JPH1168604A - 自動車用ガラスアンテナ装置及び受信方法 - Google Patents

自動車用ガラスアンテナ装置及び受信方法

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JPH1168604A
JPH1168604A JP22046997A JP22046997A JPH1168604A JP H1168604 A JPH1168604 A JP H1168604A JP 22046997 A JP22046997 A JP 22046997A JP 22046997 A JP22046997 A JP 22046997A JP H1168604 A JPH1168604 A JP H1168604A
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JP
Japan
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frequency
coil
frequency band
band
antenna conductor
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JP22046997A
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English (en)
Inventor
Koji Igawa
耕司 井川
Fuminori Watanabe
文範 渡辺
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】MW帯の低域のS/N比の向上。 【解決手段】窓ガラス板に設けられたアンテナ導体1の
浮遊容量と第1のコイル3とで直列共振を起こし、第2
のコイル8とケーブルの浮遊容量とで並列共振を起こ
し、MW帯の最低周波数をfL 、MW帯の最高周波数を
H とするとき、直列共振周波数をfL 〜2・fH
し、並列共振周波数をfL 以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジオ、テレビ、
電話及び衛星通信等の受信に利用される自動車用ガラス
アンテナ装置及び同装置を用いる受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】実公平4−53070号公報には、図3
に示されるように感度を向上させるため、アンテナ導体
ATの対接地浮遊容量(以下、対接地浮遊容量を単に浮
遊容量というときもある)と第1のコイルL1 とで直列
共振させ、アンテナ導体ATの浮遊容量と第2のコイル
2 とで530〜1605kHzすなわち中波放送帯
(MW帯)で並列共振させる自動車用受信装置が提案さ
れている。この従来例における抵抗器Rは受信特性を広
帯域化させるためのものであり、コンデンサCはローパ
スフィルタ用のものである。
【0003】この従来例の実施例では、並列共振周波数
を700〜800kHzにしているため、700〜80
0kHz付近、換言すればMW帯低域のS/N比が悪い
という欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来例では並列共
振をMW帯内に限定し、MW帯のみを感度向上させてい
る。しかし、並列共振を利用する感度向上をMW帯に限
定しない場合であって、長波放送帯(LW帯)、短波放
送帯(SW帯)等の他の受信周波数帯内の低域で感度向
上のために並列共振させる場合にも、これらの受信周波
数帯の低域のS/N比が悪いという問題がある。
【0005】本発明は、従来技術の前述の欠点の解消を
目的とし、所望の受信周波数帯を低ノイズ、かつ、感度
の平坦性をよくでき、良好な感度で受信する自動車用ガ
ラスアンテナ装置及び受信方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車の窓ガ
ラス板にアンテナ導体が設けられており、アンテナ導体
の対接地浮遊容量を含む容量と直列共振を起こす第1の
コイルが備えられ、アンテナ導体の受信信号を受信機へ
伝送するケーブルの対接地浮遊容量を含む容量と並列共
振を起こす第2のコイルが備えられ、所望の受信周波数
帯の最低周波数をfL 、所望の受信周波数帯の最高周波
数をfH とするとき、直列共振周波数がfL 〜2・fH
であり、並列共振周波数がfL 以下であることを特徴と
する自動車用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0007】また、自動車の窓ガラス板にアンテナ導体
が設けられており、アンテナ導体の対接地浮遊容量を含
む容量と直列共振を起こす第1のコイルが備えられ、ア
ンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と並列共振を起
こす第3のコイルが備えられ、所望の受信周波数帯の最
低周波数をfL 、所望の受信周波数帯の最高周波数をf
H とするとき、直列共振周波数がfL 〜2・fH であ
り、並列共振周波数がfL 以下であることを特徴とする
自動車用ガラスアンテナ装置を提供する。
【0008】また、自動車の窓ガラス板にアンテナ導体
が設けられており、アンテナ導体の対接地浮遊容量を含
む容量と直列共振を起こす第1のコイルが備えられ、ア
ンテナ導体の受信信号を受信機へ伝送するケーブルの対
接地浮遊容量を含む容量と並列共振を起こす第2のコイ
ルが備えられている自動車用ガラスアンテナ装置を使用
して、所望の受信周波数帯の最低周波数をfL 、所望の
受信周波数帯の最高周波数をfH とするとき、直列共振
周波数がfL 〜2・fH になるように調整し、並列共振
周波数がfL 以下になるように調整することを特徴とす
る受信方法を提供する。
【0009】また、自動車の窓ガラス板にアンテナ導体
が設けられており、アンテナ導体の対接地浮遊容量を含
む容量と直列共振を起こす第1のコイルが備えられ、ア
ンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と並列共振を起
こす第3のコイルが備えられている自動車用ガラスアン
テナ装置を使用して、所望の受信周波数帯の最低周波数
をfL 、所望の受信周波数帯の最高周波数をfH とする
とき、直列共振周波数がfL 〜2・fH になるように調
整し、並列共振周波数がfL 以下になるように調整する
ことを特徴とする受信方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に従って詳細
に説明する。図1は本発明の自動車用ガラスアンテナ装
置の代表例の回路図であり、所望の受信周波数帯をMW
帯、LW帯、SW帯等の低受信周波数帯として説明す
る。
【0011】図1において、1は自動車の窓ガラス板に
設けられるアンテナ導体、3は第1のコイル、7はFM
放送帯等の高受信周波数帯バイパス用のコンデンサ、8
は第2のコイル、18は第3のコイル、21、22、2
3はそれぞれ抵抗、61、62、63はそれぞれ高周波
コイル、71は直流電圧阻止用のコンデンサ、120、
122はそれぞれ共振調整用のコンデンサである。図1
に示す回路のうちアンテナ導体1とコンデンサ71とを
除いた回路素子で構成される回路を共振回路という。
【0012】図1において点線は補助的線路を示し、点
線の線路が設けられなくとも、本発明は基本的に作用す
る。アンテナ導体1は低受信周波数帯のみの受信用とし
てもよい。本発明の自動車用ガラスアンテナ装置が低受
信周波数帯受信専用の装置である場合、アンテナ導体1
が低受信周波数帯受信専用として機能するため、コンデ
ンサ7、高周波コイル61、62、63は通常不要であ
る。
【0013】図2に図1の等価回路図を示す。図2では
高周波コイル61、62、63、抵抗21、22、2
3、コンデンサ71、120、122は省略している。
図2において、EL はアンテナ導体1の電圧電源、CL0
はアンテナ導体1の有効容量、CL1はアンテナ導体1の
浮遊容量、CH1はケーブル(不図示)の浮遊容量であ
る。浮遊容量CL1、浮遊容量CH1は無効容量として作用
する。
【0014】ここで、ケーブルとはコンデンサ7の受信
機側の端部と受信機(不図示)とを接続するケーブルを
いう。このケーブルはアンテナ導体1の受信信号を受信
機へ伝送する。図2において点線は補助的線路を示し、
点線の線路が設けられなくとも、本発明は基本的に作用
する。
【0015】低受信周波数帯受信の際には、アンテナ導
体1の受信信号が第1のコイル3に伝えられ、さらに、
その受信信号が受信機に送られる。低受信周波数帯受信
の場合には、アンテナ導体1側から受信機側を見て、浮
遊容量CH1及び第2のコイル8のインダクタンスとで並
列共振が起きる。この並列共振には浮遊容量CL1と第1
のコイル3も影響する。
【0016】なお、第2のコイル8の代わりに第3のコ
イル18を設けてもよい。この場合には、低受信周波数
帯受信の際、アンテナ導体1側から受信機側を見て、浮
遊容量CL1及び第3のコイル18のインダクタンスとで
並列共振が起きる。この並列共振には浮遊容量CH1と第
1のコイル3も影響する。
【0017】以上述べたことを換言すると、第2のコイ
ル8と第2のコイル8以外の他の要素(第1の他の要
素)とで並列共振を起こさせる。ここで、第1の他の要
素とは浮遊容量CH1のみに限定されず、並列共振に影響
する要素であって、図1の回路に人為的又は非人為的に
加えられるインダクタンス成分、容量成分、抵抗成分等
を含む。例えば、浮遊容量CH1と並列にコンデンサ12
2を接続する例が挙げられる。並列共振を起こさせる場
合には起こさせない場合と比較して低受信周波数帯全域
の感度が通常5dB程度以上向上する。
【0018】抵抗21、22、23は、並列共振のQ
(クオリティファクタ)を調整するためのものであり、
必要に応じて設けられる。しかし、感度の平坦性をよく
するためには抵抗21、22、23のうち1つ以上を設
けることが好ましい。ここで、感度の平坦性とは低域周
波数帯等の帯域内で最高感度と最低感度との差をいい、
この差が小さいほど、感度の平坦性がよい。
【0019】低受信周波数帯受信の場合であって、並列
共振周波数を低受信周波数帯内に入れた場合には、アン
テナ導体1と車体アースとの間のインピーダンスが無限
大となり、アンテナ導体1がノイズを拾いやすくなるた
め、S/N比が悪くなる。さらに、抵抗21、22、2
3のうち1つ以上を設けることにより、熱雑音電圧が起
きS/N比が悪くなる。したがって、並列共振周波数は
L 以下とする。
【0020】図4は、MW帯のfL である530kHz
周辺の実用感度と並列共振周波数との関係を示す特性図
である。ここで、実用感度とはS/N比が20dBとな
る電界強度をいう。図4のデータは図8の回路を用いて
測定した。図8における各回路素子の定数は以下のとお
りである。 第1のコイル3 =120μH、 第2のコイル8 =330〜1200μH、 抵抗22 =3.3kΩ、 浮遊容量CH1 =145pF、 浮遊容量CL1 = 65pF。
【0021】図4のデータの測定においては、実用感度
を維持するように、530kHzの送信電波を発信させ
て、530kHzの送信電波の強弱を調整し、この強弱
を図4の縦軸とした。図4の縦軸がS/N比に逆対応
し、図4の縦軸の値が大きい点はS/N比が悪い。図4
の横軸は並列共振周波数であり、第2のコイル8のイン
ダクタンス値を330〜1200μHの範囲で変化させ
ることにより並列共振周波数を変化させた。図4より、
並列共振周波数を530kHz以下とする方がMW帯の
最低周波数fL 近傍のS/N比が改善されることがわか
る。
【0022】図5には、並列共振周波数と受信周波数と
の差△f(Hz)をパラメータとして、縦軸を熱雑音電
圧、横軸を抵抗22の抵抗値とした両者の特性を表し
た。図5より、△fが大きく、抵抗22の抵抗値が大き
いほど熱雑音電圧を下げられ、S/N比を向上できるこ
とがわかる。また、抵抗22の抵抗値を大きくして、熱
雑音電圧を下げるためには、△f≧50kHzが好まし
く、△f≧100kHzがより好ましいことがわかる。
【0023】△fの基準となる周波数は低受信周波数帯
のfL であるから、低受信周波数帯がMW帯の場合に
は、△f≧50kHzということは、「530kHz−
50kHz=480kHz」、すなわち、並列共振周波
数を480kHz以下とする方がMW帯の最低周波数近
傍のS/N比が改善され、好ましい。
【0024】また、図5より、△f≧50kHzの場合
には、抵抗22の抵抗値が6kΩ以上で熱雑音電圧を下
げられ、好ましく、△f≧100kHzの場合には、抵
抗22の抵抗値が3.3kΩ以上で熱雑音電圧を下げら
れ、好ましい。以上を整理すると、並列共振周波数の範
囲と抵抗22の抵抗値の範囲との関係が表1に表され
る。
【0025】並列共振周波数がfL の1/2未満である
場合には、並列共振周波数がfL の1/2以上である場
合と比較して、感度の平坦性を10dB以内にすること
が困難となる。したがって、低受信周波数帯がMW帯の
場合には、並列共振周波数が265kHz以上であるこ
とが好ましい。
【0026】本発明では、主に浮遊容量CL1及び第1の
コイル3のインダクタンスとで直列共振を起こす。この
直列共振には浮遊容量CH1と第2のコイル8も影響す
る。
【0027】要するに第1のコイル3と第1のコイル3
以外の他の要素(第2の他の要素)とで直列共振を起こ
させる。ここで、第2の他の要素とは浮遊容量CH1のみ
に限定されず、直列共振に影響する要素であって、図1
の回路に人為的又は非人為的に加えられるインダクタン
ス成分、容量成分、抵抗成分等を含む。例えば、浮遊容
量CH1と並列にコンデンサ122を接続する例が挙げら
れる。直列共振を起こさせる場合には起こさせない場合
と比較して低受信周波数帯全域の感度が通常5dB程度
以上向上する。
【0028】直列共振については、低受信周波数帯の最
高周波数をfH とするとき、並列共振との関係で感度の
平坦性をよくするため、fL 〜2・fH の範囲に存在さ
せる。直列共振周波数がこの範囲内である場合には、こ
の範囲外と比較して、低受信周波数帯の感度の平坦性を
12dB以内にすることが容易となる。
【0029】低受信周波数帯の中心周波数をfM とする
とき、直列共振周波数をfM 〜1.5・fH に存在させ
ることが好ましい。直列共振周波数がこの範囲内である
場合には、この範囲外と比較して、低受信周波数帯の感
度の平坦性を10dB以内にすることが容易となる。
【0030】直列共振周波数を1.2・fM 〜1.1・
H に存在させることがより好ましい。直列共振周波数
がこの範囲内である場合には、この範囲外と比較して、
低受信周波数帯の感度の平坦性を8dB以内にすること
が容易となる。
【0031】直列共振には、アンテナ導体1の周辺の配
線の浮遊容量もわずかながら影響する。例えば、第1の
コイル3及び第2のコイル8等の配線の浮遊容量であ
る。
【0032】なお、図1において、高周波コイル61、
62、63は、必要に応じて組合せて設けられるもので
あり、高受信周波数帯受信の際、受信信号が車体アース
に漏れるのを防止する機能を有する。低受信周波数帯受
信だけでなく高受信周波数帯もを受信する場合に高周波
コイル61、62、63は設けられ、高受信周波数帯を
受信せず、低受信周波数帯のみの受信の場合には高周波
コイル61、62、63は不要である。
【0033】ここで、後述する低インピーダンスと高イ
ンピーダンスについて説明する。低インピーダンスと
は、アンテナ導体1の低受信周波数帯の受信信号が受信
機側に流れやすい範囲内のインピーダンスをいい、通
常、受信機側の入力インピーダンスの5倍以下となる。
また、受信機側の入力インピーダンスとは、通常、受信
機の入力インピーダンスをいう。しかし、受信機の入力
とアンテナとの間にインピーダンス変換器が接続されて
いる場合には、インピーダンス変換器の入力インピーダ
ンスをいう。
【0034】また、高インピーダンスとは、アンテナ導
体1の低受信周波数帯の受信信号が受信機側に流れにく
い範囲内のインピーダンスをいい、通常、受信機側の入
力インピーダンスの5倍超となる。
【0035】低受信周波数帯がAM放送である場合、A
M放送受信の際の受信機側の入力インピーダンスは、通
常1〜10kΩである。そのため、例えば、受信機側の
入力インピーダンスが5kΩである場合には、25kΩ
以下が低インピーダンスとなり、25kΩ超が高インピ
ーダンスとなる。
【0036】また、高受信周波数帯がFM放送である場
合、FM放送受信の際の受信機側の入力インピーダンス
は、通常50又は75Ωである。そのため、例えば、受
信機側の入力インピーダンスが50Ωである場合には、
250Ω以下が低インピーダンスとなり、250Ω超が
高インピーダンスとなる。
【0037】前述のとおり、高周波コイル61、62、
63は、高受信周波数帯受信の際、主に受信信号が車体
アースに漏れるのを防止する機能を有する。高周波コイ
ル61、62、63の組合せとしては、高周波コイル6
3のみを設けることが好ましく、高周波コイル61及び
高周波コイル62を設けることがより好ましい。
【0038】高周波コイル63のみを設ける場合には、
高周波コイル61、62、63が全く設けられない場合
と比較して、通常0.5dB以上高受信周波数帯の感度
が向上する。高周波コイル61及び高周波コイル62を
設ける場合には、高周波コイル61、62、63が全く
設けられない場合と比較して、通常1dB以上高受信周
波数帯の感度が向上する。高周波コイル61及び高周波
コイル62を設ける場合には高周波コイル63を設けて
も設けなくても受信特性に影響はほとんどない。しか
し、高周波コイル63を設けない場合の方が設ける場合
と比較して生産性がよい。
【0039】図1において、高周波コイル61と高周波
コイル62とが設けられる場合であって、低受信周波数
帯受信の場合には、第1のコイル3とともに高周波コイ
ル61と高周波コイル62が低インピーダンスとなるた
め、アンテナ導体1と受信機側とが接続される。高周波
コイル63を設ける場合であって、低受信周波数帯受信
の場合には、高周波コイル63が低インピーダンスとな
り、並列共振が起きる。高周波コイル61、62、63
は通常0.1〜100μH程度が使用される。
【0040】高受信周波数帯が10MHz以上である場
合、高周波コイル61、62、63は、少なくとも高受
信周波数帯受信の際には誘導性のインピーダンスを有
し、高インピーダンスとなるものであり、第1のコイル
3又は第2のコイル8が高受信周波数帯では、通常、自
己共振周波数が低く、インダクタンスを失うので高周波
コイル61、62、63がこれを代行する。高周波コイ
ル61、62、63として、適当な長さのリード線を使
用できる場合もある。しかし、通常、磁気コアを使用し
ないソレノイド又は磁気コアを使用したコイルを用い
る。
【0041】コンデンサ7は高受信周波数帯受信の際に
は低インピーダンスとなり、低受信周波数帯受信の際に
は高インピーダンスとなるような容量値とする。したが
って、アンテナ導体1に励起された高受信周波数帯の受
信信号はコンデンサ7を介して受信機に送られる。コン
デンサ7の容量値は、通常1〜1000pF程度が採用
される。例えば、低受信周波数帯がMW帯、高受信周波
数帯がFM放送帯である場合、コンデンサ7の容量値は
5.0〜33pFの範囲が好ましい。
【0042】ダンピング用の抵抗21、22、23は、
必要に応じて設けられるものであって、直列共振又は並
列共振のクオリティファクタ(Q)が適正であり、抵抗
21、22、23を設けなくても感度の平坦性が確保で
きれば不要である。抵抗21、22、23以外にダンピ
ング用の抵抗を設けてもよい。
【0043】抵抗23は直列共振のQ値調整用であり、
抵抗21、22は並列共振のQ値調整用である。抵抗2
1は広帯域化にきわめて効果的であり、抵抗22は熱雑
音を増加させずにQ値を調整できるため、並列共振のQ
値調整用として抵抗21、22の両方を設けてもよい。
なお、図1に示す抵抗22の結線の変更例として、抵抗
22の図1上部端部をコンデンサ7とコンデンサ71と
の間に接続してもよい。
【0044】また、図1では図面上高周波コイル63の
上端部は第1のコイルの3右端部に接続されている。し
かし、これに限定されず、高周波コイル63の上端部は
第1のコイル3の左端部に接続されても使用でき、この
場合、抵抗22は結線変更された第2のコイル8に並列
接続される。
【0045】コンデンサ7は高受信周波数帯受信の際に
は低インピーダンスとなり、低受信周波数帯受信の際に
は高インピーダンスとなるような容量値とする。したが
って、アンテナ導体1に励起された高受信周波数帯の受
信信号はコンデンサ7を介して受信機に送られる。コン
デンサ7の容量値は、通常1〜1000pF程度が採用
される。例えば、低受信周波数帯がMW帯、高受信周波
数帯がFM放送帯である場合、コンデンサ7の容量値は
5.0〜33pFの範囲が好ましい。
【0046】コンデンサ71は直流電圧阻止用であり、
必要に応じて設けられる。コンデンサ71の容量値は1
00pF〜0.01μFの範囲が好ましい。コンデンサ
71の容量値がこの範囲内である場合には、この範囲よ
り小さい場合と比較して直流電圧阻止の機能が充分発揮
され、受信機の故障する確率が低くくなり、かつ、例え
ば、高受信周波数帯がFM放送帯の場合にはコンデンサ
71の周波数特性に影響されにくくなり、FM放送帯の
感度が通常0.5dB以上向上する。
【0047】また、例えば、低受信周波数帯がMW帯の
場合には、コンデンサ71の容量値がこの範囲内である
場合には、この範囲より小さい場合と比較してMW帯の
低域付近のS/N比が通常0.5dB以上向上し、MW
帯の感度が通常0.5dB以上向上する。
【0048】本発明のガラスアンテナ装置は、MW帯
用、FM放送帯用に限定されず、LW帯、SW帯、テレ
ビVHF帯用、テレビUHF帯用及び電話用等に応用で
き、窓ガラス板に設けられるアンテナ導体の数は限定さ
れない。
【0049】本発明のガラスアンテナ装置が設けられる
窓ガラス板は後部窓ガラス板に限定されず、サイド窓ガ
ラス板、前部窓ガラス板、ルーフ窓ガラス板等であって
もよい。特にRV車の場合には後部窓ガラス板の面積が
狭いために後部サイド窓ガラス板にアンテナ導体を設け
アンテナ導体として利用することが好ましい。
【0050】また、アンテナ導体は、通常、導電性銀ペ
ースト等の導電性金属含有ペーストを窓ガラス板の車内
側表面にプリントし、焼付けて形成する等により製造す
るが、この形成方法に限定されず、銅線等の導電性の線
状体又は箔状体を窓ガラス板の車内側又は車外側表面に
形成してもよく、窓ガラス板の内部に設けてもよい。ま
た、アンテナ導体を透明導電物質としてもよい。
【0051】
【表1】
【0052】
【実施例】
「例1(実施例)」MW帯の受信を前提として図1のよ
うなガラスアンテナ装置を製作した。アンテナ導体とし
て自動車の後部窓ガラス板に設けられたアンテナ導体を
使用し、共振回路は図1に示すものを採用した。
【0053】図1の共振回路において、高周波コイル6
1、62、63、抵抗21、23、コンデンサ7及び共
振調整用のコンデンサ120、122は設けなかった。
第1のコイル3はチップ型のものであって比較的広帯域
のものを用いた。
【0054】主にMW帯で作用する各回路素子のMW帯
受信の際の値を以下に示す。 第1のコイル3 =220μH、 第2のコイル8 =680μH、 アンテナ導体1の有効容量CL0 =10pF、 アンテナ導体1の浮遊容量CL1 =65pF、 ケーブル(不図示)の浮遊容量CH1=145pF、 コンデンサ71 =2200pF、 抵抗22 =9.1kΩ。
【0055】図6にMW帯の感度特性を示す。並列共振
周波数はほぼ400kHz、直列共振周波数はほぼ14
50kHzであった。
【0056】図7は530KHzにおけるS/N特性図
である。シールドルーム内で信号発生器に接続した送信
用アンテナから電波を放射して測定した。図7の横軸は
信号発生器の出力電圧、縦軸は受信機最終段の低周波増
幅回路の出力電圧をdBで表示したものである。信号発
生器の出力を120dBμVとして、S/N比を飽和状
態にさせるために受信機に入力を充分に入れた(飽和状
態)。このとき、信号発生器の変調については400H
zの変調周波数を採用し30%の変調度とした。また、
このときの状態を縦軸の0(ゼロ)dBとして基準とし
た。
【0057】図7では、40〜100dBμV/mにお
いてS/N特性を示す実線が上下に分枝している。上の
線は飽和状態であり(音声信号(S)+ノイズ
(N))、下の線は送信用アンテナからの電波に変調を
全く加えていない状態である(無変調状態)。図7にお
ける上の線と下の線のdBの差異が大きいほどS/N比
が大きく、良好な受信ができる。なお、図7のS/N特
性はエンジンノイズ等の車両ノイズは無関係であり、エ
ンジンの作動又は停止に影響されない。
【0058】
【発明の効果】本発明では、並列共振周波数がfL 以下
に存在するため、所望の受信周波数帯の低域のS/N比
が向上する。さらに、直列共振周波数をfL 〜2・fH
とするため、所望の受信周波数帯の平坦性を確保するこ
とが容易である。
【0059】コンデンサ7を設ける場合には、低受信周
波数帯用のアンテナ導体と高受信周波数帯用のアンテナ
導体とを別々に設ける必要がなく、窓ガラス板における
アンテナ導体の占める面積が小さく、視野を悪くする等
の問題が少ないという効果も認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用ガラスアンテナ装置の構成図
【図2】図1の等価回路図
【図3】従来例1の構成図
【図4】MW帯のfL である530kHz周辺の実用感
度と並列共振周波数との関係を示す特性図
【図5】並列共振周波数と受信周波数との差△f(H
z)をパラメータとして、縦軸を熱雑音電圧、横軸を抵
抗22の抵抗値とした特性図
【図6】例1のMW帯の感度特性図
【図7】例1の530KHzにおけるS/N特性図
【図8】図4のデータの測定に用いた回路の回路図
【符号の説明】
1:アンテナ導体 3:第1のコイル 7:コンデンサ 8:第2のコイル 18:第3のコイル 21、22、23:抵抗 61、62、63:高周波コイル 71、120、122:コンデンサ EL :アンテナ導体1の電圧電源 CL0:アンテナ導体1の有効容量 CL1:アンテナ導体1の浮遊容量(無効容量) CH1:ケーブル(不図示)の浮遊容量(無効容量)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車の窓ガラス板にアンテナ導体が設け
    られており、 アンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と直列共振を
    起こす第1のコイルが備えられ、 アンテナ導体の受信信号を受信機へ伝送するケーブルの
    対接地浮遊容量を含む容量と並列共振を起こす第2のコ
    イルが備えられ、 所望の受信周波数帯の最低周波数をfL 、所望の受信周
    波数帯の最高周波数をfH とするとき、直列共振周波数
    がfL 〜2・fH であり、並列共振周波数がfL 以下で
    あることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ装置。
  2. 【請求項2】自動車の窓ガラス板にアンテナ導体が設け
    られており、 アンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と直列共振を
    起こす第1のコイルが備えられ、 アンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と並列共振を
    起こす第3のコイルが備えられ、 所望の受信周波数帯の最低周波数をfL 、所望の受信周
    波数帯の最高周波数をfH とするとき、直列共振周波数
    がfL 〜2・fH であり、並列共振周波数がfL 以下で
    あることを特徴とする自動車用ガラスアンテナ装置。
  3. 【請求項3】自動車の窓ガラス板にアンテナ導体が設け
    られており、 アンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と直列共振を
    起こす第1のコイルが備えられ、 アンテナ導体の受信信号を受信機へ伝送するケーブルの
    対接地浮遊容量を含む容量と並列共振を起こす第2のコ
    イルが備えられている自動車用ガラスアンテナ装置を使
    用して、 所望の受信周波数帯の最低周波数をfL 、所望の受信周
    波数帯の最高周波数をfH とするとき、直列共振周波数
    がfL 〜2・fH になるように調整し、並列共振周波数
    がfL 以下になるように調整することを特徴とする受信
    方法。
  4. 【請求項4】自動車の窓ガラス板にアンテナ導体が設け
    られており、 アンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と直列共振を
    起こす第1のコイルが備えられ、 アンテナ導体の対接地浮遊容量を含む容量と並列共振を
    起こす第3のコイルが備えられている自動車用ガラスア
    ンテナ装置を使用して、 所望の受信周波数帯の最低周波数をfL 、所望の受信周
    波数帯の最高周波数をfH とするとき、直列共振周波数
    がfL 〜2・fH になるように調整し、並列共振周波数
    がfL 以下になるように調整することを特徴とする受信
    方法。
JP22046997A 1997-08-15 1997-08-15 自動車用ガラスアンテナ装置及び受信方法 Pending JPH1168604A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6693677B1 (en) * 1999-11-22 2004-02-17 Samsung Electronics Co., Ltd. Apparatus for commonly using antenna for call signal and television broadcasting signal in radio communication terminal
JP2015084604A (ja) * 2009-11-13 2015-04-30 日立金属株式会社 周波数調整手段用回路及びそれを用いた回路基板

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