JP2000302126A - 易離解性防湿段ボール箱 - Google Patents

易離解性防湿段ボール箱

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JP2000302126A
JP2000302126A JP11057799A JP11057799A JP2000302126A JP 2000302126 A JP2000302126 A JP 2000302126A JP 11057799 A JP11057799 A JP 11057799A JP 11057799 A JP11057799 A JP 11057799A JP 2000302126 A JP2000302126 A JP 2000302126A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防湿対策を必要とする内容物の包
装及び梱包に適する易離解性の防湿段ボール箱を提供す
る。 【解決手段】 波形付けした中芯の両面にライナ
を貼合した段ボールシートを用いて製凾した段ボール箱
において、箱の外側となるライナの少なくとも片面にフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む防湿層
を形成した易離解性防湿段ボール箱。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿対策を必要と
する内容物の包装及び梱包に適する易離解性の防湿段ボ
ール箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防湿対策を必要とする部品、資材
及び機械等の包装には、個々の内容物をポリ袋や、防湿
紙等に包んで段ボール等を素材とする外装箱に梱包する
事が知られている。しかしながら、この方法では労力や
手間がかかり、コスト高になり、同時に包装梱包に関し
て特有の設備も必要となっていた。
【0003】また、防湿性を目的とした包装資材として
は、ポリオレフィン系の高分子化合物をラミネートした
防湿段ボール箱が知られている。しかし、段ボールとプ
ラスチックフィルムのラミネート加工品については、そ
の使用後は、通常の古紙再生工程では古紙原料として離
解が困難であり、従って古紙として再利用ができず、そ
の大部分は焼却処分されているのが現状である。
【0004】また、防湿性と古紙としてのリサイクル性
を両立させるために、防湿性塗料として天然・合成炭化
水素系ワックスエマルジョンを段ボールシートのライナ
表面に塗被することにより防湿性を付与することが可能
であり、この方法で得られたライナは離解性を有するの
で有用であった。
【0005】しかし、このようなワックスを使用した防
湿段ボールシートは、ワックスによって段ボールの表面
が滑り易くなるため、該段ボールシートを素材とする段
ボール箱を多段積み等にした場合、荷崩れが発生し易い
という問題がある。また、ライナと中芯を貼合し、乾燥
する工程において180℃前後に加熱した場合、防湿層
の耐熱性が乏しいため、防湿層が熱盤に融着してしまっ
たり、防湿性が大幅に低下するといった問題もあった。
さらに、この段ボールを古紙として使用しライナを製造
した場合には含有するワックスが原因でライナ表面が滑
りやすくったり、中芯原料として使用した場合はライナ
との接着不良を起こしやすくなるといった問題があっ
た。
【0006】本発明者は、紙支持体上にフィロケイ酸塩
化合物と合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を設けた
防湿積層体(特開平9−21096号公報)を提案し
た。この発明は、それ自体は水蒸気を通さないと思われ
る、例えばフィロケイ酸塩化合物粒子のような平板状の
顔料を、合成樹脂ラテックスと混合して防湿層を形成さ
せたところ、平面的には水蒸気の透過面積が小さくなる
こと、また厚み方向では平板状顔料が防湿層表面に対し
て平行に配列して積層するため、防湿層中の水蒸気はこ
の平板状顔料を迂回しながら透過することから、水蒸気
の所要透過距離が長くなり、結果として大幅に防湿性能
が向上することから見出された。これらの防湿層は耐熱
性や離解性に特段の問題を発生させないものである。本
発明者らは前記防湿層をライナに設けた防湿段ボールシ
ートを提案している(特願平9−3695)。しかし、
このシートを用いさらに効率的に防湿性を有するような
防湿段ボール箱を開発することが必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は前記課題
を解決するものであり、防湿の効果を大幅に向上し、か
つ防湿層の耐熱性が良好であり、より効率的に防湿性を
発揮することができ、さらには通常の古紙再生過程にお
いて再生、リサイクル可能な防湿段ボール箱を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】1.波形付けした中芯の
両面にライナを貼合した段ボールシートを用いて製凾し
た段ボール箱において、少なくとも片面にフィロケイ酸
塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む防湿層を形成した
ライナを中芯に対し箱の外側となるようにしたことを特
徴とする易離解性防湿段ボール箱。
【0009】2.該外側のライナの中芯貼合面に防湿層
を形成したことを特徴とする請求項1記載の易離解性防
湿段ボール箱。
【0010】3.合成樹脂エマルジョンを主成分とする
接着剤により中芯とライナが貼合されていることを特徴
とする請求項1〜2のいずれかに記載の易離解性防湿段
ボール箱。本発明により、防湿性を有し使用後は古紙と
して再利用することが可能な易離解性防湿段ボール箱を
容易かつ安価に製造することができる。
【0011】
【発明の実態の形態】発明者は前述したような易離解性
防湿段ボール箱の防湿性能について鋭意検討し、段ボー
ル箱の外側にあたるライナの少なくとも片面に、特に好
ましくは非中芯貼合面(段ボールシートの表面となる面
であって中芯と貼合しない側の面)に防湿層を形成する
と、箱の内側に位置するライナに防湿層を形成するのと
比較し、効率的に高い防湿性を得られることを見出し、
本願第一の発明に至った。
【0012】本発明者らは、本願段ボール箱の防湿性能
を評価するために、一方の表面に防湿層を形成した段ボ
ールシートを用い、前記防湿層面が箱の外側となるよう
に製凾して段ボール箱(A式)を作成した。次に30℃
50%RHの環境下、この段ボール箱の中に湿度計を入
れ、箱の底部及び上部フラップの突き合わせ部分、及び
フラップと箱側面との間の隙間を、PETを基材とする
粘着テープで完全に塞ぐように貼り密封した。この段ボ
ール箱を30℃80%RHの環境下に移し、放置して段
ボール箱内部の湿度の経時変化を記録した。また、上記
段ボール箱と同型同サイズで、防湿層面が箱の最も内側
となるように製凾した段ボール箱、防湿層を全く有しな
い段ボール箱を用意して、同様の実験を行った。する
と、防湿層を形成しない一般段ボール箱は、試験環境の
湿度差の半分(30℃65%RH)に達する時間T(1
/2)が1時間以内であり、防湿層を箱の内側に形成し
た段ボール箱のT(1/2)は6時間であったのに対
し、箱の外側に防湿層を形成した段ボール箱のT(1/
2)は22時間であつた。(図1)
【0013】この評価結果より、段ボール箱の外側とな
るライナの少なくとも片面、特に段ボールシートの表面
となる面(非中芯貼合面)側に防湿層を形成することに
より、最も優れた防湿性が得られることが明らかであ
る。その理由は以下のように推定される。即ち、箱の外
側から進入した水分は一旦最外層の防湿層で遮断される
が、その水分は前記防湿層の透湿度に依存した割合で、
外側のライナ、中芯、内側のライナを透過して最終的に
段ボール箱内部に進入する。この際、中芯及びライナは
紙であり、高湿度環境下で紙の平衡水分に対し過剰な水
分に遭遇した場合、その紙が吸収し得る最大量まで自動
的に水分を吸収することができる。このため、該防湿層
を透過してきた水分を一旦中芯やライナがスポンジのご
とく吸収する役割を果たし、箱内部に進入させない働き
をするためと推定される。
【0014】ところで、段ボール箱の外部に印刷を施す
必要がある場合、通常用いられるフレキソ印刷では、段
ボール箱の外側表面に防湿層が形成されていると、印刷
面のインキの吸収性が低いため、こすれ汚れなどの不具
合が発生した。これらの対策として有機溶剤を含むイン
キを使用することもできるが、特段の用意をする必要が
あり好ましくない。本願発明の第二はこの問題を解決す
るものである。即ち、段ボール箱の外側ライナの中芯貼
合面に防湿層を形成することにより、これらの不具合を
回避することができる。
【0015】また、防湿ライナのフィロケイ酸塩化合物
と合成樹脂ラテックスにより形成される防湿層に中芯を
貼合する場合、一般的な澱粉系の糊を使用した場合、貼
合面に吸湿性がないため接着が難かしく、乾燥時間の工
夫や使用する接着剤が非常に制限されるなどの問題が生
じ現実的でない。本願発明の第三はこの問題を解決する
ものである。即ち前記接着剤として合成樹脂エマルジョ
ンを主成分とする接着剤を使用するものである。この合
成樹脂エマルジョンとしては、酢酸ビニルエマルジョ
ン、アクリル樹脂エマルジョンが特に好適に使用され
る。また、これらの接着剤にトルエンやキシレンなどの
有機溶剤を少量添加して乾燥性を向上させたものを使用
すると尚好ましい。
【0016】以下本発明である易離解性防湿段ボール箱
を図面2〜4に基づいて詳述する。図2は本発明の防湿
段ボール箱の外観図、図3は図2のA部分の縦断側面
図、図4は図3のさらに拡大図である。本発明の素材と
なる防湿段ボールシートは、図示したように波形付けし
た中芯2と、箱に製凾した場合外側に当たるライナ1表
面の少なくとも一方の面(図2〜4においてはライナの
非中芯貼合面側)に、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂
ラテックスを含む防湿層4を形成し、該ライナの反対側
の面を接着剤5により貼合する。さらに中芯2の反対面
に別のライナ3を接着剤5で貼合した構造を有する。な
お、本発明においては図示した例以外にライナ1の両面
に防湿層を形成することも可能である。また、外側に当
たるライナ1だけでなく段ボール箱にした場合に箱の内
側に当たるライナ3の表面にも同様の防湿層を形成する
こと等など必要に応じて任意に選択可能である。なお、
本発明に用いられるライナは機械的離解作用により水中
で分散しやすいパルプを主成分とするものであれば特に
制限はなく、好ましくは坪量が150〜350g/m2のも
のを適宜用いることができる。また、本発明に用いられ
る中芯も機械的離解作用により水中で分散しやすいパル
プを主成分とするものであれば特に制限はなく、好まし
くは坪量100〜200g/m2のものを適宜用いることが
できる。
【0017】本発明に用いられる防湿性塗料を以下の説
明する。防湿性塗料はフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂
ラテックスより構成される。フィロケイ酸塩化合物は平
板状顔料であり、フィロケイ酸化合物に属するものは板
状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、パ
イロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セプテ緑
石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。こ
れらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、
白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲
母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素
金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジ
ンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリ
トル雲母などが挙げられる。これらのフィロケイ酸塩化
合物のうち、白雲母、金雲母または絹雲母が粒子径の大
きさ、アスペクト比などの点から好適である。本発明で
は平板性が保持されている顔料であればよいが、より好
ましい平均粒子径(レーザー回折法による測定値)範囲
としては1μm〜100μm、さらに好ましい平均粒子
径範囲としては5μm〜50μmである。平均粒子径が
5μm以下のものは塗工層中での平板状顔料の配向が支
持体に対して平行になりにくく、50μm以上になると
平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料
の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料
の塗工層中における層数が少なくなってしまうために防
湿性能向上効果が減少する。また、好ましいアスペクト
比(前記平均粒子径を厚さで除した値。厚さは電子顕微
鏡の観察により測定した。)は5以上であり、特に好ま
しくはアスペクト比が10以上の平板状顔料である。ア
スペクト比が5以下のものは塗工面に対して平行に配向
できなくなるため防湿性能が劣る。アスペクト比は大き
いほど平板状顔料の塗工層中における層数が大きくなる
ので、高い防湿性能を発揮する。
【0018】本発明に用いられる合成樹脂はスチレン−
ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合
体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリル
ニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合
体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体
が挙げられる。これらの中でも、スチレン−ブタジエン
系共重合体が好適である。スチレン−ブタジエン系共重
合体(SBR)はスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン
などの芳香族ビニル化合物とブタジエン、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3ジメチル−1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物及
びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体
を乳化重合することによって得られる共重合体ラテック
スである。芳香族ビニル化合物としてはスチレン、ま
た、共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好
適である。
【0019】合成樹脂ラテックスのガラス転移温度(T
g)、粒子径、ゲル分率(溶媒としてテトラヒドロフラ
ンを用いたときの不溶部分の重量%)、分子量などは特
に限定されないが、一般的にTgは−10℃〜40℃、
より好ましくは−5℃〜35℃、粒子径50〜500n
m、ゲル分率は10〜90%、特に離解性を向上させた
い場合は90%以上が好ましい。
【0020】また、本発明に使用するフィロケイ酸塩化
合物と合成樹脂ラテックスとの配合(固形分重量)比率
は30:70〜70:30、好ましくは35:65〜6
0:40である。
【0021】さらに、防湿効果を高めるためにはカップ
リング剤を使用することが好ましい。このようなカップ
リング剤としては、親水基部分にSiを含むシランカッ
プリング剤、親水基部分にTiを含むチタネートカップ
リング剤、親水基部分にAlを含むアルミニウムカップ
リング剤等が挙げられる。この様なカップリング剤に
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γメルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニ
リノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ
(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙
げられる。カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化
合物のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂
のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、
特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素やSiに
結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
【0022】一方、カップリング剤の疎水基部分につい
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層
樹脂マトリックスとの接着性が高まる。
【0023】こうしたカップリング剤により、フィロケ
イ酸塩化合物をインテグラルブレンド法や前処理法など
で表面処理して使用する。インテグラルブレンド法はフ
ィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテックスを含む塗料に
カップリング剤を直接添加する方法である。また、前処
理法はあらかじめフィロケイ酸塩化合物表面をカップリ
ング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量
はフィロケイ酸塩化合物100重量部に対して0.1〜
5重量部、好ましくは0.5〜2重量部である。添加量
が0.1重量部未満の場合、カップリング剤によるフィ
ロケイ酸塩化合物表面の被覆が不十分となるため好まし
くなく、5重量部を越える場合、カップリング剤の効果
が頭打ちとなるため不経済である。
【0024】以上の材料を混合して防湿性塗料(水性)
とするが、このとき必要とあらば、ポリカルボン酸など
の分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調成剤を添加し
たりすることができる。この塗料を常法によりライナに
塗被し防湿層を形成する。塗工設備として特に限定はし
ないが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフ
コーターなどの塗工表面をスクレイプする塗工方式が、
平板状顔料の配向を促す傾向があるので好ましい。
【0025】なお、防湿性塗料のライナへの塗被量は片
面の場合(両面に塗被した場合は両面の合計)、固形分
として5〜40g/m2、好ましくは10〜35g/m2であ
り、110〜150℃で50〜120秒間乾燥して防湿
性ライナが得られる。
【0026】次に、本発明に用いられる防湿段ボールシ
ートの製造方法を詳述する。先に、上記のようにして得
た防湿性ライナを用意する。
【0027】防湿段ボールの製造には従来用いられてい
るものと同様のコルゲータ(段ボールシート製造マシ
ン)を用いることができる。前記コルゲータのシングル
フェーサー部分で中芯原紙を蒸気により加熱した上下2
本の段ロール間に送りこみ波形に成形する。波形に成形
された中芯の一方の段頂部に接着剤を糊付けロールによ
り転移させ、前述の防湿ライナと加熱したプレスロール
で圧着することにより片面段ボールを得る。このとき、
生産効率的には、接着性の良好な防湿性ライナの防湿性
塗料の非塗工面側に中芯を貼合するのが望ましいが、合
成樹脂エマルジョン系の接着剤を使用することができる
などの状況によっては、防湿層の塗工面でも可能であり
適宜選択できる。その後ダブルフェーサー部分におい
て、前記片面段ボールの段頂部に接着剤を糊付けロール
によって転移させ、ライナと貼合、乾燥させることによ
って防湿段ボールシートを製造する。なおダブルフェー
サー側のライナは、通常一般ライナでよいが、必要に応
じ防湿ライナを使用することもできる。
【0028】また、防湿段ボールシートの段高、段数は
特に制限されないが、一般的に包装用用途として製造さ
れるのは段高4.5〜4.8mm、段数34±2/30c
m(Aフルート)と段高2.5〜2.8mm、段数50±2
/30cm(Bフルート)である。この防湿段ボールシー
トを所定の型に打ち抜き、製凾したものが本発明の易離
解性防湿段ボール箱である。この防湿段ボール箱は使用
の際、例えばA式箱の場合は、底部や上部フラップの突
き合わせ部分や、フラップと段ボール箱側面との隙間部
分をクラフトテープやPETフイルムを支持体とした粘
着テープで封止して密封することが望ましい。
【0029】以下に実施例及び比較例を示し本発明を詳
細に説明する。これは本発明の効果を具体的に説明する
ためのものであって本発明を限定するものではない。ま
た特に断らない限り「部」及び「%」はそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を表す。
【0030】
【実施例】<実施例1>坪量220g/m2のライナの片面
に、防湿塗料組成物−1(後述)を25g/m2塗被し、1
30℃で1分間乾燥させ防湿ライナを得た。該防湿ライ
ナの防湿層の非塗工面側と、坪量160g/m2の中芯を、
テストシングルフェーサーにてデンプン糊で貼合し、片
面段ボール(Aフルート)を得た。さらに別に用意した通
常のライナ220g/m2と、前記片面段ボールの段頂部に
澱粉糊水溶液(王子コンスターチ(株)製)を転移させたも
のを、180℃熱板にて3秒間圧着させ、段ボールシー
トを作成した。また、前述の防湿段ボールシートを製凾
機によって防湿層が最も外側にくるよう段ボール箱(A
式箱)とした。
【0031】(防湿剤塗料組成物−1) フィロケイ酸塩化合物マイカA21(白雲母、平均粒子径
22μm、アスペクト比20〜30、山口雲母工業所(株)
製):50重量部 合成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、
固形分48%、日本ゼオン(株)製):100重量部 カップリング剤KBM603(アミノシランカップリン
グ剤、有効成分99%以上、信越化学工業(株)製):0.5
重量部 水:50重量部 上記を50%濃度の溶液とし、防湿層塗料とする。
【0032】<実施例2>坪量220g/m2の一般ライナ
と、坪量160g/m2の中芯を、テストシングルフェーサ
ーにて貼合し片面段ボール(Aフルート)を得た。さらに
別に用意したライナの片面に、前記防湿剤塗料組成物−
1を20g/m2塗被し、110℃で1分間乾燥させ防湿ラ
イナを得た。さらに片面段ボールの段頂部に酢酸ビニル
系の糊(サカタインクス(株)製)を転移させ、前記防湿ラ
イナの防湿層塗被面と180℃熱板にて5秒間圧着さ
せ、手貼りによりボールシートを作成した。また、前述
の防湿段ボールシートを製凾機によって段ボール箱(A
式箱)とした。
【0033】<比較例1>前述の防湿段ボールシートを製
凾機によって防湿層が最も内側にくるよう段ボール箱
(A式箱)とした。 <比較例2>防湿ライナを坪量220g/m2の一般ライナに
変更した以外は、実施例1と同様に段ボールシート及び
段ボール箱を得た。
【0034】<比較例3>防湿ライナの防湿性塗料を防湿
剤塗料組成物−2(後述)に変更し、坪量220g/m2
ライナの片面に20g/m2塗被し、120℃で1分間乾燥
させ防湿ライナを得たこと以外は実施例1と同様にして
段ボールシート及び段ボール箱を得た。尚、本比較例に
おいては、防湿層表面の段頂部が熱により侵されてい
た。
【0035】(防湿剤塗料組成物−2) 合成樹脂ラテックスHOJ4027(SBRラテックス、
固形分48%、日本ゼオン(株)製):100重量部 ワックスエマルジョンOKM−40(パラフィンワック
ス、ポリブテン、ロジン樹脂の混合乳化物、固形分40%、
荒川化学工業(株)製):60重量部
【0036】<比較例4>坪量220g/m2のライナに防湿
層としてポリエチレンを厚さ15μmになるように押し
出しラミネーションした後、さらに70g/m2のクラフト
紙とサンドイッチ状に積層してなる積層体をライナとし
てを使用したこと以外は、実施例1と同様に段ボールシ
ート及び段ボール箱を得た。
【0037】実施例、及び比較例の評価を以下の方法に
おいて実施、その結果を表1に示した。 <防湿段ボールシートの防湿性評価>JIS−Z−02
08 B法(カップ法)に準じ、各試料の防湿面を外側に
して、40℃90%(相対湿度)にて透湿度を測定した。
【0038】<防湿段ボールシートの離解性評価>TA
PPI標準離解機を用いて、約3cm四方の防湿紙45
gを水1500mlとともに、10分間攪拌した。得ら
れたパルプスラリーで坪量70g/m2の手抄きシートを作
成した。未離解物の離解片の大きさが1mm×1mm以
下のものを○、その大きさを越える離解片が残るものを
×とした。
【0039】<防湿段ボール箱の防湿性評価>30℃5
0%RHの環境下で、各実施例、比較例で得られた段ボ
ール箱の中に湿度計を入れ、箱の底部及び上部フラップ
の突き合わせ部分、及びフラップと段ボール箱側面部分
に生じる隙間を全て封緘するよう、PETを支持体とす
る粘着テープによりH型状に密封した。この段ボール箱
を30℃80%RHの環境下に移し放置、段ボール内部
の湿度が試験環境の湿度差の半分(30℃65RH)に
達する時間T(1/2)を測定した。この値が防湿性の
指標となり、数値が大きい程防湿性が優れている。
【0040】
【表1】
【0041】表1より本発明であるフィロケイ酸塩化合
物と合成樹脂ラテックスを含む防湿性塗料をライナの少
なくとも片面に塗被することによって、良好な防湿性能
を付与することが可能なことが読み取れる。また、防湿
層にポリエチレンラミネートやワックスを含む防湿剤を
使用した場合に生じる熱盤への融着は本発明では認めら
れない。さらに本発明の段ボール箱は通常の古紙再生過
程によって容易に離解し、またワックスを含んでいない
ので再生された紙になんら問題が生じない。
【0042】
【発明の効果】本発明により、防湿の効果を大幅に向上
し、かつ防湿層の耐熱性が良好であり、より効率的に製
造でき、さらには通常の古紙再生過程において再生、リ
サイクル可能な防湿段ボール箱を提供することが可能と
なった。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】防湿段ボールの湿度試験結果
【図2】本発明の段ボール箱外観図
【図3】図2におけるAの断面図
【図4】図3をさらに拡大した図
【符号の説明】
1.段ボール箱の外側ライナ 2.中芯 3.段ボール箱の内側ライナ 4.防湿層 5.貼合に使用する接着剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波形付けした中芯の両面にライナを貼合し
    た段ボールシートを用いて製凾した段ボール箱におい
    て、少なくとも片面にフィロケイ酸塩化合物と合成樹脂
    ラテックスを含む防湿層を形成したライナを中芯に対し
    箱の外側となるようにしたことを特徴とする易離解性防
    湿段ボール箱。
  2. 【請求項2】該外側のライナの中芯貼合面に防湿層を形
    成したことを特徴とする請求項1記載の易離解性防湿段
    ボール箱。
  3. 【請求項3】合成樹脂エマルジョンを主成分とする接着
    剤により中芯とライナが貼合されていることを特徴とす
    る請求項1〜2のいずれかに記載の易離解性防湿段ボー
    ル箱。
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