JP2011194771A - 情報記録材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な塗液の膜からなる自由落下カーテンの形成を再現性よく安定にし、生産性及び品質に優れた情報記録材料の製造方法を提供することにある。
【解決手段】支持体上に、情報記録層を設けた情報記録材料の製造方法において、情報記録材料を構成する層の一部または全部の塗料膜をカーテン塗布して形成する際、前記塗料膜を構成する塗液の少なくとも1層以上が、固形分濃度25%以上のジアルキルスルホコハク酸塩の溶液を、固形分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に該層用塗液に添加し、カーテン塗布して形成されることを特徴とする情報記録材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は情報記録材料の製造方法に関するものである。
支持体上に情報を記録するための層を設けた情報記録材料は、幅広い分野で使用されている。このような情報記録材料としては、感圧記録材料、感熱記録材料、熱転写記録材料、インクジェット記録材料など多種多様なものが実用化されている。近年、これらの記録材料は高機能化、高性能化の要求から、支持体上に2層以上の層を設けたものも使用されている。
感圧記録材料は、発色剤として無色乃至は淡色のロイコ染料等を疎水性液体に溶解して内包する発色剤内包マイクロカプセルを基紙の裏面に塗布した上用紙と、支持体の表面に前記染料と接触したとき顕色させる顕色剤を塗布し、且つ裏面に発色剤内包マイクロカプセルを塗布した中用紙と、支持体の表面に顕色剤を塗布した下用紙があり、一般に、上用紙−下用紙、或いは上用紙−中用紙−下用紙の順に組み合わせた複写セットとして使用される。感圧複写材料は、筆圧、プリンター等の圧力により発色剤内包マイクロカプセルが破壊され、染料を溶解した油が顕色剤層に転移し、顕色剤と反応することによって発色する仕組みになっている。また、支持体の同一面上に発色剤内包マイクロカプセルと顕色剤を塗布し、1枚で感圧記録可能とした自己発色型感圧複写紙もその一形態として知られている。感圧記録材料は、官公庁、金融、流通、各種製造業などあらゆる分野において、帳票や複写用伝票として使用されている。
感熱記録材料は、一般に、支持体上に、無色乃至は淡色のロイコ染料と有機または無機の顕色剤との呈色反応を利用して、熱により両発色物質を接触せしめて発色像を得るようにした感熱記録層を設けたものである。かかる感熱記録材料は比較的安価であり、また記録機器がコンパクトで且つその保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種プリンター等の記録媒体としてのみならず、幅広い分野において使用されている。また、近年、より優れた発色濃度、記録感度、記録画像の安定性、複数の色調などを得る目的で、単層の感熱記録層のみではなく、保護層、下塗り層、2層以上の感熱記録層などを塗布した感熱記録材料も実用化されている。
インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置から噴射されるインクの微少液滴をインクジェット材料に付着させ、画像や文字を記録する記録方式である。これに用いられるインクジェット記録材料には、非塗工紙のようなインク受理層が塗布されていないものが用いられることもあるが、インク受理性の無い合成樹脂フィルムなどに印字する場合やより高精細な画像を得たい場合などには、支持体にインク受理層を設けて使用される。近年、用途の多様化、カラー化、高速印字などの高性能化に伴い、より多量のインクが噴射されるようになり、より大容量のインク吸収性と高い印字濃度が要求されるようになった。このような要求に対して、従来の単層のインク受理層では十分な性能が得られないため、2層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録材料も実用化されている。
一方、紙やフィルム等の基材に塗液を塗布する方法として、エアナイフ塗布法、ブレード塗布法、ロッド塗布法、ロール塗布法、バー塗布法等の方法が用いられているが、このような方法で作製された感熱記録材料は、塗布品質が悪いこと、上層の塗液の下層への浸み込み、上層塗布時のハジキ等に起因する上層のピンホール、長時間の連続塗布における品質のバラツキ等の問題が生じるほか、高速塗布に限界があること、多数回塗布から生じる生産性の低下等の問題がある。
これらの塗布方法に対してカーテン塗布方法は、塗液の自由落下カーテンを形成し、これを支持体に衝突せしめて塗布する方法であり、塗布品質が良好で、高速塗布に適性を有することが知られている(特許文献1参照)。また、複数層の塗液膜からなる塗料膜を形成してカーテン塗布することも可能であり、多層塗布の生産性を大幅に向上することができる。このカーテン塗布方法は、基材上にスリット状のコーターリップから塗液を膜状に垂らして塗布するもので、塗液の成膜性や基材への濡れ性を改善して塗布ムラや塗布欠点を防止するために、静的表面張力、動的表面張力、粘度等に対して細かな調整が必要である(特許文献2参照)。係る観点から塗布自体の均一安定性は極めて重要であり、それによって得られる感熱記録材料の性能や生産効率が大きく左右される。
カーテン塗布法は、塗液を吐出するヘッド部分と支持体との間に、塗液から成る薄いカーテン膜が形成され、これが支持体上に塗布される。従って、塗布中に発生する空気の流れが速いと、風圧によってカーテン膜が破壊される問題がある。また、塗液の流量が少なくなると、カーテン膜を維持しようとする力が弱くなり、僅かな風圧やその変化によってカーテン膜が破れたり揺れがおこり、未塗布部などの塗布欠陥が発生する。
カーテン塗布膜の安定性を向上させるためには、カーテン膜を吐出するヘッドのクリアランスを広げてカーテン膜厚さを増加させたり、また吐出量を多くして速度も上げ、風圧に対する抵抗力を強くすることが考えられる。しかし、目標の塗布量が少ない場合は、このような対応によりカーテン膜の風圧への抵抗力を強化しようとすると、塗布層の厚みが増えることになり好ましくない。
また、増粘剤を塗液に添加することにより曳糸性を持たせ、カーテン膜の安定性を向上させることも考えられる。増粘剤として、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロースなど種々の水溶性高分子が使用される。しかし、これらの水溶性高分子を使用した場合、塗液中に泡が発生し易くなり、その泡が塗布欠陥の原因となることがある。また、ポリアクリル酸ソーダなどイオン性の増粘剤を使用した場合は、塗液が酸性であるとカーテン膜に十分な安定性を付与することは難しい。
更に、カーテン塗布膜の安定性を向上させる方法として、塗液中に界面活性剤を添加して塗液の表面張力を調整する方法が知られている(特許文献3参照)。界面活性剤としては例えばカルボン酸塩系、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、及びリン酸エステル塩系等のアニオン性界面活性剤、アミン系、第4級アンモニウム塩系、ピリジニウム塩系、及びベンジルハライド系等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、及びスルホベタイン型等の両面活性剤、アセチレングリコール系、ポリエチレングリコール系、及び多価アルコール脂肪酸エステル系等の非イオン性界面活性剤が用いられてきた。上記界面活性剤を塗液中に添加することによって、塗液の表面張力が低下して濡れ性が向上し、カーテン塗布膜の膜切れを防止できるものであった。
一方、塗液の界面活性剤としてスルホコハク酸塩系化合物を使用してカーテン塗布膜を安定化させる方法が知られている。例えば、顕色剤水性分散体にスルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤を加えてカーテン塗布する感圧記録材料の製造方法(特許文献4、5、6参照)や、スルホコハク酸エステル系アニオン界面活性剤を含有する水膨潤性インク受容層塗液をカーテン塗布するインクジェット記録材料の製造方法(特許文献7参照)、更にスルホコハク酸等の界面活性剤を塗液に添加してカーテン塗布する印刷用顔料塗被紙の製造方法(特許文献8参照)も知られている。
特公昭49−24133号公報 特開昭57−39985号公報 特開昭57−39985号公報 特許第3592646号公報 特開2002−11949号公報 特許第3857397号公報 特表2006−508826号公報 特開平5−51900号公報
しかしながら、特許文献3に記載した方法では、カーテン膜の形成は容易になるものの、塗液自体に微細な気泡が混入し易くなり、また、塗液にはマイクロカプセルが含有されているため、マイクロカプセルをバインダー、緩衝剤、及びその他の助剤とを水分散液として調合し混合する際、調合の過程、コーターヘッドへの輸送ライン内、及び攪拌の行われるタンク内にて、微細な気泡を塗液が経時的にかみ込むこととなる。これら微細な気泡は、カーテン塗布膜形成後においても残留するため塗布中にも気泡が存在し、感圧記録シートの印字適性を阻害し、更に気泡の存在によって、カーテンヘッドのスリットでの凝集物が発生し易くなり、スリット詰まりや塗布欠陥等が発生する原因となったり、感圧記録紙の発色濃度の低下や退色等が生じ、更に前記気泡を除去するために消泡剤を添加することによっても、発色トラブル及び塗布面のはじき等が生じる場合があった。また、特許文献4〜8ではスルホコハク酸系の界面活性剤が塗液に添加されており、品質の低下はないものの、依然としてカーテン塗布膜の安定性に再現性がなく問題となったり、界面活性剤の一部が未溶解となって凝集物が発生し、スリット詰まりや塗布欠陥が発生したりする場合があった。また、これらのスルホコハク酸塩系化合物は、一般に有効成分濃度30〜75%の溶液として市販されているが、これらは高粘度であり取り扱いが難しく、塗布液に均一混合し難いため、添加前に適宜希釈して使用されているが、その希釈や塗液への添加方法の微妙な差違によりカーテン膜安定性が劣ったり、塗布欠陥が発生したりする課題があった。この点を改善するため、予め有効成分濃度10%程度まで希釈した希釈品も一部市販されているが、これらの希釈品を使用すると、カーテン膜安定性が劣るといった欠点があったり、更に希釈品であるため輸送コストもかかり経済的損失も大きくなるといった欠点もあった。
本発明の課題は、均一な塗液の膜からなる自由落下カーテンの形成を再現性よく安定にし、生産性及び品質に優れた情報記録材料の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を種々検討した結果、支持体上に、情報記録層を設けた情報記録材料の製造方法において、情報記録材料を構成する層の一部または全部の塗料膜をカーテン塗布して形成する際、前記塗料膜を構成する塗液の少なくとも1層以上が、固形分濃度25%以上の下記一般式(1)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液を、固形分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に該層用塗液に添加し、カーテン塗布して形成されることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
Figure 2011194771
(式中、R、Rは同一または異なる炭素数2〜20の脂肪族または脂環式炭化水素基を表し、Mは水素原子またはカチオン、xは1または2を表す。)
即ち、本発明は、以下の情報記録材料の製造方法を提供するものである。
項1:支持体上に、情報記録層を設けた情報記録材料の製造方法において、情報記録材料を構成する層の一部または全部の塗料膜をカーテン塗布して形成する際、前記塗料膜を構成する塗液の少なくとも1層以上が、固形分濃度25%以上の下記一般式(1)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液を、固形分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に該層用塗液に添加し、カーテン塗布して形成されることを特徴とする情報記録材料の製造方法。
Figure 2011194771
(式中、R、Rは同一または異なる炭素数2〜20の脂肪族または脂環式炭化水素基を表し、Mは水素原子またはカチオン、xは1または2を表す。)
項2:前記希釈が水によって行われる項1に記載の情報記録材料の製造方法。
項3:前記希釈する水の温度が20〜80℃である項2に記載の情報記録材の製造方法料。
項4:前記情報記録材料が感熱記録材料、感圧記録材料及びインクジェット記録材料から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記録材料の製造方法。
本発明によれば、均一な塗液の膜からなる自由落下カーテンの形成を再現性よく安定にし、生産性及び品質に優れた情報記録材料の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の情報記録材料の製造方法について詳細に説明する。本発明では、支持体上に、情報記録層を設けた情報記録材料の製造方法において、情報記録材料を構成する層の一部または全部の塗料膜をカーテン塗布して形成する際、前記塗料膜を構成する塗液の少なくとも1層以上が、固形分濃度25%以上の下記一般式(1)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液を、固形分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に該層用塗液に添加し、カーテン塗布して形成される。
Figure 2011194771
(式中、R、Rは同一または異なる炭素数2〜20の脂肪族または脂環式炭化水素基を表し、Mは水素原子またはカチオン、xは1または2を表す。)
本発明において、カーテン塗布して形成される層の種類は特に限定されないが、例えば、感熱記録材料では下塗り層、感熱記録層、保護層など、インクジェット記録材料では下塗り層、インク受理層、光沢層など、感圧記録材料では顕色剤層、発色剤内包マイクロカプセル層などが挙げられる。
本発明における上記の一般式(1)で表される化合物の具体例としては、ジ−1−ジメチル−3−メチルペンチルスルホコハク酸エステル、ジヘキシルスルホコハク酸エステル、ジ−1−ジメチル−ヘプチルスルホコハク酸エステル、ジ−ペンチルスルホコハク酸エステル、ジトリデシルスルホコハク酸エステル、ジオクチルスルホコハク酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステル、及びジ−イソヘキシルスルホコハク酸エステルなどのスルホコハク酸エステル、並びにこれらスルホコハク酸のエステルのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及び有機アミン塩などが挙げられ、このうち好ましいものはアルカリ金属塩(特に、ナトリウム塩及びカリウム塩)、及びアンモニウム塩であり、特に好ましいものは、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルのアルカリ金属(ナトリウム及びカリウム)塩である。
本発明で使用されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液は、元々の有効成分濃度が25%以上である市販品を希釈して使用することが好ましく、更に好ましくは50%以上の有効成分を含有する市販品を希釈して使用することが好ましい。元々の有効成分濃度が25%未満の市販品を使用すると、固形分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に塗液に添加してカーテン塗布する場合、カーテン膜の安定性が十分でなく、未塗工部や塗布ムラが発生して発色特性も低下する。本発明で使用される前記有効成分濃度25%以上の上記一般式(1)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液の溶媒は水以外に、ジアルキルスルホコハク酸塩の溶解性を高めるために、更に、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、イソプロパノール等の有機溶媒を含有していることが殆どである。
本発明で使用されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液の希釈後の有効成分濃度としては20%以下であることが好ましく、更に好ましくは15%以下である。また、0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましい。希釈後の有効成分濃度が20%を超えると、界面活性剤の一部が未溶解となって凝集物が発生してスリット詰まりや塗布欠陥が生じて操業性が低下したり、塗布ムラが発生して発色特性も低下する。
本発明では、ジアルキルスルホコハク酸塩の溶液は、有効成分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に塗液へ添加されることが好ましく、更に好ましくは2時間以内である。希釈後3時間を超えたジアルキルスルホコハク酸塩の溶液を塗液に添加すると、十分なカーテン膜安定性が得られない。これらの理由は未だ明らかではない。なお、上記の条件、即ちジアルキルスルホコハク酸塩の溶液の希釈前後の有効成分濃度、塗液に添加されるまでの時間を満足しておれば、調製された塗液を使用してカーテン塗布するまでの待機時間については、作用効果に対して影響がない。
本発明では、前記希釈が水によって行われることが、有機溶媒と比べて取り扱いが容易であり、情報記録材料の品質を損なわない上で好ましい。
更に、前記希釈する水の温度が20〜80℃であることが本発明の効果を最大限に発揮できる上で好ましく、更に好ましくは30〜60℃の水で希釈することが好ましい。希釈水の温度が20〜80℃の範囲であれば、界面活性剤の一部が未溶解となって凝集物が発生してスリット詰まりやカーテン膜安定性低下による塗布欠陥が生じて操業性が低下したり、塗布ムラが発生して発色特性も低下したり、界面活性剤の効果を低下させてカーテン膜安定性が悪化させるといった現象は抑えられる。
本発明においては、上記記載のように、使用するジアルキルスルホコハク酸塩の濃度、希釈方法、添加方法を詳細に設定することにより、再現性良く、十分なカーテン膜安定性が得られ、生産性及び品質に優れた情報記録材料を得ることができる。
本発明で、塗液を支持体にカーテン塗布するのに用いられるカーテン塗布法とは、塗液を流下して自由落下させて、支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。また、特開2006−247611号公報に記載のように、カーテンヘッドから塗料を下向きに噴出させて斜面上で塗料層を形成させ、斜面の終端部の下向きのカーテンガイド部から塗料カーテンを形成してウエブ面上に該塗料層を移行させることもできる。
本発明の情報記録材料の製造方法に係る乾燥方法は特に限定されないが、具体例としては、加熱した空気を吹き付ける方法、除湿した空気を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法などが挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。
本発明では、上記のジアルキルスルホコハク酸塩の添加方法により、塗液の白金プレート法による静的表面張力が25〜40mN/mの範囲に調整されることが好ましい。25mN/m未満では泡立ち易くなり泡欠陥が発生する。一方、40mN/mを超えるとカーテン膜の安定性が著しく低下する。
尚、本発明で使用されるジアルキルスルホコハク酸塩の添加量は、塗液の白金プレート法による静的表面張力が25〜40mN/mの範囲に調整されるように決定されるが、通常は、各層の全固形量に対して0.01〜5.0質量%の範囲にあることが好ましい。
更に、25℃における60rpmでのブルックフィールド型粘度(B型粘度)が100〜1500mPa・sの範囲であることが好ましく、特に200〜1200mPa・s程度であることが好ましい。100mPa・s未満では、カーテン膜安定性が劣ったり、塗液が支持体や隣接する層へ吸収され易くなり各層が不均一となったり、隣接する層間での層間混合が起き易くなる。また、1500mPa・sを超えると、塗液中の泡が抜け難くなることにより、泡による塗工欠陥が発生したり、或いは流れ方向にスジ状の塗布ムラが発生し易くなる。塗液の粘度を調整するために、ポリビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子やアクリル系エマルジョンなどの各種増粘剤を塗液に混合し粘度を上昇させる手段や、塗液の固形分濃度を高くして粘度を上昇させたり、逆に塗液を希釈して粘度を下げる手段を講じることができる。
本発明の情報記録材料の製造方法で、塗料膜を構成する塗液には、添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改質剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤などを適宜配合することができる。
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される情報記録材料の各層には、任意の水溶性高分子や水性バインダーが使用される。これらは1種単独でも、2種以上を併用してもよい。前記水溶性高分子としては、例えば、澱粉、変性澱粉、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、アクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、カゼイン等が挙げられ、前記水性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、合成樹脂エマルジョンが一般的であり、例えば、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される情報記録材料に用いられる支持体は透明、半透明、および不透明の何れであってもよく、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、或いはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される情報記録材料の任意の層には、必要に応じて、一般の無機及び有機顔料の全てを添加できる。具体例としては、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、タルク、焼成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、珪藻土、微粒子状無水シリカ、合成非晶質シリカ、コロイダリシリカ、活性白土等の無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、スチレン−メタクリル酸共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、生澱粉粒子等の有機顔料が挙げられる。その他に、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミドなどのワックス類を適宜含有させることができる。
本発明の情報記録材料の製造方法で製造される感熱記録材料に含有される加熱により発色する成分は特に限定されず、例えば、通常無色或いは淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤の組み合わせ、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物の組み合わせ、通常無色或いは電子供与性染料前駆体と芳香族イソシアナート化合物の組み合わせ、ジアゾニウム塩とカプラーの組み合わせなどが挙げられる。発色、画像安定性などの諸特性が良好な点で、通常無色或いは淡色の電子供与性染料前駆体と電子受容性顕色剤の組み合わせ、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物の組み合わせ、通常無色あるいは電子供与性染料前駆体と芳香族イソシアナート化合物の組み合わせが特に好ましく用いられる。また、必要に応じて適宜、増感剤、紫外線吸収剤、保存性向上剤を添加しても良い。
本発明においては、感熱記録材料の付加価値を高めるために、これに更に加工を施し、より高い機能を付与した感熱記録材料とすることができる。例えば、裏面に粘着剤、再湿接着剤、ディレードタック型の粘着剤等の塗布加工を施すことにより粘着紙、再湿接着紙、ディレードタック紙として使用することができる。或いは磁気加工を施すことにより裏面に磁気記録可能な層を有する感熱記録材料とすることもできる。特に、粘着加工、及び磁気加工を施したものは感熱ラベルや、感熱磁気乗車券等の用途に有用である。また、裏面を利用して、これに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノーカーボン用紙、静電記録紙、ゼログラフィ用紙としての機能を付与し、両面記録が可能な記録材料とすることもできる。勿論、両面感熱記録材料とすることもできる。
本発明の情報記録材料の製造方法で製造されるインクジェット記録材料について説明する。インクジェット記録材料は、記録層としてインク受理層を設けることができる。インク受理層は、好ましくは顔料、バインダー及びカチオン性薬品を含有する。カチオン性薬品は特に限定されず、一般にインクジェット記録材料の染料定着剤として知られているものを使用できる。例えば、カチオン性薬品として、水性染料インク中の水溶性直接染料や水溶性酸性染料に含まれるスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と不要な塩を形成する。2級アミン、3級アミン、または4級アンモニウム塩を含有するものが挙げられる。カチオン性薬品は単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
次に本発明の情報記録材料の製造方法で製造される感圧記録材料について説明する。本発明の製造方法は、発色剤内包マイクロカプセル層、顕色剤層など塗布層の薄いものに特に適する。塗液の調製方法としては特に限定されず、感圧記録材料の分野で公知の方法により調製すれば良い。例えば、発色剤内包マイクロカプセル層の場合には、電子供与性染料(ロイコ染料)を疎水性液体に溶解して内包する発色剤内包マイクロカプセル、バインダー、セルロース粉末や澱粉粒子等の保護剤に加えて、表面調整剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、湿潤剤、pH調整剤などの添加剤を目的に応じて適宜選択して添加することができる。更に、本発明は電子写真用転写用紙、フォーム用紙等にも適用することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、特に断らない限り例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(下塗り層用塗液の調製)
吸油量110ml/100gの焼成カオリン60部、プラスチック中空粒子エマルジョン(商品名:AE852、固形分濃度26%、中空率80%、平均粒子径1.0μm、JSR社製)80部、軽質炭酸マグネシウム1部、接着剤として固形分濃度50%のスチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合ラテックス20部、カルボキシメチルセルロース(商品名:セロゲン7A、第一工業製薬社製)の5%水溶液20部、酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)の20%水溶液25部、及び水90部を均一に混合攪拌した。更にその塗液へ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、サンノプコ社製、有効成分70%)0.5部を40℃の水3部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が31mN/m、25℃60rpmでのB型粘度500mPa・sの下塗り層用塗液を得た。
(染料前駆体/増感剤分散液(A液)調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン25部、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が0.9μmになるまで粉砕して染料前駆体分散液(A液)を得た。
(顕色剤分散液(B液)調製)
2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45部、スルホン変性ポリビニルアルコールの20%水溶液25部、及び水30部からなる組成物を、サンドミルでレーザー回折式粒径測定器SALD2200(島津製作所社製)によるメジアン径が1.5μmになるまで粉砕して顕色剤分散液を(B液)得た。
(感熱記録層用塗液の調製)
A液40部、B液50部、カオリン(1級カオリン、商品名:UW−90、エンゲルハード社製)の50%水分散液50部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、重合度1000、鹸化度98.5mol%、クラレ社製)の15%水溶液20部、部分鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−205、重合度500、鹸化度88.0mol%、クラレ社製)の15%水溶液30部、スチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名:L−1571、固形分濃度48%、旭化成ケミカルズ社製)15部、アジピン酸ジヒドラジドの30%水分散液10部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液10部添加して均一混合した。更にその塗液へ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水6部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が30mN/m、25℃でのB型粘度600mPa・sの感熱記録層用塗液を得た。
(保護層用塗液の調製)
カオリン(1級カオリン、商品名:UW−90、前出)の50%水分散液50部に、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセファイマーZ―410、重合度2400、日本合成化学社製)の10%水溶液600部、ステアリン酸亜鉛(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)25部添加して均一混合した。更にその塗液へ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)0.5部を40℃の水3部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が32mN/m、25℃でのB型粘度400mPa・s保護層用塗液を得た。
(感熱記録材料の作製)
上記で作製した下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液及び保護層用塗液を、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、60g/mの上質紙上に、下層側から下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液及び保護層用塗液の順で構成される塗料膜を形成し、各層の固形分塗布量が下塗り層6.0g/m、感熱記録層4.0g/m、保護層2.0g/mとなるように、塗工速度600m/分にて同時多層カーテン塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、感熱記録材料を得た。
実施例2
実施例1の下塗り層、感熱記録層、及び保護層用塗液の調製において、それぞれ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)の代わりに、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:ラピゾールA−30、日油社製、有効成分30%)を用いて、下塗り層用塗液に1部、感熱記録層用塗液に2部、保護層用塗液に1部を、それぞれ40℃の水2部、4部、2部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して、25℃白金プレート法での静的表面張力がそれぞれ32、32、31mN/mの塗液を得た以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例3
実施例1の下塗り層、感熱記録層、及び保護層用塗液の調製において、それぞれ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)の代わりに、市販のジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:ペレックスTR、花王社製、有効成分70%)を用いて、下塗り層用塗液に2部、感熱記録層用塗液に3部、保護層用塗液に2部を、それぞれ40℃の水12部、18部、12部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して、25℃白金プレート法での静的表面張力がそれぞれ32、32、31mN/mの塗液を得た以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例4
実施例1の保護層用塗液の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)の代わりに、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:ラピゾールB07、日油社製、有効成分8.3%)を保護層用塗液に4部を添加して、25℃白金プレート法での静的表面張力が34mN/mの保護層用塗液を得た以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
実施例5
(下層インク受理層用塗液の調製)
合成非晶質シリカ(商品名:ミズカシルP78D、水澤化学社製)28部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、前出)の10%水溶液55部及び水117部を均一に混合攪拌した。更にその塗液へ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水6部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が31mN/m、25℃60rpmでのB型粘度500mPa・sの下層インク受理層用塗液を得た。
(上層インク受理層用塗液の調製)
合成非晶質シリカ(商品名:ファインシールX37B、トクヤマ社製)21部、完全鹸化ポリビニルアルコール(商品名:PVA−110、前出)の10%水溶液63部、カチオン性ポリマー(商品名:スミレーズレジン1001、住友化学工業社製)14部及び水117部を均一に混合攪拌した。更にその塗液へ、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水6部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が31mN/m、25℃60rpmでのB型粘度500mPa・sの上層インク受理層用塗液を得た。
(インクジェット記録材料の作製)
上記で作製した下層インク受理層用塗液、上層インク受理層用塗液を、60g/mの上質紙上に、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて、下層から下層インク受理層塗液、上層インク受理層用塗液の順で構成される塗料膜を作製し、各層の固形分塗布量がインク受理層30.0g/m、上層インク受理層9.0g/mとなるように、塗工速度600m/分にて同時多層カーテン塗布、乾燥した後、スーパーカレンダー処理を行い、インクジェット記録材料を得た。
実施例6
(顕色剤層用塗液の調製)
水100部に分散剤としてポリビニルアルコール(商品名:PVA205、クラレ社製、重合度500)4部を溶解した。この水溶液を回転数10000rpmのホモミキサー(特殊機化社製)で撹拌しながら、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛のトルエン溶液(固形分濃度65%)を100部加え、平均粒子径0.5μmのトルエン溶液分散物を得た。この分散物を70〜80℃で減圧加熱しながら、トルエンを留去して、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛の水性液138部(固形分濃度50%)を得た。水50部、軽質炭酸カルシウム22部、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム水溶液(商品名:ポイス520、花王社製、40%濃度)0.23部を仕込み、ホモミキサーで撹拌混合(2000rpm)し、上記3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛の水性液7.0部、結合剤としてポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製、重合度1700)の10%水溶液20部及びスチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名:L−1571、固形分濃度48%、旭化成ケミカルズ社製)2部を添加、混合した。更に、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水6部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が30mN/m、25℃60rpmでのB型粘度200mPa・sの顕色剤層用塗液を得た。
(感圧記録材料(下用紙)の作製)
上記で作製した顕色剤層用塗液を、50g/mの上質紙上に、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて塗料膜を作製し、顕色剤層の固形分塗布量が5.0g/mとなるように、塗工速度800m/分にてカーテン塗布、乾燥して、感圧記録材料(下用紙)を得た。
(発色剤層用塗液の調製)
発色剤としてCVL(クリスタルバイオレットラクトン)をオイルに溶解した状態で封入されたマイクロカプセル分散液(固形分濃度12%)を100部、バインダーとしてスチレン・ブタジエン共重合ラテックス(商品名:L−1571、前出)8部及び緩衝剤として小麦澱粉80部を添加、混合した。更に、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水6部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加して均一混合し、25℃白金プレート法での静的表面張力が29mN/m、25℃60rpmでのB型粘度200mPa・sの発色剤層用塗液を得た。
(感圧記録材料(上用紙)の作製)
上記で作製した発色剤層用塗液を、50g/mの上質紙上に、スライドホッパー型カーテン塗布装置を用いて塗料膜を作製し、顕色剤層の固形分塗布量が4.0g/mとなるように、塗工速度800m/分にてカーテン塗布、乾燥して、感圧記録材料(上用紙)を得た。
比較例1
実施例1の下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、及び保護層用塗液の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)を、下塗り層用塗液に0.5部、感熱記録層用塗液に1部、保護層用塗液に0.5部を、それぞれ40℃の水3部、6部、3部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加する代わりに、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:ラピゾールB07、前出)を、下塗り層用塗液に4部、感熱記録層用塗液に8部、保護層用塗液に4部を、それぞれ添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例2
実施例1の下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、及び保護層用塗液の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)を、下塗り層用塗液に0.5部、感熱記録層用塗液に1部、保護層用塗液に0.5部を、それぞれ40℃の水で有効成分10%に希釈してから30分後に添加する代わりに、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:ラピゾールB07、前出)を、下塗り層用塗液に4部、感熱記録層用塗液に8部、保護層用塗液に4部を、それぞれ40℃の水2.64部、5.28部、2.64部で有効成分5%に希釈してから30分後に添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例3
実施例1の下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、及び保護層用塗液の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)を、下塗り層用塗液に0.5部、感熱記録層用塗液に1部、保護層用塗液に0.5部を、それぞれ40℃の水3部、6部、3部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加する代わりに、希釈してから12時間後に添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例4
実施例1の下塗り層用塗液、感熱記録層用塗液、及び保護層用塗液の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)を、下塗り層用塗液に0.5部、感熱記録層用塗液に1部、保護層用塗液に0.5部を、それぞれ希釈せず、そのまま添加した以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を得た。
比較例5
実施例3の下層インク受理層用塗液、及び上層インク受理層用塗液の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水3部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加する代わりに、それぞれ希釈してから24時間後に添加した以外は、実施例4と同様にしてインクジェット記録材料を得た。
比較例6
実施例4の顕色剤層用塗液、及び発色剤層用塗液の調製の調製において、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:SNウェットOT−70、前出)1部を40℃の水3部で有効成分10%に希釈してから30分後に添加する代わりに、市販のジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩溶液(商品名:ラピゾールB07、前出)を、顕色剤層用塗液に8部、及び発色剤層用塗液に8部を、それぞれ添加した以外は、実施例4と同様にして感圧記録材料を得た。
上記に記載された塗布膜及び上記で得られた情報記録材料について、以下の評価試験を行い、その結果を表1に記載した。
<カーテン塗工適性>
カーテン塗工適性について、塗布膜の安定度を目視評価した。なお、複数層が同時にカーテン塗布される場合は、複数層の塗布液で形成されるカーテン膜を塗布膜の安定度として評価した。
◎:膜切れが全く観察されない。
○:膜切れがほんど観察されない。
×:カーテン膜が全く形成できず操業できない。
<発色特性>
(感熱記録材料)
感熱記録用シミュレーター(商品名:TH−PMD、大倉電気社製)を用い、印加エネルギー0.27mJ/dotにて記録し、記録部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914、グレタグマクベス社製、ビジュアルモード使用)で測定した。
記録濃度が1.20以上であると、実用上問題を生じない。
(インクジェット記録材料)
カラーインクジェットプリンター(商品名:PM750C、セイコーエプソン社製)を用いてブラックインクで幅5cm、長さ5cmの印字を行い、記録部の濃度をマクベス濃度計(RD−914、グレタグマクベス社製、ビジュアルモード使用)を用いて測定した。
記録濃度が1.20以上であると、実用上問題を生じない。
(感圧記録材料)
顕色剤を塗布した下用紙と発色剤を塗布した上用紙を組み合わせてインパクトプリンターを用いて印字して、記録部の記録濃度をマクベス濃度計(RD−914、グレタグマクベス社製、ビジュアルモード使用)で測定した。
記録濃度が0.90以上であると、実用上問題を生じない。
Figure 2011194771

Claims (4)

  1. 支持体上に、情報記録層を設けた情報記録材料の製造方法において、情報記録材料を構成する層の一部または全部の塗料膜をカーテン塗布して形成する際、前記塗料膜を構成する塗液の少なくとも1層以上が、固形分濃度25%以上の下記一般式(1)で表されるジアルキルスルホコハク酸塩の溶液を、固形分濃度20%以下に希釈した後、3時間以内に該層用塗液に添加し、カーテン塗布して形成されることを特徴とする情報記録材料の製造方法。
    Figure 2011194771
    (式中、R、Rは同一または異なる炭素数2〜20の脂肪族または脂環式炭化水素基を表し、Mは水素原子またはカチオン、xは1または2を表す)
  2. 前記希釈が水によって行われる請求項1に記載の情報記録材料の製造方法。
  3. 前記希釈する水の温度が20〜80℃である請求項2に記載の情報記録材料の製造方法。
  4. 前記情報記録材料が感熱記録材料、感圧記録材料及びインクジェット記録材料から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報記録材料の製造方法。
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