JPH11185601A - プラズマディスプレイの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイの製造方法

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JPH11185601A
JPH11185601A JP9349255A JP34925597A JPH11185601A JP H11185601 A JPH11185601 A JP H11185601A JP 9349255 A JP9349255 A JP 9349255A JP 34925597 A JP34925597 A JP 34925597A JP H11185601 A JPH11185601 A JP H11185601A
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JP
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photosensitive
weight
oxide
paste
glass
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Application number
JP9349255A
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English (en)
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Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
Takeshi Moriya
豪 守屋
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の反りや割れを発生することなく、高アス
ペクト比かつ高精細の隔壁を、剥がれ等の欠点を生じる
ことなく高い歩留まりで形成し、プラズマデイスプレイ
を製造する。 【解決手段】電極が形成されたガラス基板上に、誘電体
ペーストを塗布後、焼成して誘電体層を形成し、次いで
感光性誘電体ペーストを塗布し露光して形成した塗布膜
上に、隔壁用感光性ペーストを用いて隔壁パターンを形
成した後、前記塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成する
ことにより達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイ(PDP)は液晶
パネルに比べて高速の表示が可能であり、かつ大型化が
容易であることから、OA機器および広報表示装置など
の分野に浸透している。また、高品位テレビジョンの分
野などでの進展が非常に期待されている。
【0003】このような用途の拡大に伴って、精細で多
数の表示セルを有するカラーPDPが注目されている。
PDPは、前面ガラス基板と背面ガラス基板との間に設
けられた放電空間内で対向するアノードおよびカソード
電極間にプラズマ放電を生じさせ、上記放電空間内に封
入されているガスから発生した紫外線を、放電空間内の
蛍光体にあてることにより表示を行うものである。この
場合、放電の広がりを一定領域に抑え、表示を規定のセ
ル内で行わせると同時に、均一な放電空間を確保するた
めに隔壁(障壁、リブともいう)が設けられている。
【0004】上記の隔壁のサイズは、ピッチ100〜4
30μm、幅30〜80μm、高さ100〜200μm
であるが、通常は背面ガラス基板にガラスからなる絶縁
ペーストをスクリーン印刷法で印刷・乾燥し、この印刷
・乾燥工程を10〜15回繰り返して所定の高さにした
後、焼成して形成されている。しかしながら、通常のス
クリーン印刷法では、特にパネルサイズが大型化した場
合に、予め基板上に形成された放電電極と絶縁ペースト
の印刷場所との位置合わせが難しく、位置精度が得られ
難いという問題がある。しかも10数回も絶縁ペースト
を重ね合わせ印刷を行うことになるため、隔壁および壁
体の側面エッジ部の波打ちや裾の乱れが生じ、高さの精
度が得られず、表示品質が悪くなり、また、作業性が悪
い、歩留まりが低いなどの問題もある。特に、パターン
線幅が50μm、ピッチが150μm以下になると隔壁
底部がペーストのチクソトロピー性により滲みやすく、
シャープで残渣のない隔壁形成が難しくなる問題があ
る。
【0005】さらにPDPの大面積化、高解像度化に伴
い、このようなスクリーン印刷による方法では、高アス
ペクト比、高精細の隔壁の製造がますます技術的に困難
となり、かつコスト的に不利になってきている。
【0006】これらの問題を改良する方法として、特開
平1−296534号公報、特開平2−165538号
公報、特開平5−342992号公報、特開平6−29
5676号公報では、隔壁を感光性ペーストを用いてフ
ォトリソグラフィ技術により形成する方法が提案されて
いる。しかしながら、これらの方法では、感光性ペース
トのガラス含有量が少ないために、焼成後に緻密な隔壁
が得られなかったり、感光性ペーストの感度や解像度が
低いという問題があった。このために高アスペクト比の
隔壁を得るためには、スクリーン印刷・露光・現像の工
程を繰り返し行うことが必要であった。しかし、印刷・
露光・現像を繰り返し行うのでは、位置合わせの問題が
生じたり、コストの問題が依然あり限界があった。
【0007】そこで特開平8−50811号公報では、
感光性ガラスペースト法を用いて、隔壁を1回の露光で
形成する方法が提案されている。しかしながら、この方
法では、ピッチが200μm以下、隔壁の線幅が50μ
m以下の高精細隔壁を作製する際、感光性ペースト中の
無機成分と有機成分の割合によって、線幅の太り、所望
の線幅が得られない、または現像残りが発生し、いわゆ
る残膜が発生したり、パターン形成性が悪いという問題
があった。また、焼成時に有機成分が消失し難く、いわ
ゆる脱バインダー性が悪く、剥がれ、着色の原因になっ
たり、焼成時の収縮が大きくなり、所望の高さの隔壁を
得るためにパターン形成時の高さを高くする必要があ
り、パターン形成時のマージンが小さく、歩留まりが悪
くなるという問題があった。
【0008】またその他、背面ガラス基板には、表示デ
ータを書き込むデータ電極が銀ペーストを用いて形成さ
れており、その上に誘電体層を設置して被覆し、隔壁が
その上に形成されるという構成であることが好ましいこ
とが知られている。すなわち、背面ガラス基板において
電極の上に誘電体層を形成する構成をとることが、隔壁
の剥がれや倒れを防止する点で好ましい。特に、隔壁を
感光性ガラスペースト法で形成した場合には、隔壁上部
と下部の重合硬化の差に起因する剥がれが生じ易く、隔
壁層形成のアンダーガラス層として、誘電体層を形成す
ることは歩留まり向上に有効である。
【0009】さらに隔壁の側面および隔壁で囲まれた底
面には赤、緑、青に発光する蛍光体を塗布・乾燥、焼成
して蛍光体層が形成される。
【0010】上記の背面ガラス基板と帯状に複数本形成
された透明電極を有する前面ガラス基板とをマトリック
ス駆動が可能になるように封着した後、He−Xe、N
e−Xeなどの混合ガスを封入し、駆動回路を実装して
PDPを作製することができる。そして隣り合う透明電
極の間にパルス状の交流電圧を印加するとガス放電が生
じ、プラズマが形成され、ここで生じた紫外線が蛍光体
を励起して可視光を発光し前面ガラス基板を通して表示
発光するものである。
【0011】しかしながら上記方法によりPDPを作製
すると、ガラス基板が加工時に反りや割れを生じること
があり、歩留まりが低下するという課題があった。特
に、ガラス基板のほぼ全面に形成される誘電体層および
高精細PDPを得るために形成されるピッチの小さい隔
壁に起因する基板反りや基板割れは大きな問題であり、
その対策が必要であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題点を解決し、電極が形成されたガラス基板上に誘電
体層を形成する場合に生じる基板の反りや割れを解消
し、さらにその上に形成される隔壁の剥がれや振れを防
止すると共に、隔壁を歩留まりよく形成するPDPの製
造方法を提供することをその目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、電極が形成されたガラス基板上に、誘電体ペースト
を塗布後、焼成して誘電体層を形成し、次いで感光性誘
電体ペーストを塗布し露光して形成した塗布膜上に、隔
壁用感光性ペーストを用いて隔壁パターンを形成した
後、前記塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成することを
特徴とするプラズマディスプレイの製造方法によって達
成される。
【0014】
【発明の実施の形態】すなわち本発明は、電極が形成さ
れたガラス基板上に、誘電体ペーストを塗布、焼成して
誘電体層を形成し、更にその上に感光性誘電体ペースト
を塗布露光し、塗布膜を形成し、この上に隔壁パターン
を形成し、塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成するもの
である。
【0015】本発明のPDPの製造方法においては、誘
電体ペーストを塗布することにより、電極上に形成され
る誘電体層(誘電体層Aと呼ぶ)と、誘電体層A上に感
光性誘電体ペーストを用いて形成された塗布膜を焼成す
ることにより得られる誘電体層(誘電体層Bと呼ぶ)の
2層の誘電体層が形成されること、および誘電体層A上
に感光性誘電体ペーストを用いて形成された塗布膜を、
隔壁パターンと同時に焼成することにより誘電体層Bと
隔壁が一体化して形成されることが特徴である。
【0016】本発明において、ガラス基板としては、ソ
ーダガラスや高歪み点ガラスからなるものが挙げられ
る。
【0017】このようなガラス基板上に、形成される電
極は、電極材料として、少なくとも50重量%以上、さ
らには90〜99重量%の銀を含むものであることが、
抵抗値、ガラス基板との密着性の点から好ましい。ま
た、電極材料中に1〜5重量%のガラスフリット成分を
含有するものであると、ガラス基板との密着性に優れた
電極層となり好ましい。
【0018】誘電体層Aを構成する誘電体ペーストとし
ては有機成分および無機微粒子を必須成分とするもの
が、また、誘電体層Bを構成する感光性誘電体ペースト
としては、感光性有機成分および無機微粒子を必須成分
とするものが好ましい。
【0019】なお誘電体層Aは、ペースト塗布後、焼成
して形成されるため、これを形成するための誘電体ペー
ストは、感光性である必要はなく、また、誘電体層Bは
ペースト塗布後、露光して硬化させ塗布膜とした後、焼
成するので、ペーストが感光性誘電体ペーストであるこ
とが必須である。
【0020】特に、誘電体ペーストおよび感光性誘電体
ペーストにおいて、無機微粒子としてガラス材料を用い
ることが均一な層を形成する点で好ましく、50〜40
0℃の範囲の熱膨張係数α50400の値が70〜85×
10-7/K、より好ましくは72〜83×10-7/Kで
あるガラスを主成分とすることが、基板ガラスの熱膨張
係数と整合し、焼成の際にガラス基板にかかる応力を減
らすので好ましい。85×10-7/Kを超えると、誘電
体層の形成面側に基板が反るような応力がかかり、70
×10-7/K未満では、誘電体層のない面側にガラス基
板が反るような応力がかかる。このため、基板の加熱、
冷却を繰り返すとガラス基板が割れる場合がある。ま
た、前面ガラス基板との封着の際、基板の反りのために
両基板が平行にならず封着しにくい場合もある。
【0021】また誘電体層A、Bは、電極が形成された
ガラス基板上に形成されるものであり、上記したように
該電極材料として銀が好ましく挙げられる。従って、誘
電体層A、B中の成分と銀イオンやガラス基板の成分と
がイオン交換などの反応を起こし、黄色化するなどの問
題を防止する点で、アルカリ金属を実質的に含有しない
ガラス材料を用いることが好ましい。本発明において、
アルカリ金属を実質的に含有しないとは、アルカリ金属
およびその酸化物の合計量が無機微粒子に対して0.5
重量%以下であることを意味するもので、好ましくは、
0.1重量%以下である。
【0022】ガラス材料としては酸化ビスマスおよび/
もしくは酸化亜鉛を10〜85重量%含有するガラスを
用いることが軟化点、熱膨張係数のコントロールが容易
である点で好ましく、特にガラス材料が組成として、酸
化物表記で、 酸化ビスマス 10〜85重量% 酸化珪素 3〜50重量% 酸化ホウ素 5〜40重量% 酸化亜鉛 4〜40重量% 酸化ジルコニウム 3〜10重量% を含有することが好ましい。この範囲であると、焼き付
け温度として好ましい550〜600℃でガラス基板上
に焼き付けることができるガラス材料が得られる。
【0023】上記組成においてガラス材料中の酸化ビス
マスは10〜85重量%の範囲で配合される。10重量
%未満では、焼き付け温度や軟化点を制御するのに効果
が少ない。85重量%を超えるとガラスの耐熱温度が低
くなりガラス基板上への焼き付けの点で好ましくない。
【0024】酸化珪素は3〜50重量%の範囲で配合さ
れる。3重量%未満の場合は誘電体層の緻密性、強度や
安定性が低下し、またガラス基板と熱膨張係数のミスマ
ッチが起こりやすい。50重量%を超えると軟化点やガ
ラス転移点が上昇し、耐熱温度が高くなる。このため6
00℃以下でガラス基板上に緻密に焼き付けることが難
しくなり、気泡が残留し、電気絶縁性が低下する傾向が
ある。
【0025】酸化ホウ素は5〜40重量%の範囲で配合
されることによって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、
緻密性などの電気、機械および熱的特性を向上すること
ができる。40重量%を超えるとガラスの安定性が低下
する。
【0026】酸化亜鉛は4〜40重量%の範囲で配合さ
れる。4重量%未満では緻密性向上の効果が少なく、4
0重量%を超えると、焼き付け温度が低くなり制御しに
くくなり、また絶縁抵抗も低くなるので好ましくない。
【0027】酸化ジルコニウムは3〜10重量%の範囲
で配合される。酸化ジルコニウムはガラス材料の耐酸性
を向上する。すなわち、ペーストが有機成分と反応して
ゲル化することを抑制する効果がある。3重量%未満で
はゲル化を抑制する効果が少ない。10重量%を超える
とガラスの耐熱温度が高くなりガラス基板上への焼き付
けが難しくなる。
【0028】また、ガラス基板の変形を抑制するため
に、誘電体ペースト、感光性誘電体ペーストおよび隔壁
用感光性ペーストは、共に焼成を550〜600℃で行
うことが好ましい。この点から誘電体ペースト、感光性
誘電体ペーストに混合されるガラス材料は、ガラス転移
点450〜550℃、軟化点500〜600℃であるこ
とが好ましい。ガラス転移点が450℃より低い場合や
軟化点が500℃より低い場合は、焼成工程中にガラス
が溶融して各誘電体層の厚みの均一性や特性が低下す
る。また、ガラス転移点が550℃より高い場合や軟化
点が600℃より高い場合は、焼成が不十分となり、各
誘電体層の剥離や欠落を生じ易くなる。
【0029】更に誘電体ペースト、感光性誘電体ペース
トには無機微粒子として、上記したガラス材料に加え、
フィラーを含むことが好ましく、フィラーとしてはシリ
カ、チタニア、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニ
アからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有するこ
とが好ましい。フィラーは焼成時の収縮率を小さくし、
基板にかかる応力を低下させるなどの効果がある。特
に、白色フィラーであることがより好ましい。これは、
表示光の反射を向上するためであり、PDPとした場合
高い輝度の画像を得ることができる。
【0030】特に無機微粒子が、ガラス転移点450〜
550℃、軟化点500〜600℃であるガラス材料を
50〜90重量%、フィラーを10〜50重量%含有す
ることが好ましい。
【0031】また誘電体ペースト、感光性誘電体ペース
ト中の無機微粒子の量は、好ましくは65〜85重量%
であることが好ましい。65重量%未満では、焼成時の
収縮率が大きくなり、緻密な誘電体層が得られにくくな
る。また85重量%を超えるとペーストの粘度が上昇
し、塗布時の厚みムラが大きくなり、平坦な膜が得られ
にくくなる。
【0032】次に誘電体ペースト、感光性誘電体ペース
トの各有機成分について説明する。誘電体ペーストの有
機成分としては、いわゆるバインダー樹脂が挙げられ、
例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、メタクリル酸エステル重合体や共重合体、アクリル
酸エステル重合体や共重合体、セルロース系樹脂などが
使用できる。特に、エチルセルロース、メチルセルロー
スなどのセルロース系樹脂を用いるのが脱バインダー性
の点で好ましい。
【0033】また誘電体層Bを形成する感光性誘電体ペ
ーストには感光性有機成分が用いられるが、感光性有機
成分としては、ガラス材料の分散性、塗布に適当な粘度
を与えること、光硬化性、脱バインダー性などを考慮し
て選択されるが、後述する隔壁用感光性ペーストに用い
る感光性有機成分と同じものを用いることもできる。
【0034】なお、感光性誘電体ペーストではパターン
形成は行わず、全面に露光して塗布膜とし隔壁パターン
形成時の現像液に耐性を有する状態(誘電体層Bの前駆
体状膜)にすればよい。
【0035】感光性誘電体ペースト中の感光性成分は光
不溶化型のものが好ましく、特に光ラジカル反応を起こ
して、光重合や光架橋反応により3次元硬化物を形成す
るものが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0036】誘電体ペーストおよび感光性誘電体ペース
トの粘度を調整する際は、バインダー樹脂成分を溶解す
る溶媒を用いることができる。溶媒としては、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチ
ルエチルケトン、アセトン、ジオキサン、シクロヘキサ
ン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルフォ
キシド、γ−ブチロラクトン、テルピネオールなどやこ
れらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用い
られる。
【0037】この誘電体ペーストおよび感光性誘電体ペ
ーストの粘度は、3000〜8万cps(センチ・ポイ
ズ)、より好ましくは4000〜6万cpsであり、こ
の範囲であれば、電極上に誘電体層を形成する際、焼成
収縮応力に起因する誘電体層の亀裂を抑制する効果の点
で好ましい。3000cps未満では、塗布ムラができ
やすく、8万cpsを超えると、電極付近に焼成収縮応
力が集中し易く、亀裂が発生し易くなる。
【0038】また、誘電体ペースト、感光性誘電体ペー
ストに可塑剤を添加することもできる。可塑剤として
は、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリ
エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0039】本発明のPDPの製造方法においては、ア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物成分を実質的
に含まず、50〜400℃の温度範囲での熱膨張係数が
70〜85×10-7/Kであり、ガラス転移点450〜
550℃、軟化点500〜600℃のガラス成分、フィ
ラーと非感光性の有機成分からなる誘電体ペーストを塗
布し、焼成して厚さ6〜20μmの誘電体層Aを形成す
る。次いで、アルカリおよびアルカリ土類酸化物成分を
実質的に含まず、50〜400℃の温度範囲での熱膨張
係数が70〜85×10-7/Kであり、ガラス転移点4
50〜550℃、軟化点500〜600℃のガラス成
分、フィラーと感光性樹脂からなる感光性誘電体ペース
トを焼成後の厚み3〜8μmになるように塗布し、さら
に露光して誘電体層Bの塗布膜を形成する。この露光・
光硬化させて形成された誘電体層B上に放電空間を仕切
るための隔壁パターンを形成し、その後誘電体層Bの膜
と隔壁パターンを同時に焼成する方法により誘電体層A
および誘電体層Bを形成することが特に好ましい。
【0040】本発明において形成される誘電体層Aの厚
みは6〜20μmが好ましく、さらに好ましくは、8〜
15μmである。また誘電体層Bの厚みは3〜8μmで
あることが好ましく、さらに好ましくは、3〜5μmで
ある。このような膜厚の範囲の2つの誘電体層を形成す
ることによって、誘電体層あるいはその上に形成される
隔壁を焼成する時に、電極の凸凹に沿っての亀裂や機能
低下を防止することができる。
【0041】特に誘電体層Aは、ガラス基板上に形成さ
れている電極を覆い、表面が平坦化される厚さに形成さ
れるのが好ましく、電極の厚みにもよるが、その厚さの
2〜3倍位が上限である。電極の厚みは、電極ピッチに
よるが、ピッチが80〜180μmで2〜10μm、よ
り好ましくは、2〜5μmである。さらに好ましくは、
2〜4μmである。この点から上記範囲を好ましく挙げ
ることができる。
【0042】次に本発明における隔壁パターンの形成方
法について説明する。本発明において隔壁パターンは、
高アスペクト比、高精細なパターン形成が可能な感光性
ペースト法で形成することが好ましい。すなわち、無機
微粒子と感光性有機成分からなる感光性ペーストを塗布
・乾燥し、パターン露光して、現像する工程を経た後、
焼成することにより隔壁が形成する方法である。
【0043】隔壁の焼成後の高さは70〜160μmが
好ましく、焼成収縮を考慮すると隔壁パターン形成のた
めに塗布される感光性ペースト塗布膜の厚さは100〜
220μmとなる。このような厚さの感光性ペースト塗
布膜に高精細なパターンを露光し、高アスペクト比のパ
ターンを解像度高く形成するためには、露光用の活性光
線を塗布膜の最下部まで出来るだけ直進的に透過させる
ことが必須である。このため、隔壁用感光性ペーストに
配合される無機微粒子としてはガラス材料が好ましく、
ガラス材料および感光性有機成分として共に光透過性の
高いものを選び、これらを均一に混合することが重要で
ある。また、このような感光性有機成分中にガラス材料
が分散しているような混合物系では、これらの成分のそ
れぞれの平均屈折率が近似していることが光透過度を高
めるために最も重要になる。
【0044】一般的に、有機成分の屈折率は1.45〜
1.7であり、ガラス材料の屈折率は通常これより高く
なるので、両者の屈折率を整合させるためには、本発明
においてはガラス成分の平均屈折率を1.5〜1.8
0、好ましくは1.5〜1.65にコントロールし、有
機成分の平均屈折率との差を0.05程度になるように
することが最も好ましい。特に隔壁用感光性ペーストの
ガラス材料としては、平均屈折率が1.5〜1.80で
あると共に、50〜400℃の温度範囲においての熱膨
張係数が70〜85×10-7/Kであり、かつガラス転
移点450〜550℃、軟化点500〜600℃のもの
が好ましく挙げられる。
【0045】上記のような条件を満足するガラス材料と
して下記のような成分と配合量を有するものが挙げられ
る。すなわち、酸化物表記で、 酸化リチウム 3〜10重量% 酸化珪素 10〜30重量% 酸化ホウ素 20〜40重量% 酸化バリウム 2〜15重量% 酸化アルミニウム 6〜25重量% の組成を有するものである。
【0046】酸化リチウムが3〜10重量%配合された
ものであると、ガラス軟化点、熱膨張係数のコントロー
ルが容易になるだけでなく、ガラス材料の平均屈折率を
低くすることができるため、有機成分との屈折率差を小
さくすることが容易になる。
【0047】上記の組成において、酸化リチウムの代わ
りに、酸化ナトリウム、酸化カリウムを用いてもよい
が、ペーストの安定性の点で酸化リチウムが好ましい。
酸化カリウムを用いた場合は、比較的少量の添加でも屈
折率の制御ができる利点があることから、アルカリ金属
酸化物の中では、酸化リチウムと酸化カリウムの添加が
有効である。アルカリ金属の酸化物の添加量はペースト
の安定性を向上させる点から、10重量%以下が好まし
く、より好ましくは8重量%以下である。
【0048】酸化珪素は10〜30重量%の範囲で配合
される。10重量%以上であると隔壁の緻密性、強度や
安定性に優れ、また熱膨張係数が所望の値となり、ガラ
ス基板との整合性に優れる。また、30重量%以下であ
ると、軟化点が低くなり、ガラス基板への焼き付けの点
で好ましい。
【0049】酸化ホウ素は20〜40重量%の範囲で配
合される。20重量%以上であると隔壁の強度に優れ、
ガラスの安定性の点で好ましい。また40重量%以下で
あるとガラスの安定性の点で好ましい。酸化ホウ素は8
00〜1200℃付近の温度で溶融し、酸化珪素が多い
場合でも、酸化ホウ素を配合することにより、焼き付け
温度を550〜600℃の範囲に制御でき、電気絶縁
性、強度、熱膨張係数、隔壁の緻密性などの電気、機械
および熱的特性を損なうことがない。
【0050】酸化バリウムは2〜15重量%の範囲で配
合される。2重量%以上であると、ガラス焼き付け温度
および電気絶縁性の制御の点で好ましい。また、15重
量%以下であると隔壁の安定性や緻密性の点で好まし
い。
【0051】酸化アルミニウムは6〜25重量%の範囲
で配合される。酸化アルミニウムはガラスの歪み点を高
めるために添加される。6重量%以上であると隔壁の強
度の点で好ましい。25重量%以下であると、ガラスの
耐熱温度が適度に保たれ、ガラス基板上での焼き付けの
が容易である点で好ましい。また、緻密な隔壁を600
℃以下の温度で得ることができる。
【0052】上記の組成には表記されていないが、酸化
カルシウムや酸化マグネシウムが加えられてもよい。酸
化カルシウムは2〜10重量%の範囲で配合するのが好
ましい。酸化カルシウムはガラスを溶融し易くするとと
もに熱膨張係数を制御するために添加されることが好ま
しく、2重量%より少ないと、歪み点が低くなる。ま
た、酸化マグネシウムは1〜10重量%の範囲で配合す
るのが好ましい。酸化マグネシウムは、ガラスを溶融し
易くするとともに熱膨張係数を制御するために添加され
ることが好ましいが、10重量%を超えるとガラスが失
透し易くなり良くない。
【0053】ガラス材料には、プラズマの放電特性を劣
化させる酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化イットリ
ウムなどの金属酸化物の含有量は5重量%以下であるこ
とが好ましい。
【0054】さらに、ガラス材料中に、酸化チタン、酸
化ジルコニウムなどを含有することができるが、その量
は10重量%未満であることが好ましい。酸化ジルコニ
ウムは、ガラスの軟化点、ガラス転移点および電気絶縁
性を制御するのに効果がある。
【0055】ガラス材料の作製法としては、例えば原料
であるリチウム、珪素、アルミニウム、ホウ素、バリウ
ムなどの化合物を所定の配合組成となるように混合し、
900〜1200℃で溶融後、急冷し、ガラスフリット
にしてから粉砕して1〜5μmの微細な粉末にする方法
が挙げられる。原料には高純度の炭酸塩、酸化物、水酸
化物などが使用できる。また、ガラス材料の種類や組成
によっては99.99%以上の超高純度なアルコキシド
や有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲル法で均質に作製
した粉末を使用すると高電気抵抗で緻密な気孔の少な
い、高強度な隔壁が得られるので好ましい。
【0056】上記において使用されるガラス材料粒子径
は、作製しようとする隔壁の線幅や高さを考慮して選ば
れるが、50重量%粒子径(平均粒子径)が2〜3.5
μm、トップサイズ30μm以下であることが好まし
い。さらに、10重量%粒子径が0.6〜1.5μm、
90重量%粒子径が4〜8μm、比表面積1.5〜2.
5m2/gを有していることが好ましい。より好ましく
は平均粒子径2.5〜3.5μm、比表面積1.7〜
2.4m2/gである。この範囲にあると紫外線露光時
に光が十分に透過し、上下の線幅差の少ない隔壁が得ら
れる。粉末粒子径が2.0μm未満、比表面積が2.5
2/gを超えると、ガラス材料が細かくなり過ぎて露
光時において光が散乱されて非露光部分を硬化すること
がある。
【0057】隔壁用感光性ペースト中のガラス材料の量
は、65〜85重量%であることが好ましい。65重量
%より少ないと、焼成時の収縮率が大きくなり、隔壁の
断線、剥がれの原因となるため好ましくない。またパタ
ーンの太り、現像時の残膜の発生が起こり易い。85重
量%より多いと、感光性有機成分の量が少なくパターン
形成性が悪くなる。
【0058】さらに隔壁用感光性ペースト中に、無機微
粒子としてフィラーを含有させてもよい。その添加量に
よりパターン形成後の焼成時の収縮率をコントロールす
ることができ、パターン形成が容易になる。フィラーと
しては、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸バリウ
ム、ジルコニアなどのセラミックスや高融点ガラスを用
いることができる。高融点ガラス粒子としては、ガラス
転移点が550〜700℃、軟化点が650〜800
℃、25〜400℃で熱膨張係数が35〜75×10-7
/Kのものが好ましく挙げられる。
【0059】該フィラーの添加量は、パターン形状、焼
結性などの点で全無機微粒子の50重量%以下、さらに
は40重量%以下であることが好ましい。
【0060】特に次の粒度分布を有する高融点ガラスや
セラミックス粉末を用いることが隔壁パターンを形成す
る上で好ましい。
【0061】 D10(10体積%粒子径):0.4〜2μm D50(50体積%粒子径、平均粒子径):1〜3μm D90(90体積%粒子径):3〜8μm 最大粒子サイズ:10μm以下 より好ましくは、D90は3〜5μm、最大粒子サイズ
は5μm以下である。
【0062】フィラーは、隔壁パターンの焼成時には溶
融しないで存在するのが通常である。そのため隔壁中
に、元の粒度分布を保持した状態で表面や内部に残存し
ている。したがって、粗大粒子のフィラーが残存すると
ストライプ状の隔壁パターンにおいて、その長手方向に
沿った頂部の表面の凹凸が粗くなり、平坦性が損なわれ
る。その結果、ディスプレイパネルとして誤放電を起こ
し、クロストークや放電特性が低下する原因となること
があるが、フィラーの粒度分布を上記範囲とすることに
よりパネルとして優れた放電特性が得られる。
【0063】例えば、フィラーとして以下の組成を含有
する高融点ガラス粒子を好ましく用いることができる。
【0064】 酸化珪素 25〜50重量% 酸化ホウ素 5〜20重量% 酸化アルミニウム 25〜50重量% 酸化バリウム 2〜10重量% また隔壁用感光性ペースト中に含まれる感光性有機成分
としては、感光性モノマ、感光性オリゴマもしくはポリ
マのうち少なくとも1種から選ばれた感光性成分の他
に、バインダー、光重合開始剤、増感剤、紫外線吸光
剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、酸化防止剤、分散
剤、その他必要に応じて加えられる添加剤等が挙げられ
る。なお感光性モノマおよび感光性オリゴマもしくはポ
リマは混合して用いることができる。
【0065】感光性モノマとしては、活性な炭素ー炭素
二重結合を有する化合物を用いることができるが、官能
基として、ビニル基、アリル基、アクリレート基、メタ
クリレート基、アクリルアミド基を有する単官能および
多官能化合物が応用される。本発明においては、多官能
アクリレート化合物および/または多官能メタクリレー
ト化合物を感光性有機成分中に10〜80重量%含有さ
せることが好ましい。多官能アクリレート化合物または
多官能メタクリレート化合物としては多様な種類の化合
物が開発されているので、それらから反応性、屈折率な
どを考慮して選択することが可能である。
【0066】感光性有機成分の屈折率を制御する方法と
しては、感光性モノマの屈折率を制御する方法が簡便で
あり、好ましい。特に、屈折率1.55〜1.8の感光
性モノマを用いることによって、感光性有機成分の屈折
率を高めることができる。このような屈折率の高い感光
性モノマとしては、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳
香環や硫黄原子を含有する多官能アクリレートもしくは
多官能メタクリレートモノマが好ましく挙げられる。
【0067】その他感光性有機成分として、光反応で形
成される硬化物の物性の向上やペーストの粘度の調整な
どの役割を果たすと共に、未露光部の現像性をコントロ
ールする機能を果たす成分としてオリゴマもしくはポリ
マが用いられる。これらのオリゴマもしくはポリマとし
ては、炭素ー炭素二重結合を有する化合物から選ばれた
成分の重合または共重合により得られた炭素連鎖の骨格
を有するものが挙げられる。共重合するモノマとして
は、不飽和カルボン酸などが有用であり、感光後に未露
光部分をアルカリ水溶液で現像できる感光性ペーストと
することができる。
【0068】不飽和カルボン酸の具体的な例として、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水
物などが挙げられる。
【0069】こうして得られた側鎖にカルボキシル基な
どの酸基を有するオリゴマもしくはポリマの酸価は30
〜150、好ましくは80〜120の範囲になるように
コントロールするのがよい。酸価が150を越えると、
現像許容幅が狭くなる。また、酸価が30以下になると
未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようにな
る。
【0070】本発明においては、分子内にカルボキシル
基と不飽和二重結合を含有する重量平均分子量500〜
5万のオリゴマもしくはポリマを用いることが最も好ま
しいが、不飽和二重結合を導入するには、上記のような
カルボキシル基を側鎖に有するオリゴマもしくはポリマ
に、オリゴマもしくはポリマを感光性にするグリシジル
基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物
や、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドま
たはアリルクロライドを付加反応させる方法を適用する
ことができる。アルカリ水溶液現像性のためのカルボキ
シル基数とオリゴマもしくはポリマを感光性にするエチ
レン性不飽和基数とは、反応条件により自由に選択する
ことができる。特にエチレン性不飽和基によりオリゴマ
もしくはポリマを感光性とし、これを感光性オリゴマ、
ポリマとして好ましく用いることもできる。
【0071】その他、バインダー成分として、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エ
ステル重合体、アクリル酸エステル重合体、それらの共
重合体などを用いることができる。
【0072】上記隔壁用感光性ペーストの感光性有機成
分として含まれる感光性モノマ、感光性オリゴマもしく
はポリマあるいは場合によりバインダーは、いずれも活
性光線のエネルギー吸収能力はないので、光反応を開始
するためには光重合開始剤や増感剤を加える必要があ
る。
【0073】感光性ペーストによるパターン形成は、露
光された部分の感光性成分(モノマ、オリゴマ、ポリ
マ)を重合および架橋させて現像液に不溶性にすること
であり、用いる感光性を示す官能基はラジカル重合性で
あることが好ましいため、光重合開始剤はラジカル種を
発生するものから選んで用いられる。光重合開始剤に
は、1分子系直接開裂型、イオン対間電子移動型、水素
引き抜き型、2分子複合系など機構的に異なる種類があ
るが、本発明における隔壁用感光性ペーストには主とし
て、1分子系直接開裂型から選ばれた化合物を用いるこ
とができる。
【0074】例えば、ベンゾインアルキルエーテルや
α,α−ジメトキシ−α−モルフォリノアセトフェノ
ン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン
などが実用的に用いられる。また、過酸化物、ホスフィ
ンオキシド、硫黄化合物、ハロゲン化合物なども用いら
れる。これらを1種または2種以上使用することができ
る。 隔壁用感光性ペースト中の光重合開始剤は、無機
微粒子の量を考慮して感光性成分に対し5〜20重量%
用いることが好ましい。
【0075】光重合開始剤と共に増感剤を使用し、感度
を向上させたり(化学増感)、反応に有効な波長範囲を
拡大する(分光増感)ことができる。増感剤の作用機構
にも種々のものがあるが、三重項増感剤と称されるもの
が最もよく使われる。それらの中には、炭化水素系化合
物、アミノ・ニトロ化合物、キノン類、キサントン類、
アンスロン類、ケトン類、有機色素類がある。なおこれ
らの中には光重合開始剤としての作用を有するものも含
まれている。本発明で用いる隔壁用感光性ペーストで
は、キサントン類から選ばれた化合物が好ましく使用さ
れるが、具体的には2,4−ジエチルチオキサントン、
イソプロピルチオキサントンなどが例示され、これらは
1種または2種以上使用することができる。
【0076】増感剤を隔壁用感光性ペーストに添加する
場合、無機微粒子の量を考慮して感光性成分に対して2
〜10重量%用いることが好ましい。
【0077】光重合開始剤および増感剤が、少な過ぎる
と十分な感度が得られないが、多くすることによって感
度を高めることは可能であるが、硬化した部分の重合度
合いが十分に高くならず、露光部の残存率が小さくなる
おそれがあり、また、隔壁パターン間での不要な硬化が
発生して残膜が形成されるなどの不都合が起こる。光重
合開始剤と増感剤を適量ずつ使用することが適度の感度
で優れた形状を示す隔壁パターンを形成するのに必要で
ある。
【0078】さらに隔壁用感光性ペーストには、紫外線
吸光剤を添加することが優れた形状のパターン加工のた
めに有効である。紫外光の吸収効果の高い化合物を添加
することによって高アスペクト比、高精細、高解像度が
得られる。紫外線吸光剤としては有機系染料からなるも
の、中でも350〜450nmの波長範囲で高い吸光係
数を有するものが好ましく用いられる。
【0079】具体的にはアゾ系染料、アミノケトン系染
料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アントラキノ
ン系染料、ベンゾフェノン系染料、ジフェニルシアノア
クリレート系染料、トリアジン系染料、p-アミノ安息香
酸系染料などが使用できる。これらの中でも、アゾ系お
よびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機系染料は紫
外線吸光剤として添加した場合にも、焼成後の隔壁中に
残存しないので絶縁特性の低下を少なくできるので好ま
しい。
【0080】紫外線吸光剤としての有機系染料の添加量
は、隔壁用感光性ペースト中に分散される無機微粒子に
対して0.03〜0.5重量%であることが好ましい。
より好ましくは、0.05〜0.2重量%である。この
紫外線吸光剤は、予め有機溶媒に溶解した溶液を作製
し、それをペースト作製時に混練する方法や該溶液中に
無機微粒子を混合し乾燥する方法がある。後者の方法で
は無機微粒子の個々の粒子表面に有機染料膜をコートし
た、いわゆるカプセル状の無機微粒子が作製できる。こ
れにより、無機微粒子の界面における反射が抑制され、
不要な光反応が阻止されるので、パターンの太りや残膜
発生が防止されるものと推定される。
【0081】その他、隔壁用感光性ペーストには必要に
応じて、保存時の熱安定性を向上させるための重合禁止
剤、アクリル系共重合体の酸化を防ぐための酸化防止
剤、誘電体ペーストの説明において挙げた可塑剤などを
加えることができる。
【0082】隔壁用感光性ペーストをガラス基板に塗布
する時の粘度は、塗布方法に応じて有機溶媒により調整
することができる。この時使用される有機溶媒として
は、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、
シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアル
コール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトンなど
やこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が
挙げられる。
【0083】隔壁用感光性ペーストは、通常、無機微粒
子、紫外線吸光剤、感光性モノマ、感光性オリゴマもし
くはポリマ、光重合開始剤、増感剤、その他の添加剤お
よび溶媒などの各種成分を所定の組成となるように調合
した後、3本ローラや混練機で均質に混合分散し作製さ
れる。ペースト粘度はガラス微粒子、感光性成分、増粘
剤、有機溶媒、可塑剤などの添加割合で調整されるが、
その範囲は2000〜20万cps(センチ・ポイズ)
である。例えば、ガラス基板への塗布をスクリーン印刷
法で1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには5万〜
20万cpsが好ましい。スピンコート法には2000
〜5000cps、ブレードコーター法やスリットダイ
コーター法などを用いる場合は1万〜2万cpsが好ま
しい。
【0084】本発明のPDPの製造方法において、隔壁
の形成は次のように行われる。既に記述したように、電
極が形成されたガラス基板上に誘電体層Aが形成され、
その上に感光性誘電体ペーストを塗布・乾燥し、全面露
光して作製した誘電体層Bの塗布膜が形成されている上
に、隔壁用感光性ペースト塗布する。なお各ペーストの
塗布方法としては、スクリーン印刷法、バーコーター
法、ロールコーター法、スリットダイコータ法、ドクタ
ーブレード法など一般的な方法を用いることができる。
【0085】隔壁用感光性ペーストを塗布した後、露光
装置を用いて露光を行う。露光は通常のフォトリソグラ
フィ技術で行われるように、フォトマスクを介して行う
ことができる。この際にフォトマスクを隔壁用感光性ペ
ーストの塗布膜表面に密着する方法あるいは一定の間
隔、例えば50〜150μmをあけて行うプロキシミテ
ィー露光法のいずれを用いてもよい。露光に使用される
活性光線は、紫外線が最も好ましく、その光源として、
例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロ
ゲンランプなどが使用される。超高圧水銀灯を光源とし
た平行光線を用いプロキシミティー露光機を用いるのが
一般的である。露光条件は隔壁用感光性ペーストの塗布
厚みによって異なるが、例えば3〜50mW/cm2
出力の超高圧水銀灯を用いて0.5〜20分間露光を行
うことができる。
【0086】露光後、露光部分と未露光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行うが、この場合、
浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられる。現像
液には、隔壁用感光性ペースト中の有機成分、特に感光
性オリゴマもしくはポリマが溶解可能な溶液を用いる。
本発明において、隔壁用感光性ペーストに好ましく用い
られる感光性オリゴマもしくはポリマはカルボキシル基
を側鎖に有するものであり、アルカリ水溶液で現像する
ことができる。
【0087】アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウムの水溶液などが
使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時
にアルカリ成分を除去し易いので好ましい。有機アルカ
リとしては、一般的なアミン化合物を用いることができ
る。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサ
イド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイ
ド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが
挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は0.05〜2重量
%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5重量%で
ある。アルカリ濃度が低すぎれば可溶部が完全に除去さ
れず、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部のパターンを
剥離させたり、侵食したりするおそれがある。現像時の
温度は、20〜40℃で行うことが工程管理上好まし
い。
【0088】次に隔壁用感光性ペーストの塗布膜から露
光・現像の工程を経て形成された隔壁パターンと、すで
に形成されている誘電体層Bの塗布膜とを次に焼成炉で
同時焼成し、各ペースト中の有機成分を熱分解して除去
し、無機微粒子を溶融させて無機質の隔壁と誘電体層B
を形成する。焼成雰囲気や温度は、ペーストや基板の特
性によって異なるが、空気中の雰囲気で焼成することが
できる。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式
の連続型焼成炉を用いことができる。
【0089】バッチ式の焼成炉を用いる場合は、隔壁パ
ターンが形成されたガラス基板を室温から500℃程度
まで数時間掛けてほぼ等速で昇温した後、焼成温度とし
て設定された550〜600℃に30〜60分間で上昇
させて、15〜30分間保持して焼成を行うことができ
る。本発明では、この焼成過程で誘電体層Bの塗布膜と
隔壁パターンが同時に焼成されて一体化されることが特
徴である。
【0090】焼成温度が高すぎたり、焼成時間が長すぎ
たりすると隔壁の形状にダレなどの欠陥が発生する。ま
た、感光性有機成分に含まれる感光性モノマ、感光性オ
リゴマもしくはポリマ、種々の添加剤の熱分解特性と無
機微粒子の熱特性が不釣り合いになると、隔壁が褐色に
着色したり、隔壁がガラス基板から剥がれたりする欠陥
が発生する。
【0091】以上述べた様に、本発明のPDPの製造方
法においては、誘電体層を2層構造とし、その上層の誘
電体層Bの塗布膜と隔壁パターンとを同時焼成すること
により誘電体層Bと隔壁を一体化するため、基板の反り
や割れを発生することなく、高アスペクト比かつ高精細
の隔壁を、剥がれ等の欠点を生じるることなく高い歩留
まりで形成することができるので、優れた特性を有する
プラズマディスプレイを製造することができる。
【0092】以下に本発明を実施例を用いて具体的に説
明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例中の濃度は断りのない場合は重量%で
ある。
【0093】
【実施例】予めa〜cの手順で、電極形成ガラス基板、
有機ビヒクル、紫外線吸光剤を添加した無機微粒子を用
意し各実施例を行った。
【0094】a.電極形成ガラス基板の作製 感光性銀ペーストを用いて、ピッチ150μm、線幅4
0μmのストライプ状電極パターン(銀含有量:97
%、ガラスフリット;3%)を形成した300mm角の
ガラス基板(旭硝子社製PD−200)を、空気中で5
90℃、30分間焼成し、電極を形成した。この電極の
厚みは4.5μmであった。
【0095】b.有機ビヒクルの作製 (1)非感光性誘電体ペーストの有機ビヒクル(ビヒク
ルAと呼ぶ)調製 エチルセルロース60gをテルピネオール940gに8
0℃で溶解し、固形分がなくなるまで攪拌して調製し
た。
【0096】(2)感光性誘電体ペースト用の有機ビヒ
クル(ビヒクルBと呼ぶ)調製 感光性ポリマ(X−4007)150g、光重合開始剤
(Irgacure−369)30gをγ−ブチロラク
トン300gに加熱攪拌溶解し、その後、400メッシ
ュのフィルターで濾過して調製した。
【0097】(3)隔壁用感光性ペースト用の有機ビヒ
クル(ビヒクルCと呼ぶ)調製 感光性ポリマ(X−4007)150g、感光性モノマ
(MGP400)100g、光重合開始剤(Irgac
ure−369)30g、増感剤(DETX−S)20
gをγ−ブチロラクトン300gに加熱攪拌溶解し、そ
の後、400メッシュのフィルターで濾過して調製し
た。
【0098】なお各ビヒクルにおける略号は次のものを
意味するものとする。
【0099】X−4007:40%メタクリル酸、30
%メチルメタクリレート、30%スチレンからなる共重
合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジル
メタクリレートを付加反応させた重量平均43,00
0、酸価95の感光性ポリマ。
【0100】MGP400: X2N −CH(CH3) −CH2 −(OCH2CH(CH3))n−NX2 X :−CH2CH(OH) −CH2O−CO−C(CH3)=CH2 n:2〜10 Irgacure369 :チバガイギー社製品 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフ
ォリノフェニル)ブタノン−1 DETX−S:2,4−ジエチルチオキサントン c.紫外線吸光剤添加粉末の作製 無機微粒子として次のものを用意した。
【0101】(1)誘電体ペースト用ガラス粉末(1) 使用したガラス粉末の組成(以後、酸化物表記で表す)
は、酸化ビスマス:60%、酸化珪素:10%、酸化ホ
ウ素:12%、酸化アルミニウム:3%、酸化亜鉛:1
0%、酸化ジルコニウム:5%であった。粉末の粒度
は、平均粒子径:1.7μm、10重量%粒子径:0.
8μm、90重量%粒子径:5.0μmの非球状粉末
で、ガラス転移点:484℃、軟化点:524℃、熱膨
張係数:77×10-7/Kであった。
【0102】(2)誘電体ペースト用ガラス粉末(2) 使用したガラス粉末の組成は、酸化ビスマス:39%、
酸化珪素:7%、酸化ホウ素:19%、酸化アルミニウ
ム:3%、酸化亜鉛:20%、酸化バリウム:12%で
あった。粉末粒度は、平均粒子径:2.5μm、10重
量%粒子径:1.1μm、90重量%粒子径:3.8μ
mの非球状粉末で、ガラス転移点:477℃、軟化点:
516℃、熱膨張係数:75×10-7/Kであった。
【0103】(3)誘電体ペースト用無機微粒子 使用した無機微粒子は、上記の誘電体ペースト用ガラス
粉末(1) を用い、この粉末に対して15重量%添加した
もので、平均粒子径0.24μmのルチル型チタニア
(R550:石原産業(株)製)を用いた。
【0104】(4)感光性誘電体ペースト用ガラス粉末 上記の誘電体ペースト用ガラス粉末(2) と同じ粉末を用
いた。
【0105】(5)隔壁用感光性ペースト用ガラス粉末 使用したガラス粉末の組成は、酸化リチウム:7%、酸
化珪素:23%、酸化ホウ素:33%、酸化バリウム:
4%、酸化アルミニウム20%、酸化亜鉛:2%、酸化
マグネシウム:6%、酸化カルシウム:5%であった。
平均粒子径:2.5μm、10重量%粒子径:0.9μ
m、90重量%粒子径:7.2μm、トップサイズ:2
2μmの非球状粉末で、ガラス転移点:489℃、軟化
点:528℃、熱膨張係数:75×10-7/K、屈折率
は1.58であった。
【0106】(6)隔壁用感光性ペースト用無機微粒子 使用した無機微粒子は、上記の隔壁用感光性ペースト用
ガラス粉末とこの粉末に対して20重量%の高融点ガラ
スのフィラーを含有するものとした。
【0107】高融点ガラスフィラーの組成は、酸化珪
素:38%、酸化ホウ素:10%、酸化アルミニウム:
35%、酸化亜鉛:2%、酸化マグネシウム:5%、酸
化カルシウム:5%、酸化バリウム:5%であった。粉
末の粒度は、平均粒子径:1.5μm、10重量%粒子
径:0.8μm、90重量%粒子径:4.8μmの非球
状粉末で、ガラス転移点:653℃、軟化点:778
℃、熱膨張係数:41×10-7/K、屈折率は1.59
であった。
【0108】上記無機微粒子に対して、紫外線吸光剤
(スダンIV:東京化成工業(株))を0.1重量%の量
を秤量し、イソプロピルアルコールに溶解させた溶液に
分散剤を加えてホモジナイザで均質に攪拌した。次に、
この溶液中に無機微粒子を所定の量添加して均質に分散
・混合後、乾燥して、溶剤を蒸発させた。こうして、紫
外線吸光剤を無機微粒子表面に均質コーティングした粉
末を作製した。
【0109】実施例1 ビヒクルAの溶液200g(エチルセルロース濃度6
%)に(3)誘電体用ペースト用無機微粒子55gおよ
び増粘剤を3本ロールで混練して、非感光性誘電体ペー
ストを得た。この非感光性誘電体ペーストを電極が形成
されたガラス基板上にスクリーン印刷法により乾燥厚み
20μmになるように塗布し、80℃で40分間乾燥し
た。次いで空気中で570℃、30分間焼成して誘電体
層Aを形成した。誘電体層Aの焼成後の厚みは15μm
であった。
【0110】次に、ビヒクルBの溶液30g(感光性有
機成分濃度37.5%)と(4)感光性誘電体ペースト
用ガラス粉末80gを混合し、3本ロールで混練して、
感光性誘電体ペーストを得た。
【0111】このペーストの粘度はγ−ブチロラクトン
の量によって調整した。誘電体層Aの上に感光性誘電体
ペーストをスクリーン印刷法で乾燥厚さ15μm(焼成
後は4.5μm)になるように塗布し、80℃で40分
間乾燥した後、全面に超高圧水銀灯の紫外線を照射し
て、3J/cm2の露光量を与えて、誘電体層Bの前駆
体状膜を得た。
【0112】次に、ビヒクルCの溶液55g(感光性有
機成分濃度47.4%)と(6)隔壁用感光性ペースト
用無機微粒子60gの割合で混合し、3本ロールで混練
して、隔壁用感光性ペーストを得た。このペーストの粘
度はγ−ブチロラクトンの量によって調整した。隔壁用
感光性ペーストはスクリーン印刷法により誘電体層Bの
前駆体状膜の上に塗布した。塗布膜にピンホールなどの
発生を回避するために塗布・乾燥を数回繰り返し行い、
乾燥厚みが180μmになるように塗布した。途中の乾
燥は80℃で10分間ずつ行った。所定の厚みに塗布し
た後、80℃で40分間乾燥した。この隔壁用感光性ペ
ースト塗布膜にプラズマディスプレイ用の隔壁パターン
形成を目的としたフォトマスク(ストライプ状パター
ン、ピッチ150μm、線幅20μm)を介してプロキ
シミティ露光を行った。20mW/cm2出力の超高圧
水銀灯で1J/cm2の露光を行った。
【0113】その後、35℃に保持したモノエタノール
アミンの0.3%水溶液を120秒間シャワーすること
により現像し、シャワースプレーで水洗浄した。これに
より隔壁パターンが形成され、未露光部のペースト膜が
現像で除去された部分には誘電体層Bの前駆体状膜表面
が露出した。
【0114】隔壁パターンと誘電体層Bの前駆体状膜の
同時焼成は、空気中570℃で30分間行った。電子顕
微鏡で観察した隔壁の高さは140μmであり、線幅
(半値幅)は33μmであった。隔壁の剥がれ、基板の
反りなどの欠陥は観察されなかった。
【0115】実施例2 感光性誘電体ペーストにチタニアをガラス粉末に対して
15重量%添加した他は実施例1を繰り返した。最終焼
成で得られた基板の隔壁底部が白色を呈し、ディスプレ
イの輝度の向上に効果を示すことができた。さらに、フ
ィラーの添加により、塗布膜の厚み収縮率が低下した。
【0116】実施例3 感光性誘電体ペーストの成分として感光性モノマ(MG
P400)をビヒクルBの作製の際に5g添加した他は
実施例1を繰り返し、実施例1と同様に剥がれのない隔
壁が形成できた。
【0117】比較例1 感光性誘電体ペーストのビヒクルとして、ビヒクルBで
なく、ビヒクルAを用いた以外は実施例1と同様に隔壁
を形成したところ、隔壁焼成後、誘電体層Aと誘電体層
Bとの界面で剥離が発生し、プラズマディスプレイ用隔
壁として使用できなかった。
【0118】比較例2 感光性誘電体ペーストを塗布・乾燥後、全面露光処理を
行わなかった以外は実施例1と同様に隔壁を形成したと
ころ、隔壁ペースト塗布膜の現像時に、隔壁と誘電体層
Bの界面での剥離が発生し、プラズマディスプレイ用隔
壁として使用できなかった。
【0119】
【発明の効果】本発明のPDPの製造方法は、電極が形
成されたガラス基板上に、誘電体ペーストを塗布後、焼
成して誘電体層を形成し、次いで感光性誘電体ペースト
を塗布し露光して形成した塗布膜上に、隔壁用感光性ペ
ーストを用いて隔壁パターンを形成した後、前記塗布膜
と隔壁パターンを同時に焼成することを特徴とするもの
であるため、基板の反りや割れを発生することなく、高
アスペクト比かつ高精細の隔壁を、剥がれ等の欠点を生
じることなく高い歩留まりで形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 7/40 521 7/40 521

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極が形成されたガラス基板上に、誘電体
    ペーストを塗布後、焼成して誘電体層を形成し、次いで
    感光性誘電体ペーストを塗布し露光して形成した塗布膜
    上に、隔壁用感光性ペーストを用いて隔壁パターンを形
    成した後、前記塗布膜と隔壁パターンを同時に焼成する
    ことを特徴とするプラズマディスプレイの製造方法。
  2. 【請求項2】前記誘電体ペーストが、有機成分および無
    機微粒子を必須成分とすることを特徴とする請求項1記
    載のプラズマディスプレイの製造方法。
  3. 【請求項3】前記有機成分がセルロース系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイの
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記感光性誘電体ペーストが、感光性有機
    成分および無機微粒子を必須成分とすることを特徴とす
    る請求項1〜3いずれか1項記載のプラズマディスプレ
    イの製造方法。
  5. 【請求項5】前記隔壁用感光性ペーストが、感光性有機
    成分および無機微粒子を必須成分とすることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれか1項記載のプラズマディスプレ
    イの製造方法。
  6. 【請求項6】前記誘電体ペーストが、無機微粒子として
    ガラス転移点450〜550℃、軟化点500〜600
    ℃であるガラス材料を含むことを特徴とする請求項2〜
    5いずれか1項記載のプラズマディスプレイの製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記ガラス材料が、酸化物表記で、 酸化ビスマス 10〜85重量% 酸化珪素 3〜50重量% 酸化ホウ素 5〜40重量% 酸化亜鉛 4〜40重量% 酸化ジルコニウム 3〜10重量% の組成からなるものを含有し、アルカリ金属を実質的に
    含有しないことを特徴とする請求項6記載のプラズマデ
    ィスプレイの製造方法。
  8. 【請求項8】前記誘電体ペースト中の無機微粒子が、ガ
    ラス転移点450〜550℃、軟化点500〜600℃
    であるガラス材料を50〜90重量%、フィラーを10
    〜50重量%含有することを特徴とする請求項1〜7の
    いずれか1項記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  9. 【請求項9】前記誘電体ペーストが含有するフィラー
    が、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸バリウム、
    ジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一種であ
    ることを特徴とする請求項8記載のプラズマディスプレ
    イの製造方法。
  10. 【請求項10】前記感光性誘電体ペーストが、無機微粒
    子としてガラス転移点450〜550℃、軟化点500
    〜600℃であるガラス材料を含むことを特徴とする請
    求項4〜9いずれか1項記載のプラズマディスプレイの
    製造方法。
  11. 【請求項11】前記ガラス材料が、酸化物表記で 酸化ビスマス 10〜85重量% 酸化珪素 3〜50重量% 酸化ホウ素 5〜40重量% 酸化亜鉛 4〜20重量% 酸化ジルコニウム 3〜10重量% の組成からなるものを含有し、アルカリ金属を実質的に
    含有しないことを特徴とする請求項10記載のプラズマ
    ディスプレイの製造方法。
  12. 【請求項12】前記感光性誘電体ペースト中の無機微粒
    子が、ガラス転移点450〜550℃、軟化点500〜
    600℃であるガラス材料を50〜90重量%、フィラ
    ーを10〜50重量%含有することを特徴とする請求項
    4〜11いずれか1項記載のプラズマディスプレイの製
    造方法。
  13. 【請求項13】前記感光性誘電体ペーストが含有するフ
    ィラーが、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸バリ
    ウム、ジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項12記載のプラズマデ
    ィスプレイの製造方法。
  14. 【請求項14】前記隔壁用感光性ペーストが、無機微粒
    子として屈折率1.5〜1.8のガラス材料を含むこと
    を特徴とする請求項5〜13いずれか1項記載のプラズ
    マディスプレイの製造方法。
  15. 【請求項15】前記ガラス材料が下記組成からなるもの
    を含むことを特徴とする請求項14記載のプラズマディ
    スプレイの製造方法。 酸化リチウム 3〜10重量% 酸化珪素 10〜30重量% 酸化ホウ素 20〜40重量% 酸化バリウム 2〜15重量% 酸化アルミニウム 6〜25重量%
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