JP2002125917A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2002125917A
JP2002125917A JP2000329177A JP2000329177A JP2002125917A JP 2002125917 A JP2002125917 A JP 2002125917A JP 2000329177 A JP2000329177 A JP 2000329177A JP 2000329177 A JP2000329177 A JP 2000329177A JP 2002125917 A JP2002125917 A JP 2002125917A
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lubricant
optical fiber
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JP2000329177A
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English (en)
Inventor
Sukenao Abe
祐尚 阿部
Shinji Hayakawa
真司 早川
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】湾曲抵抗が小さく、繰り返し使用しても損傷、
破損を生じにくい内視鏡を提供すること。 【解決手段】本発明の内視鏡は、可撓性(柔軟性)を有
する挿入部2と、挿入部2の基端側に設置された操作部
とを有している。挿入部2は、外皮382などで構成さ
れた管腔の内部に、チューブやワイヤーなどの長尺部材
が配設された構成となっている。管腔の内部には潤滑剤
5が配設され、管腔の内面および長尺部材の表面には、
ダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された被覆層4が
形成されている。被覆層4の厚さは、0.01〜8μm
であるのが好ましい。ボールオンディスク法により測定
される被覆層4の摩擦係数μは、0.05〜0.7であ
るのが好ましい。潤滑剤5は、フッ化炭素、窒化ホウ
素、黒鉛、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を含むも
のであるのが好ましい。潤滑剤5は、平均粒径が0.0
1〜20μmの粉末であるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】医療の分野では、消化管等の検査、診断
などに、内視鏡が使用されている。この内視鏡は、体腔
内に挿入される挿入部と、この挿入部の基端側に設置さ
れ、挿入部の先端部を湾曲操作する操作部とを有してい
る。また、この内視鏡は、操作部から延設され、光源装
置や制御装置に接続される接続部を有する。
【0003】挿入部は、曲がった体腔内に挿入され、こ
れに追従できるよう、可撓性を有する可撓管と、その先
端側において湾曲操作される湾曲部とを有する。
【0004】ところで、この挿入部内には、先端方向に
存在する湾曲部を湾曲させる湾曲機構、前記光源装置か
らの光を先端部に伝達するライトガイド、被写体の画像
を操作部に伝達するイメージガイド、治療・細胞検査等
を行う鉗子を挿通するチューブ、薬液等を注入する送気
・送液チューブなどの長尺部材が必要に応じ長手方向に
配設されている。
【0005】そして、この可撓管や湾曲部を湾曲させる
と、湾曲させたことにより内蔵する各長尺部材に摩擦が
生じ、圧力が作用する。この摩擦や圧力から各長尺部材
を保護するため、従来、各長尺部材の周りに潤滑剤を配
していた。
【0006】ところで、このような内視鏡は、繰り返し
使用されるため、その都度、洗浄および滅菌を行う必要
がある。
【0007】従来用いられていた潤滑剤は、このような
滅菌処理により、変質、劣化するという問題点を有して
いた。このような潤滑剤の変質、劣化は、潤滑性の低下
や、内視鏡の故障の原因となる。
【0008】また、耐薬品性にすぐれ、このような滅菌
処理を施してもほとんど変質、劣化しない潤滑剤も知ら
れているが、このような潤滑剤を用いた場合、内視鏡の
用途等によっては、十分な潤滑性が得られず、摺動抵抗
が大きい。特に、ライトガイドやイメージガイドを構成
する光学繊維(光ファイバー)は、十分な潤滑性が得ら
れないと、損傷、破損することがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、湾曲
抵抗が小さく、繰り返し使用しても損傷、破損を生じに
くい内視鏡を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(22)の本発明により達成される。
【0011】(1) 管腔と、その内部に配設された長
尺部材とを有する内視鏡であって、前記管腔の内面およ
び/または前記部材の表面の少なくとも一部にダイヤモ
ンド様炭素(DLC)で構成された被覆層が形成されて
いることを特徴とする内視鏡。
【0012】これにより、湾曲抵抗が小さく、繰り返し
使用しても損傷、破損を生じにくい内視鏡を提供するこ
とができる。
【0013】(2) 前記被覆層は、気相成膜法により
形成されたものである上記(1)に記載の内視鏡。これ
により、被覆層と、該被覆層の形成部位との密着性が向
上する。
【0014】(3) 前記気相成膜法は、化学蒸着法
(CVD)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレー
ティングの中から選択されるいずれかの方法である上記
(2)に記載の内視鏡。これにより、被覆層と、該被覆
層の形成部位との密着性が向上する。
【0015】(4) 前記被覆層は、0.05〜30μ
m/hの成膜速度で形成されたものである上記(1)な
いし(3)のいずれかに記載の内視鏡。これにより、潤
滑性に優れた被覆層を、生産性良く形成することができ
る。
【0016】(5) 前記被覆層の平均厚さは、0.0
1〜8μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに
記載の内視鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに
小さくなる。
【0017】(6) ボールオンディスク法により測定
される前記被覆層の摩擦係数μは、0.05〜0.7で
ある上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視
鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくな
る。
【0018】(7) 前記長尺部材は、前記管腔に対し
相対的に移動可能である上記(1)ないし(6)のいず
れかに記載の内視鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗が
さらに小さくなる。
【0019】(8) 前記管腔の内部には潤滑剤が配さ
れている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内
視鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくな
る。
【0020】(9) 前記潤滑剤は、粉末潤滑剤を含む
ものである上記(8)に記載の内視鏡。
【0021】これにより、潤滑剤の取り扱いが容易とな
るとともに、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくなる。
【0022】(10) 前記粉末潤滑剤の平均粒径は、
0.01〜20μmである上記(9)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小さくなる。
【0023】(11) 前記潤滑剤は、フッ化炭素、窒
化ホウ素、黒鉛、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を
含むものである上記(8)ないし(10)のいずれかに
記載の内視鏡。
【0024】これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに小
さくなり、また、耐薬品性が向上する。
【0025】(12) 前記潤滑剤は、シリコーンゲ
ル、グリースのうち少なくとも1種を含むものである上
記(8)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
【0026】これにより、潤滑剤の取り扱いが容易とな
るとともに、管腔の内部に配設された長尺部材を衝撃等
から保護することが可能となる。
【0027】(13) 前記潤滑剤は、前記部材の周囲
に配されている上記(8)ないし(12)のいずれかに
記載の内視鏡。これにより、内視鏡の湾曲抵抗がさらに
小さくなる。
【0028】(14) 前記長尺部材は、ワイヤーであ
る上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の内視
鏡。
【0029】これにより、ワイヤーの牽引を円滑に行う
ことができるようになり、内視鏡の湾曲操作の操作性、
追従性が向上する。
【0030】(15) 前記長尺部材は、チューブであ
る上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の内視
鏡。
【0031】これにより、管腔内の長尺部材が損傷、破
損するのをより効果的に防止することができる。
【0032】(16) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、前記潤滑剤が、前記光学繊維束の外表面の少なく
とも一部に配されている上記(8)ないし(15)のい
ずれかに記載の内視鏡。
【0033】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0034】(17) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、前記潤滑剤が、前記光学繊維束を構成する各光学
繊維の外表面の少なくとも一部に配されている上記
(8)ないし(16)のいずれかに記載の内視鏡。
【0035】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0036】(18) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、ダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された被覆
層が、前記光学繊維束の外表面の少なくとも一部に形成
されている上記(1)ないし(17)のいずれかに記載
の内視鏡。
【0037】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0038】(19) 前記長尺部材は、光学繊維束で
あり、ダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された被覆
層が、前記光学繊維束を構成する各光学繊維の外表面の
少なくとも一部に形成されている上記(1)ないし(1
8)のいずれかに記載の内視鏡。
【0039】これにより、光学繊維束が損傷、破損する
のをより効果的に防止することができる。
【0040】(20) 前記被覆層は、下地層を介し
て、前記管腔の内面および/または前記部材の表面に形
成されたものである上記(1)ないし(19)のいずれ
かに記載の内視鏡。これにより、被覆層と、該被覆層の
形成部位との密着性が向上する。
【0041】(21) 前記下地層は、W、Cr、T
i、Co、Si、Alのうち少なくとも1種を含む材料
で構成されたものである上記(20)に記載の内視鏡。
これにより、被覆層と、該被覆層の形成部位との密着性
が向上する。
【0042】(22) 前記下地層は、スパッタリング
により形成されたものである上記(20)または(2
1)に記載の内視鏡。これにより、被覆層と、該被覆層
の形成部位との密着性が向上する。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡を添付図面
に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0044】図1は、本発明の内視鏡(ファイバースコ
ープタイプ)の実施形態を示す全体図、図2は、図1に
示す内視鏡における可撓管の横断面図、図3は、図1に
示す内視鏡における湾曲部の縦断面図、図4は、図2に
示す縦断面図の一部(ライトガイドを構成する光学繊維
束の中央部付近)を拡大して示す拡大断面図である。以
下、図1中、上方を「基端」、下方を「先端」という。
【0045】図1に示すように、本発明の内視鏡1は、
可撓性(柔軟性)を有する長尺物の挿入部2と、挿入部
2の基端側に設置された操作部7とを有している。操作
部7は、術者が把持して内視鏡1全体を操作する部分で
ある。
【0046】図1に示すように、操作部7は、その外壁
を形成する操作部本体71および操作部カバー72と、
後述する湾曲部21を遠隔的に湾曲操作(屈曲操作)す
るための湾曲操作機構と、挿入部2の先端部に供給する
流体を導入する送気・送液チャンネルとを有している。
操作部本体71には、その湾曲操作を行うための湾曲操
作レバー73が回動自在に支持されている。
【0047】操作部本体71の頭部(基端側)には、接
眼部8が設けられている。この接眼部8により、被写体
の画像を直接観察することができる。また、この接眼部
8は、CCD(撮像素子)および撮像光学系等を内蔵す
るカメラ(図示せず)に着脱自在に接続し得るようにな
っている。このため、被写体をモニター画像として観察
することもできる。
【0048】また、操作部本体71における湾曲操作レ
バー73の支持部と反対側には、後述するライトガイド
32が挿通されている可撓性の接続部可撓管9が接続さ
れている。この接続部可撓管9の先端部には、図示しな
い光源装置に接続されるコネクタ10が連結されてい
る。
【0049】挿入部2は、体腔内に挿入して使用され
る。図1に示すように、挿入部2は、手元(基端)側か
ら可撓管20、その先端側に、湾曲(屈曲)可能な湾曲
部21を有している。そして、この湾曲部21の先端
に、先端部22が形成され、さらにその先端には、最先
端部23が形成されている。
【0050】図2に示すように、挿入部2では、外管2
4の内部(管腔)に、イメージガイド31と、ライトガ
イド32と、鉗子挿通用チューブ33と、送気用チュー
ブ34と、送液用チューブ35とが、長手方向に沿って
配設されている。
【0051】これらの各長尺部材(イメージガイド31
と、ライトガイド32と、鉗子挿通用チューブ33と、
送気用チューブ34と、送液用チューブ35)は、外管
24により、外部から隔絶され、保護されている。さら
に、外管24は、挿入部2の表面に接触する物質、例え
ば、薬品や体液などが挿入部2の内部に浸透するのを防
止し、挿入部2内の各部材を保護する。この外管24
は、内側から順に、ワイヤー挿通構縁37と、内皮38
1と、外皮382とが積層された層構造をなしている。
【0052】外皮382は、摩擦により体腔内の組織に
損傷を与えることを防止するため、柔軟性(可撓性)を
有する材料で構成されているのが好ましい。外皮382
の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレ
ン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフ
ッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等の各種可撓性を有する
樹脂や、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系
エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリア
ミド系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、フ
ッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム
等の各種エラストマーのうちの、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0053】外皮382の厚さは、挿入部2内の各種部
材を保護可能であり、かつ、挿入部2の可撓性・湾曲性
を妨げないものであれば特に限定されず、100〜30
00μm程度が好ましく、200〜1000μm程度が
より好ましい。
【0054】次に、外管24の内部に配設された長尺部
材(イメージガイド31、ライトガイド32、鉗子挿通
用チューブ33、送気用チューブ34、送液用チューブ
35)について説明する。
【0055】イメージガイド31は、被写体の画像を接
眼部8へ伝達する。このイメージガイド31は、光学繊
維束と、該光学繊維束を保護するための保護チューブ
(第1保護チューブ311および第2保護チューブ31
2)とで構成されている。
【0056】光学繊維束は、複数本の光学繊維6(光フ
ァイバー)で構成されている。各光学繊維6は、接眼部
8と最先端部23の両端部において例えば接着剤により
束ねて固定され、他の部分では、各光学繊維6が個々に
移動可能な状態となっている。これにより、両端部以外
のイメージガイド31の横断面形状は、必要に応じ変形
することができる。
【0057】図3に示すように、挿入部2の最先端部2
3には、対物レンズ39が設置されている。イメージガ
イド31の先端(被写体光の入射端)は、この対物レン
ズ39に接続されている。
【0058】この対物レンズ39は、被写体の画像をイ
メージガイド31の入射端に結像させることができる。
【0059】ライトガイド32は、コネクタ10に接続
された図示しない光源装置の光源からの光を導き、最先
端部23の前方に照射する。これにより、被写体を観察
する際に必要な照明光を得ることができる。
【0060】このライトガイド32は、光学繊維束と、
該光学繊維束を保護するための保護チューブ321とで
構成されている。
【0061】光学繊維束は、複数本の光学繊維6(光フ
ァイバー)で構成されている。各光学繊維6は、コネク
タ10と最先端部23の両端部において例えば接着剤に
より束ねて固定され、他の部分では、各光学繊維6が個
々に移動可能な状態となっている。これにより、両端部
以外のライトガイド32の横断面形状は、必要に応じ変
形することができる。
【0062】イメージガイド31およびライトガイド3
2に用いられる光学繊維6は、石英、多成分ガラス、プ
ラスチック等により構成されている。
【0063】これら光学繊維束を構成する光学繊維6の
直径は、特に限定されないが、2〜40μm程度が好ま
しく、4〜10μm程度がより好ましい。直径が前記下
限値未満であると、光学繊維束の間隙への潤滑剤5の充
填性が悪くなる場合がある。一方、直径が前記上限値を
超えると、画素密度の低下や導光の効率が悪くなる場合
がある。
【0064】鉗子挿通用チューブ33は、中空構造であ
り、ここに鉗子が挿通される。この鉗子により、内視鏡
1は最先端部23の近傍で、種々の処置、治療等を行う
ことができる。
【0065】なお、この鉗子挿通用チューブ33には鉗
子以外の他の医療処置具、診断具などを挿通してもよ
い。
【0066】送気用チューブ34、送液用チューブ35
は、挿入部2の先端で開放しており、その先端開口によ
り体腔内に流体を注入し、あるいは、体腔内から流体を
吸引することができる。例えば、送液用チューブ35に
より、操作部7の前記送気・送液チャンネルから導入さ
れた洗浄水、薬液等を、体腔内に挿入・留置された最先
端部23の近傍に注入、あるいは最先端部23の近傍の
体液等を回収することができる。
【0067】また、図2に示すように、外管24の内側
には管腔が形成されており、この外管24の内面には、
ダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された被覆層4が
形成されている。さらに、この管腔内に配設された各長
尺部材(イメージガイド31、ライトガイド32、鉗子
挿通用チューブ33、送気用チューブ34、送液用チュ
ーブ35)の表面にも被覆層4が形成されており、外管
24の内部(管腔)には、潤滑剤5が配されている。
【0068】被覆層4は、後に詳述するように、優れた
潤滑性を有している。このため、各長尺部材が外管24
(管腔)に対し相対的に移動した場合(例えば、挿入部
2が湾曲した場合)における、長尺部材−長尺部材間お
よび外管−長尺部材間の摩擦抵抗は小さなものとなる。
したがって、各長尺部材が円滑に移動することが可能と
なり、挿入部2の湾曲抵抗が小さなものとなる。その結
果、各長尺部材の損傷、破損等を効果的に防止すること
が可能となる。
【0069】また、外管24の内部(管腔)に配された
潤滑剤5も、優れた潤滑性を有している。したがって、
潤滑剤5が配されることにより、前述した被覆層4によ
る効果と、潤滑剤5による効果とが相乗的に作用する。
その結果、挿入部2の湾曲抵抗はさらに小さなものとな
り、また、摩擦による損傷から各部材をより確実に保護
することができる。
【0070】また、図2に示すように、保護チューブ3
21の内側には管腔が形成されており、この保護チュー
ブ321の内面には、被覆層4が形成されている。ま
た、この管腔内には長尺部材として光学繊維束が配設さ
れている。さらに、図4に示すように、この光学繊維束
を構成する各光学繊維6の表面には被覆層4が形成され
ており、各光学繊維6の周囲には潤滑剤5が配されてい
る。
【0071】このように、ライトガイド32の光学繊維
束を構成する各光学繊維6の表面および光学繊維束を被
覆する保護チューブ321の内面に被覆層4が形成され
ることにより、光学繊維6が保護チューブ321に対し
相対的に移動した場合(例えば、挿入部2が湾曲した場
合)における、光学繊維6−光学繊維6間および光学繊
維6−保護チューブ321間の摩擦抵抗は小さなものと
なる。このため、各光学繊維6が円滑に移動することが
可能となり、挿入部2の湾曲抵抗が小さなものとなる。
したがって、挿入部2の湾曲時などにおける各光学繊維
への引張り、圧迫、挫屈が抑制され、結果として、ライ
トガイド32の損傷、破損等を効果的に防止することが
できる。
【0072】また、各光学繊維6の周囲に潤滑剤5が配
されることにより、被覆層4による効果と、潤滑剤5に
よる効果とが相乗的に作用し、ライトガイド32の損
傷、破損等を、より効果的に防止することが可能とな
る。
【0073】ライトガイド32と同様に、イメージガイ
ド31についても、保護チューブ311の内面と、保護
チューブ311内に配設された光学繊維束を構成する各
光学繊維6の表面とには、被覆層4が形成されており、
各光学繊維6の周囲には、潤滑剤5が配されている。
【0074】このように、イメージガイド31の光学繊
維束を構成する各光学繊維6の表面および光学繊維束を
被覆する保護チューブ311の内面に被覆層4が形成さ
れることにより、光学繊維6が保護チューブ311に対
し相対的に移動した場合(例えば、挿入部2が湾曲した
場合)における、光学繊維6−光学繊維6間および光学
繊維6−保護チューブ311間の摩擦抵抗は小さなもの
となる。このため、各光学繊維6が円滑に移動すること
が可能となり、挿入部2の湾曲抵抗が小さなものとな
る。したがって、挿入部2の湾曲時などにおける各光学
繊維への引張り、圧迫、挫屈が抑制され、結果として、
イメージガイド31の損傷、破損等を効果的に防止する
ことができる。
【0075】また、各光学繊維6の周囲に潤滑剤5が配
されることにより、被覆層4による効果と、潤滑剤5に
よる効果とが相乗的に作用し、イメージガイド31の損
傷、破損等を、より効果的に防止することが可能とな
る。
【0076】このような各長尺部材を内蔵した湾曲部2
1は、湾曲操作レバー73を回動させ、ワイヤー36を
牽引、弛緩することにより所定の方向に湾曲する(図3
参照)。
【0077】一対のワイヤー36は、挿入部2の中心軸
を介しておおむね対向するように配置されている。ま
た、ワイヤー36(長尺部材)は、ワイヤー挿通構縁3
7と内皮381との間(管腔内)に挿入されている。こ
のワイヤー36の先端は、挿入部2の先端部22の閉塞
された部分に接着、固定されている。
【0078】このため、湾曲操作レバー73を回動さ
せ、一方のワイヤー36を牽引し、他方のワイヤー36
を弛緩すると、図3に示すように、湾曲部21は、その
牽引したワイヤー36の先端のある側へ湾曲する。
【0079】また、操作部7を操作して、挿入部2を軸
を中心に回転させ、これと前記湾曲を組み合わせること
により、360°全方向を観察することができる。
【0080】ワイヤー36には、頻回の牽引操作により
断線を生じることがない程度の強度および耐久性を有
し、また、伸びの少ないものが用いられる。このような
ワイヤーとしては、例えば、ステンレス鋼等の金属線、
ポリアミド、ポリエステル等の樹脂繊維による単線や繊
維束が挙げられる。
【0081】また、ワイヤー36の外径は、その構成材
料や挿入部2の横断面形状、寸法、構成材料等の諸条件
により異なるが、ワイヤー36が例えばポリアクリレー
ト製撚り糸またはステンレス鋼の単線で構成されている
場合、その外径は、30〜3000μm程度が好まし
く、100〜1000μm程度がより好ましい。
【0082】ワイヤー挿通構縁37は、内皮381とと
もにワイヤー36を支持する。両者が、ワイヤー36を
支持することにより、ワイヤー36は定められた方向に
円滑に湾曲できる。
【0083】ワイヤー挿通構縁37および内皮381
は、ワイヤー36を支持可能であり、ワイヤー36を牽
引した場合に、破損の生じない強度および耐久性を有す
る材料(例えばステンレスなど)で構成されている。
【0084】ワイヤー挿通構縁37および内皮381の
厚さは、ワイヤー36を支持可能であり、かつ挿入部2
の可撓性・湾曲性を妨げるものでなければ特に限定され
ず、100〜3000μm程度が好ましく、100〜2
00μm程度がより好ましい。
【0085】ワイヤー36が挿入された管腔(ワイヤー
挿通構縁37と内皮381とで形成された空間)の内面
およびワイヤー36の表面には被覆層4が形成されてい
る。また、この管腔の内部には潤滑剤5が配されてい
る。
【0086】このように、ワイヤー36が挿入された管
腔(ワイヤー挿通構縁37と内皮381とで形成された
空間)の内面およびワイヤー36の表面に、被覆層4が
形成されることにより、ワイヤー36(長尺部材)がこ
の管腔に対し相対的に移動した場合(例えば、ワイヤー
36を牽引した場合)における、管腔の内面−ワイヤー
間の摩擦抵抗は小さなものとなる。このため、挿入部2
の湾曲抵抗が小さくなり、結果として、ワイヤー36の
牽引を円滑に行うことが可能となり、内視鏡1の湾曲操
作の操作性、追従性が向上する。
【0087】また、ワイヤー36が挿入された管腔の内
部に潤滑剤5が配されることにより、被覆層4による効
果と、潤滑剤5による効果とが相乗的に作用し、内視鏡
1の湾曲操作の操作性、追従性がさらに向上する。
【0088】以上説明したように、本発明は、ダイヤモ
ンド様炭素(DLC)で構成された被覆層4を有する点
に特徴を有する。
【0089】以下、被覆層4について詳述する。被覆層
4は、C(炭素)を主成分とするダイヤモンド様炭素
(DLC)で構成されている。このような被覆層4は、
以下に示すような利点を有する。
【0090】1.潤滑性 DLCで構成された被覆層4は、優れた潤滑性を有す
る。したがって、被覆層4が形成されることにより、挿
入部2の湾曲抵抗を有効に低減させることができ、しか
も、摩擦による損傷から各部材を保護することができ
る。
【0091】潤滑性を示す指標としては、例えば、JI
S R 1613に準じて測定されるボールオンディス
ク法での摩擦係数μ等が挙げられる。ボールオンディス
ク法により測定される被覆層4の摩擦係数μは、0.0
5〜0.7程度であるのが好ましく、0.1〜0.5程
度であるのがより好ましく、0.1〜0.35程度であ
るのがさらに好ましい。被覆層4の摩擦係数μがこのよ
うな範囲の値であると、挿入部2の湾曲抵抗をより効果
的に低減させることができ、しかも、摩擦による損傷か
ら各部材をより確実に保護することができる。
【0092】2.耐薬品性 挿入部2は、使用前後に消毒薬等の薬品に浸漬すること
がある。従来の潤滑剤には、このような薬品と反応して
しまい、劣化しまたは腐食され、長期の使用に耐えられ
ないものもあった。
【0093】これに対し、DLCで構成された被覆層4
は、耐薬品性に優れている。このため、被覆層4は、そ
のような薬品に接触しても、変質、劣化しにくい。
【0094】したがって、DLCで構成された被覆層4
を有する内視鏡1は、消毒薬等の薬品に日常的に接触す
る環境下でも、劣化することなく長期にわたって使用す
ることが可能になる。
【0095】3.撥水性・ガスバリヤ性 挿入部2は、過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌
に供される。この過酸化水素系消毒液は、挿入部2の内
部に浸透し易く、ゴムや樹脂などに吸着され易い。この
ため、挿入部2を、このような滅菌に繰り返し供する
と、挿入部2内の部材が徐々に劣化していくという問題
があった。
【0096】しかし、DLCで構成された被覆層4は、
撥水性・ガスバリヤ性に優れている。このため、このよ
うな被覆層が形成されることにより、過酸化水素系消毒
液等が内部に浸透しにくくなり、各部材の劣化を防止す
ることができる。
【0097】したがって、このような挿入部2は、高度
な滅菌を繰り返し行っても劣化しにくくなり、このよう
な滅菌に繰り返し供することができる。
【0098】4.絶縁性 DLCで構成された被覆層4は、電気絶縁性を有するの
で、挿入部2中で使用できる場所に制限がなく、広く用
いることができる。しかも、これにより挿入部2全体の
絶縁性を高めることができる。
【0099】特に、電子内視鏡に使用した場合、例えば
リード線やリード線とCCDとの接続部などに被覆層4
が接触していても短絡等を引き起こすことはない。しか
も、漏電、感電等を防止することもできる。
【0100】このように、DLCで構成された被覆層4
は、前記4つの優れた利点を有し、これらの相乗効果に
より、後述するような優れた内視鏡1が提供される。
【0101】このような被覆層4は、いかなる方法で形
成されたものであってもよいが、気相成膜法で形成され
たものであるのが好ましく、この中でも特に、熱CV
D、プラズマCVD(RFプラズマCVD、ECRプラ
ズマCVD等)、レーザーCVDなどの化学蒸着法(C
VD)、化学スパッタリング、物理スパッタリングなど
のスパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティングの
うちいずれかの方法で形成されたものであるのが好まし
い。これらの方法を用いることにより、ムラの少ない均
質な被覆層4を比較的容易に得ることができる。
【0102】以下、スパッタリングによる被覆層4の形
成方法の一例について説明する。スパッタリングは、通
常、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを主と
する雰囲気ガス中で行われるが、雰囲気ガス中には、メ
タンガス、エタンガス等の炭化水素ガスや水素ガス等が
含まれているのが好ましい。これにより、得られる被覆
層4を、水素添加されたDLCで構成されたものとする
ことができる。被覆層4が水素添加されたDLCで構成
されたものであると、被覆層4の摩擦係数が低下し、潤
滑性がさらに向上する。
【0103】雰囲気ガス中における炭化水素ガスおよび
水素ガスの総含有率は、10vol%以上であることが
好ましい。これにより、DLCへの水素添加をより効果
的に行うことが可能となる。
【0104】なお、雰囲気ガス中には、例えば、O2
2、NH3等の反応性ガスが含まれていてもよい。この
ような反応性ガスを含む雰囲気ガス中で、スパッタリン
グを行うことにより、C、H以外の元素が添加された被
覆層4を形成することができる。これにより、被覆層4
の形成部位への密着性を高めたり、被覆層4の硬度等を
調整することができる。
【0105】また、ターゲットとしては、通常、グラフ
ァイト等が用いられる。なお、ターゲットとして、C、
H以外の元素(例えば、N、O、Ti、Al、Cr、S
i等)を含む材料を用いたり、このような材料とグラフ
ァイトとの混合物を用いてもよい。これにより、C、H
以外の元素が添加された被覆層4を形成することができ
る。その結果、被覆層4の形成部位への密着性を高めた
り、被覆層4の硬度等を調整することが可能となる。
【0106】また、このようなスパッタリングは、高周
波(RF)放電により行うのが好ましい。これにより、
プラズマ密度を高くすることができ、またアーク放電を
効果的に防止することができる。
【0107】被覆層4の成膜速度は、特に限定されない
が、0.05〜30μm/hであるのが好ましく、0.
1〜20μm/hであるのがより好ましい。被覆層4の
成膜速度が前記下限値未満であると、成膜に時間がかか
り、内視鏡1の生産性が低下する。一方、被覆層4の成
膜速度が上限値を超えると、被覆層4の厚さのバラツキ
が大きくなり易い。
【0108】被覆層4の厚さは、特に限定されないが、
0.01〜8μmであるのが好ましく、0.1〜5μm
であるのがより好ましく、0.5〜3μmであるのがさ
らに好ましい。被覆層4の厚さが前記下限値未満である
と、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一
方、被覆層4の厚さが前記上限値を超えると、挿入部2
の柔軟性が低下する場合がある。
【0109】また、被覆層4の形成に先立ち、被覆層4
の形成部位に下地層(図示せず)を形成しておいてもよ
い。下地層は、特に限定されないが、W、Cr、Ti、
Co、Si、Alのうち少なくとも1種を含む材料で構
成されたものであるのが好ましい。これにより、被覆層
4の形成部位への密着性が向上する。
【0110】このような下地層は、いかなる方法で形成
されたものであってもよいが、気相成膜法で形成された
ものであるのが好ましく、スパッタリングで形成された
ものであるのがより好ましい。下地層がスパッタリング
で形成されたものであると、均質で安定した密着性を有
する被覆層4を比較的容易に形成することができる。
【0111】下地層の厚さは、特に限定されないが、
0.01〜2μm程度であるのが好ましく、0.02〜
1μm程度であるのがより好ましい。
【0112】なお、被覆層4、下地層の形成に先立ち、
洗浄処理、ブラスト処理、エッチング処理等の前処理を
施してもよい。
【0113】前述したように、管腔内に潤滑剤5を配す
ることにより、潤滑性は、さらに優れたものとなる。そ
の結果、挿入部2の湾曲抵抗をより効果的に低減させる
ことができ、摩擦による損傷から各部材をより確実に保
護することができる。次に、潤滑剤5について説明す
る。
【0114】潤滑剤5としては、例えば、二硫化モリブ
デン(MoS2)、窒化ホウ素(BN)、黒鉛、フッ化
炭素((CF)n)、フッ素系樹脂等を含むものが挙げ
られるが、窒化ホウ素(BN)、黒鉛、フッ化炭素
((CF)n)、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を
含むものであるのが好ましい。これらの潤滑剤は、特に
耐薬品性に優れている。
【0115】潤滑剤の形状は、特に限定されないが、粉
末を含むものであるのが好ましい。潤滑剤5が粉末潤滑
剤を含むものであると、潤滑剤5が狭い間隙にも入り込
むことができ、潤滑をより円滑に行うことができるよう
になるとともに、潤滑剤5の取り扱いも容易となる。
【0116】粉末潤滑剤の平均粒径は、特に限定されな
いが、0.01〜20μm程度が好ましく、0.1〜1
6μm程度がより好ましく、1〜14μm程度がさらに
好ましい。平均粒径が、この範囲の上限値を超えると、
潤滑剤5の充填性が悪くなり、十分な潤滑性が得られな
くなる場合がある。一方、この下限値を下回る平均粒径
の潤滑剤は、製造上困難であるとともに、取り扱い性も
低下する。
【0117】潤滑剤5は、前述したような粉末潤滑剤の
中でも、フッ化炭素を含むものであるのが特に好まし
い。潤滑剤5としてフッ化炭素を含むものを用いた場
合、以下に示すような利点が得られる。
【0118】1.潤滑性 フッ化炭素を含有する潤滑剤5は、特に優れた潤滑性を
有する。したがって、このような潤滑剤5を用いること
により、湾曲抵抗を有効に低減させることができ、しか
も、摩擦による損傷から各部材を保護することができ
る。
【0119】2.耐薬品性 挿入部2は、使用前後に消毒薬等の薬品に浸漬すること
がある。従来の潤滑剤には、このような薬品と反応して
しまい、劣化しまたは腐食され、長期の使用に耐えられ
ないものもあった。
【0120】これに対し、フッ化炭素を含有する潤滑剤
5は耐薬品性に優れている。このため、潤滑剤5は、そ
のような薬品に接触しても変質、劣化しにくい。
【0121】したがって、このような潤滑剤5を有する
内視鏡1は、消毒薬等の薬品に日常的に接触する環境下
でも、劣化することなく長期にわたって使用することが
可能になる。
【0122】3.撥水性 挿入部2は、過酸化水素系消毒液等を用いた高度な滅菌
に供される。この過酸化水素系消毒液は、挿入部2の内
部に浸透し易く、ゴムや樹脂などに吸着され易い。この
ため、挿入部2を、このような滅菌に繰り返し供する
と、挿入部2内の部材が徐々に劣化していくという問題
があった。
【0123】しかし、フッ化炭素を含有する潤滑剤5
は、優れた撥水性を有している。このため、このような
潤滑剤5を挿入部2に用いると、過酸化水素系消毒液等
が内部に浸透しにくくなり、各部材の劣化を防止するこ
とができる。
【0124】したがって、このような挿入部2は、高度
な滅菌を繰り返し行っても劣化しにくくなり、このよう
な滅菌に繰り返し供することができる。
【0125】4.絶縁性 フッ化炭素を含有する潤滑剤5は電気絶縁性を有するの
で、挿入部2中で使用できる場所に制限がなく、広く用
いることができる。しかも、これにより挿入部2全体の
絶縁性を高めることができる。
【0126】特に、潤滑剤5を電子内視鏡に使用した場
合、例えばリード線やリード線とCCDとの接続部など
の周辺に潤滑剤5が存在していても短絡等を引き起こす
ことはない。しかも、漏電、感電等を防止することもで
きる。
【0127】このように、フッ化炭素を含有する潤滑剤
5は、前記4つの優れた利点を有し、その相乗効果によ
り、後述するような優れた内視鏡1が提供される。
【0128】フッ化炭素((CF)n)のnの値は、特
に限定されないが、10〜100程度が好ましく、20
〜70程度がより好ましく、30〜40程度がさらに好
ましい。nの値がこの範囲の上限値を超えると、十分な
潤滑性を得られない場合があり、下限値未満だと、撥水
性の点で不十分となる場合があるからである。
【0129】また、フッ化炭素の平均分子量は、特に限
定されないが、前記と同様の理由から、300〜350
0程度が好ましく、600〜2500程度がより好まし
く、900〜1200程度がさらに好ましい。
【0130】なお、潤滑剤5は、シリコーンゲル、グリ
ース等の半固形状の分散媒や、オイル等を含むものであ
ってもよい。特に、潤滑剤5が半固形状の分散媒を含む
ものであると、潤滑性が得られるだけでなく、取扱いが
容易となる。さらには、挿入部2の各長尺部材を衝撃等
から保護することも可能になる。
【0131】以上述べたような被覆層4と、潤滑剤5と
を併存させることにより、被覆層4の効果と、潤滑剤5
の効果とが相乗的に作用し、特に優れた効果が得られ
る。すなわち、被覆層4と、潤滑剤5とを併存させるこ
とにより、特に優れた潤滑性が得られるため、挿入部2
を湾曲させたときに生じる各長尺部材間の摩擦が抑制さ
れ、各長尺部材の損傷、破損をより確実に防止すること
ができる。
【0132】しかも、耐薬品性に優れた挿入部2を得る
ことができる。したがって、挿入部2は、消毒薬等の薬
品にさらされても劣化しにくく、薬品等を用いた殺菌・
滅菌等に繰り返し供することが可能となる。
【0133】さらに、被覆層4が高い撥水性・ガスバリ
ヤ性を有するため、酸化エチレンガス等の内部に浸透し
易い物質で滅菌・殺菌等を行った場合でも、かかる物質
が内部に浸透しにくくなる。このため、挿入部2は、酸
化エチレンガス等を用いた高度な滅菌を繰り返し行って
も劣化しにくくなる。
【0134】また、被覆層4が耐薬品性および撥水性・
ガスバリヤ性を有しているため、外部から薬品等が挿入
部2に浸透するのを防止する外皮382および内皮38
1を薄くすることが可能となる。これにより、内視鏡を
細径化することが可能となる。
【0135】このような効果は、被覆層4、潤滑剤5の
組成等を適宜選択することにより、さらに顕著なものと
なる。
【0136】以上、本発明の内視鏡について説明した
が、本発明は、これに限定されるものではない。
【0137】例えば、被覆層4、潤滑剤5を配する部位
は前述した部位に限られない。例えば、接続部可撓管9
や操作部7内の摺動部のような他の部位に、被覆層4、
潤滑剤5を配することができる。また、鉗子挿通用チュ
ーブ33の内面、送気用チューブ34の内面、送液用チ
ューブ35の内面等に被覆層を形成してもよい。また、
被覆層4、潤滑剤5を前述した各部位のうちの特定の部
分にのみ限定して配することもできる。さらに、各部位
で、被覆層4の条件(例えば、構成材料の組成、厚さ
等)や潤滑剤5の条件(例えば、構成材料の組成、粉末
潤滑剤の粒径等)が異なっていてもよい。
【0138】また、ワイヤー36の本数は、前述したよ
うに一対すなわち2本でなくてもよい。例えば、ワイヤ
ー36の本数は、1本でもよく、3本以上であってもよ
い。
【0139】また、各部材の構成は、同様の機能を有す
る任意のものに置換することができる。
【0140】例えば、前述した実施形態は、光学繊維束
をイメージガイドとして用いた光学内視鏡であるが、本
発明は、これに限られず、挿入部の先端部にCCD(撮
像素子)等を内蔵する電子内視鏡であってもよい。
【0141】このような電子内視鏡においては、被覆層
4は絶縁性を有するので、短絡、漏電等を防止でき、さ
らには感電も防止でき、より信頼性、安全性の高い内視
鏡を得ることができる。
【0142】また、前述した実施形態は、医療用に用い
られる内視鏡であるが、本発明は、これに限られず、工
業用等に用いられる内視鏡であってもよい。
【0143】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0144】1.内視鏡の作製 (実施例1)旭光学工業社製の気管支用ファイバー内視
鏡「FB−15X型」を用いて、図1〜図4に示すよう
な内視鏡を作製した。
【0145】潤滑剤としては、フッ化炭素((C
F)n)の粉末を用いた。このフッ化炭素は、nが30
〜40であり、平均粒径が5〜6μmであった。
【0146】被覆層は、DLCで構成されたものとし
た。被覆層の形成は、スパッタリングにより行った。
【0147】このスパッタリングは、真空装置(島津製
作所社製「DLC−MR2」)を用いて以下のようにし
て行った。
【0148】まず、真空装置内をアルゴンガス:60v
ol%と、メタンガス:40vol%との混合ガスで置
換した。その後、混合ガスの流量、排気量を調整するこ
とにより、雰囲気圧を0.6Paとした。
【0149】真空装置内の雰囲気圧を調整した後、ター
ゲットとしてグラファイトを用い、高周波放電を行うこ
とにより、被覆層を形成した。
【0150】なお、スパッタリング時における混合ガス
の流量は60SCCMであり、雰囲気圧が0.6Paと
なるようにした。高周波電力は、500Wであった。ま
た、成膜速度は、0.4μm/hであった。
【0151】このようにして形成された被覆層の平均厚
さは、0.01μmであった。
【0152】(実施例2)被覆層の平均厚さを0.1μ
mとした以外は、実施例1と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0153】(実施例3)被覆層の平均厚さを1μmと
した以外は、実施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0154】(実施例4)被覆層の平均厚さを3μmと
した以外は、実施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0155】(実施例5)被覆層の平均厚さを8μmと
した以外は、実施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0156】(実施例6)潤滑剤としてフッ化炭素
((CF)n)50重量部をシリコーンゲル(東レダウ
コーニングシリコーン社製「SE1880」)100重
量部に分散させたものを用いた以外は、実施例1と同様
にして内視鏡を作製した。このフッ化炭素は、nが30
〜40であり、平均粒径が5〜6μmであった。
【0157】(実施例7)被覆層の平均厚さを0.1μ
mとした以外は、実施例6と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0158】(実施例8)被覆層の平均厚さを1μmと
した以外は、実施例6と同様にして内視鏡を作製した。
【0159】(実施例9)被覆層の平均厚さを3μmと
した以外は、実施例6と同様にして内視鏡を作製した。
【0160】(実施例10)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例6と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0161】(実施例11)被覆層の形成に先立ち、被
覆層の形成部位に、Wよりなる下地層(平均厚さ0.0
2μm)を、スパッタリングにより形成した以外は、実
施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0162】(実施例12)被覆層の平均厚さを0.1
μmとした以外は、実施例11と同様にして内視鏡を作
製した。
【0163】(実施例13)被覆層の平均厚さを1μm
とした以外は、実施例11と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0164】(実施例14)被覆層の平均厚さを3μm
とした以外は、実施例11と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0165】(実施例15)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例11と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0166】(実施例16)被覆層の形成に先立ち、被
覆層の形成部位に、Siよりなる下地層(平均厚さ0.
02μm)を、スパッタリングにより形成した以外は、
実施例1と同様にして内視鏡を作製した。
【0167】(実施例17)被覆層の平均厚さを0.1
μmとした以外は、実施例16と同様にして内視鏡を作
製した。
【0168】(実施例18)被覆層の平均厚さを1μm
とした以外は、実施例17と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0169】(実施例19)被覆層の平均厚さを3μm
とした以外は、実施例18と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0170】(実施例20)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例19と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0171】(実施例21)潤滑剤として窒化ホウ素
(BN)を用いた以外は、実施例1と同様にして内視鏡
を作製した。このBNの平均粒径は、5〜6μmであっ
た。
【0172】(実施例22)被覆層の平均厚さを1μm
とした以外は、実施例21と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0173】(実施例23)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例21と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0174】(実施例24)潤滑剤として窒化ホウ素
(BN)50重量部をシリコーンゲル(東レダウコーニ
ングシリコーン社製「SE1880」)100重量部に
分散させたものを用いた以外は、実施例1と同様にして
内視鏡を作製した。このBNの平均粒径は、5〜6μm
であった。
【0175】(実施例25)被覆層の平均厚さを1μm
とした以外は、実施例24と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0176】(実施例26)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例24と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0177】(実施例27)被覆層の形成に先立ち、被
覆層の形成部位に、Wよりなる下地層(平均厚さ0.0
2μm)を、スパッタリングにより形成した以外は、実
施例21と同様にして内視鏡を作製した。
【0178】(実施例28)被覆層の平均厚さを1μm
とした以外は、実施例27と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0179】(実施例29)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例27と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0180】(実施例30)被覆層の形成に先立ち、被
覆層の形成部位に、Siよりなる下地層(平均厚さ0.
02μm)を、スパッタリングにより形成した以外は、
実施例21と同様にして内視鏡を作製した。
【0181】(実施例31)被覆層の平均厚さを1μm
とした以外は、実施例30と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0182】(実施例32)被覆層の平均厚さを8μm
とした以外は、実施例30と同様にして内視鏡を作製し
た。
【0183】(比較例1)被覆層を形成しなかった以外
は、実施例21と同様にして内視鏡を作製した。
【0184】(比較例2)潤滑剤として二硫化モリブデ
ン(MoS2)を用いた以外は、比較例1と同様にして
内視鏡を作製した。この二硫化モリブデンの平均粒径は
5μmであった。
【0185】(比較例3)被覆層を二硫化モリブデン
(MoS2)で構成されたものとした以外は、実施例2
1と同様にして内視鏡を作製した。
【0186】2.評価 <摩擦係数の評価>まず、DLC膜の摩擦係数について
の評価を行った。
【0187】SUS304製のディスクの上面に、実施
例1〜実施例5と同様な条件で、DLC膜を形成した。
DLC膜が形成されたディスク(直径40mm×厚さ5
mm)と、SUS304製のボール(直径10mm)と
を用いて、JIS R 1613に準じて、ボールオン
ディスク法での摩擦係数μ(初期、中期および終期にお
ける摩擦係数μ)の測定を行った。ボールオンディスク
型摩擦摩耗試験機としては、Centre Suisse D'Electr
onique et de Microtechnique SA社製「CSEM
TRIBOMETER」を用いた。
【0188】その結果、DLC膜の摩擦係数μの測定値
は、いずれも0.15〜0.18の範囲の値であった。
【0189】<アングル力量の評価>各実施例および各
比較例で得られた各内視鏡を用いて、以下のような評価
を行った。
【0190】まず、各内視鏡の湾曲操作レバーを操作す
ることにより、湾曲部を湾曲させた。この操作を100
0回繰り返し行った。1000回目の湾曲操作における
アングル力量を以下の4段階の基準に従って評価した。 ◎:最適なアングル力量を有し、内視鏡としての使用に
最適。 ○:適度なアングル力量を有し、内視鏡としての使用に
適する。 △:アングル力量がやや大きく、内視鏡としての使用に
問題あり。 ×:アングル力量が非常に大きく、内視鏡としての使用
に適さない。または破損により、内視鏡としての使用不
可。
【0191】さらに、ガスプラズマ滅菌装置(ジョンソ
ン・エンド・ジョンソンメディカル社製「STERRA
D」)を用いて、これらの内視鏡に対して、過酸化水素
プラズマ滅菌を約75分間かけて行った。この滅菌処理
を100回繰り返し行った後、各内視鏡の湾曲操作レバ
ーを操作することにより、湾曲部を湾曲させた。このと
きのアングル力量を前記と同様にして評価した。
【0192】これらの結果を表1に示す。なお、表1に
は、各内視鏡の被覆層、潤滑剤の条件も併せて示す。
【0193】
【表1】
【0194】表1から明らかなように、本発明の内視鏡
は、いずれも優れた湾曲性を有しており、滅菌処理を繰
り返し行った後も優れた湾曲性が維持されていた。
【0195】これに対し、比較例1の内視鏡は、湾曲性
に劣っていた。また、比較例2および比較例3の内視鏡
は、滅菌処理を行う前においては、優れた湾曲性を有し
ていたが、滅菌処理を繰り返し行うことにより、挿入部
の外皮および内皮に裂け目を生じた。
【0196】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、湾
曲抵抗が小さく、繰り返し使用しても損傷、破損を生じ
にくい内視鏡を得ることができる。
【0197】また、被覆層4と、潤滑剤5とを併存させ
ることにより、湾曲抵抗は、さらに小さなものとなる。
その結果、内視鏡の損傷、破損をより確実に防止するこ
とが可能となる。
【0198】また、耐薬品性にも優れるため、高度の滅
菌などが繰り返し可能な内視鏡を得ることができる。ま
た、絶縁性等にも優れるため、電子内視鏡にも適用でき
る。
【0199】また、被覆層が優れた耐薬品性および撥水
性・ガスバリヤ性を有しているため、外部から薬品等が
挿入部に浸透するのを防止する外皮および内皮を薄くす
ることが可能となる。これにより、内視鏡を細径化する
ことが可能となる。
【0200】このような効果は、潤滑剤、被覆層の組成
等を適宜選択することにより、さらに顕著なものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の実施形態を示す全体図であ
る。
【図2】図1に示す内視鏡における挿入部の横断面図で
ある。
【図3】図1に示す内視鏡の挿入部における湾曲部の縦
断面図である。
【図4】図2に示す縦断面図の一部(ライトガイドを構
成する光学繊維束の中央部付近)を拡大して示す拡大断
面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡 2 挿入部 20 可撓管 21 湾曲部 22 先端部 23 最先端部 24 外管 31 イメージガイド 311 第1保護チューブ 312 第2保護チューブ 32 ライトガイド 321 保護チューブ 33 鉗子挿通用チューブ 34 送気用チューブ 35 送液用チューブ 36 ワイヤー 37 ワイヤー挿通構縁 381 内皮 382 外皮 39 対物レンズ 4 被覆層 5 潤滑剤 6 光学繊維 7 操作部 71 操作部本体 72 操作部カバー 73 湾曲操作レバー 8 接眼部 9 接続部可撓管 10 コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H040 BA00 CA09 CA11 CA23 CA27 CA30 DA03 DA16 DA18 DA22 DA56 DA57 GA01 4C061 FF25 JJ01 JJ06

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管腔と、その内部に配設された長尺部材
    とを有する内視鏡であって、 前記管腔の内面および/または前記部材の表面の少なく
    とも一部にダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された
    被覆層が形成されていることを特徴とする内視鏡。
  2. 【請求項2】 前記被覆層は、気相成膜法により形成さ
    れたものである請求項1に記載の内視鏡。
  3. 【請求項3】 前記気相成膜法は、化学蒸着法(CV
    D)、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティン
    グの中から選択されるいずれかの方法である請求項2に
    記載の内視鏡。
  4. 【請求項4】 前記被覆層は、0.05〜30μm/h
    の成膜速度で形成されたものである請求項1ないし3の
    いずれかに記載の内視鏡。
  5. 【請求項5】 前記被覆層の平均厚さは、0.01〜8
    μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の内視
    鏡。
  6. 【請求項6】 ボールオンディスク法により測定される
    前記被覆層の摩擦係数μは、0.05〜0.7である請
    求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡。
  7. 【請求項7】 前記長尺部材は、前記管腔に対し相対的
    に移動可能である請求項1ないし6のいずれかに記載の
    内視鏡。
  8. 【請求項8】 前記管腔の内部には潤滑剤が配されてい
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡。
  9. 【請求項9】 前記潤滑剤は、粉末潤滑剤を含むもので
    ある請求項8に記載の内視鏡。
  10. 【請求項10】 前記粉末潤滑剤の平均粒径は、0.0
    1〜20μmである請求項9に記載の内視鏡。
  11. 【請求項11】 前記潤滑剤は、フッ化炭素、窒化ホウ
    素、黒鉛、フッ素系樹脂のうち少なくとも1種を含むも
    のである請求項8ないし10のいずれかに記載の内視
    鏡。
  12. 【請求項12】 前記潤滑剤は、シリコーンゲル、グリ
    ースのうち少なくとも1種を含むものである請求項8な
    いし11のいずれかに記載の内視鏡。
  13. 【請求項13】 前記潤滑剤は、前記部材の周囲に配さ
    れている請求項8ないし12のいずれかに記載の内視
    鏡。
  14. 【請求項14】 前記長尺部材は、ワイヤーである請求
    項1ないし13のいずれかに記載の内視鏡。
  15. 【請求項15】 前記長尺部材は、チューブである請求
    項1ないし14のいずれかに記載の内視鏡。
  16. 【請求項16】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 前記潤滑剤が、前記光学繊維束の外表面の少なくとも一
    部に配されている請求項8ないし15のいずれかに記載
    の内視鏡。
  17. 【請求項17】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 前記潤滑剤が、前記光学繊維束を構成する各光学繊維の
    外表面の少なくとも一部に配されている請求項8ないし
    16のいずれかに記載の内視鏡。
  18. 【請求項18】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 ダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された被覆層が、
    前記光学繊維束の外表面の少なくとも一部に形成されて
    いる請求項1ないし17のいずれかに記載の内視鏡。
  19. 【請求項19】 前記長尺部材は、光学繊維束であり、 ダイヤモンド様炭素(DLC)で構成された被覆層が、
    前記光学繊維束を構成する各光学繊維の外表面の少なく
    とも一部に形成されている請求項1ないし18のいずれ
    かに記載の内視鏡。
  20. 【請求項20】 前記被覆層は、下地層を介して、前記
    管腔の内面および/または前記部材の表面に形成された
    ものである請求項1ないし19のいずれかに記載の内視
    鏡。
  21. 【請求項21】 前記下地層は、W、Cr、Ti、C
    o、Si、Alのうち少なくとも1種を含む材料で構成
    されたものである請求項20に記載の内視鏡。
  22. 【請求項22】 前記下地層は、スパッタリングにより
    形成されたものである請求項20または21に記載の内
    視鏡。
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