JPH1081840A - 光触媒性親水性塗料組成物 - Google Patents

光触媒性親水性塗料組成物

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JPH1081840A
JPH1081840A JP8356277A JP35627796A JPH1081840A JP H1081840 A JPH1081840 A JP H1081840A JP 8356277 A JP8356277 A JP 8356277A JP 35627796 A JP35627796 A JP 35627796A JP H1081840 A JPH1081840 A JP H1081840A
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JP
Japan
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coating film
coating composition
water
composition according
hydrophilic coating
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JP8356277A
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English (en)
Inventor
Mitsumasa Sugano
充誠 菅野
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料組成物の優れた分散安定性を保持しつ
つ、透明で均一な塗膜を形成できるとともに、塗膜表面
を恒久的に親水性に保持することが可能な親水性塗料組
成物の提供。 【解決手段】 金属酸化物からなる光触媒粒子と、疎水
性官能基をほとんど含まない分散剤と、溶媒からなる親
水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明基材上に塗布
したり、吹き付けて塗膜を形成することにより、光触媒
粒子が励起しうる波長の光の照射に応じて、塗膜表面が
高度の親水性を呈する塗料組成物に関する。より詳しく
は、鏡、ガラス、レンズ、プリズムその他の透明基材の
表面を高度に親水化することにより、基材の曇りや水滴
形成を防止することの可能な塗膜を形成するための防曇
性塗料組成物に関する。本発明は、また、建物や窓ガラ
スや機械装置や乗物や物品の表面を高度に親水化するこ
とにより、表面が汚れるのを防止し、又は表面を水を用
いて清浄化することの可能な塗膜を形成するための易清
浄性塗料組成物に関する。本発明は、また、自動車の車
体等の表面を高度に親水化することにより、付着した水
滴の乾燥を促進することの可能な塗膜を形成するための
易乾燥性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時に自動車その他の乗物の風防ガラ
スや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡のレンズ、および
各種計器盤のカバ−ガラスが凝縮湿分で曇るのはしばし
ば経験されることである。また浴室や洗面所の鏡や眼鏡
のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇される。物品の表
面に曇りが生じるのは、表面が雰囲気の露点以下の温度
に置かれると雰囲気中の湿分が凝縮して表面に結露する
からである。凝縮水滴が充分に細かく、それらの直径が
可視光の波長の1/2程度であれば、水滴は光を散乱
し、ガラスや鏡は見掛け上不透明となり、可視性が失わ
れる。湿分の凝縮が更に進行し、細かい凝縮水滴が互い
に融合してより大きな離散した水滴に成長すれば、水滴
と表面との界面並びに水滴と空気との界面における光の
屈折により、表面は翳り、ぼやけ、或いは曇る。その結
果、ガラスのような透明物品では透視像が歪んで透視性
が低下し、鏡では反射像が乱される。更に、車両の風防
ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、車両のバックミラ
−、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシ−ルドが降
雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が表面に付着
すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、或いは曇り、や
はり可視性が失われる。ここで用いる“防曇”の用語
は、このような曇りや凝縮水滴の成長や水滴の付着によ
る光学的障害を防止する技術を広く意味する。言うまで
もなく、防曇技術は安全性や種々の作業の能率に深い影
響を与える。例えば、車両の風防ガラスや窓ガラスやバ
ックミラ−が曇り或いは翳ると車両や交通の安全性が損
なわれる。内視鏡レンズや歯科用歯鏡が曇ると、的確な
診断、手術、処置の障害となる。計器盤のカバ−ガラス
が曇るとデ−タの読みが困難となる。
【0003】他方、建築及び塗料の分野においては、環
境汚染に伴い、建築外装材料や屋外建造物やその塗膜の
汚れが問題となっている。大気中に浮遊する煤塵や粒子
は晴天には建物の屋根や外壁に堆積する。堆積物は降雨
に伴い、雨水により流され、建物の外壁を流下する。更
に、雨天には浮遊煤塵は雨によって持ち運ばれ、建物の
外壁や屋外建造物の表面を流下する。その結果、表面に
は、雨水の道筋に沿って汚染物質が付着する。表面が乾
燥すると、表面には縞状の汚れが現れる。建築外装材料
や塗膜の汚れは、カ−ボンブラックのような燃焼生成物
や、都市煤塵や粘土粒子のような無機質物質の汚染物質
からなる。このような汚染物質の多様性が防汚対策を複
雑にしているものと考えられる(橘高義典著“外壁仕上
材料の汚染の促進試験方法”、日本建築学会構造系論文
報告集、第404号、1989年10月、p.15−2
4)。従来の通念では上記建築外装などの汚れを防止す
るためにはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の
ような撥水性の塗料が好ましいと考えられていたが、最
近では、疎水性成分を多く含む都市煤塵に対しては、塗
膜の表面を出来るだけ親水性にするのがよいと考えられ
ている(高分子、44巻、1995年5月号、p.30
7).そこで、親水性のグラフトポリマ−で建物を塗装
することが提案されている(新聞“化学工業日報”、1
995年1月30日)。報告によれば、この塗膜は水と
の接触角に換算して30〜40゜の親水性を呈する。し
かしながら、粘土鉱物で代表される無機質塵埃の水との
接触角は20゜から50゜であり、水との接触角が30
〜40゜のグラフトポリマ−に対して親和性を有し、そ
の表面に付着しやすいので、このグラフトポリマ−の塗
膜は無機質塵埃による汚れを防止することができないと
考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
を高度の親水性になし、かつ維持することの可能な塗膜
を形成することの可能な親水性塗料組成物を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、かつ優れた分散安定性
を有する親水性塗料組成物を提供することにある。本発
明の他の目的は、透明かつ均一なコ−ティングを容易に
実現しうる親水性塗料組成物を提供することにある。本
発明の他の目的は、ある程度の接着性があり、かつ使用
者が簡単に塗膜を形成しなおせるように、剥がしやすい
親水性塗料組成物を提供することにある。本発明の他の
目的は、上記性質を有する塗膜を常温で塗布、乾燥さ
せ、必要に応じて特定波長の光を照射する程度で実現可
能な親水性塗料組成物を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、半恒久的な防曇性塗
膜を形成することの可能な防曇性塗料組成物を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、かつ優れた分散安定
性を有する防曇性塗料組成物を提供することにある。本
発明の他の目的は、かつ基材の透明性を損なわないコ−
ティングを容易に実現しうる防曇性塗料組成物を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、かつ塗膜による反
射を防止し、可視光透過性に優れた防曇性塗料組成物を
提供することにある。本発明の他の目的は、かつある程
度の接着性があり、かつ使用者が簡単に塗膜を形成しな
おせるように、剥がしやすい防曇性塗料組成物を提供す
ることにある。 本発明の他の目的は、かつ上記性質を
有する塗膜を常温で塗布、乾燥させ、必要に応じて特定
波長の光を照射する程度で実現可能な防曇性塗料組成物
を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、半恒久的な易清浄性
塗膜を形成することの可能な易清浄性塗料組成物を提供
することにある。本発明の他の目的は、かつ優れた分散
安定性を有する易清浄性塗料組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、かつ基材の透明性を損なわな
いコ−ティングを容易に実現しうる易清浄性塗料組成物
を提供することにある。本発明の他の目的は、かつ塗膜
による反射を防止し、可視光透過性に優れた易清浄性塗
料組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、
かつある程度の接着性があり、かつ使用者が簡単に塗膜
を形成しなおせるように、剥がしやすい易清浄性塗料組
成物を提供することにある。本発明の他の目的は、かつ
上記性質を有する塗膜を常温で塗布、乾燥させ、必要に
応じて特定波長の光を照射する程度で実現可能な易清浄
性塗料組成物を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、半恒久的な易乾燥性
塗膜を形成することの可能な易乾燥性塗料組成物を提供
することにある。本発明の他の目的は、かつ優れた分散
安定性を有する易乾燥性塗料組成物を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、かつ基材の透明性を損なわな
いコ−ティングを容易に実現しうる易乾燥性塗料組成物
を提供することにある。本発明の他の目的は、かつ塗膜
による反射を防止し、可視光透過性に優れた易乾燥性塗
料組成物を提供することにある。本発明の他の目的は、
かつある程度の接着性があり、かつ使用者が簡単に塗膜
を形成しなおせるように、剥がしやすい易乾燥性塗料組
成物を提供することにある。本発明の他の目的は、かつ
上記性質を有する塗膜を常温で塗布、乾燥させ、必要に
応じて特定波長の光を照射する程度で実現可能な易乾燥
性塗料組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒を含有
する表面層を形成した基材において、光触媒を光励起す
ると、基材の表面が高度に親水化されるという発見に基
づく。この現象は以下に示す機構により進行すると考え
られる。すなわち、光触媒の価電子帯上端と伝導帯下端
とのエネルギ−ギャップ以上のエネルギ−を有する光が
光触媒に照射されると、光触媒の価電子帯中の電子が励
起されて伝導電子と正孔が生成し、そのいずれかまたは
双方の作用により、表面に極性(おそらくは電子吸引
性)が付与される。それにより、表面に化学的に吸着し
た汚染物質との化学結合が切断されるとともに、水が化
学吸着し、さらに、その上に物理吸着水層が形成され、
増加する。それにより、表面が水濡れ角5゜以下の高度
の親水性を呈するようになる。
【0009】本発明では、金属酸化物からなる光触媒粒
子と、疎水性官能基をほとんど含まない分散剤と、溶媒
からなる光触媒性親水性塗料組成物を提供する。分散剤
を構成要素に含有することにより、優れた分散安定性を
有する防曇性塗料組成物を提供できると同時に、均一な
塗膜が形成できる。ここで、分散剤は、塗膜の表面にも
現れることになるので、塗膜初期から親水性表面を形成
させる観点から、好ましくは疎水性官能基をほとんど含
まない分散剤、より好ましくはシリカ或いはその前駆体
であるテトラアルコキシシラン或いはシリカと構造の類
似したアルキルシリケ−ト、水ガラス等のシリケ−ト化
合物等のシリコン系分散剤であるのがよい。また塗膜の
表面が疎水性官能基をほとんど含まないようになるの
で、常温で塗布、乾燥させるだけで、塗膜初期から親水
性を呈し、かつ光触媒の光励起に応じて親水性を呈する
塗膜が得られるようになる。分散剤をシリコン系分散剤
であるようにすると、さらに以下の効果も加味される。
すなわち、シリコン系分散剤は蓄水性を有するので、暗
所に放置した場合でも水との接触角が上昇しにくく、長
時間高度の親水性を保持できるとともに、光触媒を励起
する光を短時間照射するだけで親水性を呈するようにな
る。溶媒を構成要素に含有することにより、優れた分散
安定性を有する防曇性塗料組成物を提供できると同時
に、均一な塗膜が形成できる。さらに、塗膜の膜厚をそ
の量に応じて制御できる。ここで溶媒にはアルコ−ル、
水が好ましい。
【0010】本発明の好ましい態様においては、光触媒
粒子の平均結晶子径は、100nm以下であるようにす
る。光触媒粒子の平均結晶子径を100nm以下にする
ことで、塗膜形成時に可視光の粒子による散乱による基
材の失透を防止できると同時に、その保有する表面エネ
ルギ−により基材への接着性をある程度確保できるよう
になる。但しこのエネルギ−による接合は、硬化重合反
応や焼結反応に基づく結合のような強さを有しないの
で、使用者が簡単に塗膜を形成しなおせるような剥がし
やすさを確保できる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、光触媒
粒子1重量部に対する溶媒の重量は、100重量部以上
10000重量部未満、より好ましくは100重量部以
上1000重量部以下であるようにする。本実施態様発
明は、光触媒による表面の親水化反応が、従来知られて
いた光触媒による酸化還元反応と本質的に異なるという
事実の発見に基づく。すなわち、従来の光触媒による酸
化還元反応では、例えば、特開平8−164334号に
あるように、液中の固形分濃度で5%以上でないと酸化
還元効果が発揮されないのに対して、光触媒による表面
の親水化反応では光触媒粒子1重量部に対する溶媒の重
量が10000重量部、すなわち、液中の酸化チタン固
形分濃度で約0.01%をこえる、より好ましくは光触
媒粒子1重量部に対する溶媒の重量が1000重量部、
すなわち、液中の酸化チタン固形分濃度で約0.1%程
度で親水化効果が発揮されるのである。光触媒粒子1重
量部に対する溶媒の重量を、10000重量部未満、よ
り好ましくは1000重量部以下にすることにより、高
度の親水性を呈する薄膜を容易に形成できるようにな
る。光触媒粒子1重量部に対する溶媒の重量を、100
重量部以上にすることにより、可視光の粒子による散乱
による基材の失透を防止できるようになる。従って、光
触媒粒子1重量部に対する溶媒の重量を100重量部以
上10000重量部未満にすることにより、透明、均一
かつ光触媒の光励起により高度の親水性を呈する薄膜を
形成できるようになる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、さらに
抗菌性金属又はその化合物を含むようにする。それによ
り防曇性と同時に、抗菌性も発揮するようになる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、光触媒
粒子はアナタ−ゼ型酸化チタンとする。アナタ−ゼ型酸
化チタンは、非常に細かな微粒子を分散させたゾルを水
熱法等により簡単に得ることができるので好ましい。
【0014】本発明の好ましい態様においては、さらに
屈折率2以下である物質が添加されているようにする。
添加されている物質の屈折率を2以下にすることで、塗
膜形成時に可視光の塗膜による反射を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の構成要素について説
明する。ここでいう金属酸化物からなる光触媒粒子と
は、価電子帯中の電子の励起によって生成する正孔或い
は伝導電子を介する反応により、おそらくは表面に極性
を付与して吸着水層を形成することにより、基材表面を
親水化できるものをさし、より具体的には、アナタ−ゼ
型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜
鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二
鉄、チタン酸ストロンチウム等が使用できる。
【0016】疎水性官能基をほとんど含まない分散剤と
は、シリカ、アルキルシリケ−ト、水ガラス、リン酸、
リン酸ナトリウム等の疎水性官能基を含まない分散剤
と、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メタク
リル酸、酢酸、メタクリル酸ナトリウム、ポリカルボン
酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、ポリカルボ
ン酸アンモニウム、ポリエチレングリコ−ル等の炭素数
4をこえる疎水性側鎖を含まない分散剤との双方を含
む。
【0017】溶媒には、水、エタノ−ル、プロパノ−
ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、エチレングリコ−ル等
が好適に利用できる。
【0018】光触媒粒子の平均結晶子径は、粉末X線回
折法により得られる光触媒結晶の最強ピ−クの積分幅を
求め、シェラ−式により算出して求められる値である。
【0019】シリコン系分散剤とは、Siを含む分散剤
であり、メチルシリケ−ト、エチルシリケ−ト、水ガラ
ス、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメト
キシジエトキシシラン、シリカ等が好適に利用できる。
【0020】抗菌性金属又はその化合物とは、銀、銅、
亜鉛及びそれらの金属を含有する化合物(硝酸銀、硝酸
銅、硝酸亜鉛、酢酸銅、塩化銀、塩化銅、塩化亜鉛、リ
ン酸銀等)をさす。
【0021】屈折率2以下の物質としては、シリカ(屈
折率1.5)、酸化錫(同1.9)、炭酸カルシウム
(同1.6)、水酸化カルシウム(同1.6)、炭酸マ
グネシウム(同1.5)、炭酸ストロンチウム(同1.
5)、ドロマイト(同1.7)、フッ化カルシウム(同
1.4)、フッ化マグネシウム(同1.4)、アルミナ
(同1.6)、ケイ砂(同1.6)、ゼオライト(同
1.5)、モンモリロナイト(同1.5)、カオリン
(同1.6)、セリサイト(同1.6)、酸化第二鉄
(同1.8)、酸化イットリウム(同1.9)等が好適
に利用できる。
【0022】PCT/JP96/00733号に示した
ように、基材表面が水との接触角に換算して10゜以
下、より好ましくは5゜以下の状態であれば、空気中の
湿分や湯気が結露しても、凝縮水が個々の水滴を形成せ
ずに一様な水膜になる傾向が顕著になる。同様に、窓ガ
ラスや車両用バックミラ−や車両用風防ガラスや眼鏡レ
ンズやヘルメットのシ−ルドが降雨や水しぶきを浴びた
場合に、離散した目障りな水滴が形成されずに、高度の
視界と可視性を確保し、車両や交通の安全性を保証し、
種々の作業や活動の能率を向上させる効果が飛躍的に向
上する。また、同様に、PCT/JP96/00733
号に示したように、基材表面が水との接触角に換算して
10゜以下、より好ましくは5゜以下の状態であれば、
都市煤塵、自動車等の排気ガスに含有されるカ−ボンブ
ラック等の燃焼生成物、油脂、シ−ラント溶出成分等の
疎水性汚染物質、及び無機粘土質汚染物質双方が付着し
にくく、付着しても降雨や水洗により簡単に落せる状態
になる。
【0023】部材表面が上記高度の親水性を呈し、かつ
その状態を維持するようになれば、上記防曇効果、表面
清浄化効果の他、乾燥促進効果、帯電防止効果、ほこり
付着防止効果、断熱効果、水中での気泡付着防止効果、
熱交換器における効率向上効果、生体親和性向上効果等
が発揮されるようになる。
【0024】本発明が適用可能な基材としては、防曇効
果を期待する場合には透明な基材であり、その材質はガ
ラス、プラスチック等が好適に利用できる。適用可能な
基材を用途でいえば、浴室用又は洗面所用鏡、自動車に
おけるドアミラ−やフェンダ−ミラ−及び自動二輪車に
おけるバックミラ−のような車両用バックミラ−、歯科
用歯鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、
写真機レンズ、複写機用レンズ、内視鏡レンズ、照明用
レンズ、半導体製造用レンズ、車両用後方確認カメラレ
ンズのようなレンズ;プリズム;建物や監視塔の窓ガラ
ス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪上
車、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙
船のような乗物の窓ガラス;自動車、鉄道車両、航空
機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ−モ−ビル、オ−トバ
イ、ロ−プウエイのゴンドラ、遊園地のゴンドラ、宇宙
船のような乗物の風防ガラス;防護用又はスポ−ツ用ゴ
−グル又はマスク(潜水用マスクを含む)のシ−ルド;
ヘルメットのシ−ルド;冷凍食品陳列ケ−スのガラス、
中華饅頭等の保温食品の陳列ケ−スのガラス;計測機器
のカバ−、車両用後方確認カメラレンズのカバ−、レ−
ザ−歯科治療器等の集束レンズ、車間距離センサ−等の
レ−ザ−光検知用センサ−のカバ−、赤外線センサ−の
カバ−、カメラ用フィルタ−及びそれら物品表面に貼着
可能なフィルム、シ−ト、シ−ル等を含む。
【0025】本発明が適用可能な基材としては、清浄化
効果を期待する場合には、その材質は、例えば、金属、
セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメン
ト、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、それ
らの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用途
でいえば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラ
ス、構造部材、乗物の外装及び塗装、機械装置や物品の
外装、防塵カバ−及び塗装、交通標識、各種表示装置、
広告塔、看板、道路用遮音壁、鉄道用遮音壁、橋梁、ガ
−ドレ−ルの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍
子、太陽電池カバ−、太陽熱温水器集熱カバ−、ビニ−
ルハウス、車両用照明灯のカバ−、住宅設備、便器、浴
槽、洗面台、照明器具、照明カバ−、台所用品、食器、
食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチン
フ−ド、換気扇、及び上記物品表面に貼着可能なフィル
ム、シ−ト、シ−ル等を含む。
【0026】本発明が適用可能な基材としては、乾燥促
進効果を期待する場合には、その材質は、例えば、金
属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメ
ント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、そ
れらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用
途でいえば、自動車車体、窓、舗道、及び上記物品表面
に貼着可能なフィルム、シ−ト、シ−ル等を含む。
【0027】本発明が適用可能な基材としては、帯電防
止効果を期待する場合には、その材質は、例えば、金
属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメ
ント、コンクリ−ト、繊維、布帛、それらの組合せ、そ
れらの積層体が好適に利用できる。適用可能な基材を用
途でいえば、ブラウン管、磁気記録メディア、光記録メ
ディア、光磁気記録メディア、オ−ディオテ−プ、ビデ
オテ−プ、アナログレコ−ド、OHPシ−ト、家庭用電
気製品のハウジングや部品や外装及び塗装、OA機器製
品のハウジングや部品や外装及び塗装、建材、建物外
装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、乗物の外装
及び塗装、機械装置や物品の外装、防塵カバ−及び塗
装、及び上記物品表面に貼着可能なフィルム、シ−ト、
シ−ル等を含む。
【0028】上記親水性塗料組成物は、上記透明性基材
に防曇性を付与するための、スプレ−剤、ワックス又は
塗料として使用する。
【0029】上記親水性塗料組成物は、基材にスプレ
−、ロ−ル印刷、グラビア印刷、スポンジ含浸塗布、フ
ロ−コ−ト、転写等の方法で塗布し、光触媒の光励起に
応じて表面を親水化させて使用する。ここで光触媒の光
励起は、光触媒結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエ
ネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−(すなわち短
い波長)を有する光を光触媒に照射して行う。より具体
的には、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場合には波
長387nm以下、ルチル型酸化チタンの場合には波長
413nm以下、酸化錫の場合には波長344nm以
下、酸化亜鉛の場合には波長387nm以下の光を含有
する光線を照射する。上記光触媒の場合には、紫外線光
源により光励起されるので、光源としては、蛍光灯、白
熱電灯、メタルハライドランプ、水銀ランプのような室
内照明、太陽光や、それらの光源を低損失のファイバ−
で誘導した光源等を利用できる。塗膜表面の親水化に必
要な、光触媒を光励起するために必要な光の照度は、
0.001mW/cm2 以上、より好ましくは0.01
mW/cm2 以上である。
【0030】
【実施例】
実施例1.(シリコン系分散剤及び溶媒比率の影響) 光触媒ゾル(石原産業製、ST−K01、固形分10重
量%、固形分はアナタ−ゼ型酸化チタン8重量部とアル
キルシリケ−ト2重量部からなる)を、エタノ−ルでさ
らに10倍、100倍、1000倍に希釈して、それぞ
れ#1試料、#2試料、#3試料を得た。これらの試料
を3日間放置したが凝集は認められなかった。#1〜3
試料を、10cm角のソ−ダライムガラス基材に塗布
し、常温で18時間乾燥させた。その結果、#1〜3試
料のいずれにおいても、透明かつ均一な塗膜が得られ
た。但し#1試料で得た塗膜では干渉縞も観察された。
次いで#1〜3試料それぞれで得た塗膜に、紫外線照度
0.25mW/cm2の光源(三共電気、BLB(ブラ
ックライトブル−)蛍光灯)を1時間照射し、その後の
塗膜の防曇性を測定した。測定の評価基準を下記に示
す。 ◎:息を吹きかけても曇らない。 ○:息を吹きかけると若干曇るが、透過像は明瞭に見え
る。 △:息を吹きかけると、基材ガラス程ではないが、透過
像が明瞭に見えない程度曇る。 ×:息を吹きかけると、基材ガラス並みに曇る。 その結果、#1試料及び#2試料では◎、#3試料では
×であった。次に、#1試料及び#2試料について、そ
れぞれで得た塗膜に、紫外線照度025mW/cm2
光源(三共電気、BLB(ブラックライトブル−)蛍光
灯)を1時間照射した後の、塗膜表面の水との接触角を
測定した。水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから試
料表面に水滴を滴下した後30秒後に測定することによ
り調べた。その結果、#1試料、#2試料ともに水との
接触角で0゜まで超親水化された。次に#1試料につい
て、塗膜の基材への接着性及び基材からの剥がしやすさ
を評価した。ここで基材への接着性は水を含ませたキム
ワイプで摺動させ、剥離が生じるまでの回数で評価し
た。一方、基材からの剥がしやすさはプラスチック消し
ゴムで摺動したときに、完全に塗膜が剥離するまでの摺
動回数で評価した。それぞれの試験について3回ずつ行
った。その結果、基材への接着性については、20回摺
動させても剥離は生じなかった。他方、基材からの剥が
しやすさについては2〜3回の摺動回数で完全に塗膜が
剥離した。上記実験事実より以下のことがわかる。 (1)シリコン系分散剤(アルキルシリケ−ト)によ
り、粒径20nm程度のアナタ−ゼ型酸化チタンを分散
させた酸化チタンゾルST−K01を、酸化チタン粒子
1重量部に対する溶媒の重量が10000重量部未満、
より好ましくは1000重量部以下になるように希釈し
たことにより、水との接触角に換算して5゜以下に親水
化され、優れた防曇性を発揮する。 (2)シリコン系分散剤(アルキルシリケ−ト)によ
り、粒径20nm程度のアナタ−ゼ型酸化チタンを分散
させた酸化チタンゾルST−K01を用いることによ
り、透明かつ均一な塗膜が生成した。 (3)シリコン系分散剤(アルキルシリケ−ト)によ
り、粒径20nm程度のアナタ−ゼ型酸化チタンを分散
させた酸化チタンゾルST−K01を、酸化チタン粒子
1重量部に対する溶媒の重量が100重量部以上に希釈
したことにより、適度な塗膜の基材への接着性及び基材
からの剥がしやすさが発揮された。 (4)シリコン系分散剤(アルキルシリケ−ト)によ
り、粒径20nm程度のアナタ−ゼ型酸化チタンを分散
させた酸化チタンゾルST−K01を用いることによ
り、3日間放置したが凝集は認められず、良好な分散性
を示した。
【0031】実施例2.(銅の影響) 光触媒性ゾル(石原産業製、ST−K01、固形分10
重量%)10gに、銅濃度1g/リットルの硫酸銅水溶
液を100μl添加した後、さらにエタノ−ルを用い1
00倍に希釈した。この希釈液を3日間放置したが凝集
は認められず、良好な分散性を示した。従って、抗菌性
金属である銅が添加されても、塗布液としての性能に変
化はなく、実施例1と同様に使用できると考えられる。
【0032】実施例3.(シリカの影響) 酸化チタンゾル(日産化学、TA−15)をエタノ−ル
で希釈して、酸化チタン粒子の濃度が0.5重量%の塗
布液を得た。一方、酸化チタンゾル(日産化学、TA−
15)に、シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液)
を混合後、エタノ−ルで希釈して、酸化チタン粒子の濃
度0.5重量%、シリカ粒子の濃度0.5重量%の塗布
液を得た。それぞれの塗布液を、10cm角のソ−ダラ
イムガラス基材に塗布し、50℃で1時間保持し、15
分放冷してそれぞれ#4試料及び#5試料を得た。#4
試料及び#5試料の塗膜を観察したところ、#4試料は
可視光反射性が強くギラギラした感じであったのに対
し、#5試料は可視光反射性はほとんど認められず、良
好な可視光透過性を示した。#4試料及び#5試料につ
いて、さらに紫外線照度0.25mW/cm2 の光源
(BLB蛍光灯)を2時間照射し、その後の塗膜の防曇
性を測定した。その結果、いずれの試料も◎と良好な防
曇性を示した。以上のことから、チタニアよりも屈折率
の低いシリカを添加することにより、表面の可視光透過
性を維持しつつ、優れた防曇性を示すことがわかった。
【0033】実施例4.(界面活性剤種類の影響) 酸化チタンゾル(日産化学、TA−15)に、シリカゾ
ル(日本合成ゴム、グラスカA液)を混合後、エタノ−
ルで希釈して、酸化チタン粒子の濃度0.5重量%、シ
リカ粒子の濃度0.5重量%の塗布液を得た。酸化チタ
ンゾル(日産化学、TA−15)に、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液)と、界面活性剤としてポリエ
チレングリコ−ル(分子量3000)を混合後、エタノ
−ルで希釈して、酸化チタン粒子の濃度0.5重量%、
シリカ粒子の濃度0.5重量%、ポリエチレングリコ−
ルの濃度0.2重量%塗布液を得た。酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15)に、シリカゾル(日本合成ゴ
ム、グラスカA液)と、界面活性剤として変性シリコ−
ン(信越化学、KF−351、ポリエ−テル型)を混合
後、エタノ−ルで希釈して、酸化チタン粒子の濃度0.
5重量%、シリカ粒子の濃度0.5重量%、変性シリコ
−ンの濃度0.2重量%塗布液を得た。一方、酸化チタ
ンゾル(日産化学、TA−15)に、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液)と、界面活性剤として変性シ
リコ−ン(信越化学、KF−945、ポリエ−テル型)
を混合後、エタノ−ルで希釈して、酸化チタン粒子の濃
度0.5重量%、シリカ粒子の濃度0.5重量%、変性
シリコ−ンの濃度0.2重量%塗布液を得た。それぞれ
の塗布液を、10cm角のソ−ダライムガラス基材に塗
布し、50℃で1時間保持し、15分放冷してそれぞれ
#6〜#8試料を得た。#6〜#9試料について、さら
に紫外線照度0.25mW/cm2 の光源(BLB蛍光
灯)を照射し、照射時間に対する塗膜の防曇性の変化を
測定した。結果を図1に示す。その結果、#6試料では
2時間で◎と良好な防曇性を示すようになるのに対し、
◎の防曇性を示すのに、#7試料では3時間、#8試料
では4時間、#9試料では20時間以上かかり、疎水性
部位の影響の強い界面活性剤を添加する程、防曇性を示
すようになるために余計に紫外線を照射しなければなら
ないことがわかる。
【0034】実施例5.(自動車サイドミラ−への塗
布) 光触媒ゾル(石原産業製、ST−K01、固形分10重
量%、固形分はアナタ−ゼ型酸化チタン4重量部に対し
アルキルシリケ−ト1重量部からなる)1重量部と光触
媒ゾル(石原産業製、ST−K03、固形分10重量
%、固形分はアナタ−ゼ型酸化チタン1重量部に対しア
ルキルシリケ−ト1重量部からなる)1重量部を混合
し、イソプロパノ−ルでさらに20倍に希釈して、#1
0試料を得た。 #10試料を不織布に含浸させた後、
自動車(日産自動車、サニ−)サイドミラ−半面へ19
96年10月25日に塗布した。同時に自動車サイドミ
ラ−の残り半面に市販の撥水コ−ト剤(錦之堂製、ス−
パ−レインX)を同様に塗布した。その後、約2か月間
茅ケ崎で毎日使用した。尚、夜間等の不使用時には屋根
のない日当りの悪い車庫に駐車させた。1996年12
月24日に水をスプレ−したところ、撥水コ−ト剤塗布
面では水玉状の水滴の残留が確認されたのに対し、#1
0試料塗布面では水は一様に広がり視覚により確認でき
る水滴は認められなかった。また、外観を比較したとこ
ろ、撥水コ−ト剤塗布面では約1か月後の11月下旬頃
から雨筋汚れが目立つようになったのに対し、#10試
料塗布面では目立った汚れは観察されなかった。
【0035】実施例6.(自動車サイドウインドウガラ
スへの塗布) 実施例5の#10試料を不織布に含浸させた後、自動車
(日産自動車、サニ−)サイドウインドウガラス外側半
面へ1996年10月25日に塗布した。同時に自動車
サイドウインドウガラス外側の残り半面に市販の撥水コ
−ト剤(錦之堂製、ス−パ−レインX)を同様に塗布し
た。その後、約2か月間茅ケ崎で毎日使用した。尚、夜
間等の不使用時には屋根のない日当りの悪い車庫に駐車
させた。1996年12月24日に水をスプレ−したと
ころ、撥水コ−ト剤塗布面では水玉状の水滴の残留が確
認されたのに対し、#10試料塗布面では水は一様に広
がり視覚により確認できる水滴は認められなかった。ま
た、外観を比較したところ、撥水コ−ト剤塗布面では約
1か月後の11月下旬頃から雨筋汚れが目立つようにな
ったのに対し、#10試料塗布面では目立った汚れは観
察されなかった。
【0036】実施例7.(自動車リアガラスへの塗布) 実施例5の#10試料を不織布に含浸させた後、自動車
(日産自動車、サニ−)リアガラス外側半面へ1996
年10月25日に塗布した。同時に自動車リアガラス外
側の残り半面に市販の撥水コ−ト剤(錦之堂製、ス−パ
−レインX)を同様に塗布した。その後約2か月間茅ケ
崎近辺で毎日使用した。尚、夜間等の不使用時には屋根
のない日当りの悪い車庫に駐車させた。1996年12
月24日に水をスプレ−したところ、撥水コ−ト剤塗布
面では水玉状の水滴の残留が確認されたのに対し、#1
0試料塗布面では水は一様に広がり視覚により確認でき
る水滴は認められなかった。また、外観を比較したとこ
ろ、撥水コ−ト剤塗布面では約1か月後の11月下旬頃
から雨筋汚れが目立つようになったのに対し、#10試
料塗布面では目立った汚れは観察されなかった。
【0037】実施例8.(自動車車体への塗布) 光触媒ゾル(石原産業製、ST−K01、固形分10重
量%、固形分はアナタ−ゼ型酸化チタン4重量部に対し
アルキルシリケ−ト1重量部からなる)を、イソプロパ
ノ−ルでさらに20倍に希釈して、#11試料を得た。
#11試料を自動車(日産自動車、サニ−)の車体助手
席側タテ面にスプレ−コ−ティング法にて1996年1
2月8日に塗布した。同時に隣接した位置に市販の固形
ワックスを塗布した。塗布した直後に車全体にシャワ−
をかけたところ、固形ワックス塗布面では水玉状の水滴
の残留が確認されたのに対し、#11試料塗布面では水
は一様に広がり視覚により確認できる水滴は認められな
かった。その後、暫く放置し#11試料塗布面が乾燥し
たときに、固形ワックス塗布面を観察したが水玉状の水
滴がなお残留している様子が観察された。1996年1
2月10日に降雨があり、その翌日(晴れ)に車体が乾
燥した後にそれぞれの塗布面を観察した。その結果、固
形ワックス塗布面には水玉状の汚れが観察されたのに対
し、#11試料塗布面ではそのような汚れは観察されな
かった。
【0038】実施例9.(カ−ブミラ−への塗布) アクリル製のカ−ブミラ−に、実施例8の#11試料を
スプレ−コ−ティング法にて1996年12月8日に塗
布した。塗布した直後に水をスプレ−したところ、#1
1試料塗布面では水は一様に広がり視覚により確認でき
る水滴は認められなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、塗料組成物の優れた分
散安定性を保持しつつ、透明で均一な塗膜を形成できる
とともに、塗膜表面を恒久的に親水性に保持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る紫外線照射時間に対する
塗膜の防曇性の変化を示す図。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物からなる光触媒粒子と、疎水
    性官能基をほとんど含まない分散剤と、溶媒からなり、
    塗膜表面を前記光触媒の光励起に応じて親水性になすこ
    とを特徴とする光触媒性親水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 前記光触媒粒子の平均結晶子径は、10
    0nm以下である請求項1に記載の光触媒性親水性塗料
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記分散剤は、シリコン系分散剤である
    請求項1に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記光触媒粒子1重量部に対する前記溶
    媒の重量は、100重量部〜10000重量部である請
    求項1〜3に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  5. 【請求項5】 さらに抗菌性金属又はその化合物を含ん
    でなる請求項1〜4に記載の光触媒性親水性塗料組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記光触媒粒子は、アナタ−ゼ型酸化チ
    タンである請求項1〜5に記載の光触媒性親水性塗料組
    成物。
  7. 【請求項7】 さらに屈折率2以下である物質が添加さ
    れている請求項6に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】 塗膜表面を前記光触媒の光励起に応じて
    水との接触角に換算して5゜以下の親水性になすことを
    特徴とする請求項1〜7に記載の光触媒性親水性塗料組
    成物。
  9. 【請求項9】 光励起に応じて表面が親水化された塗膜
    は、その表面に付着した湿分の凝縮水及び/又は水滴が
    塗膜の表面に広がるのを可能にし、もって、該塗膜によ
    って被覆された基材が湿分の凝縮水及び/又は水滴によ
    って曇り若しくは翳るのを防止することを特徴とする請
    求項1〜8に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  10. 【請求項10】 光励起に応じて表面が親水化された塗
    膜は、降雨にさらされた時に付着堆積物及び/又は汚染
    物が雨水により洗い流されるのを可能にし、もって、表
    面の自己浄化を可能にすることを特徴とする請求項1〜
    8に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  11. 【請求項11】 光励起に応じて表面が親水化された塗
    膜は、汚染物を含んだ雨水が接触したときに汚染物が表
    面に付着するのを防止することを特徴とする請求項1〜
    8に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  12. 【請求項12】 光励起に応じて表面が親水化された塗
    膜は、水に浸漬したとき又は水で濡らしたときに付着堆
    積物及び/又は汚染物を釈放し、もって、表面を水で洗
    浄するのを容易にすることを特徴とする請求項1〜8に
    記載の光触媒性親水性塗料組成物。
  13. 【請求項13】 光励起に応じて表面が親水化された塗
    膜は、その表面に付着した水滴が塗膜の表面に広がるの
    を可能にし、もって、該塗膜によって被覆された基材に
    付着した水滴の乾燥を促進することを特徴とする請求項
    1〜8に記載の光触媒性親水性塗料組成物。
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