JP2000178738A - ダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材 - Google Patents

ダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材

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JP2000178738A
JP2000178738A JP10375447A JP37544798A JP2000178738A JP 2000178738 A JP2000178738 A JP 2000178738A JP 10375447 A JP10375447 A JP 10375447A JP 37544798 A JP37544798 A JP 37544798A JP 2000178738 A JP2000178738 A JP 2000178738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型、工具等のダイヤモンド状炭素膜を被覆
した部材において、特に高温条件下において、母材とダ
イヤモンド状炭素膜との密着性を向上させ、その寿命を
向上させる。 【解決手段】 母材とダイヤモンド状炭素膜との間に、
下地層および中間層、または、中間層を有し、下地層ま
たは中間層の母材に接する界面から5nmまでの平均酸素
濃度および/または母材の下地層または中間層に接する
界面から5nmまでの平均酸素濃度は3〜50mol%であ
るダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種金型、ツール
等、耐摩耗性および耐衝撃性を必要とする各種部材に用
いられるダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】気相法により製造されるダイヤモンド状
炭素膜(DLC膜)は、硬度が高く、摩擦係数が低いた
め、耐摩耗性、耐久性に優れている。また、任意形状の
物品に被着することができる。そのため、耐摩耗性を必
要とする金型、工具等に用いられ、その寿命向上に効果
が得られている場合がある。
【0003】しかしながら、DLC膜を被覆すると表面
の摩耗は防止されるが、DLC膜は金属、例えば、工具
鋼、ステンレス鋼等の鉄鋼、超硬合金、あるいは、アル
ミニウム合金等に対する密着力が弱く、外力の作用で母
材から剥離し易いという問題がある。そのため、使用で
きる母材材質や用途がかなり制限されていた。上記の鉄
系材料等は金型、工具等に用いられ、用途が広く、これ
らの母材の表面に形成されるDLC膜の母材への密着性
を向上させることが耐久性、寿命向上のために重要であ
る。
【0004】そこで、各種中間層を母材とDLC膜との
間に介在させることにより、密着性を改善する試みがい
くつかなされている。
【0005】例えば、特開昭61−104078号公報
には、周期表第4A〜6A族(4〜6族)金属の炭化
物、炭窒化物、炭酸化物、炭窒酸化物、炭硼化物あるい
はSiの炭化物、炭窒化物(いずれも非化学量論的化合
物)、または、これらの相互固溶体で形成した単層また
は多重層の中間層、および、中間層を2層構成とし、D
LC膜側を上記と同じ構成の層とし、母材側を周期表4
A〜6A族金属の炭化物、窒化物、酸化物、硼化物、ま
たは、これらの相互固溶体で形成された単層または多重
層とした構成の層とすることが開示されている。また、
特開昭62−116767号(特公平6−60404
号)公報には、母材側のクロムまたはチタンを主体とす
る下層と、DLC膜側のシリコンまたはゲルマニウムを
主体とする上層とからなる中間層が開示されている。特
開平5−311444号公報には、母材側の周期表第4
A〜6A族金属の炭化物、窒化物あるいは窒炭化物から
なる硬質化合物膜の層と、DLC膜側のシリコン膜また
はゲルマニウム膜の層とを積層した中間層が開示されて
いる。また、特開平5−124875号公報には、珪素
と炭素の非晶質混合物からなる中間層が開示されてい
る。さらには、特開平2−120245号公報には、T
i、Cr、Hf、BまたはSiの炭化物からなる中間層
が開示されいている。
【0006】しかし、それらに関しても未だ母材とDL
C膜との密着力は充分とは言えず、例えば金型におい
て、成型時に異物が混入したりしてDLC膜および中間
層を被覆した金型に衝撃的な力が加わった場合、DLC
膜および中間層が金型母材から剥離してしまい、思うよ
うに寿命向上が果たせないという問題がある。
【0007】また、近年、例えば高温条件下で金型を使
用する必要があるなど、それ自体または雰囲気の温度が
高い条件(300℃以上)でDLC膜を被覆した部材が
使用される用途のニーズが高くなってきている。そのよ
うな用途の場合、より中間層が母材から剥離しやすく、
十分な耐久性、寿命が得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
高温条件下で使用される金型、工具等のダイヤモンド状
炭素膜を被覆した部材において、母材とダイヤモンド状
炭素膜との密着性を向上させてその寿命を向上させるこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の本発
明によって達成される。
【0010】(1) 母材上にダイヤモンド状炭素膜を
被覆した部材であって、母材上に、周期表第4A族(4
族)金属(Ti,Zr,Hf)、周期表第5A族(5
族)金属(V,Nb,Ta)および周期表第6A族(6
族)金属(Cr,Mo,W)のいずれか一種以上を含有
する下地層を有し、この下地層上に、Siを含有する中
間層を有し、この中間層上に、ダイヤモンド状炭素膜を
有し、前記下地層の前記母材に接する界面から5nmまで
の平均酸素濃度および/または前記母材の前記下地層に
接する界面から5nmまでの平均酸素濃度が、3〜50mo
l%であるダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材。 (2) 前記中間層が、SiまたはSiの炭化物から形
成されている上記(1)のダイヤモンド状炭素膜を被覆
した部材。 (3) 前記中間層の組成を、SiCpqと表したとき 0≦p≦25、 0≦q≦20 である上記(2)のダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
材。 (4) 前記下地層が、周期表第4A族(4族)金属
(Ti,Zr,Hf)、周期表第5A族(5族)金属
(V,Nb,Ta)および周期表第6A族(6族)金属
(Cr,Mo,W)のいずれか一種以上を、金属、炭化
物または炭窒化物のいずれかの形で含有する上記(1)
〜(3)のいずれかのダイヤモンド状炭素膜を被覆した
部材。 (5) 母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材
であって、母材上に、周期表第5A族(5族)金属
(V,Nb,Ta)の珪化物、これらの珪炭化物、周期
表第6A族(6族)金属(Cr,Mo,W)の珪化物、
これらの珪炭化物、Tiの珪化物、Tiの珪炭化物、Z
rの珪化物およびZrの珪炭化物のいずれか一種以上を
含有する中間層を有し、この中間層上に、ダイヤモンド
状炭素膜を有し、前記下地層の前記母材に接する界面か
ら5nmまでの平均酸素濃度および/または前記母材の前
記下地層に接する界面から5nmまでの平均酸素濃度が、
3〜50mol%であるダイヤモンド状炭素膜を被覆した
部材。 (6) 前記中間層のOを除いた組成をMSiab(た
だし、MはV、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tiおよ
びZrのいずれか一種以上である)と表したとき 0.3≦a≦10、 0≦b≦5、 0.3≦a+b≦10 である上記(5)のダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
材。 (7) 前記中間層が、前記母材側にV、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、TiおよびZrのいずれか一種以上が
多く、前記ダイヤモンド状炭素膜側にSiおよび/また
はCが多い傾斜構造を有する上記(5)または(6)の
ダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材。 (8) 母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材
であって、母材上に、Siの炭化物または炭窒化物を含
有する中間層を有し、この中間層上に、ダイヤモンド状
炭素膜を有し、前記下地層の前記母材に接する界面から
5nmまでの平均酸素濃度および/または前記母材の前記
下地層に接する界面から5nmまでの平均酸素濃度が、3
〜50mol%であるダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
材。 (9) 前記母材がステンレス鋼、SKS、SKD、超硬合
金、ステライト、SNCMまたはDC53である上記(1)〜
(8)のいずれかのダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
材。 (10) 前記ダイヤモンド状炭素膜の基本組成をCH
xSiyzvwと表したとき、モル比を表すx,y,
z,v,wがそれぞれ、 0.05≦x≦0.7、 0≦y≦3.0、 0≦z≦1.0、 0≦v≦1.0、 0≦w≦0.2 である上記(1)〜(9)のいずれかのダイヤモンド状
炭素膜を被覆した部材。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明のダイヤモンド状炭素膜(DLC
膜)を被覆した部材は、母材とDLC膜との間に、下地
層および中間層、または、中間層が設けられたものであ
る。そして、母材上の下地層または中間層の母材に接す
る界面から5nmまでの平均酸素濃度および/または母材
の下地層または中間層に接する界面から5nmまでの平均
酸素濃度は3〜50mol%である。どちらか片方の界面
に酸素が含有されていれば、本発明の効果は得られる
が、母材上の下地層または中間層の母材に接する界面か
ら5nmまでの平均酸素濃度、母材の下地層または中間層
に接する界面から5nmまでの平均酸素濃度ともに3〜5
0mol%であることが好ましい。ここでいう酸素濃度
は、オージェ電子分光法(AES)により測定した場合
の酸素濃度のことをいう。また、下地層側または中間層
側から深さ方向にAES測定を行ったとき、Ta等の下
地層または中間層の成分のピークは界面付近になると小
さくなり、Fe等の母材の成分のピークは界面付近にな
ると大きくなるが、その強度が等しくなった点を本明細
書では界面という。
【0013】このように母材と下地層との界面、また
は、母材と中間層との界面に3〜50mol%の酸素を含
有させることによって、鋼材等を材質とする母材とDL
C膜との密着性が格段と向上し、例えば金型や工具に本
発明を適用した場合、特に250〜700℃程度の高温
条件下の使用においてその寿命が著しく長くなる。これ
は、母材と下地層との間または母材と中間層との間にお
けるそれぞれの強固な密着性によって得られると考えら
れる。また、下地層、中間層を後述のものとすることに
よって、下地層と中間層との間、中間層とDLC膜との
間も強固な密着性が得られ、長寿命化に寄与していると
考えられる。ただし、母材と下地層との界面、または、
母材と中間層との界面に3〜50mol%の酸素を含有さ
せなければ、密着性が低くなるので、本発明の効果は得
られない。
【0014】まず、本発明で用いられる母材について説
明する。なお、母材に含有させる酸素については後述す
る。
【0015】本発明において、下地層、中間層を介して
DLC膜が被覆される母材としては、例えば金型や工具
類等の力が加わる部材、すなわち耐衝撃性および耐摩耗
性が要求される部材にDLC膜が用いられることから、
このような部材の構成材料となりうるものであれば特に
制限はない。こうした構成材料としては、種々の金属系
の材料があり、鉄鋼や非鉄金属をはじめ、その他サーメ
ット等が挙げられる。鉄鋼としては、ステンレス綱(JI
S:SUS303、304、316、420J、440CおよびELMAX、STAVAX
等)、工具綱(JIS:SK2、SKH、SKS2、3、4、11、SKD1
1、61およびDC53等)、合金綱(JIS:SCM、SNCM、SNC、S
Cr等)、ダイス綱などがある。また、非鉄金属として
は、アルミニウム合金、銅合金(りん青銅、洋白等)、
チタン合金、マグネシウム合金、超硬合金(JIS:S種、G
種、D種およびM45、46、63S等)、ステライトなどがあ
る。これらの中でも、各種のステンレス鋼、SKS、SKD、
超硬合金、ステライト、SNCMおよびDC53を用いることが
好ましい。
【0016】このような母材は、目的・用途等に応じ
て、種々の形状にして用いられる。
【0017】次に、母材上に設けられる本発明の下地
層、中間層について説明する。本発明の下地層、中間層
にはいくつかの構成がある。
【0018】本発明の下地層、中間層の第一の構成は、
母材側に、周期表第4A族(4族)金属(Ti,Zr,
Hf)、周期表第5A族(5族)金属(V,Nb,T
a)および周期表第6A族(6族)金属(Cr,Mo,
W)のいずれか一種以上を含有する下地層を有し、DL
C膜側に、Siを含有する中間層を有するものである。
【0019】まず、母材側に形成される下地層について
説明する。なお、含有させる酸素については後述する。
【0020】下地層は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Cr、MoおよびWのいずれか一種以上を含有す
る。特に、Ti、Ta、V、Cr、Moを含有すること
が好ましく、中でもTaを含有することが好ましい。ま
た、中間層がSiC系膜である場合はTiおよび/また
はTaを含有することが特に好ましい。下地層は、2種
以上の金属を含有するものであってもよい。
【0021】これらの周期表第4A族(4族)金属(T
i,Zr,Hf)、周期表第5A族(5族)金属(V,
Nb,Ta)および周期表第6A族(6族)金属(C
r,Mo,W)は、金属単体(合金を含む)、炭化物、
窒化物、炭窒化物、炭酸化物、炭窒酸化物または炭硼化
物のいずれかの形で存在することが好ましい。特に、金
属単体(合金を含む)、炭化物または炭窒化物のいずれ
かの形で存在することが好ましく、さらには、下地層は
金属から形成されていることが好ましい。なお、下地層
が2種以上から形成されている場合、通常、相互固溶体
として存在する。また、これらの炭化物、炭窒化物等
は、化学量論組成であっても、非化学量論組成であって
もかまわない。この場合、金属元素1molに対して、O
を除いた非金属元素が10mol以下であることが好まし
い。
【0022】また、母材界面付近においては母材の構成
成分が拡散していてもよく、中間層界面付近においては
中間層の構成成分が拡散していてもよい。
【0023】このような下地層は、通常、アモルファス
状態である。
【0024】上記の下地層は、真空蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法等のPVD法や熱CVD
法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法によっ
て形成することができる。また、湿式メッキ法、溶射、
クラッド接合等により形成してもよい。具体的には公知
の方法による。
【0025】なかでも、下地層はスパッタ法により形成
することが好ましい。この場合、目的とする組成に応じ
たターゲットを用い、高周波電力、交流電力、直流電力
のいずれかを付加し、ターゲットをスパッタし、これを
母材(基板)上にスパッタ堆積させることにより下地層
を形成する。
【0026】ターゲットは、通常、下地層と同じ組成の
ものを用いればよいが、Ta等の金属とC等とをターゲ
ットとする多元スパッタとしてもよいし、反応性スパッ
タでC等を導入する場合はその成分を含まないターゲッ
トを用いることができる。
【0027】スパッタガスには、通常のスパッタ装置に
使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、K
r、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1
種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
【0028】また、反応性スパッタを行ってもよく、反
応性ガスとしては、酸化物を形成する場合、O2 、C
O、CO2等が挙げられ、窒化物を形成する場合、
2 、NH3 、NO、NO2 、N2 O等が挙げられ、炭
化物を形成する場合、CH4 、C22 、C2 4 、C
O等が挙げられる。これらの反応性ガスは単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】スパッタ時の動作圧力は、0.002〜
0.5Torrの範囲が好ましい。また、成膜中にスパッタ
ガスの圧力を、前記範囲内で変化させることにより、濃
度勾配を有する下地層を容易に得ることができる。
【0030】スパッタ法としては、RF電源を用いた高
周波スパッタ法を用いても、DCスパッタ法を用いても
よい。スパッタ装置の電力としては、DCスパッタで
0.5〜30W/cm2程度、周波数1〜50MHzの高周波
スパッタでは0.5〜30W/cm2程度、50kHz〜1MH
zの低周波では0.5〜30W/cm2程度が好ましい。ま
た、対象物にバイアス電圧を印加してもよい。
【0031】成膜速度は3〜300nm/minの範囲が好
ましい。
【0032】また、基板温度は10〜150℃であるこ
とが好ましい。
【0033】また、下地層は蒸着法により形成してもよ
い。蒸着法としては、抵抗加熱方式であっても電子ビー
ム加熱方式であってもよい。また、2元蒸着であって
も、1元蒸着であってもよい。1元蒸着でも、膜組成は
蒸着源の組成とほぼ同じものが経時的に安定して得られ
る。
【0034】真空蒸着の条件は特に限定されないが、真
空度は10-5Torr以下、特に10-6Torr以下が好まし
い。成膜速度は、通常、3〜300nm/min程度が好ま
しい。
【0035】次に、DLC膜側に形成される中間層につ
いて説明する。
【0036】中間層は、Siを含有し、SiまたはSi
の炭化物から形成されていることが好ましい。
【0037】中間層は、その他に、水素を含んでいても
よい。
【0038】中間層の基本組成をSiCpqと表したと
き、 0≦p≦25、 0≦q≦20 であることが好ましい。qがこれより大きくて炭素が多
くなると、下地層との密着力が悪くなってくる。rがこ
れより大きくて水素が多くなっても、密着力が悪くなっ
てくる。
【0039】また、下地層界面付近においては下地層の
構成成分が拡散していてもよく、DLC膜界面付近にお
いてはDLC膜の構成成分が拡散していてもよい。
【0040】このような中間層は、通常、アモルファス
状態である。
【0041】上記の中間層は、真空蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法等のPVD法や熱CVD
法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法によっ
て形成することができる。また、湿式メッキ法、溶射、
クラッド接合等により形成してもよい。具体的には公知
の方法による。
【0042】なかでも、上記の中間層はスパッタ法によ
り形成することが好ましい。この場合、目的とする組成
に応じたターゲットを用い、高周波電力、交流電力、直
流電力のいずれかを付加し、ターゲットをスパッタし、
これを下地層上にスパッタ堆積させることにより中間層
を形成する。
【0043】ターゲットは、通常、中間層と同じ組成の
もの、つまり、SiまたはSiCを用いればよいが、S
iとCとをターゲットとする多元スパッタとしてもよい
し、反応性スパッタでC等を導入する場合はその成分を
含まないターゲットを用いることができる。
【0044】スパッタガスには、通常のスパッタ装置に
使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、K
r、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1
種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
【0045】また、反応性スパッタを行ってもよく、反
応性ガスとしては、炭素を導入する場合には、CH4
2 2 、C2 4 、CO等を用い、珪素を導入する場
合には、シランガス等を用いる。また、水素を導入する
場合には、H2等を用い、酸素を導入する場合、O2
CO等を用いる。これらの反応性ガスは単独で用いて
も、2種以上を混合して用いてもよい。
【0046】スパッタ時の動作圧力は、0.002〜
0.5Torrの範囲が好ましい。また、成膜中にスパッタ
ガスの圧力を、前記範囲内で変化させることにより、濃
度勾配を有する中間層を容易に得ることができる。
【0047】スパッタ法としては、RF電源を用いた高
周波スパッタ法を用いても、DCスパッタ法を用いても
よい。スパッタ装置の電力としては、DCスパッタで
0.5〜30W/cm2程度、周波数1〜50MHzの高周波
スパッタでは0.5〜30W/cm2程度、50kHz〜1MH
zの低周波では0.5〜30W/cm2程度が好ましい。
【0048】成膜速度は1〜300nm/minの範囲が好
ましい。
【0049】また、基板温度は10〜150℃であるこ
とが好ましい。
【0050】また、中間層は蒸着法により形成してもよ
い。蒸着法としては、抵抗加熱方式であっても電子ビー
ム加熱方式であってもよい。また、2元蒸着であって
も、1元蒸着であってもよい。1元蒸着でも、膜組成は
蒸着源の組成とほぼ同じものが経時的に安定して得られ
る。
【0051】真空蒸着の条件は特に限定されないが、真
空度は10-5Torr以下、特に10-6Torr以下が好まし
い。成膜速度は、通常、1〜300nm/min程度が好ま
しい。
【0052】この他、SiC系膜は、特願平2−144
80号に記載されているバイアス印加プラズマCVD
法、または、特開昭58−174507号および特開平
1−234396号に記載されたイオン化蒸着法により
形成できる。
【0053】イオン化蒸着法およびバイアス印加CVD
法においては、下記の単独または混合ガスを用いる。す
なわち、次の(1)の炭素および珪素を共に含有する低
分子量の化合物のガス、(2)と(3)、(1)と
(2)、(1)と(3)または(1)と(2)と(3)
の低分子量の化合物の混合ガスである。
【0054】(1)有機けい素化合物−メチルシランC
3SiH3、ジメチルシラン(CH32SiH2、トリ
メチルシラン(CH33SiH、テトラメチルシランS
i(CH34
【0055】(2)けい素化合物−シランSiH4、ジ
シランSi26
【0056】(3)炭素化合物−メタンCH4、エタン
26、プロパンC38、エチレンC24、アセチレン
22
【0057】これに用いられる装置の具体例について
は、特開平5−124875号に開示されており、これ
らを好ましく用いることができる。
【0058】バイアス印加プラズマCVD法では高周波
電源を用いることが好ましく、高周波電力としては10
W〜5kW程度である。また、通常、バイアス電圧は−5
0V〜−5kV、全圧は0.01〜0.5Torr、反応時間
は1〜60分、電極間距離は例えば4cm程度、ガス流量
は5〜1000sccmであり、基板温度は10〜300℃
である。
【0059】一方、イオン化蒸着法においては、真空容
器内を10-6Torr程度までの高真空とする。この真空容
器内には交流電源によって加熱されて熱電子を発生する
フィラメントが設けられ、このフィラメントを取り囲ん
で対電極が配置され、フィラメントとの間に電圧Vdを
与える。また、フィラメント、対電極を取り囲んでイオ
ン化ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイルが配置
されている。原料ガスはフィラメントからの熱電子と衝
突して、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、このプラ
スイオンはグリッドに印加された負電位Vaにより加速
される。この、Vd,Vaおよびコイルの磁界を調整す
ることにより、組成や膜質を変えることができる。ま
た、バイアス電圧を印加してもよい。
【0060】この場合の原料ガスの流量はその種類に応
じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、0.01
〜0.5Torr程度が好ましい。
【0061】中間層の成膜には、特に、複雑な形状の金
型における密着力の点からスパッタ法が、膜欠陥の少な
さからプラズマCVD法が好ましく用いられる。
【0062】上記のような下地層と中間層とは、合計で
20A(2nm)〜5μm の厚さであることが好ましく、
さらには50A(5nm)〜1μm の厚さであることが好
ましい。下地層および中間層の各厚さは10A(1nm)
〜2.5μm が好ましく、さらには25A(2.5nm )
〜0.5μm が好ましい。このような厚さとすることで
密着性が向上する。これに対し、薄すぎると密着性向上
の効果が十分ではなくなり、厚すぎると耐衝撃性が悪く
なってくる。
【0063】上記のような下地層および中間層は、生産
性の点などから、通常、各1層ずつ設けることが好まし
いが、場合によっては、各膜を多層構成としてもよい。
多層構成とする場合は合計で上記範囲の厚さとなるよう
にすればよい。
【0064】次に、本発明の第二の構成の中間層につい
て説明する。なお、含有させる酸素については後述す
る。
【0065】本発明の中間層の第二の構成は、母材とD
LC膜との間に中間層が設けられており、この中間層
は、周期表第5A族(5族)金属(V,Nb,Ta)の
珪化物、これらの珪炭化物、周期表第6A族(6族)金
属(Cr,Mo,W)の珪化物、これらの珪炭化物、T
iの珪化物、Tiの珪炭化物、Zrの珪化物およびZr
の珪炭化物のいずれか一種以上を含有するものである。
これらの場合、下地層を設けなくても母材と中間層との
間、中間層とDLC膜との間で強固な密着性が得られ
る。また、下地層を形成しなくてよいので、製造工程が
少なく、歩留まり、スループットに優れ、生産性が高い
という利点がある。
【0066】中間層のOを除いた組成をMSiab(た
だし、MはV、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Tiおよ
びZrのいずれか一種以上である)と表したとき、 0.3≦a≦10、好ましくは1≦a≦6、 0≦b≦5、好ましくは0≦b≦3、 0.3≦a+b≦10、好ましくは1≦a+b≦6 である。aがこれより大きくて珪素が多くなると、母材
との密着力が悪くなる。aがこれより小さくて珪素が少
なくなると、DLC膜との密着力が悪くなる。bがこれ
より大きくて炭素が多くなると、母材との密着力が悪く
なる。bがこれより小さくて炭素が少なくなると、DL
C膜との密着力が悪くなる。また、a+bがこれより大
きくても母材との密着力が悪くなり、a+bがこれより
小さくてもDLC膜との密着力が悪くなる。
【0067】用いる金属Mは、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W、TiおよびZrのいずれか一種以上であり、
二種以上を併用してもよい。特に、Ti、Ta、V、C
r、Moを用いることが好ましく、中でもTi、Taを
用いることが好ましい。
【0068】また、母材界面付近においては母材材料が
拡散していてもよく、DLC膜の界面付近においてはD
LC膜の構成成分が拡散していてもよい。
【0069】中間層は、その他に、水素を25原子%以
下、好ましくは20原子%以下含んでいてもよい。水素
の含有量がこれを超えると、母材との密着力が悪くなっ
てくる。
【0070】また、上記の中間層は、全体の平均値とし
てこのような組成であれば、膜厚方向に濃度勾配をもっ
ていてもよく、母材側にV、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、TiおよびZrのいずれか一種以上が多く、DLC
膜側にSiおよび/またはCが多い傾斜構造を有するこ
とが好ましい。母材側にV、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、TiおよびZrのいずれか一種以上が多いと中間層
の母材に対する密着性がさらに向上し、DLC膜側にS
iおよび/またはCが多いと中間層のDLC膜に対する
密着性がさらに向上する。そのため、中間層を上記のよ
うな傾斜構造とすれば、寿命がより長くなる。特に、母
材に接する界面から10nmまで、あるいは、膜厚の1/
2までの小さい方のOを除いた組成の平均値が、MSi
abと表したとき、 0≦a+b≦5 であることが好ましい。また、DLC膜に接する界面か
ら10nmまで、あるいは、膜厚の1/2までの小さい方
のOを除いた組成の平均値が、MSiabと表したと
き、 1≦a+b であることが好ましい。ただし、MはV、Nb、Ta、
Cr、Mo、W、TiおよびZrのいずれか一種以上を
表す。
【0071】このような中間層は、通常、アモルファス
状態である。
【0072】中間層は、20A(2nm)〜5μm の厚さ
であることが好ましく、さらには50A(5nm)〜1μm
の厚さであることが好ましい。このような厚さとする
ことで密着性が向上する。これに対し、中間層が薄すぎ
ると密着性向上の効果が十分ではなくなり、厚すぎると
耐衝撃性が悪くなってくる。
【0073】上記の中間層は、真空蒸着法、スパッタ
法、イオンプレーティング法等のPVD法や熱CVD
法、プラズマCVD法、光CVD法等のCVD法によっ
て形成することができる。また、湿式メッキ法、溶射、
クラッド接合等により形成してもよい。具体的には公知
の方法による。
【0074】なかでも、上記の中間層はスパッタ法によ
り形成することが好ましい。この場合、目的とする組成
に応じたターゲットを用い、高周波電力、交流電力、直
流電力のいずれかを付加し、ターゲットをスパッタし、
これを母材(基板)上にスパッタ堆積させることにより
中間層を形成する。
【0075】ターゲットは、通常、中間層と同じ組成の
ものを用いればよいが、Ta等の金属とSiとをターゲ
ットとする多元スパッタとしてもよいし、反応性スパッ
タでCやSiを導入する場合はその成分を含まないター
ゲットを用いることができる。
【0076】スパッタガスには、通常のスパッタ装置に
使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、K
r、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1
種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
【0077】また、反応性スパッタを行ってもよく、反
応性ガスとしては、炭素を導入する場合には、CH4
2 2 、C2 4 、CO等を用い、珪素を導入する場
合には、シランガス等を用いる。また、また、水素を導
入する場合には、H2等を用い、酸素を導入する場合、
2 、CO等を用いる。これらの反応性ガスは単独で用
いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0078】スパッタ時の動作圧力は、0.002〜
0.5Torrの範囲が好ましい。また、成膜中にスパッタ
ガスの圧力を、前記範囲内で変化させることにより、濃
度勾配を有する中間層を容易に得ることができる。
【0079】スパッタ法としては、RF電源を用いた高
周波スパッタ法を用いても、DCスパッタ法を用いても
よい。スパッタ装置の電力としては、DCスパッタで
0.5〜30W/cm2程度、周波数1〜50MHzの高周波
スパッタでは0.5〜30W/cm2程度、50kHz〜1MH
zの低周波では0.5〜30W/cm2程度が好ましい。ま
た、対象物にバイアス電圧を印加してもよい。
【0080】成膜速度は1〜300nm/minの範囲が好
ましい。
【0081】また、基板温度は10〜150℃であるこ
とが好ましい。
【0082】また、本発明の中間層は蒸着法により形成
してもよい。蒸着法としては、抵抗加熱方式であっても
電子ビーム加熱方式であってもよい。蒸着源には、Ta
等の金属とSiとを用いる2元蒸着であっても、中間層
と同じ組成のものを用いる1元蒸着であってもよい。1
元蒸着でも、膜組成は蒸着源の組成とほぼ同じものが経
時的に安定して得られる。
【0083】真空蒸着の条件は特に限定されないが、真
空度は10-5Torr以下、特に10-6Torr以下が好まし
い。成膜速度は、通常、1〜300nm/min程度が好ま
しい。
【0084】また、中間層は、プラズマCVD法、イオ
ン化蒸着法によっても形成でき、その場合、後述するD
LC膜を参考にして成膜すればよい。
【0085】中間層は、生産性の点などから、通常、1
層のみを設けるが、場合によっては、多層構成としても
かまわない。多層構成とする場合は合計で上記範囲の厚
さとなるようにすればよい。
【0086】次に、本発明の第三の構成の中間層につい
て説明する。なお、含有させる酸素については後述す
る。
【0087】本発明の中間層の第三の構成は、母材とD
LC膜との間に中間層が設けられており、この中間層
は、Siの炭化物または炭窒化物を含有するものであ
る。
【0088】Siの炭化物または炭窒化物は、化学量論
組成であっても、非化学量論組成であってもかまわな
い。また、炭窒化物の場合、CとNの量比は任意である
が、炭化ケイ素が窒化ケイ素より多い方が好ましい。
【0089】中間層は、特に、Siの炭化物から形成さ
れていることが好ましい。中間層のOを除いた基本組成
をSiCstと表したとき、 0.3≦s≦25、 0≦t≦20 であることが好ましい。sがこれより大きくて炭素が多
くなると、母材との密着力が悪くなってくる。sがこれ
より小さくて炭素が少なくなると、DLCとの密着力が
悪くなってくる。tがこれより大きくて水素が多くなる
と、密着力が悪くなってくる。
【0090】また、上記の中間層は、組成が均一なもの
であってもよいが、全体の平均値としてこのような組成
であれば膜厚方向に濃度勾配をもっていてもよく、母材
側にSi成分が多く、DLC膜側にC成分が多い傾斜構
造を有することが好ましい。母材側にSiが多いと中間
層の下地層に対する密着性がさらに向上し、DLC膜側
にCが多いと中間層のDLC膜に対する密着性がさらに
向上する。そのため、SiとCとを含有する中間層を上
記のような傾斜構造とすれば、寿命がより長くなる。特
に、母材に接する界面から10nmまで、あるいは、膜厚
の1/2までの小さい方のOを除いた組成の平均値が、
SiCstと表したとき、 s≦12.5、 0≦t≦20 であることが好ましい。また、DLC膜に接する界面か
ら10nmまで、あるいは、膜厚の1/2までの小さい方
のOを除いた組成の平均値が、SiCstと表したと
き、 12.5≦s、 0≦t≦20 であることが好ましい。
【0091】また、母材界面付近においては母材材料が
拡散していてもよく、DLC膜の界面付近においてはD
LC膜の構成成分が拡散していてもよい。
【0092】このような中間層は、通常、アモルファス
状態である。
【0093】中間層は、20A(2nm)〜5μm の厚さ
であることが好ましく、さらには50A(5nm)〜1μm
の厚さであることが好ましい。このような厚さとする
ことで密着性が向上する。これに対し、中間層が薄すぎ
ると密着性向上の効果が十分ではなくなり、厚すぎると
耐衝撃性が悪くなってくる。
【0094】このような中間層の成膜は、本発明の下地
層、中間層の第一の構成で説明した中間層と同様にすれ
ばよい。
【0095】なかでも、上記の中間層は、本発明の下地
層、中間層の第一の構成で説明した中間層と同様、スパ
ッタ法により形成することが好ましい。
【0096】ターゲットは、通常、中間層と同じ組成の
もの、つまり、SiCまたはSiCNを用いればよい
が、SiCとSiN、SiとC等をターゲットとする多
元スパッタとしてもよいし、反応性スパッタでC、N等
を導入する場合はその成分を含まないターゲットを用い
ることができる。
【0097】スパッタガスには、通常のスパッタ装置に
使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、K
r、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1
種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
【0098】また、反応性スパッタを行ってもよく、反
応性ガスとしては、炭素を導入する場合には、CH4
2 2 、C2 4 、CO等を用い、窒素を導入する場
合には、N2 、NH3 、NO、NO2 、N2 O等を用
い、珪素を導入する場合には、シランガス等を用いる。
また、水素を導入する場合には、H2等を用い、酸素を
導入する場合、O2 、CO等を用いる。これらの反応性
ガスは単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0099】スパッタ条件は、本発明の下地層、中間層
の第一の構成で説明した中間層と同様にすればよい。ま
た、2元スパッタで各ターゲットに投入するパワーを経
時変化させることにより、濃度勾配を有する中間層を容
易に得ることができる。
【0100】また、中間層は蒸着法により形成してもよ
く、この場合も本発明の下地層、中間層の第一の構成で
説明した中間層と同様に蒸着すればよい。
【0101】この他、SiC系膜は、本発明の下地層、
中間層の第一の構成で説明した方法、つまり、特願平2
−14480号に記載されているバイアス印加プラズマ
CVD法、または特開昭58−174507号および特
開平1−234396号に記載されたイオン化蒸着法が
使用できる。
【0102】この中間層の成膜には、特に、複雑な形状
の金型における密着力の点からスパッタ法が、膜欠陥の
少なさからプラズマCVD法が好ましく用いられる。
【0103】中間層は、生産性の点などから、通常、1
層のみを設けることが好ましいが、場合によっては、多
層構成としてもかまわない。多層構成とする場合は合計
で上記範囲の厚さとなるようにすればよい。
【0104】以上、本発明の下地層、中間層の構成につ
いて説明してきたが、これらの中でも、特に、第一の構
成の下地層および中間層、または、第二の構成の中間層
を設けることが好ましい。さらには、下地層がTi、T
a、V、CrおよびMoのいずれか一種以上、好ましく
はTaを含有し、中間層がSiである第一の構成の下地
層および中間層、下地層がTi、Ta、V、Crおよび
Moのいずれか一種以上、好ましくはTiおよび/また
はTaを含有し、中間層がSiC系膜である第一の構成
の下地層および中間層、または、第二の構成の中間層を
設けることが好ましい。
【0105】そして、本発明では、前述のような母材と
下地層との界面、または、母材と中間層との界面に酸素
を含有させる。母材の下地層または中間層に接する界面
から5nmまでの平均酸素濃度および/または下地層また
は中間層の母材に接する界面から5nmまでの平均酸素濃
度は3〜50mol%、好ましくは10〜40mol%であ
る。酸素濃度がこれより高くても低くても、密着力が悪
くなる。母材または下地層、中間層どちらか片方の界面
に酸素が含有されていれば密着性が向上するが、母材の
下地層または中間層に接する界面から5nmまでの平均酸
素濃度、下地層または中間層の母材に接する界面から5
nmまでの平均酸素濃度ともに3〜50mol%、特に10
〜40mol%であることが好ましい。なお、母材の下地
層または中間層に接する界面から5nmまでの平均酸素濃
度が上記の範囲であれば、母材がそれより深いところま
で酸素を含有していてもよい。また、下地層または中間
層の母材に接する界面から5nmまでの平均酸素濃度が上
記の範囲であれば、下地層または中間層全体が酸素を含
有していてもよい。
【0106】酸素濃度は、オージェ電子分光法(AE
S)により測定する。この方法を用いることで測定表面
から5nm程度までの酸素量を測定できる。実際には、D
LCを成膜する前にAr等で深さ方向に掘って測定すれ
ばよい。
【0107】母材に酸素を含有させる方法としては、自
然酸化、250〜750℃程度の熱酸化、プラズマ処理
等が挙げられる。
【0108】中でも、酸素等でプラズマ処理することが
好ましい。
【0109】プラズマ処理は、DCプラズマでもよい
が、RFプラズマを用いることが好ましい。
【0110】用いる処理ガスとしては、Oを含むガス、
例えば、酸素、酸化窒素、一酸化炭素等が挙げられ、中
でも、酸素を用いることが好ましい。また、ガスにはA
r等の不活性ガスを加えてもよい。
【0111】処理ガスの流量はその種類に応じて適宜決
定すればよい。その流量は使用するガスの種類や動作条
件などにより異なるが、通常O2換算で5〜1000SCC
M程度が好ましい。動作圧力は、通常0.002〜0.
5Torr程度が好ましい。
【0112】高周波誘導コイルに印加される高周波とし
ては、好ましくは周波数1〜50MHz程度、電力が0.
05〜5kW程度の高周波電力が印加されるが、これら
に限定されるものではなく、プラズマを発生、維持可能
な周波数、電力を与えればよい。また、DCプラズマで
は、電力は0.5〜30W/cm2程度が好ましい。
【0113】プラズマ処理の時間としては、0.1〜3
0分、特に0.15〜5分が好ましい。
【0114】また、母材の酸素濃度が高すぎる場合、逆
スパッタして酸素をとればよい。あるいは、ウェットお
よび/またはドライプロセスでエッチングしてもよい。
【0115】逆スパッタの場合、通常、RFスパッタ法
が用いられる。
【0116】本発明に使用されるRFスパッタ装置とし
ては、RF帯域の高周波を供給しうる電源を有するもの
であれば特に限定されるものではないが、通常、周波数
0.05〜50MHz 、投入電力50〜5000W程度
である。
【0117】使用されるスパッタガスとしては、通常の
スパッタ装置に使用される不活性ガスが使用可能である
が、好ましくはAr、Kr、Xeのいずれか、あるいは
これらの少なくとも1種以上のガスを含む混合ガスを用
いることが好ましい。スパッタガス圧力は、好ましくは
0.002〜0.5Torr、より好ましくは0.005〜
0.1Torr程度である。
【0118】逆スパッタ処理の時間としては、好ましく
は0.1〜30分、特に0.15〜10分が好ましい。
【0119】また、水素等を用いてプラズマ処理するこ
とで界面の酸素濃度は低下する。プラズマ処理は、酸素
を導入するための方法として説明した酸素等を用いたプ
ラズマ処理と同条件で行えばよい。処理ガスは、水素以
外に、Ar、Kr、Xe等を用いてもよい。また、水素
とこれらの不活性ガスを併用してもよい。
【0120】下地層または中間層に酸素を含有させる方
法としては、250〜750℃程度の熱酸化、反応性ス
パッタ、酸素雰囲気下の蒸着、酸化物の蒸着等が挙げら
れる。
【0121】下地層または中間層に酸素を含有させる方
法としては、特に反応性スパッタを用いることが好まし
い。
【0122】ターゲットは、通常、目的とする組成の酸
化物、下地層または中間層が含有する金属等の酸化物等
を用いる。また、下地層または中間層のOを除いた組成
のターゲットを用いて反応性スパッタを行ってもよい。
【0123】スパッタガスには、通常のスパッタ装置に
使用される不活性ガスが使用できる。中でも、Ar、K
r、Xeのいずれか、あるいは、これらの少なくとも1
種以上のガスを含む混合ガスを用いることが好ましい。
反応性ガスとしては、O2 、CO等が挙げられる。これ
らの反応性ガスは単独で用いても、2種以上を混合して
用いてもよい。
【0124】スパッタ条件は、本発明の下地層または中
間層の成膜方法と同様にすればよい。
【0125】また、スパッタ前の到達真空度を変えるこ
とによっても酸素を含有させることも好ましい。到達真
空度は5×10-7〜1×10-2Torr、特に1×10-6
1×10-4Torrの範囲が好ましい。この場合、反応性ス
パッタを行う必要はなく、通常のスパッタ法により下地
層または中間層を成膜すればよい。
【0126】また、目的とする組成の酸化物を蒸着した
り、酸素雰囲気下で下地層または中間層を蒸着すること
も好ましい。この場合、蒸着条件は、下地層または中間
層の成膜方法と同様にすればよい。
【0127】次に、上述のような中間層上に設けられる
ダイヤモンド状炭素膜について述べる。
【0128】ダイヤモンド状炭素(DLC:Diamond Li
ke Carbon)膜は、ダイヤモンド様炭素膜、i−カーボ
ン膜等と称されることもある。ダイヤモンド状炭素膜に
ついては、例えば、特開昭62−145646号公報、
同62−145647号公報、New Diamond Forum,第4
巻第4号(昭和63年10月25日発行)等に記載され
ている。
【0129】DLC膜は、上記文献(New Diamond Foru
m)に記載されているように、ラマン分光分析におい
て、1550cm-1にブロードな(1520〜1560cm
-1)ラマン吸収のピークを有し、1333cm-1に鋭いピ
ークを有するダイヤモンドや、1581cm-1に鋭いピー
クを有するグラファイトとは、明らかに異なった構造を
有する物質である。
【0130】DLC膜は、炭素と水素とを主成分とする
アモルファス状態の薄膜であって、炭素同士のsp3
合がランダムに存在することによって形成されている。
DLC膜の原子比C:Hは、通常、95〜60:5〜4
0程度である。
【0131】本発明において、DLC膜の厚さは、通
常、1〜10000nm、好ましくは10〜3000nmで
ある。
【0132】DLC膜は、炭素および水素に加え、S
i,N,O,Fの1種または2種以上を含有していても
よい。この場合、DLC膜は、基本組成をCHxSiy
zvwと表したとき、モル比を表すx,y,z,v,
wがそれぞれ、 0.05≦x≦0.7、 0≦y≦3.0、 0≦z≦1.0、 0≦v≦1.0、 0≦w≦0.2 であることが好ましい。
【0133】DLC膜のラマン分光分析における吸収ピ
ークは、上記のように1550cm-1にブロード(152
0〜1560cm-1)な吸収を有するが、炭素および水素
以外の上記元素を含有することにより、これから±10
0cm-1程度変動する場合もある。
【0134】DLC膜は、プラズマCVD法、イオン化
蒸着法、スパッタ法などで形成することができる。
【0135】DLC膜をプラズマCVD法により形成す
る場合、例えば特開平4−41672号公報等に記載さ
れている方法により成膜することができる。プラズマC
VD法におけるプラズマは、直流、交流のいずれであっ
てもよいが、交流を用いることが好ましい。交流として
は数ヘルツからマイクロ波まで使用可能である。また、
ダイヤモンド薄膜技術(総合技術センター発行)などに
記載されているECRプラズマも使用可能である。ま
た、バイアス電圧を印加してもよい。
【0136】DLC膜をプラズマCVD法により形成す
る場合、原料ガスには、下記化合物を使用することが好
ましい。
【0137】CおよびHを含有する化合物として、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
エチレン、プロピレン等の炭化水素が挙げられる。
【0138】C,HおよびSiを含む化合物としては、
メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テ
トラメチルシラン、ジエチルシラン、テトラエチルシラ
ン、テトラブチルシラン、ジメチルジエチルシラン、テ
トラフェニルシラン、メチルトリフェニルシラン、ジメ
チルジフェニルシラン、トリメチルフェニルシラン、ト
リメチルシリル−トリメチルシラン、トリメチルシリル
メチル−トリメチルシラン等がある。これらは併用して
もよく、シラン系化合物と炭化水素を用いてもよい。
【0139】C+H+Oを含む化合物としては、CH3
OH、C25OH、HCHO、CH3COCH3等があ
る。
【0140】C+H+Nを含む化合物としては、シアン
化アンモニウム、シアン化水素、モノメチルアミン、ジ
メチルアミン、アリルアミン、アニリン、ジエチルアミ
ン、アセトニトリル、アゾイソブタン、ジアリルアミ
ン、エチルアジド、MMH、DMH、トリアリルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニ
ルアミン等がある。
【0141】この他、Si+C+H、Si+C+H+O
あるいはSi+C+H+Nを含む化合物等と、O源ある
いはON源、N源、H源等とを組み合わせてもよい。
【0142】O源として、O2、O3等、C+O源とし
て、CO、CO2等、Si+H源として、SiH4等、H
源として、H2等、H+O源として、H2O等、N源とし
て、N2N+H源として、NH3等、N+O源として、N
O、NO2、N2OなどNOxで表示できるNとOの化合
物等、N+C源として、(CN)2等、N+H+F源と
して、NH4F等、O+F源として、OF2、O22、O
32等を用いてもよい。
【0143】上記原料ガスの流量は原料ガスの種類に応
じて適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、0.01
〜0.5Torr、投入電力は、通常、10W〜5kW程度が
好ましい。
【0144】DLC膜は、イオン化蒸着法により形成し
てもよい。イオン化蒸着法は、例えば特開昭58−17
4507号公報、特開昭59−174508号公報等に
記載されている。ただし、これらに開示された方法、装
置に限られるものではなく、原料用イオン化ガスの加速
が可能であれば他の方式のイオン蒸着技術を用いてもよ
い。この場合の装置の好ましい例としては、例えば、実
開昭59−174507号公報に記載されたイオン直進
型またはイオン偏向型のものを用いることができる。
【0145】イオン化蒸着法においては、真空容器内を
10-6Torr程度までの高真空とする。この真空容器内に
は交流電源によって加熱されて熱電子を発生するフィラ
メントが設けられ、このフィラメントを取り囲んで対電
極が配置され、フィラメントとの間に電圧Vdを与え
る。また、フィラメント、対電極を取り囲んでイオン化
ガス閉じこめ用の磁界を発生する電磁コイルが配置され
ている。原料ガスはフィラメントからの熱電子と衝突し
て、プラスの熱分解イオンと電子を生じ、このプラスイ
オンはグリッドに印加された負電位Vaにより加速され
る。この、Vd,Vaおよびコイルの磁界を調整するこ
とにより、組成や膜質を変えることができる。また、バ
イアス電圧を印加してもよい。
【0146】DLC膜をイオン化蒸着法により形成する
場合、原料ガスには、プラズマCVD法と同様のものを
用いればよい。上記原料ガスの流量はその種類に応じて
適宜決定すればよい。動作圧力は、通常、0.01〜
0.5Torr程度が好ましい。
【0147】DLC膜は、スパッタ法により形成するこ
ともできる。この場合、Ar、Kr等のスパッタ用のス
パッタガスに加えて、O2 、N2、NH3、CH4、H2
のガスを反応性ガスとして導入すると共に、C、Si、
SiO2、Si3 4、SiC等をターゲットとしたり、
C、Si、SiO2 、Si34、SiCの混成組成をタ
ーゲットとしたり、場合によっては、C、Si、N、O
を含む2以上のターゲットを用いてもよい。また、ポリ
マーをターゲットとして用いることも可能である。この
ようなターゲットを用いて高周波電力、交流電力、直流
電力のいずれかを印加し、ターゲットをスパッタし、こ
れを基板上にスパッタ堆積させることによりDLC膜を
形成する。高周波スパッタ電力は、通常、50W〜2kW
程度である。動作圧力は、通常、10-5〜10-3Torrが
好ましい。
【0148】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0149】<実施例1>母材には超硬合金G2を用い
た。サンプルの形状はほぼ直方体で、その大きさは縦2
0mm×横20mm×厚さ2mmとした。
【0150】まず、母材表面を、処理ガスにO210scc
mを用いて、3分間プラズマ処理した。このとき、プラ
ズマ発生用の交流電力は、周波数13.56MHzで0.
05kWとし、動作圧力は0.1Torrとした。
【0151】次に、母材上に、到達真空度を1×10-6
Torrにした後、Taをターゲットとして、高周波(R
F)スパッタ法により、下地層を成膜速度10nm/min
で、50nmの厚さに成膜した。このときのスパッタガス
はAr10sccmで、動作圧力は0.05Torrとした。ま
た、投入電力は周波数13.56MHzで500Wとし
た。また、下地層は、X線測定からアモルファス状態で
あることがわかった。
【0152】そして、Siをターゲットとして、高周波
(RF)スパッタ法により、中間層を成膜速度10nm/
minで、300nmの厚さに成膜した。このときのスパッ
タガスはAr10sccmで、動作圧力は0.05Torrとし
た。また、投入電力は周波数13.56MHzで500W
とした。また、中間層は、X線測定からアモルファス状
態であることがわかった。
【0153】ここで、Arで深さ方向に掘っていき、オ
ージェ電子分光法(AES)により酸素濃度を測定し
た。その結果、下地層の母材に接する界面から5nmまで
の平均酸素濃度も、母材の下地層に接する界面から5nm
までの平均酸素濃度も、10mol%だった。
【0154】そして、この中間層上に、プラズマCVD
法によりDLC膜を成膜した。すなわち、Si、C、
H、Oを含有する化合物の原料ガスとしてSi(OCH
34を流量5SCCM、CH4を流量6SCCMにて導入した。
動作圧0.05Torrでプラズマ発生用の交流として、R
F500Wを加え、セルフバイアス−400Vにて、膜
厚1μmとなるように成膜し、DLC膜を設層した。D
LC膜の組成はCH0.17Si0.10.17であった。
【0155】このようにして得られたDLC膜を被覆し
た部材のサンプルについて、耐熱性試験を行った。
【0156】(耐熱性試験)図1に示すような炉1を用
い、炉1内のセラミック台2上にサンプル3を載置し、
炉1内にダクト4を介して大気を導入し、炉1内の雰囲
気温度が350℃となるように加熱した。なお、ダクト
4は大気導入用であるとともに排気用である。サンプル
3の温度が350℃に達した時点を起点にし、サンプル
3でのDLC膜の剥離面積がDLC膜全体の10%に達
した時点を不可とし、この不可の時点に達するまでの時
間を寿命とし、耐熱性を評価した。
【0157】その結果を表1に示す。
【0158】<実施例2〜4>母材のプラズマ処理のパ
ワーと、下地層の成膜の前の到達真空度とを変えて母材
および下地層の界面酸素量を表1に示されるように変え
た他は、実施例1と同様にしてDLC膜を被覆した部材
のサンプルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を行
った。その結果を表1に示す。
【0159】<比較例1、2>母材のプラズマ処理のパ
ワーと、下地層の成膜の前の到達真空度とを変えて母材
および下地層の界面酸素量を表1に示されるように変え
た他は、実施例1と同様にしてDLC膜を被覆した部材
のサンプルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を行
った。その結果を表1に示す。また、酸素量の少ない比
較例1のサンプルは、母材表面の酸素処理のところで、
2をArに変えてエッチングを行うことにより作成し
た。
【0160】<比較例3>下地層と中間層とを設けなか
った他は、実施例1と同様にしてDLC膜を被覆した部
材のサンプルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を
行った。その結果を表1に示す。なお、DLC膜は原料
ガスにCH4を用い、膜の組成はCH0.2だった。
【0161】<比較例4>下地層を設けなかった他は、
実施例1と同様にしてDLC膜を被覆した部材のサンプ
ルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0162】
【表1】
【0163】表1より、母材および下地層の界面酸素量
が3〜50mol%、特に10〜40mol%である本発明の
DLC膜を被覆した部材は、比較例のものよりも、密着
性が向上し、高温条件下で寿命が長かった。
【0164】また、下地層、中間層を設けなかった比較
例3、下地層を設けなかった比較例4のDLC膜を被覆
した部材は、高温条件下で寿命が非常に短かった。
【0165】<実施例5>中間層をSiCをターゲット
として成膜した他は、実施例2と同様にしてDLC膜を
被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同様にして耐
熱性試験を行った。その結果を表2に示す。なお、中間
層の組成は、SiCだった。
【0166】<実施例6>中間層を、原料としてSi2
6およびCH4を用い、バイアス電圧−250V、流量
60sccm、全圧0.05Torr、RF電力500W、反応
温度10分、基板温度200℃、電極間距離4.0cmの
条件で厚さ0.3μm に成膜した他は、実施例2と同様
にしてDLC膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例
1と同様にして耐熱性試験を行った。その結果を表2に
示す。なお、中間層の組成は、SiC6.14.6だった。
また、このような中間層はX線測定からアモルファス状
態であることがわかった。
【0167】
【表2】
【0168】このように組成を変えても、本発明の部材
は長寿命が得られた。
【0169】<実施例7〜14>下地層の組成を表3に
示されるように変えた他は、実施例2と同様にしてDL
C膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同様に
して耐熱性試験を行った。その結果を表3に示す。
【0170】
【表3】
【0171】このように組成を変えても、本発明の部材
は長寿命が得られた。
【0172】また、中間層を、SiC、SiC5.94.6
としても同等の結果が得られた。
【0173】<実施例15、16>下地層の組成を表4
に示されるように変えた他は、実施例2と同様にしてD
LC膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同様
にして耐熱性試験を行った。その結果を表4に示す。
【0174】
【表4】
【0175】このように組成を変えても、本発明の部材
は長寿命が得られた。
【0176】また、中間層を、SiC、SiC6.04.8
としても同等の結果が得られた。
【0177】また、下地層のTaをTiに変えても同等
の結果が得られた。また、下地層のTaをZr,Hf,
V,Nb,Cr,Mo,Wに変えても同様の効果が得ら
れた。
【0178】<実施例17>母材には実施例1と同じ超
硬合金G2(JIS)を用いた。
【0179】まず、母材表面を、処理ガスにO210scc
mを用いて、3分間プラズマ処理した。このとき、プラ
ズマ発生用の交流電力は、周波数13.56MHzで0.
05kWとし、動作圧力は0.05Torrとした。
【0180】次に、母材上に、到達真空度を1×10-6
Torrにした後、TiSi2をターゲットとして、高周波
(RF)スパッタ法により、中間層を成膜速度10nm/
minで、300nmの厚さに成膜した。このときのスパッ
タガスはAr10sccmで、動作圧力は0.05Torrとし
た。また、投入電力は周波数13.56MHzで500W
とした。成膜した中間層のTiとSiのモル比はターゲ
ットと同じであった。また、このような中間層はX線測
定からアモルファス状態であることがわかった。
【0181】ここで、Arで深さ方向に掘っていき、オ
ージェ電子分光法(AES)により酸素濃度を測定し
た。その結果、下地層の母材に接する界面から5nmまで
の平均酸素濃度も、母材の下地層に接する界面から5nm
までの平均酸素濃度も、10mol%だった。
【0182】そして、この中間層上に、プラズマCVD
法によりDLC膜を成膜した。すなわち、Si、C、
H、Oを含有する化合物の原料ガスとしてSi(OCH
34を流量5SCCM、CH4を流量6SCCMにて導入した。
動作圧0.05Torrでプラズマ発生用の交流として、R
F500Wを加え、セルフバイアス−400Vにて、膜
厚1μmとなるように成膜し、DLC膜を設層した。D
LC膜の組成はCH0.17Si0.10.17であった。
【0183】このようにして得られたDLC膜を被覆し
た部材のサンプルについて、実施例1と同様にして耐熱
性試験を行った。その結果を表5に示す。
【0184】<実施例18〜20>母材のプラズマ処理
のパワーと、中間層の成膜の前の到達真空度および中間
層の成膜の際のスパッタガスの酸素流量とを変えて母材
および中間層の界面酸素量を表5に示されるように変え
た他は、実施例17と同様にしてDLC膜を被覆した部
材のサンプルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を
行った。その結果を表5に示す。また、酸素量の少ない
実施例20のサンプルは、母材表面の酸素処理のところ
で、O2をArに変えてエッチングを行うことにより作
成した。
【0185】<比較例5、6>母材のプラズマ処理のパ
ワーと、中間層の成膜の前の到達真空度とを変えて母材
および中間層の界面酸素量を表5に示されるように変え
た他は、実施例17と同様にしてDLC膜を被覆した部
材のサンプルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を
行った。その結果を表5に示す。また、酸素量の少ない
比較例5のサンプルは、母材表面の酸素処理のところ
で、O2をArに変えてエッチングを行うことにより作
成した。
【0186】
【表5】
【0187】表5より、母材および中間層の界面酸素量
が3〜50mol%、特に10〜40mol%である本発明の
DLC膜を被覆した部材は、比較例のものよりも、密着
性が向上し、高温条件下で寿命が長かった。
【0188】<実施例21〜24>中間層をTaSiC
をターゲットとして成膜し、中間層の組成を表6に示さ
れるように変えた他は、実施例17〜20と同様にして
DLC膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同
様にして耐熱性試験を行った。その結果を表6に示す。
【0189】<比較例7、8>母材のプラズマ処理のパ
ワーと、中間層の成膜の前の到達真空度および/または
中間層の成膜の際のスパッタガスの酸素流量とを変えて
母材および中間層の界面酸素量を表6に示されるように
変えた他は、実施例21〜24と同様にしてDLC膜を
被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同様にして耐
熱性試験を行った。その結果を表6に示す。
【0190】
【表6】
【0191】表6より、母材および中間層の界面酸素量
が3〜50mol%、特に10〜40mol%である本発明の
DLC膜を被覆した部材は、比較例のものよりも、密着
性が向上し、高温条件下で寿命が長かった。
【0192】<実施例25〜39>中間層の組成を表7
に示されるように変えた他は、実施例18または22と
同様にしてDLC膜を被覆した部材のサンプルを得、実
施例1と同様にして耐熱性試験を行った。その結果を表
7に示す。
【0193】
【表7】
【0194】このように組成を変えても、本発明の部材
は長寿命が得られた。
【0195】<実施例40>2元スパッタで各ターゲッ
トに投入するパワーを経時変化させて中間層を成膜し、
母材側にTiが多く、DLC膜側にSiが多い傾斜構造
を有するものとした他は、実施例18と同様にしてDL
C膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同様に
して耐熱性試験を行った。このとき、母材に接する界面
から10nmまでのOを除いた組成の平均値はTiSi
0.5、DLC膜に接する界面から10nmまでのOを除い
た組成の平均値はTiSi10だった。また、母材および
中間層の界面酸素量は、実施例18と同じ40mol%だ
った。
【0196】中間層が傾斜構造を有するこの部材の寿命
は1500hrであり、中間層の組成が均一な実施例18
の部材(寿命1000hr)よりも長寿命だった。
【0197】<実施例41>2元スパッタで各ターゲッ
トに投入するパワーを経時変化させて中間層を成膜し、
母材側にTiが多く、DLC膜側にSi、Cが多い傾斜
構造を有するものとした他は、実施例22と同様にして
DLC膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同
様にして耐熱性試験を行った。このとき、母材に接する
界面から10nmまでのOを除いた組成の平均値はTiS
0.50.5、DLC膜に接する界面から10nmまでのO
を除いた組成の平均値はTiSi88だった。また、母
材および中間層の界面酸素量は、実施例22と同じ40
mol%だった。
【0198】中間層が傾斜構造を有するこの部材の寿命
は1400hrであり、中間層の組成が均一な実施例22
の部材(寿命1000hr)よりも長寿命だった。
【0199】<実施例42>実施例1と同様にプラズマ
処理を施した母材上に、到達真空度を調節した後、中間
層としてSiの炭化物(SiC)または炭窒化物(Si
0.40.8)を反応性スパッタ法により成膜し、その上
に実施例1と同様にDLC膜を成膜してDLC膜を被覆
した部材のサンプルを得た。このとき、中間層のOを除
いた組成はそれぞれSiCとSiC0.40.8であり、い
ずれも母材および中間層の界面酸素量は30mol%であ
った。そして、実施例1と同様にして耐熱性試験を行っ
たところ、中間層のOを除いた組成がSiCのサンプル
の寿命は250hrであり、SiC0.40.8のサンプルの
寿命は230hrであり、どちらも母材と中間層が酸素を
含有しない比較サンプルに比べて寿命が延びた。
【0200】なお、以上、実施例では、母材と、下地層
または中間層とに酸素を含有させたが、母材のみ酸素を
含有させても、下地層または中間層のみ酸素を含有させ
ても同様の効果が得られた。
【0201】<実施例43>母材を工具綱SKD11
(JIS)に変えた他は、実施例1〜42と同様にして
DLC膜を被覆した部材のサンプルを得、実施例1と同
様にして耐熱性試験を行った。この結果、用いた中間層
構成に応じて、同様の結果が得られた。
【0202】<実施例44>母材をステンレス綱SUS
420J(JIS)に変えた他は、実施例1〜42と同
様にしてDLC膜を被覆した部材のサンプルを得、実施
例1と同様にして耐熱性試験を行った。この結果、用い
た中間層構成に応じて、同様の結果が得られた。
【0203】<実施例45>Si(OCH34を流量5
SCCM、NO2を流量5SCCM、CH4を流量4SCCMにて導入
し、膜厚1μmとなるようにDLC膜を成膜した他は、
実施例1と同様にしてDLC膜を被覆した部材のサンプ
ルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を行った。こ
の結果、実施例1と同様の結果が得られた。なお、DL
C膜の組成は、CH0.13Si0.150.260.13だった。
【0204】<実施例46>CH4を流量10SCCMにて
導入し、膜厚1μmとなるようにDLC膜を成膜した他
は、実施例1と同様にしてDLC膜を被覆した部材のサ
ンプルを得、実施例1と同様にして耐熱性試験を行っ
た。この結果、実施例1と同様の結果が得られた。な
お、DLC膜の組成は、CH0.25だった。
【0205】
【発明の効果】本発明によれば、特に高温条件下におけ
る母材とDLC膜との密着性を向上させ、DLC膜を被
覆した部材の寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の耐熱性試験に用いた炉を示す概略構
成図である。
【符号の説明】
1 炉 2 セラミック台 3 サンプル 4 ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/06 C23C 14/06 F Fターム(参考) 4E092 AA01 AA05 AA09 GA10 4F100 AA12C AA15C AA16D AA32C AA37B AA40C AA40D AB04A AB11D AB12C AB13C AB19C AB20C AB31A AB40A AB40C AS00B AT00A BA04 BA07 BA10A BA10B GB51 JA20B JA20D JJ03 JK09 JK10 JK12A JL11 JM02B YY00B YY00D 4K029 AA02 AA04 BA02 BA07 BA11 BA16 BA17 BA31 BA35 BA41 BA52 BA54 BA55 BA56 BD05 CA03 CA05 CA06 DC03 DC05 EA00 FA05 4K030 AA06 AA09 AA10 BA06 BA10 BA12 BA13 BA17 BA18 BA19 BA20 BA22 BA24 BA28 BA29 BA35 BA36 BA37 BA41 BA48 BA53 BA56 BA57 BB12 CA02 CA03 DA02 FA01 HA01 HA04 JA06 LA01 LA21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆し
    た部材であって、 母材上に、周期表第4A族(4族)金属(Ti,Zr,
    Hf)、周期表第5A族(5族)金属(V,Nb,T
    a)および周期表第6A族(6族)金属(Cr,Mo,
    W)のいずれか一種以上を含有する下地層を有し、 この下地層上に、Siを含有する中間層を有し、 この中間層上に、ダイヤモンド状炭素膜を有し、 前記下地層の前記母材に接する界面から5nmまでの平均
    酸素濃度および/または前記母材の前記下地層に接する
    界面から5nmまでの平均酸素濃度が、3〜50mol%で
    あるダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材。
  2. 【請求項2】 前記中間層が、SiまたはSiの炭化物
    から形成されている請求項1のダイヤモンド状炭素膜を
    被覆した部材。
  3. 【請求項3】 前記中間層の組成を、SiCpqと表し
    たとき 0≦p≦25、 0≦q≦20 である請求項2のダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
    材。
  4. 【請求項4】 前記下地層が、周期表第4A族(4族)
    金属(Ti,Zr,Hf)、周期表第5A族(5族)金
    属(V,Nb,Ta)および周期表第6A族(6族)金
    属(Cr,Mo,W)のいずれか一種以上を、金属、炭
    化物または炭窒化物のいずれかの形で含有する請求項1
    〜3のいずれかのダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
    材。
  5. 【請求項5】 母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆し
    た部材であって、 母材上に、周期表第5A族(5族)金属(V,Nb,T
    a)の珪化物、これらの珪炭化物、周期表第6A族(6
    族)金属(Cr,Mo,W)の珪化物、これらの珪炭化
    物、Tiの珪化物、Tiの珪炭化物、Zrの珪化物およ
    びZrの珪炭化物のいずれか一種以上を含有する中間層
    を有し、 この中間層上に、ダイヤモンド状炭素膜を有し、 前記下地層の前記母材に接する界面から5nmまでの平均
    酸素濃度および/または前記母材の前記下地層に接する
    界面から5nmまでの平均酸素濃度が、3〜50mol%で
    あるダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材。
  6. 【請求項6】 前記中間層のOを除いた組成をMSia
    b(ただし、MはV、Nb、Ta、Cr、Mo、W、
    TiおよびZrのいずれか一種以上である)と表したと
    き 0.3≦a≦10、 0≦b≦5、 0.3≦a+b≦10 である請求項5のダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
    材。
  7. 【請求項7】 前記中間層が、前記母材側にV、Nb、
    Ta、Cr、Mo、W、TiおよびZrのいずれか一種
    以上が多く、前記ダイヤモンド状炭素膜側にSiおよび
    /またはCが多い傾斜構造を有する請求項5または6の
    ダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材。
  8. 【請求項8】 母材上にダイヤモンド状炭素膜を被覆し
    た部材であって、 母材上に、Siの炭化物または炭窒化物を含有する中間
    層を有し、 この中間層上に、ダイヤモンド状炭素膜を有し、 前記下地層の前記母材に接する界面から5nmまでの平均
    酸素濃度および/または前記母材の前記下地層に接する
    界面から5nmまでの平均酸素濃度が、3〜50mol%で
    あるダイヤモンド状炭素膜を被覆した部材。
  9. 【請求項9】 前記母材がステンレス鋼、SKS、SKD、超
    硬合金、ステライト、SNCMまたはDC53である請求項1
    〜8のいずれかのダイヤモンド状炭素膜を被覆した部
    材。
  10. 【請求項10】 前記ダイヤモンド状炭素膜の基本組成
    をCHxSiyzvwと表したとき、 モル比を表すx,y,z,v,wがそれぞれ、 0.05≦x≦0.7、 0≦y≦3.0、 0≦z≦1.0、 0≦v≦1.0、 0≦w≦0.2 である請求項1〜9のいずれかのダイヤモンド状炭素膜
    を被覆した部材。
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