JP2000167952A - 防錆防湿段ボールシート - Google Patents
防錆防湿段ボールシートInfo
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- JP2000167952A JP2000167952A JP10342617A JP34261798A JP2000167952A JP 2000167952 A JP2000167952 A JP 2000167952A JP 10342617 A JP10342617 A JP 10342617A JP 34261798 A JP34261798 A JP 34261798A JP 2000167952 A JP2000167952 A JP 2000167952A
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- Japan
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- liner
- moisture
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- corrugated cardboard
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- Pending
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Machines For Manufacturing Corrugated Board In Mechanical Paper-Making Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 防錆及び防湿特性を有し、使用後は通常の
古紙再生過程において容易に離解できる段ボールシート
を提供する。 【解決手段】二枚のライナー紙の間に波形付けされた中
芯紙を介在させ、両ライナー紙と中芯紙とを一体化した
段ボールシートにおいて、一方のライナー紙は防錆剤を
含有し、他方のライナー紙はライナー原紙にフィロケイ
酸塩化合物と合成樹脂エマルジョンとを含む防湿塗料を
塗布し乾燥して得られた防湿層を有する防錆防湿段ボー
ルシート。
古紙再生過程において容易に離解できる段ボールシート
を提供する。 【解決手段】二枚のライナー紙の間に波形付けされた中
芯紙を介在させ、両ライナー紙と中芯紙とを一体化した
段ボールシートにおいて、一方のライナー紙は防錆剤を
含有し、他方のライナー紙はライナー原紙にフィロケイ
酸塩化合物と合成樹脂エマルジョンとを含む防湿塗料を
塗布し乾燥して得られた防湿層を有する防錆防湿段ボー
ルシート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、機械部品、
電子部品などのように錆を防止する必要のある物品を輸
送する段ボール箱に使用される段ボールシートに関す
る。特には、防湿性と防錆性を有し、かつ、古紙として
再利用する際に、水に離解できる、すなわち易離解性の
防錆防湿段ボールシートに関する。
電子部品などのように錆を防止する必要のある物品を輸
送する段ボール箱に使用される段ボールシートに関す
る。特には、防湿性と防錆性を有し、かつ、古紙として
再利用する際に、水に離解できる、すなわち易離解性の
防錆防湿段ボールシートに関する。
【0002】
【従来の技術】金属等を輸送するための防錆段ボールは
古くから使用され、特許出願等も多数なされている。防
錆段ボールの欠点として、特に気化性防錆剤を使用した
ときに、防錆剤が段ボール箱の内部にとどまらず、外部
へ逃げてしまうという問題がある。また、外部の水分
(水または水蒸気)が箱の内部に入り錆を促進してしま
うという問題もある。これらの問題に対して、箱の外側
のライナーを防湿紙とした、いわゆる防錆防湿段ボール
シートも下記のように提案されている。
古くから使用され、特許出願等も多数なされている。防
錆段ボールの欠点として、特に気化性防錆剤を使用した
ときに、防錆剤が段ボール箱の内部にとどまらず、外部
へ逃げてしまうという問題がある。また、外部の水分
(水または水蒸気)が箱の内部に入り錆を促進してしま
うという問題もある。これらの問題に対して、箱の外側
のライナーを防湿紙とした、いわゆる防錆防湿段ボール
シートも下記のように提案されている。
【0003】実開昭60−150033号公報には、一
方のライナーが二枚の紙を防湿材料を介して積層したも
のであり、他方のライナーは防錆性を付与された防錆防
湿段ボールシートが開示されている。防湿材料として
は、ワックスやポリエチレンなどが例示されている。た
だし、この方法では、易離解性がなく、古紙回収して使
用し難くなるという問題がある。
方のライナーが二枚の紙を防湿材料を介して積層したも
のであり、他方のライナーは防錆性を付与された防錆防
湿段ボールシートが開示されている。防湿材料として
は、ワックスやポリエチレンなどが例示されている。た
だし、この方法では、易離解性がなく、古紙回収して使
用し難くなるという問題がある。
【0004】特開平10−6420号公報には、防錆剤
塗料を片面に塗被したライナーと防湿剤塗料を片面に塗
被したライナーを使用した防錆防湿段ボールシートが提
案されている。防湿剤塗料としては、ワックスエマルジ
ョン、合成樹脂エマルジョンなどが例示され、これに基
づく防錆防湿段ボールは易離解性が優れていると記載さ
れている。
塗料を片面に塗被したライナーと防湿剤塗料を片面に塗
被したライナーを使用した防錆防湿段ボールシートが提
案されている。防湿剤塗料としては、ワックスエマルジ
ョン、合成樹脂エマルジョンなどが例示され、これに基
づく防錆防湿段ボールは易離解性が優れていると記載さ
れている。
【0005】しかし、本発明者らの検討によれば、表面
にワックスや合成樹脂が塗布されたライナーは段ボール
製造に際してコルゲーターの熱板等にワックスや樹脂が
付着するという問題を有する。また、ワックスを表面に
塗布した段ボールは滑りすぎるという問題があり、それ
が古紙パルプとして再使用されてワックスを含む段ボー
ル原紙が製造されると、前記と同様の問題を発生する。
従って、古紙の再利用という観点からはワックスを表面
に塗布することは好ましくない。
にワックスや合成樹脂が塗布されたライナーは段ボール
製造に際してコルゲーターの熱板等にワックスや樹脂が
付着するという問題を有する。また、ワックスを表面に
塗布した段ボールは滑りすぎるという問題があり、それ
が古紙パルプとして再使用されてワックスを含む段ボー
ル原紙が製造されると、前記と同様の問題を発生する。
従って、古紙の再利用という観点からはワックスを表面
に塗布することは好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】箱にしたときに、防錆
剤の外部への逸散を防止し、外部からの水分の混入を防
止できるだけでなく、段ボール製造適性に優れ、易離解
性があり、古紙として使用されたときにもトラブルがな
い防錆防湿段ボールを提供することが本発明の課題であ
る。
剤の外部への逸散を防止し、外部からの水分の混入を防
止できるだけでなく、段ボール製造適性に優れ、易離解
性があり、古紙として使用されたときにもトラブルがな
い防錆防湿段ボールを提供することが本発明の課題であ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下の構成を採用する。本発明の第1の発
明は、「二枚のライナーの間に波形付けされた中芯を介
在させ、両ライナーと中芯とを一体化した段ボールシー
トにおいて、一方のライナーは防錆剤を含有し、他方の
ライナーはライナー原紙にフィロケイ酸塩化合物と合成
樹脂エマルジョンとを含む防湿塗料を塗布し乾燥して得
られた防湿層を有することを特徴とする、防錆防湿段ボ
ールシート」である。
め、本発明は以下の構成を採用する。本発明の第1の発
明は、「二枚のライナーの間に波形付けされた中芯を介
在させ、両ライナーと中芯とを一体化した段ボールシー
トにおいて、一方のライナーは防錆剤を含有し、他方の
ライナーはライナー原紙にフィロケイ酸塩化合物と合成
樹脂エマルジョンとを含む防湿塗料を塗布し乾燥して得
られた防湿層を有することを特徴とする、防錆防湿段ボ
ールシート」である。
【0008】本発明の第2の発明は、「ライナーと波形
付けされた中芯からなる片面段ボールシートを2段以上
積層し、さらに中芯側にライナーを積層して一体化した
段ボールシートにおいて、一方の最外層のライナーは防
錆剤を含有し、前記防錆剤を含有したライナー以外の少
なくとも一つ以上のライナーは、ライナー原紙にフィロ
ケイ酸塩化合物と合成樹脂エマルジョンとを含む防湿塗
料を塗布し乾燥して得られた防湿層を有することを特徴
とする、防錆防湿段ボールシート。」である。
付けされた中芯からなる片面段ボールシートを2段以上
積層し、さらに中芯側にライナーを積層して一体化した
段ボールシートにおいて、一方の最外層のライナーは防
錆剤を含有し、前記防錆剤を含有したライナー以外の少
なくとも一つ以上のライナーは、ライナー原紙にフィロ
ケイ酸塩化合物と合成樹脂エマルジョンとを含む防湿塗
料を塗布し乾燥して得られた防湿層を有することを特徴
とする、防錆防湿段ボールシート。」である。
【0009】本発明の第3の発明は、「前記第1または
第2の発明において、防錆剤を含有するライナーが、防
錆剤とバインダーを含む液をライナー原紙にストライプ
状または斑点状に塗布し乾燥して得られたことを特徴と
する防錆防湿段ボールシート」である。
第2の発明において、防錆剤を含有するライナーが、防
錆剤とバインダーを含む液をライナー原紙にストライプ
状または斑点状に塗布し乾燥して得られたことを特徴と
する防錆防湿段ボールシート」である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用するライナー及び中
芯用のパルプとしては、針葉樹あるいは広葉樹から得ら
れる未晒しクラフトパルプ、段ボール古紙パルプ、クラ
フト古紙パルプなど、通常に段ボール用として使用され
るパルプであればいずれでも使用できるが、機械的離解
作用により水中で分散しやすいパルプであり、段ボール
古紙パルプを主体とすることが望ましい。
芯用のパルプとしては、針葉樹あるいは広葉樹から得ら
れる未晒しクラフトパルプ、段ボール古紙パルプ、クラ
フト古紙パルプなど、通常に段ボール用として使用され
るパルプであればいずれでも使用できるが、機械的離解
作用により水中で分散しやすいパルプであり、段ボール
古紙パルプを主体とすることが望ましい。
【0011】ライナーの米坪としては、150g/m2
〜350g/m2程度のものが好ましく、中芯として
は、100g/m2〜200g/m2程度のものが好まし
い。
〜350g/m2程度のものが好ましく、中芯として
は、100g/m2〜200g/m2程度のものが好まし
い。
【0012】本発明の第1の発明は、ライナー/中芯/
ライナーという構成である、いわゆる両面段ボールシー
トと呼ばれるものである。一方のライナーには防錆剤を
含有するが、本発明に用いられる防錆剤としては、例え
ば亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、カプリル酸ジ
シクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロヘキシルア
ンモニウム、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息
香酸モノエタノールアンモニウム、安息香酸ソーダ、安
息香酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸イソプロピ
ル、安息香酸ブチル、桂皮酸ブチル、カルバミン酸アン
モニウム、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、モルホリン、メチルモルホリン、エチルモルホ
リン、ヘキサメチレンテトラミン、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、尿素、チオ尿素、亜硝酸ソー
ダ等の当業界で公知の材料が挙げられる。
ライナーという構成である、いわゆる両面段ボールシー
トと呼ばれるものである。一方のライナーには防錆剤を
含有するが、本発明に用いられる防錆剤としては、例え
ば亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、カプリル酸ジ
シクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロヘキシルア
ンモニウム、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息
香酸モノエタノールアンモニウム、安息香酸ソーダ、安
息香酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸イソプロピ
ル、安息香酸ブチル、桂皮酸ブチル、カルバミン酸アン
モニウム、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、モルホリン、メチルモルホリン、エチルモルホ
リン、ヘキサメチレンテトラミン、ベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、尿素、チオ尿素、亜硝酸ソー
ダ等の当業界で公知の材料が挙げられる。
【0013】ライナーに防錆剤を含有させる方法につい
ては、格別に限定されないが、ライナー原紙単独の状態
で、防錆剤を含む防錆剤塗料を塗布または含浸させる方
法が一般的に知られた方法である。ただし、本発明にお
いては、可能であれば、シングルフェーサー部での片面
段ボールシート形成の直前または直後、あるいは、両面
段ボールシート形成後に塗布することを推奨する。後の
工程で塗布した方が、防錆剤がコルゲーター上で飛散す
ることがなく好ましいが、機械の種類によっては、塗布
する場所が設けられないこともあり、その場合は、貼合
前のライナー原紙に塗布してもかまわない。塗工に用い
られる防錆剤塗料は、上記防錆剤の単独または複数を水
に分散もしくは溶解あるいは混和し、更に必要応じてバ
インダー類、アルコール等の浸透剤、界面活性剤等を添
加して調製される。好ましくは、水溶性樹脂の水溶液ま
たは合成樹脂エマルジョンに防錆剤を分散または溶解
し、ライナー原紙に塗布・乾燥することが望ましい。水
溶性樹脂としては、澱粉、ポリビニルアルコール、セル
ロース誘導体、カゼインなど公知のものが使用できる。
合成樹脂エマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル系、ア
クリル系、SBR系など、公知の塗料用樹脂が使用でき
る。
ては、格別に限定されないが、ライナー原紙単独の状態
で、防錆剤を含む防錆剤塗料を塗布または含浸させる方
法が一般的に知られた方法である。ただし、本発明にお
いては、可能であれば、シングルフェーサー部での片面
段ボールシート形成の直前または直後、あるいは、両面
段ボールシート形成後に塗布することを推奨する。後の
工程で塗布した方が、防錆剤がコルゲーター上で飛散す
ることがなく好ましいが、機械の種類によっては、塗布
する場所が設けられないこともあり、その場合は、貼合
前のライナー原紙に塗布してもかまわない。塗工に用い
られる防錆剤塗料は、上記防錆剤の単独または複数を水
に分散もしくは溶解あるいは混和し、更に必要応じてバ
インダー類、アルコール等の浸透剤、界面活性剤等を添
加して調製される。好ましくは、水溶性樹脂の水溶液ま
たは合成樹脂エマルジョンに防錆剤を分散または溶解
し、ライナー原紙に塗布・乾燥することが望ましい。水
溶性樹脂としては、澱粉、ポリビニルアルコール、セル
ロース誘導体、カゼインなど公知のものが使用できる。
合成樹脂エマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル系、ア
クリル系、SBR系など、公知の塗料用樹脂が使用でき
る。
【0014】防錆剤塗料の塗工は、通常バーコーター、
ロールコーター、グラビアコーター、エアナイフコータ
ー等の塗工機を使ってライナー原紙表面に行われる。塗
液は、通常乾燥重量が2〜50g/m2となるように塗
工される。因みに、2g/m2未満の場合には防錆効果
が弱く、50g/m2を超える場合には製造コストが極
めて高いものとなる。
ロールコーター、グラビアコーター、エアナイフコータ
ー等の塗工機を使ってライナー原紙表面に行われる。塗
液は、通常乾燥重量が2〜50g/m2となるように塗
工される。因みに、2g/m2未満の場合には防錆効果
が弱く、50g/m2を超える場合には製造コストが極
めて高いものとなる。
【0015】塗布の方法として、ライナー全面に塗布す
ることが公知の方法であるが、本発明においては、スト
ライプ状または斑点状のように、ライナーの全面を覆わ
ずに一部を残す方法を推奨する。防錆剤塗料が水溶性ポ
リマーを含む場合、その皮膜によって、内部の防錆剤の
蒸気がライナーや中芯、空隙部へ発散することを妨害し
ないためである。上記した塗布形態が、本発明の第3の
発明をなす形態である。ライナーに防錆剤を含有させる
方法として、塗布以外の方法を使用しても良い。例え
ば、防錆剤を中に含むマイクロカプセルをライナー原紙
内部または表面に付着させておき、貼合時の熱または、
貼合終了後に別のエネルギー(赤外線、電磁波等)を付
与して、カプセルから防錆剤が出るようにしても良い。
また、ライナー原紙中に防錆剤を吸着した顔料を入れる
等の方法も可能である。
ることが公知の方法であるが、本発明においては、スト
ライプ状または斑点状のように、ライナーの全面を覆わ
ずに一部を残す方法を推奨する。防錆剤塗料が水溶性ポ
リマーを含む場合、その皮膜によって、内部の防錆剤の
蒸気がライナーや中芯、空隙部へ発散することを妨害し
ないためである。上記した塗布形態が、本発明の第3の
発明をなす形態である。ライナーに防錆剤を含有させる
方法として、塗布以外の方法を使用しても良い。例え
ば、防錆剤を中に含むマイクロカプセルをライナー原紙
内部または表面に付着させておき、貼合時の熱または、
貼合終了後に別のエネルギー(赤外線、電磁波等)を付
与して、カプセルから防錆剤が出るようにしても良い。
また、ライナー原紙中に防錆剤を吸着した顔料を入れる
等の方法も可能である。
【0016】次に、防湿剤塗料について説明する。防湿
剤塗料は、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂エマルジョ
ンを含む防湿性塗料からなる。フィロケイ酸塩化合物は
平板状顔料であり、フィロケイ酸化合物に属するものは
板状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、
パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑
石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。こ
れらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、
白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲
母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素
金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジ
ンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリ
トル雲母などが挙げられる。
剤塗料は、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂エマルジョ
ンを含む防湿性塗料からなる。フィロケイ酸塩化合物は
平板状顔料であり、フィロケイ酸化合物に属するものは
板状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、
パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑
石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。こ
れらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、
白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲
母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素
金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジ
ンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリ
トル雲母などが挙げられる。
【0017】これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白
雲母または絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比など
の点から好適である。本発明では平板性が保持されてい
る顔料であれば良いが、より好ましい平均粒子径(レー
ザー回折法による測定値)範囲としては1μm〜100
μm、更に好ましい平均粒子径範囲としては5μm〜5
0μmである。平均粒子径が5μm以下のものは塗工層
中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりに
くく、50μm以上になると平板状顔料の一部が塗工層
から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となる
に伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が
少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少す
る。また、好ましいアスペクト比(前記平均粒子径を厚
さで除した値。厚さは電子顕微鏡の観察により測定し
た。)は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が
10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5以下の
ものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿
性能が劣る。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗
工層中における層数が大きくなるので、高い防湿性能を
発揮する。
雲母または絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比など
の点から好適である。本発明では平板性が保持されてい
る顔料であれば良いが、より好ましい平均粒子径(レー
ザー回折法による測定値)範囲としては1μm〜100
μm、更に好ましい平均粒子径範囲としては5μm〜5
0μmである。平均粒子径が5μm以下のものは塗工層
中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりに
くく、50μm以上になると平板状顔料の一部が塗工層
から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となる
に伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が
少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少す
る。また、好ましいアスペクト比(前記平均粒子径を厚
さで除した値。厚さは電子顕微鏡の観察により測定し
た。)は5以上であり、特に好ましくはアスペクト比が
10以上の平板状顔料である。アスペクト比が5以下の
ものは塗工面に対して平行に配向できなくなるため防湿
性能が劣る。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗
工層中における層数が大きくなるので、高い防湿性能を
発揮する。
【0018】本発明に用いられる合成樹脂はスチレン−
ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合
体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリル
ニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合
体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体
が挙げられる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン
系共重合体が好適である。スチレン−ブタジエン系共重
合体(SBR)はスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン
などの芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物及
びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体
を乳化重合することによって得られる共重合体ラテック
スである。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、ま
た、共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好
適である。
ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合
体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリル
ニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合
体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体
が挙げられる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン
系共重合体が好適である。スチレン−ブタジエン系共重
合体(SBR)はスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン
などの芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物及
びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体
を乳化重合することによって得られる共重合体ラテック
スである。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、ま
た、共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好
適である。
【0019】合成樹脂ラテックスのガラス転移温度(T
g)、粒子径、ゲル分率(溶媒としてテトラヒドロフラ
ンを用いたときの不溶部分の重量%)、分子量などは特
に限定されないが、一般的に、Tgは−10℃〜40
℃、より好ましくは−5℃〜35℃、粒子径50〜50
0nm、ゲル分率は10〜90%、特に離解性を向上さ
せたい場合は90%以上が好ましい。
g)、粒子径、ゲル分率(溶媒としてテトラヒドロフラ
ンを用いたときの不溶部分の重量%)、分子量などは特
に限定されないが、一般的に、Tgは−10℃〜40
℃、より好ましくは−5℃〜35℃、粒子径50〜50
0nm、ゲル分率は10〜90%、特に離解性を向上さ
せたい場合は90%以上が好ましい。
【0020】また、本発明に使用するフィロケイ酸塩化
合物と合成樹脂ラテックスとの配合(固形分重量)比率
は30:70〜70:30、好ましくは35:65〜6
0:40である。
合物と合成樹脂ラテックスとの配合(固形分重量)比率
は30:70〜70:30、好ましくは35:65〜6
0:40である。
【0021】更に、防湿効果を高めるためにはカップリ
ング剤を使用することが好ましい。このようなカップリ
ング剤としては、親水基部分にSiを含むシランカップ
リング剤、親水基部分にTiを含むチタネートカップリ
ング剤、親水基部分にAlを含むアルミニウムカップリ
ング剤等が挙げられる。この様なカップリング剤には、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、γメルカプト
プロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニ
リノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ
(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
ング剤を使用することが好ましい。このようなカップリ
ング剤としては、親水基部分にSiを含むシランカップ
リング剤、親水基部分にTiを含むチタネートカップリ
ング剤、親水基部分にAlを含むアルミニウムカップリ
ング剤等が挙げられる。この様なカップリング剤には、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、γメルカプト
プロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニ
リノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ
(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
【0022】一方、カップリング剤の疎水基部分につい
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層
樹脂マトリックスとの接着性が高まる。
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層
樹脂マトリックスとの接着性が高まる。
【0023】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗料に
カップリング剤を直接添加する方法である。また、前処
理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリ
ング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量
はフィロケイ酸塩化合物100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量
が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィ
ロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好まし
くなく、5重量部を超える場合、カップリング剤の効果
が頭打ちとなるため不経済である。
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗料に
カップリング剤を直接添加する方法である。また、前処
理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリ
ング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量
はフィロケイ酸塩化合物100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量
が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィ
ロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好まし
くなく、5重量部を超える場合、カップリング剤の効果
が頭打ちとなるため不経済である。
【0024】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加し
たりすることができる。この塗料を常法によりライナー
に塗被し防湿層を形成する。塗工設備として特に限定は
しないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイ
フコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式
が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加し
たりすることができる。この塗料を常法によりライナー
に塗被し防湿層を形成する。塗工設備として特に限定は
しないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイ
フコーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式
が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
【0025】本発明の、ライナー原紙及び防湿層から形
成されるライナーは、前記した防湿塗料をライナー原紙
の片面または両面に塗付し乾燥することにより得られ
る。また、2枚のライナー原紙を前記防湿塗料を用いて
積層した形態のライナーであっても良い。
成されるライナーは、前記した防湿塗料をライナー原紙
の片面または両面に塗付し乾燥することにより得られ
る。また、2枚のライナー原紙を前記防湿塗料を用いて
積層した形態のライナーであっても良い。
【0026】防湿剤塗料の塗被量は片面の場合(両面に
塗被した場合は両面合わせての塗被量)、固形分として
5〜40g/m2、好ましくは10〜35g/m2であ
り、110〜150℃で50〜120秒間乾燥して防湿
層を形成する。
塗被した場合は両面合わせての塗被量)、固形分として
5〜40g/m2、好ましくは10〜35g/m2であ
り、110〜150℃で50〜120秒間乾燥して防湿
層を形成する。
【0027】本発明の防錆防湿段ボールシートの製造方
法を説明するが、製造方法としては公知の段ボール製造
機を用いてできるので、通常の両面段ボールシートの製
造方法を例に挙げて説明する。一般に段ボールシート
は、コルゲーターと呼ばれる機械により製造される。コ
ルゲーターでは、まず、中芯原紙が段ロールによって熱
と圧力を加えられ、連続した波形(段)が付けられ、段
の頂部に澱粉接着剤を塗布し、別に用意したライナーと
プレスロールで圧着して片面段ボールを製造する。この
工程をシングルフェーサー部と称する。続いて、片面段
ボールの中芯の段頂部に澱粉接着剤を塗布し、別に用意
したライナーと接合する。この工程は、通常はライナー
が熱板に押し付けられた状態で行われ、ダブルフェーサ
ー部と称する。
法を説明するが、製造方法としては公知の段ボール製造
機を用いてできるので、通常の両面段ボールシートの製
造方法を例に挙げて説明する。一般に段ボールシート
は、コルゲーターと呼ばれる機械により製造される。コ
ルゲーターでは、まず、中芯原紙が段ロールによって熱
と圧力を加えられ、連続した波形(段)が付けられ、段
の頂部に澱粉接着剤を塗布し、別に用意したライナーと
プレスロールで圧着して片面段ボールを製造する。この
工程をシングルフェーサー部と称する。続いて、片面段
ボールの中芯の段頂部に澱粉接着剤を塗布し、別に用意
したライナーと接合する。この工程は、通常はライナー
が熱板に押し付けられた状態で行われ、ダブルフェーサ
ー部と称する。
【0028】本発明においては、防錆剤はシングルフェ
ーサーで貼合されるライナーに存在する方が普通であ
る。先にも述べたように、防錆剤はあらかじめライナー
原紙に存在していても良いが、シングルフェーサー部に
ライナーが入る直前に防錆剤塗料を塗布することも可能
であり、ダブルフェーサー部を出た後で塗布することも
可能である(その間のどの部分でも可能である)。
ーサーで貼合されるライナーに存在する方が普通であ
る。先にも述べたように、防錆剤はあらかじめライナー
原紙に存在していても良いが、シングルフェーサー部に
ライナーが入る直前に防錆剤塗料を塗布することも可能
であり、ダブルフェーサー部を出た後で塗布することも
可能である(その間のどの部分でも可能である)。
【0029】防湿剤層は、両面段ボールにおいては、ダ
ブルフェーサー部で貼合されるライナーに存在する。防
湿剤層はコルゲーター上で設けることは困難であり、あ
らかじめライナー原紙に防湿剤塗料を塗布し乾燥して設
けておく必要がある。なお、本発明の段ボールシートを
製造する、貼合温度、速度などは一般の段ボールとなん
ら変更する必要はなく、通常の製造条件が適用される。
ブルフェーサー部で貼合されるライナーに存在する。防
湿剤層はコルゲーター上で設けることは困難であり、あ
らかじめライナー原紙に防湿剤塗料を塗布し乾燥して設
けておく必要がある。なお、本発明の段ボールシートを
製造する、貼合温度、速度などは一般の段ボールとなん
ら変更する必要はなく、通常の製造条件が適用される。
【0030】得られた段ボールシートの段高、段数は特
に制限されないが、一般的に製造されるのは段高4.5
〜4.8mm、段数34±2/30cm(Aフルート)と
段高2.5〜2.8mm、段数50±2/30cm(Bフ
ルート)である。また、本発明によって得られた段ボー
ルシートから段ボール箱を製造する場合は、防錆剤を含
有する側のライナーを箱の内面とすることが望ましい。
に制限されないが、一般的に製造されるのは段高4.5
〜4.8mm、段数34±2/30cm(Aフルート)と
段高2.5〜2.8mm、段数50±2/30cm(Bフ
ルート)である。また、本発明によって得られた段ボー
ルシートから段ボール箱を製造する場合は、防錆剤を含
有する側のライナーを箱の内面とすることが望ましい。
【0031】本発明によって製造された防錆防湿段ボー
ルはJISに従い、防錆試験と防湿試験により評価し
た。
ルはJISに従い、防錆試験と防湿試験により評価し
た。
【0032】次に、本発明の第2の発明の形態について
説明する。第2の発明は、いわゆる複両面段ボール及び
複々両面段ボール(トリプルウォール段ボール)に関す
るものである。これらは、波形成形された中芯による段
を複数有する形態であるが、この場合、段と段との間の
ライナーは多くの場合一層である。ただし、前記したよ
うに、防湿層が2枚のライナー原紙により挟まれた積層
タイプのライナー原紙を使用することもできる。複両面
段ボールとしてはA段/B段、A段/C段、A段/A段
のいずれでも良く、トリプルウォールとしてはA/A/
AまたはA/B/Aなどいずれでも良い。どの形態にお
いても、防錆剤を含有するライナーは最外層となり、輸
送時には箱の内面として内容物と接触する側に位置す
る。防湿層は、該防錆剤を含有するライナー以外のライ
ナーに存在すれば良く、必ずしも、箱の最外層表面に防
湿層が存在していなくても良い。なお、本明細書中にお
ける段ボール関係の用語の意味は、JIS Z0104
に規定されるものである。
説明する。第2の発明は、いわゆる複両面段ボール及び
複々両面段ボール(トリプルウォール段ボール)に関す
るものである。これらは、波形成形された中芯による段
を複数有する形態であるが、この場合、段と段との間の
ライナーは多くの場合一層である。ただし、前記したよ
うに、防湿層が2枚のライナー原紙により挟まれた積層
タイプのライナー原紙を使用することもできる。複両面
段ボールとしてはA段/B段、A段/C段、A段/A段
のいずれでも良く、トリプルウォールとしてはA/A/
AまたはA/B/Aなどいずれでも良い。どの形態にお
いても、防錆剤を含有するライナーは最外層となり、輸
送時には箱の内面として内容物と接触する側に位置す
る。防湿層は、該防錆剤を含有するライナー以外のライ
ナーに存在すれば良く、必ずしも、箱の最外層表面に防
湿層が存在していなくても良い。なお、本明細書中にお
ける段ボール関係の用語の意味は、JIS Z0104
に規定されるものである。
【0033】防錆試験は以下の方法にて実施した。 (I)気化性試験法 JIS−Z−1535.5.4による気化性さび止め性
試験に準ずる。 (II)接触試験法 JIS−Z−1535.5.6による接触さび止め性試
験に準ずる。
試験に準ずる。 (II)接触試験法 JIS−Z−1535.5.6による接触さび止め性試
験に準ずる。
【0034】防湿試験は以下の方法にて実施した。JI
S−Z−0208 B法(カップ法)に準じ、各試料の防
湿面を外側にして、40℃90%(相対湿度)にて透湿度
を測定した。
S−Z−0208 B法(カップ法)に準じ、各試料の防
湿面を外側にして、40℃90%(相対湿度)にて透湿度
を測定した。
【0035】離解性試験は以下の方法にて実施した。T
APPI標準離解機を用いて、約3cm四方の防湿紙4
5gを水1500mlとともに、10分間撹拌した。得
られたパルプスラリーで坪量70g/m2の手抄きシー
トを作成した。未離解物の離解片の大きさが1mm×1
mm以下のものを○、その大きさを超える離解片が残る
ものを×とした。
APPI標準離解機を用いて、約3cm四方の防湿紙4
5gを水1500mlとともに、10分間撹拌した。得
られたパルプスラリーで坪量70g/m2の手抄きシー
トを作成した。未離解物の離解片の大きさが1mm×1
mm以下のものを○、その大きさを超える離解片が残る
ものを×とした。
【0036】以下に実施例及び比較例を示し本発明を詳
細に説明すが、これは本発明の効果を具体的に説明する
ためのものであって、これによって本発明が限定される
ものではない。特に断らない限り「部」及び「%」はそ
れぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
細に説明すが、これは本発明の効果を具体的に説明する
ためのものであって、これによって本発明が限定される
ものではない。特に断らない限り「部」及び「%」はそ
れぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
【実施例】<実施例1>坪量220g/m2である段ボ
ールライナー原紙の一方の面に、下記の防錆剤塗料組成
物−1を15g/m2塗被し、130℃で1分間乾燥さ
せ防錆層を形成した。この防錆ライナーと坪量160g
/m2の中芯原紙をテストシングルフェーサーにて貼合
し片面段ボールを作成した(Aフルート)。これとは別に
用意した坪量220g/m2である段ボールライナー原
紙の一方の面に、下記の防湿剤塗料組成物−1を20g
/m2塗被し110℃で1分間乾燥させ防湿層を形成し
た。片面段ボールの段頂部に澱粉糊水溶液(王子コンス
ターチ(株)製)を転移させ、防湿ライナーの防湿剤非塗
被面と180℃熱板にて3秒間圧着させ、手貼りにより
両面段ボールシートを作成した。
ールライナー原紙の一方の面に、下記の防錆剤塗料組成
物−1を15g/m2塗被し、130℃で1分間乾燥さ
せ防錆層を形成した。この防錆ライナーと坪量160g
/m2の中芯原紙をテストシングルフェーサーにて貼合
し片面段ボールを作成した(Aフルート)。これとは別に
用意した坪量220g/m2である段ボールライナー原
紙の一方の面に、下記の防湿剤塗料組成物−1を20g
/m2塗被し110℃で1分間乾燥させ防湿層を形成し
た。片面段ボールの段頂部に澱粉糊水溶液(王子コンス
ターチ(株)製)を転移させ、防湿ライナーの防湿剤非塗
被面と180℃熱板にて3秒間圧着させ、手貼りにより
両面段ボールシートを作成した。
【0037】防錆剤塗料組成物−1: ジシクロヘキシルアミン 360重量部 りん酸 100重量部 亜硝酸ソーダ 140重量部 水 1200重量部 上記配合で33%濃度に調成した。
【0038】 防湿剤塗料組成物−1: フィロケイ酸塩化合物マイカA21(白雲母、平均粒子径22μm、アスペクト比 20〜30、山口雲母工業所(株)製) 50重量部 合成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、固形分48%、日本ゼオ ン(株)製) 100重量部 カップリング剤KBM603(アミノシランカップリング剤、有効成分99%以上、 信越化学工業(株)製) 0.5重量部 水 50重量部
【0039】<実施例2>坪量220g/m2である段
ボールライナー原紙の一方の面に、実施例1で使用した
防錆剤塗料組成物−1を15g/m2塗被し、130℃
で1分間乾燥させ防錆層を形成した。この防錆ライナー
と坪量160g/m2の中芯原紙をテストシングルフェ
ーサーにて貼合し片面段ボールを作成した(Aフルー
ト)。これとは別に用意した坪量220g/m2である段
ボールライナー原紙の一方の面に、前記の防湿剤塗料組
成物−1を20g/m2塗被し110℃で1分間乾燥さ
せ防湿層を形成した。片面段ボールの段頂部に酢酸ビニ
ル系の糊(サカタインクス(株)製)を転移させ、防湿ライ
ナーの防湿剤塗被面と180℃熱板にて5秒間圧着さ
せ、手貼りにより両面段ボールシートを作成した。
ボールライナー原紙の一方の面に、実施例1で使用した
防錆剤塗料組成物−1を15g/m2塗被し、130℃
で1分間乾燥させ防錆層を形成した。この防錆ライナー
と坪量160g/m2の中芯原紙をテストシングルフェ
ーサーにて貼合し片面段ボールを作成した(Aフルー
ト)。これとは別に用意した坪量220g/m2である段
ボールライナー原紙の一方の面に、前記の防湿剤塗料組
成物−1を20g/m2塗被し110℃で1分間乾燥さ
せ防湿層を形成した。片面段ボールの段頂部に酢酸ビニ
ル系の糊(サカタインクス(株)製)を転移させ、防湿ライ
ナーの防湿剤塗被面と180℃熱板にて5秒間圧着さ
せ、手貼りにより両面段ボールシートを作成した。
【0040】<比較例1>防湿ライナーを坪量220g
/m2の通常のライナー原紙に変更した以外は実施例1
と同様にして両面段ボールを作成した。
/m2の通常のライナー原紙に変更した以外は実施例1
と同様にして両面段ボールを作成した。
【0041】<比較例2>防湿ライナーの防湿性塗料を
下記の防湿剤塗料組成物−2に変更し、坪量220g/
m2である段ボールライナー原紙の一方の面に20g/
m2塗被し、120℃で1分間乾燥させ防湿層を形成し
たこと以外は実施例1と同様にして両面段ボールを作成
した。 防湿剤塗料組成物−2: 合成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、固形分48%、日本ゼオ ン(株)製) 100重量部 ワックスエマルジョンOKM−40(パラフィンワックス、ポリブテン、ロジン樹 脂の混合乳化物、固形分40%、荒川化学工業(株)製) 60重量部
下記の防湿剤塗料組成物−2に変更し、坪量220g/
m2である段ボールライナー原紙の一方の面に20g/
m2塗被し、120℃で1分間乾燥させ防湿層を形成し
たこと以外は実施例1と同様にして両面段ボールを作成
した。 防湿剤塗料組成物−2: 合成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、固形分48%、日本ゼオ ン(株)製) 100重量部 ワックスエマルジョンOKM−40(パラフィンワックス、ポリブテン、ロジン樹 脂の混合乳化物、固形分40%、荒川化学工業(株)製) 60重量部
【0042】<比較例3>防湿層としてポリエチレンを
坪量220g/m2のライナー原紙に塗工厚さ15μm
になるように押し出しラミネーションしたライナーを使
用したこと以外は実施例1と同様にして両面段ボールを
作成した。
坪量220g/m2のライナー原紙に塗工厚さ15μm
になるように押し出しラミネーションしたライナーを使
用したこと以外は実施例1と同様にして両面段ボールを
作成した。
【0043】
【表1】
【0044】表1より本発明であるフィロケイ酸塩化合
物と合成樹脂ラテックスを含む防湿性塗料をライナー原
紙の少なくとも片面に塗被することによって、良好な防
湿性能を付与することが可能なことが読み取れる。ま
た、防湿層にポリエチレンラミネートやワックスを含む
防湿剤を使用した場合に生じる、熱盤への融着が本発明
では認められない。更には、通常の古紙再生過程によっ
て容易に離解し、またワックスを含んでいないので再生
された紙になんら問題が生じない。
物と合成樹脂ラテックスを含む防湿性塗料をライナー原
紙の少なくとも片面に塗被することによって、良好な防
湿性能を付与することが可能なことが読み取れる。ま
た、防湿層にポリエチレンラミネートやワックスを含む
防湿剤を使用した場合に生じる、熱盤への融着が本発明
では認められない。更には、通常の古紙再生過程によっ
て容易に離解し、またワックスを含んでいないので再生
された紙になんら問題が生じない。
【0045】
【発明の効果】フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテッ
クスを含む防湿性塗料を塗被、乾燥することによって形
成された防湿層を有する防湿ライナーを用いることによ
り、良好な防湿性を付与することが可能であり、このラ
イナーを用いることによって気密性が高まり、防錆剤の
効果が向上する。またこの防湿ライナーは離解性が良好
で、かつ段ボール製造過程において問題なく製造可能で
ある。
クスを含む防湿性塗料を塗被、乾燥することによって形
成された防湿層を有する防湿ライナーを用いることによ
り、良好な防湿性を付与することが可能であり、このラ
イナーを用いることによって気密性が高まり、防錆剤の
効果が向上する。またこの防湿ライナーは離解性が良好
で、かつ段ボール製造過程において問題なく製造可能で
ある。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E078 AA20 BB22 BB35 BB39 BB45 BC01 4D075 AB03 AC23 AC25 CA33 DA06 DC36 EA13 EB02 EB32 EB53 EC04 EC35 EC45 4F100 AA01D AA03D AC05D AJ07J AK01D AK73D AS00A AT00A AT00B AT00C BA04 BA07 BA08 BA10A BA10D CA14A CB00 CC00D DC22D DC30D DD12B DG10A DG10C GB15 JB05 JD04D JM01D
Claims (3)
- 【請求項1】 二枚のライナーの間に波形付けされた中
芯を介在させ、両ライナーと中芯とを一体化した段ボー
ルシートにおいて、一方のライナーは防錆剤を含有し、
他方のライナーはライナー原紙にフィロケイ酸塩化合物
と合成樹脂エマルジョンとを含む防湿塗料を塗布し乾燥
して得られた防湿層を有することを特徴とする、防錆防
湿段ボールシート。 - 【請求項2】 ライナーと波形付けされた中芯からなる
片面段ボールシートを2段以上積層し、さらに中芯側に
ライナーを積層して一体化した段ボールシートにおい
て、一方の最外層のライナーは防錆剤を含有し、前記防
錆剤を含有したライナー以外の少なくとも一つ以上のラ
イナーは、ライナー原紙にフィロケイ酸塩化合物と合成
樹脂エマルジョンとを含む防湿塗料を塗布し乾燥して得
られた防湿層を有することを特徴とする、防錆防湿段ボ
ールシート。 - 【請求項3】 防錆剤を含有するライナーが、防錆剤と
バインダーを含む液をライナー原紙にストライプ状また
は斑点状に塗布し乾燥して得られたことを特徴とする、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の防錆防湿段
ボールシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10342617A JP2000167952A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 防錆防湿段ボールシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10342617A JP2000167952A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 防錆防湿段ボールシート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000167952A true JP2000167952A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18355169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10342617A Pending JP2000167952A (ja) | 1998-12-02 | 1998-12-02 | 防錆防湿段ボールシート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000167952A (ja) |
-
1998
- 1998-12-02 JP JP10342617A patent/JP2000167952A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
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