JP2000158813A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JP2000158813A
JP2000158813A JP10338160A JP33816098A JP2000158813A JP 2000158813 A JP2000158813 A JP 2000158813A JP 10338160 A JP10338160 A JP 10338160A JP 33816098 A JP33816098 A JP 33816098A JP 2000158813 A JP2000158813 A JP 2000158813A
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heat
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JP10338160A
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English (en)
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Yasuhisa Sano
泰久 佐野
Makoto Ono
誠 大野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印画によるサーマルヘッドの摩耗が少なく、
かつ印画適性に優れた感熱記録材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に感熱記録層及び保護層を順次
段けた感熱記録材料において、該保護層のダイナミック
硬度値が120℃で40以上である。保護層が無機微粒
子とバインダーとを含み、該無機微粒子とバインダとの
比率がバインダー100重量部に対し無機微粒子が10
0重量部以上であることが望ましく、保護層上に潤滑剤
とバインダーとを主成分とする潤滑層を設けることがで
き、また、無機微粒子がシリカであることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱記録材料に開
し、特に印画によるサーマルヘッドの摩耗が少なく、か
つ印画適性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方法は、(1)現像が不要であ
る、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、
(3)取扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡単で安価である、(6)記録時の騒
音が無い等の利点があるためファクシミリやプリンター
の分野、POS等のラベル分野等に用途が拡大してい
る。
【0003】このような背景のもと、近年においては画
像をオーバーヘッドプロジェクターで投影したり、直接
ライトテーブル上で観察したりするために、サーマルヘ
ッドで直接記録することのできる透明な感熱記録材料も
開発されている。具体的には、合成高分子フィルム等の
透明な支持体上に、実質的に無色の発色成分Aと、該発
色成分Aと反応して発色させる実質的に無色の呈色成分
Bを、結着剤中に微粒子状に分散させたり、一方をマイ
クロカプセル化すると共に他方を乳化物の形で使用した
感熱記録層を設けたものが提案され、あるいは実用化さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の如き透
明感熱記録材料は、透明性は良好であるが、感熱プリン
ター等の感熱記録装置で印字するとスティッキングや騒
音が発生しやすいという問題点が有る。そこで感熱記録
層上に顔料とバインダーを主成分とする保護層を設ける
という提案がなされている。しかしながら、顔料とバイ
ンダーを主成分とする保護層によりスティッキングや騒
音の発生を問題の無いレベルにまで改良するためには、
保護層中に占める顔料成分の比率を高くする、好ましく
は保護層中に含まれるバインダー成分と同量以上にする
必要があり、透明性の利点を損なう問題がある。また、
従来の不透明な感熱記録材料においても、保護層中に占
める顔料成分の比率が高くなると記録画像がボケて鮮鋭
さに欠ける、発色濃度が低下する等の問題点があった。
この問題点については、保護層中に適切なワックスを含
有させて顔料成分の比率を下げるという提案がなされて
いる。
【0005】しかしながら、いずれにせよ顔料の多い保
護層を用いる場合には、印画によるサーマルヘッドの摩
耗を避けることが困難である。また、サーマルヘッドの
摩耗により、印画画像のかすれ、ヘッド切れ等が生じる
という問題点がある。一方、顔料を含まないあるいは顔
料の少ない保護層の場合には、前述のようにスティッキ
ングや騒音が発生しやすいという問題点が有る。本発明
の目的は、印画によるサーマルヘッドの摩耗が少なく、
かつスティッキングや騒音が発生しにくく、優れた印画
画像を得ることができる感熱記録材料を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、支持体上に感熱記録層及び保護層を順次段けた感熱
記録材料において、該保護層のダイナミック硬度値が1
20℃で40以上であることを特徴とする感熱記録材料
により達成された。ここでダイナミック硬度値は次のよ
うに定義される。稜間角115度の三角錘圧子に荷重P
(g重)をかけたときの侵入深さをD(μm)としたと
きのダイナミック硬度DHは、DH=37.838P/
2 で表される。このダイナミック硬度は、たとえば島
津製作所製ダイナミック超微小硬度計DUH−200型
で測定される。通常サーマルヘッドでの記録を好適なも
のにするためには、保護層中に多量の顔料成分を含有す
る必要に迫られる。その結果保護層の透明性が低下した
り、画像がボケたり発色濃度が低下するという問題があ
った。さらには、印画によってサーマルヘッドが摩耗す
るという問題点もある。本発明者らは鋭意検討した結
果、印画時のように感熱記録材料が加熱される条件下で
の保護層の変形を抑えることにより、印画によるサーマ
ルヘッドの摩耗が少なくかつ記録に適した感熱記録材料
が得られることを見いだした。このためには、該保護層
のダイナミック硬度値が120℃で40以上であること
が必要である。
【0007】
【発明の実施の形態】(保護層)本発明において、感熱
記録層上に設けられる保護層のダイナミック硬度値が1
20℃で40以上であることが必要であるが、このダイ
ナミック硬度は圧子を押し込んでいく過程の荷重と押込
み深さから得られる硬さであって、試料(保護層)の塑
性変形だけではなく、弾性変形を含んだ状態での材料強
度特性を表すものと考えられる。このダイナミック硬度
は40未満であると、サーマルヘッドに汚れが付着して
摩耗も多くなり、またスティッキングも生じやすい。
【0008】保護層を上記のような範囲のダイナミック
硬度とするためには、例えば、保護層を構成するバイン
ダーの種類、無機微粒子の種類、バインダーと無機微粒
子の配合割合、保護層に添加される硬膜剤の添加量等、
その他があるが、バインダーと無機微粒子の配合割合に
関しては、例えば、無機微粒子とバインダーの比率がバ
インダー100重量部に対し無機微粒子が100重量部
以上、好ましくは200重量部以上900重量部以下と
することにより達成される。ただし本発明の保護層のダ
イナミック硬度を40以上とする方法は、前記の方法に
限定されるものではない。
【0009】保護層に使用されるバインダー成分として
のポリマーの具体的としては、保護層の透明性を良好な
ものとする上から、特に完全鹸化ポリビニルアルコー
ル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、シリカ変性
ポリビニルアルコール、セルロース誘導体類、アクリル
系ポリマー類、スチレンアクリルコポリマー類等が好ま
しい。また、保護層に使用される無機微粒子としては、
酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、リトポン、タルク、カオリン、水酸化アルミニウ
ム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ等の顔料が挙げら
れるが、これらに限定されるものではなく、また、数種
類の顔料を併用することもできる。これらの顔料の平均
粒径は、2nm〜100nm、好ましくは2nm〜50
nmである。サーマルヘッドとのマッチング性の向上、
スティンキング防止しつつ、保護層の透明性を良好なも
のとする点からは、平均粒径が2nm〜20nm程度の
顔料が好ましくは、特にコロイダルシリカが好適であ
る。
【0010】さらに保護層には公知の硬膜剤、金属石鹸
等が含有されてよい。硬膜剤には、ジオール化合物、ア
ルデヒド化合物、ほう酸、ほう砂、多官能イソシアネー
ト、アルコキシラン等が挙げられ、アルデヒド化合物に
は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;
グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアル
デヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルテヒド
等のジアルデヒド類;ケトン・アルデヒド樹脂等が挙げ
られる。また、ジオール化合物には、ケテンダイマー、
ジメチロール尿素、1−メチル−1,4−ジオキサン−
2,3−ジオール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオ
ール、エチレングリコール、シクロヘキサンジオール、
ジエチレングリコール等が挙げられる。さらにアルコキ
シランには、テトラエトキシシラン等が挙げられる。こ
れらの硬膜剤の中で、大きなダイナミック硬度が得られ
る点からほう酸が好適である。硬膜剤の配合量として
は、特に制限はないが、通常、乾燥重量で、0.01〜
10g/m2 、好ましくは0.3〜2g/m2 程度の範
囲で用いられる。
【0011】金属石鹸には、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等の高級
脂肪酸金属塩のエマルジョン等があり、保護層全重量の
0.5〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の割合
で添加される。
【0012】また、保護層を感熱記録層上に均−に形成
させるために、保護層形成用塗布液には界面活性剤を添
加することができる。界面活性剤にはスルホこはく酸系
のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性剤等があり、具
体的にはジ−(2−エチルヘキシル)スルホこはく酸、
ジ−(n−ヘキシル)スルホこはく酸等のナトリウム塩
またはアンモニウム塩が挙げられる。また保護層の中に
は、感熱記録材料の帯電を防止するための界面活性剤、
無機電解質、高分子電解質等を添加してもよい。保護層
の固形分塗布量は0.2 〜7g/m2 更に好ましくは
1〜4g/m2であり、したがって、保護層の厚みは、
0.5μm以上、3.5μm以下が好ましい。
【0013】(潤滑層)この保護層の上に、潤滑剤とバ
インダーを主成分とする潤滑層を設けることにより、ヘ
ッド摩耗および印画適性はさらに改善される。潤滑層の
厚さは1.0μm以下が好ましい。また、この潤滑層に
も保護層よりも少ない割合で無機微粒子を含有させるこ
とができる。例えば、潤滑層のバインダー100重量部
に対して、無機微粒子が2重量部以上、50重量部以下
が望ましい。また、潤滑層に用いられるバインダー成分
のポリマーとしては、保護層と同様なポリマーが好まし
く、無機微粒子も保護層に用いられる顔料と同様でよ
い。したがって、最も好ましいバインダー成分のポリマ
ーと顔料の組み合わせは、上記した変性ポリビニルアル
コールとコロイダルシリカとの併用である。潤滑剤とし
ては、シリコーンオイル、フルオロアルキル脂肪酸類の
ようなフッ素系潤滑剤、融点30℃以上の高級脂肪酸誘
導体等が挙げられる。高級脂肪酸誘導体としては、高級
アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪
酸エステル、高級脂肪酸グリセライドが挙げられる。高
級脂肪酸としてはステアリン酸等が、高級脂肪酸金属塩
としてはステアリン酸亜鉛等が、高級脂肪酸エステルと
してはステアリン酸メチル等が、高級脂肪酸グリセライ
ドとしてはステアリン酸グリセリル等が挙げられる。こ
れらの潤滑剤は潤滑層全重量の5〜90重量%、好まし
くは30〜90重量%が添加される。また、硫化ノリブ
デン、四フッ化エチレンのような固体潤滑剤を用いるこ
ともできる。
【0014】また、本発明において、保護層上に、本発
明の効果を損なわない範囲内で設けてもよく、その場合
保護層、潤滑層を一体としてのダイナミック硬度値が4
0以上であることが望ましい。
【0015】(感熱記録層)次に本発明の感熱記録材料
における感熱記録層について説明する。本発明の感熱記
録材料の感熱記録層は加熱により呈色する性質を有する
いかなる組成のものでも使用できる。このような感熱記
録層としては、実質的に無色の発色成分Aと、該発色性
分Aと反応して発色する実質的に無色の呈色成分Bを含
有する、いわゆる二成分型感熱記録層が挙げられる。
【0016】これらの組合せとしては下記(ア) 〜
(ス) のようなものを挙げることができる。 (ア) 光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せ。 (イ) 電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合
せ。 (ウ) ベヘン酸銀、ステアリン酸銀のような有機金属塩
とプロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン
のような還元剤との組合せ。 (エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄のよう
な長鎖脂肪族塩と没良子酸、サリチル酸アンモニウムの
ようなフェノール類との組合せ。 (オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸などのニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウムのようなアルカリ土類金属硫化物との組合
せ、または前記有機酸重全属塩と、S−ジフェニルカル
バジド、ジフェニルカルバゾンのような有機キレート剤
との組合せ。 (カ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の
(重)金属硫酸塩とNa−テトラチオネート、チオ硫酸
ソーダ、チオ尿素のような硫黄化合物との組合せ。
【0017】(キ)ステアリン酸第二鉄のような脂肪族
第二鉄塩と3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン
のような芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀のような有機貴全属塩
と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコー
ルのような有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄のような
脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセ
シルカルバミド誘導体との組合せ。 (コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛のよ
うな有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチ
オ尿素のようなチオ尿素誘導体との組合せ。 (サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅のような高
級脂肪酸重金属塩とジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
との組合せ。 (シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのような
オキサジン染料を形成する物。 (ス)ボルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との
組合せ。 これらのなかでも、本発明においては(ア)の光分解性
ジアゾ化合物とカプラーの組合せ、(イ)の電子供与性
染料前駆体と電子受容性化合物の組合せ、(ウ)の有機
金属塩と還元剤の組合せが好ましく、特に(ア)及び
(イ)の場合が好ましい。
【0018】−ロイコ色素型− 電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合せを使
用した感熱記録層について説明する。本発明で使用する
電子供与性染料前駆体は実質的に無色であるものであれ
ば特に限定されるものではないが、エレクトロンを供与
して、あるいは酸等のプロトンを受容して発色する性質
を有するものであってラクトン、ラクタム、サルトン、
スピロピラン、エステル、アミド等の部分骨格を有し、
顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開環もしくは開裂
する略無色の化合物が好ましい。
【0019】電子供与性染料前駆体の例としては、トリ
フェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合
物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化
合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム
系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系
化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物な
ど各種の化合物がある。フタリド類の具体例は米国再発
行特許明細書第23,024号、米国特許明細書第3,
491,111号、同第3,491,112号、同第
3,491,116号および同第3,509,174
号、フルオラン類の具体例は米国特許明細書第3,62
4,107号、同第3,627,787号、同第3,6
41,011号、同第3,462,828号、同第3,
681,390号、同第3,920,510号、同第
3,959,571号、スピロジピラン類の具体例は米
国特許明細書第3,971,808号、ピリジン系およ
びピラゾン系化合物類は米国特許明細書第3,775,
424号、同第3,853,869号、同第4,24
6,318号、フルオレン系化合物の具体例は特願昭6
1−240989号等に記載されている。
【0020】このうち特に黒発色の2−アリールアミノ
−3−H、ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置
換アミノフルオランが有効である。具体例としてたとえ
ば2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−Nシクロヘキ
シル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロア
ニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6ジオクチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチ
ル−N−イソアミルデミノフルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−ジブチ
ルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−3−エ
チル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラ
ン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノ
フルオラン、2−アニリノ−3−ペンダデシル−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−
6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−
3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−
N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−
エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−
プロポキシプロピルアミノフルオランなどが挙げられ
る。
【0021】これらの電子供与性染料前駆体に対する電
子受容性化合物としては、フェノール化合物、有機酸も
しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物
質が用いられ、その具体例は例えば特開昭61−291
183号に記載されている。電子受容性化合物の例とし
ては、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(一般名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ぺ
ンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オ
クタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−
2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス
(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−
ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビス
フェノール類、3,5−ジーα−メチルベンジルサリチ
ル酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3
−α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p
−メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチ
ル酸誘導体、またはその多価金属塩(特に亜鉛、アルミ
ニウムが好ましい)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル
エステル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシ
ルエステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチ
ル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類、p−フェ
ニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミ
ルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ
ージフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェ
ノキシージフェニルスルフォン等のフェノール類が挙げ
られる。このなかで発色性向上の目的にはビスフェノー
ル類が好ましい。顕色剤は発色剤の50〜800重量%
使用することが好ましく、さらに好ましくは100〜5
00重量%である。また上記の顕色剤を2種以上併用し
てもよい。
【0022】−ジアゾ型− 次に光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの組合せを使用
した感熱記録層について説明する。本発明で使用する光
分解性ジアゾ化合物とは後述するカップリング成分と呼
ばれる顕色剤と反応して所望の色相に発色するものであ
り、反応前に特定波長の光を受けると分解し、もはやカ
ップリング成分が作用しても発色能力を持たなくなる光
分解性ジアゾ化合物である。この発色系における色相は
ジアゾ化合物とカップリング成分が反応して生成したジ
アゾ色素により決定される。従って、良く知られている
ようにジアゾ化合物の化学構造を変えるか、カップリン
グ成分の化学構造を変えれば容易に発色色相をかえるこ
とができ、組み合わせ次第で略任意の発色色相を得るこ
とができる。
【0023】本発明における光分解性ジアゾ化合物とは
主に芳香族ジアゾ化合物を指し、具体的には芳香族ジア
ゾニウム塩、ジアゾスルフォネート化合物、ジアゾアミ
ノ化合物を指す、ジアゾニウム塩は一般式ArN2 +
- で示される化合物である。(式中、Arは置換された
あるいは無置換の芳香族部分を表し、N2 + はジアゾニ
ウム基を、X- は酸アニオンを表す。ジアゾスルフォネ
ート化合物は多数のものが知られており、各々のジアゾ
ニウム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られる。ジ
アゾアミノ化合物はジアゾ基をジシアンジアミド、サル
コシン、メチルタウリン、N−エチルアントラニックア
シッド−5−スルフォニックアシッド、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、グアニジン等でカップリ
ングさせて得られる。これらのジアゾ化合物の詳細は例
えば特開平2−136286号等に記載されている。
【0024】本発明に用いられるジアゾ化合物とカップ
リングして反応させるカップリング成分は通常カプラー
と呼称され、例えば2−ヒドロキシー3−ナフトエ酸ア
ニリドの他、レゾルシンを初めとして特開昭62−14
6678号に記載されているものを挙げることができ
る。本発明においてジアゾ化合物とカップリング成分の
組み合わせを用いる場合、カップリング反応が塩基性雰
囲気で起こりやすいため、増感剤として塩基性物質を添
加してもよい。塩基性物質としては水不溶性または難溶
性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生する物質が
用いられる。それらの例としては無機および有機アンモ
ニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿素および
その誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン
類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール類、イミ
ダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルフ
ォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォリムアジン
類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられる、これら
の具体例は例えば特開昭61−291183号等に記載
されている。
【0025】本発明において、感熱記録材料の(拡散透
過率/全光透過率)×100(%)で表されるヘイズ値
を低くするためには、電子供与性染料前駆体と電子受容
性化合物の組合せ、または光分解性ジアゾ化合物とカプ
ラーとの組合せが好ましく、かつそれぞれ光分解性ジア
ゾ化合物、電子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化
して使用することが好ましい。
【0026】−マイクロカプセル− 本発明で使用するマイクロカプセルの製造には、界面重
合法、内部重合法、外部重合法のいずれの方法も採用す
ることができるが、特に、電子供与性染料前駆体、光分
解性ジアゾ化合物等を含有した芯物質を、水溶性化合物
を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に高
分子物質の壁を形成させる界面重合法を採用することが
好ましい。
【0027】高分子を形成するリアクタントは、油滴の
内部および/又は油滴の外部に添加される。高分子物質
の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共
重合体等が挙げられる。好ましい高分子物質はポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネートであり、特に好ましくは、ポリウレタン及び
ポリウレアである、高分子物質は2種以上併用すること
もできる。前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が
挙げられる。
【0028】例えば、ポリウレアをカプセル壁材として
用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジンもしくはその誘導体また
はポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって
反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成
させることができる。
【0029】また、例えばポリウレアとポリアミドから
なる複合壁もしくはポリウレタンとポリアミドからなる
複合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライトも
しくはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳
化媒体のpHを調整した後、加温することにより調整す
ることができる。これらのポリウレアとポリアミドから
なる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−
66948号公報に記載されている。
【0030】また、本発明で使用するマイクロカプセル
壁には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の荷
電調節剤、あるいはその他任意の添加物質を加えること
ができる。これらの添加剤は壁形成時または任意の時点
でカプセルの壁に含有させることができる。また必要に
応じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、ビニ
ルモノマー等のモノマーをグラフト重合させてもよい。
【0031】本発明では、マイクロカプセル壁をより低
温で物質透過性にするため、マイクロカプセル壁として
用いるポリマーに適合した可塑剤の中から、好ましくは
融点が50℃以上、好ましくは120℃以下で常温では
固体であるものを選択してもちいることができる。例え
ば、壁材が、ポリウレア、ポリウレタンからなる場合
は、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、
芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、
脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好適に
用いられる。
【0032】−乳化分散− 本発明においては、顕色剤は水に難溶性または不溶性の
有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活性剤を含有す
る水溶性高分子を保護コロイドとして有する水相と混合
し、乳化分散した分散物の形で使用する。乳化分散に使
用される有機溶剤としては、高沸点オイルの中から適宜
選択することができる。なかでも好ましいオイルとして
は、エステル類の他、ジメチルナフタレン、ジエチルナ
フタレン、ジイソプロピルナフタレン、ジメチルビフェ
ニル、ジイソプロピルビフェニル、ジイソブチルビフェ
ニル、1−メチル−1−ジメチルフェニル−2−フェニ
ルメタン、1−エチル−1−ジメチルフェニル−1−フ
ェニルメタン、1−プロピル−1−ジメチルフェニル−
1−フェニルメタン、トリアリルメタン(例えば、トリ
トルイルメタン、トルイルジフェニルメタン)、ターフ
ェニル化合物(例えばターフェニル)、アルキル化合
物、アルキル化ジフェニルエーテル(例えば、プロピル
ジフェニルエーテル)、水添ターフェニル(例えば、ヘ
キサヒドロターフェニル)、ジフェニルエーテル等が挙
げられる。これらの中でも特にエステル類を使用するこ
とが、乳化分散物の乳化安定性の観点から好ましい。
【0033】エステル類としては、燐酸エステル類(例
えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチ
ル、燐酸オクチル、燐酸クレジルフェニル)、フタル酸
エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘ
キシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸
ブチルベンジル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、
安息香酸エステル(安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸
ベンジル)、アビエチン酸エステル(アビエチン酸エチ
ル、アビエチン酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、
コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ
酸エステル(シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチ
ル)、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル(マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチ
ル)、クエン酸トリブチル、ソルビン酸エステル(ソル
ビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチ
ル)、セバシン酸エステル(セバシン酸ジブチル、セバ
シン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類
(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル
及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステ
ル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステア
リン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエ
ステル及びジエステル)、トリアセチン、炭酸ジエチ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
ほう酸エステル(ほう酸トリブチル、ほう酸トリペンチ
ル)等が挙げられる。このなかでも特に燐酸トリクレジ
ルを単独または混合してもちいた場合には、乳化物の安
定性が最も良好であり好ましい。上記のオイルどうしま
たは他のオイルとの併用も可能である。
【0034】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る、このような補助溶剤としては、例えば酢酸エチル、
酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、およびメチレンクロラ
イド等を特に好ましいものとして挙げることができる。
これらの成分を含有する油相を混合する水相に、保護コ
ロイドとして含有せしめる水溶性高分子は、公知のアニ
オン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子のなかか
ら適宜選択することができるが、特にポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、セルロース誘導体が好ましい。
【0035】また、水相に含有せしめる界面活性剤は、
アニオン性またはノニオン性の界面活性剤のなかから、
上記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないも
のを適宜選択して使用することができる。好ましい界面
活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチ
ルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げ
ることができる。本発明における乳化分散物は、上記成
分を含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有
する水相を、高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳
化に用いられる手段を使用して混合、分散せしめ容易に
得ることができる。また、油相の水相に対する比の値
(油相重量/水相重量)は0.02〜0.6が好まし
く、特に0.1 〜0.4 であることが好ましい。
0.02以下では、水相が多すぎて希薄となり製造適性
に欠ける。−方0.6 以上では逆に液の粘度が高くな
り、取扱いの不便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0036】−有機金属塩型− 次に有機金属塩と還元剤との組合せを使用した感熱記録
層について説明する。有機金属塩としては、具体的に
は、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、
ステアリン酸銀、アラキン酸銀及びベヘン酸銀のような
長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩、ベンゾトリアゾール銀
塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール銀塩および
フタラジノン銀塩のようなイミノ基を有する有機化合物
の銀塩、s−アルキルチオグリコレートのような硫黄含
有化合物の銀塩、安息香酸銀及びフタル酸銀のような芳
香族カルボン酸の銀塩、エタンスルホン酸銀のようなス
ルホン酸の銀塩、o−トルエンスルフィン酸銀のような
スルフィン酸の銀塩、フェニルリン酸銀のようなリン酸
の銀塩、バルビツール酸銀、サッカリン酸銀、サリチル
アスドキシムの銀塩およびこれらの任意の混合物があ
る。これらの化合物の中、長鎖脂肪族カルボン酸銀塩が
好ましく、特にベヘン酸銀が好ましい。またベヘン酸を
ベヘン酸銀と共に使用してもよい。
【0037】本発明で使用することのできる還元剤は、
特開昭53−1020号公報第227頁左下欄第14行
目〜第229頁右上欄第11行目の記載に基づいて適宜
使用することができるが、特に、モノ、ビス、トリスま
たはテトラキスフェノール類、モノ又はビスナフトール
類、ジ又はポリヒドロキシナフタレン類、ジ又はポリヒ
ドロキシベンゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、アス
コルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピ
ラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン類、ヒド
ロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸
類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ
尿素類等を使用することが好ましい。これらの化合物の
中、特に好ましいものは、ポリフェノール類、スルホン
アミドフェノール類、及びナフトール類等の芳香族有機
還元剤である。有機金属塩と還元剤は、アセトン等の適
当な溶剤に溶解したバインダー(例えばポリビニルブチ
ラール)等中に、50%平均粒径1.0μm、好ましく
は0.6μm以下の微粒子状で添加される。またバイン
ダーを感熱記録層の全固形分の30〜60重量%の範囲
で使用することが好ましい。
【0038】−感熱記録層塗布で用いるバインダー− 上記のように調整した感熱層液を支持体上に塗布するに
際しては、公知の水系または有機溶剤系の塗液を用いる
塗布手段が用いられる。この場合、感熱層液を安全かつ
均一に塗布するとともに、塗膜の強度を保持するため
に、本発明においては、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉
類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチ
レン及びその共重合体、ポリエステル及びその共重合
体、ポリエチレン及びその共重合体、エポキシ樹脂、ア
クリレート及びメタアクリレート系樹脂及びその共重合
体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミド樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂等を使用することができる。感熱記録
層は固形分塗布重量が1〜25g/m2 になるように塗
布されること及び該層の厚みが1〜25μmになるよう
に塗布されることが望ましい。
【0039】(下塗り層)本発明においては、支持体か
ら感熱記録層が剥がれることを防止する目的で、マイク
ロカプセルなどを含有する感熱層や光反射防止層を塗布
する前に、支持体上に下塗り層を設けることが望まし
い。下塗り層としては、アクリル酸エステル共重合体、
ポリ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等を用
いることができ、膜厚としては0.05〜0.5μmと
することが望ましい。下塗り層上に感熱記録層を塗布す
る時に、感熱記録層塗液に含まれる水分により下塗り層
が膨潤して、感熱記録層に記録された画像が悪化するこ
とがあるので、グルタルアルデヒド、2,3−ジヒドロ
キシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう
酸等の硬膜剤を用いて硬膜させることが望ましい。これ
らの硬膜剤の添加量は、下塗り素材の重量に応じて0.
2重量%〜3.0重量%の範囲で、希望する硬化度に合
わせで適切な添加量を選ぶことができる。
【0040】(感熱記録材料における塗布法)本発明の
感熱記録材料は支持体上に感熱記録層、保護層、下塗り
層を、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗
布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、デ
ィップ塗布法、バー塗布法等の公知の塗布方法により塗
布される。
【0041】(支持体)透明な感熱記録材料を得る為に
は透明支持体を使用する必要がある。透明支持体として
は、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフ
タレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロース
フィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレ
フィンフィルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、こ
れらを単独であるいは貼り合わせて使用することができ
る。合成高分子フィルムの厚さは25〜250μm、特
に50〜200μmが好ましい。またこれらの合成高分
子フィルムは任意の色相に着色されていてもよい。高分
子フィルムを着色する方法としては、樹脂フィルムを成
形前に樹脂に染料を混練してフィルムを成形する方法、
染料を適当な溶剤に溶かした塗布液を調整しこれを透明
無色な樹脂フイルム上に公知の塗布方法、例えばグラビ
アコード法、ローラーコート法、ワイヤーコート法など
によって塗布、乾燥する方法などが挙げられる。なかで
も青色染料を混練したポリエチレンテレフタレートやポ
リエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂をフィル
ムに成形し、これに耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理
を施したものが好ましい。
【0042】特に、本発明に係わる感熱記録材料をシャ
ーカステン上で支持体側から観察した場合、透明な非画
像部分を透過するシャーカステン光により幻惑が生じ見
ずらい画像になることがある。これを避けるためには、
透明支持体としてJlS−Z8701記載の方法により
規定された色度座標上の、A(x=0.2805,y=
0.3005)、B(x=0.2820,y=0.29
70)、C(x=0.2885,y=0.3015)、
D(x=0.2870,y=0.3040)の4点で形
成される四角形の領域内に青く着色された合成高分子フ
ィルムを用いることが特に好ましい。
【0043】(バック層)また感熱記録層と反対の面に
平均粒径が1〜20μm、更に好ましくは1〜10μm
の微粒子を含有する光反射防止層を設けてもよい。光反
射防止層は入射光角20°で測定した光沢度を50%以
下、特に好ましくは30%以下にすることが好ましい。
光反射防止層に含有される微粒子としては大麦、小麦、
コーン、米、豆類より得られるでんぷん等の微粒子の
他、セルロースファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ
(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリ
レート樹脂、塩化ビニル及び酢酸ビニルの共重合体樹
脂、ポリオレフィン等の合成高分子の微粒子、炭酸カル
シウム、酸化チタン、カオリン、スメクタイト粘土、水
酸化アルミ、シリカ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等を
挙げることができる。これらの微粒子状物質は2種以上
併用してもよい。また感熱記材料の透明性を良好なもの
とする観点からは、屈折率が1.45〜1.75の微粒
子状物質が好ましい。
【0044】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下実施例のみに限定されるものでは
ない。文中で使用する濃度は、全て重量%である。 (実施例1) (カプセル液Aの調製)下記構造式(1)で示される化
合物19.0g
【化1】
【0045】下記構造式(2)で示される化合物4.2
【化2】
【0046】下記構造式(3)で示される化合物7.4
【化3】
【0047】下記構造式(4)で示される化合物0.6
【化4】
【0048】下記構造式(5)で示される化合物1.9
【化5】
【0049】下記構造式(6)で示される化合物0.8
【化6】
【0050】を酢酸エチル36gに添加して70℃に加
熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これにn−ブタ
ノール0.8g、カプセル壁剤(タケネートD119
N、武田薬品工業株式会社製)品名)11.2g、カプ
セル壁剤(タケネートD110N、武田薬品工業株式会
社製)4.1g、およびカプセル壁剤(スミジュールN
3200、住友バイエルウレタン社製)10.5gを加
え、35℃で40分間保温した。得られた溶液を8重量
%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ株式会社製、
PVA217E)75gと水26gを混合した水相に混
合した後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社
製)を用いて10000rpmで5分間乳化を行なっ
た。得られた乳化液に更に140gの水及びテトラエチ
レンペンタミン1.0gを添加した後、50℃で3時間
カプセル化反応を行なって平均粒径0.7μmのマイク
ロカプセル液Aを調製した。なお、平均粒径は全て株式
会社堀場製作所製レーザー回折粒度分布測定装置(LA
700)を用いて測定した50%体積平均粒径の値を使
用した。
【0051】(カプセル液Bの調製)下記構造式(7)
で示される化合物19.0g
【化7】
【0052】下記構造式(8)で示される化合物4.2
【化8】
【0053】下記構造式(9)で示される化合物7.4
【化9】
【0054】下記構造式(10)で示される化合物0.
6g
【化10】
【0055】下記構造式(11)で示される化合物1.
9g
【化11】
【0056】下記構造式(12)で示される化合物0.
8g
【化12】
【0057】を酢酸エチル36gに添加して70℃に加
熱、溶解した後、30℃に冷却した。これにカプセル壁
剤(タケネートD110N、武田薬品工業株式会社製)
15.0g、およびカプセル壁剤(バーノツクD75
0、大日本インキ株式会社製)10.4gを加え、35
℃で5分間保温した。得られた溶液を、8重量%のポリ
ビニルアルコール水溶液(クラレ株式会社製PVA21
7E)75gと水26gを混合した水相に混合した後、
エースホモジナイザー(日本精機株式会社製)を用いて
10000rpmで5分間乳化を行なった。得られた乳
化液に更に140gの水及びテトラエチレンペンタミン
1.0gを添加した後、50℃で3時間カプセル化反応
を行なって平均粒径0.7μmのマイクロカプセル液B
を調製した。
【0058】(顕色剤乳化物分散液の調製)下記構造式
(13)で示される化合物3.4g
【化13】
【0059】下記構造式(14)で示される化合物8.
3g
【化14】
【0060】下記構造式(15)で示される化合物8.
3g
【化15】
【0061】下記構造式(16)で示される化合物5.
8g
【化16】
【0062】下記構造式(17)で示される化合物3.
9g
【化17】
【0063】下記構造式(18)で示される化合物3.
5g
【化18】
【0064】をトリクレジルフォスフェート0.8g、
マレイン酸ジエチル0.4gを酢酸エチル15gに添加
し、70℃に加熱して溶解した。得られた溶液を、15
重量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ株式会社
製、PVA205C)40g、2.0重量%のドデシル
ベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液9g及び下記構
造式(19)で示される化合物の2重量%水溶液9gを
混合した水相に加えた後、エースホモジナイザー(日本
精機株式会社製)を用いて10000rpmで平均粒径
0.7μmになるように乳化を行った。
【0065】
【化19】
【0066】〈保護層塗布液Dの調製〉水36.8g、
8重量%ポリビニルアルコール水溶液(クラレ株式会
社、PVA124C)14.3g、2重量%酢酸水溶液
1.6g、4重量%ほう酸水溶液2.9g、20重量%
コロイダルシリカ(スノーテックスO、日産化学(株)
製)13.4g、20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散
物(中京油脂F115)2.2g、及び下記構造式(2
0)で示される化合物の2重量%水溶液3.9gを混合
して保護層液Dを得た。
【0067】
【化20】 (紫外線フイルター層用マイクロカプセル液Eの調製)
下記構造式(21)で示される化合物1.58g
【化21】
【0068】下記構造式(22)で示される化合物6.
30g
【化22】
【0069】下記構造式(23)で示される化合物5.
20g
【化23】
【0070】下記構造式(24)で示される化合物1.
40g
【化24】
【0071】下記構造式(25)で示される化合物7.
30g
【化25】
【0072】を酢酸エチル8.2gに添加して70℃に
加熱、溶解した後、35℃まで冷却した。これにカプセ
ル壁剤(タケネートD110N、武田薬品工業製)0.
9g、カプセル壁剤(バーノックD750、大日本イン
キ(株)製)0.3gを加え、35℃のまま5分間保温
した。この溶液を、15重量%のポリビニルアルコール
水溶液(PVA205、クラレ(株)製)120gと1
0重量%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液
8.0gを混合した水相中に加えた後、エースホモジナ
イザー(日本精機(株)製)を用いて回転数15000
rpmで15分間乳化を行ない、平均粒径0.25μm
の乳化液を得た。得られた乳化液に、更に水60gとテ
トラエチルペンタミン0,15gを添加した後、40℃
で3時間カプセル化反応を行ない、平均粒径0.25μ
mのマイクロカプセル液Eを調製した。
【0073】〈紫外線フィルター層用塗布液Fの調製〉
水42.31gに10重量%シラノール変性ポリビニル
アルコール(R2105、クラレ(株)製)40.0g
を混合した溶液中に、上記の紫外線フィルター層用マイ
クロカプセル液E(固形分濃度24.2%)13.5g
を加え、更に下記構造式(26)で表される化合物の5
0重量%水溶液17gおよび20%コロイダルシリカ
(スノーテックスO、日産化学(株)製)65gを混合
して紫外線フィルター層用塗布液Fを調製した。
【0074】
【化26】
【0075】(バックコート層用塗布液Gの調製)水5
0gに平均粒径5μmのライススターチ(松谷化学
(株)製)0.1gを加え十分分散した後、2重量%ス
ルフォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液2.5
g、下記構造式(27)で表される化合物の2重量%水
溶液1.5g、および20%コロイダルシリカ(スノー
テックスO、日産化学(株)製)17gを混合してバッ
クコート層用塗布液Gを調製した。
【0076】
【化27】
【0077】〈透明支持体の作成〉厚さ175μmの、
JIS−Z8701記載の方法により規定された色度座
標において、x=0.2850、y=0.2995に着
色された青色のポリエチレンテレフタレート(PE
T)、フイルムの一方の面に、SBRラテックスを乾燥
塗布量が0.3g/m2 になるように塗布した。この上
に、5重量%ゼラチン水溶液(新田ゼラチン(株)製、
#810)200g、5重量%の粒径2μmポリメチル
メタクリレート樹脂粒子のゼラチン分散物(ポリメチル
メタクリレート樹脂の含有率10重量%)0.5g、3
重量%の1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン水溶液
1.0gおよび2重量%スルフォ琉珀酸ジ(2−エチ
ル)ヘキシル水溶液10gを混合した溶液を、乾燥塗布
量が0.1g/m2 になるように塗布した。また、他方
の面にも同様にして塗布を行ない、支持体の両面に下塗
り層を形成した。
【0078】〈感熱記録材料の作成〉上記の両面下塗り
層を塗設した支持体上の−方の面に、前記紫外線フィル
ター層用塗液Fを乾燥塗布量が1.8g/m2 になるよ
うに塗布、乾燥した。さらにこの紫外線フィルター層上
に前記バックコート層用塗液Gを乾燥塗布量が2.2g
/m2 になるように塗布乾燥し、支持体裏面に2層を形
成した。次に紫外線フィルター層及びバックコート層を
塗設した面と反対側の支持体表面上に、前記マイクロカ
プセル液A(固形分濃度27%)4.2g、前記マイク
ロカプセル液B(固形分濃度27%)10.0g、前記
顕色剤乳化物分散液C(固形分濃度21重量%)40
g、及び下記構造式(28)で示される化合物の50重
量%水溶液0.4gを混合してできた塗布液を、乾燥重
量が13.5g/m 2 になるように塗布乾燥し、感熱記
録層を塗設した。
【0079】
【化28】
【0080】引続きこの感熱記録層上に、前記保護層塗
液Dを乾燥塗布量が2.5g/m2 になるように塗布乾
燥し、本発明にかかわる透明な感熱記録材料を得た。
【0081】〈サーマルヘッド摩耗量の測定〉上記のよ
うにして得られた感熱記録材料を、ヘッド圧力7kg/
cm(B4幅)とし、印加電圧15.5Vで熱エネルギ
ーが110mJ/mm2 になるようにパルス幅を調製し
たサーマルヘッドKGT−260−HPH8(京セラ
(株)製)、およびJIS硬度50(JIS K630
1、スプリング式硬度試験A)のプラテンゴムローラー
を用いて1000mのベタ記録を行ない、記録前後での
ヘッド形状を非接触式表面粗さ計(P−1 LONG
SCAN PROFILER,TENCOR社製)で測
定し、ヘッド摩耗量[μm]を求めた。この結果を表1
に示す。
【0082】〈保護層の硬度測定〉上記の両面下塗り層
を塗設した支持体上の一方の面に、前記保護層塗液Dの
みを乾燥塗布量が5g/m2 になるように塗布乾燥し、
保護層硬度測定のための試料を作成した、この保護層の
120℃でのダイナミック硬度を、稜間角115度の三
角錘圧子を用いて島津製作所製ダイナミック超微小硬度
計DUH−200型にて測定した。この結果をヘッド摩
耗量と併せて表1に示す。
【0083】〈印画適性評価〉印画時の熱エネルギーを
変え黒率を10%刻みで0%から100%まで変化させ
た以外はヘツド摩耗量測定と同じ条件でB4版サイズの
感熱記録材料を印画し、スティッキング音および画像の
白飛びを評価した。この結果も併せて表1に示す。
【0084】(実施例2)保護層塗液Dの代わりに保護
層塗液Hを用いた以外は実施例1と同様にして実施例2
の感熱記録材料を作成した。 〈保護層塗布液Hの調整〉水29.3g、8重量%ポリ
ビニルアルコール水溶液(クラレ株式会社、PVA12
4C)23.9g、2重量%酢酸水溶液1.6g,4重
量%ほう酸水溶液2.9g、20重量%コロイダルシリ
カ(スノーテックスO、日産化学(株)製)9.6g、
20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散物(中京油脂F1
15)2.2g、及び構造式(20)で示される化合物
の2重量%水溶液3.9gを混合して保護層液Hを得
た。この実施例2の感熱記録材料についてもヘッド摩耗
量、保護層硬度を測定し、印画適性を評価した。結果を
表1に示す。
【0085】(実施例3)保護層の上に、下記の潤滑層
塗液Iを乾燥塗布量が0.5g/m2 になるように塗布
乾燥した以外は実施例1と同様にして実施例3の感熱記
録材料を作成した。 〈潤滑層塗布液Iの調製〉水22.9g,8重量%ポリ
ビニルアルコール水溶液(クラレ株式会社、PVA12
4C)12.0g、2重量%酢酸水溶液1.4g、30
%シリコーンオイル水分散液(SH490、東レ・ダウ
コーニング(株)製)0.3g,20重量%コロイダル
シリカ(スノーテックスO,日産化学(株)製)0.5
g、20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散物(中京油脂
F115)0.6g、及び構造式(20)で示される化
合物の2重量%水溶液1.2gを混合して潤滑層液Iを
得た。この実施例3の感熱記録材料についてもヘッド摩
耗量、保護層硬度を測定し、印画適性を評価した。結果
を表1に示す。
【0086】(比較例1)保護層塗液Dの代わりに保護
層塗液Jを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1
の感熱記録材料を作成した。 〈保護層塗液Jの調製〉水10.8g、8重量%ポリビ
ニルアルコール水溶液(クラレ株式会社、PVA124
C)47.7g、2重量%酢酸水溶液1.6g、4重量
%ほう酸水溶液2.9g、20.5重量%ステアリン酸
亜鉛分散物(中京油脂F115)2.2g、及び構造式
(20)で示される化合物の2重量%水溶液3.9gを
混合して保護層液Jを得た。この比較例1の感熱記録材
料についてもヘッド摩耗量、保護層硬度を測定し、印画
適性を評価した。結果を表1に示す。
【0087】(比較例2)保護層塗液Dの代わりに保護
層塗液Kを用いた以外は実施例1と同様にして比較例2
の感熱記録材料を作成した。 〈保護層塗液Kの調製〉水42.5gに、8重量%ポリ
ビニルアルコール水溶液(PVA124C、クラレ
(株)製)67.5g,20.5重量%ステアリン酸亜
鉛分散物(F115、中京油脂(株)製)0.5g、
1.0%ホウ酸水溶液25g、下記30重量%ワックス
微粒子乳化分散液L3.0g、下記保護層用顔料分散液
M60g、30%シリコーンオイル水分散液(SH49
0、東レ・ダウコーニング(株)製)5.0g、10%
ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液2.0g、
構造式(20)で表される化合物の2重量%水溶液15
g、および40%グリオキザール水溶液1.0gを混合
して保護層塗液Kを得た。
【0088】〈ワックス微粒子乳化分散液Lの調製〉融
点68〜70℃の固体パラフィンワックス(関東科学
(株)製)20.0gにポリオキシエチレンステアリル
エーテル系界面滑性剤(花王エマルゲン320P、花王
(株)製)5.0gを加え、75℃に加熱し溶融混合し
た。これを、75℃のポリビニルアルコール水溶液(P
VA205C、クラレ(株)製)60gに加え、エース
ホモジナイザー(日本精機(株)製)を用い回転数15
000rpmで平均粒径0.7μmになるように乳化を
行なった。乳化を行なうに際し、乳化が常に75℃以上
の温度で行なわれるように上記ホモジナイサーの周囲に
温度85℃の温水を流し、保温を行なった。乳化終了
後、温水8.3gを加えた後、液温を徐々に下げて常温
まで冷却し、30重量%のワックス微粒子乳化分散物L
を得た。
【0089】〈顔料分散液Mの調製〉水110gに水酸
化アルミニウム(H42S、昭和電工(株)製)30g
を加え3時間撹拌した後、これに分散剤(ポイズ532
A、花王(株)製)0.2g、10%ポリビニルアルコ
ール水溶液(PVA105、クラレ(株)製)30g、
10%ドデシルベンゼンスルフォン酸Na塩水溶液1.
0gを加えサンドミルで分散し、平均粒径0.40μ
m、粒径1.0μm以上の粒子含有率が4.7%の保護
層用顔料分散液Mを得た。
【0090】
【表1】
【0091】表1の実施例に示すように、120℃での
保護層のダイナミック硬度値が本発明に規定する範囲内
にある感熱記録材料は、高い熱エネルギーを用いて印画
した場合でも、サーマルヘッドの摩耗量が低減されてい
ることが分かる。また、印画適性も良好である(実施例
2も、実用的には問題ない)。一方、120℃での保護
層のダイナミック硬度値が本発明で規定する範囲にない
比較例1、2の場合にはヘッド摩耗が大きいことが明ら
かである。以上より、本発明の感熱記録材料は、高い熱
エネルギーを印加して印画した場合でもヘッド摩耗によ
る画像のカスレ等がなく、また印画適性も良好である。
この点から、特に安定した高画質の画像が要求される医
療用感熱記録材料等に適した記録材料と言える。
【0092】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の感熱記録材
料は、保護層のダイナミック硬度値が40以上であるた
め、印画によるサーマルヘッドの摩耗が少なく、かつス
ティッキング、印画音が防止できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感熱記録層及び保護層を順次
    段けた感熱記録材料において、該保護層のダイナミック
    硬度値が120℃で40以上であることを特徴とする感
    熱記録材料。
  2. 【請求項2】 前記保護層が無機微粒子とバインダーと
    を含み、該無機微粒子とバインダとの比率がバインダー
    100重量部に対し無機微粒子が100重量部以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 前記保護層上に潤滑剤とバインダーとを
    主成分とする潤滑層を設けたことを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記無機微粒子がシリカであることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3に記載の感熱記録材
    料。
  5. 【請求項5】 前記感熱記録層が、電子供与性無色染料
    と電子受容性化合物を含有することを特徴とする請求項
    1ないし請求項4に記載の感熱記録材料。
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