JP2000191487A - マトリクスメタロプロテア―ゼ阻害用口腔剤組成物及び飲食品組成物 - Google Patents

マトリクスメタロプロテア―ゼ阻害用口腔剤組成物及び飲食品組成物

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JP2000191487A
JP2000191487A JP10377577A JP37757798A JP2000191487A JP 2000191487 A JP2000191487 A JP 2000191487A JP 10377577 A JP10377577 A JP 10377577A JP 37757798 A JP37757798 A JP 37757798A JP 2000191487 A JP2000191487 A JP 2000191487A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なマトリックスメタロプロテアーゼ阻害
剤を含有するしてなる、安全で歯周病の予防、治療に有
効である口腔用または飲食品組成物を提供する。 【解決手段】 ブドウ種子エキスを有効成分として含有
するマトリックスメタロプロテアーゼの活性阻害、およ
びマトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害を目的と
し、歯周病の予防、治療に用いる口腔剤組成物あるいは
飲食品組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なマトリック
スメタロプロテアーゼ阻害剤を含有する口腔剤または飲
食品組成物に関する。さらに詳しくは、マトリックスメ
タロプロテアーゼの活性阻害または細胞における該酵素
の産生阻害効果を有するマトリックスメタロプロテアー
ゼ阻害剤を含有してなる、安全で歯周病の予防、治療に
有効である口腔剤または飲食品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】マトリックスメタロプロテアーゼ(MM
P)は、細胞外マトリックスを分解する金属酵素の総称
である。細胞外マトリックスは、哺乳動物の組織におい
て細胞間のすきまを埋めている生体高分子であり、コラ
ーゲンやプロテオグリカン、エラスチンなどを成分とす
る。この細胞外マトリックスの代謝は、マトリックスメ
タロプロテアーゼと、マトリックスメタロプロテアーゼ
に特異的な組織由来メタロプロテアーゼインヒビター
(TIMP)とのバランスにより、主に調節されてい
る。細胞外マトリックス成分の構造異常や、合成・分解
の代謝バランスの崩れは、変形性関節症や慢性関節リウ
マチ等の関節疾患や癌の浸潤・転移と関連し、歯周病に
おいても、病態の進行と種々のマトリックスメタロプロ
テアーゼ活性の上昇は関連していることが知られてい
る。
【0003】マトリックスメタロプロテアーゼとして
は、コラゲナーゼ(MMP−1および8)、ストロメラ
イシン(MMP−3)、ゼラチナーゼ(MMP−2およ
び9)など10種類以上の酵素分子種が知られ(吉原, 新
名:炎症と免疫,2,177−185,1994)、こ
れらは多種の細胞によって産生される。コラゲナーゼは
通常上皮系の細胞からは産生されないが、歯周組織にお
いては付着上皮及びポケット上皮周辺においてしばしば
発現が認められている(M.Kylmaniemi et al: J.Dent
Res.,75:919-926,1996)。また、基底膜の構成成
分であるタイプIVコラーゲンを分解するゼラチナーゼ
は、歯周病原因菌由来のリポ多糖等の因子の刺激により
上皮細胞から産生されることが報告されており、これら
の事から、マトリックスメタロプロテアーゼは、歯周病
の進行と深く関っていると考えられる。
【0004】さらに、歯周病患者の口腔洗浄液、歯肉溝
滲出液および唾液中のマトリックスメタロプロテアーゼ
量は、患者の病態を反映し、治療行為によりマトリック
スメタロプロテアーゼ量が減少することが報告されてい
る(M..Makela et al:J.Dent Res.,73:1397−140
6,1994)。また、マトリックスメタロプロテアーゼとT
IMPの量を健常者と比較した場合、歯肉炎患者におい
てかなり高く、歯周炎患者はさらに高かったことが報告
されている(A.Haerian et al:J.Clin Periodonto
l.,22:505-509,1995)。従って、マトリックスメタ
ロプロテアーゼ活性および産生の阻害剤は、局所の炎症
の増悪による歯周疾患の進行の予防及び治癒の促進に有
用であると考えられる。
【0005】これまでに、テトラサイクリン及びこの修
飾体が、線維芽細胞と上皮細胞のマトリックスメタロプ
ロテアーゼ活性を阻害することが報告されている(L.
H.Nip et al:J.Periodont Res.,28:379-385,199
3)。また、マトリックスメタロプロテアーゼに対する
阻害剤として、多数のヒドロキサム酸誘導体(特表平7
−505387号公報、特開平08−81443号公
報)、エスクレチン誘導体(特開平08−183785
号公報)等が合成され、天然物を由来とするフラボン類
またはアントシアニジン類を有効成分とするものも報告
されている(特開平08−104628号公報)。細胞
からのマトリックスメタロプロテアーゼ産生に対する阻
害剤としては、グルココルチコイド類の1種であるデキ
サメタゾンが合成されている(M.Kylmaniemi:J.Den
t.Res.,75:919-926,1996)。マトリックスメタロ
プロテアーゼの1種であるコラゲナーゼに対する天然物
由来の阻害剤として、荊芥エキスまたは薄荷エキスを有
効成分とする阻害剤(特開平06−183990号公
報)、ノルジヒドログアヤレテックアシッドを有効成分
とする阻害剤(特開平04−217626号公報)さら
にポリポレニックアシッドCを有効成分とする阻害剤
(特開平09−40552号公報)が報告されている。
また,ホウフクロウタケより分離精製した,四環式トリ
テルペン20-carboxy-16-hydroxy-21-nor-5 α-7, 9(1
1)-lanostadien-3,24-dioneがコラゲナーゼ阻害作用を
有すること(特開平9−235293号公報)について
も報告されている。しかし,細胞のマトリックスメタロ
プロテアーゼ産生に対する天然物由来の阻害剤では報告
がない。ブドウ種子エキスは、血管保護作用( B.Vennat
et al:Chem.Pharm.Bull.,36:828,1988 )や、毛細血管
抵抗性改善効果( J.Y.Dartenuc et al:Bordeaux Medica
l,92,1985 )、視力改善作用( Ch.Corbe et al:Ophtalmo
l,11:453,1988 )等の薬理作用が報告されている。ま
た、フリーラジカルや活性酸素を除去作用( T.Arigaet
al:Agric.Biol.Chem.,54:2499,1990 )、低密度リポタン
パク質の酸化防止作用( P.L.Tessedre et al:J.Sci.Foo
d Agric.,70:55,1996 )や、一部の菌由来コラゲナーゼ
に対して阻害作用( L.Robert et al:Path.Biol,38:608,
1990 )を示すことが報告されている。
【0006】現在、米国では、歯肉の抗炎症、治療の補
助を目的として、ブトウ種子エキスと親油性抗酸化剤で
あるユビデカレノン等を配合した、商品名Body L
anguage( Oxyfresh社、米国 )から販売
されている。しかし、ブドウ種子エキスが、マトリック
スメタロプロテアーゼの活性、あるいはその産生阻害に
対する活性を有することは、新たな知見である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マト
リックスメタロプロテアーゼ活性およびマトリックスメ
タロプロテアーゼ産生に対する阻害剤を含有し、歯周病
の予防や治療効果に優れ、かつ安全性の高い口腔剤組成
物または飲食品組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ブドウ種子
エキスがマトリックスメタロプロテアーゼの活性および
細胞におけるその産生に対して阻害効果を有することを
見出し、さらに、これを配合した口腔剤組成物または飲
食品組成物が歯周病の予防、治療を助成することを見い
出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、ブドウ種子エキスを有効成分として含有するマトリ
ックスメタロプロテアーゼの活性阻害、およびマトリッ
クスメタロプロテアーゼ産生阻害を目的とした口腔用組
成物あるいは飲食品組成物を提供し、またそれを歯周病
の予防、治療に用いるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明におけるマトリックスメタ
ロプロテアーゼ阻害とは、該酵素の活性阻害および細胞
におけるマトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害の効
果のいずれか一方またはその両方を有する。細胞におけ
るマトリックスメタロプロテアーゼの活性阻害効果と
は、歯周病等に罹患した歯周組織細胞が産生したマトリ
ックスメタロプロテアーゼが、組織間の細胞外マトリッ
クスを分解し、組織の破壊を増悪させるのを阻害するこ
とである。一方、マトリックスメタロプロテアーゼの産
生阻害効果とは、歯周病等に罹患した歯周組織細胞がマ
トリックスメタロプロテアーゼを産生するのを阻害し、
組織中でのマトリックスメタロプロテーゼが蓄積するこ
とを抑制することにより、組織破壊の開始および増悪を
防ぐことである。
【0010】本発明に用いるブドウ種子エキスは、本発
明の所期の効果を得られるものであれば、特に限定せず
に使用することができる。例えば、ヨーロッパブドウ(
Vitis vinifera)の種子を原料とし、これまでに特公平
06−31208号公報、特開昭63−162685号
公報、特開平03−200781号公報、特開平02−
48593号公報、特開平03−9909号公報等に記
載されている何れの方法によっても得ることができるプ
ロアントシアニジンおよびアントシアノイド類を含んだ
エキスである。
【0011】ブドウ種子エキスを抽出する抽出溶媒とし
ては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチルエステ
ル等の低級アルキルエステル;ベンゼン、ヘキサン等の
炭化水素;その他エチルエーテル、アセトン、酢酸等の
公知の溶媒を挙げることができる。これら溶媒は、単独
で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用すること
もでき、通常用いられているような公知の抽出方法を採
用することができる。本発明のブドウ種子エキスは、抽
出液をそのまま用いてもよく、減圧乾燥、凍結乾燥等の
通常の手段により濃縮、あるいは乾固して用いてもよ
い。また、抽出液を向流分配法、液体クロマトグラフィ
ー等を用いて精製して使用することもできる。本発明に
用いるブドウ種子エキスは、キッコーマン株式会社(商
品名KPA、Gravinol)、インディナ社(商品
名;ロイコセレクト)から商業的に入手できる。
【0012】本発明に用いるブドウ種子エキスの配合量
は、所望の効果が得られるものであれば特に限定される
ものではないが、本発明組成物全量に対してエキス乾燥
重量として、0.005〜75重量%、特に10〜50
重量%配合することが好ましい。
【0013】本発明の口腔剤組成物としては、歯磨、洗
口液、口腔用パスタ、口腔用ゲルなどの形態があげら
れ、それらに配合量は、エキス乾燥重量として、0.0
01〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%配合で
ある。0.001重量%に満たなければ顕著な効果があ
げられず、5重量%を超えると組成物の味などに不都合
を生じる。
【0014】本発明の飲食品組成物として、トローチ、
タブレット、カプセル、キャンディー、チューインガム
等の固形の形態乃至剤型である場合は、ブドウ種子エキ
スの配合量は抽出物乾燥重量として、0.01〜40重
量%である。また、ジュース等の液体の形態乃至剤型と
する場合には、ブドウ種子エキスの抽出物乾燥重量とし
て0.005〜0.5重量%配合するのが好ましい。
0.005重量%に満たなければ顕著な効果があげられ
ず、40重量%を超えると組成物の味などに不都合を生
じる。
【0015】本発明のマトリックスメタロプロテアーゼ
を阻害する口腔剤組成物および飲食品組成物は、歯周
炎、歯肉炎、歯根膜炎、智歯周囲炎、インプラント周囲
炎等の歯周病の予防、治療に有効である。
【0016】本発明の組成物にあっては、それぞれの形
態に応じて、上記した成分以外に、例えば、pH調整剤
としては、乳酸、パントテン酸、リン酸塩、リンゴ酸、
クエン酸など。植物エキスとしては、油溶性甘草エキ
ス、桑白皮エキス、茶エキス、ブルーベリーエキス、ロ
ーズマリーエキス、シラカバエキス、柿エキス、コンフ
リーエキス等。賦形剤としては、炭酸カルシウム、無水
ケイ酸、炭酸マグネシウム、ショ糖、乳糖、デンプン、
ブドウ糖、結晶性セルロース、マンニット、ソルビッ
ト、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、パ
ラチノース、マルチトール、トレハロース、ラクチトー
ル、還元澱粉糖、還元イソマルトオリゴ糖、カップリン
グシュガー、ガムベース、アラビアガム、ゼラチン、セ
チルメチルセルロース、軽質無水珪酸、アルミン酸マグ
ネシウム、メタ珪酸アルミン酸カルシウム、炭酸水素ナ
トリウム、リン酸カルシウムなど。可溶化剤として、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム、アルコール、エステル類、ポリエチレングリコ
ール誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂
肪アルコール類等。粘結剤として、セルロース誘導体、
カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、キサンタン
ガム等。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、
タルク、硬化油等。懸濁剤又は湿潤剤としては、ココナ
ッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、パセリ油、パ
セリ種子オイル、乳酸カルシウム、紅花油、大豆リン脂
質、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコー
ル、エチレングリコール等。被膜形成物質としては、例
えば、酢酸フタル酸セルロース等の炭水化物誘導体、ア
クリル酸メチル、メタアクリル酸メチル等のアクリル酸
系共重合体、メタアクリル酸系共重合体等、矯味剤又は
矯臭剤として、サッカリンナトリウム、アスパルテー
ム、ステビアエキス、グラニュー糖、粉糖、水飴等の甘
味料、オレンジ油、水溶性カンゾウエキス、メントー
ル、ユーカリ油、香料、着色料、保存剤などの成分が適
宜配合できる。
【0017】
【実施例】以下に試験例および実施例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は下記の試験例および
実施例に制限されるものではない。
【0018】歯周組織の破壊に関与する生体由来MMP
(コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ)に対する、ブドウ種子
エキスによる阻害効果を検討した。 1.試験例1:マトリックスメタロプロテアーゼに対す
る阻害活性の測定 (1)材料 1−1.被験物質:ブドウ種子エキス 1−2.陽性対照:テトラサイクリン 1−3.陰性対照:イチョウエキス 1−4.コラゲナーゼ:コラゲナーゼとしては、以下の
2種類のコラゲナーゼを用いた。 (i)ヒト歯肉線維芽細胞(以降「HGF細胞」と略す)
由来のコラゲナーゼとしては、HGF細胞を用いて無血
清のダルベッコ変法MEM培地中に産生させたヒトプロ
コラゲナーゼを、CMセファロース(ファルマシア社
製)及び亜鉛キレーティングセファロース(ファルマシ
ア社製)を用いて精製して緩衝液に溶解後、活性化した
ものを用いた。活性化は、活性化剤としてアミノフェニ
ル酢酸水銀(シグマ社製)を用い、37℃にて4時間イ
ンキュベートすることにより行った。 (ii)ヒト歯肉上皮細胞(以降「HGK細胞」と略す)由
来のコラゲナーゼとしては、HGK細胞を用いて無血清
の上皮用培地中に産生させたヒトプロコラゲナーゼを、
CMセファロース(ファルマシア社製)及び亜鉛キレー
ティングセファロース(ファルマシア社製)を用いて精
製して緩衝液に溶解後、上記と同様にして活性化したも
のを用いた。 1−5.ゼラチナーゼ:ゼラチナーゼとしては、HGF
細胞由来のゼラチナーゼ及びHGK細胞由来のゼラチナ
ーゼを用いた。HGF細胞由来のゼラチナーゼとして
は、HGF細胞を用いて無血清のダルベッコ変法MEM
培地中で産生させたヒトプロゼラチナーゼ。HGK細胞
由来のゼラチナーゼとしては、HGK細胞を用いて上皮
用培地で産生させたヒトプロゼラチナーゼ。各々ゼラチ
ンセファロース4B(ファルマシア社製)を用いて精製
後、コラゲナーゼと同様の方法により活性化したものを
用いた。
【0019】(2)方法 2−1.コラゲナーゼに対する阻害効果の測定 コラゲナーゼに対するブドウ種子エキスの阻害効果の測
定は、フルオレッセインイソチオシアネートで標識され
たI型コラーゲン(ヤガイ社製)を基質とした永井らの
方法(Japanese Journal of In
flamation,4巻,123頁,1984年参
照)に準じてコラゲナーゼ活性を測定して行った。即
ち、40μlの活性化済みヒトコラゲナーゼ(2U/m
l)と、50μgの基質、40μlのアッセイバッファ
ーに溶解した被験物質とを混合し、37℃で4時間反応
させた。コントロール(被験物質未添加)のコラゲナー
ゼ活性を100%とし、被験物質添加時のコラゲナーゼ
活性の減少度合から、50%阻害するのに必要な試験薬
量を示すIC50値を求めた。また、コラゲナーゼ活性
に対する阻害効果が報告されているテトラサイクリンを
陽性対照とし、被験物質との比較を行った。
【0020】2−2.ゼラチナーゼに対する阻害効果の
測定 ゼラチナーゼに対するブドウ種子エキスの阻害効果の測
定は、フルオレッセインイソチオシアネートで標識され
たIV型コラーゲン(ヤガイ社製)を基質とし、上記の
コラゲナーゼに対する阻害活性の測定(2−1)と同様
の方法で行った。但し、反応温度は42℃とした。テト
ラサイクリンについても同様の方法で測定を行った。H
GK細胞由来コラゲナーゼ及びゼラチナーゼ、並びに、
HGF細胞由来コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する
酵素阻害活性の測定結果を表1に示す。次に、ヒト歯肉
線維芽細胞及びヒト歯肉上皮細胞のコラゲナーゼ産生に
対する阻害効果を検討した。
【0021】試験例2:マトリックスメタロプロテアー
ゼ産生に対する阻害活性の測定 材料 試験例1と同じものを用いた。但し、ブドウ種子エキ
ス、イチョウエキスの使用量は100μg/mlであっ
た。 (2)細胞のコラゲナーゼ産生に対する阻害効果の測定
方法 96穴の組織培養用プレートに、HGF細胞及びHGK
細胞をそれぞれ10,000個/well播種し、37
℃で1日インキュベート後、HGF細胞を被験物質及び
1%牛胎児血清を含むダルベッコ変法MEM培地(DM
EM)に、HGK細胞を被験物質及び1%牛胎児血清を
含む上皮用培地にそれぞれ希釈して、得られた培地で2
日間インキュベートした。さらに、培地を、被験物質を
含まない、1%牛胎児血清のみを含むDMEMまたは無
血清上皮用培地に換えて2日間インキュベートし、培地
中に遊離してくるコラゲナーゼの量を試験例1の2−1
で記載した永井らの方法を用いて測定した。また、コン
トロール(被験物質未添加)の培地上清のコラゲナーゼ
活性を100%とし、各種被験物質添加時のコラゲナー
ゼ活性の相対的割合を求めた。表2に、HGF細胞及び
HGK細胞のMMP産生に対する阻害活性の測定結果を
表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】コラゲナーゼ阻害剤として知られているテ
トラサイクリンと比較して、本発明に係るブドウ種子エ
キスはそれ以上のマトリックスメタロプロテアーゼ阻害
活性を有することが確認された。
【0024】
【表2】
【0025】本発明に係るブドウ種子エキスは細胞のマ
トリックスメタロプロテアーゼ産生に対する強い阻害活
性を有することが確認された。テトラサイクリンではマ
トリックスメタロプロテアーゼ産生阻害活性は全く認め
られなかった。
【0026】さらに、特に説明する以外、常法により、
以下に示す口腔剤組成物及び飲食品組成物を製造した。 実施例2 練歯磨 成分 重量部 第2リン酸カルシウム 28.00 グリセリン 15.00 ソルビトール 15.00 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.80 ラウリル硫酸ナトリウム 1.00 カラギーナン 0.45 サッカリンナトリウム 0.15 香味料 1.00 安息香酸ナトリウム 0.10 ブドウ種子エキス(エタノール抽出) 0.10 精製水 残部 合計 100.00
【0027】 実施例3 洗口液 成分 重量部 エタノール 5.00 グリセリン 7.00 クエン酸 0.02 クエン酸ナトリウム 0.50 ポリオキシエチレン(60EO)硬化ヒマシ油 0.40 パラオキシ安息香酸メチル 0.50 香料 0.20 ブドウ種子エキス(エタノール抽出) 0.01 精製水 残部 合計 100.00
【0028】 実施例4 口腔用パスタ 成分 重量部 流動パラフィン 18.00 セタノール 12.00 グリセリン 23.00 ソルビタンモノパルミテート 0.80 ポリオキシエチレン(20EO) ソルビタンモノステアレート 4.00 ラウリル硫酸ナトリウム 0.10 塩化ベンゼトニウム 0.10 サリチル酸メチル 0.10 サッカリンナトリウム 0.20 香料 0.30 ブドウ種子エキス(温水抽出) 0.20 精製水 残部 合計 100.0
【0029】 実施例5 口腔用ゲル 成分 重量部 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.10 グリセリン 50.00 ブドウ種子エキス(含水エタノール抽出) 1.50 精製水 残部 合計 100.0
【0030】 実施例6 チューインガム 成分 重量部 炭酸カルシウム 7.00 ブドウ種子エキス(乾燥物) 4.00 キシリトール 58.00 マルチトール 8.00 香料 1.00 ガムベース 残部 合計 100.00
【0031】 実施例7 ゼリー飲料 成分 重量部 ブドウ種子エキス(エタノール抽出) 2.00 ローズマリーエキス 0.50 ジェランガム 1.00 パインファイバー 4.00 クエン酸 0.50 キシリトール 20.00 香料 0.20 果汁 15.00 精製水 残部 合計 100.00
【0032】 実施例8 タブレット食品 成分 重量部 ブドウ種子エキス(乾燥物) 15.00 ローズマリーエキス 1.00 ブルーベリーエキス 2.00 ポリデキストース 6.00 シュガーエステル 2.50 香料 1.00 シェラック 0.10 マルチトール 残部 合計 100.00
【0033】実施例9 糖衣錠 錠剤部200重量部を糖衣部100重量部で糖衣した。 (錠剤部) 成分 重量部 シマリン 4.00 シュガーエステル 1.00 グアーガム 0.20 アスパルテーム 0.01 香料 1.00 パラチノース 残部 合計 100.00 (糖衣部) 成分 重量部 ブドウ種子エキス(乾燥物) 0.25 リン酸3カルシウム 0.80 アスパルテーム 0.02 アラビアガム 1.00 香料 0.50 カルナウバワックス 0.10 シェラック 0.10 マルチトール 残部 合計 100.00
【0034】 実施例10 キャンディ 成分 重量部 ブドウ種子エキス(エタノール抽出) 1.00 桑白皮エキス 1.00 キシリトール 8.00 マルチトール 10.00 アスパルテーム 0.10 香料 0.20 パラチニット 残部 合計 100.00
【0035】実施例2〜10においても、それぞれマト
リックスメタロプロテアーゼ阻害効果、すなわちマトリ
ックスメタロプロテアーゼの活性および細胞のマトリッ
クスメタロプロテアーゼ産生に対して優れた阻害効果が
認められた。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、ブドウ種子エキスを有
効成分としてマトリックスメタロプロテアーゼを阻害す
る口腔剤または飲食品組成物を提供することができる。
さらに詳しくは、本発明では、マトリックスメタロプロ
テアーゼの活性および細胞のマトリックスメタロプロテ
アーゼ産生に対して優れた阻害効果を有する口腔剤また
は飲食品組成物であって、これを適用するで歯周病の発
症、歯周病の増悪による歯周組織の破壊に対する阻害活
性が期待できることから、歯周病の予防および治療に有
用であり、また、使用上の安全性も極めて高いものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/02 A61K 31/00 601B A61K 35/78 35/78 C Fターム(参考) 4B014 GB06 GB07 GB08 GB13 GG18 GK12 GP27 4B018 LB01 LB03 LE03 LE05 MD48 ME09 MF01 4B041 LC01 LC10 LD01 LK21 LP05 4C083 AA072 AA111 AA112 AB292 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC132 AC302 AC312 AC432 AC442 AC472 AC482 AC692 AC782 AC862 AD222 AD242 AD272 AD352 AD392 CC41 DD15 DD22 DD23 DD41 EE33 EE50 4C088 AB56 AC04 BA08 CA03 MA01 MA11 MA52 MA57 NA14 ZC20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブドウ種子エキスを含有してなるマトリ
    ックスメタロプロテアーゼ阻害用口腔剤組成物。
  2. 【請求項2】 ブドウ種子エキスを含有してなるマトリ
    ックスメタロプロテアーゼ阻害用飲食品組成物。
  3. 【請求項3】 歯周病予防あるいは治療に用いることを
    特徴とする請求項1、請求項2の何れか1項に記載の組
    成物。
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