JP2000169563A - 樹脂および印刷インキ - Google Patents

樹脂および印刷インキ

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JP2000169563A
JP2000169563A JP34629798A JP34629798A JP2000169563A JP 2000169563 A JP2000169563 A JP 2000169563A JP 34629798 A JP34629798 A JP 34629798A JP 34629798 A JP34629798 A JP 34629798A JP 2000169563 A JP2000169563 A JP 2000169563A
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resin
acid
printing ink
anhydride
ethylenically unsaturated
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JP34629798A
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English (en)
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Koji Sato
孝二 佐藤
Madoka Yasuike
円 安池
Masaki Utsugi
正貴 宇都木
Hisao Yajima
久夫 矢島
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Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂合成時、ホルムアルデヒド等を使用しない
ことにより、反応時の作業環境の改良、処理設備不要に
よるトータル樹脂生産コストの低減、印刷インキ用溶剤
との溶解性、ミスチング、乾燥性の向上を図った印刷イ
ンキ用樹脂を提供する。 【解決手段】樹脂酸(A)とα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸又はその無水物(B)のディールスアルダー
反応物に、C6 〜C60の二価アルコール(C)またはC
6 〜C60の二価アルコール(C)と三価以上のポリオー
ル(D)を反応させてなる樹脂の製造方法であって、樹
脂酸(A)/α,β−エチレン性不飽和カルボン酸又は
その無水物(B)の重量比が80/20〜97/3であ
り、(樹脂酸(A)及びα,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸又はその無水物( B)のカルボン酸の総モル数)
/(C6 〜C30の二価アルコール(C)および三価以上
のポリオール(D)の水酸基の総モル数)が1/0.5
〜1 /1.2である樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速印刷に適した印
刷インキ用樹脂、および特に芳香族化合物成分が3重量
%以下である印刷インキ用溶剤を有する印刷インキおよ
びその印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷インキ用樹脂としてロジンフ
ェノール樹脂が使用されている。このロジンフェノール
樹脂はフェノールホルムアルデヒド型のレゾールまたは
ノボラック樹脂と、ロジンと、ポリオール等との反応生
成物からなる。このレゾールまたはノボラック樹脂は一
般に(アルキル)フェノールとホルムアルデヒドを反応
させその後未反応ホルムアルデヒドを水洗処理してい
る。その為に処理設備が必要であり、また反応時の作業
環境上も必ずしも好ましいものではなっかた。更にロジ
ン、乾性油またはその脂肪酸等で変性したアルキッド樹
脂も一部使用されている。これらのうちロジン変性アル
キッド樹脂は印刷インキ用溶剤との溶解性が悪く、特に
最近環境対応インキとして芳香族化合物成分を3重量%
以下にした印刷インキ用溶剤との溶解性が特に悪く、イ
ンキの流動性、転移不良が生ずる。さらに、乾性油また
はその脂肪酸で変性したアルキッド樹脂は溶解性は比較
的良いものの、高速印刷でミスチングが生じ、また仕上
がり樹脂の性状が液状の為、印刷インキの乾燥性が悪い
という問題点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂合成
時、ホルムアルデヒド等を使用しないことにより、反応
時の作業環境の改良、処理設備不要によるトータル樹脂
生産コストの低減を図ったものである。更に本発明は印
刷インキ用溶剤との溶解性、ミスチング、乾燥性の向上
を図ったものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂酸
(A)、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはそ
の無水物(B)、C6 〜C60の二価アルコール(C)を
反応させてなることを特徴とする樹脂に関する。
【0005】更に本発明は、更に三価以上のポリオール
(D)を反応してなる上記樹脂に関する。
【0006】更に本発明は、樹脂酸(A)とα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸又はその無水物(B)のディ
ールスアルダー反応物に、C6 〜C60の二価アルコール
(C)および必要なら上記(D)を反応させてなる樹脂
の製造方法に関する。
【0007】更に本発明は、樹脂酸(A)/α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸又はその無水物( B)の重量
比が80/20〜97/3であり、(樹脂酸(A)及び
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物(
B)のカルボン酸の総モル数)/C6 〜C60の二価アル
コール(C)およびポリオール(D)の水酸基の総モル
数)が1/0.5〜1 /1.2である上記樹脂に関す
る。
【0008】更に本発明は、印刷インキ用途である上記
樹脂に関する。更に本発明は、上記樹脂および芳香族化
合物成分が3重量%以下の印刷インキ用溶剤を含有する
印刷インキに関する。更に本発明は、基材に上記印刷イ
ンキを印刷してなる印刷物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂酸(A)とは、ガム
ロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、部分的不均化
ロジン、重合ロジン(一般にロジンを硫酸触媒を用いて
反応させたもので、ロジンの一量体、二量体の混合物で
あり、場合によっては二量体の比が多くなったり、また
一部三量体以上のものが存在することもある。)、さら
にこれらの部分水素添加物等が例示される。
【0010】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸また
はその無水物(B)とは、フマル酸、マレイン酸または
その無水物、イタコン酸またはその無水物、シトラコン
酸またはその無水物、クロトン酸、桂皮酸、(メタ)ア
クリル酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビック酸)
等が例示される。特に好ましくはマレイン酸、またはそ
の無水物が例示される。
【0011】樹脂酸(A)とα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸またはその無水物(B)との反応はディール
スアルダー反応であり、公知の方法で反応させることが
できる。例えば、反応温度は120〜300℃、好まし
くは180〜260℃、反応時間は1〜4時間である。
不均化されたロジン、重合ロジン中の二量体以上のロジ
ン、水素添加されたロジン(等の変性されたロジン類)
はディールスアルダー反応しにくく、このような変性さ
れていないロジンがディールスアルダー反応にて酸変性
される。
【0012】樹脂酸(A)とα,β−エチレン性不飽和
カルボン酸またはその無水物(B)との反応比は、樹脂
酸(A)のモル数/α、β−エチレン性不飽和カルボン
酸またはその無水物(B)とのモル数の比が1以上の範
囲で反応される。さらα,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸またはその無水物(B)の反応量が多くなると印刷
インキ溶剤に対する溶解性が劣化してくるので、樹脂酸
(A)/α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはそ
の無水物(B)の重量比=80/20〜97/3、好ま
しくは85/15〜97/3が良い。また最近環境対応
印刷インキとして、芳香族成分を3重量%以下にした印
刷インキ溶剤(アロマーフリー溶剤、以下AFソルベン
トという)が使用され始めたが、このAFソルベント使
用の場合は樹脂酸(A)/α,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸またはその無水物(B)の重量比=80/15
〜97/3、好ましくは88/12〜97/3が良い。
これよりα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはそ
の無水物(B)の量が多いと樹脂の印刷インキ溶剤に対
する溶解性が劣化し、少ないと印刷インキ用としての適
正な分子量が得られない。
【0013】本発明のC6 〜C30の二価アルコールと
は、直鎖状として1,6−ヘキサンジオール、1,7−
ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,
14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカン
ジオール、分岐状として1,2−ヘキサンジオール、
1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオー
ル、2−エチルヘキシルジオール、1,2−オクタンジ
オール、1,2−デカンジオール、2−メチル−2,4
−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパン
ジオール、2,4−ジメチルペンタンジオール、2,2
−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロール
オクタン(三菱化学社製)、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール 、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサン
ジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、
2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,4
−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ドデ
カンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−
テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール
等が例示される。
【0014】更に、本発明の二価アルコールとして
(C)として、ダイマー脂肪酸と二価アルコールのエス
テル化合物、またはダイマー脂肪酸の水添化物のジオー
ル等からなる環状のダイマー脂肪酸のジオール、例え
ば、ペスポール200(ダイマー酸およびエチレングリ
コールのエステル化合物)、ペスポール211(ダイマ
ー酸、アジピン酸およびエチレングリコールのエステル
化合物)、ペスポール600(ダイマー酸およびヘキサ
ンジオールのエステル化合物)、ペスポール601
((ダイマー酸およびヘキサンジオールのエステル化合
物)、ペスポール602(ダイマー酸およびヘキサンジ
オールのエステル化合物)、ペスポール611(ダイマ
ー酸およびヘキサンジオールのエステル化合物)、ペス
ポール900(ダイマー酸およびノナンジオールのエス
テル化合物)、ペスポールHP−1000(ダイマー酸
の水素添加によるダイマージオール)等、以上東亜合成
(株)製ダイマージオール等が例示される。三価以上の
アルコール(D)として(モノ、ジまたはトリ)グリセ
リン、(モノ、ジまたはトリ)トリメチロ−ルエタン、
(モノ、ジまたはトリ)トリメチロ−ルプロパン、(モ
ノ、ジまたはトリ)トリメチロ−ルアルカン、(モノ、
ジまたはトリ)ペンタエリスリトール、ソルビトール等
の脂肪族多価アルコール、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレート、イノシトール、セルロース等の
環状多価アルコール等が例示される。併用する三価ポリ
オール(D)は適正な樹脂の分子量、融点、コスト面か
らグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール等が好ましい。
【0015】樹脂酸(A)およびα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸またはその無水物(B)との反応生成物
と、C6 〜C30の二価アルコール(C)および三価以上
のポリオール(D)との反応比は、上記(A)および上
記(B)のカルボン酸の総モル数量/上記(C)および
上記(D)の水酸基の総モル数量が1/0.5〜1/
1.2、好ましくは1/0.8〜1/1.2にする。エ
ステル化反応は180〜270℃で酸価が20〜30位
になるまで反応させる。このエステル化反応では、触媒
を使用してもよい。酸触媒としてはp−トルエンスルホ
ン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩酸等
の鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオロメチル
酢酸、ルイス酸等があり、さらにテトラブチルジルコネ
ート、テトライソプロピルチタネート等の金属錯体、酸
化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等のアルカ
リ、アルカリ土類金属の酸化物、金属塩触媒等が例示さ
れる。これらの触媒を全樹脂中0.01〜1重量%使用
して200℃以上の温度で反応させる。しかし、このよ
うな条件では反応物が容易に着色するため、還元剤であ
る次亜リン酸、トリフェニルホスファイト、トリフェニ
ルホスフェート等を併用することもある。
【0016】C6 〜C60の二価アルコール(C)は全樹
脂重量中、5〜40重量%、好ましくは8〜20重量%
が良い。二価アルコール(C)の量がこれより少ないと
印刷インキ用溶剤との溶解性が劣化し、これより多いと
樹脂の分子量が適正に大きくならず、また樹脂の融点も
低くなる。
【0017】また反応順序は樹脂酸(A)およびα,β
−エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物(B)
の反応生成物に、C6 〜C60の二価アルコール(C)お
よび三価以上のポリオール(D)を仕込み順を変えて
も、同時に仕込んでもよい。さらに上記(B)と上記
(C)および上記(D)の反応物に上記(A)を反応さ
せてもよいし、上記(A)、上記(B)、上記(C)お
よび上記(D)を同時に仕込んでもよい。
【0018】本発明の樹脂を印刷インキとして使用する
場合、酸価30以下、重量平均分子量1〜20万(ゲル
パーミエイションクロマトグラフィで測定)、印刷イン
キ用溶剤との溶解性は130℃以下、融点は100℃以
上、好ましくは120℃以上が好ましい。尚、印刷イン
キ用溶剤との溶解性は次の方法で求められる。樹脂2g
と印刷インキ用溶剤18g 、規定マグネット撹拌子を試
験管に入れ全自動濁点測定装置{機器名ノボコントロー
ル(NOVOCONTROL)社製ケモトロニック(C
HEMOTORONIC)}で200℃まで昇温し溶解
後、徐々に冷却し白濁しない最低温度を表す。従ってそ
の最低温度は低いほうが良好な溶解性を示す。
【0019】本発明の樹脂を用いて印刷インキを作製す
るには、次の印刷インキ組成とすることが好ましい。本
発明における印刷インキ組成は 顔料 10〜25(重量%) 樹脂ワニス 40〜80 アルキッド樹脂 0〜10 乾性油 0〜10 印刷インキ用溶剤 5〜40 乾燥促進剤 0〜3 その他の添加剤 0〜10 からなる。
【0020】顔料としては公知の一般的なもの、例えば
ベンジジンエロー、レーキレッドC、カーミン6B、フ
タロシアニンブルー、カーボンブラック、必要に応じて
無機顔料や流動性調整剤としての体質顔料が使用され
る。
【0021】一般に印刷インキは印刷インキの各成分を
常温から100℃の間で三本ロールで練肉、混合し作製
する。したがって樹脂が固体の為、溶剤等に溶解し、液
状のワニス(以下樹脂ワニスという)にしておく必要が
ある。以下樹脂ワニスの作製法について述べる。本発明
に係る樹脂を用いて樹脂ワニスとするには、攪拌機付
き、温度計付き四つ口フラスコに樹脂30〜70重量
%、不飽和脂肪油及び又は不飽和脂肪油又はそれらの不
飽和脂肪酸を使用したアルキッド樹脂0〜30重量%、
印刷インキ用溶剤20〜70重量%を仕込み、窒素気流
下で180〜200℃で溶解し、粘度を調整する。調整
するワニス粘度範囲は300〜1500ポイズ/25℃
で新聞用、オフ輪用、枚葉用、水無し用各要求されるイ
ンキタイプにあわせる。不飽和脂肪油はあまに油、桐油
等の乾性油またはその重合油、さらに大豆油等がある。
通常はあまに油またはその重合油が多く、近年環境対応
の大豆油インキには大豆油も使用されている。さらに必
要に応じてオクチル酸アルミニウム、ステアリン酸アル
ミニウム、オクチル酸ジルコニウム、アルミニウムトリ
イソプロポキサイド、アルミニウムジプロポキサイドモ
ノアセチルセトナート等によるゲル化剤を利用してゲル
ワニスにすることもある。ゲル化剤に関する文献とし
て、川研技法ーNo .14(改訂):「アルミニウムア
ルコレートおよびアルミニウムキレート化合物」川研フ
ァインケミカル株式会社、「添加剤基礎講座(第XI
講)キレート化合物」奴間伸茂 色材,66( 8),5
01−514(1993)等がある。
【0022】本発明の印刷インキ用溶剤は、沸点200
〜400℃の炭化水素石油系溶剤が用いられ、例えば日
本石油(株)製1号スピンドル油、3〜7号ソルベン
ト、ナフテゾールH、アルケン56NT、三菱化成
(株)製ダイヤドール13、ダイヤレン168、日産化
学(株)製Fオキソコール140、Fオキソコール18
0等が例示される。芳香族成分を3%以下に減じた印刷
インキ用溶剤とは同沸点範囲の石油系溶剤で芳香族系成
分/ナフテン系成分/パラフィン系成分の重量比が0〜
3/ 0〜100/100〜0の溶剤であり、時にはオレ
フィン系成分が含まれることもある溶剤である。具体的
には日本石油(株)製AFソルベント4〜8、0号ソル
ベントH、ISU(株)製N−パラフィンC14−C1
8、出光興産(株)のスーパーゾルLA35、LA38
等、エクソン化学(株)のエクソールD80、D11
0、D120、D130、D160、D100K、D1
20K、D130K等、マギーブラザーズ社製のマギー
ソル−40、−44、−47、−52、−60等が例示
される。アニリン点は60〜110℃、好ましくは60
〜110℃である。もしアニリン点が110℃より高い
溶剤を使用すれば、インキ組成中の使用樹脂との溶解力
が不足して、インキの流動性が不十分であり、その結果
被印刷体へのレベリングが乏しく光沢のない印刷物しか
得られない。また60℃より低いアニリン点の溶剤を使
用したインキは乾燥時のインキ被膜からの溶剤の離脱性
が悪く乾燥劣化を起こしてしまう。以下表1に印刷イン
キ用溶剤の性状表を記載する。
【0023】
【表1】
【0024】本発明の印刷インキに必要に応じて耐摩擦
向上剤、インキドライヤー、乾燥抑制剤等のコンパウン
ドなどの各種添加剤を添加し、適切な粘度となるよう調
整することで枚葉オフセットインキ、オフ輪インキ等の
オフセットインキとすることができる。このオフセット
インキは湿し水を使用する通常の枚葉、オフ輪印刷イン
キとしても、また湿し水を使用しない乾式平版印刷用の
印刷インキ、新聞インキあるいは凸版インキとして紙等
の基材に印刷することができる。
【0025】
【実施例】次に具体例により本発明を説明する。例中
「部」とは重量部を示す。以下具体例により示す。 比較例(レゾール型フェノール樹脂の合成) 攪拌機、還流冷却器,温度計付4つ口フラスコにp−オ
クチルフェノール206部、37%ホルマリン203
部、キシレン250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みな
がら加熱攪拌し、50℃で水酸カルシウム2.0部を水
10部に分散させて、その分散液を添加し95℃に昇温
し、同温度で3.5時間反応させる。その後、冷却し、
硫酸で中和、水洗する。レゾールキシレン溶液層と水層
を静置分離した。このレゾール型フェノール樹脂をレゾ
−ル液(CP1)とする。以下実施例サンプルと区別す
る為、比較例サンプルは樹脂CR、ワニスCV、インキ
CIとする。以下表2のように合成する。
【0026】
【表2】
【0027】比較例(ロジンフェノ−ル樹脂の合成) 攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラ
スコに窒素ガスを吹き込みながら、ロジン60部を仕込
み、加熱攪拌し、200℃でレゾール液40部(固形
分)を滴下しながら約2時間かけて仕込み、その間水と
キシレンを回収しながら反応させ、仕込み終了後、昇温
し250℃でグリセリン6.0部を仕込み12時間反応
させ、酸価が25以下になったので汲みだした(樹脂C
R1)。以下表3のように合成した。尚、樹脂CR2は
触媒としてp−トルエンスルホン酸を使用した。
【0028】
【表3】
【0029】注)*ロジンと反応するレゾ−ル液は固形
分の重量部を示す。 *重量平均分子量は東ソー(株)製ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィ(HLC8020)で検量線用標準
サンプルはポリスチレンで測定した。 比較例 (アルキッド樹脂の合成例) 攪拌機、水分離管、温度計付き四つ口フラスコに中国ガ
ムロジン73.1部を仕込み、窒素気流下で240℃で
ペンタエリスリトール14.2部を仕込み270℃で酸
価20以下まで反応させた。その後同温度でイソフタル
酸12.7部部を徐々に仕込み、酸価が20以下になる
まで反応させた(樹脂CR3)。以下表4の様に反応さ
せた。尚、CR3およびCR4はインキ用溶剤との溶解
性が悪く、インキは作製出来なかった。
【0030】
【表4】
【0031】実施例 攪拌機、水分離管、温度計付き四つ口フラスコに重合ロ
ジン2(理化ハーキュレス(株)製ダイマレクッスで8
0%の二量体ロジンを含む)90部、フマル酸10部を
仕込み窒素気流下で180℃2時間ディールスアルダー
反応させる。その後1,2−オクタンジオール30部を
仕込み、徐々に昇温し270℃で反応させ、酸価25以
下まで反応させ汲み出した(樹脂R1)。以下同様に表
5の様に反応させた。
【0032】
【表5】
【0033】製造例(樹脂ワニスの作成) 攪拌機、水分離冷却管、温度計付き四つ口フラスコに樹
脂(CR1)45部、あまに油20部、AF5ソルベン
ト32.3部を仕込み、窒素気流下で190℃で溶解し
30分後、粘度を500〜600ポイズ/25℃に調製
した。その後160℃に冷却し、ALCH(川研ファイ
ンケミカル( 株)製ゲル化剤)0.5部を仕込み、19
0℃に昇温し、一時間反応させ粘度を測定し汲み出した
(ワニスCV1)。以下 比較例ワニス(表6)、実施
例ワニス(表7)を同様に作製した。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】印刷インキの製造例 印刷インキは印刷インキ組成にしたがい三本ロ−ルで常
法により作成した。尚、インキはタック値9〜10/2
5℃に調製した。
【0037】印刷インキ処方と性状を、比較例インキと
して表8、実施例インキとして表9に示す。
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】インキ試験法 *タック値:インコメター400RPM、室温25℃、
ロール温度30℃、規格のインキ量で一分後の値。 *フロー値:規格平行板粘度計で25℃、一分後のイン
キの流動半径値(ミリメートル) *ミスチング:ミシチング試験機2000RPM、ロー
ル温度40℃で、規定量のインキを付けそのミストの度
合いを相対評価したもの。(優)5−1(劣)
【0041】
【発明の効果】本発明の樹脂は、レゾール樹脂を使用し
ない為、、排水処理設備が不要になり、なおかつ低芳香
族性印刷インキ用溶剤への溶解性が向上し、特にインキ
のミスチング、流動性等高速印刷に適した印刷インキ用
樹脂、及びその印刷インキを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢島 久夫 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AE055 CF015 CF221 CF281 FD096 GH01 HA05 4J029 AA03 AA07 AB04 AC02 AD01 AD02 AD06 AE18 BA01 BA02 BA07 CA09 CD04 FC03 FC04 FC05 FC07 FC08 FC43 FC45 GA12 GA13 GA14 GA15 GA17 GA42 GA43 GA44 HA01 HB01 HB06 JA051 JA091 JA191 JB061 JB131 JB171 JC351 JC361 JE012 JE162 JF131 JF141 JF181 JF321 JF331 KB02 KE03 KE05 4J039 AB03 AB06 AE06 BE01 BE12 CA04 EA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂酸(A)、α,β−エチレン性不飽
    和カルボン酸またはその無水物(B)およびC6 〜C60
    の二価アルコール(C)を反応させてなることを特徴と
    する樹脂。
  2. 【請求項2】 更に三価以上のポリオール(D)を反応
    してなる請求項1記載の樹脂。
  3. 【請求項3】 樹脂酸(A)とα,β−エチレン性不飽
    和カルボン酸又はその無水物(B)のディールスアルダ
    ー反応物に、C6 〜C60の二価アルコール(C)または
    6 〜C60の二価アルコール(C)と三価以上のポリオ
    ール(D)を反応させてなる樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂酸(A)/α,β−エチレン性不飽
    和カルボン酸又はその無水物(B)の重量比が80/2
    0〜97/3であり、(樹脂酸(A)及びα,β−エチ
    レン性不飽和カルボン酸又はその無水物( B)のカルボ
    ン酸の総モル数)/(C6 〜C30の二価アルコール
    (C)および三価以上のポリオール(D)の水酸基の総
    モル数)が1/0.5〜1 /1.2である請求項3記載
    の樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 印刷インキ用途である請求項1または2
    記載の樹脂。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の樹脂および芳香
    族化合物成分が3重量%以下の印刷インキ用溶剤を含有
    する印刷インキ。
  7. 【請求項7】 基材に請求項6記載の印刷インキを印刷
    してなる印刷物。
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