウムとチタンからな
    る複合酸化物を形成する工程、を含む光触媒性親水性部
    材の製造方法。
  4. 【請求項4】 基材表面を、無定型酸化チタンを含有す
    る層で被覆する工程、さらにその上をアルミニウムアル
    コキシドを含有する層で被覆する工程、450〜900
    ℃の温度で焼成して無定型酸化チタンを結晶化させると
    ともに、アルミニウムとチタンからなる複合酸化物を形
    成する工程、を含む光触媒性親水性部材の製造方法。
JP28121896A 1996-09-17 1996-09-17 光触媒性親水性部材、及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3266523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28121896A JP3266523B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 光触媒性親水性部材、及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28121896A JP3266523B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 光触媒性親水性部材、及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1085608A JPH1085608A (ja) 1998-04-07
JP3266523B2 true JP3266523B2 (ja) 2002-03-18

Family

ID=17636020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28121896A Expired - Fee Related JP3266523B2 (ja) 1996-09-17 1996-09-17 光触媒性親水性部材、及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3266523B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3686633A1 (en) * 2019-01-22 2020-07-29 Veoneer Sweden AB Optical imaging device, vision system and window for a motor vehicle, and method for manufacturing

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110871058B (zh) * 2018-08-30 2022-12-23 广东粤能净环保科技有限公司 光催化单元及其光催化方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3686633A1 (en) * 2019-01-22 2020-07-29 Veoneer Sweden AB Optical imaging device, vision system and window for a motor vehicle, and method for manufacturing

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1085608A (ja) 1998-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3003593B2 (ja) 光触媒性親水性部材
JP2001026070A (ja) 親水性表面を備えた複合材の製造方法およびこの製造方法により製造される複合材
JPH10114546A (ja) 光触媒性親水性部材、及びその製造方法
JP3255346B2 (ja) 光触媒性親水性部材の形成方法、及び光触媒性親水性部材
JP3264317B2 (ja) 光触媒性親水性部材及びその製造方法
JP3087682B2 (ja) 光触媒性親水性部材
JP3266535B2 (ja) 光触媒性親水性部材及びその製造方法、並びに光触媒性親水性コ−ティング組成物
JP3266526B2 (ja) 光触媒性親水性部材、及びその製造方法
JP3266523B2 (ja) 光触媒性親水性部材、及びその製造方法
JPH1085610A (ja) 光触媒性親水性部材、及びその製造方法
JPH10235204A (ja) 光触媒性親水性部材
JP2001098187A (ja) 光触媒性親水性コーティング組成物、及び光触媒性親水性部材の製造方法
JP3298440B2 (ja) 光触媒性親水性コ−ティング液
JPH10237357A (ja) コ−ティング組成物
JPH09188850A (ja) 光触媒性親水性コーティング組成物
JPH1085609A (ja) 光触媒性親水性部材、及びその製造方法
JP3298439B2 (ja) 光触媒性親水性コ−ティング液
JPH1081840A (ja) 光触媒性親水性塗料組成物
JPH1067543A (ja) 光触媒性親水性部材
JPH10152346A (ja) 光触媒性親水性部材及びその製造方法、並びに光触媒性親水性コ−ティング組成物
JP2004306036A (ja) 光触媒性親水性部材
JPH1072242A (ja) 光触媒性親水性部材、及び光触媒性親水性コーティング組成物
JPH1176833A (ja) 光触媒性親水性部材
JP2001001438A (ja) フィルム及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371