JP2000174530A - 車両用ガラスアンテナ装置 - Google Patents

車両用ガラスアンテナ装置

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JP2000174530A
JP2000174530A JP11089750A JP8975099A JP2000174530A JP 2000174530 A JP2000174530 A JP 2000174530A JP 11089750 A JP11089750 A JP 11089750A JP 8975099 A JP8975099 A JP 8975099A JP 2000174530 A JP2000174530 A JP 2000174530A
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resonance
coil
frequency
defogger
vehicle
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JP11089750A
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Fumitaka Terajima
文貴 寺島
Koji Tabata
耕司 田畑
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】AM、FM両放送帯を良好に受信できる。 【解決手段】アンテナ導体3と受信機7間のコイル31
で直列共振を生じさせ、デフォッガ90と車体アース間
のコイル32で並列共振を生じさせ、アンテナ導体3と
デフォッガ90間にFM信号遮断用の高周波チョークコ
イル52を接続し、アンテナ導体3に励起するFM信号
の車体への漏れを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長波放送帯(15
0〜280kHz)、中波放送帯(530〜1630k
Hz)、短波放送帯(2.3〜26.1MHz)、FM
放送帯(76〜90MHz(日本))、FM放送帯(8
8〜108MHz(米国))、テレビVHF帯(90〜
108MHz、170〜222MHz)及びテレビUH
F帯(470〜770MHz)等の受信に適し、高受信
感度、低ノイズであり、かつ、生産性に富む車両用ガラ
スアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、共振を利用して受信感度を向上さ
せる車両用ガラスアンテナ装置として図8の車両用ガラ
スアンテナ装置が提案されている(実公平4−5307
0)。図8に示したいわゆるコの字状のデフォッガ90
では、デフォッガ90の左側には下側部バスバ15a、
上側部バスバ15bを設けている。下側部バスバ15a
は車体アースに接続され、上側部バスバ15bは直流電
源10の陽極に接続されている。給電された電流は上側
部バスバ15bから右側部バスバ15cを通って下側部
バスバ15aへとコの字状に流れる。
【0003】図8の従来例では、バスバ15a、15b
とデフォッガ90用の直流電源10との間にチョークコ
イル9を接続し、高周波帯域にてチョークコイル9のイ
ンピーダンスを大きくすることによって、直流電源10
からデフォッガ90への直流電流は流すが放送帯域等の
高周波帯域の電流は遮断するようにし、デフォッガ90
をアンテナとして利用している。
【0004】また、中波放送帯においてデフォッガ90
の対接地浮遊容量(以下、単に浮遊容量という)とコイ
ル71とで並列共振させ、さらに、コイル72、コンデ
ンサ73及び抵抗74とで中波放送帯の受信信号を通過
させるようにしている。なお11はノイズカット用のコ
ンデンサである。図8の従来例では、このような構成を
採ることにより、受信感度向上と低ノイズ化を図ってい
る。
【0005】しかし、図8の従来例では、デフォッガ9
0と受信機とを結線しているケーブルの浮遊容量が並列
共振を生じさせる主な要素となっており、かつ、中波放
送帯内に並列共振周波数が存在するため、S/N比が悪
く、受信感度が充分でなかった。
【0006】さらに、デフォッガ90を中波放送帯とF
M放送帯との兼用アンテナとする場合、デフォッガ90
の形状を中波放送受信に最適な形状としても、中波放送
受信の際には、FM放送の受信感度や指向性が不充分で
ある問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の前
述の欠点の解消を目的とし、高受信感度、低ノイズ及び
良生産性の車両用ガラスアンテナ装置を新規に提供す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒータ線と該
ヒータ線に給電するバスバとを有する通電加熱式のデフ
ォッガと、アンテナ導体とが車両の後部窓ガラス板に設
けられており、バスバと直流電源との間、及び、バスバ
と車体アースとの間、の少なくとも一方にチョークコイ
ルが接続されている車両用ガラスアンテナ装置におい
て、第1のコイルと第2のコイルとを備え、アンテナ導
体のインピーダンスと第1のコイルのインダクタンスと
を共振要素として含む第1の共振を生じさせており、デ
フォッガのインピーダンスと第2のコイルのインダクタ
ンスとを共振要素として含む第2の共振を生じさせてお
り、第1の受信周波数帯の受信信号と第1の受信周波数
帯より高周波数の第2の受信周波数帯の受信信号とがア
ンテナ導体より受信機に送られており、第1の共振の共
振周波数及び第2の共振の共振周波数は、それぞれ第1
の受信周波数帯の感度が向上するような周波数であり、
アンテナ導体とデフォッガとの間に第2の受信周波数帯
の受信信号を遮断又は減衰させるフィルタ回路が電気的
に接続されており、フィルタ回路が高周波チョークイン
ダクタンス素子を含むことを特徴とする車両用ガラスア
ンテナ装置を提供する。
【0009】また、ヒータ線と該ヒータ線に給電するバ
スバとを有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導
体とが自動車の後部窓ガラス板に設けられ、バスバと直
流電源との間、及び、バスバと車体アースとの間、の少
なくとも一方にチョークコイルが接続されており、第1
の受信周波数帯と、第1の受信周波数帯より高周波数の
第2の受信周波数帯とを受信する自動車用ガラスアンテ
ナ装置において、第1の共振と第2の共振とを生じさせ
ており、第1の共振の共振要素となる第1のコイルと、
第2のコイルとを備え、第2のコイルのインダクタン
ス、チョークコイルのインダクタンス及びデフォッガの
インピーダンスが第2の共振の共振要素となり、第1の
共振の共振周波数及び第2の共振の共振周波数は、それ
ぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上するような周波数
であることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ装置を
提供する。
【0010】また、ヒータ線と該ヒータ線に給電するバ
スバとを有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導
体とが車両の後部窓ガラス板に設けられており、バスバ
と直流電源との間、及び、バスバと車体アースとの間、
の少なくとも一方にチョークコイルが接続されており、
アンテナ導体の受信信号が受信機に送られる車両用ガラ
スアンテナ装置において、アンテナ導体と受信機との間
に第1のコイルが配線及び/又は回路素子を介して電気
的に接続されており、デフォッガと車体アースとの間、
及び、アンテナ導体と車体アースとの間、の少なくとも
一方に第2のコイルが配線及び/又は回路素子を介して
電気的に接続されていることを特徴とする車両用ガラス
アンテナ装置を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は自動車の後部窓ガラス板1
を使用した本発明の車両用ガラスアンテナ装置の基本的
構成図である。図1において、2はヒータ線、3はアン
テナ導体、4はアンテナ導体3の給電点、5a、5bは
バスバ、6は共振回路、7は受信機、7aはケーブル、
20、21はダンピング用の抵抗、31は第1のコイ
ル、32は第2のコイル、42はバイパスコンデンサ、
45、48はダンピング用の抵抗、47はエンジンノイ
ズ等の車両ノイズの軽減用の抵抗、50、51は直流カ
ット用のコンデンサ、52は高周波チョークインダクタ
ンス素子である高周波チョークコイル、90はデフォッ
ガ、91はデフォッガ90に接続された引き出し線条の
先端に設けられた給電点である。以下において、特記し
ないかぎり、方向は図面上での方向をいう。なお、高周
波チョークインダクタンス素子には、高周波チョークコ
イルを用いることが好ましい。
【0012】図1では、ヒータ線2とヒータ線2に給電
するバスバ5a、5bとを有する通電加熱式のデフォッ
ガ90と、アンテナ導体3とが車両の後部窓ガラス板1
に設けられている。また、バスバ5bと直流電源10と
の間、及び、バスバ5aと車体アースとの間、の両方に
チョークコイル9が接続されており、感度向上、ノイズ
低減のためには図1のように接続することが好ましい。
しかし、バスバ5bと直流電源10との間、又は、バス
バ5aと車体アースとの間、の片方にチョークコイル9
が接続されるようにしても使用できる。
【0013】図1では、アンテナ導体3及びデフォッガ
90の受信信号が受信機7に送られており、アンテナ導
体3と受信機7との間に第1のコイル31が配線及びコ
ンデンサ50を介して電気的に接続されている。第1の
コイル31の接続に関しては図1に限定されず、アンテ
ナ導体3と受信機7との間に第1のコイル31が配線及
び回路素子の少なくとも一方を介して電気的に接続され
ていればよい。
【0014】ここで、回路素子とは、コンデンサ、コイ
ル、抵抗を始め、ダイオード、トランジスタ等の半導体
及び回路に使用するすべての素子をいう。また、配線と
は、電線をもって電気的に接続することをいう他、回路
基板に設けられている導体パターンやコネクタをもって
電気的に接続することをいい、図1において、アンテナ
導体3及びデフォッガ90とが容量結合していることに
よる「アンテナ導体3とデフォッガ90とが電気的に接
続されていること」は配線に含まれない。以下同様とす
る。
【0015】図1では、デフォッガ90と車体アースと
の間に第2のコイル32が配線、コンデンサ51及び抵
抗48を介して電気的に接続されている。第2のコイル
32の接続に関しては図1に限定されず、デフォッガ9
0と車体アースとの間に第2のコイル32が配線及び回
路素子の少なくとも一方を介して電気的に接続されてい
ればよい。
【0016】図1では、アンテナ導体3とデフォッガ9
0との間にフィルタ回路が配線、コンデンサ50、抵抗
47及びコンデンサ51を介して電気的に接続されてい
る。図1ではこのフィルタ回路は高周波チョークコイル
52のみからなり、低域周波数帯の周波数を通過させ、
高域周波数帯の周波数を遮断又は減衰させる。なお、こ
のフィルタ回路については後述する。フィルタ回路の接
続に関しては図1の構成に限定されず、アンテナ導体3
とデフォッガ90との間にフィルタ回路が配線及び回路
素子の少なくとも一方を介して電気的に接続されていれ
ばよい。
【0017】図1では、このように配線されているた
め、デフォッガ90に生じる低域周波数帯の受信信号
と、アンテナ導体3に生じる受信信号が合成されて第1
のコイル31を通過して受信機7に送られる。また、図
1に限定されず、アンテナ導体3の受信信号をコイル、
抵抗等のコンデンサ以外の回路素子を介してデフォッガ
90の受信信号と合成して第1のコイル31を介して受
信機7に送ってもよい。
【0018】図1の車両用ガラスアンテナ装置では、給
電点4と共振回路6の入力端とがコンデンサ50を介し
て電気的に接続されており、共振回路6の出力端がケー
ブル7aを介して受信機7の入力端と電気的に接続され
ている。共振回路6の出力端と受信機7の入力端とを電
気的に接続するケーブル7aは、ノイズ低減の観点から
同軸ケーブルが好ましいが、ノイズ低減可能なケーブル
であれば同軸ケーブルに限定されない。
【0019】図3は図1の装置の原理説明のための等価
回路図である。ただし、抵抗45、抵抗47及び抵抗4
8は説明を簡単化するため省略しており、抵抗45の箇
所は開放、抵抗47及び抵抗48の箇所は短絡としてい
る。
【0020】図3において、E1はアンテナ導体3の電
圧電源、E2はデフォッガ90の電圧電源、33はアン
テナ導体3の対接地浮遊容量(以下、対接地浮遊容量を
単に浮遊容量という)、34はデフォッガ90の浮遊容
量、35はケーブル7aの浮遊容量である。アンテナ導
体3とデフォッガ90とが近接して容量結合している場
合には、この容量結合による近接容量は高周波チョーク
コイル52と並列に接続される。
【0021】アンテナ導体3は第1の受信周波数帯(以
下、低域周波数帯という)より高周波数の第2の受信周
波数帯(以下、高域周波数帯という)の受信用とするこ
とが好ましく、高域周波数帯で好適な受信性能が得られ
るように導体長及び導体形状を設定することが好まし
い。
【0022】アンテナ導体3、デフォッガ90は、中波
放送帯用、FM放送帯用、短波放送帯用、長波放送帯
用、テレビVHF帯用、テレビUHF帯用及び電話受信
用等に利用できる。例えば、一般的には、低域周波数帯
を中波放送帯とし、高域周波数帯をFM放送帯、テレビ
VHF帯及びテレビUHF帯の1以上とする。
【0023】本発明においては、2つの共振を起こして
受信感度を向上させる。第1の共振については、アンテ
ナ導体3のインピーダンスと第1のコイル31のインダ
クタンスとが共振要素として含まれる。
【0024】アンテナ導体3のインピーダンスは主に浮
遊容量33からなり、アンテナ導体3のインピーダンス
とは給電点4からアンテナ導体3側を見たときのインピ
ーダンスをいう。浮遊容量33は通常10〜100pF
である。
【0025】また、浮遊容量33と車体アースとの間に
並列に容量成分を接続して第1の共振の共振周波数を調
整してもよい。この容量成分も第1の共振の共振要素と
なりうる。
【0026】また、アンテナ導体3とデフォッガ90と
が電気的に接続されているため、第1の共振にはデフォ
ッガ90のインピーダンスも影響し、第1の共振の共振
要素となりうる。
【0027】デフォッガ90のインピーダンスは主に浮
遊容量34からなり、デフォッガ90のインピーダンス
とは給電点91からデフォッガ90側を見たときのイン
ピーダンスをいう。浮遊容量34は通常50〜300p
Fである。さらに、第1の共振には、第1のコイル31
周辺の配線の浮遊容量、ガラスアンテナと受信機との間
に接続されているケーブルの浮遊容量(図1の場合に
は、浮遊容量35)等も影響し、第1の共振の共振要素
となりうる。
【0028】共振回路6が後部窓ガラス板1に設けられ
ている場合、又は、共振回路6が後部窓ガラス板1近傍
に設けられている場合には、受信機7が通常車両前部に
設けられているため、ケーブル7aの長さは数mにな
り、浮遊容量35の容量値は通常50〜300pFであ
る。
【0029】共振回路6の内部に新たに回路素子を設け
てデフォッガ90と受信機側とのインピーダンスマッチ
ングを行ってもよい。第1のコイル31には通常10μ
H〜1mH程度のものが使用され、低域周波数帯が中波
放送帯である場合には、感度向上の点で、50〜500
μHが好ましく、65〜350μHがより好ましい。
【0030】第2の共振については、第2のコイル32
のインダクタンス及び/又はチョークコイル9のインダ
クタンスとデフォッガ90のインピーダンスとが共振要
素として含まれる。第2のコイル32には通常10μH
〜1mH程度のものが使用され、低域周波数帯が中波放
送帯である場合には、感度向上の点で、100μH〜1
mHが好ましく、300〜850μHがより好ましい。
なお、第1の共振及び第2の共振を円滑に生じさせるた
め、共振回路6は後部窓ガラス板1又は後部窓ガラス板
1近傍に設けられることが好ましい。
【0031】また、アンテナ導体3とデフォッガ90と
が電気的に接続されているため、第2の共振にはアンテ
ナ導体3のインピーダンスも影響し、第2の共振の共振
要素となりうる。さらに、第2の共振には、アンテナ導
体3周辺の配線の浮遊容量、デフォッガ90周辺の配線
の浮遊容量、第2のコイル32周辺の配線の浮遊容量等
も影響し、第2の共振の共振要素となりうる。共振回路
6の出力と受信機との間に接続されているケーブルの浮
遊容量(図1の場合には、浮遊容量35)も第2の共振
に影響を与える。
【0032】図1では、第1の共振は直列共振であり、
第2の共振は並列共振である。本発明では、こうするこ
とが感度向上の観点から好ましい。しかし、本発明で
は、第1の共振が並列共振であってもよく、第2の共振
が直列共振であってもよい。
【0033】コンデンサ51の作用を説明する。コンデ
ンサ51が設けられてなく、コンデンサ51の箇所が短
絡されているならば、デフォッガ90に流れる直流電流
が第2のコイル32に流れ込むため、第2のコイル32
の電流容量を大きくしなければならず、生産性が悪くな
り、さらに、デフォッガ90に流れる直流電流がコイル
32を介して車体アースに流れ込むため、電流が無駄に
なる。したがって、コンデンサ51は必須ではないが設
けることが好ましい。また、コンデンサ51はデフォッ
ガ90から受信機7側に流れ込む直流電流を阻止する機
能をも有する。
【0034】なお、コンデンサ51と同様に、コンデン
サ44もデフォッガ90に流れる直流電流がコイル32
を介して車体アースに流れ込むことを阻止する機能を有
し、コンデンサ51及び/又はコンデンサ44を設ける
ことが好ましい。
【0035】図1ではコンデンサ51は、給電点91と
第2のコイル32との間に接続されており、給電点91
がバスバ5bに接続されているので、コンデンサ51は
バスバ5bと第2のコイル32との間に接続されてい
る。しかし、これに限定されず、コンデンサ51は、バ
スバ5aと第2のコイル32との間、又は、ヒータ線2
と第2のコイル32との間、に接続されていてもよい。
換言すれば、第2のコイル32が電気的に接続されるデ
フォッガ90の箇所は限定されない。
【0036】図1において、第2のコイル32のインダ
クタンス及びチョークコイル9のインダクタンス、とデ
フォッガ90のインピーダンスとが共振要素として含ま
れる場合について説明すると、第2のコイル32とチョ
ークコイル9との並列接続回路のインダクタンスとデフ
ォッガ90のインピーダンスとが共振要素として含まれ
る。また、通常、第2のコイル32とチョークコイル9
との並列接続回路のインダクタンスと、デフォッガ90
のインピーダンスとが第2の共振の主な共振要素とな
る。
【0037】また、この場合、第2のコイル32のイン
ダクタンス値L2 と、チョークコイル9のインダクタン
ス値LCHとが、1.5・L2 ≦LCHを満たすことが好ま
しく、2・L2 ≦LCHを満たすことがより好ましく、
2.5・L2 ≦LCHを満たすことが特に好ましい。この
ようにする理由は、チョークコイル9にはデフォッガ9
0に流れる数十A(アンペア)の大電流が流れるため、
電流容量を大きくしなければならず、量産の際、LCH
通常±30%程度のばらつきを生じて第2の共振の共振
周波数のばらつきを生じ、ひいては低域周波数帯の感度
のばらつきを生じるからである。
【0038】図1の車両用ガラスアンテナ装置では、第
2のコイル32とチョークコイル9との並列接続回路の
インダクタンスが第2の共振を生じさせる主なインダク
タンスとなるため、1.5・L2 ≦LCHにすることによ
って、チョークコイル9のインダクタンスの第2の共振
への影響を少なくし、第2の共振の共振周波数のばらつ
きを少なくできる。1.5・L2 ≦LCHの場合には、L
CHが±30%ばらついても第2のコイル32とチョーク
コイル9との並列接続回路のインダクタンスのばらつき
を±15%以下にできる。チョークコイル9は通常10
0μH〜10mH程度が使用される。
【0039】第1のコイル31、第2のコイル32及び
チョークコイル9のインダクタンス値、浮遊容量33及
び浮遊容量34の容量値について、前述したが、これら
を考慮して、低域周波数帯が中波放送帯である場合に
は、表1のような部品の回路定数の組合せが提案され
る。ただし、表1において、1は通常使用される範囲、
2は好ましい範囲、3はより好ましい範囲である。表1
のような組合せを用いることにより、中波放送帯の感度
向上、後述する感度の平坦化、部品コストの低減が好ま
しく図られる。
【0040】
【表1】
【0041】図1において、第1の共振の共振周波数及
び第2の共振の共振周波数は、低域周波数帯の感度が向
上するような周波数とする。低域周波数帯を中波放送帯
とするとき、S/N比向上の観点より、並列共振の共振
周波数は350〜530kHzが好ましく、450〜5
00kHzがより好ましい。
【0042】図1において、高周波チョークコイル52
は、アンテナ導体3とデフォッガ90とを通常高域周波
数帯で高周波的に分離し、アンテナ導体3の導体の実効
長を変化させず、高域周波数帯で受信感度を向上させる
機能を有する。
【0043】また、高周波チョークコイル52が設けら
れてなく、高周波チョークコイル52の箇所が短絡され
ている場合、高域周波数帯においてチョークコイル9又
は第2のコイル32が自己共振周波数が低く容量性が通
常現れるので、アンテナ導体3に励起した高域周波数帯
の受信信号が車体アースに漏れるため、高周波チョーク
コイル52を設けてこれを防いでいる。換言すると、高
周波チョークコイル52は、低域周波数帯の周波数を通
過させ、高域周波数帯の周波数を遮断又は減衰するフィ
ルタ回路として機能を有する。
【0044】図1ではこのフィルタ回路は高周波チョー
クコイル52からなり、フィルタ回路の回路構成を簡素
化するためにはフィルタ回路は高周波チョークコイル5
2のみから構成することが好ましいが、これに限定され
ず、フィルタ回路の回路構成を他の回路構成にしてもよ
い。すなわち、フィルタ回路は高域周波数帯の受信信号
を遮断又は減衰させる機能を有する回路ならばどのよう
な回路でも使用できる。
【0045】低域周波数帯を中波放送帯とし、高域周波
数帯をFM放送帯、テレビVHF帯及びテレビUHF帯
の1以上とする場合には、高周波チョークコイル52
は、0.1〜100μHの範囲のインダクタンス値のも
のが通常使用される。高周波チョークコイル52が0.
1〜100μHの範囲の場合には0.1〜100μHの
範囲外の場合と比較して、0.2dB以上高域周波数帯
の感度が向上する。
【0046】低域周波数帯を中波放送帯とし、高域周波
数帯を日本又は米国のFM放送帯とする場合には、高周
波チョークコイル52は、0.3〜20μHの範囲のイ
ンダクタンス値のものが好ましい。0.3〜20μHの
範囲の場合には0.3〜20μHの範囲外の場合と比較
して、0.5dB以上FM放送帯の感度が向上する。ま
た、高周波チョークコイル52は、0.8〜4.8μH
の範囲のインダクタンス値のものがより好ましい。高周
波チョークコイル52は、0.8〜4.8μHの範囲の
場合には0.8〜4.8μHの範囲外の場合と比較し
て、2dB以上FM放送帯の感度が向上する。
【0047】高周波チョークコイル52の自己共振周波
数fR は、第2の受信周波数帯の最高周波数fH と、第
2の受信周波数帯の最低周波数fL との間に、fH /1
5≦fR ≦3fL の条件を満たすことが好ましい。fR
がこの範囲内の場合には、この範囲外の場合と比較して
第2の受信周波数帯の感度が0.5dB以上通常向上す
る。また、fH /9≦fR ≦2fL の条件を満たすこと
がより好ましい。fRがこの範囲内の場合には、この範
囲外の場合と比較して第2の受信周波数帯の感度が0.
5dB以上通常向上する。また、fH /3.6≦fR
1.85fL の条件を満たすことが特に好ましい。fR
がこの範囲内の場合には、この範囲外の場合と比較して
第2の受信周波数帯の感度が0.5dB以上通常向上す
る。
【0048】したがって、例えば、高域周波数帯を日本
のFM放送帯とする場合には、高周波チョークコイル5
2の自己共振周波数fR の好ましい範囲は、6〜228
MHzであり、より好ましい範囲は、10〜152MH
z、特に好ましい範囲は、25〜140MHzである。
また、高域周波数帯を米国のFM放送帯とする場合に
は、高周波チョークコイル52の自己共振周波数fR
好ましい範囲は、7.2〜264MHzであり、より好
ましい範囲は、12〜176MHz、特に好ましい範囲
は、30〜162MHzである。
【0049】なお、高周波チョークコイルを等価回路で
表すと、コイルとコンデンサとの並列回路となり、該コ
イルと該コンデンサとの並列共振周波数が自己共振周波
数となる。
【0050】また、図1において、アンテナ導体3とデ
フォッガ90とはできるだけ容量結合していない方が好
ましい。容量結合させる場合には、アンテナ導体3に励
起された高域周波数帯の受信信号がデフォッガ90、チ
ョークコイル9を介して車体アースに漏れやすくなる。
アンテナ導体3とデフォッガ90とをできるだけ容量結
合させないため、アンテナ導体3とデフォッガ90との
最短の間隔を通常5mm以上とすることが好ましい。最
短の間隔が5mm以上の場合には、5mm未満の場合と
比較して高域周波数帯の感度が0.5dB以上通常向上
する。より好ましくは、最短の間隔が通常10mm以上
である。最短の間隔が10mm以上の場合には、10m
m未満の場合と比較して高域周波数帯の感度が0.5d
B以上通常向上する。特に好ましくは、最短の間隔が通
常20mm以上である。最短の間隔が20mm以上の場
合には、20mm未満の場合と比較して高域周波数帯の
感度が0.5dB以上通常向上する。以上述べた、アン
テナ導体3とデフォッガ90との最短の間隔の条件につ
いては、アンテナ導体3とデフォッガ90との略平行部
分の長さが100mm以上の場合に通常適用される。
【0051】また、図1において、アンテナ導体3とデ
フォッガ90とをできるだけ容量結合させないために、
アンテナ導体3とデフォッガ90との近接容量は、高域
周波数帯において、50pF以下が好ましく、25pF
以下が好ましい。
【0052】ダンピング用の抵抗20、21は必要に応
じて設けられるものであり、第2の共振のQ(クオリテ
ィファクター)を調整して受信感度の平坦化を調整する
ためのものである。ダンピング用の抵抗20、21の抵
抗値は、10Ω〜500kΩが通常使用される。低域周
波数帯が中波放送帯である場合には、ダンピング用の抵
抗20、21の抵抗値は、1〜100kΩ、特には2〜
50kΩが好ましい。
【0053】図2では、図1の車両用ガラスアンテナ装
置を発展させてダイバーシティ受信を行うようにしてい
る。図2において、53はコンデンサ、60は高周波チ
ョークコイル、t1 は受信機7の第1の入力、t2 は受
信機7の第2の入力である。受信機7では、第1の入力
1 と第2の入力t2 との間の、高域周波数帯の受信信
号のうち、強い方を選択する。
【0054】コンデンサ53は必要に応じて設けられ、
低域周波数帯の受信信号を遮断又は減衰させる機能を有
する。コンデンサ53の容量値は10〜150pFの範
囲が好ましく、20〜70pFの範囲がより好ましい。
低域周波数帯が中波放送帯である場合、コンデンサ53
の容量値を10〜150pFの範囲とする場合には、1
0〜150pFの範囲外の場合と比較して、中波放送帯
の感度が1dB以上向上する。コンデンサ53の容量値
を20〜70pFの範囲とする場合には、20〜70p
Fの範囲外の場合と比較して、中波放送帯の感度が1d
B以上向上する。
【0055】なお、第2のコイル32が、放送周波数の
うちでもFM放送周波数のような高い周波数帯で容量性
が現れてくる場合には、受信信号が車体アースに漏れ、
受信感度が落ちる。これを防ぐために、第2のコイル3
2に高周波チョークコイル60を直列に接続してもよ
い。この高周波チョークコイル60には通常0.1〜1
00μH程度が使用される。
【0056】図2の車両用ガラスアンテナ装置では、高
周波チョークコイル12a、12bをバスバとチョーク
コイル9との間に接続することが好ましい。図1の装置
では使用しない、デフォッガ90に励起された高域周波
数帯の受信信号を第2の入力t2 で使用するため、高周
波チョークコイル12a、12bにてデフォッガ90に
励起された高域周波数帯の受信信号の車体アースへの漏
れを防止するためである。
【0057】図2では、受信機7の第2の入力t2 を共
振回路6の内部から取出している(コンデンサ53の左
端が共振回路6の内部に接続されている)。しかし、第
2の入力t2 の取出し箇所は共振回路6の内部に限定さ
れず、デフォッガ90のどの箇所から取出してもよい。
また、デフォッガ90より下方の余白部にアンテナ導体
3とは別のアンテナ導体を設けて第1の入力t1 と別の
アンテナ導体との間でダイバーシティ受信を行ってもよ
い。
【0058】本発明において2つの共振を生じさせるの
は、1つの共振のみでは幅広い受信周波数帯域をカバー
しきれないからである。したがって本発明では低域周波
数帯域を略中心周波数で2つに分けて、それぞれを2つ
の共振で分担させ受信感度の平坦化を図ることが望まし
い。ここで、受信感度の平坦化とは、低域周波数帯等の
帯域内で最高受信感度と最低受信感度との差を小さくす
ることをいう。
【0059】また、第1の共振の共振周波数及び第2の
共振の共振周波数は、低域周波数帯の感度が向上するよ
うな周波数とする。しかし、低域周波数帯の最高周波数
LHの1.5倍の周波数と低域周波数帯の略中心周波数
との間に第1の共振の共振周波数を存在させ、かつ、低
域周波数帯の最低周波数fLLの0.6倍の周波数と低域
周波数帯の略中心周波数との間に第2の共振の共振周波
数を存在させることが、受信感度の平坦化の面で好まし
い。この範囲外であると、低域周波数帯域内で最高受信
感度と最低受信感度との差が通常10dB程度以下とす
ることが困難となり、低域周波数帯で受信感度の平坦化
が劣る。
【0060】また、第1の共振の共振周波数は、低域周
波数帯域内に存在することが受信感度向上の面で好まし
い。低域周波数帯域内に存在する場合には、存在しない
場合と比較して低域周波数帯全域の受信感度が通常10
dB程度向上する。
【0061】したがって、平坦化及び受信感度の両面を
向上させるため、fLHと低域周波数帯の略中心周波数と
の間に第1の共振の共振周波数を存在させ、かつ、fLL
の0.6倍の周波数と低域周波数帯の略中心周波数との
間に第2の共振の共振周波数を存在させることがより好
ましい。
【0062】第1の共振が直列共振である場合、第1の
共振の共振周波数は、低域周波数帯域の略中心周波数よ
り高いことが好ましい。第2の共振が並列共振である場
合、第2の共振の共振周波数は、低域周波数帯域の略中
心周波数より低いことが好ましい。第2の共振が並列共
振である場合には並列共振の共振周波数より低い範囲の
受信感度の低下が著しい。
【0063】図4は共振回路6の変更例の回路図であ
る。図4において、41、44、50、51は直流カッ
ト用のコンデンサ、42はバイパスコンデンサ、43は
結合用のコンデンサ、45、46、48、49はダンピ
ング用の抵抗、55は結合調整用の抵抗、56は結合調
整用のコンデンサである。
【0064】図4の共振回路では、デフォッガ90の受
信信号はコンデンサ51、抵抗47、コンデンサ43を
介して受信機側に伝達される。ただし、アンテナ導体3
とデフォッガ90とが容量結合されている場合には、デ
フォッガ90の受信信号は近接容量を介しても受信機側
に伝達される。
【0065】バイパスコンデンサ42は必要に応じて設
けられ、高域周波数帯を通過させて、受信機側に送る機
能を有する。高域周波数帯の受信信号が第1のコイル3
1を通常通過しにくいため、バイパスコンデンサ42を
備えることによりアンテナ側の受信信号を効率良く受信
機7側に送ることができる。例えば、低域周波数帯を中
波放送帯とするとき、FM放送受信をも行う場合には、
FM放送帯の受信信号をバイパスコンデンサ42によっ
て通過させる。
【0066】コンデンサ43、56はアンテナ導体3と
デフォッガ90との結合を調整するためのものであり、
必要に応じて設けられる。また、受信感度を平坦化させ
るものとして、抵抗45、46、48、49、55は必
要に応じて設けられる。この他に共振調整用のコンデン
サ等を設けてもよい。
【0067】コンデンサ41、44、50、51、54
は必要に応じて設けられ、100pF〜50μFが通常
使用される。バイパスコンデンサ42には1〜1000
pFが通常使用される。コンデンサ43には5〜500
pFが通常使用される。抵抗45、46、49、55に
は50Ω〜100kΩが通常使用される。
【0068】また、直流電源10からデフォッガ90に
直流電流を供給するリード線がエンジンノイズ等の車両
ノイズを拾ってS/N比の悪化を招く。抵抗47は必要
に応じて設けられ、このS/N比悪化を防止する機能を
有する。特に中波放送帯の低域のS/N比悪化を防止す
る機能を有する。すなわち、抵抗47はエンジンノイズ
等の車両ノイズの軽減する機能を有する。
【0069】抵抗47の抵抗値は10Ω〜1kΩが好ま
しく、50〜500Ωが好ましい。低域周波数帯を中波
放送帯とするとき、抵抗47の抵抗値を10Ω〜1kΩ
とする場合には、10Ω〜1kΩの範囲外の場合と比較
して、中波放送帯のS/N比が1dB以上向上する。抵
抗47の抵抗値を50〜500Ωとする場合には、50
〜500Ωの範囲外の場合と比較して、中波放送帯のS
/N比が1dB以上向上する。
【0070】前述したとおり、図4において、コンデン
サ41、42、43、44、50、51、54、抵抗4
5、46、47、48、49、55は必要に応じて設け
られ、省略でき、ここで、コンデンサ42、56の省
略、抵抗45、46、49、55の省略とは開放とする
ことであり、コンデンサ41、43、44、50、5
1、54の省略、抵抗47、48の省略とは短絡とする
ことである。
【0071】図9は図1、4とは別の共振回路6の変更
例の回路図である。図9では、アンテナ導体3とデフォ
ッガ90とは省略して記載されている。図9において、
A、B、C、Dは、線路上の箇所を示す。図1では、車
体アースとは反対側の第2のコイル32の一端(箇所
C)が、デフォッガ90とは反対側のコンデンサ51の
一端(箇所A)に配線を介して電気的に接続されている
が、図9では、箇所Cがアンテナ導体3とは反対側のコ
ンデンサ50の一端(箇所B)に配線を介して電気的に
接続されている。
【0072】換言すると、アンテナ導体3と車体アース
との間に第2のコイル32がコンデンサ50、抵抗48
及び配線を介して電気的に接続されている。第2のコイ
ル32の接続に関しては図9に限定されず、アンテナ導
体3と車体アースとの間に第2のコイル32が配線及び
回路素子の少なくとも一方を介して電気的に接続されて
いればよい。また、箇所Cが箇所Dに配線及び回路素子
の少なくとも一方を介して電気的に接続されていても使
用できる。
【0073】図9のように接続されていても、抵抗47
の抵抗値が非常に小さい、例えば、数十Ω以下の場合に
は、第1の共振の作用及び第2の共振の作用について
は、図1の共振回路6の場合と同様であり、前述した図
1についての条件をすべて図9の共振回路6に適用でき
る。ただし、図1の共振回路6の方が抵抗47の抵抗値
を大きくできてノイズ低減がしやすいため、図9の共振
回路6より好ましい。
【0074】図2においては、バスバ5a、5bとデフ
ォッガ90用の直流電源10との間にチョークコイル9
及び高周波チョークコイル12a、12bを挿入し、放
送帯域にてチョークコイル9及び高周波チョークコイル
12a、12bのインピーダンスを大きくすることによ
って、直流電源10からデフォッガ90への直流電流は
流すが放送帯域の電流は遮断するようにしている。
【0075】このようにして、チョークコイル9及び高
周波チョークコイル12a、12bによりデフォッガ9
0のヒータ線2とバスバ5a、5bとを車体アースから
高周波的に絶縁でき、デフォッガ90に誘起された放送
帯の受信電流が車体アースへ流れるのを防止できて、こ
の受信電流を漏れなく受信機に送られる。
【0076】高周波チョークコイル12a、12b及び
高周波チョークコイル60は、放送帯の中でもFM放送
帯のような高い周波数帯において、高インピーダンスと
なるもので、通常はソレノイド又は磁気コアを使用す
る。これらはFM放送帯のような高い周波数帯及びその
周波数帯の近傍では誘導性のインダクタンスを有する。
【0077】チョークコイル9はFM放送帯のような高
い周波数帯では自己共振周波数が低く、容量性が現れて
くる場合には、高周波チョークコイル12a、12bが
これを代行する。高周波チョークコイル12a、12b
は0.1〜100μH程度が通常使用される。同様の理
由で第2のコイルがFM放送帯のような高い周波数帯で
は自己共振周波数が低く、容量性が現れてくる場合に
は、高周波チョークコイル60がこれを代行する。
【0078】チョークコイル9がFM放送帯のような高
い周波数帯で容量性が現れてこない場合には、高周波チ
ョークコイル12a、12bは不要である。要するに、
中波放送帯のような低い周波数帯のみを受信する場合で
あれば、高周波チョークコイル12a、12bは通常不
要であり、チョークコイル9のみでよく、FM放送帯の
ような高い周波数帯のみを受信する場合であれば、高周
波チョークコイル12a、12bのみでよい。また、低
い周波数帯及び高い周波数帯両方を受信する場合であっ
ても、チョークコイル9、高周波チョークコイル12
a、12b両方の機能を満足するチョークコイルがあれ
ば、そうしたチョークコイルのみでよい。
【0079】図1、2に示したデフォッガ90は、いわ
ゆる略ハの字状であるが、本発明にかかるデフォッガ9
0はこれに限定されず、図8に示すようないわゆる略コ
の字状デフォッガ90であっても、本発明に利用でき
る。
【0080】アンテナ導体3は、窓ガラス板1のデフォ
ッガ90よりも上、下、左、又は右の余白部のどこに設
けてもよく、図1に示す位置に限定されない。また、窓
ガラス板1に設けられるアンテナ導体の数は2以上であ
れば限定されない。
【0081】本発明においては、アンテナ導体3以外に
車両に設けられるアンテナ導体の数は限定されない。ま
た、本発明のガラスアンテナ装置、ポールアンテナ等の
他のアンテナ装置又は他のガラスアンテナ装置との間で
ダイバーシティ受信を行ってもよい。
【0082】図1に示すアンテナ導体3及びデフォッガ
90には補助アンテナ導体は付設されていない。しか
し、位相調整及び指向性調整のために、これらのアンテ
ナ導体の導体パターン又は給電点に、略T字状、略L字
状等の補助アンテナ導体が付設されていてもよい。
【0083】
【実施例】「例1」自動車の後部窓ガラス板を使用し、
図1に示すようなガラスアンテナ装置を製作した。ダン
ピング用の抵抗20、21は設けず、抵抗20、21の
箇所を開放とした。高周波チョークコイル52について
はインダクタンス値を2.2μH、自己共振周波数を9
0MHzとし、他の各回路定数は以下のとおりとした。
【0084】 第1のコイル31 =150μH、 第2のコイル32 =560μH、 バイパスコンデンサ42 =22pF、 抵抗45 =15kΩ、 抵抗47 =270Ω、 抵抗48 =220Ω、 コンデンサ50、51 =1000pF、 チョークコイル9 =1.6mH、 デフォッガ90の浮遊容量 =100pF。
【0085】アンテナ導体3は中波放送帯及びFM放送
帯を受信できるように導体長、導体形状を調整した。ア
ンテナ導体3の下部とヒータ線2の最上線との間隔を2
1mmと長くした。この場合、アンテナ導体3とデフォ
ッガ90とは、わずかに容量結合していた。
【0086】図5は中波放送帯の周波数−感度特性図で
ある。図5では910mmの長さのポールアンテナの感
度を0dBとしたときの相対的感度で示している。第1
の共振(直列共振)の共振周波数は1450kHz、第
2の共振(並列共振)の共振周波数は480kHzであ
った。図6はFM放送帯の周波数−感度特性である。
【0087】「例2〜10」高周波チョークコイル52
のインダクタンス値及び自己共振周波数を表2に示す値
に変更した以外は、例1とまったく同様の仕様としたガ
ラスアンテナ装置を製作した。FM放送帯の周波数−感
度特性を図6、7に示す。
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明では、アンテナ導体のインピーダ
ンスと第1のコイルのインダクタンスとを共振要素とし
て含む第1の共振を生じさせ、デフォッガのインピーダ
ンスと第2のコイルのインダクタンスとを共振要素とし
て含む第2の共振を生じさせており、2共振を利用する
ため低域周波数帯の感度に優れる。
【0090】また、アンテナ導体とデフォッガとの間
に、高域周波数帯の受信信号を遮断又は減衰させるフィ
ルタ回路が電気的に接続されており、フィルタ回路が高
周波チョークコイルを含むため、アンテナ導体に励起さ
れる高域周波数帯の受信信号が車体アース等に漏れるこ
とが少なく、高域周波数帯の感度が低下することが少な
い。
【0091】さらに、低域周波数帯受信の際には、アン
テナ導体とデフォッガの両方を利用できるため低域周波
数帯の感度に優れ、高域周波数帯受信の際には、アンテ
ナ導体のみの実効長を利用できるため高域周波数帯の感
度に優れる。
【0092】また、第2のコイルのインダクタンスとチ
ョークコイル9のインダクタンスの両方が第2の共振の
共振要素となる場合であっても、チョークコイル9のイ
ンダクタンスを変更せずに、第2のコイルのインダクタ
ンスのみを変更することにより第2の共振の共振周波数
を変更できるため、低域周波数帯の感度の調整が容易に
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用ガラスアンテナ装置の一実施例
の構成図。
【図2】別タイプの実施例の構成図。
【図3】図1の装置において、アンテナ導体3、デフォ
ッガ90と共振回路6の作用を説明する等価回路図。
【図4】共振回路6の変更例の回路図。
【図5】例1の中波放送帯の周波数−感度特性図。
【図6】例1〜例5のFM放送帯の周波数−感度特性
図。
【図7】例6〜例10のFM放送帯の周波数−感度特性
図。
【図8】従来例のアンテナ装置の構成図。
【図9】図1、4とは別の共振回路6の変更例の回路
図。
【符号の説明】
1:車両の後部窓ガラス板 2:ヒータ線 3a:アンテナ導体 3b:デフォッガ 4a、4b:給電点 5a、5b:バスバ 6:共振回路 7:受信機 10:直流電源 20、21:抵抗 31:第1のコイル 32:第2のコイル 33:アンテナ導体3の浮遊容量 34:デフォッガ90の浮遊容量 41、44:直流カット用コンデンサ 42:バイパスコンデンサ 43:結合コンデンサ 45、46:ダンピング用の抵抗 47:抵抗 52:高周波チョークコイル 90:デフォッガ E1:アンテナ導体3の電圧電源 E2:デフォッガ90の電圧電源

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバと
    を有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導体とが
    車両の後部窓ガラス板に設けられており、バスバと直流
    電源との間、及び、バスバと車体アースとの間、の少な
    くとも一方にチョークコイルが接続されている車両用ガ
    ラスアンテナ装置において、 第1のコイルと第2のコイルとを備え、 アンテナ導体のインピーダンスと第1のコイルのインダ
    クタンスとを共振要素として含む第1の共振を生じさせ
    ており、 デフォッガのインピーダンスと第2のコイルのインダク
    タンスとを共振要素として含む第2の共振を生じさせて
    おり、 第1の受信周波数帯の受信信号と第1の受信周波数帯よ
    り高周波数の第2の受信周波数帯の受信信号とがアンテ
    ナ導体より受信機に送られており、 第1の共振の共振周波数及び第2の共振の共振周波数
    は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上するよう
    な周波数であり、 アンテナ導体とデフォッガとの間に第2の受信周波数帯
    の受信信号を遮断又は減衰させるフィルタ回路が配線及
    び/又は回路素子を介して電気的に接続されており、フ
    ィルタ回路が高周波チョークインダクタンス素子を含む
    ことを特徴とする車両用ガラスアンテナ装置。
  2. 【請求項2】フィルタ回路に含まれている高周波チョー
    クインダクタンス素子のインダクタンス値が0.1〜1
    00μHである請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ
    装置。
  3. 【請求項3】ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバと
    を有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導体とが
    自動車の後部窓ガラス板に設けられ、バスバと直流電源
    との間、及び、バスバと車体アースとの間、の少なくと
    も一方にチョークコイルが接続されており、第1の受信
    周波数帯と、第1の受信周波数帯より高周波数の第2の
    受信周波数帯とを受信する自動車用ガラスアンテナ装置
    において、 第1の共振と第2の共振とを生じさせており、 第1の共振の共振要素となる第1のコイルと、第2のコ
    イルとを備え、 第2のコイルのインダクタンス、チョークコイルのイン
    ダクタンス及びデフォッガのインピーダンスが第2の共
    振の共振要素に含まれ、 第1の共振の共振周波数及び第2の共振の共振周波数
    は、それぞれ第1の受信周波数帯の感度が向上するよう
    な周波数であることを特徴とする自動車用ガラスアンテ
    ナ装置。
  4. 【請求項4】第2のコイルとチョークコイルとの並列接
    続回路のインダクタンスと、デフォッガのインピーダン
    スとが第2の共振の主な共振要素となり、 第2の共振が並列共振である請求項1、2又は3に記載
    の自動車用ガラスアンテナ装置。
  5. 【請求項5】アンテナ導体と受信機との間に第1のコイ
    ルが配線及び/又は回路素子を介して電気的に接続され
    ており、 デフォッガと車体アースとの間、及び、アンテナ導体と
    車体アースとの間、の少なくとも一方に第2のコイルが
    配線及び/又は回路素子を介して電気的に接続されてい
    る請求項1〜4のいずれかに記載の車両用ガラスアンテ
    ナ装置。
  6. 【請求項6】ヒータ線と該ヒータ線に給電するバスバと
    を有する通電加熱式のデフォッガと、アンテナ導体とが
    車両の後部窓ガラス板に設けられており、バスバと直流
    電源との間、及び、バスバと車体アースとの間、の少な
    くとも一方にチョークコイルが接続されており、アンテ
    ナ導体の受信信号が受信機に送られる車両用ガラスアン
    テナ装置において、 アンテナ導体と受信機との間に第1のコイルが配線及び
    /又は回路素子を介して電気的に接続されており、 デフォッガと車体アースとの間、及び、アンテナ導体と
    車体アースとの間、の少なくとも一方に第2のコイルが
    配線及び/又は回路素子を介して電気的に接続されてい
    ることを特徴とする車両用ガラスアンテナ装置。
  7. 【請求項7】デフォッガと車体アースとの間、及び、ア
    ンテナ導体と車体アースとの間、の少なくとも一方に第
    2のコイルが配線及び/又は回路素子を介して電気的に
    接続されており、 車体アースとは反対側の第2のコイルの一端にコンデン
    サが配線及び回路素子の少なくとも一方を介して電気的
    に接続されている請求項1〜6のいずれかに記載の車両
    用ガラスアンテナ装置。
  8. 【請求項8】デフォッガと車体アースとの間、及び、ア
    ンテナ導体と車体アースとの間、の少なくとも一方に第
    2のコイルが配線及び/又は回路素子を介して電気的に
    接続されており、 第2のコイルと車体アースとの間にコンデンサが配線及
    び回路素子の少なくとも一方を介して電気的に接続され
    ている請求項1〜6のいずれかに記載の車両用ガラスア
    ンテナ装置。
  9. 【請求項9】第1のコイルのインダクタンス値が10μ
    H〜1mHであり、第2のコイルのインダクタンス値が
    10μH〜1mHである請求項1〜8のいずれかに記載
    の車両用ガラスアンテナ装置。
  10. 【請求項10】アンテナ導体とデフォッガとの間に第2
    の受信周波数帯の受信信号を遮断又は減衰させるフィル
    タ回路が配線及び/又は回路素子を介して電気的に接続
    されている請求項3〜9のいずれかに記載の車両用ガラ
    スアンテナ装置。
  11. 【請求項11】高周波チョークインダクタンス素子がフ
    ィルタ回路に含まれており、高周波チョークインダクタ
    ンス素子のインダクタンス値が0.1〜100μHであ
    り、高周波チョークインダクタンス素子の自己共振周波
    数fR、第2の受信周波数帯の最高周波数fH及び第2の
    受信周波数帯の最低周波数fLが、fH /15≦fR
    3fL の関係を満たす請求項1、2又は10に記載の車
    両用ガラスアンテナ装置。
  12. 【請求項12】フィルタ回路が高周波チョークインダク
    タンス素子と抵抗との直列接続回路を含む請求項1、
    2、10又は11に記載の車両用ガラスアンテナ装置。
  13. 【請求項13】第2のコイルのインダクタンス値L2
    チョークコイルのインダクタンス値L CHとが、1.5・
    2 ≦LCHの関係を満たす請求項1〜12のいずれかに
    記載の車両用ガラスアンテナ装置。
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