JPH10126133A - 車両用アンテナ装置 - Google Patents

車両用アンテナ装置

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Publication number
JPH10126133A
JPH10126133A JP8279601A JP27960196A JPH10126133A JP H10126133 A JPH10126133 A JP H10126133A JP 8279601 A JP8279601 A JP 8279601A JP 27960196 A JP27960196 A JP 27960196A JP H10126133 A JPH10126133 A JP H10126133A
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JP
Japan
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coil
resonance
antenna
frequency band
reception
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Application number
JP8279601A
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English (en)
Inventor
Koji Igawa
耕司 井川
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10126133A publication Critical patent/JPH10126133A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】1つのアンテナでAM及びFMの双方の感度を
向上する。 【解決手段】アンテナ導体1の浮遊容量と第1の共振を
起す第1のコイル3を備え、コイル3両端に第1の高周
波コイル61と第2の高周波コイル62とが接続され、
アンテナ導体1受信機間にFMバイパス用の第1のコン
デンサ7が接続され、コイル3車体アース間に接続され
上記浮遊容量と第2の共振を起す第2のコイルを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用ガラスア
ンテナ装置に適するものであって、ラジオ、テレビ、電
話及び衛星通信等の受信に利用される車両用アンテナ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に示すように、自動車の後部窓ガラ
ス板31にヒータ線32とヒータ線32に給電するバス
バとを有する通電加熱式のデフォッガ33と、デフォッ
ガ33との間で直流電流の送受は行われないが高周波電
流の送受は行われるように近接させて容量結合させたア
ンテナ導体136とを設け、バスバとデフォッガ33用
の直流電源10間にチョークコイル139を接続したガ
ラスアンテナ装置(従来例1)が知られている。
【0003】従来例1においては、バスバと直流電源1
0間にチョークコイル139を挿入し、放送周波数帯域
等の高周波帯域にてチョークコイル139のインピーダ
ンスを大きくすることによって、直流電源10からデフ
ォッガ33への直流電流は流すが放送周波数帯域の電流
は遮断するようにしている。
【0004】このようにして、チョークコイル139に
よりデフォッガ33を車体アース(接地)から高周波的
に絶縁でき、デフォッガ33に誘起された高周波受信電
流が車体アースへ流れるのを防止できて、この受信電流
を漏れなく受信機20に送ることができる。
【0005】しかし、従来例1においてはチョークコイ
ル139には数十アンペアという、デフォッガ33用の
直流大電流が流れるため、高周波電流を遮断するには、
磁気飽和によるインダクタンスの低下を防ぐ必要があ
り、通常、特殊な巻線構造を採ることを要する。
【0006】また、チョークコイル139のインダクタ
ンスも、通常、0.6〜1mHと大きく、しかも、電力
損失を抑えるため直流抵抗を下げる必要があるため、チ
ョークコイル139には線径の太い巻線を使用しなけれ
ばならない。
【0007】このように、良好な受信感度を確保するた
めにデフォッガ33をアンテナとして利用すると、構造
的に大きく、かつ、大型で重いチョークコイルと、FM
放送帯における受信感度低下対策が必要となり、ガラス
アンテナ装置全体が構造的に複雑であり、生産性が悪い
という問題があった。
【0008】図3に示す以外の従来技術(不図示)であ
って、受信感度向上のために、自動車の窓ガラス板に、
AM放送周波数帯(以下、AM放送帯という)用のアン
テナ導体とFM放送周波数帯(以下、FM放送帯とい
う)用のアンテナ導体とを別々に設けていたガラスアン
テナ装置(従来例2)では、アンテナ導体の占める面積
が大きく、視野を悪くする等の問題があった。
【0009】従来例2においては、AM放送受信時にA
M放送帯用のアンテナ導体とFM放送帯用のアンテナ導
体の両方を利用していなかったため、受信効率が悪かっ
た。そこで、両アンテナ導体を利用して受信感度を向上
させ、効率よく受信できるガラスアンテナ装置の開発が
望まれていた。
【0010】また、実公平7−22892号公報によ
り、図4に示されるように受信感度を向上させるため、
第1のコイルL1 とアンテナ要素AT+同軸ケーブルC
Bの対接地浮遊容量(以下、対接地浮遊容量を単に浮遊
容量という)とで直列共振させ、第2のコイルL2 と浮
遊容量とで並列共振させる自動車用受信装置が報告され
ている(従来例3)。従来例3における抵抗器Rは受信
特性を広帯域化させるためのものである。
【0011】従来例3はAM放送帯の受信を主に考慮し
たものであって、FM放送帯受信する場合には、第1の
コイルL1 に並列にバイパスコンデンサを接続してい
た。しかし、このような手段ではFM放送帯で第2のコ
イルL2 が短絡状態となりFM放送帯の受信信号が車体
アースに漏れるため、FM放送帯の受信感度が不充分で
あった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
前述の欠点の解消を目的とし、1つのアンテナでAM放
送帯及びFM放送帯等の2つの放送帯を良好な受信感度
で受信する車両用アンテナ装置を新規に提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、低受信周波数
帯受信と高受信周波数帯受信の兼用のアンテナ要素を備
え、アンテナ要素の浮遊容量を含む容量と第1の共振を
起こす第1のインダクタンス要素を備え、第1のインダ
クタンス要素はその一端に第1の高周波コイルが電気的
に接続され他端に第2の高周波コイルが電気的に接続さ
れている第1のコイルを含み、アンテナ要素と受信機と
の間に、高受信周波数帯を通過させる第1のコンデンサ
が電気的に接続され、第1のコンデンサの受信機側端部
と第2の高周波コイルの第1のコイルの反対側端部とは
電気的に接続され、第1のインダクタンス要素と車体ア
ースとの間に電気的に接続され、アンテナ要素の浮遊容
量を含む容量と見かけ上第2の共振を起こす第2のイン
ダクタンス要素を備えることを特徴とする車両用アンテ
ナ装置を提供する。
【0014】また、低受信周波数帯受信と高受信周波数
帯受信の兼用のアンテナ要素を備え、アンテナ要素の浮
遊容量を含む容量と第1の共振を起こす第1のインダク
タンス要素を備え、アンテナ要素と受信機との間に高受
信周波数帯を通過させる第1のコンデンサが電気的に接
続され、第1のインダクタンス要素と車体アースとの間
に電気的に接続され、アンテナ要素の浮遊容量を含む容
量と見かけ上第2の共振を起こす第2のインダクタンス
要素を備え、第2のインダクタンス要素が第2のコイル
と高周波コイルとを電気的に直列接続されたものを含む
ことを特徴とする車両用アンテナ装置を提供する。
【0015】また、第1の共振が低受信周波数帯の受信
感度を向上させるような共振であり、第2の共振が低受
信周波数帯の受信感度を向上させるような共振である上
記車両用アンテナ装置を提供する。また、第2のインダ
クタンス要素が、第1のコイルと第2の高周波コイルと
の間と、車体アースとの間に電気的に接続されている上
記車両用アンテナ装置を提供する。
【0016】また、第2のインダクタンス要素が、受信
機と車体アースとの間に電気的に接続されている上記車
両用アンテナ装置を提供する。また、第1のコンデンサ
の受信機側端部と受信機との間に第2のコンデンサが電
気的に接続されている上記車両用アンテナ装置を提供す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に従って詳細
に説明する。図1は本発明の車両用アンテナ装置の代表
例の回路図であり、低受信周波数帯及び高受信周波数帯
の2つの受信周波数帯の受信を想定している。
【0018】図1において、1は車両の窓ガラス板に設
けられるアンテナ導体、3は第1のコイル、7は高受信
周波数帯バイパス用の第1のコンデンサ、8は第2のコ
イル、18は必要に応じて設けられる第3のコイル、2
1は第1の抵抗、22は第2の抵抗、23は第3の抵
抗、61は第1の高周波コイル、62は第2の高周波コ
イル、63は第3の高周波コイル、71は直流電圧阻止
用の第2のコンデンサ、120、122は共振調整用の
コンデンサである。図1以外の図面で図1と同番号、同
符号の部分の名称は図1と同名称とする。アンテナ導体
1は低受信周波数帯及び高受信周波数帯の2つの受信周
波数帯の受信ができ、アンテナ要素として機能する。
【0019】図2に図1の等価回路図を示す。図2では
高周波コイル61、62、63、抵抗21、22、2
3、コンデンサ71、120、122は省略している。
図2において、EL はアンテナ導体1の電圧電源、CL0
はアンテナ導体1の有効容量、CL1はアンテナ導体1の
浮遊容量(無効容量)、CH1はケーブル(不図示)の浮
遊容量(無効容量)である。
【0020】ここで、ケーブルとは第1のコンデンサ7
の受信機側の端部と受信機側(不図示)とを接続するケ
ーブルをいう。また、浮遊容量とは静電容量(electric
capacity )を意味する。
【0021】図1において、第1の高周波コイル61、
第2の高周波コイル62及び第3の高周波コイル63
は、必要に応じて組合せて設けられるものであり、受信
信号が車体アースに漏れるのを防止する機能を有する。
【0022】高受信周波数帯において第1のコイル3は
高インピーダンスとなることが高受信周波数帯受信にと
って好ましい。しかし、高受信周波数帯において第1の
コイル3は高インピーダンスとならなくとも使用でき
る。
【0023】また、低インピーダンスとは、アンテナ導
体1の低受信周波数帯の受信信号が受信機側に流れやす
い範囲内のインピーダンスをいい、通常、受信機側の入
力インピーダンスの5倍以下となる。また、受信機側の
入力インピーダンスとは、通常、受信機の入力インピー
ダンスをいう。しかし、受信機の入力とアンテナとの間
にインピーダンス変換器が接続されている場合には、イ
ンピーダンス変換器の入力インピーダンスをいう。
【0024】また、高インピーダンスとは、アンテナ導
体1の低受信周波数帯の受信信号が受信機側に流れにく
い範囲内のインピーダンスをいい、通常、受信機側の入
力インピーダンスの5倍超となる。
【0025】低受信周波数帯がAM放送である場合、A
M放送受信の際の受信機側の入力インピーダンスは、通
常、1〜10kΩである。そのため、例えば、受信機側
の入力インピーダンスが5kΩである場合には、25k
Ω以下が低インピーダンスとなり、25kΩ超が高イン
ピーダンスとなる。
【0026】また、高受信周波数帯がFM放送である場
合、FM放送受信の際の受信機側の入力インピーダンス
は、通常、50又は75Ωである。そのため、例えば、
受信機側の入力インピーダンスが50Ωである場合に
は、250Ω以下が低インピーダンスとなり、250Ω
超が高インピーダンスとなる。
【0027】低受信周波数帯受信の場合には、アンテナ
導体1の受信信号が第1のコイル3に伝えられ、さら
に、その受信信号が受信機に送られる。この場合、第1
のコイル3のインダクタンスと、主に浮遊容量CH1とで
直列共振(第1の共振)を起こさせる。要するに第1の
コイル3と第1の他の要素とで第1の共振を起こさせ
る。ここで、第1の他の要素とは浮遊容量CH1のみに限
定されず、第1の共振に影響する要素であって、図1の
回路に人為的又は非人為的に加えられるインダクタンス
成分、容量成分、抵抗成分等を含む。例えば、浮遊容量
H1と並列にコンデンサ122を接続する例が挙げられ
る。
【0028】この直列共振である第1の共振により、第
1のコイル3と浮遊容量CH1との直列接続によるリアク
タンス(直列共振リアクタンス)と浮遊容量CL1とによ
って、アンテナ導体1側から見た場合、並列共振が起き
る。
【0029】この並列共振により、所望の受信周波数帯
の受信感度を向上できる。第1の共振については共振周
波数が高受信周波数帯より低い周波数に存在する必要が
ある。第1の共振を起こさせる場合には起こさせない場
合と比較して低受信周波数帯全域の受信感度が、通常、
5dB程度以上向上する。
【0030】この並列共振の共振周波数は低受信周波数
帯に存在することが好ましい。存在する場合には存在し
ない場合と比較して低受信周波数帯全域の受信感度が、
通常、10dB程度以上向上する。第1の共振には、ア
ンテナ導体1の周辺の配線の浮遊容量もわずかながら影
響する。例えば、第1のコイル3及び第2のコイル8等
の配線の浮遊容量である。
【0031】本発明では、アンテナ導体1は浮遊容量C
L1を有しており、第2のコイル8のインダクタンスと主
に浮遊容量CL1とで見かけ上並列共振(第2の共振)さ
せることが好ましい。
【0032】要するに第2のコイル8と第2の他の要素
とで第2の共振を起こさせる。ここで、第2の他の要素
とは浮遊容量CL1のみに限定されず、第2の共振に影響
する要素であって、図1の回路に人為的又は非人為的に
加えられるインダクタンス成分、容量成分、抵抗成分等
を含む。例えば、浮遊容量CL1と並列にコンデンサ12
0を接続する例が挙げられる。
【0033】この第2の共振を起こさせようとし、第2
のコイル8のインダクタンス値と第2の他の要素の値と
を設定しても、通常、実際には第2の共振(以下、見か
け第2の共振という)は起きずに、図2に示す回路全体
の系で、第2の共振とは別の2つの共振(第2の共振の
付随共振)が起きる。この付随共振は、アンテナ導体1
側から見た場合、並列共振的な性質が強い。
【0034】この2つの共振により、所望の受信周波数
帯の受信感度を向上でき、平坦化できる。第2の共振の
付随共振を起こさせようとする場合には起こさせようと
しない場合と比較して低受信周波数帯全域の受信感度
が、通常、5dB程度以上向上する。
【0035】第1の高周波コイル61、第2の高周波コ
イル62及び第3の高周波コイル63は、主に受信信号
が車体アースに漏れるのを防止する機能を有する。第1
の高周波コイル61、第2の高周波コイル62及び第3
の高周波コイル63の組合せとしては、第3の高周波コ
イル63のみを設けることが好ましく、第1の高周波コ
イル61及び第2の高周波コイル62を設けることがよ
り好ましい。
【0036】第3の高周波コイル63のみを設ける場合
には、高周波コイル61、62、63が全く設けられな
い場合と比較して、通常、0.5dB以上高受信周波数
帯の受信感度が向上する。第1の高周波コイル61及び
第2の高周波コイル62を設ける場合には、高周波コイ
ル61、62、63が全く設けられない場合と比較し
て、通常、1dB以上高受信周波数帯の受信感度が向上
する。第1の高周波コイル61及び第2の高周波コイル
62を設ける場合には第3の高周波コイル63を設けて
も設けなくても受信特性に影響はほとんどない。しか
し、第3の高周波コイル63を設けない場合の方が設け
る場合と比較して生産性がよい。
【0037】図1において、第1の高周波コイル61と
第2の高周波コイル62とが設けられる場合であって、
低受信周波数帯受信の場合には、第1のコイル3ととも
に第1の高周波コイル61と第2の高周波コイル62が
低インピーダンスとなるため、アンテナ導体1と受信機
側とが接続される。第3の高周波コイル63を設ける場
合であって、低受信周波数帯受信の場合には、第3の高
周波コイル63が低インピーダンスとなり、第2の共振
が起きる。高周波コイル61、62、63は、通常、
0.1〜100μH程度が使用される。
【0038】高受信周波数帯が10MHz以上である場
合、高周波コイル61、62、63は、少なくとも高受
信周波数帯では誘導性のインピーダンスを有し、高イン
ピーダンスとなるものであり、第1のコイル3又は第2
のコイル8が高受信周波数帯では、通常、自己共振周波
数が低く、インダクタンスを失うので高周波コイル6
1、62、63がこれを代行する。
【0039】高周波コイル61、62、63として、適
当な長さのリード線を使用できる場合もある。しかし、
通常、磁気コアを使用しないソレノイド又は磁気コアを
使用したコイルを用いる。
【0040】第1のコンデンサ7は高受信周波数帯にお
いて低インピーダンスとなり、低受信周波数帯において
高インピーダンスとなるような容量値とする。したがっ
て、アンテナ導体1に励起された高受信周波数帯の受信
信号は第1のコンデンサ7を介して受信機に送られる。
第1のコンデンサ7の容量値は、通常、1〜1000p
F程度が採用される。例えば、低受信周波数帯がAM放
送帯、高受信周波数帯がFM放送帯である場合、第1の
コンデンサ7の容量値は、5.0〜33pFの範囲が好
ましい。
【0041】ダンピング用の抵抗21、22、23は、
必要に応じて設けられるものであって、第1の共振又は
第2の共振のクオリティファクタ(Q)が適正であり、
抵抗21、22、23を設けなくても受信感度の平坦性
が確保できれば不要である。抵抗21、22、23以外
にダンピング用の抵抗を設けてもよい。
【0042】第3の抵抗23は第1の共振のQ値調整用
であり、抵抗21、22は第2の共振のQ値調整用であ
る。第1の抵抗21は広帯域化に非常に効果的であり、
第2の抵抗22は、熱雑音を増加させずにQ値を調整で
きるため、第2の共振のQ値調整用として抵抗21、2
2の両方を設けてもよい。なお、図1に示す第2の抵抗
22の結線の変更例として、第2の抵抗22の図1上部
端部を第1のコンデンサ7と第2のコンデンサ71との
間に接続してもよい。
【0043】また、図1では図面上第3の高周波コイル
63の上端部は第1のコイルの3右端部に接続されてい
る。しかし、これに限定されず、第3の高周波コイル6
3の上端部は第1のコイル3の左端部に接続されても使
用でき、この場合、第2の抵抗22は結線変更された第
2のコイル8に並列接続される。
【0044】第1のコンデンサ7は高受信周波数帯にお
いて低インピーダンスとなり、低受信周波数帯において
高インピーダンスとなるような容量値とする。したがっ
て、アンテナ導体1に励起された高受信周波数帯の受信
信号は第1のコンデンサ7を介して受信機に送られる。
第1のコンデンサ7の容量値は、通常、1〜1000p
F程度が採用される。例えば、低受信周波数帯がAM放
送帯、高受信周波数帯がFM放送帯である場合、第1の
コンデンサ7の容量値は5.0〜33pFの範囲が好ま
しい。
【0045】第2のコンデンサ71は直流電圧阻止用で
あり、必要に応じて設けられる。第2のコンデンサ71
の容量値は100pF〜0.01μFの範囲が好まし
い。第2のコンデンサ71の容量値がこの範囲内である
場合には、この範囲より小さい場合と比較して直流電圧
阻止の機能が充分発揮され、受信機の故障する確率が低
くくなり、かつ、例えば、高受信周波数帯がFM放送帯
と仮定したとすると第2のコンデンサ71の周波数特性
に影響されにくくなり、FM放送帯の受信感度が、通
常、0.5dB以上向上する。
【0046】また、例えば、低受信周波数帯がAM放送
帯と仮定したとき、第2のコンデンサ71の容量値がこ
の範囲内である場合には、この範囲より小さい場合と比
較してAM放送帯の低域付近のS/N比が、通常、0.
5dB以上向上し、AM放送帯の受信感度が、通常、
0.5dB以上向上する。
【0047】本発明のガラスアンテナは、AM、FM放
送帯用に限定されず、テレビVHF帯用、テレビUHF
帯用及び電話用等に応用でき、窓ガラス板に設けられる
アンテナ導体の数は限定されない。
【0048】本発明において、アンテナ導体が設けられ
る窓ガラス板は後部窓ガラス板に限定されず、サイド窓
ガラス板、前部窓ガラス板、ルーフ窓ガラス板等であっ
てもよい。特にRV車の場合には後部窓ガラス板の面積
が狭いために後部サイド窓ガラス板にアンテナ導体を設
けアンテナ要素として利用することが好ましい。
【0049】また、アンテナ導体は、通常、導電性銀ペ
ースト等の導電性金属含有ペーストを窓ガラス板の車内
側表面にプリントし、焼付けて形成する等により製造す
るが、この形成方法に限定されず、銅線等の導電性の線
状体又は箔状体を窓ガラス板の車内側又は車外側表面に
形成してもよく、窓ガラス板の内部に設けてもよい。ま
た、アンテナ導体を透明導電物質としてもよい。
【0050】また、本発明におけるアンテナ要素同志、
また、本発明におけるアンテナ要素と、ポールアンテナ
等の他のアンテナ及び/又は他のガラスアンテナとの間
でダイバーシティ受信を行ってもよい。
【0051】
【実施例】
「例1(実施例)」AM放送とFM放送との受信を前提
として図1のようなガラスアンテナ装置を製作した。低
受信周波数帯がAM放送帯であり、高受信周波数帯がF
M放送帯である。
【0052】アンテナ要素として車両の窓ガラス板に設
けらた図3に示すようなアンテナ導体136を使用し、
アンテナ導体136とデフォッガ33とは容量結合させ
ず、チョークコイル139は設けずにデフォッガ33を
直接車体アースに接続した。共振回路は図1に示すもの
を採用した。
【0053】図1の共振回路において、第1の高周波コ
イル61、第2の高周波コイル62、第2の抵抗22、
第3の抵抗23、コンデンサ71は設け、第3の高周波
コイル63、第1の抵抗21、共振調整用のコンデンサ
120、122は設けなかった。第1のコイル3はチッ
プ型のものであって比較的広帯域のものを用いた。
【0054】各回路素子の値は、AM放送帯(500〜
1500kHz)で第1のコイル3は220μH、第2
のコイル8は470μHとした。また、FM放送帯(8
8〜108MHz)で高周波コイル61、62は1.0
μH、AM放送帯及びFM放送帯で、第2の抵抗22は
2.7kΩ、第3の抵抗23は27kΩ、第1のコンデ
ンサ7は18pF、コンデンサ71は2200pFとし
た。
【0055】また、アンテナ導体1の有効容量CL0はほ
ぼ10pF、アンテナ導体1の浮遊容量CL1はほぼ40
pF、ケーブル(不図示)の浮遊容量CH1はほぼ120
pFであった。
【0056】「例2(比較例)」高周波コイル61、6
2を設けない以外の他の仕様については例1とまったく
同様とした。
【0057】「例3(比較例)」第2の高周波コイル6
2を設けない以外の他の仕様については例1とまったく
同様としたものを例3とした。
【0058】「例4(実施例)」高周波コイル61、6
2を設けず、第3の高周波コイル63を設ける以外の他
の仕様については例1とまったく同様とした。
【0059】「例5(実施例)」第1の抵抗21を設
け、第2の抵抗22は設けない以外の他の仕様について
は例1とまったく同様とした。第1の抵抗21は270
Ωとした。
【0060】「受信感度の周波数特性及び熱雑音の特
性」図5にFM放送帯域における例1〜4の受信感度の
周波数特性を示す。図5において実線は例1、点線は例
2及び例3、一点鎖線は例4である。例2と例3とは受
信感度の周波数特性が重なり合うようにまったく同様で
あった。図6に例1(実線)と例5(点線)の熱雑音の
特性を示す。図6において、縦軸の単位はdBV/(H
z)1/2 である。
【0061】AM放送帯域における平均受信感度につい
ては、図3に示す従来例であってアンテナ導体136と
デフォッガ33とを容量結合させ、チョークコイル13
9は設けたものと例1とを比較したところ、例1は図3
に示す従来例より0.3dB高かった。
【0062】
【発明の効果】本発明をガラスアンテナ装置に適用した
場合には、自動車の後部窓ガラス板にデフォッガとアン
テナ導体とが設けられている場合であっても、デフォッ
ガとアンテナ導体とを容量結合させる必要がなく、受信
感度向上のため従来必要であったチョークコイルが不要
となるため生産性がよい。
【0063】本発明では、AM放送帯用のアンテナ導体
とFM放送帯用のアンテナ導体とを別々に設ける必要が
なく、窓ガラス板におけるアンテナ導体の占める面積が
小さく、視野を悪くする等の問題が少ない。
【0064】本発明では、共振回路内に高周波コイルを
含んでいるために、FM放送帯等の高受信周波数帯の受
信信号が車体アースに漏れることが少ないため、FM放
送帯等の高受信周波数帯の受信感度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用アンテナ装置の代表例の回路図
【図2】図1の等価回路図
【図3】従来例1の構成図
【図4】従来例3の回路図
【図5】例1〜4の受信感度の周波数特性図
【図6】例1及び例5の熱雑音の特性図
【符号の説明】
1:車両の窓ガラス板に設けられるアンテナ導体 3:第1のコイル 7:第1のコンデンサ 8:第2のコイル 18:第3のコイル 21:第1の抵抗 22:第2の抵抗 23:第3の抵抗 61:第1の高周波コイル 62:第2の高周波コイル 63:第3の高周波コイル 71:第2のコンデンサ 120、122:コンデンサ EL :アンテナ導体1の電圧電源 CL0:アンテナ導体1の有効容量 CL1:アンテナ導体1の浮遊容量 CH1:ケーブルの浮遊容量

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低受信周波数帯受信と高受信周波数帯受信
    の兼用のアンテナ要素を備え、 アンテナ要素の浮遊容量を含む容量と第1の共振を起こ
    す第1のインダクタンス要素を備え、 第1のインダクタンス要素はその一端に第1の高周波コ
    イルが電気的に接続され他端に第2の高周波コイルが電
    気的に接続されている第1のコイルを含み、 アンテナ要素と受信機との間に、高受信周波数帯を通過
    させる第1のコンデンサが電気的に接続され、第1のコ
    ンデンサの受信機側端部と第2の高周波コイルの第1の
    コイルの反対側端部とは電気的に接続され、 第1のインダクタンス要素と車体アースとの間に電気的
    に接続され、アンテナ要素の浮遊容量を含む容量と見か
    け上第2の共振を起こす第2のインダクタンス要素を備
    えることを特徴とする車両用アンテナ装置。
  2. 【請求項2】低受信周波数帯受信と高受信周波数帯受信
    の兼用のアンテナ要素を備え、 アンテナ要素の浮遊容量を含む容量と第1の共振を起こ
    す第1のインダクタンス要素を備え、 アンテナ要素と受信機との間に、高受信周波数帯を通過
    させる第1のコンデンサが電気的に接続され、 第1のインダクタンス要素と車体アースとの間に電気的
    に接続され、アンテナ要素の浮遊容量を含む容量と見か
    け上第2の共振を起こす第2のインダクタンス要素を備
    え、 第2のインダクタンス要素が第2のコイルと高周波コイ
    ルとを電気的に直列接続されたものを含むことを特徴と
    する車両用アンテナ装置。
  3. 【請求項3】第1の共振が低受信周波数帯の受信感度を
    向上させるような共振であり、第2の共振が低受信周波
    数帯の受信感度を向上させるような共振である請求項1
    又は2の車両用アンテナ装置。
  4. 【請求項4】第2のインダクタンス要素が、第1のコイ
    ルと第2の高周波コイルとの間と、車体アースとの間に
    電気的に接続されている請求項1の車両用アンテナ装
    置。
  5. 【請求項5】第2のインダクタンス要素が、受信機と車
    体アースとの間に電気的に接続されている請求項2の車
    両用アンテナ装置。
  6. 【請求項6】第1のコンデンサの受信機側端部と受信機
    との間に第2のコンデンサが電気的に接続されている請
    求項1、2、3、4又は5の車両用アンテナ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6201505B1 (en) 1998-09-03 2001-03-13 Asahi Glass Company Ltd. Glass antenna device for an automobile

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