JP2000172189A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置の製造方法

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JP2000172189A JP11260565A JP26056599A JP2000172189A JP 2000172189 A JP2000172189 A JP 2000172189A JP 11260565 A JP11260565 A JP 11260565A JP 26056599 A JP26056599 A JP 26056599A JP 2000172189 A JP2000172189 A JP 2000172189A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率よく基板の薄膜化を行う表示装置の製造
方法を提供する。 【解決手段】 表示装置複数個分の面積を有する一方の
元基板上に、シール樹脂の層を介して他方の元基板が貼
合わせられる。貼合わせられた一対の元基板を分断する
ことによって、一対の元基板が、個々の表示装置の大き
さの複数組の一対の基板に分離される。分離後に、基板
保持手段によって複数組の一対の基板が保持された状態
で、該基板の厚さを薄くする基板薄膜化処理が行われ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置の製造方
法に関し、特に表示装置を構成する基板の薄膜化処理に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器あるいは家庭用電化製品
などが盛んに開発、製造されて、市場で大量に販売され
ており、テレビ受像機は勿論のこと、VTRやパーソナ
ルコンピュータなども広く一般に普及している。そし
て、これらの機器は年々高性能化しており、情報化社会
の進展に伴って利用者に多くの情報を提供するツールと
して現代社会において欠かすことのできないものとなっ
ている。このような機器類の多くは、情報を利用者に的
確に伝達するための情報を表示する手段である表示装置
を備えているものが多いが、その表示装置としては、薄
型で軽量のものが求められている。
【0003】このような表示装置の軽量化を目的とした
技術としては、たとえば特開平4−116619号公報
(特許2722798号)が知られている。これは、1
枚のガラス基板から複数個の液晶表示装置を取出す多数
枚取りの液晶表示装置の製造方法において、複数個の液
晶表示装置の面積をもつ基板を貼合わせた素子集合体の
状態で化学的研磨を行い、液晶表示装置の厚みを薄くす
るというものである。
【0004】以下、この従来例について、図面を参照し
て簡単に説明する。図12および図13は、複数個の液
晶表示装置の面積をもつ基板を貼合わせて組立てられた
素子集合体の平面図および断面図を示したものである。
この素子集合体Aは、以下のようにして組立てられる。
【0005】まず、液晶表示装置複数個分(本従来図で
は10個分を例示)の面積をもつ一対の各元ガラス基板
1,2(いわゆるマザーガラス)上の各素子区画aに、
それぞれ表示用の透明電極および配向膜など(図示せ
ず)を形成する。
【0006】次に、いずれか一方の元ガラス基板表面
に、該表示面上の各素子区画aの液晶封入領域bをそれ
ぞれ囲む枠状のシール材3を印刷するとともに、元ガラ
ス基板の外周縁よりもわずかに内側に、各素子区画aの
全てを囲む外周シーリング材4を印刷する。シール材3
および外周シーリング材4の材料としては、元ガラス基
板1,2とのエッチング選択比が高いエポキシ樹脂系の
接着剤などが使用されている。また、各シール材3につ
いては、その一部に液晶注入口3aとなる隙間を残して
印刷される。また、外周シーリング材4については、そ
の一部に通気口4aとなる隙間を残して印刷される。
【0007】次に、上記一対の元ガラス基板1,2を、
その各素子区画aを互いに対向させて重ね合わせ、この
両元ガラス基板1,2を上述したシール材3および外周
シーリング材4を介して接着する。この場合、両元ガラ
ス基板1,2間の空間は、各シール材3の一部に設けた
液晶注入口3aおよび外周シーリング材4の一部に設け
た通気口4aを介して外部に連通しているので、両元ガ
ラス基板1,2間の空気圧が高くなることはない。した
がって、両元ガラス基板1,2は、その全域にわたって
均一な間隔を空けて接着された状態となっている。
【0008】この後は、上述した通気口4aを、元ガラ
ス基板1,2とのエッチング選択比が高いエポキシ樹脂
系接着剤などの封止材5で封止し、素子集合体Aを完成
させる。
【0009】このようにして素子集合体Aを組立てた
後、図14に示すように、この素子集合体Aをエッチン
グ槽10内のエッチング液11中に浸漬し、素子集合体
Aの両元ガラス基板1,2の外面をエッチングする。な
お、このときのエッチング液11としては、フッ酸をベ
ースとしたエッチング液が使用されている。
【0010】このように、素子集合体Aをエッチング液
11中に浸漬して両ガラス基板1,2の外面をエッチン
グすると、この元両ガラス基板1,2の厚さが図14の
鎖線で示した初期の厚さから実線で示したように薄くな
っていく。また、元ガラス基板1,2のエッチングは基
板外面全体にわたって均等に進行するので、元ガラス基
板1,2はその全体にわたって均一に薄くなる。
【0011】また、素子集合体Aをエッチング液11中
に浸漬させると、エッチング液11が両元ガラス基板
1,2間にも侵入しようとする。従来技術の製造方法で
は、素子集合体Aを組立てる際に、一対の元ガラス基板
1,2をその各素子区画aの全てを囲む外周シーリング
材4を介して接着するとともに、このシーリング材4の
一部に設けた通気口4aを封止材5で封止し、かつこの
シーリング材4と封止材5とを、元ガラス基板1,2と
のエッチング選択比が高いエポキシ樹脂系接着剤などで
形成している。ゆえに両元ガラス基板1,2間へのエッ
チング液11の侵入は、外周シーリング材4によって阻
止されることになる。
【0012】したがって、元ガラス基板1,2の外面エ
ッチングに際して、各素子区画aの内面側、すなわちシ
ール材3の外側の電極端子配列部およびシール材3で囲
まれた液晶封入領域bが、エッチング雰囲気であるエッ
チング液11にさらされることはない。なお、両元ガラ
ス基板1,2は、その外面だけでなく外周面についても
エッチングされることになる。この元ガラス基板1,2
の外周面がエッチングによって外周シーリング材4の内
周面よりも内側に後退するまでは、両元ガラス基板1,
2間へのエッチング液11の侵入が外周シーリング材4
によって阻止されている。ゆえに上述したような外周シ
ーリング材4を基板外周縁よりも僅かに内側に印刷する
とともに、この外周シーリング材4の幅を充分大きくと
っておけば、ガラス基板1,2の外周面がエッチングさ
れても何等問題は発生しない。
【0013】このように、素子集合体Aを組立てた状態
で、その両元ガラス基板1,2の外面をエッチングした
後は、速やかに素子集合体Aを洗浄して付着エッチング
液を完全に除去する。その後、上述した素子集合体Aの
両元ガラス基板1,2を各素子区画aごとに分断するこ
とによって素子集合体を個々の液晶表示装置のセル部材
に分離する。
【0014】その後、個々の液晶表示装置のセル部材の
基板間に真空注入法を用いて液晶材料を注入し、封止樹
脂によって注入口3aの封止を行って、液晶表示装置を
完成させる。この真空注入法は、真空チャンバ内を真空
状態にした後、液晶表示装置の注入口を液晶の入った液
晶溜に漬け、真空チャンバ内の圧力を大気圧に戻すこと
によって液晶の注入を行うものである。真空注入法は、
液晶表示装置のセル部材への液晶の注入を容易にしかも
均一に行うことができるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような表示装置の
製造方法においては、素子集合体の状態でエッチング槽
を用いて基板の薄膜化を行っているので、大きなエッチ
ング槽が必要となり、それに伴い大量のエッチング液も
必要となる。これによって、表示装置の生産効率が悪く
なってしまう。また、薄膜化された素子集合体は、その
取扱いが非常に困難であり、エッチング槽から素子集合
体を引上げて搬送する際などにも割易いので、素子集合
体の取扱いには多大な注意を要している。
【0016】また、特に上述の従来例に開示された液晶
表示装置においては、基板を薄膜化した状態で液晶材料
を真空注入しているため、この真空注入工程時に基板の
割れや欠けが多く発生するという問題も有している。
【0017】また、上述したような素子集合体の状態で
基板の薄膜化を行わずに、元ガラス基板の分断後の状態
で基板の薄膜化を行うことも考えられる。基板分断後の
状態で1枚ずつ基板の薄膜化を行うと、スループットが
悪く製造プロセスが長くなってしまうという問題が発生
してしまう。
【0018】本発明は、上述したような問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、効率よ
く基板の薄膜化を行うことによって、薄型で軽量の表示
装置を容易に製造することができる表示装置の製造方法
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
対の基板を含む表示装置の製造方法において、予め準備
された一対の元基板のうちの表示装置複数個分の面積を
有する一方の元基板上に、シール樹脂の層を形成する工
程と、前記シール樹脂を介して、前記表示装置複数個分
の面積を有する一方の元基板上に、一対の元基板のうち
の他方の元基板を貼合わせる工程と、前記貼合わされた
一対の元基板を分断して、個々の表示装置の大きさを有
する複数組の一対の基板に分離する工程と、前記個々の
表示装置の大きさに分離された複数組の一対の基板を基
板保持手段によって保持し、該一対の基板のうちの少な
くとも一方の厚さを薄くする基板薄膜化処理を、複数組
の基板を該基板保持手段に保持させた状態で行う工程と
を含むことを特徴とする表示装置の製造方法である。
【0020】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、シール樹脂を介して、表示装置複数個分の面積を
有する一方の元基板上に他方の元基板を貼合わせ、該貼
合わせた一対の元基板を分断して個々の表示装置の大き
さの複数の基板に分離した後に、基板保持手段によって
保持された状態で該基板の厚さを薄くする基板薄膜化処
理を行っている。本発明の製造方法が用いられる場合、
表示装置複数個分の面積を有する元基板を含む素子集合
体の状態で薄膜化処理を行う場合と比較して、大きなエ
ッチング槽が不要であるので、それに伴い大量のエッチ
ング液を必要とすることもなくなる。
【0021】また、このとき表示装置の大きさに分離し
た後の基板を基板保持手段によって複数枚まとめて薄膜
化処理している。これによって、薄膜化処理のスループ
ットがよくなり、基板の薄膜化処理を効率的に行うこと
ができる。この結果、軽くて薄い表示装置を容易に実現
することが可能となっている。
【0022】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記基板の厚さを薄くするための基板薄膜化処理を行う工
程は、化学的研磨法を用いて行われることを特徴とす
る。
【0023】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、化学的研磨法を用いた基板薄膜化処理を行ってい
る。これによって、基板へのダメージの少ない薄膜化処
理を行うことが可能となっている。
【0024】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記基板の厚さを薄くするための基板薄膜化処理を行う工
程は、前記個々の表示装置の大きさに分離された一対の
基板の端部に封止手段が形成された状態で行われること
を特徴とする。
【0025】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、分離後の基板端部に封止手段を形成した状態で、
前記基板の厚さを薄くする基板薄膜化処理を行ってい
る。これによって、これら分離後の基板上に形成された
端子部などへのダメージの少ない薄膜化処理を行うこと
が可能となっている。
【0026】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記封止手段は、前記表示装置複数個分の面積を有する一
方の元基板上にシール樹脂の層を形成する工程において
形成されることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、封止手段を、シール樹脂を形成する工程と同一の
工程によって形成している。これによって、新たな工程
を付加する必要がなく、分離後の基板の端部に封止手段
を容易に形成することが可能となっている。
【0028】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記表示装置複数個分の面積を有する一方の元基板上に
は、表示に関わる部品が配置された表示部と、該表示部
に信号を供給する駆動回路部とがそれぞれ複数個分形成
されており、前記シール樹脂の層は前記表示部周辺部に
配置され、前記封止手段は前記駆動回路部周辺部に配置
されることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、シール樹脂を表示部周辺部に配置し、封止手段を
駆動回路部周辺部に配置している。これによって、駆動
回路一体型の表示装置の製造時においても、基板上に形
成された駆動回路部にダメージを与えることなく、基板
の薄膜化処理を容易に実行することが可能となってい
る。
【0030】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記基板保持手段は、前記個々の表示装置の大きさに分離
された一対の基板を複数組収納可能な基板カセットであ
ることを特徴とする。
【0031】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、基板保持手段が、分離した一対の基板を複数組収
納できる基板カセットで実現される。これによって、基
板へのダメージが少なくなり、かつ複数枚の表示装置の
基板の薄膜化処理を容易に行うことが可能となってい
る。
【0032】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記表示装置複数個分の面積を有する一方の元基板上に前
記シール樹脂を介して貼合わされる前記他方の元基板
は、略表示装置1個分の面積を有することを特徴とす
る。
【0033】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、表示装置複数個分の面積を有する一方の元基板上
に貼合わされる他方の元基板が、概略表示装置1個分の
面積を有している。これによって、不良の存在する表示
装置構成部品と対向する部分には他方の元基板を貼合わ
せる必要がなく、良品の表示装置構成部品と対向する部
分だけに他方の元基板を貼合わせることができる。これ
によって表示装置の良品率を向上させることが可能とな
っている。
【0034】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記個々の表示装置の大きさに分離された一対の基板間の
前記シール樹脂の層によって囲まれた空間には、薄膜化
処理に先立ち、液晶材料が注入されていることを特徴と
する。
【0035】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、分離した一対の基板間の空間に、液晶材料を注入
する。これによって、厚さが薄く軽量の液晶表示装置を
効率よく製造することが可能となっている。
【0036】なお、基板の薄膜化処理の前に液晶材料の
注入工程を行うことによって、分離後の一対の基板の厚
さが厚い状態で、液晶注入を行うことが可能となる。こ
れによって、前記液晶材料を真空注入法によって注入し
ても、この液晶注入工程時に基板の割れや欠けが起こる
ことはない。
【0037】本発明は、少なくとも一対の基板を含む表
示装置の製造方法において、個々の表示装置の大きさを
それぞれ有する複数組の一対の基板が基板保持手段によ
って保持された状態で、各組の一対の基板の少なくとも
一方の基板の厚さを薄くするための基板薄膜化処理を行
う工程を含むことを特徴とする表示装置の製造方法であ
る。
【0038】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、個々の表示装置の大きさをそれぞれ有する複数組
の1対の基板が基板保持手段によって保持された状態
で、基板薄膜化処理が行われる。これによって本発明の
表示装置の製造方法では、素子集合体の状態で薄膜化処
理が行われる場合よりも小さなエッチング槽を用いるこ
とが可能になり、かつ基板薄膜化処理に必要とされるエ
ッチング液の量が、素子集合体の状態で薄膜化処理が行
われる場合の必要量よりも少なくなる。また複数組の基
板はまとめて薄膜化処理されているので、複数組の基板
が1組ずつ薄膜化処理される場合よりも、薄膜化処理の
スループットが向上し、薄膜化処理を効率的に行うこと
ができる。この結果、従来技術の表示装置よりも軽くて
薄い表示装置を、容易に実現することが可能になる。
【0039】また、本発明の表示装置の製造方法は、基
板の薄膜化処理を行う工程に先立って、各組の前記一対
の基板はシール材を介して相互に貼合わされ、かつ各組
の前記一対の基板の端部に封止手段が配置され、封止手
段は、一対の基板間の空間を封止し、封止手段は、シー
ル材を一対の基板間に配置する工程において配置される
ことを特徴とする。
【0040】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、封止手段とシール材とが同一の工程において形成
されている。これによって表示装置の製造工程に、封止
手段を形成するための新たな工程を付加する必要がなく
なるので、1対の基板の端部に、封止手段を容易に形成
することが可能になる。
【0041】また、本発明の表示装置の製造方法は、基
板の薄膜化処理を行う工程に先立って、各組の前記一対
の基板の間には、表示に関わる部品が配置された表示部
と、該表示部に信号を供給するための駆動回路部とが形
成されており、前記シール材が表示部の周辺部に配置さ
れており、前記封止手段が駆動回路部の周辺部に配置さ
れていることを特徴とする。
【0042】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、シール材によって貼合わされた1対の基板の駆動
回路部周辺部に、封止手段が形成されている。これによ
って駆動回路一体型の表示装置の製造時においても、基
板上に形成された駆動回路部にダメージを与えることな
く、基板の薄膜化処理を容易に実行することが可能にな
る。
【0043】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記基板保持手段が、前記個々の表示装置の大きさの1対
の基板を複数組収納可能な基板カセットであることを特
徴とする。
【0044】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、複数組の一対の基板は基板カセットに収納され
る。これによって基板へのダメージが少なくなるので、
複数組の一対の基板の薄膜化処理を容易に行うことが可
能になっている。
【0045】また、本発明の表示装置の製造方法は、前
記一対の基板の間に液晶材料を封入する工程をさらに含
むことを特徴とする。
【0046】本発明に従えば、表示装置の製造方法にお
いて、1対の基板の間に液晶材料が封入される。これに
よって、従来技術の液晶表示装置よりも軽量であって厚
さが薄い液晶表示装置を、効率よく製造することが可能
になる。好ましくは、液晶材料の注入工程は、基板薄膜
化処理に先立って行われる。これによって1対の基板の
厚さが液晶表示装置完成時の基板厚さよりも厚い状態
で、液晶注入を行うことができる。ゆえに液晶材料を真
空注入法によって注入しても、液晶注入工程時に基板の
割れや欠けが起こることが無くなるので、液晶表示装置
をさらに効率よく製造することが可能になる。
【0047】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の第1
の実施の形態の表示装置の製造方法において組立てられ
る素子集合体Cを示す平面図である。なお、図1および
図2に示すように、第1の実施の形態においては、液晶
表示装置2個分の面積を素子集合体Cが有する場合につ
いて説明を行う。なお本明細書の図面においては、素子
集合体Cが含む一対の元ガラス基板100,101のう
ちの他方のガラス基板101の一部分を切欠いている。
【0048】図1に示すように、液晶表示装置2個分の
面積をもつ厚さ1mmの一対の元ガラス基板100,1
01、いわゆるマザーガラスのうちの一方の元ガラス基
板100上には、表示部102と、該表示部102に信
号を供給するための2つの端子部103,104とがそ
れぞれ形成されている。端子部103,104および表
示部102の組は、一方のガラス基板上に、2組配置さ
れている。表示部102には、液晶表示装置の表示に係
る構成部品が、それぞれ配置されている。表示に係る構
成部品は、表示用の透明電極や配向膜などである。そし
て、液晶表示装置2個分の面積をもつ他方の元ガラス基
板101との貼合わせを行うために、一方の元ガラス基
板100上には、上述した表示部102を囲むように、
シール樹脂105が形成されている。シール樹脂105
は、基板の貼合わせ用部材と液晶の封止用部材とを兼ね
ている。シール樹脂105は枠状の層に形成されてお
り、表示部102に形成された構成部品よりも、元ガラ
ス基板100の表面からの高さが高い。シール樹脂10
5には、液晶の注入口106となる隙間が設けられてい
る。シール樹脂105が配置された状態の一方の元ガラ
ス基板100を、シール樹脂105が他方の元ガラス基
板101に最近接するように配置して、一方の元ガラス
基板100と他方のガラス基板101との貼合わせが行
われる。他方の元ガラス基板101の表面に、液晶表示
装置の表示に係る構成部品が形成されていてもよい。こ
の結果、図1に示す素子集合体Cが完成する。
【0049】次に、図2に示すように、一点鎖線108
で示す位置において、素子集合体Cの両元ガラス基板1
00,101が、表示部102毎に分断される。これに
よって、素子集合体Cが個々の液晶表示装置のセル部材
に分離される。そして、液晶表示装置の形成のために、
個々の液晶表示装置のセル部材の注入口106から、真
空注入法を用いて、セル部材が有する2枚の分断後のガ
ラス基板間のシール樹脂105に囲まれた空間内部に、
液晶材料が注入される。注入後、注入口106に封止部
材107が配置されることによって、注入口106の封
止が行われる。
【0050】図3は、第1の実施の形態における液晶表
示装置Dを構成するガラス基板100a,101aの薄
膜化工程を示す概略断面図である。
【0051】図3に示すように、第1の実施の形態にお
いては、複数枚の液晶表示装置を収納することが可能な
基板カセット201に、図1および図2で説明した工程
で作製された液晶封入後のセル部材、すなわち液晶表示
装置Dが収納される。フッ酸などを用いたエッチング液
202が溜られたエッチング槽200に、基板カセット
201内の複数枚の液晶表示装置Dが同時に浸される。
これによって、液晶表示装置Dを構成するガラス基板1
00a,101aの薄膜化処理が行われる。第1の実施
の形態では、5枚の液晶表示装置Dが同時に浸される。
【0052】なおこのとき、たとえば図4に示すよう
に、液晶表示装置Dの端子部103,104がエッチン
グ液202によりダメージを受けることを防止するため
に、エッチングに先立ち、液晶表示装置Dを構成する2
枚のガラス基板100a,101a間へのエッチング液
の侵入を防止する封止手段203が、各ガラス基板10
0a,101aの端部に設けられる。封止手段203に
よって2枚のガラス基板100a,101a間の空間が
封止された状態で、基板カセット201をエッチング液
202中に浸す。このような封止手段203としては、
エッチング液202にダメージを受けない材料の薄膜を
用い、該薄膜を一対の分断後のガラス基板100a,1
01aの側部に貼合わせ、該薄膜によって、分断後のガ
ラス基板100a,101a間の部分を封止すればよ
い。
【0053】このような封止手段203の他の例として
は、たとえば図5に示すように、素子集合体形成時に、
元ガラス基板100,101同士の貼合わせを行うシー
ル樹脂105の形成と同時に、元ガラス基板100,1
01の端部であってかつ注入口106以外の部分に、シ
ール樹脂105と同じ材料によって、封止手段203と
なる部材を形成しておくことも可能である。これによっ
て、封止手段203をさらに容易に形成することが可能
である。なお、図5の例では、シール樹脂105と封止
手段203とが一体化されている。
【0054】このようにして作製された複数の液晶表示
装置Dを上述した基板カセット201に収納し、エッチ
ング液202が溜られたエッチング槽200に浸した状
態で、液晶表示装置Dを構成する各ガラス基板100
a,101aの厚みを0.3mmから0.7mm程度の
厚みにまで薄膜化する。薄膜化後、基板カセット201
がエッチング槽から引上げられ、純水を用いた液晶表示
装置Dの洗浄が行われる。これによって、液晶表示装置
Dに付着したエッチング液が完全に除去される。
【0055】その後、図6に示すように、液晶表示装置
Dを構成する一対のガラス基板100a,101aの端
部の分断、もしくは該端部からの封止手段203の剥離
を行う。これによって、封止手段203が基板から除去
される。さらに、端子部103,104が露出するよう
に、端子部103,104が形成されていない方のガラ
ス基板101aだけを、一点鎖線112で示す位置にお
いて分断する。そして最後に、端子部103,104へ
の信号入力を行うためのFPCなどを用いた実装が行わ
れる。これによって図7に示すような液晶表示装置Dが
完成する。
【0056】第1の実施の形態における液晶表示装置の
製造方法においては、液晶表示装置Dを構成する2枚の
ガラス基板100a,101a間に封止手段を設け、液
晶封入後の液晶表示装置Dをエッチング槽に漬けること
によって、薄膜化処理を行っている。本発明の第1の実
施の形態において、薄膜化処理は、エッチングを用いた
薄膜化処理に限定されるものではない。液晶表示装置を
構成するガラス基板100a,101aの外面の一方側
から、ガラス基板の化学的研磨を行うことによって、ガ
ラス基板100a,101aの薄膜化処理を行ってもよ
い。化学的研磨が用いられる場合には、必ずしも、分断
後の2枚のガラス基板100a,101a間に封止手段
を設ける必要はない。
【0057】また、第1の実施の形態における液晶表示
装置の製造方法においては、液晶表示装置2個分の面積
をもつ一対の元ガラス基板同士の貼合わせを行ってい
る。これに限らず、たとえば、表示部と端子部とが形成
された一方の元ガラス基板100だけが、素子集合体の
製造中常に液晶表示装置複数個分の面積をもち、一方の
元ガラス基板に貼合わせられる他方の元ガラス基板10
1は、ほぼ液晶表示装置1個分の面積に分断された後
に、一方のガラス基板の各表示部102と対向する位置
に貼合わせられてもよい。このようにすれば、一方のガ
ラス基板100上のいずれかの端子部または表示部に不
良のある場合、不良のある端子部または表示部と対向す
る位置に、液晶表示装置1個分の面積の他方のガラス基
板101aを貼合わせる必要がなくなるので、他方の元
ガラス基板を効率よく使用することが可能となる。この
ような場合においても、素子集合体を個々の液晶表示装
置のセル部材に分断した後、基板カセットなどを用いて
複数枚の液晶表示装置の基板を同時に薄膜化すればよ
い。
【0058】以上の説明のように、第1の実施の形態の
表示装置の製造方法では、表示装置複数個分の面積を有
する一方の元基板上に、シール樹脂を介して、他方の元
基板を貼合わせることによって、素子集合体が製造さ
れ、該貼合わせた一対の基板を分断することによって、
素子集合体の各元基板を個々の表示装置の大きさの基板
にそれぞれ分離する。分離後に、分離された複数の基板
を基板保持部材に保持させた状態で、該分離後の基板の
厚さを薄くする基板薄膜化処理を行っている。これによ
って、表示装置複数個分の面積を有する元基板の状態、
すなわち素子集合体の状態で基板の薄膜化処理を行う従
来の製造方法と比較して、第1の実施の形態の製造方法
では大きなエッチング槽が不要であるので、エッチング
槽の小型化に伴い大量のエッチング液を必要とすること
もなくなる。
【0059】また、第1の実施の形態の表示装置の製造
方法では、表示装置の大きさに分離した後の基板を、基
板保持部材を用いて複数組まとめて薄膜化処理してい
る。これによって、スループットがよくなり、基板の薄
膜化処理を効率的に行うことができる。この結果、軽く
て薄い表示装置を容易に実現することが可能となってい
る。
【0060】第1の実施の形態の表示装置の製造方法に
おいて、表示装置が、一対の基板の間に液晶材料等の液
体材料が封入される構成である場合、表示装置が有する
基板の薄膜化処理の前に、液体状の材料の注入工程が行
われている。これによって、空洞を有するセル部材を構
成する一対の基板の厚さが厚い状態でセル部材への液体
状材料の注入を行うことが可能となるので、前記液体状
材料を真空注入法によって注入しても、注入工程時にセ
ル部材の基板の割れや欠けが起こることはない。これに
よって、表示装置の製造がさらに容易になる。
【0061】また、第1の実施の形態の表示装置の製造
方法において、エッチング処理を用いた基板薄膜化処理
に代わって、化学的研磨を用いた基板薄膜化処理を行っ
ていてもよい。これによって、基板へのダメージが少な
い薄膜化処理を行うことが可能となっている。
【0062】また、第1の実施の形態の表示装置製造方
法では、分離後の基板端部に封止手段が形成された状態
で、分離後の基板の厚さを薄くする基板薄膜化処理が行
われている。これによって、分離した後の基板上に形成
された端子部などへのダメージの少ない薄膜化処理を行
うことが可能となっている。また封止手段はシール樹脂
を形成する工程と同一の工程によって形成されている。
これによって、封止手段の形成のために、表示装置の製
造工程に新たな工程を付加する必要がなく、かつ分離後
の基板端部に封止手段を容易に形成することが可能とな
っている。
【0063】また、基板保持部材が、分離した一対の基
板を複数枚収納できる基板カセットで実現されている。
これによって、分離後の基板へのダメージが少なく、か
つ複数枚の表示装置の薄膜化処理を容易に行うことが可
能となっている。
【0064】また、素子集合体製造時において、表示装
置複数個分の面積を有する一方の元基板上に貼合わされ
る他方の元の基板が、概略表示装置1個分の面積の複数
の基板で実現されてもよい。これによって、一方の元基
板上の不良の存在する表示装置構成部品と対向する部分
には、該他方の元基板を貼合わせる必要がなく、良品の
構成部品と対向する箇所だけに他方の元基板を貼合わせ
ることができる。これによって、表示装置の良品率を向
上させることが可能となっている。
【0065】以上説明したような表示装置の製造方法に
おいて、分離したセル部材の一対の基板間の表示部と対
向する空間に液晶材料を注入する。これによって、厚さ
が薄く軽量の液晶表示装置を効率よく製造することが可
能となっている。
【0066】従来技術の特許2722798号公報の液
晶表示素子の製造方法と第1の実施の形態の液晶表示装
置の製造方法とを比較すると、第1の実施の形態の液晶
装置の製造方法には、液晶注入工程に関して、以下のよ
うな利点がある。
【0067】従来、液晶注入工程においては真空注入法
が多く用いられている。真空注入法を用いた液晶封入工
程は以下のとおりである。最初に、中空の内部空間を有
するセル部材と液晶材料を満たした注入皿とが、真空チ
ャンバ内に、所定の距離だけ離して設置される。次い
で、真空チャンバ内を真空に引く。これによってセル部
材の内部空間が真空になった時点で、セル部材の注入口
が注入皿内の液晶材料に浸され、かつ真空チャンバ内に
窒素がリークされる。この結果セル部材内外の圧力差に
よって、液晶材料がセル部材内に浸透する。以上説明し
たような手順の真空注入法によってセル部材に液晶材料
が注入された後、セル部材が注入皿から引上げられ、セ
ル部材の外壁および注入口に付着した液晶が除去され、
注入口が封止される。真空注入法を用いて複数個のセル
部材に同時に液晶材料を注入するためには、複数個のセ
ル部材の注入口を同時に液晶材料に浸す必要がある。
【0068】第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方
法では、セル部材の基板の割れおよび欠けの防止のため
に、基板の薄膜化工程に先立って液晶注入工程が行われ
ている。第1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法で
は、基板の薄膜化工程に先立って素子集合体Cが複数の
セル部材に分離されるので、液晶注入工程を素子集合体
の分離工程と基板の薄膜化工程との間に実行可能であ
る。分離後のセル部材を用いて液晶注入工程を行う場
合、単一の素子集合体Cを構成していた全セル部材の注
入口を、注入皿内の液晶材料に同時に浸けることが可能
である。これによって、液晶注入時のセル部材の基板の
割れおよび欠けを防止しつつ、複数個のセル部材に同時
に液晶材料を注入する工程を、真空注入法を用いて容易
に実現することができる。ゆえに従来の液晶表示素子の
生産ラインを改変して第1の実施の形態の製造方法を実
行する場合、液晶注入工程の装置の変更は不要なので、
生産ラインの変更が容易である。
【0069】特許2722798号公報の液晶表示素子
の製造方法においては、図12に示すマザーガラス同士
を貼合わせた素子集合体Aの段階で、基板の薄板化を行
っている。特許2722798号公報の製造方法におい
て、基板の薄膜化工程に先立って液晶注入工程を行うに
は、素子集合体Aを分断しないままの状態で、素子集合
体Aの各素子区画aの内部空間に液晶を注入する必要が
ある。この場合、図12の素子集合体Aの全素子区画a
の注入口を注入皿内の液晶材料に同時に浸けることは困
難なので、液晶注入工程に真空注入法を用いることが極
めて難しい。したがって、液晶注入工程において真空注
入法以外の他の方法を用いる必要がある。従来の液晶表
示素子の生産ラインを改変して特許2722798号公
報の製造方法を実行する場合、液晶注入工程の装置を変
更しなければならない可能性が高く、生産ラインの変更
に多くの手間がかかる。以上説明した理由に基づき、第
1の実施の形態の液晶表示装置の製造方法は、特許27
22798号公報の製造方法よりも、液晶注入工程が容
易である。
【0070】次に、本発明の第2の実施の形態における
表示装置の製造方法について、以下に説明する。なお、
第2の本実施の形態の表示装置としては、ドライバ一体
型の液晶表示装置を用いている。
【0071】図8および図9は、第2の実施の形態の表
示装置の製造方法において組立てられるにおける素子集
合体Eを示す平面図である。なお、図8および図9に示
すように、第2の実施の形態においても、液晶表示装置
2個分の面積を素子集合体Eが有する場合について説明
を行う。第2の実施の形態の説明において、第1の実施
の形態で既に説明された部材と同じ機能を有する部材に
は同じ参照符を付し、詳細説明は省略する。
【0072】図8に示すように、液晶表示装置2個分の
面積をもつ厚さ1mmの一対の元ガラス基板100,1
01のうちの一方の元ガラス基板100には、表示部1
02と該表示部102に信号を供給するための駆動回路
部121,122とが、同一面上に形成されている。さ
らに、この駆動回路部121,122を動作させるため
の端子部123も、一方の元ガラス基板100の表示部
102と同一の面上に形成されている。
【0073】そして、上述した第1の実施の形態と同様
に、表示部102には、表示用の透明電極や配向膜など
の構成部品がそれぞれ配置されている。さらに、他方の
元ガラス基板101との貼合わせを行うために、この表
示部102を囲むように、シール樹脂105が形成され
ている。さらに、第2の実施の形態においては、このシ
ール樹脂105と同じ材料から形成される封止手段20
3が、駆動回路部121,122および端子部123を
囲うように形成されている。なお図8,図9の例では、
シール樹脂105と封止手段203とは一体化されてい
る。
【0074】なおこの封止手段203は、後に薄膜化処
理を行う際に、駆動回路部121,122および端子部
123のダメージを防止する役割を果している。また、
この封止手段203がシール樹脂105と同じ材料を用
いて形成されているので、封止手段203を形成する工
程を新たに増す必要がなくなる。シール樹脂および封止
手段形成後、上述したように部品が配置された状態で、
一方の元ガラス基板100と同じ大きさの他方の元ガラ
ス基板101と、一方の元ガラス基板100にとの貼合
わせが行われる。この結果、図8に示す素子集合体Eが
完成する。
【0075】次に、図9に示すように、一点鎖線108
で示す位置において、素子集合体Eの両元ガラス基板1
00,101が、表示部102毎に分断される。これに
よって、素子集合体Eを個々の液晶表示装置のセル部材
に分離する。そして、液晶表示装置形成のために、個々
の液晶表示装置のセル部材の注入口106から、真空注
入法を用いて、セル部材を構成する2枚のガラス基板間
のシール樹脂105に囲まれた空間内部に、液晶材料が
注入される。注入後、注入口106に封止材107を配
置することによって、注入口106の封止が行われる。
【0076】ここで、上述した第1の実施の形態と同様
に、第2の実施の形態においても、液晶封入後、図3に
示すように、複数枚の液晶表示装置を収納することが可
能な基板カセット201に、図8および図9で説明した
工程で作製された液晶表示装置Fを収納し、フッ酸など
用いたエッチング液202が溜られたエッチング槽20
0に、複数枚(第2の実施の形態では5枚)の液晶表示
装置Fを同時に浸す。これによって、液晶表示装置Fを
構成するガラス基板100a,101aの薄膜化処理を
行っている。
【0077】このようにして、液晶表示装置を構成する
各ガラス基板100a,101aの厚みが0.3mmか
ら0.7mm程度の厚みにまで薄膜化する。薄膜化後、
基板カセット201をエッチング層から引上げて、純水
を用いた液晶表示装置の洗浄が行われる。これによって
液晶表示装置に付着したエッチング液が完全に除去され
る。
【0078】その後、図10に示すように、液晶表示装
置Fを構成する一対のガラス基板100a,101aの
端部の分断、もしくは該端部からの封止手段203の剥
離を行うことによって、封止手段203を基板から除去
する。さらに、端子部123が露出するように、端子部
123が形成されていない方のガラス基板101aだけ
が、一点鎖線112で示す位置において分断される。そ
して最後に、端子部123への信号入力を行うためのF
PCなどの接続が行われる。これによって図11に示す
ような液晶表示装置Fが完成する。
【0079】第2の実施の形態における液晶表示装置の
製造方法においては、液晶表示装置Fを構成する2枚の
ガラス基板100a,101a間に封止手段を設け、液
晶封入後の液晶表示装置Fをエッチング槽に漬けること
によって、薄膜化処理を行っている。本発明の第2の実
施の形態の表示装置の製造方法は、エッチングを用いた
薄膜化処理に限定されるものではない。液晶表示装置F
を構成するガラス基板100a,101aの外面の一方
側からガラス基板の化学的研磨を行うことによって、ガ
ラス基板100a,101aの薄膜化処理を行ってもよ
い。化学的研磨が用いられる場合には、必ずしも封止手
段を設ける必要はない。
【0080】また、第2の本実施の形態における液晶表
示装置の製造方法においては、液晶表示装置2個分の面
積をもつ一対の元ガラス基板同士の貼合わせを行ってい
る。これに限らず、たとえば表示部と端子部と駆動回路
部とが形成された一方の元ガラス基板100だけが、素
子集合体の製造中常に液晶表示装置複数個分の面積をも
ち、他方の元ガラス基板101は、ほぼ液晶表示装置1
個分の面積に分断された後に、一方の元ガラス基板の各
表示部と対向する位置に貼合わせられてもよい。このよ
うにすれば、一方の元ガラス基板101のいずれかの端
子部、駆動回路部、または表示部に不良のある場合、不
良のある部と対向する位置に、液晶表示装置1個分の面
積の他方の元ガラス基板101を貼合わせる必要がなく
なるので、他方の元ガラス基板101を効率よく使用す
ることが可能となる。このような場合においても、素子
集合体を個々の液晶表示装置のセル部材に分断した後、
基板カセットなどを用いた複数枚の液晶表示装置を同時
に薄膜化すればよい。
【0081】以上説明したように、第2の実施の形態で
は、表示部および端子部に加えて駆動回路部を有する表
示装置が製造対象になっている。このような表示装置を
第1の実施の形態で説明した製造方法で製造する場合、
シール樹脂を表示部周辺部に配置し、封止手段を駆動回
路部周辺部に配置している。これによって、駆動回路一
体型の表示装置においても、基板上に形成された駆動回
路部にダメージを与えることなく、基板薄膜化処理を容
易に実行することが可能となっている。
【0082】なお上述した第1および第2の実施の形態
において、封止手段をシール樹脂と同材料によって形成
する場合、封止手段に通気口を設けて、ガラス基板10
0,101間の空気圧の上昇を防止してもよい。
【0083】また、上述した第1および第2の実施の形
態においては、2個の液晶表示装置を取出す素子集合体
について説明を行ったが、3個以上の液晶表示装置を取
出す素子集合体についても、本発明は適用することが可
能である。また基板は、ガラス基板に限らず他の材料か
ら形成されていてもよい。
【0084】さらに、上述した第1および第2の実施の
形態においては、液晶表示装置について説明を行ってい
るが、他の表示装置、たとえばELなどの表示装置につ
いても本発明を適用することが可能である。
【0085】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、表示装置
の製造方法において、表示装置複数個分の面積を有する
一方の元基板上に、シール樹脂を介して他方の元基板が
貼合わされる。貼合わされた一対の元基板が、個々の表
示装置の大きさの複数組の一対の基板に分離される。分
離後、複数組の基板が基板保持手段によって保持された
状態で、基板の薄膜化処理が行われる。本発明の製造方
法が用いられる場合、大きなエッチング槽が不要であ
り、大量のエッチング液を必要とすることもない。ま
た、薄膜化処理のスループットが向上し、薄膜化処理を
効率的に行うことができる。これによって、軽くて薄い
表示装置を容易に実現することができる。
【0086】また本発明によれば、基板薄膜化処理には
化学的研磨法が用いられている。これによって、基板へ
のダメージの少ない薄膜化処理を行うことができる。さ
らにまた本発明によれば、基板薄膜化処理は、分離後の
基板端部に封止手段が形成された状態で行われている。
これによって、分離後の基板上に形成された端子部など
の部品へのダメージの少ない薄膜化処理を行うことがで
きる。また本発明によれば、封止手段とシール樹脂とが
同一の工程によって形成されている。これによって、分
離後の基板の端部に封止手段を容易に形成することがで
きる。さらにまた本発明によれば、表示装置が駆動回路
をさらに有する場合、シール樹脂が表示部周辺部に配置
され、封止手段が駆動回路部周辺部に配置される。これ
によって、駆動回路一体型の表示装置の製造時において
も、駆動回路部にダメージを与えることなく、基板薄膜
化処理を容易に実行することができる。
【0087】また本発明によれば、基板保持手段は、分
離した一対の基板を複数組収納できる基板カセットで実
現される。これによって、基板へのダメージが少なくな
り、かつ複数枚の表示装置の薄膜化処理を容易に行うこ
とができる。さらにまた本発明によれば、他方の元基板
が概略表示装置1個分の面積を有している。これによっ
て、表示装置の良品率を向上させることができる。また
本発明によれば、基板薄膜化処理に先立って、分離され
た一対の基板間の空間に、液晶材料が注入される。これ
によって、厚さが薄く軽量の液晶表示装置を効率よく製
造することができる。さらに、前記液晶材料を真空注入
法によって注入しても、液晶注入工程時に基板の割れや
欠けが起こることが防止される。
【0088】さらにまた以上のように本発明によれば、
表示装置の製造方法において、個々の表示装置の大きさ
をそれぞれ有する複数組の1対の基板が基板保持手段に
よって保持された状態で、基板薄膜化処理が複数組まと
めて行われる。これによって本発明の表示装置の製造方
法では、小さなエッチング槽を用いることが可能にな
り、かつ基板薄膜化処理に必要とされるエッチング液の
量を削減することができる。また薄膜化処理のスループ
ットが向上し、薄膜化処理を効率的に行うことができ
る。この結果、従来技術の表示装置よりも軽くて薄い表
示装置を、容易に実現することが可能になる。
【0089】また本発明によれば、各組の一対の基板は
シール材を介して貼合わされ、かつ各組の一対の基板の
端部に封止部材が設けられる。封止手段とシール材と
は、同一の工程において形成されている。これによって
封止手段を容易に形成することが可能になる。さらにま
た本発明によれば、各組の1対の基板に駆動回路がさら
に設けられる場合、封止手段は駆動回路部周辺部に形成
される。これによって駆動回路一体型の表示装置の製造
時においても、基板上に形成された駆動回路部にダメー
ジを与えることなく、基板の薄膜化処理を容易に実行す
ることが可能になる。また本発明によれば、複数組の一
対の基板は基板カセットに収納される。これによって基
板へのダメージが少なくなるので、複数組の一対の基板
の薄膜化処理を容易に行うことが可能になっている。
【0090】さらにまた本発明によれば、1対の基板の
間に液晶材料が封入される。これによって、従来技術の
液晶表示装置よりも軽量であって厚さが薄い液晶表示装
置を、効率よく製造することが可能になる。さらに、液
晶材料の注入工程が基板薄膜化処理に先立って行われる
ならば、液晶材料を真空注入法によって注入する場合、
基板の割れや欠けが防止される。これによって液晶表示
装置をさらに効率よく製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置の素子集合体を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置の素子集合体を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置を構成するガラス基板の薄膜化工程を示す概略断面図
である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置を示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置の素子集合体を示す平面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置を示す平面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における液晶表示装
置を示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるドライバ一
体型の液晶表示装置の素子集合体を示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態におけるドライバ一
体型の液晶表示装置の素子集合体を示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるドライバ
一体型の液晶表示装置を示す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態におけるドライバ
一体型の液晶表示装置を示す平面図である。
【図12】従来の液晶表示装置の素子集合体を示す平面
図である。
【図13】従来の液晶表示装置の素子集合体を示す断面
図である。
【図14】従来の液晶表示装置を構成するガラス基板の
薄膜化工程を示す概略断面図である。
【符号の説明】
100 一方の元ガラス基板 101 他方の元ガラス基板 100a 一方のガラス基板 101a 他方のガラス基板 102 表示部 103 端子部 104 端子部 105 シール樹脂 106 液晶注入口 107 注入口封止剤 108 分断ライン 112 分断ライン 121 駆動回路部 122 駆動回路部 123 端子部 200 エッチング槽 201 基板カセット 202 エッチング液 203 封止手段

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の基板を含む表示装置の
    製造方法において、 予め準備された一対の元基板のうちの表示装置複数個分
    の面積を有する一方の元基板上に、シール樹脂の層を形
    成する工程と、 前記シール樹脂を介して、前記表示装置複数個分の面積
    を有する一方の元基板上に、一対の元基板のうちの他方
    の元基板を貼合わせる工程と、 前記貼合わされた一対の元基板を分断して、個々の表示
    装置の大きさを有する複数組の一対の基板に分離する工
    程と、 前記個々の表示装置の大きさに分離された複数組の一対
    の基板を基板保持手段によって保持し、該一対の基板の
    うちの少なくとも一方の厚さを薄くする基板薄膜化処理
    を、複数組の基板を該基板保持手段に保持させた状態で
    行う工程とを含むことを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基板の厚さを薄くするための基板薄
    膜化処理を行う工程は、化学的研磨法を用いて行われる
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板の厚さを薄くするための基板薄
    膜化処理を行う工程は、前記個々の表示装置の大きさに
    分離された一対の基板の端部に封止手段が形成された状
    態で行われることを特徴とする請求項1または2記載の
    表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記封止手段は、前記表示装置複数個分
    の面積を有する一方の元基板上にシール樹脂の層を形成
    する工程において形成されることを特徴とする請求項3
    記載の表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記表示装置複数個分の面積を有する一
    方の元基板上には、表示に関わる部品が配置された表示
    部と、該表示部に信号を供給する駆動回路部とがそれぞ
    れ複数個分形成されており、 前記シール樹脂の層は前記表示部周辺部に配置され、 前記封止手段は前記駆動回路部周辺部に配置されること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板保持手段は、前記個々の表示装
    置の大きさに分離された一対の基板を複数組収納可能な
    基板カセットであることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記表示装置複数個分の面積を有する一
    方の元基板上に前記シール樹脂を介して貼合わされる前
    記他方の元基板は、略表示装置1個分の面積を有するこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表
    示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記個々の表示装置の大きさに分離され
    た一対の基板間の前記シール樹脂の層によって囲まれた
    空間には、薄膜化処理に先立ち、液晶材料が注入されて
    いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも一対の基板を含む表示装置の
    製造方法において、個々の表示装置の大きさをそれぞれ
    有する複数組の一対の基板が基板保持手段によって保持
    された状態で、各組の一対の基板の少なくとも一方の基
    板の厚さを薄くするための基板薄膜化処理を行う工程を
    含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板の薄膜化処理を行う工程に先立っ
    て、各組の前記一対の基板はシール材を介して相互に貼
    合わされ、かつ各組の前記一対の基板の端部に封止手段
    が配置され、 封止手段は、一対の基板間の空間を封止し、 封止手段は、シール材を一対の基板間に配置する工程に
    おいて配置されることを特徴とする請求項9記載の表示
    装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 基板の薄膜化処理を行う工程に先立っ
    て、各組の前記一対の基板の間には、表示に関わる部品
    が配置された表示部と、該表示部に信号を供給するため
    の駆動回路部とが形成されており、 前記シール材が表示部の周辺部に配置されており、 前記封止手段が駆動回路部の周辺部に配置されているこ
    とを特徴とする請求項10記載の表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記基板保持手段が、前記個々の表示
    装置の大きさの1対の基板を複数組収納可能な基板カセ
    ットであることを特徴とする請求項9〜11のいずれか
    1項に記載の表示装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記一対の基板の間に液晶材料を封入
    する工程をさらに含むことを特徴とする請求項9〜12
    のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
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