JP2000164121A - プラズマディスプレーパネル用の隔壁形成用ペースト及び隔壁形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレーパネル用の隔壁形成用ペースト及び隔壁形成方法

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JP2000164121A
JP2000164121A JP33985198A JP33985198A JP2000164121A JP 2000164121 A JP2000164121 A JP 2000164121A JP 33985198 A JP33985198 A JP 33985198A JP 33985198 A JP33985198 A JP 33985198A JP 2000164121 A JP2000164121 A JP 2000164121A
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JP33985198A
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Yoshihiro Takagi
良博 高木
Masafumi Enokido
雅史 榎戸
Soichiro Osada
崇一朗 長田
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Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターン部分は溶失することなく、非パター
ン部分は完全に除去されて高さと精度が十分なプラズマ
ディスプレー用の隔壁の形成が可能な方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも無機微粒子と、バインダー樹
脂と、溶剤とを含む隔壁形成用ペーストを用いて、ガラ
ス基板上に隔壁形成層を設け、該隔壁形成層上にレジス
トパターンを形成させたのち、水またはアルカリ水溶液
を加圧噴射する現像によって隔壁を形成することを特徴
とするプラズマディスプレーパネル用の隔壁形成方法。
レジストパターンは、感光性レジスト層を設けてパター
ニングを行う方法と非感光性のレジスト用ペーストをス
クリーン印刷する方法のいずれも用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なパターンを
形成するマイクロファブリケーションの手法に関する。
とりわけプラズマディスプレイ用の隔壁をマイクロファ
ブリケーションによって形成する方法に関するものであ
って、中でもプラズマディスプレーパネル用の隔壁形成
用ペーストを用いて隔壁を効果的に製作する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイや回路材料の分野
で、無機材料を高精度にパターン加工する技術が強く求
められている。特に、ディスプレイの分野において、画
像素子の小型・高精細化が進んでおり、それに伴って、
パターン加工技術も技術向上が望まれている。例えば、
プラズマディスプレイパネルの各画素の仕切りである壁
隔の形成には、ガラスなどの無機材料を高精度でパター
ン加工できる材料と技術が望まれている。
【0003】プラズマディスプレイパネルは、多数配列
したガス放電管の発光によって画像等を表示するディス
プレーパネルである。その構造は、2枚の基板に挟まれ
た微小な放電空間としてのセルを多数備えており、セル
ごとに放電して発光するか、あるいは放電により生じた
紫外線によって蛍光体を発光させる仕組みとなってい
る。これらの微小セルの間には、セル相互の干渉を防ぐ
ために、または両基板間の間隔を一定に保つために隔壁
が設けられている。この隔壁を形成するには、隔壁形成
用ペーストを用いてスクリーン印刷法によってパターン
を形成させることが一般に行われてきた。
【0004】プラズマディスプレイパネルでは、放電空
間をできるだけ大きくして高輝度の発光を得るために、
壁面が垂直に切り立ち、幅が狭くて高さのある(アスペ
クト比が高いと表現する)隔壁が望まれる。とくに高精
細のディスプレーには、例えば高さが100μmに対し
て幅30〜50μmという高アスペクト比の隔壁が必要
とされる。
【0005】隔壁などのパターンを形成する方法とし
て、特開平1−296534号、特開平2−16553
8号、特開平5−342992号の各公報では、感光性
ペーストを用いてミクロフォトリソグラフィによりパタ
ーンを形成する方法が提案されている。しかしながら、
感光性ペーストの感度や解像度が低いために高アスペク
ト比の高精細の隔壁を得ることに困難を伴う。例えば8
0μmを越えるような厚みのものをパターン加工する場
合、現像が深部まで効果的に行われず、非パターン部分
が十分に溶出しなかったり、非パターン部が溶出しても
非溶解性の無機微粒子が隔壁で仕切られたセルの内部に
残渣として残ってしまうという欠点があった。
【0006】また、特開平2−165538号公報で
は、感光性ペーストを転写紙または転写フィルム上にコ
ーティングした後、その転写用材料から隔壁パターンを
ガラス基板上に転写して隔壁を形成する方法が、また、
特開平3−57138号公報では、フォトレジスト層の
溝に誘電体ペーストを充填して隔壁を形成する方法がそ
れぞれ提案されている。さらに特開平4−109536
号公報では、感光性有機フィルムを用いて隔壁を形成す
る方法が提案されている。しかしながら、これらの方法
でも、高精細度で高アスペクト比を有する隔壁を得るに
は、現像における非パターン部の溶解性の不足、残留無
機物の除去の不完全及び隔壁構成材料の物理的強度と非
パターン部の溶解性とが両立しないことなどにより、満
足な方法が得られていない。
【0007】この欠点の改善のために、特開平8−32
1257号公報には、隔壁形成層上にレジスト膜を設け
て、レジストパターンを介してサンドブラスト加工を施
す方法が開示されている。しかしながら、この方法で
も、サンドブラストによるエッチングが十分深部に及ば
ず、アスペクト比が高い隔壁を精度よく形成できない難
点がある。
【0008】この難点を克服するために、本発明者は、
さきに無機微粒子を含有する感光性組成物を隔壁形成層
として、この層にパターン状の露光を与えたのち、水又
はアルカリ水溶液を高圧噴射して、非パターン部を除去
する方法を提案した。この方法によってパターン精度と
アスペクト比が向上することが認められている。しか
し、プラズマディスプレーの高精細化と高輝度化の要請
が大きいので、さらに高い精度と高いアスペクト比を得
る隔壁形成方法が望まれている。この要請は、プラズマ
ディスプレイにおいて、隔壁とともに必要な絶縁体層や
誘電体層のパターン加工においても同様に望まれている
ことでもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アス
ペクト比が高くても、形状が均一で欠陥の少ないかつ精
度も優れたプラズマディスプレー用の隔壁を得ることお
よびその隔壁の形成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
の達成には、水又はアルカリ水溶液を高圧噴射して非パ
ターン部を除去する前記の現像を取り入れた隔壁形成方
法の一層の改善を図ることが現実的であり、それには基
壁の底部に現像効果を十分に及ばせることとパターン部
の表面部分が噴射圧で崩れないことという2つの相反す
る要求特性を両立させることが鍵であり、その実現に
は、パターンの表面部分の物理的保護性の強化と、非パ
ターン部の除去の容易化を実現する手段が不可欠と考え
て鋭意研究を進めた結果、本発明に達した。すなわち、
本発明はつぎの構成による。
【0011】1.少なくとも無機微粒子とバインダー樹
脂と溶剤とを含むプラズマディスプレーパネル用の隔壁
形成用ペーストであって、該ペーストを用いて基板上に
隔壁形成層を設け、該隔壁形成層上にさらにレジストパ
ターンを設けて、水またはアルカリ水溶液を加圧噴射す
る現像によって隔壁を形成する隔壁形成方法に用いるこ
とを特徴とするプラズマディスプレーパネル用の隔壁形
成用ペースト。
【0012】2.バインダー樹脂が少なくともセルロー
ス系樹脂又はアクリル系樹脂のいずれかを含んでいるこ
とを特徴とする上記1に記載の隔壁形成用ペースト。
【0013】3.二酸化珪素粉末を含有することを特徴
とする上記1又は2に記載の隔壁形成用ペースト。
【0014】4.レジストパターンが、感光性樹脂を含
むペーストを塗布乾燥するか又は感光性ドライフィルム
をラミネートすることによって、隔壁形成層の上に設け
たレジスト膜を露光、現像して得たレジストパターンで
あることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の隔
壁形成用ペースト。
【0015】5.レジストパターンが、水に難溶性のバ
インダーを含むペーストをスクリーン印刷によって、隔
壁形成層の上に設けたレジストパターンであることを特
徴とする上記1〜3のいずれかに記載の隔壁形成用ペー
スト。
【0016】6.上記1〜5のいずれかに記載の隔壁形
成用ペーストを用いて、ガラス基板上に隔壁形成層を設
け、該隔壁形成層上にレジストパターンを設けて、パタ
ーン部分の隔壁形成層を保護しながら、水またはアルカ
リ水溶液を加圧噴射する現像によって隔壁を形成するこ
とを特徴とするプラズマディスプレーパネル用の隔壁形
成方法。
【0017】7.バインダー樹脂が少なくともセルロー
ス系樹脂又はアクリル系樹脂のいずれかを含んでいるこ
とを特徴とする上記6に記載の隔壁形成方法。
【0018】8.隔壁形成用ペーストが二酸化珪素粉末
を含有することを特徴とする上記6又は7に記載の隔壁
形成方法。
【0019】9.感光性樹脂を含むペーストを塗布乾燥
するか又は感光性ドライフィルムをラミネートすること
によって、隔壁形成層の上にレジスト膜を設けたのち、
該レジスト膜を露光、現像してレジストパターンを得る
ことを特徴とする上記6〜8のいずれかに記載の隔壁形
成方法。
【0020】10.水に難溶性のバインダーを含むペー
ストをスクリーン印刷によって、隔壁形成層の上にレジ
ストパターンを設けることを特徴とする上記6〜8のい
ずれかに記載の隔壁形成方法。
【0021】11.水またはアルカリ水溶液を加圧噴射
して行う現像に使用する水またはアルカリ水溶液が微小
気泡を含んだ気液混合体であることを特徴とする上記6
〜10のいずれかに記載の隔壁形成方法。
【0022】12.水またはアルカリ水溶液を加圧噴射
して行う現像が、液を扇状にひろげて噴射させる噴射ノ
ズルよりによって、印加圧力が50kgf/cm2 以上
の水またはアルカリ水溶液を、該扇を含む面に対して直
角方向に定速移動する隔壁形成層に噴射することを特徴
とする上記6〜11のいずれかに記載の隔壁形成方法。
【0023】13.上記1〜3のいずれかに記載の隔壁
形成用ペーストを可撓性支持体上に50〜200μmの
厚みに塗布形成したことを特徴とするプラズマディスプ
レーパネル用の隔壁形成材料。
【0024】14.上記6〜13のいずれかに記載の隔
壁形成方法によって形成されたことを特徴とするプラズ
マディスプレーパネル用の隔壁構造物。
【0025】本発明の要諦は、隔壁形成層の表面にレジ
スト層を設けて隔壁を形成するパターン部分を保護する
こと、隔壁形成層のバインダーの接着力を弱めて非パタ
ーン部分の隔壁形成物質の除去を容易にしたことおよび
液の噴射による衝撃作用を伴う現像方法を採用したこと
の3点につきる。すなわち、第1に感光によるパターン
化機能と表面保護機能とを有するレジスト層を設けるこ
とによって隔壁形成層のパターン部分の破壊が防止され
ており、第2にこの保護作用があるので、隔壁形成層の
バインダー樹脂の減量が可能、あるいは必ずしも減量し
なくても結着力の比較的弱いバインダー樹脂(例えばセ
ルロース誘導体)を使用することができるので、非パタ
ーン部分の除去を一層容易にすることが可能となり、結
果としてパターン部と非パターン部との識別性が向上し
ており、第3に水またはアルカリ水溶液を高圧で噴射す
る現像方法(以後高圧スプレー現像と呼ぶ)によって、
化学的な溶解作用と物理的な衝撃作用が共同的に作用す
るために、現像作用が隔壁形成層の深部にも及んで、非
パターン部分のバインダー樹脂と無機微粒子の結着構造
は、溶解作用のほかに噴射によっても破壊されて無機微
粒子の除去が促進される。したがって、隔壁部分が崩れ
ることなく、非パターン部分のみ除かれる結果、形状が
均一で、精度もよく、かつアスペクト比が高い隔壁を得
ることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明のさらなる特長は、以下の
実施形態の説明の中で詳細に述べる。まず、本発明の隔
壁形成用ペーストの組成について述べる。ペースト組成
物は少なくとも無機微粒子、バインダー樹脂および両者
を練り合わせるための溶剤を必須の成分として含有して
おり、さらに後述するその他の成分を含んでいてもよ
い。
【0027】(無機微粒子)無機微粒子としては、本技
術分野の用途において一般的なものであれば、とくに限
定なく本発明の方法が適用できるが、ガラス、セラミッ
クス、金属(金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウ
ム、タングステン、ルテニウムやこれらの合金)、上記
金属の金属酸化物や希土類元素の酸化物、およびそれら
の酸化物の複合化合物である蛍光体などの粒子が通常多
く用いられる。中でもケイ素酸化物、ホウ素酸化物また
はアルミニウム酸化物を必須成分とするガラスやセラミ
ックスが多く用いられる。これらは、絶縁体であり、絶
縁パターンの形成、特にプラズマディスプレイやプラズ
マアドレス液晶ディスプレイの隔壁の形成に用いられ
る。
【0028】無機微粒子の粒子径は、作製しようとする
パターンの形状を考慮して選ばれる。隔壁の高さが高い
ほど、粒子は微細であることが望まれる。通常、平均粒
子径が20μm以下で、とくに0.01〜10μのこと
が多い。
【0029】透明度の高い隔壁を形成するには、現像済
みのパターン化した組成物の焼成を円滑に行うことが重
要であるが、焼成温度は低い方が熱エネルギーの節減に
なり、かつ基板、フィルターその他の材料の選択の範囲
も広がるので、熱軟化温度(Ts)が400〜600℃
のガラス微粒子を用いることが好ましい。また、焼成時
に基板ガラスのそりを生じさせないためには、線熱膨張
係数(線熱膨張率)が50〜90×10-7、さらには、
60〜90×10-7のガラス微粒子を無機微粒子の60
重量%以上用いることが好ましい。
【0030】ガラス微粒子中の組成としては、酸化珪素
は3〜80重量%の範囲で配合することが好ましく、よ
り好ましくは20〜60重量%である。3重量%未満の
場合はガラス層の緻密性、強度および安定性が低下し、
また熱膨張係数が所望の値から外れ、ガラス基板とのミ
スマッチが起こりやすい。また60重量%以下にするこ
とによって、熱軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き
付けが可能になるなどの利点がある。
【0031】ガラス微粒子として、酸化ビスマス、酸化
鉛のうち少なくとも1種類を含有し、その含有率の合計
が5〜60重量%のガラス微粒子を用いたもの、あるい
は酸化ホウ素、酸化ビスマスもしくは酸化鉛を合計で8
〜60重量%含有し、かつ、酸化リチウム、酸化ナトリ
ウム、酸化カリウムのうち少なくとも1種類を3〜15
重量%含有するガラス微粒子を用いたガラスが融点が低
く好ましい。
【0032】無機微粒子として種々の金属酸化物が添加
される場合、金属酸化物の添加により、焼成後のパター
ンを着色させることができる。例えば、隔壁形成用ペー
スト中に黒色の金属酸化物を1〜10重量%含むことに
よって、黒色のパターンを形成することができる。この
目的に用いる黒色あるいはそのほかの色に着色した金属
酸化物として、Cr、Fe、Co、Mn、Cu、Ruの
酸化物が選ばれるが、特に、FeとMnの酸化物をそれ
ぞれ0.5〜10重量%含有することによって、より光
不透過性の強い黒色のパターンを形成できる。また、着
色材ではないが、耐火性フィラーとしてアルミナ、マグ
ネシア、コージュライト、カルシア、シリカ、ジルコン
などのセラミック粉体も用いられる。
【0033】さらに、黒色以外に、赤、青、緑等に発色
する無機顔料を添加したペースト組成物を用いることに
よって、各色のパターンを形成できる。これらの着色パ
ターンは、プラズマディスプレイのカラーフィルターな
どに好適に用いることができる。一方、蛍光体の発光を
有効にパネル前面に導く目的で、逆に隔壁を白くする方
がよい場合もあり、そのような場合には、耐火性の白色
顔料であるチタニアなどが用いられる。
【0034】隔壁形成層には、二酸化珪素粉末を添加す
ることが好ましい。添加される二酸化珪素粉末は、結晶
状でも無定形の粉末でもよく、また天然の酸化珪素を粉
砕したシリカ粉末であっても合成したシリカ粉末であっ
てもよい。とくに好ましい二酸化珪素粉末は、無定形の
微粉末シリカであり、いわゆるコロイダルシリカであ
る。二酸化珪素粉末の好ましい粒子サイズは、平均粒子
サイズが0.05〜20ミクロン、より好ましくは0.
2〜10ミクロンであり、例えば結着力の強化の点から
コロイダルシリカ微粉末と、隔壁構造材として数ミクロ
ンのシリカ粒子とを併用するなど、平均粒子サイズの異
なる2種類の二酸化珪素粉末を混合使用してもよい。本
発明に使用される二酸化珪素粉末は、市販のもの、とく
に市販のコロイダルシリカを用いることができる。
【0035】また、無機微粒子として、成分の異なる微
粒子を組み合わせて用いることもできる。特に、熱軟化
点の異なるガラス微粒子やセラミックス微粒子を用いる
ことによって、焼成時の収縮率を抑制することができ
る。無機微粒子は、隔壁の主要な構成材料となるのでペ
ースト組成物中の全固形物成分の60重量%以上、好ま
しくは70〜95重量%用いられる。
【0036】(バインダー樹脂)バインダーとしては、
結合剤としての機能のほかに比較的低温で燃焼して気化
し、炭化物が障壁中に残留しないことが必要であり、エ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルプロピルセ
ルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、
セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチ
レート、セルロースブチレートなどのセルロース系樹
脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタ
クリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポ
リ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(イソプロピル
メタクリレート)、ポリ(2−エチルメチルメタクリレ
ート)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)
などのメタクリル酸エステル重合体樹脂、対応するアク
リル酸エステル重合体樹脂及び上記成分の共重合体樹
脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、α
ースチレン重合体、αーメチルスチレン重合体など既知
のバインダー成分が用いられる。好ましいバインダー樹
脂は、セルロース系樹脂及び(メタ)アクリル酸エステ
ル重合体系樹脂である。その中でもセルロース誘導体
は、隔壁形成用の組成物に好ましいバインダーである。
セルロース誘導体の置換基の置換率は、セルロース水酸
基の10〜90%,好ましくは30〜80%である。た
とえばエチルセルロースでは、45〜60%の置換率の
ものが適している。これらのバインダーは、単一種のポ
リマーを用いてもよく、また互いに混和するポリマー同
士であれば上記した他のセルロース誘導体又は非セルロ
ース系ポリマーと混合して使用してもよい。混合比率
は、混和できて、かつバインダーとしての機能が維持さ
れるかぎり任意である。
【0037】バインダーとして用いるセルロース誘導体
は、上記のほかに水溶性基で置換されたセルロース誘導
体を副次的成分として加えてもよく、この樹脂は、水溶
性基のほかに低級アルキル基又は低級アシル基を置換基
として含んでいてもよい。置換基の水溶性基は、ヒドロ
キシアルキル基(炭素数1〜3)及びカルボキシメチル
基である。
【0038】これらのヒドロキシアルキルセルロースの
ヒドロキシアルキル基の置換率は、グルコース1単位当
たり1.3〜7.0当量であり、好ましくは1.5〜
5.0当量である。置換率は、グルコース1単位当たり
3.0を超える場合は、ヒドロキシアルキル置換したそ
のヒドロキシアルキル基にさらに置換が行われることを
意味する。置換率が1.3当量以下では溶解性、混和性
が不十分となり、7.0当量を超えると置換度を上げに
くく、製造コストが高くなる。とくに好ましい水溶性基
置換セルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルフタール酸セルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースアセテートフタレート、硫酸セ
ルロースである。
【0039】メチルセルロースは、アルカリセルロース
と塩化メチル又はジメチル硫酸から常法により合成され
る。さらにエチレンオキサイドと常法によって反応させ
ることによってヒドロキシエチルメチルセルロースが得
られる。エチルセルロースは、アルカリセルロースを加
圧下で塩化エチルと反応させて得られる。そのほかのア
ルキルセルロースも同様の方法で合成できる。ヒドロキ
シエチルセルソースは、セルロースとエチレンオキサイ
ドから常法により合成される。カルボキシメチルセルロ
ースは、苛性アルカリの存在下でセルロースとモノクロ
ル酢酸を常法により反応させて得られる。また、硫酸セ
ルロースはセルロースとジメチルホルムアミドとを定法
によって反応させて得られる。そのほかのセルロース誘
導体も同様の公知の方法で合成できる。また、市販もさ
れている。
【0040】単官能性あるいは多官能性の重合性モノマ
ーが付加したモノマー多置換型セルロース誘導体を用い
ることもできる。とくに好ましい重合性官能基含有セル
ロース誘導体としては、前記したヒドロキシアルキルセ
ルロースあるいはヒドロキシアルキル・アルキル共置換
セルロース誘導体のウレタンアクリレート付加物であ
る。その具体例としては、2,4−トリレンジイソシア
ネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートの反応生
成物、2,4−トリレンジイソシアネートの一方のイソ
シアネート基を2−ヒドロキレエチルメタクリレートと
反応させた後、さらに残余のイソシアネート基をトリエ
タノールアミンと反応させた反応生成物が挙げられる。
【0041】壁材層に占めるバインダーの好ましい量
は、壁材層中の全固形物中の0.005〜10.0重量
%であり、より好ましくは、0.01〜5.0重量%で
ある。また、水溶性基置換セルロース誘導体を他の混和
可能のポリマーと混合したバインダーを使用してもよ
い。水溶性基置換セルロース誘導体を混合する場合、そ
の混合比率は、組み合わせるポリマーの種類によって適
当な範囲があるが、通常水溶性基置換セルロース誘導体
が全バインダー樹脂量の80重量%以下、好ましくは5
0重量%以下であり、添加しなくてもよい。
【0042】(加水分解性有機金属化合物)無機微粒子
が分散している壁材層には、加水分解性有機金属化合物
を添加して粒子同士あるいは粒子・バインダー間の結合
を強めておくことが好ましい場合が多い。加水分解性有
機金属化合物とは下記一般式(1)で表される加水分解
重合性化合物を意味する。 (R1n−X−(OR24-n (1) 一般式(1)中、R1およびR2は同一であっても異なっ
ていてもよく、アルキル基、又はアリール基を表し、X
はSi、Al、TiまたはZrを表し、0〜2の整数を
表す。R1またはR2がアルキル基を表す場合に、炭素数
としては好ましくは1から4である。またアルキル基ま
たはアリール基は置換基を有してもよい。尚、この化合
物は低分子化合物であり分子量1000以下であること
が好ましい。
【0043】加水分解重合性化合物中にアルミニウムを
含むものとしては、例えば、トリメトキシアルミネー
ト、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシアルミ
ネート、テトラエトキシアルミネート等を挙げることが
できる。チタンを含むものとしては、例えば、トリメト
キシチタネート、テトラメトキシチタネート、トリエト
キシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプ
ロポキシチタネート、クロロトリメトキシチタネート、
クロロトリエトキシチタネート、エチルトリメトキシチ
タネート、メチルトリエトキシチタネート、エチルトリ
エトキシチタネート、ジエチルジエトキシチタネート、
フェニルトリメトキシチタネート、フェニルトリエトキ
シチタネート等を挙げることができる。ジルコニウムを
含むものとしては、例えば、前記チタンを含むものに対
応するジルコネートを挙げることができる。
【0044】加水分解重合性化合物中にケイ素を含むも
のとしては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキ
シシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポ
キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン等を挙げることができる。これらの内
特に好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、シフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン等を挙げることができる。
【0045】一般式(1)で表される化合物は、一種の
み使用しても、2種以上を併用してもよい。また、一般
式(1)の化合物は、部分的に加水分解後、脱水縮合し
ていてもよい。なお、生成物の物性を調整するために必
要に応じてトリアルキルモノアルコキシシランを添加す
ることできる。加水分解重合性有機金属化合物は、本発
明における無機相を構成する化合物であるが、無機相の
保存安定性、とくに平板印刷用原板の基板に塗布する前
の画像形成材料の溶液の状態における保存安定性を高め
るために、一般式(1)で表される加水分解重合性有機
金属化合物が部分加水分解重合した無機重合体の活性金
属水酸基、例えば、シラノール基(Si−OH)を保護
することが有効である。シラノール基の保護は、t−ブ
タノール、i−プロピルアルコール等の高級アルコール
でシラノール基をエーテル化(Si−OR)することに
より達成することができる(ここでRは、上記のアルコ
ール類中のアルキル基を意味する)。具体的には、シリ
カ微粒子が分散した無機相に前記高級アルコールを添加
することにより実施することができる。このとき無機相
の性質により、例えば、無機相を加熱して脱離した水を
留去する等の手段を用いて無機相を脱水して保存安定性
をさらに向上させることができる。
【0046】加水分解重合性有機金属化合物は、壁材層
中の必須成分ではないが、使用する場合には、加水分解
重合性有機金属化合物の添加量は、広い範囲で用いるこ
とができ、通常壁材層中の無機微粒子の1〜80%、好
ましくは1〜50%、より好ましくは1〜20%の範囲
で用いられる。
【0047】(その他の壁材層への添加化合物)壁材層
の組成物には必要に応じて、有機成分と無機成分の親和
性を向上させて組成物の安定化と分散性の向上のために
ラジカル重合性モノマーを添加することができる。ラジ
カル重合性モノマーとは、ラジカル重合が可能なモノマ
ーであればよく、特にシラン化合物が好ましい。ラジカ
ル重合性モノマーとしては、例えば、N−(3−アクリ
ロキシ−2−ヒドロキシプロピル)3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメチ
ルメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルビ
ス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アクリロキシプ
ロピルメチルジクロロシラン、3−アクリロキシプロピ
ルトリクロロシラン、3−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエ
トキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリ
ス(トリメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロ
ペニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピ
ルジメチルクロロシラン、3−メタクリロキシプロピル
ジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル
メチルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリス(メト
キシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルト
リス(トレメチルシロキシ)シラン、ビニルジメチルク
ロロシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルエ
チルジクロロシラン、ジニルメチルビス(メチルエチル
ケトキシミン)シラン、ビニルメチルビス(トリメチル
シロキシ)シラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、
ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジエチルと
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロ
ロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソ
プロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリメチルシラン、ビニルトリフェシキシラン、ビニル
トリス−t−ブトキシシラン、ビニルトリス(t−ブチ
ルパーオキシ)シラン、ビニルトリスイソプロペノキシ
シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン、KBM1003(商品名;信越化学工業株式会社
製)、KBM1403(商品名;信越化学工業株式会社
製)、KBM503(商品名;信越化学工業株式会社
製)、KBM5102(商品名;信越化学工業株式会社
製)、KBM5403(商品名;信越化学工業株式会社
製)等を挙げることができる。
【0048】上記のラジカル重合性化合物は、壁材層の
必須成分ではないが、その中に添加する場合の含有量
は、加水分解性有機金属化合物の量の10〜500%、
好ましくは30〜400%の範囲で用いられる。
【0049】(溶剤)本発明においては、バインダーを
無機微粒子などの成分と混和するために、適当な溶剤を
用いる。好適な溶剤は、バインダー樹脂に対する良溶媒
又は良分散剤であって、具体的には、アセトン、メチル
エチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの炭化水素類、メチルアセテート、エチルアセテー
ト、イソプロピルアセテートなどのエステル類、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、トルオール、キシロールなどのアルコール類、エチ
ルエーテル、2−エトキシエタノールなどのグリコール
類、水、メチレンクロライド、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、グリセリン、そのほか成分の性質に応じ
て適した公知の溶剤を使用できる。また、少量の高沸点
溶剤を添加して隔壁構成層用の組成物の塗布物性を調節
してもよい。
【0050】さらに、添加剤としてはフタル酸エステル
類、グリコール酸エステル類などの可塑剤、海面活性
剤、消泡剤、酸化防止剤、pH調節用の酸またはアルカ
リ剤など加えてもよいが、高圧スプレー処理の効果を高
めるためには、少量にとどめるのがよく、これらの添加
量の和はバインダー樹脂の20重量%を超えないことが
望ましい。
【0051】〔隔壁形成層の塗設〕プラズマディスプレ
ー用の隔壁形成層は、ガラスフリットなどの無機微粒
子、バインダー樹脂、溶媒および必要により紫外線吸光
剤、加水分解重合性有機金属化合物、前記シラン化合物
などのラジカル重合性化合物等の各成分を所定の組成と
なるように調合した後、3本ローラ、ボールミルあるい
は適当な混練機で均質に混合分散し作製する。溶媒は、
バインダー樹脂の種類に応じて前記した溶剤から適当な
組み合わせを選択する。樹脂が水溶性置換基含有セルロ
ース誘導体の場合は、水が好ましい。また、そのほかの
セルロース誘導体を使用した組成物であれば、水溶性溶
剤とアルカリ性水溶液との混合溶媒が用いられる。アク
リル酸およびメタクリル酸エステル系樹脂に対しては、
前記した有機溶剤類、水溶性溶剤とアルカリ性水溶液と
の混合溶媒が適している。
【0052】また、多種成分から構成される場合は、無
機微粒子と親水性成分を水系混合溶媒と混合し、他の成
分を極性有機溶媒に溶解して有機相とし、これら有機相
と無機相を分散混合することもできる。また、有機成分
と無機成分を混合してから、2種以上の溶剤を順位添加
して分散させてもよい。
【0053】隔壁形成層組成物の粘度は無機微粒子、増
粘剤、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割
合によって適宜調整されるが、その範囲は200〜20
万cps(センチ・ポイズ)である。例えばガラス基板へ
の塗布をスピンコート法で行う場合は、200〜500
0cpsが好ましい。スクリーン印刷法で1回塗布して膜
厚10〜20μmを得るには、5万〜20万cpsが好ま
しい。ブレードコート法やダイコーター法などを用いる
場合は、1000〜30000cpsが好ましい。
【0054】ガラス基板やセラミックスの基板の上に、
隔壁形成層組成物を設ける方法としては、上記した塗布
による方法のほかに、転写法によってもよい。転写法で
は、中間フィルム上に組成物を塗布してそれをガラス基
板に転写する。また、フィルム側に隔壁形成層とレジス
ト層を形成しておき、これをガラス基板に同時に転写し
てもよい。
【0055】塗布方法としては、スクリーン印刷、バー
コーティング、ロールコーティング、ダイコーティン
グ、ブレードコーティング、スプレーコーティング、エ
キストルージョンコーティング等の一般的な方法を用い
ることができる。塗布厚みは、塗布回数、コーターのギ
ャップ、スクリーンのメッシュ、組成物の粘度を選ぶこ
とによって調製できる。
【0056】〔レジストパターン〕隔壁形成層の上に設
けるレジストパターンは、任意の方法によって設けるこ
とができるが、好ましい方法は、非感光性のレジスト
用ペーストを隔壁形成層の上にスクリーン印刷方法によ
って形成させる方法と、感光性レジスト材料を隔壁形
成層の上に塗設して、これにパターン状の露光を行い、
現像して非パターン部分を除去してパターン形成を行う
方法である。
【0057】(スクリーン印刷用ペーストによるレジス
トパターン)非感光性レジスト用ペーストのスクリーン
印刷には、この用途の公知の、又は市販のペーストを用
いることができ、例えば旭硝子工業(株)製のスクリー
ン用ペーストRPW025などを使用できる。また、つ
ぎに述べる感光性レジスト材料の組成から、光重合性成
分、重合開始剤、光重合促進剤などの光重合寄与成分を
除いた成分をペ−スト状になりうるように配合した組成
物も好ましく用いることができる。また、この組成物に
は、隔壁形成層として前記したバインダー樹脂も加えて
ペ−スト状に配合してもよく、さらには、バインダー樹
脂以外の隔壁形成層の組成物成分を加えてもよい。
【0058】(感光性レジストによるレジストパター
ン)隔壁形成層の上に設けるレジスト層には、公知のレ
ジスト材料の何れを使用してもよい。また、レジスト液
を隔壁形成層の上に塗布してもよく、あるいはドライフ
ィルムの形のレジスト材料を隔壁形成層の上にラミネー
トしもよい。また、ポジ型のレジスト材料であってもネ
ガ型のレジスト材料であってもよい。ドライフィルムを
使用する場合、好ましいレジストフィルムは、ポジ型
で、とくにアルカリ可溶性フェノール樹脂とナフトキノ
ンジアジドの混合物からなるポジ型レジストが好まし
い。その中でもクレゾールノボラック樹脂とo−ナフト
キノンジアジドスルホン酸誘導体からなるドライフィル
ムレジストが好ましい。これらは、市販品として入手で
きる。また、ネガ型レジストを使用してもよく、好まし
いネガ型レジストは、多くは塗布液の形態であり、レジ
スト膜形成材料としては、アリシクロ環を有する鎖状ポ
リマーなどの環化ゴムと芳香族ビスアジド化合物などの
ビスアジド化合物が組み合わされた環化ゴムービスアジ
ド系レジスト、メタクレゾールノボラック樹脂に1−ア
ジドピレンが組み合わせられたノボラック樹脂−アジド
系レジスト、アクリル系モノマーと光重合開始剤が組み
合わさったアクリル系レジスト液などが挙げられるが、
とくにアクリル系レジスト液が好ましい。
【0059】アクリル系レジスト液において、重合性モ
ノマーは、光重合性基として、例えば、アクリロイル
基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、アリル基、
ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル基、ビニルアミ
ノ基、グリシジル基、アセチレン性不飽和基などを有す
る化合物である。
【0060】その具体的な例として、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレ
ート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリ
シジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、フ
ェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2
−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレ
ート、アミノエチルアクリレート、もしくは、スチレ
ン、p−メチルスチレンなどが挙げられる。アクリル系
ネガ型レジスト液では、これらを1種または2種以上使
用することができる。また、これらのモノマーを側鎖と
してオリゴマーやポリマーに付加させたマクロモノマー
であってもよい。
【0061】ネガ型レジスト材料には、上記光重合性モ
ノマーとともに、重合開始剤を含ませる。本発明におい
て、重合開始剤とは、光ラジカル発生剤、光酸発生剤お
よび光塩基発生剤をいう。ここに光ラジカル発生剤と光
酸発生剤または光塩基発生剤と双方の性質を有するもの
も重合開始剤に含まれる。
【0062】光ラジカル発生剤としては、例えば、DB
E[CAS No.10287−53−3]、ベンゾイ
ンメチルエーテル、アニシル(p,p’−ジメトキシベ
ンジル)、TAZ−110(商品名:みどり化学株式会
社製)、ベンゾフェノン、TAZ−111(商品名:み
どり化学株式会社製)、IR−651及び369(商品
名:チバガイギー社製)などを挙げることができる。
【0063】光酸発生剤としては、光カチオン重合の光
開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色
剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用され
ている公知の光により酸を発生する化合物およびそれら
の混合物を適宜に選択して使用することができる。好ま
しい化合物の例としては、(a)トリハロメチル基が置
換したオキサゾール誘導体またはs−トリアジン誘導
体、(b)2〜3個のアリール基と結合したヨードニウ
ム塩又はスルホニウム塩、(c)ジスルホン誘導体また
はイミノスルホネート誘導体、(d)ベンゾイントシレ
ート誘導体が挙げられる。
【0064】光塩基性発生剤としては、例えば、NBC
−101(商品名:みどり化学株式会社製)、α,α−
ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルカルバメートな
どを挙げることができる。
【0065】<フォトレジスト層の塗布>フォトレジス
ト層を形成するには、レジスト材料がレジスト液の場合
は、隔壁形成層の塗布後直ちにあるいは乾燥後、フォト
レジスト液を重層塗布する。その塗布には、バーコータ
ー、ロールコーター、ダイコーター、スピンコーター、
ブレードコーター等の一般的な装置を用いて塗布でき
る。また、フォトレジスト材料がドライフィルムフォト
レジストの場合は、隔壁形成層の上にドライフィルムを
をラミネートする。
【0066】<パターン形成>フォトレジストによる場
合は、塗布またはラミネートした後、隔壁などのパター
ンの形成が行われる。通常、露光装置を用いてマスクを
通しての露光を行うことが多い。用いるマスクは、感光
性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のど
ちらかを選定する。また、フォトマスクを用いずに、赤
色や青色の可視光レーザー光、Arイオンレーザー、U
Vイオンレーザーなどで直接描画する方法を用いても良
い。
【0067】露光装置としては、ステッパー露光機、プ
ロキシミティ露光機等を用いることができる。また、大
面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感
光性組成物を塗布した後に、搬送しながら露光を行うこ
とによって、小さな露光面積の露光機で、大きな面積を
露光することができる。
【0068】この際使用される活性光源は、たとえば、
可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー
光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好まし
く、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用
できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
露光条件は塗布厚みによって異なるが、1〜100mW/c
m2の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1〜30分間露光
を行なう。パターン形成に要する照射エネルギー量は2
0〜500mJ/cm2である。
【0069】露光されたレジスト膜は、露光後、感光部
分と非感光部分の水またはアルカリ性水溶液に対する溶
解度差を利用してパターン部分を残し、非パターン部分
を溶解する現像を行う。用いられる水溶液は、水、水酸
化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶
液などのような無機アルカリ水溶液、テトラメチルアン
モニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミンなどの有機アルカリ水溶液、あるいはそれら
の混合溶液である。この処理液も現像液と呼ばれるが、
つぎに述べる隔壁形成用の現像液とは、一般には異なる
ものである。しかし、レジスト膜の性質によっては、レ
ジストパターン形成用の現像と隔壁形成用の現像を同じ
工程の中で同時に進めることができる場合もある。以上
で、非感光性ペーストのスクリーン印刷によるパターン
形成と、感光性レジスト(液状、ペースト状、あるいは
ラミネート方式)の層形成、露光、現像によるパターン
形成の説明を終わる。つぎに隔壁形成工程について説明
する。
【0070】〔隔壁形成工程〕本発明では、隔壁形成用
の現像は、水またはアルカリ性現像液を加圧噴射して行
う前記した高圧スプレー現像によって行う。加圧噴射の
効果が強力でかつ深部に及ぶので、水による現像で非パ
ターン部が実質的に除去される。とくに前記した水溶性
基置換セルロース誘導体を含んだ隔壁形成層組成物は、
本発明の加圧噴射による水現像に適している。一方、パ
ターン部は、レジスト層が光硬化して、又はレジスト層
が光によって溶解性となってレジストパターンを形成し
てパターン部分の隔壁形成層が保護される。
【0071】(現像液)現像液は、必ずしも水に限らな
い。隔壁形成層中の有機成分が溶解可能である有機溶媒
も使用できる。隔壁形成層中にカルボキシル基等の酸性
基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像
できる。その場合、アルカリ水溶液として水酸化ナトリ
ウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム水溶液などの
ような無機アルカリ水溶液も使用できるが、有機アルカ
リ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しや
すいので好ましい。
【0072】有機アルカリとしては、一般的なアミン化
合物を用いることができる。具体的には、テトラメチル
アンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアン
モニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃
度は通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1
〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎると可溶部が
除去されず、アルカリ濃度が高すぎると、パターン部を
剥離させ、また非可溶部を腐食させるおそれがあり好ま
しくない。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で
行うことが工程管理上好ましい。
【0073】(高圧スプレー現像)高圧スプレー現像の
好ましい実施形態は、現像液の作用の仕方によって超高
圧スプレー現像とバブルジェット現像に分類することが
できる。
【0074】はじめに、超高圧スプレー現像について説
明する。水またはアルカリ水溶液の加圧噴射の噴射角
は、現像作用に大きな影響を及ぼす。感光性重層構成層
の面に対して垂直である場合が、もっとも現像作用は強
い。一方、プラズマディスプレー用の隔壁材料に由来す
る無機微粒の除去は、単に現像作用が強いだけでは不十
分で、機械的な現像液の衝撃によって不要の無機微粒子
を基板から除去しなければないが、そのためには垂直方
向より0〜35度、好ましくは0〜20度ほど進行方向
に対して斜め前または斜め後ろの角度で噴射するのがよ
い。水またはアルカリ水溶液を噴射するための印加圧力
は、噴射ノズルの形状によって異なる。本発明の好まし
い実施形態である猫目型ノズル(断面が凹レンズ状)の
場合、50〜350kgf/cm2 、好ましくは100
〜300kgf/cm2 の圧力が効果的である。
【0075】また、本発明の経済的実施形態として連続
現像工程を採用するのが実際的であるが、その場合に組
成物層の幅方向に水またはアルカリ水溶液が均等に行き
わたるように、扇型のひろがりをもって噴射する噴射ノ
ズルを単独または扇のひろがり方向に複数配列し、扇面
に対して直角方向に感光性重層構成層を定速移動しなが
ら水またはアルカリ水溶液の噴射部分を通過する方法を
とって連続現像処理を行うことが好ましい。
【0076】上記の噴射圧、衝撃角度、水流ひろがり形
状など本発明の目的を満たすための機能を有して特に好
ましく使用できる高圧噴射式現像装置は、超高圧ジェッ
ト精密洗浄システムAFシリーズ(旭サナック(株))
である。中でも高圧用にはAF5400Sが、低圧用に
はAF2800IIが、適している。しかしながら、上記
の噴射圧、衝撃角度及び水流ひろがり形状を有する装置
であれば、この機種に限定されず、本発明の隔壁形成方
法の現像手段に適用できる。
【0077】つぎに、バブルジェット現像について説明
する。本発明の高圧スプレー現像においては、噴射する
水またはアルカリ性水溶液は、その中に微気泡を含んだ
いわゆるバブルジェットの形であってもよい。バブルジ
ェットは、5〜20kg/cm2 の圧力の加圧水(また
はアルカリ性水溶液)に圧縮空気を送り込んで得る水・
気体混合流体で、この混合流体を高圧で噴射して隔壁形
成層に適用すると、隔壁形成層に対して気泡、水滴及び
水流の衝撃効果と気泡の表面こすり効果が相加的に起こ
り、不溶解性の残差の除去がとくに円滑に行われる。し
たがって、バブルジェット方式、すなわち微気泡と水滴
とを同時に適用する方式の場合には、噴射圧力は5〜2
0kg/cm2 、好ましくは5〜10kg/cm2 であ
り、上記した微気泡によらない超高圧スプレー現像とは
作用機構に多少の差があるものと考えられる。好ましい
微気泡のサイズは0.01〜1.0mmである。バブル
ジェット方式の現像を行うには、機材洗浄などに通常使
用されるバブルジェット装置を使用することができる。
好ましい装置には島田理化工業(株)製の枚葉式洗浄装
置が挙げられるが、これに限定されない。
【0078】いずれのタイプの高圧スプレー現像でも、
本発明の方法では、隔壁形成に預からない無機微粒子が
非パターン部分の深部でも効果的に除去されるので、隔
壁の高さを高くすることが可能であり、また、一般には
除去しにくい大型の無機粒子を使用することも可能であ
る。したがって、本発明の方法では、1回に塗布される
隔壁形成層の厚みを15〜300ミクロンと高くするこ
とが可能であり、好ましくは50〜200ミクロンであ
る。また、とくに壁の高い隔壁を形成する場合には、重
ね塗布によって厚みを増すこともできる。高圧噴射によ
って300ミクロンの高さの隔壁形成層でも効果的に現
像できて隔壁を形成させることができる。
【0079】本発明の隔壁形成方法は、公知の隔壁形成
用組成物層に広く適用できるが、好ましい組成物層は、
無機微粒子、水溶性基置換セルロース誘導体および加水
分解重合性有機金属化合物を含有する組成物層である。
セルロース誘導体は、組成物中の構成成分との親和性が
よく、したがって組成物の透明性を保っているので、と
くに高さの高い隔壁の形成の場合にも深部まで露光の効
果が及んで隔壁パターン精度の向上に寄与している。し
かも水で現像できるので高圧スプレー噴射現像に適して
いる。また、比較的低温度で焼成されるので、焼成温度
も比較的低くすることが可能で400〜600°Cで焼
成できる。
【0080】〔焼成工程〕次に焼成炉にて焼成を行う。
焼成雰囲気や、温度は組成物や基板の種類によって異な
るが、空気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼
成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式の連続型焼
成炉を用いることができる。焼成温度は400〜600
℃で行う。また、以上の塗布や露光、現像、焼成の各工
程中に、乾燥、予備反応の目的で、50〜300℃加熱
工程を導入しても良い。
【0081】以上の工程によって得られた隔壁層を有す
るガラス基板はプラズマディスプレイの前面側もしくは
背面側に用いることができる。また、プラズマアドレス
液晶ディスプレイのアドレス部分の放電を行うための基
板として用いることができる。
【0082】形成した隔壁層の間に蛍光体を塗布した後
に、前背面のガラス基板を合わせて封着し、ヘリウム、
ネオン、キセノン等の希ガスを封入することによって、
プラズマディスプレイのパネル部分を製造できる。さら
に、駆動用のドライバーICを実装することによって、
プラズマディスプレイを製造することができる。
【0083】また、プラズマディスプレイを高精細化す
るため、つまり、一定の画面サイズで画素の数を増やす
ためには、1画素の大きさを小さくする必要がある。こ
の場合、隔壁間のピッチを小さくする必要があるが、ピ
ッチを小さくすると、放電空間が小さくなり、また、蛍
光体の塗布面積が小さくなることから、輝度が低下す
る。具体的には、42インチのハイビジョンテレビ(1
920×1035画素)や23インチのOAモニター
(XGA:1024×768画素)を実現しようとする
と、画素のサイズを450μm角の大きさにする必要が
あり、各色を仕切る隔壁は150μmピッチで形成する
必要がある。この場合、隔壁の線幅が大きいと放電のた
めの空間が確保できないことや蛍光体の塗布面積が小さ
くなることによって、輝度を向上することが困難にな
る。
【0084】本発明の技術を用いることによって、隔壁
の幅を小さくすることができる。特に、隔壁幅20〜4
0μmのストライプ状隔壁を形成するプラズマディスプ
レイを得ることができ、高精細化時の輝度向上に有効で
ある。
【0085】また、高さが100〜170μm、ピッチ
が100〜160μmの高精細隔壁を形成することによ
って、ハイビジョンテレビやコンピューターモニターに
用いることができる高精細プラズマディスプレイを提供
できる。
【0086】以上、プラズマディスプレーパネル製作の
例について本発明の態様を説明したが、本発明の方法
は、プラズマディスプレーパネル製作への適用に限定さ
れず、マイクロリソグラフィ分野でパターンと非パター
ン部のディスクリミネーションを向上させる目的に利用
できる。
【0087】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。 〔実施例1〕隔壁形成層用の組成物として、下記成分を
混合してペースト状の組成物を作成した。
【0088】 <隔壁形成層用ペースト組成> アルミナ粉末(平均サイズ0.1μm) 10部 低融点ガラスA(平均サイズ1μm、表1参照) 60部 エチルセルロース 1部 ヒドロキシプロピルセルロース 1部 コロイダルシリカNPC−ST−30(日産化学工業(株)製) 2部 エポキシエステル1600A(共栄化学(株)製) 1部 N−メチル−2−ピロリドン 10部 酢酸2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチル 10部 α−ターピネオール (terpineol) 5部
【0089】この組成物を30cm角のソーダガラス基
板に、複数回塗布によって、120μmの塗布厚みにな
るように塗布を行って隔壁形成層を設けた後、100℃
で30分乾燥した。この隔壁形成層の上にドライフィル
ムレジスト(日本合成化学工業(株)製NCP225)
をラミネートした。
【0090】
【表1】
【0091】次に、マスクには、ピッチ150μm、線
幅30μmのフォトマスクを介して露光を行った。露光
は、200mW/cm2の出力の超高圧水銀灯で照射量120
mJ/cm2 の紫外線露光である。露光後、炭酸ナトリウム
1wt%水溶液により液温30℃でスプレー現像を行
い、レジストパターンを形成した。続いて50℃で2時
間乾燥させたのち、つぎの加圧水による隔壁形成現像を
行った。
【0092】隔壁形成用の現像は、上記のレジストパタ
ーンつきの隔壁形成層を5mm/secの一定速度で試
料台上を搬送させながら、超高圧ジェット精密洗浄シス
テムAF5400S(旭サナック(株)製)を使用して
扇状に拡がる薄層の水スプレーを感光製組成物面に噴射
して行った。水の噴射は、扇状のスプレー面が、組成物
の進行方向に直角であり、かつ噴射が組成物面に垂直に
当たる角度で行った。また、そのときの噴射圧力は、1
50kg/cm2 に設定した。現像終了後、水酸化ナト
リウム2.0wt%水溶液の剥離液をスプレーしてレジ
ストパターンを剥離した。ついで100℃15分乾燥し
たのち、つぎのように焼成を行った。
【0093】現像済みの隔壁形成層を580°Cで30
分間多少の通気性が保たれた状態で焼成した。隔壁形成
層中の有機成分は、焼成中に完全に揮散しており、残存
成分は認められなかった。
【0094】〔実施例2〕隔壁形成層用の組成物とし
て、下記成分を混合してペースト状の組成物を作成し
た。
【0095】 <隔壁形成層用ペースト組成> アルミナ粉末(平均サイズ0.1μm) 15部 低融点ガラスA(平均サイズ1μm、表1参照) 60部 カルボキシメチルセルロース 0.4部 水 24.6部 この組成物を30cm角のソーダガラス基板に、バーコ
ータによって、120μmの塗布厚みになるように塗布
を行って隔壁形成層を設けた後、100℃で30分乾燥
した。この隔壁形成層の上に下記組成のレジストパター
ン形成用ペーストをスクリーン印刷によって膜厚20μ
m,ピッチ150μmで線幅場30μmのレジストパタ
ーンを形成した。
【0096】 <レジストパターン形成用ペースト組成> アルミナ粉末(平均サイズ0.1μm) 15部 低融点ガラスA(平均サイズ1μm、表1参照) 60部 エチルセルロース 2部 N−メチル−2−ピロリドン 8部 酢酸2−(2−n−ブトキシエトキシ)エチル 10部 α−ターピネオール (terpineol) 5部 100℃で10分乾燥したのち、実施例1と同様に加圧
水を噴射して隔壁形成用の現像を行い、100℃30分
乾燥後、実施例1と同様に焼成を行った。
【0097】〔比較例1〕隔壁形成用ペーストに旭硝子
工業(株)製RPW025を使用し、レジスト形成に実
施例1と同じドライフィルムを使用し、実施例1におけ
る高圧水の噴射による隔壁形成用の現像を、サンドブラ
スト加工処理とした以外は、実施例1と同じ方法で隔壁
を形成した。サンドブラスト加工処理は、ノズルとレジ
スト膜表面との距離を10cmとし、研磨剤に褐色溶融
アルミナ#1000を用いて噴出圧力3kg/cm2
条件で行った。
【0098】〔結果〕実施例1、実施例2及び比較例1
により形成された隔壁試料を切断して走査型電子顕微鏡
で断面観察した。実施例1及び実施例2のいずれの隔壁
試料も、比較例1で形成した隔壁に比較して現像不良
(局部的な溶解過度、溶解不足)によるパターンの欠
落、断絶、未露光部の除去不良、および溶解残渣の残存
などの欠陥が非常に少なく、良好な形状のプラズマディ
スプレー用の隔壁構造物を得ることができた。
【0099】
【発明の効果】少なくとも無機微粒子とバインダーと溶
剤を含有するペーストを用いて隔壁形成層を形成し、そ
の上にレジストパターンを設けて、水又はアルカリ水溶
液を加圧噴射する現像によって隔壁を形成する方法によ
って、無機微粒子の残留がなく、高い隔壁であってもパ
ターンの乱れのない高精度のパターン形成を行うことが
できる。とくにプラズマディスプレー用の隔壁その他の
壁構造物を形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/40 501 G03F 7/40 501 5C040 G09F 9/30 324 G09F 9/30 324 5C094 9/313 9/313 E H01J 11/02 H01J 11/02 B (72)発明者 長田 崇一朗 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士フ イルムオーリン株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA00 AB17 AC01 AD01 AD03 CB52 DA40 EA04 EA08 FA17 FA29 2H096 AA27 BA20 CA05 CA12 CA16 GA08 GA21 HA01 JA04 LA19 4G059 AA08 AB07 AB09 AB11 AC01 CA01 CA08 CB09 CB10 EA01 EA05 4G062 AA04 AA09 BB05 DA05 DB03 DC04 DD01 DE03 DF03 DF04 EA03 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG03 FA10 GA10 HH20 JJ10 KK10 MM04 MM12 MM27 NN01 PP15 PP16 5C027 AA09 5C040 GB08 GF18 GF19 JA03 JA04 JA15 KA07 KA16 KA17 KB04 KB19 LA17 MA23 MA24 5C094 AA05 AA43 BA31 CA19 EC04 FB01 FB02 FB03 FB15 GB10 JA08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも無機微粒子とバインダー樹脂
    と溶剤とを含むプラズマディスプレーパネル用の隔壁形
    成用ペーストであって、該ペーストを用いて基板上に隔
    壁形成層を設け、該隔壁形成層上にさらにレジストパタ
    ーンを設けて、水またはアルカリ水溶液を加圧噴射する
    現像によって隔壁を形成する隔壁形成方法に用いること
    を特徴とするプラズマディスプレーパネル用の隔壁形成
    用ペースト。
  2. 【請求項2】 バインダー樹脂が少なくともセルロース
    系樹脂又はアクリル系樹脂のいずれかを含んでいること
    を特徴とする請求項1に記載の隔壁形成用ペースト。
  3. 【請求項3】 二酸化珪素粉末を含有することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の隔壁形成用ペースト。
  4. 【請求項4】 レジストパターンが、感光性樹脂を含む
    ペーストを塗布乾燥するか又は感光性ドライフィルムを
    ラミネートすることによって、隔壁形成層の上に設けた
    レジスト膜を露光、現像して得たレジストパターンであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の隔
    壁形成用ペースト。
  5. 【請求項5】 レジストパターンが、水に難溶性のバイ
    ンダーを含むペーストをスクリーン印刷によって、隔壁
    形成層の上に設けたレジストパターンであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の隔壁形成用ペー
    スト。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の隔壁形
    成用ペーストを用いて、ガラス基板上に隔壁形成層を設
    け、該隔壁形成層上にレジストパターンを設けて、パタ
    ーン部分の隔壁形成層を保護しながら、水またはアルカ
    リ水溶液を加圧噴射する現像によって隔壁を形成するこ
    とを特徴とするプラズマディスプレーパネル用の隔壁形
    成方法。
  7. 【請求項7】 バインダー樹脂が少なくともセルロース
    系樹脂又はアクリル系樹脂のいずれかを含んでいること
    を特徴とする請求項6に記載の隔壁形成方法。
  8. 【請求項8】 隔壁形成用ペーストが二酸化珪素粉末を
    含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の隔壁
    形成方法。
  9. 【請求項9】 感光性樹脂を含むペーストを塗布乾燥す
    るか又は感光性ドライフィルムをラミネートすることに
    よって、隔壁形成層の上にレジスト膜を設けたのち、該
    レジスト膜を露光、現像してレジストパターンを得るこ
    とを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の隔壁形
    成方法。
  10. 【請求項10】 水に難溶性のバインダーを含むペース
    トをスクリーン印刷によって、隔壁形成層の上にレジス
    トパターンを設けることを特徴とする請求項6〜8のい
    ずれかに記載の隔壁形成方法。
  11. 【請求項11】 水またはアルカリ水溶液を加圧噴射し
    て行う現像に使用する水またはアルカリ水溶液が微小気
    泡を含んだ気液混合体であることを特徴とする請求項6
    〜10のいずれかに記載の隔壁形成方法。
  12. 【請求項12】 水またはアルカリ水溶液を加圧噴射し
    て行う現像が、液を扇状にひろげて噴射させる噴射ノズ
    ルよりによって、印加圧力が50kgf/cm2 以上の
    水またはアルカリ水溶液を、該扇を含む面に対して直角
    方向に定速移動する隔壁形成層に噴射することを特徴と
    する請求項6〜10のいずれかに記載の隔壁形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜3のいずれかに記載の隔壁
    形成用ペーストを可撓性支持体上に50〜200μmの
    厚みに塗布形成したことを特徴とするプラズマディスプ
    レーパネル用の隔壁形成材料。
  14. 【請求項14】 請求項6〜13のいずれかに記載の隔
    壁形成方法によって形成されたことを特徴とするプラズ
    マディスプレーパネル用の隔壁構造物。
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