JPH0890917A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH0890917A
JPH0890917A JP6231608A JP23160894A JPH0890917A JP H0890917 A JPH0890917 A JP H0890917A JP 6231608 A JP6231608 A JP 6231608A JP 23160894 A JP23160894 A JP 23160894A JP H0890917 A JPH0890917 A JP H0890917A
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JP
Japan
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layer
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JP6231608A
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English (en)
Inventor
Akira Takeuchi
公 竹内
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スティッキングのない感熱記録材料を提供す
ること。 【構成】 支持体上に感熱記録層及び保護層を順次積層
した感熱記録材料において、保護層中に軟化温度が10
0℃以上のバインダーを、保護層の総バインダーに対し
60重量%以上含み、かつ保護層中の顔料とバインダー
の比率がバインダー100重量部に対し顔料が100重
量部以下である感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録材料に関し、
特にスティッキングの発生しにくい感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方法は、(1)現像が不要であ
る、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、
(3))取扱いが容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡単で安価である、(6)記録時の騒
音が無い等の利点があるためファクシミリやプリンター
の分野、POS等のラベル分野等に用途が拡大してい
る。
【0003】このような背景のもと、近年においては多
色化に対応するため、あるいは画像をオーバーヘッドプ
ロジェクターで投影したり、直接ライトテーブル上で観
察したりするために、サーマルヘッドで直接記録するこ
とのできる透明な感熱記録材料を開発することが望まれ
ている。
【0004】そこで近年、合成高分子フィルム等の透明
な支持体上に、実質的に無色の発色成分Aと、該発色成
分Aと反応して発色する実質的に無色の発色成分Bを、
結着剤中に微粒子状に分散させたり、一方をマイクロカ
プセル化すると共に他方を乳化物の形で使用した感熱記
録層を設ける等の提案が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の如き透
明感熱記録材料は、透明性は良好であるが、感熱プリン
ター等の感熱記録装置で印字するとスティッキングや騒
音が発生しやすいという問題点が有る。そこで感熱記録
層上に顔料とバインダーを主成分とする保護層を設ける
という提案がなされている。
【0006】しかしながら、顔料とバインダーを主成分
とする保護層によりスティッキングや騒音の発生を問題
の無いレベルにまで改良するためには、保護層中に占め
る顔料成分の比率を高くする、好ましくは保護層中に含
まれるバインダー成分と同量以上にする必要があり、透
明性の利点を損なう問題がある。また従来の不透明な感
熱記録材料においても、保護層中に占める顔料成分の比
率が高くなると記録画像がボケて鮮鋭さに欠ける、発色
濃度が低下する等の問題点があった。従って、本発明の
第一の目的は、透明性が良好であり、同時にサーマルヘ
ッドによる記録に適した透過型の感熱記録材料を提供す
ることにある。本発明の第二の目的は、画像のボケや発
色濃度の低下がなく、同時にサーマルヘッドによる記録
に適した反射型の感熱記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に感熱記録層及び保護層を順次設けた感熱記録材料に
おいて、該保護層中に軟化温度が100°C以上のバイ
ンダーを、保護層の総バインダー量に対し60重量%以
上の割合で用い、かつ保護層中の顔料とバインダーの比
率がバインダー100重量部に対し顔料が100重量部
以下であることを特徴とする感熱記録材料により達成さ
れた。
【0008】通常サーマルヘッドでの記録を好適なもの
にするためには、保護層中に多量の顔料成分を含有する
必要に迫られる。その結果保護層の透明性が低下した
り、画像がボケたり発色濃度が低下するという問題があ
った。本発明者らは鋭意検討した結果、保護層中に軟化
温度が100°C以上のバインダーを用い、かつ保護層
の総バインダーに占める軟化温度が100°C以上のバ
インダーの割合を60%以上とすることにより、保護層
中の顔料成分をバインダー100重量部に対し顔料が1
00重量部以下にしても、さらに驚くべきことには50
重量部以下にしてもスティッキングが発生しない、サー
マルヘッドによる記録に適した感熱記録材料が得られる
ことを見いだした。
【0009】保護層中の顔料とバインダーの比率がバイ
ンダー100重量部に対し顔料が100重量部を超える
と感熱記録材料の透明性が低下したり、また反射型感熱
記録材料においては画像のぼけや発色濃度の低下が生じ
好ましくない。保護層中に使用される顔料としては、公
知の有機、無機顔料が使用できるが、特に水酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、カオリン、シリカが好まし
い。また上記の顔料の表面を高級脂肪酸の金属塩、高級
脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、高級脂肪族炭化水
素等で表面処理したものも使用できる。これらの顔料は
公知の分散方法で微粒子に分散して使用されるが、好ま
しくは顔料の平均粒径(レーザー回折粒径測定装置によ
り測定された50%体積平均粒径の値)が1.0μm以
下、更に好ましくは0.5μm以下に分散して使用する
ことが好ましい。
【0010】本発明において規定されるバインダーの軟
化温度は、ポリマーラボラトリー社製動的粘弾性測定装
置(DMTA)を用い、昇温速度5°C/分、周波数1
Hzの条件で測定した場合の、tanδの温度変化の値
から求めたものである。軟化温度が100°C以上であ
るバインダーとしては、アルギン酸、アルギン酸アルカ
リ金属塩、アルギン酸アンモニウム塩、アルギン酸プロ
ピレングリコールエステル等のアルギン酸誘導体、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロール、ヒドロキシプロピルセルロース、
三酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、酸
処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン等のゼラチン誘導
体などが挙げられる。
【0011】軟化温度が100°C未満であるバインダ
ーとしては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン、スチレン−ブタジエン共重合体等のラテック
ス類、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、水性ポリ
エステル等が挙げられるが、特に透明性の観点から完全
鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニル
アルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール等が好ま
しい。
【0012】これらのバインダーは単独あるいは混合し
て使用することができるが、サーマルヘッド記録適性を
好適なものとするためには、保護層の総バインダーに占
める軟化温度が100°C以上のバインダーの割合が6
0%以上、更に好ましくは80%以上とすることが必要
である。
【0013】本発明の感熱記録材料の感熱記録層は加熱
により呈色する性質を有するいかなる組成のものでも使
用できる。このような感熱記録層としては、実質的に無
色の発色成分Aと、該発色性分Aと反応して発色する実
質的に無色の発色成分Bを含有する所謂二成分型感熱記
録層が挙げられる。これらの組合せとしては下記(ア)
〜(ス)のようなものを挙げることができる。
【0014】(ア)光分解性ジアゾ化合物とカプラーと
の組合せ。 (イ)電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組合
せ。 (ウ)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀のような有機金属塩
とプロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン
のような還元剤との組合せ。 (エ)ステアリン酸第二鉄、ミリスチン酸第二鉄のよう
な長鎖脂肪族塩と没食子酸、サリチル酸アンモニウムの
ようなフェノール類との組合せ。 (オ)酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸などのニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀塩のような有機酸
重金属塩と、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、硫
化カリウムのようなアルカリ土類金属硫化物との組合
せ、または前記有機酸重金属塩と、s−ジフェニルカル
バジド、ジフェニルカルバゾンのような有機キレート剤
との組合せ。 (カ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナトリウム等の
(重)金属硫酸塩とNa−テトラチオネート、チオ硫酸
ソーダ、チオ尿素のような硫黄化合物との組合せ。
【0015】(キ)ステアリン酸第二鉄のような脂肪族
第二鉄塩と3,4−ジヒドロキシテトラフェニルメタン
のような芳香族ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ク)シュウ酸銀、シュウ酸水銀のような有機貴金属塩
と、ポリヒドロキシアルコール、グリセリン、グリコー
ルのような有機ポリヒドロキシ化合物との組合せ。 (ケ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン酸第二鉄のような
脂肪族第二鉄塩と、チオセシルカルバミドやイソチオセ
シルカルバミド誘導体との組合せ。 (コ)カプロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛のよ
うな有機酸鉛塩と、エチレンチオ尿素、N−ドデシルチ
オ尿素のようなチオ尿素誘導体との組合せ。 (サ)ステアリン酸第二鉄、ステアリン酸銅のような高
級脂肪酸重金属塩とジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
との組合せ。 (シ)レゾルシンとニトロソ化合物との組合せのような
オキサジン染料を形成する物。 (ス)ホルマザン化合物と還元剤及び/又は金属塩との
組合せ。
【0016】これらのなかでも、本発明においては
(ア)の光分解性ジアゾ化合物とカプラーの組合せ、
(イ)の電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物の組
合せ、(ウ)の有機金属塩と還元剤の組合せが好まし
く、特に(ア)及び(イ)の場合が好ましい。
【0017】また感熱記録材料の(拡散透過率/全光透
過率)×100(%)で表されるヘイズ値を40%以下
にする方法としては、例えば感熱記録層に微粒子の形状
で含まれる成分の50%体積平均粒径を1.0μm以下
好ましくは0.6μm以下に分散し、かつバインダーを
感熱記録層の全固形分の30〜60重量%の範囲で含有
する方法や、A及びB成分のいずれか一方をマイクロカ
プセル化し、他方を乳化物等の塗布乾燥後には実質的に
連続層の形で使用する方法などが挙げられる。また感熱
記録層に使用する成分の屈折率をなるべく一定の値に近
づける方法も有効である。ヘイズ値は材料の透明性を表
す指数で、一般にはヘイズメーターを使用して測定した
全光透過量、拡散透過光量、平行透過光量から算出され
る。
【0018】電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物
の組合せを使用した感熱記録層について説明する。本発
明で使用する電子供与性染料前駆体は実質的に無色であ
るものであれば特に限定されるものではないが、エレク
トロンを供与して、あるいは酸等のプロトンを受容して
発色する性質を有するものであって、ラクトン、ラクタ
ム、サルトン、スピロピラン、エステル、アミド等の部
分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部分骨格が開
環もしくは開裂する略無色の化合物が好ましい。電子供
与性染料前駆体の例としては、トリフェニルメタンフタ
リド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系
化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミ
ン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニ
ルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン
系化合物、フルオレン系化合物など各種の化合物があ
る。フタリド類の具体例は米国再発行特許明細書第2
3,024号、米国特許明細書第3,491,111
号、同第3,491,112号、同第3,491,11
6号および同第3,509,174号、フルオラン類の
具体例は米国特許明細書第3,624,107号、同第
3,627,787号、同第3,641,011号、同
第3,462,828号、同第3,681,390号、
同第3,920,510号、同第3,959,571
号、スピロジピラン類の具体例は米国特許明細書第3,
971,808号、ピリジン系およびピラジン系化合物
類は米国特許明細書第3,775,424号、同第3,
853,869号、同第4,246,318号、フルオ
レン系化合物の具体例は特願昭61−240989号等
に記載されている。
【0019】このうち特に黒発色の2−アリールアミノ
−3−H、ハロゲン、アルキル又はアルコキシ−6−置
換アミノフルオランが有効である。具体例としてたとえ
ば2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−シクロヘ
キシル−N−メチルアミノフルオラン、2−p−クロロ
アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオクチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−ジエチル
アミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N
−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−N−エチル−N−ドデシルアミ
ノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジブ
チルアミノフルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−
ジブチルアミノフルオラン、2−p−クロロアニリノ−
3−エチル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフ
ルオラン、2−o−クロロアニリノ−6−p−ブチルア
ニリノフルオラン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−エ
チル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−トルイ
ジノ−3−メチル−6−ジイソプロピルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−イソブチル−
N−エチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6−N−エ
チル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−N−メチル−N−γ−エトキシプロ
ピルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−エチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N
−γ−プロポキシプロピルアミノフルオランなどが挙げ
られる。
【0020】これらの電子供与性染料前駆体に対する電
子受容性化合物としては、フェノール化合物、有機酸も
しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性物
質が用いられ、その具体例は例えば特開昭61−291
183号に記載されている。電子受容性化合物の例とし
ては、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(一般名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペ
ンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オ
クタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−
2−メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス
(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−
ビス(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビス
フェノール類、
【0021】3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル
酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−
α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−
メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル
酸誘導体、またはその多価金属塩(特に亜鉛、アルミニ
ウムが好ましい)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエ
ルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル
エステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチ
ル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類、p−フェ
ニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミ
ルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ
−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェ
ノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類が挙げ
られる。このなかで発色性向上の目的にはビスフェノー
ル類が好ましい。顕色剤は発色剤の50〜800重量%
使用することが好ましく、さらに好ましくは100〜5
00重量%である。また上記の顕色剤を2種以上併用し
てもよい。
【0022】次に光分解性ジアゾ化合物とカプラーとの
組合せを使用した感熱記録層について説明する。本発明
で使用する光分解性ジアゾ化合物とは後述するカップリ
ング成分と呼ばれる顕色剤と反応して所望の色相に発色
するものであり、反応前に特定波長の光を受けると分解
し、もはやカップリング成分が作用しても発色能力を持
たなくなる光分解性ジアゾ化合物である。この発色系に
おける色相はジアゾ化合物とカップリング成分が反応し
て生成したジアゾ色素により決定される。従って、良く
知られているようにジアゾ化合物の化学構造を変える
か、カップリング成分の化学構造を変えれば容易に発色
色相をかえることができ、組み合わせ次第で略任意の発
色色相を得ることができる。
【0023】本発明における光分解性ジアゾ化合物とは
主に芳香族ジアゾ化合物を指し、具体的には芳香族ジア
ゾニウム塩、ジアゾスルフォネート化合物、ジアゾアミ
ノ化合物を指す。ジアゾニウム塩は一般式ArN2 +-
で示される化合物である。(式中、Arは置換されたあ
るいは無置換の芳香族部分を表し、N2 +はジアゾニウム
基を、X-は酸アニオンを表す。ジアゾスルフォネート
化合物は多数のものが知られており、各々のジアゾニウ
ム塩を亜硫酸塩で処理することにより得られる。ジアゾ
アミノ化合物はジアゾ基をジシアンジアミド、サルコシ
ン、メチルタウリン、N−エチルアントラニックアシッ
ド−5−スルフォニックアシッド、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、グアニジン等でカップリング
させて得られる。これらのジアゾ化合物の詳細は例えば
特開平2−136286号等に記載されている。
【0024】本発明に用いられるジアゾ化合物とカップ
リングして反応させるカップリング成分は通常カプラー
と呼称され、例えば2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ア
ニリドの他、レゾルシンを初めとして特開昭62−14
6678号に記載されているものを挙げることができ
る。
【0025】本発明においてジアゾ化合物とカップリン
グ成分の組み合わせを用いる場合、カップリング反応が
塩基性雰囲気で起こりやすいため、増感剤として塩基性
物質を添加してもよい。塩基性物質としては水不溶性ま
たは難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生す
る物質が用いられる。それらの例としては無機および有
機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ尿
素およびその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピリ
ミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール
類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール
類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォ
リムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。これらの具体例は例えば特開昭61−291183
号等に記載されている。
【0026】本発明において、感熱記録材料の(拡散透
過率/全光透過率)×100(%)で表されるヘイズ値
を40%以下にするためには、光分解性ジアゾ化合物と
カプラーとの組合せ、または電子供与性染料前駆体と電
子受容性化合物の組合せが好ましく、かつそれぞれ光分
解性ジアゾ化合物、電子供与性染料前駆体をマイクロカ
プセル化して使用することが好ましい。
【0027】本発明で使用するマイクロカプセルの製造
には、界面重合法、内部重合法、外部重合法のいずれの
方法も採用することができるが、特に、電子供与性染料
前駆体、光分解性ジアゾ化合物等を含有した芯物質を、
水溶性化合物を溶解した水溶液中で乳化した後、その油
滴の周囲に高分子物質の壁を形成させる界面重合法を採
用することが好ましい。
【0028】高分子を形成するリアクタントは、油滴の
内部および/又は油滴の外部に添加される。高分子物質
の具体例としては、ポリウレタン、ポリウレア、ポリア
ミド、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素−ホルム
アルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリスチレン、スチレ
ンメタクリレート共重合体、スチレン−アクリレート共
重合体等が挙げられる。好ましい高分子物質はポリウレ
タン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ
ーボネートであり、特に好ましくは、ポリウレタン及び
ポリウレアである。高分子物質は2種以上併用すること
もできる。前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラチ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が
挙げられる。
【0029】例えば、ポリウレアをカプセル壁材として
用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナー
ト、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレポ
リマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリアミ
ン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以上
含むプレポリマー、ピペラジンもしくはその誘導体また
はポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によって
反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形成
させることができる。
【0030】また、例えばポリウレアとポリアミドから
なる複合壁もしくはポリウレタンとポリアミドからなる
複合壁は、例えばポリイソシアナートと酸クロライドも
しくはポリアミンとポリオールを用い、反応液となる乳
化媒体のpHを調整した後、加温することにより調整す
ることができる。これらのポリウレアとポリアミドから
なる複合壁の製造方法の詳細については、特開昭58−
66948号公報に記載されている。
【0031】また本発明で使用するマイクロカプセル壁
には、必要に応じて金属含有染料、ニグロシン等の荷電
調節剤、あるいはその他任意の添加物質を加えることが
できる。これらの添加剤は壁形成時または任意の時点で
カプセルの壁に含有させることができる。また必要に応
じてカプセル壁表面の帯電性を調節するために、ビニル
モノマー等のモノマーをグラフト重合させてもよい。
【0032】本発明では、マイクロカプセル壁をより低
温で物質透過性にするため、マイクロカプセル壁として
用いるポリマーに適合した可塑剤の中から、好ましくは
融点が50°C以上、好ましくは120°C以下で常温
では固体であるものを選択してもちいることができる。
例えば、壁材が、ポリウレア、ポリウレタンからなる場
合は、ヒドロキシ化合物、カルバミン酸エステル化合
物、芳香族アルコキシ化合物、有機スルホンアミド化合
物、脂肪族アミド化合物、アリールアミド化合物等が好
適に用いられる。
【0033】本発明においては、顕色剤は水に難溶性ま
たは不溶性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを界面活
性剤を含有する水溶性高分子を保護コロイドとして有す
る水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用する。
【0034】乳化分散に使用される有機溶剤としては、
高沸点オイルの中から適宜選択することができる。なか
でも好ましいオイルとしては、エステル類の他、ジメチ
ルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジイソプロピルナ
フタレン、ジメチルビフェニル、ジイソプロピルビフェ
ニル、ジイソブチルビフェニル、1−メチル−1−ジメ
チルフェニル−2−フェニルメタン、1−エチル−1−
ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、1−プロピル
−1−ジメチルフェニル−1−フェニルメタン、トリア
リルメタン(例えば、トリトルイルメタン、トルイルジ
フェニルメタン)、ターフェニル化合物(例えばターフ
ェニル)、アルキル化合物、アルキル化ジフェニルエー
テル(例えば、プロピルジフェニルエーテル)、水添タ
ーフェニル(例えば、ヘキサヒドロターフェニル)、ジ
フェニルエーテル等が挙げられる。これらの中でも特に
エステル類を使用することが、乳化分散物の乳化安定性
の観点から好ましい。
【0035】エステル類としては、燐酸エステル類(例
えば、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ブチ
ル、燐酸オクチル、燐酸クレジルフェニル)、フタル酸
エステル(フタル酸ジブチル、フタル酸−2−エチルヘ
キシル、フタル酸エチル、フタル酸オクチル、フタル酸
ブチルベンジル)、テトラヒドロフタル酸ジオクチル、
安息香酸エステル(安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸
ベンジル)、アビエチン酸エステル(アビエチン酸エチ
ル、アビエチン酸ベンジル)、アジピン酸ジオクチル、
コハク酸イソデシル、アゼライン酸ジオクチル、シュウ
酸エステル(シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチ
ル)、マロン酸ジエチル、マレイン酸エステル(マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチ
ル)、クエン酸トリブチル、ソルビン酸エステル(ソル
ビン酸メチル、ソルビン酸エチル、ソルビン酸ブチ
ル)、セバシン酸エステル(セバシン酸ジブチル、セバ
シン酸ジオクチル)、エチレングリコールエステル類
(ギ酸モノエステル及びジエステル、酪酸モノエステル
及びジエステル、ラウリン酸モノエステル及びジエステ
ル、パルミチン酸モノエステル及びジエステル、ステア
リン酸モノエステル及びジエステル、オレイン酸モノエ
ステル及びジエステル)、トリアセチン、炭酸ジエチ
ル、炭酸ジフェニル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、
ほう酸エステル(ほう酸トリブチル、ほう酸トリペンチ
ル)等が挙げられる。このなかでも特に燐酸トリクレジ
ルを単独または混合してもちいた場合には、乳化物の安
定性が最も良好であり好ましい。上記のオイルどうしま
たは他のオイルとの併用も可能である。
【0036】本発明においては、上記の有機溶剤に、更
に低沸点の溶解助剤として補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤としては、例えば酢酸エチル、
酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、およびメチレンクロラ
イド等を特に好ましいものとして挙げることができる。
【0037】これらの成分を含有する油相を混合する水
相に、保護コロイドとして含有せしめる水溶性高分子
は、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性
高分子、のなかから適宜選択することができるが、特に
ポリビニルアルコール、ゼラチン、セルロース誘導体が
好ましい。
【0038】また水相に含有せしめる界面活性剤は、ア
ニオン性またはノニオン性の界面活性剤のなかから、上
記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないもの
を適宜選択して使用することができる。好ましい界面活
性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソー
ダ、アルキル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチ
ルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げ
ることができる。
【0039】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド及び界面活性剤を含有する
水相を、高速撹拌、超音波分散等の通常の微粒子乳化に
用いられる手段を使用して混合、分散せしめ容易に得る
ことができる。
【0040】また、油相の水相に対する比の値(油相重
量/水相重量)は0.02〜0.6が好ましく、特に
0.1〜0.4であることが好ましい。0.02以下で
は、水相が多すぎて希薄となり製造適性に欠ける。一方
0.6以上では逆に液の値の粘度が高くなり、取扱いの
不便さや塗液安定性の低下をもたらす。
【0041】次に有機金属塩と還元剤との組合せを使用
した感熱記録層について説明する。有機金属塩として
は、具体的には、ラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パル
ミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキン酸銀及びベヘン
酸銀のような長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩、ベンゾトリ
アゾール銀塩、ベンズイミダゾール銀塩、カルバゾール
銀塩およびフタラジノン銀塩のようなイミノ基を有する
有機化合物の銀塩、s−アルキルチオグリコレートのよ
うな硫黄含有化合物の銀塩、安息香酸銀及びフタル酸銀
のような芳香族カルボン酸の銀塩、エタンスルホン酸銀
のようなスルホン酸の銀塩、o−トルエンスルフィン酸
銀のようなスルフィン酸の銀塩、フェニルリン酸銀のよ
うなリン酸の銀塩、バルビツール酸銀、サッカリン酸
銀、サリチルアスドキシムの銀塩およびこれらの任意の
混合物がある。これらの化合物の中、長鎖脂肪族カルボ
ン酸銀塩が好ましく、特にベヘン酸銀が好ましい。また
ベヘン酸をベヘン酸銀と共に使用してもよい。
【0042】本発明で使用することのできる還元剤は、
特開昭53−1020号公報第227頁左下欄第14行
目〜第229頁右上欄第11行目の記載に基づいて適宜
使用することができるが、特に、モノ、ビス、トリスま
たはテトラキスフェノール類、モノ又はビスナフトール
類、ジ又はポリヒドロキシナフタレン類、ジ又はポリヒ
ドロキシベンゼン類、ヒドロキシモノエーテル類、アス
コルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン類、ピ
ラゾロン類、還元性糖類、フェニレンジアミン類、ヒド
ロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドロオキサミン酸
類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ
尿素類等を使用することが好ましい。これらの化合物の
中、特に好ましいものは、ポリフェノール類、スルホン
アミドフェノール類、及びナフトール類等の芳香族有機
還元剤である。
【0043】有機金属塩と還元剤は、アセトン等の適当
な溶剤に溶解したバインダー(例えばポリビニルブチラ
ール)等中に、50%平均粒径1.0μm、好ましくは
0.6μm以下の微粒子状で添加される。またバインダ
ーを感熱記録層の全固形分の30〜60重量%の範囲で
しようすることが好ましい。
【0044】上記のように調整した感熱層液を支持体上
に塗布するに際しては、公知の水系または有機溶剤系の
塗液を用いる塗布手段が用いられる。この場合、感熱層
液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の強度を保
持するために、本発明においては、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、澱粉類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カル
ボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリスチレン及びその共重合体、ポリエステル及び
その共重合体、ポリエチレン及びその共重合体、エポキ
シ樹脂、アクリレート及びメタアクリレート系樹脂及び
その共重合体、ポリウレタン樹脂並びにポリアミド樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂等を使用することができ
る。
【0045】感熱記録層は固形分塗布量量が1〜25g
/m2になるように塗布されること及び該層の厚みが1
〜25μmになるように塗布されることが望ましい。
【0046】本発明においては、支持体から感熱記録層
が剥がれることを防止する目的で、マイクロカプセルな
どを含有する感熱層や光反射防止層を塗布する前に、支
持体上に下塗り層を設けることが望ましい。下塗り層と
しては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリ
デン、SBR、水性ポリエステル等を用いることがで
き、膜厚としては0.05〜0.5μmとすることが望
ましい。
【0047】下塗り層上に感熱記録層を塗布する時に、
感熱記録層塗液に含まれる水分により下塗り層が膨潤し
て、感熱記録層に記録された画像が悪化することがある
ので、グルタルアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−
1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の
硬膜剤を用いて硬膜させることが望ましい。これらの硬
膜剤の添加量は、下塗り素材の重量に応じて0.2重量
%〜3.0重量%の範囲で、希望する硬化度に合わせて
適切な添加量を選ぶことができる。
【0048】本発明においては、感熱層の上に保護層を
設ける。保護層の透明性を良好なものとする上から、特
に完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリ
ビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール等
が好ましい。保護層には公知の硬膜剤、金属石けん等が
含有されてよい。
【0049】感熱記録層上に均一に保護層を形成させる
ために、保護層形成用塗布液には界面活性剤が添加され
る。界面活性剤にはスルフォこはく酸系のアルカリ金属
塩、フッ素含有界面活性剤等があり、具体的にはジ−
(2−エチルヘキシル)スルホこはく酸、ジ−(n−ヘ
キシル)スルホこはく酸等のナトリウム塩またはアンモ
ニウム塩が挙げられる。
【0050】また保護層の中には、感熱記録材料の帯電
を防止するための界面活性剤、金属酸化物微粒子、無機
電解質、高分子電解質等を添加してもよい。保護層の固
形分塗布量は0.2〜7g/m2更に好ましくは1〜4
g/m2である。
【0051】本発明の感熱記録材料は支持体上に感熱記
録層、保護層、下塗り層は、ブレード塗布法、エアナイ
フ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布
法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等の
公知の塗布方法により塗布される。
【0052】透明な感熱記録材料を得る為には透明支持
体を使用する必要がある。透明支持体としては、ポリエ
チレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等
のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィルム、
ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィ
ルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単独
であるいは貼り合わせて使用することができる。合成高
分子フィルムの厚さは25〜250μm、特に50〜2
00μmが好ましい。
【0053】またこれらの合成高分子フィルムは任意の
色相に着色されていてもよい。高分子フィルムを着色す
る方法としては、樹脂フィルムを成形前に樹脂に染料を
混練してフィルムを成形する方法、染料を適当な溶剤に
溶かした塗布液を調整しこれを透明無色な樹脂フィルム
上に公知の塗布方法、例えばグラビアコート法、ローラ
ーコート法、ワイヤーコート法などによって塗布、乾燥
する方法などが挙げられる。なかでも青色染料を混練し
たポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレ
ート等のポリエステル樹脂をフィルムに成形し、これに
耐熱処理、延伸処理、帯電防止処理を施したものが好ま
しい。
【0054】特に、本発明に係わる感熱記録材料をシャ
ーカステン上で支持体側から観察した場合、透明な非画
像部分を透過するシャーカステン光により幻惑が生じ見
ずらい画像になることがある。これを避けるためには、
透明支持体としてJIS−Z8701記載の方法により
規定された色度座標上の、A(x=0.2805,y=
0.3005)、B(x=0.2820,y=0.29
70)、C(x=0.2885,y=0.3015)、
D(x=0.2870,y=0.3040)の4点で形
成される四角形の領域内に青く着色された合成高分子フ
ィルムを用いることが特に好ましい。
【0055】また感熱記録層と反対の面に平均粒径が1
〜20μm、更に好ましくは1〜10μmの微粒子を含
有する光反射層防止を設けてもよい。光反射防止層は入
射光角20°で測定した光沢度を50%以下、特に好ま
しくは30%以下にすることが好ましい。光反射防止層
に含有される微粒子としては大麦、小麦、コーン、米、
豆類より得られるでんぷん等の微粒子の他、セルロース
ファイバー、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ポリ(メタ)アクリ
レート樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、塩
化ビニル及び酢酸ビニルの共重合体樹脂、ポリオレフィ
ン等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミ、シリ
カ、酸化亜鉛等の無機物の微粒子等を挙げることができ
る。これらの微粒子状物質は2種以上併用してもよい。
また感熱記録材料の透明性を良好なものとする観点から
は、屈折率が1.45〜1.75の微粒子状物質が好ま
しい。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の感熱記録材
料は、保護層に、軟化温度が100°C以上のバインダ
ーを、保護層の総バインダーに対し60重量%以上の割
合で用い、かつ保護層中の顔料とバインダーの比率をバ
インダー100重量部に対し顔料100重量部以下にす
るので、透明性を損ねることなくスティッキングが防止
でき、画像をライトテーブルで観察したりOHPで投影
したりするうえで好適である。また不透明な感熱記録材
料に適応した場合は、画像のぼけや発色濃度の低下を引
き起こすことなくスティッキングが防止できる。
【0057】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下実施例のみに限定されるものでは
ない。文中で使用する濃度は、全て重量%である。
【0058】(実施例−1) カプセル液(A)の調整 下記構造式(1)で示される化合物19.0g
【0059】
【化1】
【0060】下記構造式(2)で示される化合物4.2
【0061】
【化2】
【0062】下記構造式(3)で示される化合物7.4
【0063】
【化3】
【0064】下記構造式(4)で示される化合物0.6
【0065】
【化4】
【0066】下記構造式(5)で示される化合物1.9
【0067】
【化5】
【0068】下記構造式(6)で示される化合物0.8
【0069】
【化6】
【0070】を酢酸エチル36gに添加して70°Cに
加熱、溶解した後35°Cに冷却した。これにn−ブタ
ノール0.8g、タケネートD119N(武田薬品工業
株式会社製のカプセル壁剤の商品名)11.2g、タケ
ネートD110N(武田薬品工業株式会社製のカプセル
壁剤の商品名)4.1g、スミジュールN3200(住
友バイエルウレタン社製のカプセル壁材の商品名)1
0.5gを加え、35°C40分間保温した。得られた
溶液を8重量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ
株式会社製PVA217E)75gと水26gを混合し
た水相に混合した後、エースホモジナイザー(日本精機
株式会社製)を用いて10000rpmで5分間乳化を
行なった。得られた乳化液に更に140gの水及びテト
ラエチレンペンタミン1.0gを添加した後、50°C
で3時間カプセル化反応を行なって平均粒径0.7μm
のカプセル液を調整した。なお、平均粒径は全て株式会
社堀場製作所製レーザー回折粒度分布測定装置(LA7
00)を用いて測定した50%体積平均粒径の値を使用
した。
【0071】カプセル液(B)の調整 下記構造式(7)で示される化合物19.0g
【0072】
【化7】
【0073】下記構造式(8)で示される化合物4.2
【0074】
【化8】
【0075】下記構造式(9)で示される化合物7.4
【0076】
【化9】
【0077】下記構造式(10)で示される化合物0.
6g
【0078】
【化10】
【0079】下記構造式(11)で示される化合物1.
9g
【0080】
【化11】
【0081】下記構造式(12)で示される化合物0.
8g
【0082】
【化12】
【0083】を酢酸エチル36gに添加して70°Cに
加熱、溶解した後30°Cに冷却した。これにタケネー
トD110N(武田薬品工業株式会社製のカプセル壁剤
の商品名)15.0g,バーノックD750(大日本イ
ンキ株式会社製のカプセル壁剤の商品名)10.4gを
加え、35°C5分間保温した。得られた溶液を8重量
%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ株式会社製P
VA217E)75gと水26gを混合した水相に混合
した後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製)
を用いて10000rpmで5分間乳化を行なった。得
られた乳化液に更に140gの水及びテトラエチレンペ
ンタミン1.0gを添加した後、50°Cで3時間カプ
セル化反応を行なって平均粒径0.7μmのカプセル液
を調整した。
【0084】顕色剤乳化物分散液の調整 下記構造式(13)で示される化合物3.4g
【0085】
【化13】
【0086】下記構造式(14)で示される化合物8.
3g
【0087】
【化14】
【0088】下記構造式(15)で示される化合物8.
3g
【0089】
【化15】
【0090】下記構造式(16)で示される化合物5.
8g
【0091】
【化16】
【0092】下記構造式(17)で示される化合物3.
9g
【0093】
【化17】
【0094】下記構造式(18)で示される化合物3.
5g
【0095】
【化18】
【0096】及びトリクレジルフォスフェート0.8
g、マレイン酸ジエチル0.4gを酢酸エチル15gに
添加し、70°Cに加熱して溶解した。得られた溶液を
15重量%のポリビニルアルコール水溶液(クラレ株式
会社製PVA205C)40g、2.0重量%のドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウム水溶液9g及び
【0097】下記構造式(19)で示される化合物
【0098】
【化19】
【0099】の2重量%水溶液9gを混合した水相に加
えた後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製)
を用いて10000rpmで平均粒径0.7μmになる
ように乳化を行った。
【0100】保護層用顔料散液の作製 水90gにカオリン(水沢化学カオグロス)20gを加
え3時間撹拌した。
【0101】この分散液100gに花王株式会社製の分
散剤(ポイズ532A)0.5g、10%ポリビニルア
ルコール水溶液(クラレPVA105)10g、30重
量%ステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂株式会社Z−7
−30)10g、10%ドデシルベンゼンスルフォン酸
Na塩水溶液0.5gを加え、ボールミルで分散して平
均粒径0.8μmとした。
【0102】保護層液の調整 水50g、6重量%メチルセルロース水溶液(信越化学
メトローズSM−15、軟化温度210°C)50g、
20.5重量%ステアリン酸亜鉛分散物(中京油脂F1
55)0.5g、1.0%ほう酸水溶液25g、上記カ
オリン分散液7g、4%フッ素ポリマー水分散液(ダイ
キン工業ME413)0,5g、10%ドデシルベンゼ
ンスルフォン酸Na塩水溶液1g及び
【0103】下記構造式(20)で示される化合物
【0104】
【化20】
【0105】の2重量%水溶液15g及び40%グリオ
キザール水溶液1.0gを混合して保護層液を得た。保
護層中のバインダーに対する顔料の比率は、バインダー
100重量部に対し顔料35重量部である。また保護層
全体のバインダーに占める軟化温度100°C以上のバ
インダーの比率は97重量%である。
【0106】紫外線フィルター層用カプセルの調整 下記構造式(21)で示される化合物1.58g
【0107】
【化21】
【0108】下記構造式(22)で示される化合物6.
3g
【0109】
【化22】
【0110】下記構造式(23)で示される化合物5.
2g
【0111】
【化23】
【0112】下記構造式(24)で示される化合物1.
4g
【0113】
【化24】
【0114】下記構造式(25)で示される化合物7.
3g
【0115】
【化25】
【0116】を酢酸エチル8.2gに添加して70°C
に加熱、溶解した後35°Cに冷却した。これにタケネ
ートD110N(武田薬品工業株式会社製のカプセル壁
剤の商品名)0.9g、バーノックD750(大日本イ
ンキ社製のカプセル壁材の商品名)0.3gを加え、3
5°C5分間保温した。この溶液を15重量%のポリビ
ニルアルコール水溶液(クラレ株式会社製PVA20
5)120gと10重量%のドデシルベンゼンスルフォ
ン酸Na塩の水溶液8.0gを混合した水相に混合した
後、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製)を用
いて15000rpmで15分間乳化を行ない、50%
体積平均粒径0.25μmの乳化物を得た。得られた乳
化液に更に60gの水及びテトラエチレンペンタミン
0.15gを添加した後、40°Cで3時間カプセル化
反応を行なって平均粒径0.25μmのカプセル液を調
整した。
【0117】紫外線フィルター層用塗液の調整 水42.31g、10重量%シラノール変性ポリビニル
アルコール(クラレ株式会社製R2105)40.0g
に上記の紫外線フィルター層用カプセル液(固形分濃度
24.2%)13.5gを加え、更に下記構造式(2
6)で示される化合物
【0118】
【化26】
【0119】の50量%水溶液17g、20%コロイダ
ルシリカ(日産化学スノーテックスO)65gを混合し
て紫外線フィルター層用塗液を調整した。
【0120】バックコート層用塗液の調整 水50gに平均粒径5μmのライススターチ(松谷化学
製)0.1gを加え十分に分散した後、2重量%スルフ
ォ琥珀酸ジ(2−エチル)ヘキシル水溶液2.5g及び
下記構造式(27)で示される化合物
【0121】
【化27】
【0122】の2重量%水溶液1.5g、20%コロイ
ダルシリカ(日産化学スノーテックスO)17gを混合
してバックコート層用塗液を調整した。
【0123】 透明支持体の作成厚さ175μmの、JIS−Z870
1記載の方法により規定された色度座標上の、x=0.
2850,y=0.2995に着色された青色のポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面
に、SBRラテックスを乾燥塗布量が0.3g/m2
なるように塗布した。この上に5重量%ゼラチン水溶液
(新田ゼラチン#810)200g、5重量%の粒径2
μmのポリメチルメタクリレート樹脂粒子のゼラチン分
散物(ポリメチルメタクリレート樹脂の含有率10重量
%)0.5g、3重量%1,2−ベンゾチアゾリン−3
−オン水溶液1.0g、2重量%スルフォ琥珀酸ジ(2
−エチル)ヘキシル水溶液10gを混合した塗液を、乾
燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布した。引続
き、他方の面にも同様に塗布を行った。
【0124】感熱記録材料の作成 前記両面下塗りを施した支持体上の一方の面に、前記紫
外線フィルター層用塗液を乾燥固形分で1.8g/m2
になるように塗布、乾燥した。引続き紫外線フィルター
層状に前記バックコート層用塗液を乾燥固形分で2.2
g/m2になるように塗布乾燥した。次に紫外線フィル
ター層及びバックコート層を設けたのと反対側の面に、
前記カプセル液(1)(固形分濃度27%)4.2g、
前記カプセル液(2)(固形分濃度27%)10.0
g、前記顕色剤乳化物分散液(固形分濃度21重量%)
40g、及び下記構造式(28)で示される化合物
【0125】
【化28】
【0126】の50重量%水溶液0.4gを混合し、乾
燥重量が13.5g/m2になるように塗布乾燥した。
引き続きこの塗布物の上に、前記保護層塗液を乾燥重量
が2.5g/m2になるように乾燥し、本発明にかかわ
る感熱記録材料を得た。
【0127】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた印字長さ20cmの画像を記
録した所、スティッキング音は小さく白飛びも生ぜず極
めて良好な結果を得た。また地肌部分の透明性を表すヘ
イズ値は19であった。ヘイズ値はスガ試験機株式会社
製ヘイズメーターHGM−2DPで測定した。ヘイズは
(拡散透過率/全光透過率)×100(%)で表される
値で、この値が少ないほど透明性が高い。
【0128】(実施例−2)メチルセルロールの代わり
に6重量%ゼラチン(新田ゼラチン#750、軟化温度
は228°C)水溶液50gを使用した以外は実施例−
1と同様の方法で感熱記録材料を作製した。保護層中の
総バインダーを100重量部とした場合顔料は35重量
部であり、またバインダー中に占める軟化温度100°
C以上のバインダーの比率は97重量%であった。
【0129】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。また記録材料の透明性を表すヘイズ値は18であっ
た。
【0130】(実施例−3)メチルセルロールの代わり
に2重量%アルギン酸ナトリウム塩(富士化学スノーア
ルギンSH、軟化温度は210°C)水溶液150gを
使用した以外は実施例−1と同様の方法で感熱記録材料
を作製した。保護層中の総バインダーを100重量部と
した場合顔料は35重量部であり、またバインダー中に
占める軟化温度100°C以上のバインダーの比率は9
7重量%であった。
【0131】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。また記録材料の透明性を表すヘイズ値は20であっ
た。
【0132】(実施例−4)5重量%メチルセルロース
(信越化学SM15、軟化温度は210°C)水溶液8
0gの代わり5重量%メチルセルロース(信越化学SM
15、軟化温度は210°C)水溶液37.5g及び5
重量%完全変性ポリビニルアルコール(クラレ株式会社
製PVA124、軟化温度は85°C)水溶液12.5
gを使用した以外は実施例−1と同様の方法で感熱記録
材料を作製した。保護層中の総バインダーを100重量
部とした場合顔料は35重量部であり、またバインダー
中に占める軟化温度100°C以上のバインダーの比率
は73重量%であった。
【0133】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は実施例−1よりもわずかに大きく、記録長2
0cm当たり1箇所の白飛び(印字がライン単位で抜け
る)が生じたが実用上問題の無いレベルであった。また
記録材料の透明性を表すヘイズ値は20であった。
【0134】(実施例−5)下記構造式(29)で示さ
れるジアゾニウム化合物5g
【0135】
【化29】
【0136】にメチレンクロライド15g、トリクレジ
ルフォフフェート5g、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート15gおよびm−キシリレンジイソシアナ
ートのトリメチロールプロパン3:1付加物の75重量
%酢酸エチル溶液(武田薬品株式会社:タケネートD1
10N)20gを加え、均一に混合して油相溶液を作製
した。
【0137】得られた油相溶液を7重量%のポリビニル
アルコール(クラレ株式会社:PVA217E)水溶液
60gの水相に混合した後、エースホモジナイザー(日
本精機株式会社製)を用いて8000rpmで5分間乳
化を行なった。得られた乳化液に更に50gの水を添加
した後、40°Cで3時間カプセル化反応を行なって平
均粒径1.5μmのカプセル液を調整した。反応終了後
に得られた液にイオン交換樹脂(オルガノ株式会社:M
B−3)10mlを添加し30分撹拌した後、濾過して
カプセル液を得た。
【0138】下記構造式(30)で示されるカプラー化
合物4.3g
【0139】
【化30】
【0140】及び下記構造式(31)で示されるカプラ
ー化合物0.7g
【0141】
【化31】
【0142】1,2,3−トリフェニルグアニジン5
g、トリクレジルフォスフェート0.8gおよびマレイ
ン酸ジエチル0.2gを酢酸エチル25gに溶解した。
得られた溶液を8重量%のポリビニルアルコール水溶液
40gと水15g、およびドデシルベンゼンスルフォン
酸ナトリウム0.5gを混合した水相に混合した後、エ
ースホモジナイザー(日本精機株式会社製)を用いて1
0000rpmで平均粒径0.5μmになるように乳化
を行った。
【0143】感熱記録材料の作成 前記ジアゾニウム化合物を含有するカプセル液(固形分
濃度25重量%)5.0gと、カプラー乳化物(固形分
濃度16重量%)15gを撹拌、混合し、混合した液を
実施例−1で使用した支持体上に固形分で15g/m2
になるように塗布、乾燥して感熱記録層を形成した。次
に形成された感熱記録層の上に実施例−1の保護層塗液
を乾燥後の固形分で2.5g/m2になるように塗布乾
燥して透明な感熱記録材料を作製した。
【0144】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。また記録材料の透明性を表すヘイズ値は18であっ
た。
【0145】(実施例−6) ベヘン酸銀分散液の調整 蒸留水3リットル、ベヘン酸銀120g(0.35モ
ル)、0.12モル%の水酸化名とリム水溶液14.1
g、0.56モル%の希硝酸1ml、0.23モル%の
硝酸銀水溶液59.25gをそれぞれ用意した。蒸留水
3リットルをヒルシベルグ(Hirechberg)撹
拌機及び加熱マントルを備えた5リットルの丸底フラス
コに入れ、温度を約80°Cにした後ベヘン酸120g
(0.35モル)を加え、次いで得られた混合物を、細
かく分散されるまで(約20分)激しく撹拌し、水酸化
ナトリウム水溶液14.1gを滴下漏斗を用いて迅速に
滴下した。
【0146】次いで、反応混合物を、ミルク上のコロイ
ドが形成されるまで更に30分撹拌した後、希硝酸1m
lを加えて、遊離水酸化物が確実に残らないようにし
た。加熱を中止し、温度を約50°Cまで下げた後、硝
酸銀水溶液59.25gを激しく撹拌しながら30分か
けて分散液に滴下した。分散液の粘度が著しく低下する
まで撹拌を続けた後、分散液を更に20分撹拌して、全
反応体を確実に消費させた。
【0147】過剰のベヘン酸銀をブフナー漏斗を用いて
濾過し、分散液から回収した。次いで回収したベヘン酸
銀を蒸留水2リットルを用い、スラリー化して濾過し、
濾液に塩化ナトリウムを加えても塩化銀が形成されなく
なるまで蒸留水で洗浄した後、50°Cで数日間、恒量
となるまで乾燥した。メチルエチルケトン220g、ト
ルエン60g、メチルイソブチルケトン50g中に溶解
したポリビニルブチラール(ブトバール(Butva
r)B−76:モンサント社の商品名)10g及び上記
で得られた乾燥ベヘン酸銀100gを48時間ボールミ
ルで分散することによって、ベヘン酸銀の形で銀5.5
重量%を含有する、ベヘン酸銀分散ポリビニルブチラー
ル溶液を得た。
【0148】感熱層塗液の調整。 上記ベヘン酸銀分散液100gにエチルアルコール32
5gを添加し、均質になるまで混合した。次いで20m
lのメチルアルコール中に溶解した0.1モルの臭化銀
2mlを添加した。更にポリビニルブチラールの10重
量%アセトン溶液46gを加え、分散体を得た。得られ
た分散体20gに2−(4−ヒドロキシ−3.5−ジメ
トキシ)4,5−ビス(パラメトキシフェニル)イミダ
ゾール0.3g、フタラジノン0.2g、1,2,3−
ベンゾトリアジン−4(3H)−オン0.1gを添加し
感熱層塗液を得た。
【0149】上記感熱層塗液を、実施例−1で使用した
支持体上に固形分で20g/m2になるように塗布、乾
燥して感熱記録層を形成した。次に形成された感熱記録
層の上に実施例−1の保護層塗液を乾燥後の固形分で
2.5g/m2になるように塗布乾燥して透明な感熱記
録材料を作製した。固形分塗布量が20g/m2になる
ように塗布乾燥して透明な感熱記録材料を作製した。
【0150】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した後、リコース
ーパードライ100(リコー株式会社製)を使用し、感
熱記録材料を全面露光して光定着した。スティッキング
音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得た。ま
た記録材料の透明性を表すヘイズ値は19であった。
【0151】(実施例−7)保護層塗液の調整で、6重
量%カルボキシメチル水溶液50gを100gとし顔料
分散液の使用量を7gとした以外は、実施例−1と同様
の方法で感熱記録材料を作成した。保護層中のバインダ
ーに対する顔料の比率は、バインダー100重量部に対
し顔料17重量部であり、またバインダー中に占める軟
化温度100°C以上のバインダーの比率は99重量%
であった。
【0152】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。また記録材料の透明性を表すヘイズ値は13であっ
た。
【0153】(実施例−8)電子供与性無色染料とし
て、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン、電子受容性化合物としてビスフェノールA、
増感剤として2−ベンジルオキシナフタレン、各々20
gを100gの5%ポリビニルアルコール(クラレPV
A−105)水溶液と共に一昼夜ボールミルで分散し、
平均粒径を1.5μm以下にし、各々の分散液を得た。
また、炭酸カルシウム(白石工業ユニバー70)80g
をヘキサメタリン酸ソーダ0.5%溶液160gと共に
ホモジナイザーで分散し、顔料分散液を得た。以上のよ
うにして作成した各分散液を電子供与性無色染料分散液
5g、電子受容性化合物分散液10g、2−ベンジルオ
キシナフタレン分散液10g、炭酸カルシウム分散液を
5gの割合で混合し、さらに21%ステアリン酸亜鉛エ
マルジョン(中京油脂ハイドリンZ−7)3gを添加し
て感熱塗液を得た。この感熱発色層塗布液を坪量50g
/m2の支持体の表面上にワイヤーバーを用いて感熱発
色層の乾燥重量が4.0g/m2になるように塗布し、
50℃で1分間乾燥して感熱記録層を得た。この感熱記
録層に実施例−1と同様の方法で保護層を設け不透明な
反射型感熱記録材料を得た。
【0154】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。マクベス濃度計(RD918)で測定した発色濃度
は1.42で、画像のかすれやボケは見られなかった。
【0155】(比較例−1)メチルセルロールの代わり
に5重量%完全変性ポリビニルアルコール(クラレ株式
会社製PVA124、軟化温度は85°C)水溶液80
gを使用した以外は実施例−1と同様の方法で感熱記録
材料を作製した。保護層中の総バインダーを100重量
部とした場合顔料は35重量部であるが、バインダー中
に占める軟化温度100°C以上のバインダーの比率は
0重量%であった。
【0156】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、ヘイズ値
は15で透明性は良好であったがスティッキング音は実
施例−1よりも大きく、記録長20cm当たり4箇所の
白飛び(印字がライン単位で抜ける)が生じた。
【0157】(比較例−2)メチルセルロース水溶液の
使用量を15gとした以外は実施例−1と同様の方法で
感熱記録材料を作製した。保護層中の総バインダーを1
00重量部とした場合顔料は112重量部であり、バイ
ンダー中に占める軟化温度100°C以上のバインダー
の比率は94重量%であった。
【0158】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。しかし記録材料の透明性を表すヘイズ値は38で透
明性が低下した。
【0159】(比較例−3)バインダーを6重量%メチ
ルセルロース水溶液20gと10重量%ピリビニルアル
コール(クラレ株式会社KM618、軟化温度は65°
C)水溶液18gの併用とした以外は実施例−1と同様
の方法で感熱記録材料を作製した。保護層中の総バイン
ダーを100重量部とした場合顔料は34重量部であ
り、バインダー中に占める軟化温度100°C以上のバ
インダーの比率は39重量%であった。
【0160】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、微小なス
ティッキング音が生じ、記録長20cm当たり3箇所の
白飛び(印字がライン単位で抜ける)が生じた。ヘイズ
値は20であった。
【0161】(比較例−4)バインダーを6重量%ゼラ
チン水溶液12.5gと10重量%ピリビニルアルコー
ル(クラレ株式会社KM618、軟化温度は65°C)
水溶液22.5gの併用とした以外は実施例−1と同様
の方法で感熱記録材料を作製した。保護層中の総バイン
ダーを100重量部とした場合顔料は34重量部であ
り、バインダー中に占める軟化温度100°C以上のバ
インダーの比率は24重量%であった。
【0162】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、微小なス
ティッキング音が生じ、記録長20cm当たり4箇所の
白飛び(印字がライン単位で抜ける)が生じた。ヘイズ
値は20であった。
【0163】(比較例−5)メチルセルロールの代わり
に6重量%完全変性ポリビニルアルコール(クラレ株式
会社製PVA124、軟化温度は85°C)水溶液15
gを使用した以外は実施例−1と同様の方法で感熱記録
材料を作製した。保護層中の総バインダーを100重量
部とした場合顔料は107重量部で、バインダー中に占
める軟化温度100°C以上のバインダーの比率は0重
量%であった。
【0164】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず極めて良好な結果を得
た。しかし記録材料の透明性を表すヘイズ値は38で透
明性が低下した。
【0165】(比較例−6)メチルセルロールの代わり
に6重量%完全変性ポリビニルアルコール(クラレ株式
会社製PVA124、軟化温度は85°C)水溶液15
gを使用した以外は実施例−8と同様の方法で感熱記録
材料を作製した。保護層中の総バインダーを100重量
部とした場合顔料は107重量部で、バインダー中に占
める軟化温度100°C以上のバインダーの比率は0重
量%であった。
【0166】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音は小さく白飛びも生ぜず良好であった。しかし
発色濃度が1.32に低下し、画像のカスレが見られ
た。
【0167】(比較例−7)バインダーを6重量%メチ
ルセルロース水溶液20gと10重量%ピリビニルアル
コール(クラレ株式会社KM618、軟化温度は65°
C)水溶液18gの併用とした以外は実施例−8と同様
の方法で感熱記録材料を作製した。保護層中の総バイン
ダーを100重量部とした場合顔料は34重量部であ
り、バインダー中に占める軟化温度100°C以上のバ
インダーの比率は39重量%であった。
【0168】得られた感熱記録材料を用いてサーマルプ
リンター(富士写真フイルム株式会社FTI−100
0)を使用して主走査方向の黒率を10%刻みで0%か
ら100%まで変化させた画像を記録した所、スティッ
キング音が生じた。また記録長20cm当たり3箇所の
白飛び(印字がライン単位で抜ける)が発生し画像観察
上問題のあるレベルであった。発色濃度が1.40で、
画像のカスレ、ボケは見られなかった。
【0169】以上の実施例、比較例の結果から本発明の
有効性が実証された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感熱記録層及び保護層を順次
    設けた感熱記録材料において、該保護層中に軟化温度が
    100°C以上のバインダーを、保護層の総バインダー
    量に対し60重量%以上の割合で用い、かつ保護層中の
    顔料とバインダーの比率がバインダー100重量部に対
    し顔料が100重量部以下であることを特徴とする感熱
    記録材料。
  2. 【請求項2】 (拡散透過率/全光透過率)×100
    (%)で表されるヘイズ値が40%以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 保護層中の顔料とバインダーの比率がバ
    インダー100重量部に対し顔料が50重量部以下であ
    ることを特徴とする請求項1及び2に記載の感熱記録材
    料。
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