JP2000233574A - 感熱記録材料の製造方法 - Google Patents

感熱記録材料の製造方法

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JP2000233574A
JP2000233574A JP11035731A JP3573199A JP2000233574A JP 2000233574 A JP2000233574 A JP 2000233574A JP 11035731 A JP11035731 A JP 11035731A JP 3573199 A JP3573199 A JP 3573199A JP 2000233574 A JP2000233574 A JP 2000233574A
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heat
layer
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dispersion
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JP11035731A
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Katsuya Takemasa
克弥 竹政
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟調な画像形成が可能で高感度であり、か
つ、非画像部の着色のない安定性に優れた感熱記録材料
を簡単な方法で、効率よく得ることができる製造方法を
提供する。 【解決手段】 支持体上に、互いに化学反応しうる2種
以上の微粒子を分散物として含有する塗布液を塗布して
構成層を形成する層形成工程を有し、該層形成工程が、
2種以上の微粒子をそれぞれ含有する2種以上の微粒子
分散物を別々に調製する工程と、該微粒子分散物を混合
して塗布液を調製する工程と、調製した塗布液を調製後
1時間以内に塗布する工程を含むことを特徴とする。微
粒子分散物は、固体分散物、乳化分散物、ラテックス分
散物、及び、マイクロカプセル分散物などのいずれであ
ってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録材料の製造
方法に関し、特に階調性に優れ、軟調な記録が可能な感
熱記録材料の効率のよい製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱記録方法は、(1)現像が不要であ
る、(2)支持体が紙の場合は紙質が一般紙に近い、
(3)取扱が容易である、(4)発色濃度が高い、
(5)記録装置が簡単で安価である、(6)記録時の騒
音が無い、等の利点があるためファクシミリやプリンタ
ーの分野、POS等のラベルの分野等に感熱記録の用途
が拡大している。このような背景のもとで、近年におい
ては多色化に対応するため、或いは画像をオーバーヘッ
ドプロジェクター(OHP)で投影したり、直接ライト
テーブル上で観察する等のために、サーマルヘッドで直
接記録することのできる透明な感熱記録材料も開発され
ており、画像の品質に対する要求は高まる一方である。
一方、高速記録に対応して、感熱記録材料の高感度化が
進につれ、印字エネルギーに対する発色の立ち上がりが
急となる傾向があり、画像階調性が犠牲にされてきた感
がある。
【0003】そこで、感度と階調性を両立させるため
に、支持体上に発色色調が同一の、第2の発色層とその
上に積層した第1の発色層を積層してなり、第1の発色
層を第2の発色層より低温発色性とした感熱記録材料が
開発された(特公平6−30953号公報)。この発明
は、低温印字においては第1層の発色を優先させ、高温
印字においては第2の発色層の発色を利用するというも
のであるが、第1の発色層における発色剤の使用量が制
限されるため、十分な濃度の画像を得ることができない
という欠点があった。かかる欠点は、特に、シャーカス
テン上で観察する診断用の記録材料として使用するため
には致命的なものである。
【0004】そこで、本発明者等は、上記の欠点を解決
するために鋭意検討した結果、臨界温度を境にして物質
透過能が大きく変化する所謂熱応答性マイクロカプセル
を用いて熱感度の調整を行うと共に、画像の色調を一定
の範囲のものにした場合には、階調性及び画像濃度が十
分であるのみならず、画像色調が黒色に近似する結果、
診断用の記録材料等の、高画質が要求される用途にも十
分使用可能になることを見いだし、先に、特開平8−1
56421号の技術を提案した。ここに記載の感熱記録
材料は、階調性に優れると共に、高い画像濃度を得るこ
とができる。これは、感熱層を2層以上積層してなり、
その熱感度が互いに異なると共に、記録層全体を発色さ
せたときの発色画像の色調が、特定の範囲内にあるよう
に調整されていることに起因する。このような感熱記録
材料は、具体的には、感熱層の構成のうち、表面に近い
層ほど感度が高いことが好ましい。
【0005】表面に近い層を高感度化するためには、熱
応答性の良好な、言い換えればガラス転移温度の低いカ
プセル材料を用いたマイクロカプセルが必要であり、同
じ感熱層に顕色成分や耐水性付与剤などの膜質向上剤を
共存させる必要がででくる。しかしながら、マイクロカ
プセルの壁材には表面に反応性基が残存しており、低ガ
ラス転移点のであることとあいまって、例えば、感熱層
塗布液の調製時に塗布液内に比較的自由に分散、共存す
る各成分同士が所望されない反応を起こし、地肌かぶり
や粒状性の悪化などを引き起こす懸念があることがわか
った。一般的にも、感熱記録材料は、同一層中に互いに
化学反応して発色するような2種以上の材料を含有させ
ることが多く、それぞれの材料の感度、即ち、反応性を
上げると、所望されない反応が生じやすくなり、感度と
安定性、信頼性を両立することはその構成上困難である
のが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、軟調な画
像形成が可能で高感度であり、かつ、非画像部の着色の
ない安定性に優れた感熱記録材料を簡単な方法で、効率
よく得ることができる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、複数の反応性の微粒子を含有する層を形成する
際の塗布液調製において、その調製工程を見直すこと
で、上記目的を解決しうることを見出し本発明を完成し
た。即ち、本発明の感熱記録材料の製造方法は、支持体
上に、互いに化学反応しうる2種以上の微粒子を分散物
として含有する塗布液を塗布して構成層を形成する層形
成工程を有し、該層形成工程が、2種以上の微粒子をそ
れぞれ含有する2種以上の微粒子分散物を別々に調製す
る工程と、該微粒子分散物を混合して塗布液を調製する
工程と、調製した塗布液を調製後1時間以内に塗布する
工程を含むことを特徴とする。このような、微粒子分散
物としては、固体分散物、乳化分散物、ラテックス分散
物、及び、マイクロカプセル分散物等が挙げられる。ま
た、この製造方法は、マイクロカプセル分散物中に実質
的に無色の発色成分Aを含有し、固体分散物中に該発色
成分Aと反応して発色させる発色成分Bとを含有する感
熱層を有する感熱記録材料に適用した場合に効果が著し
く、さらに、感度、発色性を向上させるため、支持体上
に、少なくとも熱応答性マイクロカプセルに含有された
実質的に無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して
発色させる発色成分Bとを含有し、互いに熱感度が異な
る2層以上の感熱層を積層してなる感熱記録層を有する
感熱記録材料の製造方法に好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の感熱記録材料の製造方法は、互いに化学反
応しうる2種以上の微粒子を分散物として含有する塗布
液を用いる感熱層、中間層、表面層などの感熱記録材料
の各構成層を形成する工程において、これら反応性の微
粒子の分散物を予め別々に調製しておき、それらを混合
して塗布液を調製するとともに、塗布液調整後は速やか
に、具体的には1時間以内に塗布して、層形成を行うも
のである。この技術は、種々の感熱記録材料の製造に適
用することができ、構成層としても、例えば、感熱層、
中間層、表面層、紫外線吸収層、保護層など、互いに反
応性の2種以上の微粒子を含有する層であれば、いずれ
の層の形成工程にも適用できる。なかでも、感熱記録材
料においては、互いに反応して発色する発色成分と顕色
成分とを含有する感熱層に適用してその効果が著しいと
いえる。
【0009】本発明でいう微粒子分散物には特に制限は
なく、微粒子状の形状にて媒体に分散されていれば、固
体微粒子として分散されていても、油滴(油性成分を含
み、混合物であってもよい)、あるいは水滴(水性成分
を含み、混合物であってもよい)状微粒子として分散さ
れる乳化分散物であってもよく、具体的には、例えば、
固体分散物、乳化分散物、ラテックス分散物、及び、マ
イクロカプセル分散物等が挙げられる。
【0010】本発明の製造方法に適用される感熱記録材
料は、常温において、マイクロカプセルによって互いに
隔離されている、実質的に無色の発色成分Aと、該発色
成分Aと反応して発色させる実質的に無色の発色成分B
とを含み、加熱することにより熱応答性のマイクロカプ
セル壁材が物質透過性となり、前記の発色性分A及びB
を互いに接触させて発色させることにより画像を記録す
るものである。このような感熱層中では、感度を上げる
ために互いの反応性を向上させるほど、保存時の外的刺
激などにより、記録前に所望されない反応が徐々に進行
して記録時の画像の発色濃度を低下させたり、非画像部
の着色を引き起こすなどの問題が生じる可能性が大きく
なる。特に、熱応答性マイクロカプセルの壁材として有
用なイソシアネート系化合物はカプセル形成後にも壁表
面に反応性基が残存し、他の発色成分や膜質効果材な
ど、同じ層中に存在する他の微粒子成分と好ましくない
反応を起こしやすく、生保存性などの保存性、安定性を
低下させる原因となりやすい。
【0011】本発明者らの検討によれば、微粒子成分は
感熱層等の構成層中に均一に分散した状態で存在するこ
とが好ましいが、すでに塗布、乾燥して形成された層中
ではバインダー成分中に固定された状態で存在するた
め、均一分散されて近傍に存在していてもほとんど問題
はないものの、特に互いに反応しやすい微粒子成分が塗
布液中に分散状態でフリーに存在する場合、好ましい状
態、即ち微粒子ができるだけ均一に分散された状態であ
ればある程、微粒子同士が接触する可能性が高くなり、
所望されない反応が起こりやすいことを見出した。そこ
で、当該層に含有される成分のうち、特に互いに反応し
やすい微粒子を選択し、それらを互いに分離して、別々
の分散物として予め調製して、それらを混合して塗布液
を調製し、直ちに支持体上の所定位置に塗布することで
前記の問題点を解決したものである。
【0012】予め調製した2種以上の微粒子分散物を混
合して塗布液を調製した後は、1時間以内に塗布して、
層形成を行うことが必要であり、さらに好ましくは、
0.5時間以内に塗布することである。塗布液調製後、
1時間を超えて放置すると予め別々の微粒子分散物を調
製して選られる安定性向上効果が不十分となる。微粒子
分散液の混合は公知のいかなる手段で行ってもよい。例
えば、ミキサー、ディゾルバー、アトライター、サンド
ミル等の攪拌、混合、分散装置によって充分混合分散し
て塗布液を調製した後、支持体に塗布すればよい。塗布
液の調製をバッチ処理で行う場合には、塗布液の塗布工
程の直前に公知の混合手段により、混合すればよい。ま
た、塗布液の調製と供給を連続処理で行う場合には、異
なる調製槽で調製した前記微粒子分散物を供給、混合し
て塗布液を調製し、それを直ちにコーターなどの塗布手
段へ供給すればよい。連続的に微粒子分散物を混合する
場合には、スタチックミキサー(静的混合機)等の均一
混合手段を適用してスタチック混合を行うことが塗布液
の均一性の観点から好ましい。
【0013】以下に、本発明の製造方法が適用できる好
ましい感熱記録材料について、具体的に説明する。本発
明における実質的に無色の発色成分A、Bの組合わせと
しては、例えば、特に制限はなく、電子供与性染料前駆
体と電子受容性化合物の組合せや、光分解性ジアゾ化合
物とカプラーの組合せを挙げることができるが、その他
の組合せとしては下記(ア)〜(サ)の組合せを挙げる
ことができる。 (ア)ベヘン酸銀、ステアリン酸銀等の有機金属塩とプ
ロトカテキン酸、スピロインダン、ハイドロキノン等の
還元剤との組合せ。(イ)ステアリン酸第二鉄、ミリス
チン酸第第二鉄等の長鎖脂肪族塩と没食子酸、サリチル
酸アンモニウム等のフェノール類の組合せ。(ウ)酢
酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の有機酸とニッケ
ル、コバルト、鉛、銅、鉄、水銀、銀等の重金属との有
機酸重金属塩と硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、
硫化カリウム等のアルカリ土類金属硫化物との組合せ、
又は上記有機酸重金属塩とs−ジフェニルカルバジド、
ジフェニルカルバゾン等の有機キレート剤との組合せ。
【0014】(エ)硫化銀、硫化鉛、硫化水銀、硫化ナ
トリウム等の(重)金属硫化物とNa−テトラチオネー
ト、チオ硫酸ソーダ、チオ尿素等の硫黄化合物との組合
せ。(オ)ステアリン酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩と
3,4ジヒドロキシテトラフェニルメタン等の芳香族ポ
リヒドロキシ化合物との組合せ。(カ)シュウ酸銀、シ
ュウ酸水銀等の有機金属塩とポリヒドロキシアルコー
ル、グリセリン、グリコール等の有機ポリヒドロキシ化
合物との組合せ。(キ)ペラルゴン酸第二鉄、ラウリン
酸第二鉄等の脂肪族第二鉄塩とチオセシルカルバミドや
イソチオセシルカルバミド誘導体との組合せ。(ク)カ
プロン酸鉛、ペラルゴン酸鉛、ベヘン酸鉛等の有機酸鉛
塩とエチレンチオ尿素、N−ドデシルチオ尿素等のチオ
尿素誘導体との組合せ。(ケ)ステアリン酸第二鉄、ス
テアリン酸銅等の高級脂肪酸重金属塩とジアルキルジチ
オカルバミン酸亜鉛との組合せ。(コ)オキサジン染料
を形成する、レゾルシンとニトロソ化合物の組合せ及び
その他の組合せ。(サ)ホルマザン化合物と還元剤及び
/又は金属塩との組合せ。
【0015】なお、これらの組合せのうち、発色成分A
は、電子供与性染料前駆体、光分解性ジアゾ化合物、有
機金属塩、長鎖脂肪酸塩、有機酸重金属塩、金属硫化
物、脂肪族第二鉄塩、有機酸鉛塩、高級脂肪酸重金属
塩、レゾルシン、ホルマザン化合物であり、発色成分B
は、これらの発色成分と組み合わされる、顕色剤、カプ
ラー、有機金属塩に対する還元剤、フェノール類、アル
カリ土類金属硫化物、有機キレート剤、硫黄化合物、芳
香族ポリヒドロキシ化合物、有機ポリヒドロキシ化合
物、チオセシルカルバミド等、チオ尿素誘導体、ジアル
キルジチオカルバミン酸亜鉛、ニトロソ化合物、ホルマ
ザン化合物に対する還元剤及び/又はその金属塩であ
る。
【0016】これらの組合せの中でも、本発明の感熱記
録材料においては、高画質の画像を記録する観点から、
発色成分Aとして電子供与性染料前駆体、発色成分Bと
して顕色剤を使用することが好ましい。次に、本発明の
感熱記録材料の代表的な例として、発色成分として、電
子供与性染料前駆体と顕色剤の組合せ、及びジアゾ化合
物とカプラーの組合せを用いた場合を説明する。
【0017】本発明で使用する電子供与性染料前駆体は
実質的に無色のものであれば特に限定されるものではな
く、エレクトロンを供与して、或いは酸等のプロトンを
受容して発色する性質を有するものであって、ラクト
ン、ラクタム、サルトン、スピロピラン、エステル、ア
ミド等の部分骨格を有し、顕色剤と接触してこれらの部
分骨格が開環若しくは開裂する、略無色の化合物が用い
られる。
【0018】このような電子供与性染料前駆体として
は、トリフェニルメタンフタリド系化合物、インドリル
フタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジ
ン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラ
クタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリア
ゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化
合物等を挙げることができる。
【0019】フタリド系化合物の具体例は、米国再発行
特許第23,024号、米国特許第3,491,111
号、同第3,491,112号、同第3,491,11
6号及び同第3,509,174号等に、フルオラン系
化合物は、米国特許第3,624,107号、同第3,
627,787号、同第3,641,011号、同第
3,462,828号、同第3,681,390号、同
第3,920,510号、同第3,959,571号等
に、スピロピラン系化合物は米国特許第3,971,8
08号、フルオレン系の化合物は特開昭63−9487
8号公報等に、その他ピリジン系及びピラジン系化合物
は米国特許第3,775,424号、同第3,853,
869号、同第4,246,318号等に各記載されて
いる。
【0020】これらの化合物の中でも、本発明において
は、特に、診断用の記録材料として好適な、画像色調が
黒色に近似した高画質の画像を得る観点から、下記式
(1)で表されるフルオラン化合物が好ましい。
【0021】
【化1】
【0022】式(1)中のR1 及びR2 は、水素原子、
アルキル基又はアルコキシ基であり、R3 は、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基であ
る。具体的には、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−シクロヘキシル−N−メチルアミノフルオラン、
2−p−クロロアニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジオ
クチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N−
ドデシルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メトキ
シ−6−ジブチルアミノフルオラン、2−o−クロロア
ニリノ−6−ジブチルアミノフルオラン;
【0023】2−p−クロロアニリノ−3−エチル−6
−N−エチル−N−イソアミルアミノフルオラン、2−
o−クロロアニリノ−6−p−ブチルアニリノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−ペンタデシル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−アニリノ−3−エチル−6−ジブ
チルアミノフルオラン、2−o−トルイジノ−3−メチ
ル−6−ジイソプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−イソブチル−N−エチルアミ
ノフルオラン;
【0024】2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチ
ル−N−テトラヒドロフルフリルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−クロロ−6−N−エチル−N−イソア
ミルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−N−メチル−N−γ−エトキシプロピルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−N−エチル−N
−γ−エトキシプロピルアミノフルオラン、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−N−エチル−N−γ−プロポキシ
プロピルアミノフルオラン等を使用することが好まし
い。
【0025】その他の具体例としては、前記特開平8−
156421号公報の段落番号[0022]〜[002
3]に記載のトリアリールメタン系化合物、キサンテン
系化合物として、等を挙げることができる。これらの発
色剤は2種以上併用しても良い。
【0026】これらの電子供与性染料前駆体に対する電
子受容性化合物としては、フェノール性化合物、有機酸
若しくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸性
物質が用いられる。フェノール性化合物としては、例え
ば2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シ−3’,5’ジクロロフェニル)プロパン;
【0027】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−メチル−ペンタン;
【0028】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−ヒド
ロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス(p−
ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル−4−
ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−−ヒドロ
キシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェノー
ル類;p−フェニルフェノール、3,5ジフェニルフェ
ノール、クミルフェノール、4-ヒドロキシ−4’−イソ
プロポキシ−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−
4’−フェノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノー
ル類が挙げられる。
【0029】本発明に係る感熱記録材料で使用すること
のできるジアゾ化合物は、実質的に無色で、後述するカ
ップリング成分と呼ばれる顕色剤と反応して所望の色相
に発色するものであって、反応前に特定の波長の光を受
けると分解し、もはやカップリング成分が作用しても発
色能力を持たなくなる光分解性ジアゾ化合物である。こ
の発色系における色相は、ジアゾ化合物とカップリング
成分が反応して生成したジアゾ色素により主に決定され
る。従って、良く知られているように、ジアゾ化合物の
化学構造を変えるか、カップリング成分の化学構造を変
えれば容易に発色色相を変えることができ、組み合わせ
次第で略任意の発色色相を得ることができる。
【0030】本発明における光分解性のジアゾ化合物と
は主に芳香族ジアゾ化合物を指し、更に具体的には、芳
香族ジアゾニウム塩、ジアゾスルホネート化合物、ジア
ゾアミノ化合物等の化合物を指す。これらのジアゾ化合
物の詳細は、例えば特開平2−136286号に記載さ
れている。本発明に用いられるジアゾ化合物(ジアゾニ
ウム塩)とカップリングして色素を形成するカップリン
グ成分は、例えば、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸ア
ニリドの他、レゾルシンを初めとし特開昭62−146
678号に記載されているものを挙げることができる。
これらのカップリング成分を2種以上併用することによ
って任意の色調の画像を得ることができる。
【0031】これらのジアゾ化合物とカップリング成分
とのカップリング反応は塩基性雰囲気下で起こり易い
為、層内に塩基性物質を添加することが好ましい。塩基
性物質としては、水に不溶又は難溶性の塩基性物質や加
熱によってアルカリを発生する物質が用いられる。この
ような塩基性物質としては、例えば、無機又は有機アン
モニウム塩類、有機アミン類、アミド類、尿素やチオ尿
素及びその誘導体等の尿素類、チアゾール類、ピロール
類、ピリジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インド
ール類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾー
ル類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フ
ォリムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げら
れる。これらの化合物の具体例は特開昭61−2911
83号に記載されている。塩基性物質は2種以上併用し
てもよい。
【0032】その他の発色成分としては、前記特開平8
−156421号公報段落番号[0030]〜[003
1]に記載の有機金属塩と還元剤との組合せが挙げられ
る。
【0033】本発明に係る感熱記録材料おいて使用する
発色成分Aは、感熱層の透明性向上の観点、及び希望の
熱エネルギーで所望の色を発色させるというような熱感
度の制御の観点等から、マイクロカプセルに内包させ
る。本発明においては、感熱層の熱感度及び発色濃度
(以下、単に熱感度という)を制御するために、臨界温
度を境にして物質透過能が大きく変化するマイクロカプ
セル(適宜、熱応答性マイクロカプセルと称する)を使
用する。ここで上記臨界温度とは、ガラス転位温度に相
当する。このようなマイクロカプセルは、マイクロカプ
ルの壁材料及び製造方法を選択することにより製造する
ことができる。なお、熱感度の制御はマイクロカプセル
壁の素材や厚さを変えることにより、及び/又は、マイ
クロカプセル壁のガラス転移温度に影響を与える、例え
ば、可塑剤となるような添加剤を加えることよって行う
ことができる。
【0034】このようなマイクロカプセルの製造には、
界面重合法、内部重合法、外部重合法の何れの方法をも
採用することができるが、特に、発色剤を含有した芯物
質を、水溶性高分子を溶解した水溶液中で乳化した後、
その油滴の周囲に高分子物質の壁を形成させるという界
面重合法を採用することが好ましい。高分子物質を形成
するリアクタントは、油滴の内部及び/又は油滴の外部
に添加される。
【0035】マイクロカプセル壁材として好ましい高分
子物質及びマイクロカプセルの製造方法としては、前記
特開平8−156421号公報の段落番号[0034]
〜[0039]に記載のものを適用することができる。
このようにして製造されるマイクロカプセルは、熱や圧
力によって破壊するものではなく、マイクロカプセル壁
がガラス転位温度以上に加熱された場合に壁材の物質透
過性が増大し、マイクロカプセルの芯及び外に含有され
ている発色成分がマイクロカプセル壁を透過し、発色す
る熱感度制御作用を有するものである。マイクロカプセ
ル壁のガラス転移温度は、公知の高分子物質ガラス転移
温度測定器を用いて測定することができる。
【0036】本発明の製造方法が適用される感熱記録材
料においては、熱感度を調節して、熱感度が互いに異な
る感熱層を2層以上積層するものを用いることが好まし
い。このような層を形成するために、各感熱層にはガラ
ス転移温度の異なるマイクロカプセル及び/又は壁厚の
異なるマイクロカプセルを含有させる。含有させるマイ
クロカプセル壁のガラス転移温度は、各感熱層を発色さ
せる温度の設計に従って、通常、100℃〜200℃の
範囲で決定する。
【0037】本発明において、発色成分Aとしてジアゾ
化合物を使用する場合には、発色助剤を用いることも可
能である。本発明で用いることのできる発色助剤とは、
加熱印字時の発色濃度を高くする、若しくは最低発色温
度を低くする物質であり、カップリング成分もしくはジ
アゾ化合物等の融解点を下げたり、カプセル壁の軟化点
を低下させる作用により、ジアゾ化合物とカップリング
成分が反応し易い状況を作るためのものである。
【0038】本発明に係る感熱記録材料においては、マ
イクロカプセルに内包させない成分は、通常行われる如
く固体分散、あるいは乳化分散させれば良いが、特に、
感熱層の透明性を高め、画像品質を良好とする観点か
ら、発色成分Bを水に難溶性又は不溶性の有機溶剤に溶
解せしめた後、これを、水溶性高分子を保護コロイドと
して含有すると共に、必要に応じて界面活性剤を含有す
る水相と混合し、乳化させた乳化分散物の形で使用する
ことが好ましい。
【0039】この場合に使用される有機溶剤、なかでも
好ましいエステル類の具体例としては前記特開平8−1
56421号公報段落番号[0044]〜[0046]
に記載の高沸点オイル、エステル類が、これらの成分を
含有する油相と混合する水相に、保護コロイドとして含
有せしめる水溶性高分子や界面活性剤は、同じく段落番
号[0047]に記載のアニオン性高分子、ノニオン性
高分子、両性高分子及び界面活性剤の中から適宜選択す
ることができる。
【0040】本発明における乳化分散物は、上記成分を
含有した油相と保護コロイド、及び、必要に応じて更に
界面活性剤を含有する水相を、高速撹拌、超音波分散
等、通常の微粒子乳化に用いられる手段を使用して混合
分散せしめることにより、容易に得ることができる。ま
た、油相の水相に対する比(油相重量/水相重量)は、
0.02〜0.6であることが好ましく、特に0.1〜
0.4であることが好ましい。0.02以下では水相が
多すぎて希薄となり十分な発色性が得られず、0.6以
上では逆に液の粘度が高くなり、取り扱いの不便さや塗
液安定性の低下をもたらす。
【0041】特に、記録後の発色画像における400〜
700nm領域での光吸収量の最大値(A)及び最小値
(B)との間でB/A>0.6となるようにこれらの成
分及びその量を適宜選択することが好ましい。前記のよ
うにして調製したガラス転移温度の各異なるマイクロカ
プセルを単独又は2種以上混合して、熱感度の異なる感
熱層用塗液を2種類以上調製し、これらの塗液を順次塗
布・乾燥して熱感度が相互に異なる2層以上の感熱層を
支持体上に設けることができる。
【0042】本発明においては、この感熱層用塗布液の
調製に本発明の特徴である前記の調製方法を適用するこ
とが効果の観点から好ましい。支持体上に感熱層塗布液
を塗布するに際しては、公知の水系又は有機溶剤系の塗
液を用いる塗布手段が用いられるが、製造適性等を向上
させる観点から、ビード塗布法或いはカーテン塗布方法
による多重重層塗布方法を用いてもよい。この場合、感
熱層用塗布液を安全かつ均一に塗布すると共に、塗膜の
強度を保持するために、メチルセルロース、ゼラチン、
ポリビニルアルコール等の公知のバインダーを使用する
ことができる。
【0043】本発明における感熱記録層は、少なくとも
熱感度が互いに異なる3層以上の感熱層からなるもので
あることがさらに好ましい。この場合、階調性のある画
像を記録するために、第1の感熱層(支持体側)を低感
度、第2の感熱層を中感度及び第3の感熱層(最外側)
を高感度とすることが好ましい。感度は、使用するマイ
クロカプセル、発色成分及びその濃度に応じて適宜決め
られる。
【0044】低感度の感熱層は、通常、110℃以上、
中感度の層は90℃〜110℃、高感度の層は90℃未
満で各発色するように決められる。尚、この場合の発色
温度は、熱スタンプで10秒間加熱して画像部の光学濃
度が0.2を越えるときの発色開始温度である。感熱層
中の発色成分(発色成分Aと発色成分Bの和)の量は、
通常、固形分重量部で0.5〜3.0g/m2 とするこ
とが好ましい。このように感熱層を多層構造とすること
により、軟調な画質を達成することができるが、特に高
感度層において、反応性が向上するにしたがって、安定
性が低下する懸念があるため、本発明の製造方法におけ
る塗布液調製工程は、このような高感度な感熱層に適用
することで著しい効果を得ることができる。
【0045】また、感熱層には、必要に応じて、更に、
顔料、金属石鹸、ワックス、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、界面活性剤、消泡剤、導電剤、蛍光塗料等を添加し
ても良い。これらの具体例としては、前記特開平8−1
56421号公報の段落番号[0053]〜[005
4]に記載のものが挙げられるが、これらのなかでも、
互いに反応性のものがある場合には、本発明に係る塗布
液調製方法を適用すべきである。
【0046】本発明においては、上記素材を用いた感熱
層用塗布液(感熱層液という)を、先に延べた方法によ
り調製した後、1時間以内、好ましくは、調整後直ちに
支持体に塗布する。感熱記録層の塗布量は特に限定され
るものでは無いが、通常、固形分重量で1〜25g/m
2 、好ましくは10〜20g/m2 の範囲であり、その
厚さは1〜25μmであることが好ましい。
【0047】本発明において、高分子フィルムを支持体
として用いる場合には、支持体から感熱記録層が剥がれ
ることを防止するために、感熱記録層用塗布液を塗布す
る前に、支持体上に下塗層を設けることが好ましい。下
塗層の素材としては、アクリル酸エステル共重合体、ポ
リ塩化ビニリデン、SBR、水性ポリエステル等を用い
ることができる。下塗層の膜厚は0.05〜0.5μm
であることが好ましい。下塗層は、感熱記録層がその上
に塗布された時に、感熱記録層中に含まれる水により膨
潤して感熱記録層の画質を悪化させることがあるので、
硬膜剤を用いて硬化させることが望ましい。
【0048】硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデ
ヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等の
ジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279
号公報に記載されるているものを挙げることができる。
これらの硬膜剤の添加量は、下塗層の重量に対して、
0.20重量%から3.0重量%となる範囲で、塗布方
法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を選ぶことが
できる。これらの添加に際しても、他の化合物との反応
性を検討し、どの微粒子分散物に添加するかを選択すべ
きである。
【0049】本発明に係る感熱記録材料においても、耐
スティッキング性や耐溶剤性等を良好にするために、感
熱記録層上に保護層を設けることが好ましい。保護層の
透明性を良好とする観点から、感熱記録層上に、体積平
均粒子径D50が0.7μm以下であると共に、粒子径分
布D90/D10が4.5以下である顔料を含有する保護層
を設けることが好ましい。
【0050】上記顔料としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオ
リン、タルク、ロウ石、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿
素ホルマリン樹脂粉末等が挙げられるが、これらの中で
も特に炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリ
ン、シリカが好ましい。尚、このような顔料を前記の平
均粒子径の粒子とすることは、適当な保護コロイドや界
面活性剤を用い、ミル等の公知の湿式分散機を用いて容
易に行うことができる。
【0051】本発明における保護層は、顔料を保持する
と共に透明性を良好とする観点から、バインダーとして
完全鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール等を
含有するものであることが好ましい。保護層用塗布液
(保護層液という)は、上記バインダーの溶液に顔料を
混合して得られるが、熱記録時のサーマルヘッドとのマ
ッチィング性の向上や、耐スクラッチ性等の向上の目的
に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の滑
剤及び分散剤、蛍光増白剤、架橋剤、紫外線吸収剤、ス
ルホコハク酸系のアルカリ金属塩、フッ素含有界面活性
剤等の界面活性剤、等の各種助剤を更に添加してもよ
い。
【0052】保護層液は、必要に応じて、ミキサー、デ
ィゾルバー、アトライター、サンドミル等の攪拌、混
合、分散装置によって充分混合分散された後に、感熱記
録層上に塗布される。保護層液においても、配合された
微粒子成分の反応性を検討して、必要に応じて本発明の
製造方法における塗布液調製工程を適用すべきである。
保護層塗布液を感熱記録層上に塗布するに際しては、前
記感熱記録層液の場合と同様の塗布手段を用いることが
できる。
【0053】保護層の塗布量は、固形分重量で0.2〜
7g/m2 であることが好ましく、特に1.0〜4.0
g/m2 であることが好ましい。0.2g/m2 未満で
は耐ステッキング性が悪化する。また、3.5g/m2
を越すと記録感度が低下する。保護層中のバインダーに
対する顔料の重量比は、バインダー100重量部に対し
て、顔料を30重量部〜100重量部とすることが好ま
しい。
【0054】各構成層の塗布工程を経た感熱記録材料は
乾燥され、キャレンダー等の処理を施して使用に供され
る。本発明において使用する支持体は、透明であっても
不透明であってもよいが、シャーカステン上で観察する
診断用の透明感熱記録材料とする場合には、実質的に透
明な支持体を使用する。
【0055】実質的に透明な支持体としては、例えばポ
リエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロースフィル
ム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等
のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ
塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポ
リアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等の合成高分子フィルムが挙げられ、これらを単独
或いは貼り合わせて用いることができるが、特にポリエ
ステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したもの
が好ましい。一方、不透明な支持体としては紙、合成
紙、アルミ蒸着ベース、透明な支持体に白色顔料をコー
トしたもの等を挙げることができる。
【0056】支持体の厚みは25〜250μmであるこ
とが好ましく、特に50〜200μmのものが好まし
い。合成高分子フィルムは着色されているものであって
もよい。着色されたフィルムは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹
脂に青色染料を混練して成形されたフィルムに、耐熱、
延伸、帯電防止処理等を施したものを使用することが好
ましい。
【0057】透明感熱記録材料の場合には、裏面からの
反射光を防止して画像を見易くする観点から、感熱記録
層と反対側の支持体表面に、平均粒子径が1〜20μ
m、好ましくは1〜10μmの微粒子を含有する光反射
防止層を設けてもよい。光反射防止層は、入射角が20
°における光沢度が50%以下、特に30%以下のもの
であることが好ましい。上記微粒子は、感熱記録材料の
透明性を良好とする観点から、屈折率が1.45〜1.
75のものであることが好ましい。
【0058】光反射防止層に含有される微粒子として
は、デンプン微粒子、セルロースファイバー、ポリスチ
レン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素ホル
マリン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリメチ
ル(メタ)アクリレート樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニル
との共重合体樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂等の合成高分子の微粒子、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、カオリン、スメクタイト粘土、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、酸化亜鉛等の無機微粒子等を挙げることが
できる。これらの微粒子は2種以上併用しても良い。光
反射防止層は、前記保護層に用いたバインダーに上記微
粒子を混合した塗布液を前記感熱層液の場合と同様にし
て支持体上に塗布・乾燥することによって設けられる。
【0059】透明感熱記録材料においては、紫外線によ
る記録画像の褪色又は変色を防止する観点から、紫外線
吸収剤を感熱層中に添加するか、又は、支持体の裏面
(感熱記録層と反対側)に紫外線フィルター層を設ける
ことが好ましい。紫外線フィルター層は、公知の紫外線
吸収剤を適宜選択して用い、前記保護層用塗布液の場合
と同様にして調製し、設けることもできるが、層の透明
性を良好とする観点から、紫外線吸収剤を前記感熱層用
塗布液の場合と同様にマイクロカプセル化して使用する
ことが好ましい。この紫外線吸収剤の添加にあたって
も、微粒子の反応性を考慮して、適宜、予め好ましい配
合成分同士を分散した微粒子分散物を調製して用いるこ
とができる。
【0060】本発明に使用する感熱記録材料には制限は
なく、上記説明した感熱層を1層のみ設けた感熱記録材
料のみならず、互いに異なる発色成分を複数種類使用し
た多色感熱記録材料に用いることもできる。この場合、
混色を防止するために、各色相の感熱層間に公知の中間
層を設けることが好ましい。なお、シアン発色層、マゼ
ンタ発色層及びイエロー発色層を設け、光定着系を採用
した、フルカラーの多色感熱記録材料に本発明の製造方
法を適用することもできる。しかしながら、本発明の前
記製造方法は、最外層にもっとも感度の高い感熱層を設
け、そこに膜硬化剤等の膜質向上剤を配合した構成にお
いて用いることがもっとも顕著な効果が得られる。
【0061】本発明の製造方法を適用すれば、従来、塗
布液のポットライフが短いため、大量の塗布液を予め調
製、保存して使用することが困難であった配合系であっ
ても、互いに反応する微粒子の相互の反応性を考慮して
予め微粒子分散物を調製することにより大量の塗布液原
料を予め準備できる。即ち、これらの微粒子分散物は安
定性が良好でポットライフも長いという利点を有するた
め、微粒子分散物で保存しておくことにより、大量のバ
ッチ配合と保存により、感熱記録材料の製造効率を向上
させうるという効果も得られる。
【0062】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものでは無
い。また、特に断らない限り、以下に記載する「部」及
び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す
ものとする。
【0063】(実施例1)電子供与性無色染料を内包したカプセル液(MC1)の
調整 下記式(E−1)(E−2)(E−3)(E−4)(E
−5)(E−6)及び(E−7)で表わされる化合物
(電子供与性無色染料)、それぞれ10.0g、1.3
g、2.0g、2.7g、1.3g、0.1g及び0.
4gを酢酸エチル20g中で加熱溶解させ、40℃まで
除冷させた後、タケネートD110N(商品名:武田薬
品製カプセル壁剤)2.0g及びタケネートD127N
(同上:武田薬品製)11.6g及びn−ブタノール
0.4gを添加し40℃で40分間撹拌させた。
【0064】
【化2】
【0065】得られた溶液をポリビニルアルコール8%
溶液(PVA217C:商品名、クラレ製)40gと水
13gを混合した水相に添加した後、エースホモジナイ
ザー(商品名:日本精機(株)製)を用い、10000
rpmで5分間乳化分散を行った。
【0066】得られた乳化液に更に水70g及びテトラ
エチレンペンタミン0.5gを添加した後、60℃で3
時間カプセル化反応を行わせて、平均粒子径が0.6μ
mのカプセル液(MC1)を得た。
【0067】なお平均粒子径はレーザー回折粒度分布測
定装置(LA700:商品名、(株)堀場製作所製)を
用いて測定した50%体積平均粒子径である。以下にお
いて、特に断らない限り、平均粒子径は上記の50%体
積平均粒子径を表わす。
【0068】電子供与性無色染料を内包したカプセル液
(MC2)の調整 前記式(E−1)(E−2)(E−3)(E−4)(E
−5)(E−6)及び(E−7)の化合物、それぞれ、
9.5g、1.2g、1.8g、4.6g、1.0g、
1.0g及び0.4gを酢酸エチル20gの中で加熱溶
解させ50℃まで除冷させた後、タケネートD140N
(商品名:武田薬品カプセル壁剤)11.4g及びバー
ノックD750(商品名:大日本インキ(株)製カプセ
ル壁剤)1.3gを添加し撹拌させた。
【0069】得られた溶液を、ポリビニルアルコール8
%溶液(PVA217C、クラレ製)40gと水13g
を混合した水相に添加した後、エースホモジナイザーを
用い、10000rpmで5分間乳化分散を行った。
【0070】得られた乳化液に更に水80g及びテトラ
エチレンペンタミン0.8gを添加した後、60℃で3
時間カプセル化反応を行わせて平均粒子径が0.6μm
のカプセル液(MC2)を得た。
【0071】電子受容性化合物(顕色剤)乳化分散液
(A)の調整 下記式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)及び(8)で表わされる化合物。それぞ
れ16.2g、7.8g、5.8g、1.5g、2.1
g、1.5g、0.8g及び4.2gをTCP(商品
名:大八化学社製オイル)1.0g、DEM(商品名:
大八化学社製オイル)0.5g及び酢酸エチル20gを
混合した溶液に溶解させた。
【0072】
【化3】
【0073】得られた溶液をポリビニルアルコール15
%溶液(PVA205C:クラレ社製)25.0g及び
ポリビニルアルコール8%溶液(PVA217C:クラ
レ社製)46g、ドデシルスルホン酸ナトリウム0.5
g及び水75.0gを混合した水相に投入し、エースホ
モジナイザーを使用し10000rpmで3分間乳化
し、平均粒子径が0.6μmの電子受容性化合物(以
下、適宜顕色剤と称する)乳化分散液(A)を得た。
【0074】保護層用塗布液の調整 水30g、ポリビニルアルコール6%水溶液(PVA1
24C:商品名、クラレ株式会社製)20g、スルホコ
ハク酸ジオクチルのナトリウム塩2%水溶液0.3g、
カオリン分散物(ポリビニルアルコール3gを水100
gに混合した液にカオリン35gをボールミルで分散さ
せたもの)3.0g及びハイドリンZ(商品名:中京油
脂社製)0.5gを混合して保護層用塗布液を得た。
【0075】下塗層を設けた透明支持体の調整 色度座標(JIS Z8701)が、A(x=0.28
05,y=0.3005)、B(x=0.2820,y
=0.2970)、C(x=0.2885,y=0.3
015)、D(x=0.2870,y=0.3040)
の4点を頂点とする四角形の領域内で着色された、厚さ
175μmのポリエチレンテレフタレートの一方の面に
SBRラテックスを固形分重量で0.3g/m2となる
ように塗布した後、下記の下塗層用塗布液を片面当たり
の固形分重量が0.1g/m2となるように塗布して、
下塗層を設けた透明支持体を得た。
【0076】下塗層用塗布液の調整 ゼラチン5%水溶液(#810:商品名、新田ゼラチン
社製)200g、粒子径2μmのポリメチルメタクリレ
ート樹脂粒子を5%分散したゼラチン分散物0.5g、
1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン3%水溶液1.0
g、スルフォン酸ジ(2−エチル)ヘキシル2%水溶液
10gを混合して下塗り層塗布液を得た。
【0077】感熱記録層用塗布液(1)の調整 既に調整したカプセル液(MC1)、カプセル液(MC
2)、顕色剤乳化分散液(A)(乳化分散後1日放置し
たもの)及び下記膜質改良剤(a)、(b)及び水を用
いて感熱記録塗布液(1)を調製した。
【0078】
【化4】
【0079】(1)微粒子分散液(1−1) 用cap+膜質改良剤(a)混合液(1−1) カプセル液(MC1)、カプセル液(MC2)、(a)
液及び水をそれぞれ3.0g、15.4g、0.9g及
び9.0g混合し、微粒子分散液(1−1)を得た。こ
の分散液には、電子供与性無色染料を内包したカプセル
と膜質改良剤(a)とを含有する。 (2)微粒子分散物(1−2) 顕色剤乳化分散液(A)、膜質改良剤(b)及び水をそ
れぞれ70.0g、2.4g、4.0gを混合して微粒
子分散物(1−2)を得た。この分散液には、顕色剤と
膜質改良剤(b)とを含有する。 (3)感熱記録層用塗布液 前記微粒子分散物(1−1)及び、(1−2)を混合
し、感熱記録層用塗布液(1)を得た。
【0080】感熱記録層用塗布液(2)の調整 既に調整したカプセル液(MC1)、カプセル液(MC
2)、顕色剤、乳化分散液(A)(乳化分散後1日放置
したもの)及び前記膜質改良剤(a)、(b)及び水を
用いて感熱記録用塗布液(2)を得た。 (1)微粒子分散液(2−1) 用cap+混合液(2−1) カプセル液(MC1)、カプセル液(MC2)、(a)
液及び水をそれぞれ7.8g、2.6g、0.6g及び
5.8g混合して微粒子分散液(2−1)を得た。この
分散物には、電子供与性無色染料を内包したカプセルと
膜質改良剤(a)とを含有する。 (2)微粒子分散液(2−2) 顕色剤乳化分散液(A)、膜質改良剤(b)液及び水を
それぞれ42.0g、1.4g、2.4gを混合し、微
粒子分散物(2−2)を得た。この分散物には混ぜた。
顕色剤と膜質改良剤(b)とを含有する。 (3)感熱記録層用塗布液 前記微粒子分散物(2−1)及び、(2−2)を混合
し、感熱記録層用塗布液(2)を得た。
【0081】感熱記録材料の調整 既に調整した下塗り層を設けた透明支持体の一方の面に
感熱記録層用塗布液(1)、(2)の順に固形分重量で
10.0g/m2、5.0g/m2となるように塗布・乾
燥した後、その上に調製済の保護層用塗布液を固形分重
量で2.5g/m2となる様に塗布・乾燥して本発明の
感熱記録材料を得た。なおこの際、感熱記録層用塗布液
(1)、及び(2)を調製してから塗布、乾燥までに要
した時間は1hrであった。
【0082】(実施例2)実施例1で使用した感熱記録
用塗布液(1)、(2)を、以下の方法で作成した
(3)、(4)液に代えた以外は同様の方法で感熱記録
材料(2)を得た。感熱記録用塗布液(3)の調整 (1)微粒子分散物(3−1) カプセル液(MC1)、カプセル液(MC2)及び水を
それぞれ3.0g、15.4g及び9.0g混合して微
粒子分散液(3−1)を得た。この分散物には、電子供
与性無色染料を内包したカプセルを含有する。 (2)微粒子分散物(3−2) 顕色剤乳化分散液(A)及び水を70.0g、4.0g
を混合して微粒子分散液(3−2)を得た。この分散物
には、顕色剤を含有する。 (3)微粒子分散物(3−3) 前記膜質改良剤(a)液及び(b)液をそれぞれ0.9
g、2.4g混合して微粒子分散液(3−3)を得た。
この分散物には、2種の膜質改良剤を含有する。 (4)感熱記録層用塗布液(3) 上記(3−1)、(3−2)及び(3−3)液を混合
し、感熱記録層用塗布液(3)を得た。感熱記録用塗布液(4)の調整 (1)微粒子分散物(4−1) カプセル液(MC1)、カプセル液(MC2)及び水を
それぞれ7.8g、2.6g、及び5.8g混合して、
微粒子分散液(4−1)を得た。この分散物には、電子
供与性無色染料を内包したカプセルを含有する。 (2)微粒子分散物(4−2) 顕色剤乳化分散液(A)及び水を42.0g、2.4g
を混合して、微粒子分散液(4−2)を得た。この分散
物には、顕色剤を含有する。混ぜた。 (3)微粒子分散物(4−3) 前記膜質改良剤(a)液及び(b)液をそれぞれ0.6
g、1.4g混合して微粒子分散液(4−3)を得た。
この分散物には、2種の膜質改良剤を含有する。 (4)感熱記録層用塗布液(4) 上記(4−1)、(4−2)及び(4−3)液を混合
し、感熱記録層用塗布液(4)を得た。なお、感熱記録
層用塗布液(3)、(4)を完成させてから塗布、乾燥
までに要した時間は1hrであった。
【0083】(比較例1)実施例1に示したカプセル液
(MC1)、(MC2)液、顕色剤乳化分散液(A)
液、膜質改良剤(a)、(b)を用いて、以下の方法で
調整した感熱記録層用塗布液(5)を用い、塗布液調製
より感熱層形成までに2時間を要した以外は、実施例1
と同様の方法で感熱記録材料(3)を得た。
【0084】感熱記録用塗布液(5)の調整 下記2液を調整した。 感熱記録層用塗布液(5−1) カプセル液(MC1)、(MC2)液、顕色剤乳化分散
液(A)液、水、膜質改良剤(a)、(b)をそれぞれ
3.0g、15.4g、70.0g、13g、0.9
g、及び2.4gを混合した。 感熱記録層用塗布液(5−2) カプセル液(MC1)、(MC2)液、顕色剤乳化分散
液(A)液、水、膜質改良剤(a)、(b)をそれぞれ
7.8g、2.6g、42.0g、8.2g、0.6g
及び1.4gを混合した。 なお塗布液(5−1)、(5−2)を完成させてから塗
布乾燥させるまでに要した時間は2hrであった。
【0085】(比較例2)比較例1に示したカプセル
(MC1)液を以下に示す(MC3)液に代えた以外、
比較例1と同様の方法で感熱記録材料(4)を得た。電子供与性無色染料を内包したカプセル液(MC3)の
調整 下記式(E−1)(E−2)(E−3)(E−4)(E
−5)(E−6)及び(E−7)で表される化合物、そ
れぞれ10.0g、1.3g、2.0g、2.7g、
1.3g、0.1g及び0.4gを酢酸エチル20g中
で加熱溶解させ、40℃まで除冷させた後、タケネート
D110N(商品名:武田薬品製カプセル壁剤)13.
6gを添加し、撹拌させた。
【0086】
【化5】
【0087】得られた溶液をポリビニルアルコール8%
溶液(PVA217C:商品名、クラレ製)40gと水
13gを混合した水相に添加した後、エースホモジナイ
ザー(商品名:日本精機(株)製)を用い、10000
rpmで5分間乳化分散を行った。得られた乳化液に更
に水70g及びテトラエチレンペンタミン0.5gを添
加した後、60℃で3時間カプセル化反応を行わせて、
平均粒子径が0.6μmのカプセル液(MC3)を得
た。
【0088】(比較例3)実施例1記載の感熱記録層用
塗布液(1)の調製において、微粒子分散物(1−1)
に含まれる膜質改良剤(a)を除き、微粒子分散物(1
−2)に、さらに膜質改良剤(a)を添加したほかは、
同様にして感熱記録層塗布液(7)を調製しそれを用い
たほかは実施例1と同様にして感熱記録材料(5)を得
た。印字方法及び性能評価 得られた感熱記録材料(1)〜(5)にサーマルプリン
ター(富士フイルム(株)製、ドライイメージャーCR−
DP3543T)を用い、サーマルヘッドの印加熱エネ
ルギーを変えて画像(以下、ステップエッジと呼ぶ)を
記録した。 (1)発色濃度の評価 得られた画像の透過濃度のビジュアル値(黒の発色濃
度)をマクベス社製、TD904を用いて測定した。こ
の評価方法により得られた感度曲線を図1に示す。実施
例1、2及び比較例1、3はいずれも感度に問題はな
く、軟調な感度曲線を示したが、カプセル壁材の強度を
上げた比較例2の感熱記録材料は明らかに他に比べ硬調
な感度曲線を示し、高画質記録材料としては不適である
ことがわかった。 (2)非画像部の透過濃度の評価 得られた感熱記録材料(1)〜(5)における未印字部
(非画像部)の透過濃度のビジュアル値を前記と同様に
TD904を用いて測定した。結果を下記に示す。
【0089】
【0090】上記の結果より明らかなように、微粒子分
散物混合後、感熱層形成までに2時間を要した比較例1
は非画像部にかぶりが見られ、画像品位が落ちると同時
にダイナミックレンジがとりにくく、高画質の感熱記録
材料として不適であることがわかった。
【0091】(3)面状の評価 得られた感熱記録材料を未印字のまま、その塗布面状を
目視で評価した。その結果、比較例3のみ、結晶の析出
がみられ、面状不良の感熱記録材料となった。
【0092】以上のことから、感度の高い発色成分を用
いても、本発明の製造方法で調製した実施例の感熱記録
材料は、感度も高く、軟調な画像形成が可能で、かつ、
非画像部の着色もなく、感度、安定性ともに優れていた
が、感度の高い発色成分を用いても、塗布液の配合から
塗布層の形成までに時間を要した比較例1の記録材料は
非画像の着色が著しく、カプセル壁材を調整して発色成
分の感度を低下させた比較例2は安定性に問題はないも
のの、硬調な記録材料となり、高感度化が達成できなか
った。また、発色成分同士を別の液で調製しても、相互
に化学反応する添加剤を同じ微粒子分散物とした比較例
3は、配合成分に起因する粒子の析出が生じ、面状性が
悪化して実用に適さなかった。
【0093】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料の製造方法によれ
ば、軟調な画像形成が可能で高感度であり、かつ、非画
像部の着色のない安定性に優れた感熱記録材料を簡単な
方法で、効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた感熱記録材料の感度曲線を示す
グラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、互いに化学反応しうる2種
    以上の微粒子を分散物として含有する塗布液を塗布して
    構成層を形成する層形成工程を有し、 該層形成工程が、2種以上の微粒子をそれぞれ含有する
    2種以上の微粒子分散物を別々に調製する工程と、該微
    粒子分散物を混合して塗布液を調製する工程と、調製し
    た塗布液を調製後1時間以内に塗布する工程を含むこと
    を特徴とする感熱記録材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記微粒子分散物が、固体分散物、乳化
    分散物、ラテックス分散物、及び、マイクロカプセル分
    散物からなる群より選択される1種以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の感熱記録材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マイクロカプセル分散物中に実質的
    に無色の発色成分Aを含有し、前記固体分散物中に該発
    色成分Aと反応して発色させる発色成分Bとを含有する
    感熱層を有する感熱記録材料を製造することを特徴とす
    る請求項2に記載の感熱記録材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記感熱記録材料が、支持体上に、少な
    くとも熱応答性マイクロカプセルに含有された実質的に
    無色の発色成分Aと、該発色成分Aと反応して発色させ
    る発色成分Bとを含有し、互いに熱感度が異なる2層以
    上の感熱層を積層してなる感熱記録層を有することを特
    徴とする請求項1に記載の感熱記録材料の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7176162B2 (en) 2002-03-26 2007-02-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Heat-sensitive recording material
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JP2011194771A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Oji Paper Co Ltd 情報記録材料の製造方法

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