JP2000168106A

JP2000168106A - インクジェット記録装置の記録処理液吐出検査方法及び該方法に用いる吐出検査フィルム

Info

Publication number: JP2000168106A
Application number: JP10346936A
Authority: JP
Inventors: Mikio Sanada; 幹雄真田; Yasuo Kotaki; 小瀧　　靖夫
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1998-12-07
Filing date: 1998-12-07
Publication date: 2000-06-20

Abstract

(57)【要約】【課題】インクと無色透明な記録処理液とを連続して
吐出し、記録媒体上でこれらを混合してインクを記録媒
体に定着させ、該インクの耐水性を向上し、にじみを防
止するインクジェット記録装置の、該記録処理液の吐出
状況を正確に検査する方法と該方法に用いる吐出検査フ
ィルムを提供する。【解決手段】フィルム基体上に、樹脂等バインダー成
分にブロモチモールブルー等のｐＨ変化によって変色す
る色素化合物を分散させた記録処理液受容層を形成して
なる吐出検査フィルムを用い、該フィルム上に記録処理
液を吐出させて変色させることにより、記録処理液の着
弾位置を目視により確認し、吐出状況の良否を判断す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印刷技術の一つで
あるインクジェット記録装置に関し、特に、インクと同
時に記録処理液を記録媒体に吐出してインクを定着させ
るインクジェット記録装置の該記録処理液の吐出検査方
法と、該方法において記録処理液を吐出させる媒体であ
る吐出検査フィルムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、紙などの記録媒体に、所望の画像
や文章を印字する印刷技術として、ノズルの液通路の先
端のオリフィスからインク液滴を吐出させるインクジェ
ット記録装置が開発されている。

【０００３】最近では、特に高画質画像を印刷するた
め、インクを記録媒体に吐出する直前或いは吐出した直
後に、インクの吐出位置に記録処理液を吐出する方法が
取られている。この記録処理液は無色透明であり、イン
クが記録媒体に吸収する前にインクと混合されて記録媒
体に定着する。この方法によれば、インクの記録媒体に
対する発色性、耐水性を向上し、にじみ（ブリーディン
グ）やフェザリングを防止することができる。特に、記
録媒体として、インク受容層のコーティングなどを施し
ていない一般の普通紙を用いる場合には、上記ブリーデ
ィングやフェザリングが比較的大きな問題となるが、上
記記録処理液を用いることにより、これらの問題が良好
に防止できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記記録処理液を用い
た印字方法では、記録処理液とインクが記録媒体の同じ
位置に吐出されなければならない。記録処理液が吐出さ
れなかったり、或いはインクとの着弾位置がずれていた
場合には、その効果が低下したり得られなかったりす
る。

【０００５】しかしながら、記録処理液は無色透明であ
るため、インクのようにその着弾位置を目視で確認する
ことができない。

【０００６】本発明の目的は、記録処理液を用いてイン
クに耐水性等を付与しつつ印字を行なうインクジェット
記録装置において、記録処理液が所望の位置に正確に吐
出されているか否かを容易に確認し得る検査方法を提供
することにあり、該方法に必要な媒体を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決する手段】本発明の第１は、インクと無色
透明の記録処理液とを連続して記録媒体の同一箇所に吐
出することにより印字を行なうインクジェット記録装置
より、表面にｐＨ変化により変色する記録処理液受容層
を有する吐出検査フィルム上に記録処理液を吐出させて
変色させることにより、該記録処理液の吐出検査を行な
うことを特徴とするインクジェット記録装置の記録処理
液吐出検査方法である。

【０００８】また本発明の第２は、インクジェット記録
装置に用いる無色透明の記録処理液の吐出検査方法に用
いる吐出検査フィルムであって、フィルム基体上に、ｐ
Ｈ変化により変色する記録処理液受容層を有することを
特徴とする吐出検査フィルムである。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は、本発明にかかるインクジ
ェット記録装置のプリンタ部の構成の一例を示す概略図
である。

【００１０】図１において、１１ａ，１１ｂはインクジ
ェット記録ヘッド１９を有し、インクタンク１２ａ，１
２ｂを搭載できるヘッドカートリッジであり、１３はこ
れを搭載してガイド軸１５ａ，１５ｂに沿って図中のヘ
ッド走査方向に走査するためのキャリッジである。

【００１１】図２に記録ヘッド１９を下から見た模式図
を示す。図中の２０〜２３はいずれもノズルであるが、
２０は記録処理液を吐出するノズル、２１はＹ（イエロ
ー）、２２はＭ（マゼンタ）、２３はＣ（シアン）の３
色のインクをそれぞれ吐出するノズルであり、カラーグ
ラフィックに対応する。同じ構成で、２１〜２３のノズ
ル全てからＢ（ブラック）のインクを吐出することによ
り、モノクロ画像や文章の印字を行なうことができ、こ
のような記録ヘッドを有する２種のヘッドカートリッジ
を使い分けることにより、モノクロとカラーの両方を印
字することができる。ヘッドカートリッジは、図２の構
成以外にも、インク１色につき１列のノズル列を持つ構
成や、複数のノズル列を持った構成としても良い。

【００１２】また、キャリッジ１３は、２つ以上のヘッ
ドカートリッジを搭載できるものでも良い。

【００１３】さらに、図１において１０は記録紙（記録
媒体）、１４は記録紙１０を図中の記録紙搬送方向に搬
送する搬送ローラである。印字走査においては、記録ヘ
ッド１９をヘッド走査方向に移動させながら、前記ノズ
ルから記録処理液及びインクを吐出させて印字を行なう
ヘッド走査と、記録紙１０の搬送を交互に行うことによ
り、記録紙１０全体への記録印字を行なうことができ
る。

【００１４】１６はホームポジションにおいて記録ヘッ
ド１９の吐出口形成面と対向するゴム等の弾性材料で形
成したキャップであり、記録ヘッド１９に対し当接／離
脱が可能なように支持されている。キャップ１６は非記
録時の記録ヘッド１９の保護や、固着した記録処理液或
いはインクを除去したり、ノズルや液室（吐出に際しイ
ンクを貯めておく記録ヘッド内にある空間）に溜った気
泡を除去するため、吸引ポンプ（図示しない）により強
制的にインクを吸引排出するために用いられる。図１の
構成では、記録処理液とインクの両方を吐出するヘッド
を用いるため、キャップ１６は記録処理液、インクをそ
れぞれ吸引回復させるための１８ａ、１８ｂに分割され
ている。本構成においてキャップ１６が、記録処理液吸
引部１８ａとインク吸引部１８ｂに分割されている理由
は、記録処理液とインクは混合されるとすぐに固着して
除去不能となるためである。

【００１５】１７はインクの吐出回復処理における吐出
回復動作のためのインク排出口である。吐出回復処理と
は、インク排出口１７に記録ヘッド１９の吐出形成面を
対向させ、ノズル２１〜２３からインクを吐出させるこ
とによって気泡や塵埃、増粘して記録に適さなくなった
インク等を強制的にインク排出口１７に排出させる処理
である。

【００１６】上記のようなインクジェット記録装置に用
いられるインクは、アニオン性基を含有する水溶性染料
と水、水溶性有機溶剤及びその他の成分、例えば粘度調
製剤、ｐＨ調製剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤を
必要に応じて含む。また、記録処理液としては、カチオ
ン性基を有する水溶性ポリマーと水、水溶性有機溶剤及
びその他の成分、例えば粘度調製剤、ｐＨ調製剤、防腐
剤、界面活性剤、酸化防止剤を必要に応じて含む。

【００１７】本発明の吐出検査方法の特徴は、ｐＨ変化
により変色する記録処理液受容層を有する吐出検査フィ
ルムに記録処理液を吐出させ、該記録処理液によって変
色或いは発色した領域によって、インクジェット記録装
置が記録処理液を所望の位置に吐出しているかどうかを
判断することにある。尚、本発明において「変色」とは
発色及び消色を含むものである。

【００１８】本発明の吐出検査フィルムは、フィルム基
体上にｐＨ変化により変色する記録処理液受容層を有す
る。フィルム基体としては、記録処理受容層を形成し得
るフィルム上の基体であればいかなる素材も用いること
ができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレートや、
ジアセテート、セロハン、セルロイド、ポリカーボネー
ト、ポリイミド、ポリビニルクロライド、ポリビニリデ
ンクロライド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどのプラスチックからなるフィルムを使用
できるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
また、その厚さは５０〜３００μｍ程度が好ましい。

【００１９】また、上記記録処理受容層は、バインダー
成分にｐＨ変化により変色する物質を混合することによ
り形成することができる。バインダー成分としては、記
録処理液及びインクを受容でき、記録処理液及びインク
に対して溶解性或いは親和性を示す水溶性樹脂又は水分
散性樹脂であり、水溶性樹脂としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール及びアニオン変性ポリビニルアルコー
ル、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変
性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変
性物；ポリウレタン；ポリビニルピロリドン及びポリビ
ニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリ
ドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合
体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチ
ル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタ
クリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共
重合体などのポリビニルピロリドンの変性物；カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロースなどのセルロース及びカチ
オン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変
性物；ポリエステル、ポリアクリル酸（エステル）、メ
ラミン樹脂、或いはこれらの変性物、ポリエステルとポ
リウレタンの共重合体等の合成樹脂、また、アルブミ
ン、ゼラチン、カゼイン、でんぷん、カチオン化でんぷ
ん、アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどの天然樹脂を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。

【００２０】また、上記ｐＨ変化により変色する物質と
しては、記録処理液のｐＨにより変色する色素化合物が
用いられる。このような色素化合物としては、例えば、
ペンタメトキシレッド、キナルジンレッド、２，４−ジ
ニトロフェノール、ヘキサメトキシレッド、ヘプタメト
キシレッド、キノリンブルー、ｏ−クレゾールフタレイ
ン、チモールフタレイン、フェノールフタレイン、メチ
ルオレンジ、コンゴーレッド、サリチル酸、α−ナフチ
ルアミン、３，６−ジヒドロキシフタル酸、ｍ−クレゾ
ールパープル、チモールブルー、ジメチルイエロー、ブ
ロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン、メ
チルレッド、クロロフェノールレッド、ブロモクレゾー
ルパープル、ブロモチモールブルー、ニュートラルレッ
ド、フェノールレッド、クレゾールレッド、チモールブ
ルー等の酸及びアルカリ指示薬が挙げられ、本発明にお
いてはブロモチモールブルーが好ましく用いられる。

【００２１】これらの色素化合物の発色機構は、多くの
場合、ｐＨの変化によって分子内の発色性構造部分にプ
ロトンの付加或いは脱離が起こり、可逆的に変色するも
のである。例えば、ヒドロキシアゾ系の染料において、
−ＯＨ反応基よりプロトンが脱離して電子供与性の大き
い−Ｏ^- に変化すると、アゾ基の電子共鳴構造部分の電
子状態が変化し、著しいスペクトル変化を示し、変色が
起こることが知られている。

【００２２】上記記録処理液受容層は、上記バインダー
成分の分散溶液に上記ｐＨ変化により変色する物質を混
合して塗布、乾燥することにより形成すれば良く、その
厚さは５〜５０μｍが好ましい。

【００２３】本発明の吐出検査方法においては、通常の
紙等の記録媒体の代わりに本発明の吐出検査フィルムを
用い、記録処理液のみを吐出して吐出検査フィルムの変
色領域から記録処理液の吐出状況を確認する。

【００２４】

【実施例】本実施例で使用したインクジェット記録装置
に用いるインク及び記録処理液の組成は以下の通りであ
る。

【００２５】（インクの組成）Ｃ．Ｉ．フードブラック２３重量部グリセリン１５重量部水８２重量部（記録処理液）グリセリン７重量部ジエチレングリコール７重量部ポリアリルアミン４重量部塩化ベンザルコニウム１重量部水９１重量部上記記録処理液を酢酸によりｐＨ＝７．５に調整

【００２６】本例で用いたインクジェット記録装置の記
録ヘッドは記録密度が６００ｄｐｉ、駆動条件が９．６
Ｈｚ、１ドット当たりの吐出体積はインクが３５ｐｌ、
記録処理液が１５ｐｌであった。

【００２７】（吐出検査フィルム）下記の組成の塗工液
を厚さ１００μｍのポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に乾燥膜厚が１０μｍとなるように塗布、乾燥し、
記録処理液受容層を形成し、吐出検査フィルムとした。

【００２８】（塗工液の組成）ポリビニルアルコール１５重量部（クラレ社製、「ＰＶＡ−２０５」）ブロモチモールブルー０．４重量部水８４．６重量部

【００２９】上記吐出検査フィルムを用い、通常インク
ジェット記録装置の印字検査に用いられている階段状の
ノズルチェックパターンを上記記録処理液のみを吐出さ
せて印字したところ、記録処理液が着弾した領域の吐出
検査フィルム表面が黄色から青色に変化し、その吐出状
況を正確に確認することができた。

【００３０】上記塗工液からブロモチモールブルーを除
いて吐出検査フィルムを形成し、上記と同様にして記録
処理液を吐出させたところ、記録処理液の吐出は確認で
きなかった。

【００３１】

【発明の効果】本発明によれば、記録処理液によって色
が変化する吐出検査フィルムを用いるため、目視によっ
て記録処理液の着弾位置を正確に知ることができ、記録
処理液の吐出のずれや吐出不良等吐出状況の良否を容易
に判断することができる。また、検査操作自体は、イン
クの吐出を行なわない以外は通常の印字操作と代わらな
いため、インクジェット記録装置に検査用の機構や部材
を新たに設ける必要がなく、現状のインクジェット記録
装置において、当該検査方法を実施することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるインクジェット記録装置のプリ
ンタ部の構成の一例を示す概略図である。

【図２】図１のプリンタ部の記録ヘッドを下から見た様
子を示す模式図である。

【符号の説明】

１０記録紙１１ａ，１１ｂヘッドカートリッジ１２ａ記録処理液用インクタンク１２ｂインク用インクタンク１３キャリッジ１４搬送ローラ１５ａ，１５ｂガイド軸１６キャップ１７インク排出口１８ａ記録処理液吸引部１８ｂインク吸引部１９インクジェット記録ヘッド２０記録処理液ノズル２１Ｙインクノズル２２Ｍインクノズル２３Ｃインクノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2C056 EA05 EA07 EA13 EB27 EB36 EB40 EE17 HA42 HA44 2C057 AF29 AH01 AL36 2H086 BA02 BA51

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】インクと無色透明の記録処理液とを連続
して記録媒体の同一箇所に吐出することにより印字を行
なうインクジェット記録装置より、表面にｐＨ変化によ
り変色する記録処理液受容層を有する吐出検査フィルム
上に記録処理液を吐出させて変色させることにより、該
記録処理液の吐出検査を行なうことを特徴とするインク
ジェット記録装置の記録処理液吐出検査方法。
【請求項２】上記記録処理液がカチオン性ポリマーを
含む請求項１記載のインクジェット記録装置の記録処理
液吐出検査方法。
【請求項３】上記記録処理液がカチオン性界面活性剤
を含む請求項１記載のインクジェット記録装置の記録処
理液吐出検査方法。
【請求項４】インクジェット記録装置に用いる無色透
明の記録処理液の吐出検査方法に用いる吐出検査フィル
ムであって、フィルム基体上に、ｐＨ変化により変色す
る記録処理液受容層を有することを特徴とする吐出検査
フィルム。
【請求項５】上記記録処理液受容層が、ブロモチモー
ルブルーを含有する請求項４記載の吐出検査フィルム。