JP2000191786A - コロイダルシリカコア―シリコ―ンシェル体を含有する塗膜用保護撥水性組成物、離型剤組成物、建築物用保護撥水性組成物および繊維処理剤 - Google Patents

コロイダルシリカコア―シリコ―ンシェル体を含有する塗膜用保護撥水性組成物、離型剤組成物、建築物用保護撥水性組成物および繊維処理剤

Info

Publication number
JP2000191786A
JP2000191786A JP10371324A JP37132498A JP2000191786A JP 2000191786 A JP2000191786 A JP 2000191786A JP 10371324 A JP10371324 A JP 10371324A JP 37132498 A JP37132498 A JP 37132498A JP 2000191786 A JP2000191786 A JP 2000191786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
colloidal silica
core
composition
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10371324A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4554000B2 (ja
Inventor
Makoto Matsumoto
誠 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Toshiba Silicones Co Ltd filed Critical GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority to JP37132498A priority Critical patent/JP4554000B2/ja
Publication of JP2000191786A publication Critical patent/JP2000191786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4554000B2 publication Critical patent/JP4554000B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性や撥水性に優れた塗膜用保護撥水性組
成物、離型性や耐熱性に優れた離型剤組成物、耐汚染性
や撥水性に優れた建築物用保護撥水性組成物、防水性や
柔軟性に優れた繊維処理剤を提供する。 【解決手段】 (a)コロイダルシリカのコア80〜5
重量%と、(b)平均組成式R1 SiO(4-a)/2 ……
(I)(式中、R1 は水素原子または、置換あるいは非
置換の1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20の数
で表されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95
重量%とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシ
ェル体を主成分として含有することを特徴とする塗膜用
保護撥水性組成物、離型剤組成物、建築物用保護撥水性
組成物および繊維処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コロイダルシリカ
コア−シリコーンシェル体を含有した塗膜用保護撥水性
組成物、離型剤組成物、建築物用保護撥水性組成物およ
び繊維処理剤に係わり、特に、自動車などの塗膜に耐汚
染性や撥水性を与える塗膜用保護撥水性組成物、離型性
に優れ、柔軟性の高い被膜を金型等に形成することの可
能な離型剤組成物、建築物の壁面等に耐汚染性や撥水性
を与える建築物用保護撥水性組成物、および繊維素材上
に油滴を発生させることなく、安定性に優れた繊維処理
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全および安全衛生面などに
より、塗料や接着剤などの有機溶剤を含む各種コーティ
ング剤の無公害化ないしは安全衛生化が強く要望されて
いる。このため、エマルジョン型コーティング剤の用途
が拡大されつつあり、溶剤型コーティングを使用してい
る分野でも注目されている。
【0003】上記事情に伴って、エマルジョン型コーテ
ィング剤においても高度な塗膜性能が要求されつつあ
る。かかる目的のため、有機ポリマーエマルジョンにコ
ロイダルシリカを添加して、塗膜性能を改質することが
広く行われているが、有機ポリマーとシリカとの相互の
結び付きが弱く、その結果として、長期的には塗膜の耐
水性および耐アルカリ性などといった耐久性の面での劣
化を回避し得ないという欠点がある。
【0004】従来の塗膜においては次のような問題があ
った。自動車の塗膜は、通常自然界にあっては、ほこ
り、砂じん、土や泥、排気ガス、タイヤの磨耗ミスト、
タールやピッチ、工場排煙、工事現場や農場からの飛散
ミストなどにより、たいへん汚れやすい状態にある。そ
してこれらは、水洗いや簡単な洗浄ではなかなか落ちに
くい程強固に付着しているものである。やがてこれら
は、塗膜の美観を損なうだけでなく、雨水や太陽光線、
酸素などと共に、塗膜の劣化を進める塗膜の大敵となる
ものである。
【0005】このように汚染化された塗膜状態を元に回
復するのに利用されていた従来の方法は、ラビングコン
パウンドやクリーナーワックス、強力洗剤によるクリ−
ニング等で、かなりの重労働を要していた。塗膜保護皮
膜を形成する機能を持っていないラビングコンパウンド
や強力洗剤にあっては、汚染や劣化の進行を止めること
はできず、一方、保護皮膜を形成する機能を持っている
クリーナーワックスをはじめとするカーワックス類は、
美観的に一時期きれいな状態を保つことはできるが、い
つか汚染や劣化が進行して長期に美しさを保つことがで
きない。そして、このように汚染や劣化した状態の塗面
は、もう既に水をはじく機能は失われてしまっている。
【0006】このようになれば、再びクリーニングを行
って回復せざるを得ない。この間は、約2週間から1ヶ
月が限度である。特にカーワックス類にあっては、形成
するつや出し皮膜が天然や合成ろう成分、油脂類と不揮
発性の高重合度のシリコーンから成り立つため、かえっ
て塗膜本来より粘着性を与えて汚染の進行を促進してし
まう逆効果も見られる。
【0007】このような従来の欠点を解消するものとし
て、特願昭63−319283号「自動車の塗膜用汚れ
防止剤」があるが、これは高融点、硬質のポリオレフィ
ン皮膜を形成しようとする手段で、かなり改善はされて
はいるものの完全には至っていない。
【0008】また、離型剤においては次のような問題が
あった。従来より、各種の熱硬化性または熱可塑性の有
機系樹脂、もしくは各種のゴムを加圧成形や射出成形な
どの方法によって、プラスチック製品やゴムホース、タ
イヤなどのゴム製品の成形品に成形する工程において、
成形品が金型に膠着するのを防ぎ、成形品を金型から取
出しやすくするために、離型剤が使用されている。
【0009】このような離型剤には金型に塗布して使用
する外部金型離型剤と、成形品の内部に添加して使用す
る内部添加型離型剤がある。
【0010】一般に、外部金型離型剤は、非反応性のシ
リコーンオイルを揮発性有機溶剤に溶解させた溶液、ま
たは界面活性剤を用いて水中に乳化分散させ、エマルジ
ョンとしたものであり、金型表面に塗布することにより
使用される。
【0011】しかしながら、このような外部金型離型剤
(以下、単に離型剤という)においては、金型から成形
品を離型する際に、離型剤が成形品に付着して金型から
成形品へと移行するため、これを補う必要がある。その
ため、離型剤の使用量が多くなって不経済になるという
欠点があった。
【0012】また、離型剤を頻繁に塗布するために金型
の汚れが激しくなり、汚れを取り除く工程が頻発するた
めに工程が煩雑となり、さらに後の工程で成形品に塗装
などを施す場合に付着した離型剤を除く工程が必要とな
るので、成形品の生産コストが上昇するという欠点があ
った。
【0013】一方、このような欠点を解決するために、
例えば、オルガノシラザンシロキサンポリマーを使用し
た離型剤組成物のような、金型表面に固着した被膜を形
成するシリコーン被膜形成型の離型剤が提案されている
が(特公平3−11248)、被膜の耐久性が十分でな
く、また離型性においても不十分であるという欠点があ
った。また、シリコーン樹脂とフェニル基含有ポリオル
ガノシロキサンの組み合せにより、被膜の耐久性と離型
性を改善しようとする試みも提案されているが(特開平
5−24047)、揮発性有機溶剤に溶解した溶液タイ
プであるために安全性の面で問題があり、また被膜は柔
軟性がないためにタイヤ成形時に使用する加硫ブラダー
のような柔軟な成形用型に対して使用できなかった。
【0014】さらに、建築用保護膜においては次のよう
な問題があった。建築物の壁面や屋根瓦などの外面は、
排気ガス、酸性雨、砂塵などの影響や、塩害、凍害など
を受けて表面が劣化し、美観が低下するという問題があ
る。そのため、建築物外面の美観の低下を防止する方
法、および美観の低下した外面を補修する方法が種々検
討されている。補修する方法としては、例えば洗浄剤を
用いて外面の表面を洗浄し、汚れを除去する方法があ
る。しかしながら、洗浄剤を用いる方法は、外面表面に
付着した汚れは除去できても、洗浄剤およびブラシなど
の影響を受けるため、表面の美観を再度向上させるまで
には至らない。洗浄後の美観向上剤として、炭化水素な
どのワックス成分を主成分とした水性エマルジョンや有
機溶剤溶液を塗布することも提案されているが、ほこり
の巻き込みによる汚れの再付着、耐水性不良に伴う皮膜
の流れ落ちや剥離などの問題があった。また、石膏を主
成分とするコーティング剤なども提案されているが、硬
化時の収縮による皮膜表面のクラック、反りなどの発生
の問題があった。さらに、コンクリートなどの多孔質無
機材料などに、シラン化合物やポリシロキサンを主成分
とするコーティング剤を塗布し、撥水性を付与して劣化
を防止する方法が知られているが(特開昭57−126
878号公報、特開昭62−197369号公報、特開
平1−292089号公報、特開平2−70787号公
報、特開平2−150477号公報参照)、建築物の壁
面や屋根瓦などの外面の長期間にわたる美観保護に対し
て、十分に満足するものではなかった。
【0015】さらに、繊維処理においては次のような問
題があった。従来から、本綿、麻、絹、羊毛、アンゴ
ラ、モへアのような天然繊維;レーヨン、ベンベルグの
ような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;ポリ
エステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩
化ビニル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
スパンデックスのような合成繊維;ガラス繊維、カーボ
ン繊維、シリコーンカーバイド繊維のような無機繊維な
どの繊維素材に撥水性、防水性、柔軟性、平滑性、防し
わ性、圧縮回復性などを付与するために、各種の繊維処
理剤が提案され、使用されてきた。
【0016】例えば、特開昭55−152864号公報
には、カルボキシル変性ポリオルガノシロキサンをアニ
オン系界面活性剤、ノニオン界面活性剤の1種または2
種以上を用いて乳化した平均粒子径300nm以上のエマ
ルジョンを主剤とした繊維処理剤が提案されている。
【0017】しかし、このカルボキシル変性ポリオルガ
ノシロキサンのエマルジョンを主剤とした繊維処理剤
は、繊維処理時に必要とされる、撹拌、循環、処理液の
絞り等の工程における安定性(機械的安定性)、希釈
(20倍〜100倍などの水による希釈)による安定性
(希釈安定性)、また各種添加剤との併用下での安定性
(配合安定性)が不十分であるため、該エマルジョンが
破壊して処理浴上に変性ポリオルガノシロキサンが浮遊
し、これが繊維素材上に油滴(オイルスポットと称され
る)となって、しみになるという重大な欠点があつた。
【0018】さらに、カルボキシル変性ポリオルガノシ
ロキサン自体、繊維との密着性に劣るために耐洗濯性が
低く、撥水性、防水性、柔軟性、平滑性、防しわ性、圧
縮回復性などの特性の耐久力も満足いくものでは無かっ
た。
【0019】一方、特開平7−97770号公報には、
ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと(メタ)ア
クリレートとをラジカル共重合してなるアクリル−シリ
コーン系グラフト共重合体を主剤とした繊維用撥水処理
剤が提案されている。
【0020】しかし、この処理剤の主剤であるアクリル
−シリコーン系グラフト共重合体、およびその原料であ
るラジカル重合性シリコーンマクロモノマーを製造する
ためには溶液重合法を適用せねばならなく、最終的に水
系の処理剤とするためには、脱溶剤ならびに乳化の工程
が必要であり、非常に生産性に劣るものであった。
【0021】しかも、このようにして得られたアクリル
−シリコーン系グラフト共重合体の乳化物は、上記特開
昭55−152864号公報のカルボキシル変性ポリオ
ルガノシロキサンのエマルジョンと同様に機械的安定
性、希釈安定性および配合安定性が劣るため、オイルス
ポットの問題があったり、撥水性などの特性を充分に発
現できないという欠点があった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
従来技術の課題を背景になされたもので、自動車などの
塗膜に耐候性、密着性、耐水性、耐熱性に優れた皮膜を
形成し、耐汚染性や撥水性を長期に持続して、塗膜の美
観を自然汚染や劣化から保護する塗膜用保護撥水性組成
物を提供することを目的とする。
【0023】また、本発明は、成形用型に離型性、耐熱
性、耐久性に優れ、また柔軟性の高い被膜を形成し、各
種有機系樹脂やゴム製品と成形用型との間の離型効果を
長期にわたって持続する、離型剤組成物を提供すること
を目的とする。
【0024】さらに、本発明は、建築物の壁面や屋根瓦
などに耐候性、密着性、耐水性、耐熱性に優れた皮膜を
形成し、耐汚染性や撥水性を長期に持続して、それらの
外面の美観を自然汚染や劣化から保護する、建築物用保
護撥水性組成物を提供することを目的とする。
【0025】さらに、本発明は、繊維素材に対してオイ
ルスポットを発生させず、耐久力のある撥水性、防水
性、柔軟性、平滑性、防しわ性、圧縮回復性を付与で
き、かつ、機械的安定性、希釈安定性、配合安定性およ
び経時安定性に優れた繊維処理剤を提供することを目的
とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、コロイダルシ
リカにポリオルガノシロキサンをシロキサン結合を介し
て結合させて成るシリカコア−シリコーンシェル体を含
有した塗膜用保護撥水性組成物、離型剤組成物、建築物
用保護撥水性組成物および繊維処理剤が、上記目的を達
成できることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0027】すなわち、本発明は、(a)コロイダルシ
リカのコア80〜5重量%と、(b)平均組成式R1
SiO(4-a)/2 ……(I)(式中、R1 は水素原子また
は、置換あるいは非置換の1価の炭化水素基、aは0.
8〜3.0の数)で表されるポリオルガノシロキサンの
シェル20〜95重量%とから成るコイダルシリカコア
−シリコーンシェル体を含有する塗膜用保護撥水性組成
物を提供する。
【0028】また、本発明は、(a)コロイダルシリカ
のコア80〜5重量%と、(b)平均組成式R1 a Si
(4-a)/2 ……(I)(式中、R1 は水素原子または、
置換あるいは非置換の1価の炭化水素基、aは0.8〜
3.0の数)で表されるポリオルガノシロキサンのシェ
ル20〜95重量%とから成るコロイダルシリカコア−
シリコーンシェル体を主成分として含有する離型剤組成
物を提供する。
【0029】また、本発明は、(a)コロイダルシリカ
のコア80〜5重量%と、(b)平均組成式R1 Si
(4-a)/2 ……(I)(式中、R1 は水素原子または、
置換あるいは非置換の1価の炭化水素基、aは0.8〜
3.0の数)で表されるポリオルガノシロキサンのシェ
ル20〜95重量%とから成るコロイダルシリカコア−
シリコーンシェル体を含有する建築物用保護撥水性組成
物を提供する。
【0030】また、本発明は、(a)コロイダルシリカ
のコア80〜5重量%と、(b)平均組成式R1 a Si
(4-a)/2 ……(I)(式中、R1 は水素原子または、
置換あるいは非置換の1価の炭化水素基、aは0.8〜
3.0の数)で表されるポリオルガノシロキサンのシェ
ル20〜95重量%とから成るコロイダルシリカコア−
シリコーンシェル体5重量%と、水95重量%とを含有
する繊維処理剤を提供する。
【0031】本発明において使用するコロイダルシリカ
コア−シリコーンシェル体は、水が除去された後にエラ
ストマー状硬化物を形成する成分であり、(a)成分の
一つのコロイダルシリカ粒子を、(b)成分のポリオル
ガノシロキサンが覆ったものである。
【0032】より単純な系のもので更に詳しく言えば、
このコアシェル体とは、1)ポリオルガノシロキサンの
両末端がシリカ表面とシロキサン結合を介して結合した
もの、2)ポリオルガノシロキサンの片末端がシリカ表
面とシロキサン結合を介して結合し、他の末端が水酸基
で封鎖されたもの、3)ポリオルガノシロキサンの両末
端が水酸基で封鎖され、シリカ表面とのシロキサン結合
を持たないものの3種類の形態で構成されたものであ
る。
【0033】そして、3、4官能性アルコキシシランや
チェーンストッパーの併用により、これらの形態の種類
は増加し、複雑なものとなる。なお、ここでコロイダル
シリカコア−シリコーンシェル体とは、コロイダルシリ
カをコアとし、少なくとも一部をシリコーンが被覆した
構成を主成分とし、分離したシリコーン粒子などが若干
含まれていてもよい。
【0034】本発明において使用される(a)成分のコ
ロイダルシリカとは、SiO2 を基本単位とする水中分
散体を指称するものであって、本発明においては平均粒
子径4〜300nm、特に好ましくは30〜150nmのも
のが適する。このコロイダルシリカとしてはその特性分
類から酸性とアルカリ性との双方があるが、これらは乳
化重合時における条件によって適宜選択することができ
る。たとえばアニオン系界面活性剤を用いた酸性条件下
での乳化重合を行う場合には、酸性コロイダルシリカの
使用が好ましい。
【0035】本発明において使用される(b)成分のポ
リオルガノシロキサンシェルの含有部は20〜95重量
%の範囲で選択される。20重量%未満では反発弾性や
柔軟性などが大きく低下して、エラストマー的特性に欠
けるとともに、充分な耐候性、密着性、耐水性、耐熱
性、撥水性、耐汚染性に劣る保護皮膜となる。一方、9
5重量%を超えるとコロイダルシリカの補強性をポリオ
ルガノシロキサンに十分に付与するには至らず、皮膜と
しての充分な強度が得られず、また成膜性も悪化する。
【0036】本発明に使用される(b)成分のオルガノ
シロキサンは、前記の(I)式で表される構造単位を有
し、かつ水酸基を含有しないケイ素原子数2〜10のも
のであり、この構造は直鎖状、分岐状または環状など特
に限定しないが、環状構造を持つものが好ましい。
【0037】ここで、ケイ素原子数が10を超えると、
乳化重合を行う際、シロキサンミセル中にコロイダルシ
リカを取り込みにくいため、コアシェル体の形成に参加
できないものが生じ、結果として目的のコアシェル体の
他、フリーな状態のコロイダルシリカおよびポリオルガ
ノシロキサンが共存したエマルジョンとなる。また、水
酸基含有シロキサンでは、乳化初期時に重縮合反応が起
きてケイ素原子数10を超えるシロキサンとなり、上記
問題点が生じるので使用は好ましくない。
【0038】上記(b)成分のオルガノシロキサンとし
ては、具体的にへキサメチルシクロトリシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−
1,3,5,7−テトラフェニルシロキサン、1,3,
5,7−テトラベンジルテトラメチルシクロテトラシロ
キサン、1,3,5,7−トリス−(3,3,3−トリ
フルオロプロピル)トリメチルシクロテトラシロキサン
などの環状化合物が例示され、これらを単独あるいは2
種以上の混合物として用いる。
【0039】また、(b)成分のポリオルガノシロキサ
ンシェルのケイ素原子上に結合するR1 は、水素原子ま
たは、置換あるいは非置換の一価の炭化水素基である。
【0040】非置換の炭化水素基としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、へキシル基、オクチル基、デシ
ル基、へキサデシル基、オクタデシル基などの直鎖また
は分岐状アルキル基、フェニル基、ナフチル基、キセニ
ル基などのアリール基、ベンジル基、β−フェニルエチ
ル基、メチルベンジル基、ナフチルメチル基なとのアラ
ルキル基および、シクロヘキシル基、シクロペンチル基
などのシクロアルキル基などが例示される。
【0041】一方、置換の炭化水素基としては、上に例
示した非置換有機基の水素原子をフッ素や塩素のような
ハロゲン原子で置換した基が挙げられ、そのようなもの
として、3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−フ
ルオロプロピル基などが例示される。
【0042】さらに、(b)成分における別の一価の有
機基として、炭素原子と水素原子と、さらに窒素および
酸素のうち少なくとも1種の原子とによって構成される
有機官能基、あるいはエチレン性不飽和基を含む基が挙
げられ、このような有機官能基あるいはエチレン性不飽
和基を含むコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体
を用いると基材等に対する密着性に優れるため、耐久性
がより良好である。
【0043】このような有機官能基としては、たとえば
【化1】 などが挙げられる。
【0044】また、エチレン性不飽和基を含む基として
は、一般式
【化2】 で表されるものが挙げられる。その他、エチレン性不飽
和基を含む基として、一般式CH2 =CH−(CH2
……(V)で表されるものが挙げられる。ただし、
上記(II)〜(V)の式中、nは0〜10の整数を示
す。
【0045】上記(II)式で表されるエチレン性不飽和
基を含む基としては、ビニロキシプロピル基、ビニロキ
シエトキシプロピル基、ビニロキシエチル基、ビニロキ
シエトキシエチル基、などが挙げられ、好ましくはビニ
ロキシプロピル基、ビニロキシエトキシプロピル基であ
る。
【0046】エチレン性不飽和基が上記(III )式で表
される場合、R3 は水素原子または炭素数1〜6のアル
キル基、好ましくは水素原子またはメチル基である。こ
のような(III )式で表されるエチレン性不飽和基を含
む基としでは、ビニルフェニル基、1−(ビニルフェニ
ル)エチル基、2−((ビニルフェニル)エチル基、
(ビニルフェニル)メチル基、イソプロペニルフェニル
基、2−(ビニルフェノキシ)エチル基、3−(ビニル
ベンゾイルオキシ)プロピル基、3−(イソプロペニル
ベンゾイルアミノ)プロピル基などが挙げられ、好まし
くはビニルフェニル基、1−(ビニルフェニル)エチル
基、2−((ビニルフェニル)エチル基である。
【0047】エチレン性不飽和基が上記(IV)式で表さ
れる場合、R4 は水素原子またはメチル基である。ま
た、R5 は炭素数1〜6のアルキレン基、−O−、−S
−、−N(R6 )R7 −で表される基であり、R6 は炭
素数1〜6の炭化水素基もしくは(メタ)アクリロイル
基、R7 は炭素数1〜6のアルキレン基である。この
(IV)式で表されるエチレン性不飽和基を含む基として
は、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシ
プロピル基、N−メタクリロイル−N−メチル−γ−ア
ミノプロピル基、N−アクリロイル−N−メチル−γ−
アミノプロピル基、N,N−ビス−(メタクリロイル)
−γ−アミノプロピル基などが挙げられ、好ましくはN
−メタクリロイル−N−メチル−γ−アミノプロピル
基、N−アクリロイル−N−メチル−γ−アミノプロピ
ル基である。
【0048】また、上記(V)式で表されるエチレン性
不飽和基を含む基としては、ビニル基、アリル基、ホモ
アリル基、5−へキセニル基、7−オクテニル基などが
挙げられ、好ましくはビニル基、アリル基である。
【0049】かかる有機官能基およびエチレン性不飽和
基を含む基は、前記(I)式中のR1 の総量に対して、
通常0.01〜25モル%、好ましくは0.05〜5モ
ル%の範囲内である。0.01%未満では、組成物の耐
久性の改善効果が小さく、逆に25モル%を超えるとコ
ーティング処理により形成される皮膜が硬くなりすぎ、
基材に対する密着性が悪くなる恐れがある。
【0050】さらにこのような有機官能基、あるいはエ
チレン性不飽和基を含む基を導入するために、これらの
有機官能基を含有したシラン化合物、エチレン性不飽和
基を含有したシラン化合物、有機官能基を含有したオル
ガノシロキサンあるいはエチレン性不飽和基を含有した
オルガノシロキサンを使用することができる。
【0051】有機官能基を含有したシラン化合物として
は、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ト
リエチレンジアミンプロピルメチルジメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ランなどのほか、これらの混合物を挙げることができ
る。
【0052】エチレン性不飽和基を含有したシラン化合
物(b−2)としては、たとえば、3−アクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、3−カルボキシプロピルメチルジメトキシシラン、
(ビニロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(ビ
ニロキシエトキシプロピル)メチルジメトキシシラン、
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、1−(m
−ビニルフェニル)メチルジメチルイソプロポキシシラ
ン、2−(p−ビニルフェニル)エチルメチルジメトキ
シシラン、3−(p−ビニルフェノキシ)プロピルトリ
エトキシシラン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プ
ロピルメチルジメトキシシラン、1−(p−ビニルフェ
ニル)エチルメチルジメトキシシラン、1−(o−ビニ
ルフェニル)−1,1,2−トリメチル−2,2−ジメ
トキシジシラン、1−(p−ビニルフェニル)−1,1
−ジフェニルエチル−3,3−ジエトキシジシロキサ
ン、m−ビニルフェニル−[(3−トリエトキシシリ
ル)プロピル]ジフェニルシラン、[3−(p−イソプ
ロペニルベンゾイルアミノ)プロピル]フェニルジプロ
ポキシシラン、N−メタクリロイル−N−メチル−3−
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アクリロ
イル−N−メチル−3−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N,N−ビス(メタクリロイル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(アクリ
ロイル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、N−メタクリロイル−N−メチル−3−アミノプロ
ピルフェニルジエトキシシラン、1−メタクリロキシプ
ロピル−1,1,3−トリメチル−3,3−ジメトキシ
ジシロキサン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニル
エチルジイソプロポキシシラン、アリルメチルジメトキ
シシラン、5−へキセニルメチルジエトキシシラン、3
−オクテニルエチルジエトキシシランなどが例示され、
これらを単独あるいは2種以上の混合物として用いる。
【0053】一方、有機官能基を含有したオルガノシロ
キサン(b−3)としてはトリメチルトリフェニルシク
ロトリシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロ
プロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,
5,7−テトラ(3−アミノプロピル)テトラメチルシ
クロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル]テトラメ
チルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ
(3−メルカプトプロピル)テトラメチルシクロテトラ
シロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−グリシドキ
シプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサンなど
の環状物が例示される。
【0054】さらに、エチレン性不飽和基を含有したオ
ルガノシロキサン(b−4)としては、1,3,5,7
−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチル
シクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3
−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシ
ロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプ
ロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,
3,5,7−テトラ(ビニロキシプロピル)テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ
(ビニロキシエトキシプロピル)テトラメチルシクロテ
トラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニル
フェニル)テトラメチル シクロテトラシロキサン、
1,3,5,7−テトラ[1−(m−ビニルフェニル)
メチル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,
3,5,7−テトラ[2−(p−ビニルフェニル)エチ
ル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,
5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェノキシ)プロピ
ル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,
5,7−テトラ[3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プ
ロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,
3,5,7−テトラ[3−(p−イソプロペニルベンゾ
イルアミノ)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロ
キサン、1,3,5,7−テトラ(N−メタクリロイル
−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシク
ロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−ア
クリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラ
メチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テト
ラ[N,N−ビス(メタクリロイル)−3−アミノプロ
ピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,
5,7−テトラ[N,N−ビス(アクリロイル)−3−
アミノプロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサ
ン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロ
テトラシロキサン、オクタビニルシクロテトラシロキサ
ン、1,3,5−トリビニルトリメチルシクロトリシロ
キサン、1,3,5,7−テトラアリルテトラメチルシ
クロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(5−
ヘキセニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、
1,3,5,7−テトラ(7−オクテニル)テトラメチ
ルシクロテトラシロキサンなどの環状化合物が例示さ
れ、これらは単独あるいは2種以上の混合物として用い
得る。またこの他、直鎖状あるいは分岐状の有機官能基
あるいはエチレン性不飽和基を含有したオルガノシロキ
サンオリゴマーを用いてもよい。ただし、直鎖状あるい
は分岐状の有機官能性基含有のオルガノシロキサンオリ
ゴマーの場合、分子鎖末端は特に制限されないが、取扱
いの容易性や生成するポリオルガノシロキサンへの有機
官能性基の導入性の観点から、分子鎖末端は水酸基以外
の有機基、例えばアルコキシ基、トリメチルシリル基、
ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル
基、メチルジフェニルシリル基、3,3,3−トリフル
オロプロピルジメチルシリル基などで封鎖されているも
のが好ましい。
【0055】そして、上述したような(b)成分のオル
ガノシロキサン、あるいは必要により使用する有機官能
基を含有したシラン化合物、エチレン性不飽和基を含有
したシラン化合物、有機官能基を含有したオルガノシロ
キサン、あるいはエチレン性不飽和基を含有したオルガ
ノシロキサンは、本発明に係るコロイダルシリカコア−
シリコーンシェル体におけるシリコーンシェル部が20
〜95重量%となるように配合される。
【0056】次に、本発明に係る組成物の製造方法につ
いて説明する。
【0057】まず、(a)成分のコロイダルシリカと
(b)成分のオルガノシロキサンオルガノシロキサン
と、そして、必要に応じて有機官能基またはエチレン性
不飽和基を含有したシラン化合物あるいは有機官能基ま
たはエチレン性不飽和基を含有したオルガノシロキサン
とを、水性媒体中、界面活性剤の存在下にホモジナイザ
ーなどを用いてせん断混合し、有効量の乳化剤または乳
化剤混合物の存在下に重縮合させることによってコロイ
ダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジョンを調
製する。
【0058】次いで塗膜用保護撥水性組成物については
従来から使用されている各種の揮発性または不揮発性油
剤、ブロッキング剤、研磨剤、凍結防止剤、粘度調製
剤、pH調製剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防
錆剤、香料、着色剤、樹脂加工剤、界面活性剤、架橋
剤、縮合触媒などの任意成分を適宜配合することによっ
て製造できる。
【0059】離型剤組成物については従来から使用され
ている各種の無機質粉体、接着性向上剤、硬化触媒、粘
度調製剤、pH調製剤、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤、香
料、着色剤などの任意成分を適宜配合することによって
製造できる。
【0060】建築物用保護撥水性組成物については従来
から使用されている各種の揮発性または不揮発性油剤、
ブロッキング剤、研磨剤、凍結防止剤、粘度調製剤、pH
調製剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、
香料、着色剤、接着性向上剤、樹脂加工剤などの任意成
分を適宜配合することによって製造できる。
【0061】繊維処理剤については従来から使用されて
いる各種の揮発性または不揮発性油剤、樹脂加工剤、界
面活性剤、防腐剤、香料、着色剤、架橋剤、縮合触媒な
どの任意成分を適宜配合することによって製造できる。
【0062】上述した乳化剤は主に(b)成分のオルガ
ノシロキサンと生成してくるコロイダルシリカコア−シ
リコーンシェル体を乳化させるための界面活性剤の役割
を果たすと同時に、(a)成分と(b)成分、および必
要により使用した有機官能基またはエチレン性不飽和基
を含有したシラン化合物あるいは有機官能基またはエチ
レン性不飽和基を含有したオルガノシロキサンとの重縮
合反応の触媒の働きをするものであり、アニオン系界面
活性剤あるいはカチオン系界面活性剤を適宜、選択使用
することができる。
【0063】このようなアニオン系界面活性剤として
は、一般式R8 6 4 SO3 H……(VII )、R8
SO3 H……(VIII)、R9 CH=CH(CH2
3 H……(IX)およびR9 CH2 CH(OH)(CH
2 )nSO3 H……(X)(ただし、式中R8 は炭素原
子数6〜30の一価の脂肪族炭化水素基、R9 は炭素原
子数1〜30の一価の脂肪族炭化水素基、また、nおよ
びmは(IX)式および(X)式の界面活性剤中の全炭素
数が6〜30となるような整数である)でそれぞれ示さ
れる脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族水素サルフ
ェート類、または不飽和脂肪族スルホン酸と水酸化脂肪
族スルホン酸の混合物が好適に使用される。
【0064】ここで、(VII )式および(VIII) 式中の
8 は炭素原子数6〜30、好ましくは6〜18の一価
の脂肪族炭化水素基であり、例えばへキシル基、オクチ
ル基、デシル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル
基、ミリシル基、オレイル基、ノネニル基、オクチニル
基、フィチル基、ペンタデカジエニル基等が挙げられ
る。
【0065】また、(IV) 式および(X)式中のR9
炭素原子数1〜30、好ましくは6〜18の一価の脂肪
族炭化水素基であり、例えばR8 と同様の一価の脂肪族
炭化水素基が挙げられる。
【0066】このような(VII )式あるいは(VIII)式
のアニオン系界面活性剤としては、へキシルベンゼンス
ルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベン
ゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、オクチル
サルフェート、ラウリルサルフェート、オレイルサルフ
ェート、セチルサルフェートなどが例示される。
【0067】また、(IX)式のアニオン系界面活性剤と
しては、例えばテトラデセンスルホン酸が例示され、
(X)式のアニオン系界面活性剤としては、ヒドロキシ
テトラデカンスルホン酸が例示される。
【0068】さらに、触媒作用の弱いアニオン系界面活
性剤も重合触媒と併用することで、使用することができ
る。このようなアニオン系界面活性剤としては、上記
(VII)式の脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、(VIII)
式の脂肪族水素サルフェート類、または(IX)、(X)
式の不飽和脂肪族スルホン酸と水酸化脂肪族スルホン酸
の混合物のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
などが挙げられ、具体的にはドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ナトリ
ウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウリルサル
フェート、トリエタノールアミンラウリルサルフェー
ト、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシテ
トラデカンスルホン酸ナトリウムが例示される。
【0069】また、上述した(VII )式あるいは(VII
I)式のアニオン系界面活性剤以外にも、例えばポリオ
キシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸、ポリオキシ
エチレン(13)セチルエーテル硫酸、ポリオキシエチ
レン6)ステアリルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン
(4)ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
(4)オクチルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなど
のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルま
たはその塩、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテ
ルカルボン酸、ポリオキシエチレン(3)ステアリルエ
ーテルカルボン酸、ポリオキシエチレン(6)ラウリル
エーテルカルボン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン
(6)オクチルエーテルカルボン酸ナトリウムなどのポ
リオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸エステル
またはその塩などの1種または2種以上を使用すること
ができるが、なんらこれらに限定されるものではない。
【0070】なお、上記アニオン界面活性剤と併用する
重合触媒としては、通常、低分子量オルガノシロキサン
の重合触媒として使用される脂肪族置換ベンゼンスルホ
ン酸、脂肪族水素サルフェート類、不飽和脂肪族スルホ
ン酸と水酸化脂肪族スルホン酸の混合物、塩素、硫酸、
リン酸などの酸性触媒が好適に用いられるが、なんらこ
れらに限定されるものではなく、水の存在下で低分子量
オルガノシロキサンを重合させることが可能な触媒であ
れは、いずれの触媒も使用できる。
【0071】このアニオン界面活性剤の使用量は、
(a)成分と(b)成分および必要により使用する有機
官能基またはエチレン性不飽和基を含有したシラン化合
物あるいは有機官能基またはエチレン性不飽和基を含有
したオルガノシロキサンの合計量100重量部に対して
0.5〜20重量部、特に0.5〜10重量部にするこ
とがより好ましく、0.5重量部に満たないとエマルジ
ョンの安定性が悪く分離する可能性があり、20重量部
を越えるとエマルジョンが増粘して流動性が悪くなる場
合がある。
【0072】また、重合触媒を併用する場合、重合触媒
の使用量は特に限定されないが、(a)成分と(b)成
分および必要により使用する有機官能基またはエチレン
性不飽和基を含有したシラン化合物あるいは有機官能基
またはエチレン性不飽和基を含有したオルガノシロキサ
ンの合計量100重量部に対して0.05〜10重量部
とすることが好ましい。
【0073】また、界面活性剤として使用できるカチオ
ン系界面活性剤としては、下記の一般式
【化3】 (但し、式中R10は炭素原子数6以上の脂肪族一価炭化
水素基、R11、R12、R13はそれぞれ一価の有機基、X
は水酸基、塩素原子または臭素原子である。)で示され
る第四アンモニウム塩系界面活性剤が好適である。
【0074】(XI)式において、R10は炭素原子数6以
上、好ましくは8〜18の脂肪族炭化水素基であり、例
えばへキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
セチル基、ステアリル基、ミリシル基、オレイル基、へ
キサデシル基、ノネニル基、オクチニル基、フィチル
基、ペンタデカジエニル基などが挙げられる。また、R
11、R12、R13はそれぞれ同種または異種の一価の有機
基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基など
のアルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル
基、フェニル基、キセニル基、ナフチル基などのアリー
ル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基などが
挙げられる。
【0075】このような、(XI)式の第四級アンモニウ
ム塩系界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウムヒド
ロキシド、ジステアリルジメチルアンンモニウムヒドロ
キシド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ス
テアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチ
ルアンモニウム、塩化ジコロイルジメチルアンモニウ
ム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベン
ザルロニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモ
ニウムなどが挙げられ、これらの1種、または2種以上
を用いることができる。
【0076】なお、上記カチオン系界面活性剤は触媒作
用が弱いので、重合触媒と併用することが好ましく、こ
の併用する重合触媒としては、通常、低分子量のオルガ
ノシロキサンの重合触煤として使用される水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げ
られる。
【0077】カチオン系界面活性剤の使用量は、(a)
成分と(b)成分および必要により使用する有機官能基
またはエチレン性不飽和基を含有したシラン化合物ある
いは有機官能基またはエチレン性不飽和基を含有したオ
ルガノシロキサンの合計量100重量部に対して0.5
〜50重量部、特に1〜20重量部にすることが好まし
く、0.5重量部に満たないとエマルジョン自体のカチ
オン性が不十分であり、なおかつエマルジョンの安定性
が悪く分離する場合があり、50重量部を越えるとエマ
ルジョンが増粘して流動性が無くなる場合がある。
【0078】また、重合触媒を併用する場合、重合触媒
の使用量は特に限定されないが、(a)成分と(b)成
分および必要により使用する有機官能基またはエチレン
性不飽和基を含有したシラン化合物あるいは有機官能基
またはエチレン性不飽和基を含有したオルガノシロキサ
ンの合計量100重量部に対して、0.05〜10重量
部とすることが好ましい。
【0079】さらに、乳化重合によって得られたコロイ
ダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジョンに上
述したような任意成分を配合した後、最終的に得られる
組成物の安定性を向上させるために、ノニオン系界面活
性剤を本発明の目的を損なわない範囲で、上記界面活性
剤と乳化重合前もしくは乳化重合後に併用させて使用し
ても良い。
【0080】このようなノニオン系界面活性剤として
は、HLB(親水性親油性バランス)が6〜20のもの
が好ましく、このようなものとしては例えば、ポリオキ
シエチレン(6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(18)ノニ
ルフェニルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレング
リコール(EO14)、ジステアリン酸ポリエチレング
リコール(EO80)、ポリオキシエチレン(20)硬
化ヒマシ油、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(2
0)ソルビタン、モノバルミチン酸ポリオキシエチレン
(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチ
レン(6)ソルビタントリオレイン酸ポリオキシエチレ
ン(20)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエ
チレン(40)ソルビット、モノオレイン酸ポリオキシ
エチレン(15)グリセリル、モノステアリン酸ポソオ
キシエチレン(15)グリセリル、モノバルミチン酸ソ
ルビタン、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(10)フィトステロール、ポ
リオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)
セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリル
アミン、ポリオキシエチレン(8)ステアリルプロピレ
ンジアミンポリオキシエチレン(5)セチルエーテルリ
ン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これに限定される
ものではない。
【0081】このようなノニオン系界面活性剤の使用量
は、乳化重合前に併用する場合には、土記界面活性剤1
00重量部に対して500重量部を越えると重合触媒と
しての活性を損なうので、0〜500重量部とすること
が好ましい。
【0082】なお、前記コロイダルシリカコア−シリコ
ーンシェル体エマルジョンの調製にあたり、コロイダル
シリカを安定な状態に保持しておくため、酸性コロイダ
ルシリカ−アニオン系界面活性剤、アルカリ性コロイダ
ルシリカ−カチオン系界面活性剤の組合せを選択する。
【0083】この際の水の使用量は(a)成分と(b)
成分および必要により使用する有機官能基またはエチレ
ン性不飽和基を含有したシラン化合物あるいは有機官能
基またはエチレン性不飽和基を含有したオルガノシロキ
サンの合計量100重量部に対して、通常、50〜50
0重量部、好ましくは100〜300部重量であり、縮
合温度は通常、5〜100℃である。
【0084】なお、本発明に係る組成物中のコロイダル
シリカコア−シリコーンシェル体エマルジョンの調製に
際し、シリコーンシェル部の強度を向上させるために架
橋剤を添加することもできる。
【0085】この架橋剤としては、たとえばトリメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、(3,
3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランな
どの3官能性架橋剤、テトラエトキシシランなどの4官
能性架橋剤を挙げることができる。
【0086】この架橋剤の添加量は(a)成分と(b)
成分および必要により使用する有機官能基またはエチレ
ン性不飽和基を含有したシラン化合物あるいは有機官能
基またはエチレン性不飽和基を含有したオルガノシロキ
サンの合計量100重量部に対して、通常、10重量
部、好ましくは5重量部以下である。
【0087】上記により得られる本発明に係る組成物中
のコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジ
ョンは酸性あるいはアルカリ性になっているので、長期
安定性を保つため、アルカリあるいは酸で中和する必要
がある。
【0088】このアルカリ性物質としては、たとえば水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、トリエタノールアミンなどが用いられ、また酸とし
ては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、しゅう酸などが用いられ
る。
【0089】本発明の塗膜用保護撥水性組成物に使用さ
れるコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマル
ジョンの固形分濃度は、通常、20〜70重量%、好ま
しくは30〜60重量%程度である。
【0090】本発明の塗膜用保護撥水性組成物は、上述
したコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマル
ジョンを含有していればよく、そのまま、あるいは必要
に応じて本発明の目的を損なわない程度に、任意の成分
を任意量添加して得られる。好ましくは、0〜99.9
重量%の任意成分を添加する。この任意成分としては、
上述した通りものが挙げられる。
【0091】ブロッキング剤は、本発明の塗膜用保護撥
水性組成物の形状をペースト状(固形状)とするための
ものであり、カーワックスなどに従来から慣用されてい
る天然あるいは合成のろう成分であるカルナバワック
ス、モンタン酸ワックスおよびその誘導ワックス、無極
性合成ワックスが挙げられる。
【0092】これらのブロッキング剤は1種または2種
以上を併用して使用することができ、本発明の塗膜用保
護撥水性組成物中、0〜25重量%、特に0〜20重量
%とすることがより好ましい。
【0093】また、研磨剤は本発明の塗膜用保護撥水性
組成物にクリーナー性を付与するものであり、カーワッ
クスなどに従来から慣用されている微粉末であるカオリ
ン、タルク、ケイ石、ケイ藻土、パーライト、炭酸カル
シウム、ゼオライト、アルミナ、含水ケイ酸、酸化クロ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化マグネシウム、フ
ッ化カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、シ
ラスパルーン、マイカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジル
コニウム、グイヤモンド、ガラス、セラミック、ポリオ
レフィンパウダー、ナイロンパウダー、ポリスチレンパ
ウダー、セルロースパウダー、テフロンパウダー、高級
脂肪酸ピスアマイド、高級脂肪酸金属石鹸、アミノ酸系
パウダー、シリコーン系パウダー、その他合成樹脂パウ
ダーが挙げられる。
【0094】これらの研磨剤は1種または2種以上を併
用して使用することができ、本発明の塗膜用保護撥水性
組成物中、0〜25重量%、特に0〜20重量%とする
ことがより好ましい。
【0095】また、本発明の塗膜用保護撥水性組成物に
さらに高いクリーナー性を付与させるために、溶解性の
強い溶剤である芳香族系溶剤、塩素系溶剤、エステル系
溶剤、ケトン系溶剤、その他塗装面に悪影響を与えない
ような、洗浄用として慣用されている溶剤を添加しても
よい。
【0096】これらの溶解性の強い溶剤は1種または2
種以上を併用して使用することができ、本発明の塗膜用
保護撥水性組成物中、0〜20重量%、特に0〜10重
量%とすることがより好ましい。
【0097】また、凍結防止剤は、本発明の塗膜用保護
撥水性組成物の凍結を防止するためのものであり、エチ
レングリコールやプロピレングリコール、エタノール、
イソプロピルアルコール等のグリコール類やアルコール
類、並びにその他の不凍効果を有するもので慣用されて
いるものが挙げられる。
【0098】これらの凍結防止剤は種または2種以上を
併用して使用することができ、本発明の塗膜用保護撥水
性組成物中、0〜20重量%、特に0〜10重量%とす
ることがより好ましい。
【0099】また、揮発性溶媒は、塗布作業行程時間を
短縮する揮発速度調整用であり、沸点が150℃以下の
脂肪族溶剤、または脂肪族溶剤を主体とするものが挙げ
られる。
【0100】これらの揮発性溶媒は1種または2種以上
を併用して使用することができ、本発明の塗膜用保護撥
水性組成物中、0〜50重量%、特に0〜20重量%と
することがより好ましい。
【0101】さらに、本発明の塗膜用保護撥水性組成物
の安定性を向上させるための界面活性剤としては、前述
したアニオン系、カチオン系およびノニオン系界面活性
剤が挙げられる。
【0102】これらの界面活性剤は1種または2種以上
を併用して使用することができ、本発明の塗膜用保護撥
水性組成物中、0.1〜20重量%、特に0.1〜10
重量%とすることがより好ましい。20重量%を越える
と、車の塗装面に対して悪影響を与えたり、変性ポリオ
ルガノシロキサン系エマルジョンの形成皮膜の中に残存
してこの皮膜を軟弱にしたり、塗布作業が重くなったり
する危険性がある。また、0.1重量%未満では安定化
の効果が現れない。
【0103】さらに、本発明の塗膜用保護撥水性組成物
にさらに高い密着性や皮膜強度を付与させるための添加
剤を添加してもよい。例えば、トリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シランなどの
シラン化合物、ならびにこれらの1種類または2種類以
上の部分加水分解物;3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、4−エテニルフ
ェニルトリメトキシシランなどの有機官能基含有シラン
化合物、ならびにこれらの1種類または2種類以上の部
分加水分解物あるいは反応混合物;3−アミノプロピル
基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
基、3−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチル基、3−メルカプトプロピル基、ビ
ニル基、3−メタクリロキシプロピル基、4−エテニル
フェニル基などを含有する有機官能基含有ポリジメチル
シロキサンおよびこれらの反応混合物;前記の有機官能
基含有シラン化合物と有機官能基含有ポリジメチルシロ
キサンの反応混台物;SiH結合を含有した分子末端が
トリメチルシリル基、アルコキシ基あるいは水酸基等で
封止された直鎖状または分岐状のポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン;前記の特定の有機官能基を含有して
いない分子末端がトリメチルシリル基、アルコキシ基あ
るいは水酸基等で封止された直鎖状または分岐状のポリ
オルガノシロキサン;ジブチルスズジラウレート、ジオ
クチルスズラウレート、ジブチルスズジアセテート、オ
クチル酸スズ、オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛などの有
機酸金属塩:コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウ
ム、白金系などの遷移金属化合物;テトラブトキシチタ
ンなどの有機金属アルコラート;n−ブチルアミン、イ
ミダゾールなどのアミン類;モルホリン、モノエタノー
ルアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミノエタノー
ル、へキサメトキシメチル化メラミン樹脂などの完全ア
ルキル型メチル化メラミン樹脂、部分アルキル化メチル
化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキルエー
テル化尿素樹脂などのアミン化合物;エチレングリコー
ル・ジグリシジルエーテル、へキサンジオール・ジグリ
シジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジ
ルエーテル、グリセリン・ジグリシジルエーテル、グリ
セリン・ポリグリシジルエーテル、ジグリセリン・ポリ
グリシジルエーテル、ソルビトール・ポリグリシジルエ
ーテル、水添ビスフェノールA・ジグリシジルエーテル
またはビスフェノールA・ジグリシジルエーテルなどの
多価アルコールのポリグリシジルエーテル、あるいはp
−オキシ安息香酸のグリシジルエーテル、フタル酸ジグ
リシジルエーテルまたはへキサヒドロフタル酸・ジグリ
シジルエーテル、さらにはヒダントイン環含有エポキシ
樹脂、側鎖にエポキシ基を有するビニル系重合体などの
エポキシ化合物;トリレンジイソシアネートならびにそ
の水素添加物およびアダクト、ジフェニルメタンジイソ
シアネートおよびその水素添加物、トリフェニルメタン
トリイソシアネートおよびその水素添加物、へキサメチ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートお
よびその水素添加物、イソホロンジイソシアネート、ジ
アニシジンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、イソシアネート基をブロック化したブロック化ポリ
イソシアネートなどのイソシアネート化合物;トリス−
2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリ
アジン、トリス〔1−(2−メチル)アジリジニル〕ホ
スフィンオキシド、へキサ〔1−(2−メチル)アジリ
ジニル〕トリホスファトリアジンなどのアジリジン化合
物;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コ
ハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシ
ン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸
ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのヒドラジ
ン化合物等が例示される。
【0104】これらの添加剤は1種または2種以上を併
用して使用することができ、本発明の塗膜用保護撥水性
組成物中、0〜50重量%、特に0〜25重量%とする
ことがより好ましい。
【0105】また、その他に、粘度調整剤、pH調整剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、香料、着
色剤の成分を必要に応じて本発明の塗膜用保護撥水性組
成物に配合しても差し支えない。
【0106】本発明の塗膜用保護撥水性組成物に前記し
た任意の成分を添加するには、上述したコロイダルシリ
カコア−シリコーンシェルエマルジョンおよび他の任意
成分を単に均一に混合するか、またはコロイダルシリカ
コア−シリコーンシェルエマルジョン以外の成分を、あ
らかじめホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサ
ーなどの乳化機により乳化、または攪拌機により均一に
混合しておき、これにコロイダルシリカコア−シリコー
ンシェルエマルジョンを添加すればよい。
【0107】また、本発明の離型剤組成物は、上述した
コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジョ
ンを含有していればよく、そのまま、あるいは必要に応
じて本発明の目的を損なわない程度に、任意の成分を任
意量添加して得られる。好ましくは、0〜99.9重量
%の任意成分を添加する。
【0108】このような任意の成分としては、煙霧質シ
リカ、沈殿法シリカ、けいそう土、マイカ、タルク、酸
化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化
セリウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、
水酸化セリウム、カーボンブラック、グラファイト、ガ
ラスビーズ、金属粉などの無機質粉体;レシチン、メチ
ルセルロース、ポリビニルアルコールなどのエマルジョ
ン安定化剤;トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、トリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラ(n−プロポキシ)シランなどのシラン化合物、な
らびにこれらの1種類または2種類以上の部分加水分解
物;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、4−エテニルフェニルトリメトキ
シシランなどの有機官能基含有シラン化合物、ならびに
これらの1種類または2種類以上の部分加水分解物ある
いは反応混合物;3−アミノプロピル基、N−(2−ア
ミノエチル)−3−アミノプロピル基、3−グリシドキ
シプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル
基、3−メルカプトプロピル基、ビニル基、3−メタク
リロキシプロピル基、4−エテニルフェニル基などを含
有する有機官能基含有ポリジメチルシロキサンおよびこ
れらの反応混合物;前記の有機官能基含有シラン化合物
と有機官能基含有ポリジメチルシロキサンの反応混合
物;SiH結合を含有した分子末端がトリメチルシリル
基、アルコキシ基あるいは水酸基等で封止された直鎖状
または分岐状のポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ン;前記の特定の有機官能基を含有していない分子末端
がトリメチルシリル基、アルコキシ基あるいは水酸基等
で封止された直鎖状または分岐状のポリオルガノシロキ
サン;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウ
レート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、
オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛などの有機酸金属塩;コ
バルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金系など
の遷移金属化合物;テトラブトキシチタンなどの有機金
属アルコラート;n−ブチルアミン、イミダゾールなど
のアミン類;水;前記例示した各種界面活性剤;粘度調
整剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤、香料、
着色剤などの成分を必要に応じて配合しても差し支えな
い。
【0109】本発明の離型剤組成物に前記した任意の成
分を添加するには、上述した変性ポリオルガノシロキサ
ン系エマルジョンおよび他の任意成分を単に均一に混合
するか、または変性ポリオルガノシロキサン系エマルジ
ョン以外の成分を、あらかじめホモジナイザー、コロイ
ドミル、ラインミキサーなどの乳化機により乳化、また
は撹拌機により均一に混合しておき、これに変性ポリオ
ルガノシロキサン系エマルジョンを添加すればよい。
【0110】本発明の離型剤組成物の成形型への塗布
は、ハケ塗り方式、スプレーガン方式、エアゾル容器を
用いる方式等のいずれによっても行うことができ、また
塗布後は加熱、減圧あるいは窒素や空気を吹き込む等の
方法によって水を揮発させればよい。このうような方法
によって、金属、セラミック、合成樹脂、合成ゴム、
木、紙等の各種の材質からなる種々の型に対して、良好
な離型性を付与することができる。
【0111】本発明の離型剤組成物の適用対象物として
は、例えば、ポリスチレン、AS、ABS、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リアクリレート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレ
ア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ホル
ムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、キシレンホルムアル
デヒド樹脂、ケトンホルムアルデヒド樹脂、フラン樹
脂、イミド樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、アニリン樹脂、スルホンアミド樹
脂、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、およびそれら
の共重合体樹脂等の有機系樹脂;天然ゴム(NB)、ス
チレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム
(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル
−ブタジエンゴム(NBR)、ニトリルゴム、水添NB
R、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン
ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエンターポ
リマー(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、アクリル
ゴム(ACM)、エチレン−アクリルゴム、クロロスル
ホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM
等)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、多硫
化ゴム(T)、ウレタンゴム(U)等の有機系ゴムが挙
げられる。
【0112】また、本発明の建築物用保護撥水性組成物
は、上述したコロイダルシリカコア−シリコーンシェル
体エマルジョンを含有していればよく、そのまま、ある
いは必要に応じて本発明の目的を損なわない程度に、任
意の成分を任意量添加して得られる。好ましくは、0〜
99.9重量%の任意成分を添加する。
【0113】このような任意の成分としては、トリメト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキ
シ)シランなどのシラン化合物、ならびにこれらの1種
類または2種類以上の部分加水分解物;3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、4−エテニルフェニルトリメトキシシランなどの有
機官能基含有シラン化合物、ならびにこれらの1種類ま
たは2種類以上の部分加水分解物あるいは反応混合物;
3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3
−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3−メルカ
プトプロピル基、ビニル基、3−メタクリロキシプロピ
ル基、4−エテニルフェニル基などを含有する有機官能
基含有ポリジメチルシロキサンおよびこれらの反応混合
物;前記の有機官能基含有シラン化合物と有機官能基含
有ポリジメチルシロキサンの反応混合物;SiH結合を
含有した分子末端がトリメチルシリル基、アルコキシ基
あるいは水酸基等で封止された直鎖状または分岐状のポ
リオルガノハイドロジェンシロキサン;前記の特定の有
機官能基を含有していない分子末端がトリメチルシリル
基、アルコキシ基あるいは水酸基等で封止された直鎖状
または分岐状のポリオルガノシロキサン;ジブチルスズ
ジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ジブチルス
ズジアセテート、オクチル酸スズ、オクチル酸鉄、オク
チル酸亜鉛などの有機酸金属塩;コバルト、ロジウム、
ニッケル、パラジウム、白金系などの遷移金属化合物;
テトラブトキシチタンなどの有機金属アルコラート;n
−ブチルアミン、イミダゾールなどのアミン類;カオリ
ン、タルク、ケイ石、ケイ藻土、パーライト、炭酸カル
シウム、ゼオライト、アルミナ、含水ケイ酸、酸化クロ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化マグネシウム、フ
ッ化カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、シ
ラスパルーン、マイカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジル
コニウム、ダイヤモンド、ガラス、セラミック、ポリオ
レフィンパウダー、ナイロンパウダー、ポリスチレンパ
ウダー、セルロースパウダー、テフロンパウダー、高級
脂肪酸ビスアマイド、高級脂肪酸金属石鹸、アミノ酸系
パウダー、シリコーン系パウダー、その他合成樹脂パウ
ダー;流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、ス
クワランおよびオレフィンオリゴマー等の炭化水素;イ
ソプロピルパルミテート、ステアリルステアレート、ミ
リスチン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸ト
リグリセライド等のエステル;ラウリルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコ
ール;パラミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;モ
ルホリン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、
ジエチルアミノエタノール、へキサメトキシメチル化メ
ラミン樹脂などの完全アルキル型メチル化メラミン樹
脂、部分アルキル化メチル化メラミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、アルキルエーテル化尿素樹脂などのアミン
化合物;エチレングリコール・ジグリシジルエーテル、
へキサンジオール・ジグリシジルエーテル、ネオペンチ
ルグリコール・ジグリシジルエーテル、グリセリン・ジ
グリシジルエーテル、グリセリン・ポリグリシジルエー
テル、ジグリセリン・ポリグリシジルエーテル、ソルビ
トール・ポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノール
A・ジグリシジルエーテルまたはビスフェノールA・ジ
グリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル、あるいはp−オキシ安息香酸のグリシジ
ルエーテル、フタル酸ジグリシジルエーテルまたはへキ
サヒドロフタル酸・ジグリシジルエーテル、さらにはヒ
ダントイン環含有エポキシ樹脂、側鎖にエポキシ基を有
するビニル系重合体などのエポキシ化合物;トリレンジ
イソシアネートならびにその水素添加物およびアダク
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素
添加物、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび
その水素添加物、へキサメチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネートおよびその水素添加物、イソ
ホロンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、イソシアネート基をブ
ロック化したブロック化ポリイソシアネートなどのイソ
シアネート化合物;トリス−2,4,6−(1−アジリ
ジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2
−メチル)アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ
〔1−(2−メチル)アジリジニル〕トリホスファトリ
アジンなどのアジリジン化合物;シュウ酸ジヒドラジ
ド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グ
ルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソ
フタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレ
イン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン
酸ジヒドラジドなどのヒドラジン化合物;グリオキザー
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂のような樹脂加工剤;エタノール等の溶
剤;水;前記例示した各種界面活性剤;殺菌剤;香料;
着色剤などがある。また、その他に、粘度調整剤、pH調
整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、香
料、着色剤の成分を必要に応じて配合しても差し支えな
い。
【0114】本発明の建築物用保護撥水性組成物に前記
した任意の成分を添加するには、上述した変性ポリオル
ガノシロキサン系エマルジョンおよび他の任意成分を単
に均一に混合するか、または変性ポリオルガノシロキサ
ン系エマルジョン以外の成分を、あらかじめホモジナイ
ザー、コロイドミル、ラインミキサーなどの乳化機によ
り乳化、または攪拌機により均一に混合しておき、これ
に変性ポリオルガノシロキサン系エマルジョンを添加す
ればよい。
【0115】なお、この建築物用保護撥水性組成物によ
り、保護皮膜が形成できる建築物の材質としては、通常
使用されている物であれば特に限定はないが、コンクリ
ート、モルタル、タイル、レンガ、石材などの無機質材
料;アルミニウム、鉄、ステンレスなどの金属材料;こ
れらの材料の表面をウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、
エポキシ樹脂系などの合成樹脂で塗装や吹き付け処理し
たもの;これらの材料の表面をシリカゾール系、水ガラ
ス系、ケイ酸塩材料系などのケイ酸質材料で吹き付け処
理したものなどが例示される。
【0116】本発明の保護撥水性組成物の建築物の壁面
や屋根瓦などへの塗布方法としては、刷毛塗り、スプレ
ー塗り、ローラー塗りなどの方法により塗布した後、室
温あるいは加温乾燥により皮膜の硬化を行えばよく、こ
の際の硬化皮膜の膜厚は0.1〜50μmの範囲、好ま
しくは0.5〜15μmの範囲とすることがよい。
【0117】また、本発明の繊維処理剤は、上述したコ
ロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジョン
を含有していればよく、そのまま、あるいは必要に応じ
て本発明の目的を損なわない程度に、任意の成分を任意
量添加して得られる。好ましくは、0〜99.9重量%
の任意成分を添加する。
【0118】このような任意の成分としては、トリメト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキ
シ)シランなどのシラン化合物、ならびにこれらの1種
類または2種類以上の部分加水分解物;3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、4−エテニルフェニルトリメトキシシランなどの有
機官能基含有シラン化合物、ならびにこれらの1種類ま
たは2種類以上の部分加水分解物あるいは反応混合物;
3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3
−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3−メルカ
プトプロピル基、ビニル基、3−メタクリロキシプロピ
ル基、4−エテニルフェニル基などを含有する有機官能
基含有ポリジメチルシロキサンおよびこれらの反応混合
物;前記の有機官能基含有シラン化合物と有機官能基含
有ポリジメチルシロキサンの反応混合物;SiH結合を
含有した分子末端がトリメチルシリル基、アルコキシ基
あるいは水酸基等で封止された直鎖状または分岐状のポ
リオルガノハイドロジェンシロキサン;前記の特定の有
機官能基を含有していない分子末端がトリメチルシリル
基、アルコキシ基あるいは水酸基等で封止された直鎖状
または分岐状のポリオルガノシロキサン;ジブチルスズ
ジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ジブチルス
ズジアセテート、オクチル酸スズ、オクチル酸鉄、オク
チル酸亜鉛などの有機酸金属塩;コバルト、ロジウム、
ニッケル、パラジウム、白金系などの遷移金属化合物;
テトラブトキシチタンなどの有機金属アルコラート;n
−ブチルアミン、イミダゾールなどのアミン類;カオリ
ン、タルク、ケイ石、ケイ藻土、パーライト、炭酸カル
シウム、ゼオライト、アルミナ、含水ケイ酸、酸化クロ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化マグネシウム、フ
ッ化カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、シ
ラスパルーン、マイカ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジル
コニウム、ダイヤモンド、ガラス、セラミック、ポリオ
レフィンパウダー、ナイロンパウダー、ポリスチレンパ
ウダー、セルロースパウダー、テフロンパウダー、高級
脂肪酸ビスアマイド、高級脂肪酸金属石鹸、アミノ酸系
パウダー、シリコーン系パウダー、その他合成樹脂パウ
ダー;流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、ス
クワランおよびオレフィンオリゴマー等の炭化水素;イ
ソプロピルパルミテート、ステアリルステアレート、ミ
リスチン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸ト
リグリセライド等のエステル;ラウリルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコ
ール;パラミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;モ
ルホリン、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、
ジエチルアミノエタノール、ヘキサメトキシメチル化メ
ラミン樹脂などの完全アルキル型メチル化メラミン樹
脂、部分アルキル化メチル化メラミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、アルキルエーテル化尿素樹脂などのアミン
化合物;エチレングリコール・ジグリシジルエーテル、
へキサンジオール・ジグリシジルエーテル、ネオペンチ
ルグリコール・ジグリシジルエーテル、グリセソン・ジ
グリシジルエーテル、グリセリン・ポリグリシジルエー
テル、ジグリセリン・ポリグリシジルエーテル、ソルビ
トール・ポリグリシジルエーテル、水添ビスフェノール
A・ジグリシジルエーテルまたはビスフェノールA・ジ
グリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシ
ジルエーテル、あるいはp−オキシ安息香酸のグリシジ
ルエーテル、フタル酸ジグリシジルエーテルまたはへキ
サヒドロフタル酸・ジグリシジルエーテル、さらにはヒ
ダントイン環含有エポキシ樹脂、側鎖にエポキシ基を有
するビニル系重合体などのエポキシ化合物;トリレンジ
イソシアネートならびにその水素添加物およびアダク
ト、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素
添加物、トリフェニルメタントリイソシアネートおよび
その水素添加物、へキサメチレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネートおよびその水素添加物、イソ
ホロンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、イソシアネート基をブ
ロック化したブロック化ポリイソシアネートなどのイソ
シアネート化合物;トリス−2,4,6−(1−アジリ
ジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2
−メチル)アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ
〔1−(2−メチル)アジリジニル〕トリホスファトリ
アジンなどのアジリジン化合物;シュウ酸ジヒドラジ
ド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グ
ルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、イソ
フタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレ
イン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン
酸ジヒドラジドなどのヒドラジン化合物;グリオキザー
ル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂のような樹脂加工剤;エタノール等の溶
剤;水;前記例示した各種界面活性剤などがある。ま
た、その他に、粘度調整剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、香料、着色剤の成分を必
要に応じて配合しても差し支えない。
【0119】本発明の繊維処理剤に前記した任意の成分
を添加するには、上述したコロイダルシリカコア−シリ
コーンシェル体エマルジョンおよび他の任意成分を単に
均一に混合するか、またはコロイダルシリカコア−シリ
コーンシェル体エマルジョン以外の成分を、予めホモジ
ナイザー、コロイドミル、ラインミキサーなどの乳化機
により乳化、または撹拌機により均一に混合しておき、
これにコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマ
ルジョンを添加すればよい。
【0120】本発明に係る繊維処理剤により繊維素材を
処理するには、スプレー付着、ロール付着、ハケ塗り、
または浸漬などの方法による。付着量は繊維素材によっ
て異なり特に限定されないが、繊維素材に対し、繊維処
理剤の固形分換算で0.01〜10重量%の範囲である
のが一般的である。次いで、常温放置、熱風吹付、加熱
処理などにより、繊維素材を処理する。
【0121】繊維素材としては、材質的には毛髪、羊
毛、絹、麻、本綿、アンゴラ、モヘア、アスベストのよ
うな天然繊維、レーヨン、ベンベルグのような再生繊
維、アセテートのような半合成繊維、ポリエステルポリ
アミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ビニ
ロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、スパンデックス
のような合成繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、シリコ
ーンカーバイド繊維のような無機繊維が例示され、形状
的にはステープル、フィラメント、トウ、トップ、糸が
例示され、形態的には編物、織物、不織布、紙が例示さ
れる。
【0122】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、実施例中の部および%は特
に断らない限り、重量部および重量%である。また、コ
ロイダルシリカコア−シリコーンシェル体エマルジョン
の評価は下記のようにして行った。
【0123】〔コロイダルシリカコア−シリコーンシェ
ル体エマルジョンの評価方法〕 (1)平均粒径 原料となるコロイダルシリカおよびコロイダルシリカコ
ア−シリコーンシェル体の平均粒径は、動的光散乱法の
採用された大塚電子(株)製レーザー粒径解祈システム
LPA−3000S/3100を用いて測定した。
【0124】(2)グラフト率、グラフト効率 コロイダルシリカコア−シリコーンシェル体をグラフト
重合体と見なした場合、つまりコロイダルシリカコアを
幹ポリマー、シリコーンシェルを枝ポリマーと見なした
場合のグラフト率およびグラフト効率は以下の方法で求
めた。
【0125】すなわち、コアシェル体含有エマルジョン
を40℃/0.5mmHg、5時間減圧乾燥することで得た
コアシェル体乾燥物の一定重量(1)をシクロヘキサン
中に投入し、振とう機で2時間振とうして遊離のポリオ
ルガノシロキサンを溶解させ、遠心分離機を用いて回転
数23,000rpm で30分間連心分離し、不溶分を得
た。次に、真空乾燥機を用いて120℃で1時間乾燥
し、不溶分重量(m)を得、次式によりグラフト率、グ
ラフト効率を算出した。
【0126】
【数1】 [ポリオルガノシロキサンエマルジョンの調製] [エマルジョンA]酸性コロイダルシリカであるスノー
テックスOL−40(日産化学工業(株)製、平均粒子
径84nm、SiO2 40.8%、Na2 O0.0049
%、pH2.3;シリカ−1と略記)500部、イオン交
換水500部、n−ドデシルベンゼンスルホン酸(日産
化学工業(株)製、ソフト王洗5S;乳化剤1と略記)
8.2部の混合液中に、オクタメチルシクロテトラシロ
キサン(b−1と略記)204部を加え、ホモミキサー
により予備攪拌した後、ホモジナイザーにより300kg
f /cm2 の圧力で2回通すことにより、乳化、分散させ
た。
【0127】この混合液をコンデンサー、窒素導入口お
よび撥拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌混
合しながら85℃で5時間加熱し、5℃で48時間冷却
することによって重合を完結させた。次いで、このポリ
オルガノシロキサンエマルジョンを炭酸ナトリウム水溶
液でpH7に中和し、重合を終わらせた。得られたポリオ
ルガノシロキサンエマルジョンの105℃×3時間での
不揮発分は34.2%であり、オクタメチルシクロテト
ラシロキサンの重合率は99.4%であった。また、こ
れがポリオルガノシロキサンがコロイダルシリカコア−
シリコーンシェル体であるということが、動的光散乱法
に基づく粒径解祈および電子顕微鏡観察により確認でき
た。すなわち、レーザー粒径解析システム(大塚電子
(株)製LPA−3000S/3100)を用いて粒径
解祈したところ、原料コロイダルシリカの84nm付近に
ピークを持つ単一分散の粒径分布が完全に消失し、15
8nm付近にピークを持った、単一分散の粒径分布が新た
に現れた。さらに、電子顕微鏡により観察したところ、
シリコーン粒子像のみが確認され、原料シリカ粒子像は
全く観察されなかった。
【0128】一方、このコアシェル体エマルジョンの一
部を多量のアセトン中に投入し、コアシェル体を祈出さ
せ、ろ過後、真空乾燥機で50℃、12時間乾燥し、コ
アシェル体凝集物を得た。
【0129】そして、このコアシェル体凝集物をグラフ
ト重合体とみなした場合のグラフト率およびグラフト効
率はそれぞれ41.7%であった。
【0130】[エマルジョンB〜E、a、b]エマルジ
ョンAにおいて、各原料組成を変更した以外はエマルジ
ョンAと同様にして、ポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンを調製した。これらのエマルジョンについて、エマ
ルジョンAの場合と同様に評価した結果を表1に示す。
【0131】[エマルジョンF、G]エマルジョンAに
おいて、b−1に、3−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン(b−2と略記)(D)もしくは4−エテニル
フェニルメチルジメトキシシラン(b−3と略記)
(F)2.1部をあらかじめ添加配合した以外はエマル
ジョンAの場合と同様にして、ポリオルガノシロキサン
エマルジョンを調製した。得られたこれらのポリオルガ
ノシロキサンは、動的光散乱に基づく粒径解祈および電
子顕微鏡観察によって、単一分散の粒径分布を有するコ
ロイダルシリカコア−シリコーンシェル体であると確認
できた。これらのコアシェル体について、エマルジョン
Aの場合と同様に評価した結果を表1に示す。
【0132】[エマルジョンH]アルカリ性コロイダル
シリカのスノーテックス20L(日産化学工業 (株)
製、平均粒子径72nm、SiO2 20.4%、Na2
0.0022%、pH9.9;シリカ−2と略記)100
0部、30%セチルトリメチルアンモニウムクロリド水
溶液(花王(株)製、コータミン60W、有効成分30
%;乳化剤2と略記)54.7部、ポリオキシエチレン
(18)ノニルフェニルエーテル(日光ケミカルズ
(株)製、NIKKOL NP−18TX、HLB1
9;乳化剤3と略記)32.8部および水酸化カリウム
6.0部の混合液中に、b−1 204部を加え、エマ
ルジョンAの場合と同一条件でポリオルガノシロキサン
系エマルジョンを調製した。得られたこのポリオルガノ
シロキサンは、動的光散乱に基づく粒径解析および電子
顕微鏡観察によって、単一分散の粒径分布を有するコロ
イダルシリカコア−シリコーンシェル体であると確認で
きた。このコアシェル体について、エマルジョンAの場
合と同様に評価した結果を表1に示す。
【0133】[エマルジョンc]乳化剤1を4.1部と
イオン交換水337部の混合液中に、b−1を204部
加え、ホモミキサーにより予備撥拌した後、ホモジナイ
ザーにより300kgf /cm2 の圧力で2回通すことによ
り、乳化、分散させた。
【0134】この混合液をコンデンサー、窒素導入口お
よび撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混
合しながら85℃で5時間加熱し、5℃で48時間冷却
することによって重合を完結させた。そして、この分散
体を10%炭酸ナトリウム水溶液によりpH7に中和して
重合反応を停止させることで、ポリオルガノシロキサン
エマルジョンを得た。
【0135】このエマルジョンの10℃×3時間での不
揮発分は34.4%であり、平均粒子径は260nmであ
った。さらに、このエマルジョンをイソプロピルアルコ
ールで破壊し、ポリオルガノシロキサン系重合体を取り
出してGPC測定を行ったところ、重量平均分子量は5
20,000であった。
【0136】[エマルジョンd]エマルジョンcで製造
したポリオルガノシロキサンエマルジョン545重量部
に対して、シリカ−1を500重量部、n−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン(株)製、ライ
ポンLS−250;乳化剤4と略記)4.1重量部およ
びイオン交換水163重量部を攪拌機を備えたセパラブ
ルフラスコに入れ、室温下、15分間攪拌することで、
ポリオルガノシロキサン系エマルジョンを得た。
【0137】このエマルジョンの105℃×3時間での
不揮発分は32.6%であり、また粒径解析の結果、原
料コロイダルシリカに起因する84nmのピークと比較例
3のポリオルガノシロキサンエマルジョンに起因する2
60nm付近のピークのみが確認された(平均粒子径13
9nm)。
【0138】
【表1】 以下、塗膜用保護撥水性組成物としての実施形態につい
て説明する。
【0139】[塗膜用保護撥水組成物の調製]上記のよ
うにして得られたエマルジョンA〜Hおよびa〜dに対
してブロッキング剤としてモンタンエステルワックス
(BASF社製)、研磨剤としてケイ藻土融剤焼成品
(昭和化学工業(株)製)、研磨剤として焼成カオリン
(エンゲルハード社製)、乳化剤としてドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム(日産化学(株)製)および溶
剤として脂肪族99.8Vol %(出光石油化学(株)
製、沸点166〜208℃アニリン点79℃、比重0.
762)をそれぞれ配合して、実施例1〜8および比較
例1〜4の塗膜用保護撥水性組成物を調製し、以下の方
法によりそれぞれ評価を行った。結果を表2に示す。
【0140】(試験方法)平成6年型トヨタカローラII
白色車を試験車として用意する。洗車して、クリーナー
ワックスを掛けて汚れを除去する。残っているクリーナ
ーワックスの皮膜成分を脂肪族溶媒で除去する。この屋
根部を20箇所に区分けして、各区分に各試料を塗布す
る。2区分だけ空試験用として無塗布で残す。
【0141】(塗布方法と試験要領)まず、適量の試料
をウレタンスポンジに採取し、これを試験区分に塗り拡
げる。約15分間自然乾燥させで試料中の溶媒を揮散さ
せ、有効成分を付着させる。次に、きれいな綿タオルで
仕上げ拭きを行い、光沢面を得て、試験用皮膜を形成す
る。この試験率は屋外に駐車させる。1週間を試験単位
とし、その間、約100kmを走行する。この1単位に1
回の割合で水洗いを行う。この試験要領で以下の試験項
目について試験評価を行う。試験期間は3ヶ月である。
【0142】(1)汚れの被り性 水洗いする前の汚れの被り状況について、試料を塗布し
ない空試験部分と比較して肉眼評価する。最初の1単位
の結果で評価する。(◎…空試験部分より汚れの被りが
少ない、○…空試験部分と同程度の汚れである、△…空
試験部分より汚れている、×…著しく汚れていて見苦し
い状態である) (2)汚れの除去されやすさ (1)の評価の終了後、ウレタンスポンジを用いて屋根
の試験部分を一様に水洗いを行い、その後、きれいな綿
タオルで水切りを行って、被った汚れの落ちた状態を空
試験部分と比較して肉眼評価する。最初の5単位の平均
的傾向で示す。(◎…ほとんどきれいに汚れが落ちる、
○…空試験部分より汚れが落ちやすい、△…空試験部分
と同等の汚れである、×…空試験部分より汚れている) (3)撥水性の持続効果 撥水性の持続について、水洗いを行った後、屋根部分に
シャワーした時の撥水性を肉眼で空試験部分と比較判定
し、撥水性がなくなるまでの期間を1週間を1単位とし
て評価する。
【0143】(4)防汚性の持続効果 防汚性の持続について、水洗いを行った後、撥水性のテ
ストを終えて水分を拭き取った後の汚染状況について、
肉眼で空試験部分とクリーナーワックスで汚れを除去し
た面とを比較判定し、明らかに汚染されるまでの期間を
1週間を1単位として評価する。
【0144】(5)光沢性の持続効果(耐候性) (4)と同様に、水洗いを行った後、撥水性のテストを
終えて水分を拭き取った後の光沢性の持続について、肉
眼で空試験部分とクリーナーワックスで汚れを除去した
面とを比較判定し、明らかに光沢のなくなるまでの期間
を1週間を1単位として評価する。
【0145】(6)汚染化皮膜の除去性 3ヶ月の試験を終了して、汚染化された皮膜が、一般の
クリーナーワックスで除去できるかどうかを調べる。
(◎…汚れが少なく、容易に汚れが除去できる、○…空
試験部分より汚れが除去されやすい、△…空試験部分と
同等の汚れ除去性である、×…空試験部分より汚れが除
去しにくい)
【表2】 表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜8
(エマルジョンA〜H)は、本発明の範囲のコロイダル
シリカコア−シリコーンシェル体を用いた例であり、本
発明の目的とする塗膜用保護撥水性組成物が得られてい
る。これに対し、比較例1(エマルジョンa)はコロイ
ダルシリカのコアの構成重量%が本発明の範囲を超える
例であり、皮膜の強度・弾性および密着性に劣り、その
結果、水洗い時にワックス皮膜が除去されやすいため、
評価を行った各特性に劣る。比較例2(エマルジョン
b)はポリオルガノシロキサンのシェルの構成重量%が
本発明の範囲を超え、コロイダルシリカのコアの構成重
量%が本発明の範囲に満たない例であり、また、比較例
3(エマルジョンc)はコロイダルシリカコアを含有し
ていない単純な乳化重合エマルジョンの例であり、それ
ぞれ塗布性、成膜性に劣り、油状の皮膜しか得られず、
評価を行った各特性に劣る。さらに、比較例4(エマル
ジョンd)は単純な乳化重合エマルジョンとコロイダル
シリカの混合物で、コアシェル体が形成されていない例
であり、皮膜強度と密着性に劣り、その結果、評価を行
った各特性に劣る。
【0146】次に、離型剤組成物としての実施形態につ
いて説明する。
【0147】[加硫ブラダーを用いたタイヤ成形](実
施例9〜13、比較例5〜8) ブチルゴムを主成分とする加硫ブラダー表面をアセトン
等で表面洗浄し、十分に乾燥させた。
【0148】次いで、エマルジョンA〜C、F〜Hおよ
びa〜d100部、50%ジブチルスズジラウレート水
性エマルジョン(ジブチルスズジラウレート50部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部および蒸留水
45部)0.25部、増粘剤HPC(ヒドロキシプロピ
ルセルロース)グレードM(日本曹達(株)製)10
部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2部
および3−アミノプロピルトリメトキシシラン2部から
なる組成の離型剤組成物を塗布し、気温25℃、相対湿
度70%の条件下に72時間放置して硬化被膜を形成さ
せた。そして、この加硫ブラダーをタイヤ加硫機に装着
し、乗用車用ラジアルタイヤを加硫して、ブラダーが故
障するまでの加硫回数を測定した。それらの結果を表3
に示す。
【0149】
【表3】 [鉄製金型を用いた各種有機樹脂の成形](実施例15
〜20、比較例9〜12) 実施例9〜13、比較例5〜8において、増粘剤を除く
以外は同一組成の離型剤組成物を調製し、333Kに保
持した射出成形用の鉄製金型にスプレー塗布して、離型
被膜を形成させた。
【0150】次に、この金型を射出成形機(東芝(株)
製、IS−80A)にセットし、これを用いて表4に示
す各種樹脂の射出成形を行った。
【0151】射出条件は、シリンダー温度553〜59
3K、金型温度333Kとした。
【0152】離型性の評価として、離型可能回数を測定
した。それらの評価結果を表4に併せて示す。なお、表
中の樹脂であるABSは日本合成ゴム(株)製、ABS
85、PPSはトープレン(株)製、トープレンT−4
(ポリフェニレンサルファイド系樹脂)、ナイロン6は
東レ(株)製、アミランCM1017、PBTはポリプ
ラスチック(株)製、ジュラネックスXD499(ポリ
ブチレンテレフタレート)、PCは出光石油化学(株)
製、A−2200(ポリカーボネイト)、PVCは東亜
合成化学(株)製、アロンTS700(ポリ塩化ビニ
ル)、MPPは三菱油化(株)製、MODIC P−1
0B(無水マレイン酸変性ポリプロピレン)、POMは
ポリプラスチック(株)製、ジュラコンM90(ポリオ
キシメチレン)、ポリアリレートはユニチカ(株)製、
Uポリマー U−8000であった。
【0153】
【表4】 [鉄製金型を用いた各種有機ゴムの加硫](実施例21
〜26、比較例13〜16) 実施例9〜13、比較例5〜8において増粘剤を除く以
外は同一組成の離型剤組成物を調製し、443Kに保持
したプレス用の鉄製金型にスプレー塗布して、離型被膜
を形成させた。
【0154】次に、この金型を用いて、表5に示す各種
有機ゴム組成物のプレス加硫を行った。プレス加硫は、
100−150kgf/cm2 、443K、20分の条件下で
加熱加圧することにより行った。
【0155】
【表5】 離型性の評価として、離型可能回数を測定した。それら
の評価結果を表6に示す。なお、表5中の有機ゴム組成
物であるエチレン−プロピレンゴムは、日本合成ゴム
(株)製、EP43、フッ素ゴムは日本合成ゴム(株)
製、アフラス150P、エチレン−アクリルゴムはデュ
ポン(株)製、VAMACB124、アクリルゴムは日
本合成ゴム(株)製、AR101、ニトリルゴムは日本
合成ゴム(株)製、N230S、シリカは日本シリカ
(株)製、ミップシールVN3、プロセスオイルは出光
興産(株)製、プロセスオイルPW−380、過酸化物
は化薬ヌーリー(株)製、パーカドックス14/40、
架橋助剤は化薬ヌーリー(株)製、トリアリルイソシア
ヌレート、加硫剤はデュポン(株)製、ダイアックN
o.1、加硫促進剤は大内新興化学興行(株)製、ノク
セラ−Dであった。
【0156】
【表6】 表3、4および6の結果から明らかな通り、実施例9〜
26(エマルジョンA〜C、F〜H)は、本発明の範囲
のコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を用いた
例であり、本発明の目的とする離型剤組成物が得られて
いる。これに対し、比較例5、9および13(エマルジ
ョンa)はコロイダルシリカのコアのシェルの構成重量
%が本発明の範囲に満たない例であり、離型性に劣る。
比較例6、10および14(エマルジョンb)はポリオ
ルガノシロキサンのシェルの構成重量%が本発明の範囲
を超え、コロイダルシリカのコアの構成重量%が本発明
の範囲に満たない例であり、また、比較例7、11およ
び15(エマルジョンc)はコロイダルシリカコアを含
有していない単純な乳化重合エマルジョンの例であり、
それぞれ離型性に劣る。さらに、比較例8、12および
16(エマルジョンd)は単純な乳化重合エマルジョン
とコロイダルシリカの混合物で、コアシェル体が形成さ
れていない例であり、離型性に劣る。
【0157】次に、建築物用保護撥水性組成物としての
実施形態について説明する。
【0158】[建築物用保護撥水性組成物の調製](実
施例27〜34および比較例17〜20) 上記のようにして得られたエマルジョンA〜Hおよびa
〜d50部に対して、エチレングリコール5部、乳化剤
としてニューレックスR(ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、日産化学(株)製)2部、溶剤としてIP
ソルベント1620(脂肪族99.8Vol %、出光石油
化学(株)製、沸点166〜208℃、アニリン点79
℃、比重0.762)10部、イオン交換水33部を配
合して建築物用保護撥水性組成物を調製した。
【0159】〔建築物用保護撥水性組成物の試験方法〕
15×15cmの大きさの白色タイル板を、サンドペーパ
ーで軽く擦って擦り傷を付けた。これにエアーガンを用
いて保護撥水性組成物を吹き付け、一日風乾して保護皮
膜を形成させ、試験片を作成した。そして、この試験片
および未処理の白色タイル板を1年間、屋外に暴露さ
せ、以下の項目について試験評価を行う。 (1)汚れの被り性:汚れの被り状況について、同時に
暴露した未処理の白色タイルと目視にて比較し、以下の
4段階で評価する。(◎…未処理の白色タイルより汚れ
の被りが少ない、○…未処理の白色タイルと同程度の汚
れである、△…未処理の白色タイルより汚れている、×
…著しく汚れていて見苦しい状態である) (2)撥水性の持続効果:撥水性の持続について、新た
に用意した未暴露の試験片と目視にて比較し、以下の4
段階で評価する。(◎…未暴露の試験片と同等の撥水性
である、○…未暴露の試験片よりも撥水性が若干劣る
が、十分な撥水である、△…未暴露の試験片よりも撥水
性が大きく劣るが、若干の撥水性はある、×…撥水性が
全くない) (3)汚れの除去されやすさ (2)の評価の終了後、ウレタンスポンジを用いて一様
に水洗いを行い、その後、きれいな綿タオルで水切りを
行って、被った汚れの落ちた態を未処理の白色タイルと
目視にて比較し、以下の4段階で評価する。(◎…ほと
んどきれいに汚れが落ちる、○…未処理の白色タイルよ
り汚れが落ちやすい、△…未処理の白色タイルと同等の
汚れである、×…未処理の白色タイルより汚れている) (4)防汚性の持続効果 (3)の試験後、汚染状況について、未暴露の試験片と
目視にて比較し、以下の4段階で評価する。(◎…全く
汚染されていない、○…汚染の程度が少ない、△…汚染
されている、×…著しく汚染されていて見苦しい状態で
ある) (5)光沢性の持続効果(耐候性) (4)と同様に(3)の試験後、光沢性の持続につい
て、未暴露の試験片と目視にて比較し、以下の4段階で
評価する。(◎…未暴露の試験片と同等の光沢性であ
る、○…未暴露の試験片よりも光沢性が若干の劣るが、
十分な光沢性である、△…未暴露の試験片よりも光沢性
が大きく劣るが、若干の光沢性はある、×…光沢性が全
くない) (6) 汚染化皮膜の除去性 一年間の試験を終了して、汚染化された皮膜が、一般の
洗浄剤で除去できるかどうかを調べる。(◎…汚れが少
なく、容易に汚れが除去できる、○…未処理の白色タイ
ルより汚れが除去されやすい、△…未処理の白色タイル
と同等の汚れ除去性である、×…未処理の白色タイルよ
り汚れが除去しにくい)
【表7】 表7に示した結果から明らかなように、実施例27〜3
4(エマルジョンA〜H)は、本発明の範囲のコロイダ
ルシリカコア−シリコーンシェル体を用いた例であり、
本発明の目的とする建築物用保護撥水性組成物が得られ
ている。これに対し、比較例17(エマルジョンa)は
コロイダルシリカのコアの構成重量%が本発明の範囲を
超える例であり、皮膜の強度・弾性および密着性に劣
り、その結果、評価を行った各特性に劣る。比較例18
(エマルジョンb)はポリオルガノシロキサンのシェル
の構成重量%が本発明の範囲を超え、コロイダルシリカ
のコアの構成重量%が本発明の範囲に満たない例であ
り、また、比較例19(エマルジョンc)はコロイダル
シリカコアを含有していない単純な乳化重合エマルジョ
ンの例であり、それぞれ塗布性、成膜性に劣り、油状の
皮膜しか得られず、評価を行った各特性に劣る。さら
に、比較例20(エマルジョンd)は単純な乳化重合エ
マルジョンとコロイダルシリカの混合物で、コアシェル
体が形成されていない例であり、皮膜強度と密着性に劣
り、その結果、評価を行った各特性に劣る。
【0160】次に、繊維処理剤としての実施形態につい
て説明する。
【0161】[繊維処理剤の調製](実施例35〜42
および比較例21〜24) エマルジョンA〜Hおよびa〜dが濃度5%となるよう
に水を加えて繊維処理剤を調製した。
【0162】[繊維処理剤の試験方法]実施例35〜4
2および比較例21〜24の繊維処理剤を次のようにし
て試験した。
【0163】(1)機械的安定性 i)ローラー処理 20cm×35cm×30cmのステンレス製の角バットに繊
維処理剤400mlを採取し、これに、上下に組んだ直径
6cmのゴム製ローラー2本(ニップ圧0.5kgf/cm2
を、下のローラーが繊維処理剤に0.5cmの深さで浸漬
するようにセットした。そして、20rpm の速度で8時
間ローラーを回転させ、繊維処理剤のローラー処理によ
る安定性を、分離した成分がゴムローラーに付着した状
態の観察から、以下に示す評価基準によって評価した。
(○…ポリマーの析出は全くなし、△…わずかにポリマ
ーが析出、×…多量のポリマーが析出) ii)ミキサー処理 繊維処理剤500mlを1000mlのデスカップに採取
し、ホモミキサー(特殊機化(株)製)を使用して、4
000rpm の速度で60分間撹拌した。そして、繊維処
理剤のミキサー処理による機械的安定性を、デスカップ
内の繊維処理剤の状態観察から、以下に示す評価基準に
よって評価した。(○…ポリマーの析出は全くなし、△
…わずかにポリマーが析出、×…多量のポリマーが析
出) iii )オイルスポット ミキサー処理後の繊維処理剤を、簡易型のヘアスプレー
を用いて、ベージュ色に染めたナイロンタフタにスプレ
ーした。室温で乾燥後、800℃で2分間加熱処理を行
って、処理布を得た。ついで、処理布のオイルスポット
の有無を肉眼により観察し、以下に示す評価基準によっ
て評価した。(○…オイルスポットは全くなし、△…オ
イルスポットがわずかにある、×…オイルスポットが多
量にある) (2)処理繊維の評価 繊維処理剤にポリエステル繊維タフタ(繊維A)、ナイ
ロンタフタ(繊維B)および綿ブロード(繊維C)を浸
漬した後、取り出して、余分な処理剤を除去し、80℃
で2分間乾燥することにより、繊維処理を行った。そし
て、これを室温で1日放置後、以下の試験頂目について
試験評価を実施した。
【0164】i)撥水性および防水性 処理繊維の表面に対して、スプレーによって水を噴霧し
た後の表面状態を観察し、次のように評価する。(◎…
表面に湿潤や水滴がない、○…表面が小さな個々の水滴
によって湿潤、△…表面の半分が湿潤し、小さな個々の
水滴が布を浸透、×…表面のみが全体的に湿潤、××…
表面および裏面が全体的に湿潤) ii)柔軟性 処理前の繊維と処理繊維について、柔軟性を感触により
比較し、次のように評価する。(◎…非常に良好、○…
良好、△…不十分、×…効果無し) iii )平滑性 処理前の繊維と処理繊維について、平滑性を感触により
比較し、以下のように評価する。(◎…非常に良好、○
…良好、△…不十分、×・・・効果無し) iv)反発弾性(防しわ性、圧縮回復性) 処理前の繊維と処理繊維について、反発弾性を感触によ
り比較し、以下のように評価する。(◎…非常に良好、
○…良好、△…不十分、×…効果無し) v)耐久性 水1000mlに対して、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム5gおよび炭酸ナトリウム2gの割合で添加し
た洗浴中に処理繊維を入れ、浴比100:1で家庭用電
気洗濯機を使用し、水温50℃で15分間洗濯した後、
上記i)〜iv)の試験評価を実施した。これらの結果を
表8に示す。
【0165】
【表8】 表8から明らかなように、実施例35〜42(エマルジ
ョンA〜H)は、本発明の範囲のコロイダルシリカコア
−シリコーンシェル体を用いた例であり、本発明の目的
とする繊維処理剤が得られている。これに対し、比較例
21(エマルジョンa)はコロイダルシリカのコアの構
成重量%が本発明の範囲を超える例であり、撥水性・防
水性、反発弾性(防しわ性、圧縮回復性)および耐久性
に劣る。比較例22(エマルジョンb)はポリオルガノ
シロキサンのシェルの構成重量%が本発明の範囲を超
え、コロイダルシリカのコアの構成重量%が本発明の範
囲に満たない例であり、また、比較例23(エマルジョ
ンc)はコロイダルシリカコアを含有していない単純な
乳化重合エマルジョンの例であり、それぞれ平滑性、反
発弾性(防しわ性、圧縮回復性)および耐久性に劣る。
さらに、比較例24(エマルジョンd)は単純な乳化重
合エマルジョンとコロイダルシリカの混合物で、コアシ
ェル体が形成されていない例であり、機械的安定性の
他、柔軟性、平滑性、反発弾性(防しわ性、圧縮回復
性)および耐久性に劣る。
【0166】
【発明の効果】本発明によれば、コロイダルシリカにポ
リオルガノシロキサンをシロキサン結合を介して結合さ
せて成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体を
塗膜用保護撥水性組成物に適用すると、自動車などの塗
膜に耐候性、密着性、耐水性、耐熱性に優れた皮膜を形
成し、耐汚染性や撥水性を長期間持続して、塗膜の美観
を自然汚染や劣化から保護することができる。
【0167】また、該コロイダルシリカコア−シリコー
ンシェル体を離型剤組成物に適用すると、成形用型に離
型性、耐熱性、耐久性に優れ、また柔軟性の高い被膜を
形成し、各種有機系樹脂やゴム製品と成形用型との間の
離型効果を長期にわたって持続することができる。した
がって、これら成形品の生産性を向上させることができ
ると共に、品質不良の発生を極力抑えることが可能であ
る。
【0168】また、該コロイダルシリカコア−シリコー
ンシェル体を建築物用保護撥水性組成物に適用すると、
建築物の壁面や屋根瓦などに耐候性、密着性、耐水性、
耐熱性に優れた皮膜を形成し、耐汚染性や撥水性を長期
間持続して、それらの外面の美観を長期間にわたって自
然汚染や劣化から保護することができる。
【0169】さらに、コロイダルシリカコア−シリコー
ンシェル体を繊維処理剤に適用すると、繊維素材に対し
て、非常に高い撥水性、防水性、柔軟性、平滑性、防し
わ性、圧縮回復性を付与することができる。しかも、こ
れらの効果は洗濯などによって容易に衰えることはな
い。さらにまた、撹拌や循環などに対する機械的安定
性、水による希釈に対する希釈安定性、および各種添加
剤との配合安定性にも優れ、繊維素材に対してオイルス
ポットを発生しないという特徴もあり、産業上極めて有
用である。
【0170】
フロントページの続き Fターム(参考) 4H020 BA32 4J035 AA01 BA01 CA01N EB10 GA01 GB08 GB10 LA08 LB01 LB07 LB08 LB09 4J038 EA011 HA446 JA17 KA15 MA08 NA05 NA07 NA10 PB05 PB07 PC02 PC04 PC06 PC10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)コロイダルシリカのコア80〜5
    重量%と、 (b)平均組成式R1 SiO(4-a)/2 ……(I) (式中、R1 は水素原子または、置換あるいは非置換の
    1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20の数で表さ
    れるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量%
    とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル体
    を主成分として含有することを特徴とする塗膜用保護撥
    水性組成物。
  2. 【請求項2】 ブロッキング剤および/または研磨剤を
    さらに含有することを特徴とする請求項1記載の塗膜用
    保護撥水性組成物。
  3. 【請求項3】 (a)コロイダルシリカのコア80〜5
    重量%と、 (b)平均組成式 R1 a SiO(4-a)/2 ……(I) (式中、R1 は水素原子または、置換あるいは非置換の
    1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20の数)で表
    されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量
    %とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル
    体を主成分として含有することを特徴とする離型剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 有機酸金属塩および/または有機官能基
    含有シラン化合物をさらに含有することを特徴とする請
    求項3記載の離型剤組成物。
  5. 【請求項5】 (a)コロイダルシリカのコア80〜5
    重量%と、 (b)平均組成式R1 SiO(4-a) /2……(I) (式中、R1 は水素原子または、置換あるいは非置換の
    1価の炭化水索基、aは1.80〜2.20の数)で表
    されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量
    %とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル
    体を主成分として含有することを特徴とする建築物用保
    護撥水性組成物。
  6. 【請求項6】 アルコール類をさらに含有することを特
    徴とする請求項5記載の建築物用保護撥水性組成物。
  7. 【請求項7】 (a)コロイダルシリカのコア80〜5
    重量%と、 (b)平均組成式R1 a SiO(4-a)/2 ……(I) (式中、R1 は水素原子または、置換あるいは非置換の
    1価の炭化水素基、aは1.80〜2.20の数)で表
    されるポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量
    %とから成るコロイダルシリカコア−シリコーンシェル
    体5重量%と、水95重量%とを含有することを特徴と
    する繊維処理剤。
JP37132498A 1998-12-25 1998-12-25 自動車塗膜用保護撥水性組成物 Expired - Fee Related JP4554000B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37132498A JP4554000B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 自動車塗膜用保護撥水性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37132498A JP4554000B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 自動車塗膜用保護撥水性組成物

Related Child Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007159936A Division JP2007261281A (ja) 2007-06-18 2007-06-18 離型剤組成物
JP2007159937A Division JP2007308711A (ja) 2007-06-18 2007-06-18 建築物用保護撥水性組成物
JP2007159938A Division JP4536752B2 (ja) 2007-06-18 2007-06-18 繊維処理剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000191786A true JP2000191786A (ja) 2000-07-11
JP4554000B2 JP4554000B2 (ja) 2010-09-29

Family

ID=18498513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37132498A Expired - Fee Related JP4554000B2 (ja) 1998-12-25 1998-12-25 自動車塗膜用保護撥水性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4554000B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1475426A1 (de) * 2003-04-24 2004-11-10 Goldschmidt AG Verfahren zur Herstellung von ablösbaren schmutz- und wasserabweisenden flächigen Beschichtungen
JP2007526834A (ja) * 2003-06-13 2007-09-20 ライプニッツ−インスティトゥート フィア ノイエ マテリアーリエン ゲマインニュッツィゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクタ ハフトゥンク 抗接着高温層
WO2009017675A2 (en) * 2007-07-26 2009-02-05 Henkel Corporation Mold release agents employing polyvinyl alcohol
WO2009069183A1 (ja) * 2007-11-30 2009-06-04 Kazufumi Ogawa 調湿材料
US7705086B2 (en) 2002-10-04 2010-04-27 Henkel Corporation Room temperature curable water-based mold release agent for composite materials
WO2010150861A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリシロキサン縮合反応物
JP2011026570A (ja) * 2009-06-24 2011-02-10 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリシロキサン縮合反応物
JP2011100858A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Asahi Kasei E-Materials Corp 絶縁膜の形成方法
US8034173B2 (en) 2003-12-18 2011-10-11 Evonik Degussa Gmbh Processing compositions and method of forming the same
JP2015110715A (ja) * 2013-11-11 2015-06-18 勇 畠 コンクリート用コーティング剤
EP1441887B1 (de) * 2001-10-29 2018-05-16 Momentive Performance Materials GmbH Antiadhäsiv beschichtete formwerkzeuge
CN109761643A (zh) * 2019-03-22 2019-05-17 济南大学 一种超轻泡沫混凝土防水涂层的制备方法及所得超低吸水率超轻泡沫混凝土
CN111117485A (zh) * 2020-02-19 2020-05-08 广州赫厉狮森汽车用品有限公司 一种汽车漆面镀晶液及其制备方法

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1441887B1 (de) * 2001-10-29 2018-05-16 Momentive Performance Materials GmbH Antiadhäsiv beschichtete formwerkzeuge
US7705086B2 (en) 2002-10-04 2010-04-27 Henkel Corporation Room temperature curable water-based mold release agent for composite materials
US7531598B2 (en) 2003-04-24 2009-05-12 Goldschmidt Gmbh Process for producing detachable dirt- and water-repellent surface coatings
US7083828B2 (en) * 2003-04-24 2006-08-01 Goldschmidt Gmbh Process for producing detachable dirt- and water-repellent surface coatings
EP1475426A1 (de) * 2003-04-24 2004-11-10 Goldschmidt AG Verfahren zur Herstellung von ablösbaren schmutz- und wasserabweisenden flächigen Beschichtungen
US7858195B2 (en) 2003-06-13 2010-12-28 Leibniz-Institut Fuer Neue Materialien Gemeinnuetzige Gmbh Antiadhesive high temperature layers
JP2007526834A (ja) * 2003-06-13 2007-09-20 ライプニッツ−インスティトゥート フィア ノイエ マテリアーリエン ゲマインニュッツィゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクタ ハフトゥンク 抗接着高温層
KR101083951B1 (ko) * 2003-06-13 2011-11-16 라이브니츠-인스티투트 퓌어 노이에 마테리알리엔 게마인누찌게 게엠베하 고온의 접착 방지층
JP4646906B2 (ja) * 2003-06-13 2011-03-09 ライプニッツ−インスティトゥート フィア ノイエ マテリアーリエン ゲマインニュッツィゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクタ ハフトゥンク 抗接着高温層
US8034173B2 (en) 2003-12-18 2011-10-11 Evonik Degussa Gmbh Processing compositions and method of forming the same
WO2009017675A3 (en) * 2007-07-26 2009-03-26 Henkel Corp Mold release agents employing polyvinyl alcohol
WO2009017675A2 (en) * 2007-07-26 2009-02-05 Henkel Corporation Mold release agents employing polyvinyl alcohol
US7851535B2 (en) 2007-07-26 2010-12-14 Henkel Corporation Mold release agents employing polyvinyl alcohol
WO2009069183A1 (ja) * 2007-11-30 2009-06-04 Kazufumi Ogawa 調湿材料
JPWO2009069183A1 (ja) * 2007-11-30 2011-04-07 小川 一文 調湿材料
JP4746704B2 (ja) * 2009-06-24 2011-08-10 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリシロキサン縮合反応物
JP2011026570A (ja) * 2009-06-24 2011-02-10 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリシロキサン縮合反応物
US8906153B2 (en) 2009-06-24 2014-12-09 Asahi Kasei E-Materials Corporation Product of polysiloxane condensation
WO2010150861A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリシロキサン縮合反応物
JP2011100858A (ja) * 2009-11-06 2011-05-19 Asahi Kasei E-Materials Corp 絶縁膜の形成方法
JP2015110715A (ja) * 2013-11-11 2015-06-18 勇 畠 コンクリート用コーティング剤
CN109761643A (zh) * 2019-03-22 2019-05-17 济南大学 一种超轻泡沫混凝土防水涂层的制备方法及所得超低吸水率超轻泡沫混凝土
CN109761643B (zh) * 2019-03-22 2021-03-30 济南大学 一种超轻泡沫混凝土防水涂层的制备方法及所得超低吸水率超轻泡沫混凝土
CN111117485A (zh) * 2020-02-19 2020-05-08 广州赫厉狮森汽车用品有限公司 一种汽车漆面镀晶液及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4554000B2 (ja) 2010-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000191786A (ja) コロイダルシリカコア―シリコ―ンシェル体を含有する塗膜用保護撥水性組成物、離型剤組成物、建築物用保護撥水性組成物および繊維処理剤
JP2007524732A (ja) シリコーン樹脂を用いた耐久性疎水性表面塗料
CN101400736B (zh) 防污加聚聚硅氧烷油漆及其用于支撑物的用途以及此法处理过的支撑物
US20160129541A1 (en) Methods for polishing inorganic substrates
JP6975375B2 (ja) コーティング剤組成物
JP4111693B2 (ja) 光触媒性酸化物含有コーティング用エマルジョン組成物
JPH1036675A (ja) シリコーンエマルジョン組成物およびそれを用いたシリコーン粉体の製造方法
JP6711111B2 (ja) 皮膜形成性シリコーンエマルション組成物
CN1275650A (zh) 提供防水性擦布的处理剂及提供防水性的擦布
JP2018203819A (ja) 塗装表面用水系組成物
EP1186641B1 (en) Water base coating material composition and production process
JP2012214588A (ja) 撥水撥油性樹脂組成物及び塗装品
KR102395402B1 (ko) 경화성 조성물
JP3104545B2 (ja) オルガノポリシロキサン組成物及びゴム部品
JP2011132486A (ja) コーティング組成物及び塗装品
JP2009540054A (ja) 乗り物表面処理用製品
JP2006124660A (ja) 水性樹脂組成物
EP0643106B1 (en) Organopolysiloxane compositions, their preparation and use, rubber articles coated with them
JP2005097527A (ja) 表面処理剤、表面処理方法及び該方法により処理された物品
JP4280714B2 (ja) 防汚用シリコーンワニス、前記ワニスの基材への塗布方法及びこうして処理された基材
JPH08259818A (ja) オルガノポリシロキサン組成物及びゴム部品
JP4536752B2 (ja) 繊維処理剤
JP2007308711A (ja) 建築物用保護撥水性組成物
JP4608239B2 (ja) 塗膜面の表面処理方法及び該方法により処理された物品
JPH036284A (ja) 自動車塗装面の汚れ防止剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070618

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071029

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080107

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080711

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100714

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees