JP2000188243A - コンデンサ - Google Patents
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Abstract
した、容量の大きいニオブコンデンサのLc特性を改善
し、単位重量あたりの容量が大きく、Lc特性の良好な
ニオブコンデンサの提供。 【解決手段】 二つの電極と、電極間に介在する誘電体
とから構成されたコンデンサにおいて、誘電体が酸化ニ
オブNbOX (X=2.5)を主成分とする第1の層
と、酸化ニオブNbOx (X=2.5)とNbOx (X
=2.0)の混合物を主成分とする第2の層との二層構
造からなる誘電体であるコンデンサ。、
Description
とりわけ単位重量あたりの容量が大きく、漏れ電流(以
下LCと略記する。)特性の良好なコンデンサに関す
る。
高集積化により携帯電話、ノートブック型パソコン、電
子手帳などの小型、軽量の電子機器が広く普及してき
て、これらの電子機器に使用されているコンデンサも小
型、大容量のものの開発が望まれている。この分野に使
用されているコンデンサの中でもタンタル電解コンデン
サはサイズの割りには容量が大きく、しかも性能が良好
なため広く使用されている。このタンタル電解コンデン
サの誘電体としては酸化タンタルが使用されているが、
コンデンサの容量を更に大きくするためには酸化タンタ
ルよりは誘電率の高い酸化ニオブや酸化チタンを誘電体
に用いたニオブコンデンサやチタンコンデンサの開発が
求められる。
誘電体として用いたコンデンサはLC特性が不良で実用
に耐えるものではなく、その改善が必要である。本発明
者らは、これらのコンデンサのうち、酸化ニオブを誘電
体としたニオブコンデンサのLC不良の原因の一つが、
酸化ニオブを構成するニオブに対する酸素の結合量の過
剰または不足によることを見出し、本発明を完成するに
至った。
体特性を有する酸化ニオブを使用した、容量の大きいニ
オブコンデンサのLC特性を改善し、単位重量あたりの
容量が大きく、LC特性の良好なニオブコンデンサを提
供することを目的とする。
の電極と、電極間に介在する誘電体とから構成されたコ
ンデンサにおいて、誘電体が酸化ニオブNbOX (X=
2.5)を主成分とする第1の層と、酸化ニオブNbO
x (X=2.5)とNbOx (X=2.0)の混合物を
主成分とする第2の層との二層構造からなる誘電体であ
るコンデンサ、[2] 誘電体の第1の層に含まれる酸
化ニオブNbOX (X=2.5)の含有量が少なくとも
90重量%である上記[1]に記載のコンデンサ、
[3] 誘電体の第2の層に含まれる酸化ニオブNbO
X (X=2.5)とNbOX (X=2.0)との混合物
の含有量が少なくとも90重量%である上記[1]また
は[2]に記載のコンデンサ、[4] 誘電体の第2の
層に含まれる酸化ニオブのNbOX (X=2.5):N
bOX (X=2.0)とのモル比が、1:4ないし4:
1である上記[1]ないし[3]のいずれかに記載のコ
ンデンサ、[5] 第1の層と第2の層からなる誘電体
層のうちの第1の層の割合が、0.01〜10vol%
である上記[1]ないし[4]のいずれかに記載のコン
デンサ、
の一部を窒化した窒化ニオブである上記[1]ないし
[5]のいずれかに記載のコンデンサ、及び[7] 窒
化ニオブ電極が、ニオブを窒素雰囲気中、室温ないし2
000℃で1〜50時間処理して一部を窒化した窒化ニ
オブで構成された電極である上記[5]に記載のコンデ
ンサ、を開発することにより上記の目的を達成した。
して酸化ニオブNbOX (X=2.5)を主成分として
含有する第1の層と酸化ニオブNbOX (X=2.5)
及びNbOX(X=2.0)との混合物を主成分とする
第2の層との二層構造からなる誘電体層を用いたコンデ
ンサである。一般に酸化ニオブの構造をNbOX (Xは
ニオブに結合する酸素のモル比を示す)と表現すると、
Xの値として、0.9、1.0、1.1、2.0及び
2.5の割合で結合のものが知られている。これらの結
合値を持つ酸化ニオブはX線光電子分光法による解析に
よってこの構造は公知である。
のうち、NbOX (X=2.5)を主成分とする第1の
層と、NbOX (X=2.5)及びNbOX (X=2.
0)との混合物を主成分とする第2の層との二層構造と
した酸化ニオブを誘電体とした時は別として、それ以外
の酸化ニオブを主たる成分とする酸化ニオブを誘電体と
してコンデンサを作成すると、これらのコンデンサのL
C値が不良となることを見出した。この原因はまだ完全
に解明できてはいないが、LC値が不良となる理由とし
て前記した二層構造以外の酸化ニオブを主成分として誘
電体を形成した場合、誘電体中の酸素が誘電体側から電
極側へ、または電極に付着している内存酸素が電極側か
ら誘電体側に移動が行われることにより、誘電体自身の
特性が不安定になることによるものと推定される。
ブを誘電体として使用した場合、前述した酸素の移動が
生じても誘電体内部でおき、見かけ上平衡状態になって
いて結果として誘電体自身の特性が安定化されているも
のと考えられる。本発明のコンデンサに使用する誘電体
で、第1層の酸化ニオブNbOX (X=2.5)の量や
第2層の酸化ニオブNbOX (X=2.5)及びNbO
X (X=2.0)との混合物の組成比が一組成の方に片
寄るとか、あるいは誘電体の第2の層に対する第1の層
の割合が上昇すると、作製したコンデンサのLC値は大
きくなる。LC値は1μA以下が好ましい。LC値を1
μA以下に保つには、第1の層の酸化ニオブ中のNbO
X (X=2.5)の含有量及び第2の層のNbOX(X
=2.5)及びNbOX (X=2.0)との混合物の含
有量は少なくとも90重量%以上、特に95重量%以上
にすることが好ましい。
向性は問わないので二つの電極間に誘電体層として存在
すれば効果があり、また一定の厚みを有さなくてもよ
く、更に誘電体内に電極が入り組んだ形状を有する部所
があってもよい。この場合、前記した誘電体の含有量に
電極の量を加えないのは言うまでもない。更にLC値を
良好にするには第2の層のNbOX (X=2.5)及び
NbOX (X=2.0)とのモル比を少なくとも1:4
から4:1に、好ましくは1:3から3:1の範囲に保
ち、さらには誘電体の第2の層に対する第1の層の割合
を少なくとも0.01〜10vol%、特に0.04〜
3vol%に保った酸化ニオブをコンデンサの誘電体に
用いることが望ましい。
する誘電体層を形成する方法としては、例えば、ニオブ
を含有するアルコキシ錯体、アセチルアセトナート錯体
などニオブ錯体を熱分解及び/または加水分解する方
法、あるいは後記するような電極にニオブやニオブの一
部を窒化した窒化ニオブとした場合には該電極を電解酸
化するなどして作製することもできる。場合によっては
これらの方法を併用してもよい。このような方法のう
ち、ニオブを含有する錯体を熱分解及び/または加水分
解して作製する場合、錯体の種類、濃度、分解温度、分
解時間、分解の雰囲気のガスの種類及びその濃度によ
り、また電解酸化で作製する場合は使用する電極の種
類、形状、電解液の種類、濃度、電解温度、時間などに
よりNbOX におけるXの値が変化するので、あらかじ
め予備実験により作製した誘電体のX線光電子分光法の
図をチェックしながら条件を決定しておくことが必要で
ある。一般に分解温度が高く、分解時間が長いほど、分
解雰囲気ガス中の酸素ガス濃度が高いほど、また電解液
濃度が高いほど、電解温度が高く時間が長いほど、得ら
れた酸化ニオブNbOX のXの値が大きくなる傾向にあ
る。
方の電極の材料として、アルミニウム、タンタル、チタ
ン、ニオブ、ニオブの一部を窒化した窒化ニオブやこれ
ら金属の合金などが挙げられる。電極の形状は板状、箔
状、棒状、燒結体などがある。コンデンサの大きさは要
求されるコンデンサの容量を勘案して決定される。板
状、箔状、棒状の場合は折り曲げたり、巻回したりして
単位体積あたりの電極の表面積を増大させて使用する。
燒結体電極として使用する場合には、これら金属の微粉
末を加圧成形した後、100 〜10ー6Torrの圧力
下に500〜2,000℃、数分〜数時間焼成すること
により作製することができる。
ブの一部を窒化した窒化ニオブを使用すると単位重量あ
たりの容量が大きいコンデンサが得られること及び該窒
化ニオブを使用した時はそれに加えLC特性が更に良好
になることにより、ニオブの一部を窒化した窒化ニオブ
を電極とするニオブコンデンサは高容量で低LCが要求
される回路用のコンデンサ電極となるものである。この
窒化ニオブは、ニオブメタルの一部を窒素化したもの
で、例えばニオブを窒素雰囲気下で窒素化することによ
り得られる。この場合の窒素含有量は、ニオブメタルの
形状により変わるが、粒径が10〜30ミクロン程度の
粉末においては数10〜200,000ppm、好まし
くは数100〜数10,000ppmである。窒素化反
応温度は、限定するわけではないが工業的には250℃
〜2,000℃で、時間は1〜50時間程度で必要とさ
れる窒素を含有する窒化ニオブが得られる。一般に高温
程短時間で表面を窒素化することができる。室温程度の
低温度においても窒素雰囲気下で数10時間以上ニオブ
メタルの微粉末を放置しておくと必要とされる数10p
pmの窒素量の窒化ニオブが得られる。
して、アルミニウム電解コンデンサ業界でも公知である
電解液、有機半導体からの導電性有機化合物、無機半導
体からの無機導電性化合物から選ばれた少なくとも一種
のものを使用できる。有機半導体の例として、例えばベ
ンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、
テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テト
ラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記
一般式(1)または(2)で表される高分子にドーパン
トをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体
を挙げることができる。
キシ基、Xは酸素、イオウまたは窒素原子、R5 はXが
窒素原子との時のみ存在して水素またはアルキル基であ
り、R1 、R2 及びR3 、R4 は互いに結合して環状に
なっていてもよい。)
キシ基、Xは酸素、イオウまたは窒素原子、R3 はXが
窒素原子との時のみ存在して水素またはアルキル基であ
り、R1 、R2 は互いに結合して環状になっていてもよ
い。)
高分子の例としては、例えばポリアニリン、ポリオキシ
フェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフ
ェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール
などが挙げられる。また無機半導体としては二酸化鉛ま
たは二酸化マンガンを主成分とする無機半導体、四三酸
化鉄からなる無機半導体などが挙げられる。このような
半導体を二種以上併用してもよい。本発明においては誘
電体と電極との接続が不完全な部所、例えば一部誘電体
と電極との接触が欠けたところがあってもよい。
説明する。 (実施例1)幅7mm、長さ120mm、厚さ100ミ
クロンのタンタル箔の中心に太さ0.3mmφ、長さ1
0mmのタンタル線の一部分(2mm分)を溶接した
後、巻回してタンタルリード線を接合して電極を形成し
た。一方別に用意したペンタプロピルニオベート(ニオ
ブ錯体)の3%トルエン溶液に前記電極をタンタルリー
ド線の上から7mmを残して浸漬して引き上げた後、空
気雰囲気中200℃で3時間、続いて85℃水蒸気中で
1時間、更に窒素雰囲気中500℃で1時間処理するこ
とを繰り返して電極上に酸化ニオブの誘電体層を形成し
た。この酸化ニオブはX線光電子分光分析によりNbO
X (X=2.5)の第1層の下にNbOX (X=2.
5)NbOX (X=2.5)及びNbO X (X=2.
0)との混合物(モル比3:2)の第2層が存在(第1
層の第2層に対する割合が0.4vol%)することを
確認した。引き続き、ピロール溶液と過硫酸アンモニウ
ム及びトルエンスルホン酸の混合水溶液に順次電極を浸
漬させることを繰り返し、誘電体上にポリピロール層を
形成させた。更にカーボンペースト、銀ペーストに順次
浸漬、乾燥することにより積層した後、陰極リードを取
り付け、エポキシ樹脂で封口してコンデンサとし、その
容量及びLC値を測定した。LC値は、電圧印加後1分
経過した時の電流値である。結果を表3に示す。
ンのニオブメタル粉末約0.1gを径が0.3mmφ、
長さ15mmのタンタルリードと共に成形して大きさ3
mm×3mm×0.2mmの成形体(タンタルリード線
が成形体中に2mm入っていて、外部に12mm突き出
ている。)を得た。次いで該成形体を真空中、1,50
0℃で燒結させ、ニオブ燒結体とした。次いで5%りん
酸水溶液中で26V化成を室温で5時間続けることによ
り燒結体上に酸化ニオブの誘電体層を形成した。この誘
電体層は第2表に示した組成からなることを分析により
確認した。更にこの電極を硝酸マンガン水溶液中に浸漬
後、250℃で熱分解することを繰り返して、誘電体層
上に酸化マンガンの無機半導体層を形成した。引き続き
実施例1と同様にしてカーボンペースト、銀ペーストを
積層し、エポキシ樹脂で封口してコンデンサを得た。こ
のコンデンサの特性を表3に示す。
ブメタル粉末を、あらかじめ500℃の窒素雰囲気中で
窒素化を行い、窒素含有量約3,000重量ppmの窒
化ニオブ粉とした後、実施例2と同様の条件で処理して
コンデンサを得た。このコンデンサの特性を表3に示
す。 (実施例4)実施例2において、燒結体の化成条件を
0.5%酢酸水溶液中で26V、10時間とした以外は
すべて実施例3と同じようにしてコンデンサを得た。作
製した誘電体の組成を表2に示す。
囲気中200℃で3時間、続いて85℃水蒸気中で1時
間、更に窒素雰囲気中500℃で1時間の誘電体形成処
理の代わりに、表1に記載した条件で誘電体形成処理を
行った。それ以外は実施例1と同様にしてコンデンサを
作製した。誘電体の組成を表2に、このコンデンサの特
性を表2に示す。
の化成条件をりん酸水溶液濃度0.03%,26V、室
温30分とした以外はすべて同様にしてコンデンサを作
製した。作製した誘電体の組成を表2に、コンデンサの
特性を表3に示す。
て作製した化成後の燒結体(誘電体層は実施例2と同様
な組成であることを確認)の複数個を、さらに実施例3
と同様な化成液中で逆電圧を印加することによって誘電
体層を破壊した。その後この燒結体を140℃で表4に
示した時間放置することによって誘電体層を修復した。
続いて実施例3と同様にしてコンデンサを作製した。誘
電体層の組成及びコンデンサの性能を表4に列記する。
オブNbOX (X=2.5)を主成分とする第1の層と
酸化ニオブ:NbOX (X=2.5)及びNbOX (X
=2.0)との混合物を主成分とする第2の層とのに層
構造の誘電体とした本発明のコンデンサは、単位重量あ
たりの容量が大きくLC特性が良好である。さらに、該
コンデンサの一方の電極をニオブやニオブの一部を窒化
した窒化ニオブとしたコンデンサは、より単位重量あた
りの容量が大きくなる。特に電極を、ニオブの一部を窒
化した窒化ニオブとしたコンデンサは、よりLC特性な
どの性能が改善され、搬用電子機器用の小型高容量のコ
ンデンサとして使用できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 二つの電極と、電極間に介在する誘電体
とから構成されたコンデンサにおいて、誘電体が酸化ニ
オブNbOX (X=2.5)を主成分とする第1の層
と、酸化ニオブNbOx (X=2.5)とNbOx (X
=2.0)の混合物を主成分とする第2の層との二層構
造からなる誘電体であるコンデンサ。 - 【請求項2】 誘電体の第1の層に含まれる酸化ニオブ
NbOX (X=2.5)の含有量が少なくとも90重量
%である請求項1に記載のコンデンサ。 - 【請求項3】 誘電体の第2の層に含まれる酸化ニオブ
NbOX (X=2.5)とNbOX (X=2.0)との
混合物の含有量が少なくとも90重量%である請求項1
または2に記載のコンデンサ。 - 【請求項4】 誘電体の第2の層に含まれる酸化ニオブ
のNbOX (X=2.5):NbOX (X=2.0)と
のモル比が、1:4ないし4:1である請求項1ないし
3のいずれか1項に記載のコンデンサ。 - 【請求項5】 第1の層と第2の層とからなる誘電体層
のうちの第1の層の割合が、0.01〜10vol%で
ある請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコンデン
サ。 - 【請求項6】 電極の一方がニオブまたはニオブの一部
を窒化した窒化ニオブである請求項1ないし5のいずれ
か1項に記載のコンデンサ。 - 【請求項7】 窒化ニオブ電極が、ニオブを窒素雰囲気
中、室温ないし2000℃で1〜50時間処理して一部
を窒化した窒化ニオブで構成された電極である請求項5
に記載のコンデンサ。
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