JP2006337933A - プラスチックラベル及びラベル付き容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重心の偏ったボトルに用いた場合にも、自動販売機の商品補充時の商品詰まりを生じず、また製造・加工工程において粉の発生の少ない、取り扱い性と生産性に優れたプラスチックラベル及び該ラベルを装着したラベル付き容器を提供することにある。
【解決手段】 本発明のプラスチックラベルは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、表面突起を有する樹脂層を有するプラスチックラベルであって、該プラスチックラベルの樹脂層側表面の突起のダイナミック硬さが、40以上、100以下であることを特徴としている。または、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、圧縮試験における破壊強度が3.0MPa以上、30MPa以下である粒子を0.3〜50重量%含有する樹脂層を有することを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動販売機で販売される際に商品の詰まりによるトラブルを防止できる自動販売機適性に優れたプラスチックラベル及び該ラベルを装着した容器に関する。
現在、お茶や清涼飲料水等の飲料用容器として、PETボトルなどのプラスチック製容器やボトル缶などの金属製容器等が広く用いられており、容器の形状も円筒型やボトル型等様々である。これらの容器には、表示や装飾性、機能性の付与のためプラスチックラベルを装着する場合が多く、近年、容器に対する追従性が良好であり、表示面積を増大できる等のメリットから、蒸気や熱風により収縮させることにより容器に追従・装着させる熱収縮性プラスチックラベル(シュリンクラベル)が広く使用されている。
プラスチックラベルを装着したPETボトルなどは、店頭で販売される他、自動販売機(以下、ベンダーと称する)で販売されることが多い。ベンダーの構造は製造メーカーにより細部は異なるが、概ね内部は縦型蛇状の構造(以下、サーペンタインと称する)となっており、PETボトルなどの商品はサーペンタイン内に段積みに充填されている。顧客が購入時にお金を投入すると、ベンダー内部の電磁弁が作動し、該当商品が1本だけ商品受け取り口に落ち、一方、サーペンタイン内部では、充填された商品が順次サーペンタイン内を落下して再充填される仕組みとなっている。また、売り切れとなった商品の補充などの際には、ベンダーの上部からサーペンタイン内に商品を投入する。
この際、ボトル表面の滑り性が不十分である場合、サーペンタイン内でボトルが立ち、詰まりが発生する場合がある(以下、ベンダー詰まりと称する)。ベンダー詰まりが発生すると、お金を投入しても、商品が出てこない不具合が生じるため、クレームとなるだけでなく、その都度、サービスマンがボトル詰まりを修復する必要があり、メンテナンスコストの面でも好ましくない。
プラスチックラベルを装着したボトルは、プラスチックラベルを装着していない金属缶と比べて、一般的に商品表面の滑り性が劣る場合が多いため、上記ベンダー詰まりの問題が発生しやすい欠点がある。さらに、近年、商品の差別化、顧客吸引力増大のため、様々な形状のボトルが開発されてきてるが、これらの中でも、重心に偏りのあるボトルでは、特にベンダー詰まりが発生しやすく、ボトル形状の多様化に伴って、ベンダー詰まりは大きな問題となってきている。
さて、ここで、ベンダー詰まりは、以下の2つの場面で発生することが経験上知られている。ひとつは通常の商品販売の場面(通常販売時という)であり、商品が購入された後の、サーペンタイン内での商品の再充填の際に生じる詰まりである。もうひとつは売り切れ時等に商品を補充する場面(商品補充時)であり、空のサーペンタイン内に、ベンダー上部から次々と商品を充填する際に生じる詰まりである。後者(商品補充時)は、空のサーペンタイン内を一気に商品が落下するために、前者(通常販売時)よりも条件が過酷であり、ベンダー詰まりがより発生しやすい傾向にある。
上記問題を解決するため、ラベル表面の滑り性に着目した開発が進められており、表面の摩擦係数をコントロールしたフィルム(例えば、特許文献1参照)や、フッ素樹脂を含有したコーティングにより、滑り性を改善したラベル(例えば、特許文献2参照)が知られている。これらの技術により、通常販売時のベンダー詰まりは大きく改善されたものの、ボトルの軽量化、多様化によって、より過酷な商品補充時のベンダー詰まりに対する効果は未だ十分ではないのが現状であった。さらに、重心の偏りが大きなボトルの場合には、特に大きな問題となってきている。
一方、上記プラスチックラベルには、製造・加工工程において、コーティング層が摩耗しやすいという問題が生じていた。滑り性改善のために添加している粒子などの滑剤が、製造・加工工程のガイドローラーやニップロール部で脱落し、粉を発生して、製品に付着する。これら製品は、製造段階で発見された場合には不良品として収率を低下させるし、顧客からのクレームの原因ともなる。特に、この問題は、工程の高速化に伴い顕著になってきており、高速化により生産性の向上を図る上で大きな課題となっている。
特開2004−114358号公報 特開2002−327149号公報
本発明の目的は、商品補充時や重心の偏りが大きなボトルに使用された際にも、ベンダー詰まりを発生せず、さらに、製造・加工工程での粉の発生の少ない、自動販売機適性と生産性の優れたプラスチックラベル及び該ラベルを装着した容器を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、商品補充時のベンダー詰まりを改善するためには、従来の滑り性の観点に加えて、ラベル表面の硬さが重要な要素となることを解明した。つまり、特定の表面硬さの表面突起を有する樹脂層または特定の破壊強度を有する粒子を含有する樹脂層を設けたフィルムを用いることにより、ベンダー詰まりを防止でき、さらに、製造・加工工程で粉の発生しない生産性の高いプラスチックラベル及び該ラベルを装着した容器を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、表面突起を有する樹脂層を有するプラスチックラベルであって、該プラスチックラベルの樹脂層側表面の突起のダイナミック硬さが、40以上、100以下であることを特徴とするプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、圧縮試験における破壊強度が3.0MPa以上、30MPa以下である粒子を0.3〜50重量%含有する樹脂層を有することを特徴とするプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、該樹脂層中に、ゲル法で生成したシリカ粒子、ポリエチレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックス、アクリル粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有するプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、粒子の平均粒径が0.2〜20μmであり、樹脂層の厚みが0.1〜5μmであるプラスチックラベルを提供する。
さらに、本発明は、上記本発明のプラスチックラベルが、樹脂層を外側にして容器に装着されたラベル付き容器を提供する。
本発明のプラスチックラベルは、重心の偏りの大きなボトルに用いた場合にも、商品補充の際に、ボトル立ちがなく、サーペンタイン内をスムーズに落下するため、ベンダー詰まりが発生せず、販売上のトラブルが極めて起こりにくい。従って、PETボトルなどに用いられるラベルとして特に有用である。また、製造・加工工程で、粉の発生が極めて少なく、生産性が向上するため、産業上有益である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のプラスチックラベルの一例を示す概略断面図である。図1に示されるプラスチックラベル1は、プラスチックフィルム2の片面に、粒子4を含有する樹脂層3が設けられている。
本発明のプラスチックラベルは、プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、樹脂層が設けられてなる。ただし、樹脂層は、必ずしもプラスチックフィルム表面に直接設けられなければならない訳ではなく、印刷層などの他の層を介して設けられてもよい。また、本発明の効果を発揮する観点から、樹脂層は、ラベル付き容器として用いられる際に、外側(すなわち、容器側と反対側)に設けられることが好ましく、特に好ましくは、最外層(最も外側の層)として用いられた場合に、本発明の効果を最も発揮できる。さらに、プラスチックラベルには印刷層が設けられることが多い。その場合には、容器の外側より順に、樹脂層/プラスチックフィルム層/印刷層の層構成でもよいし、樹脂層/印刷層/プラスチックフィルム層の順でもよく、特に限定されないが、一般的には、樹脂層/フィルム層/印刷層の層構成をとることが多い。また、さらに、他の機能層を有していてもよい。
本発明の樹脂層の形成方法は、プラスチックフィルムの素材変更に柔軟に対応できる点などから、共押出やラミネート等の手法よりも、コーティングにより形成される方が好ましい。
本発明の樹脂層は、表面に突起を有する。この表面突起は、樹脂層中に含有する粒子によって主に形成される。また、これに起因して、本発明のプラスチックラベルは、少なくとも樹脂層側の表面には表面突起を有する。樹脂層側の表面とは、プラスチックフィルムからみて樹脂層を設けた側のラベルの表面を指し、容器に装着された場合には、通常ラベル付き容器の外側になる表面のことをいう。本発明のプラスチックラベルにおいては、樹脂層の更に表層側に更に別の層が設けられていてもよいが、ラベル表面の表面突起は、主に樹脂層に起因して形成されている場合に、本発明の効果が得られるため好ましい。
本発明のプラスチックラベルの、プラスチックフィルムに対して樹脂層側の表面の、表面突起のダイナミック硬さは、40以上、100以下であり、好ましくは45以上、90以下、さらに好ましくは50以上、80以下である。ダイナミック硬さが40未満である場合には、特に商品補充の際に、ベンダー詰まりが生じやすく、また、工程での粒子の削れによる粉の発生が生じやすくなる。また、ダイナミック硬さが100を超える場合には、製造工程で、工程ロールなどを削ることがある。例えば、グラビア印刷工程では、ドクター刃が摩耗しやすくなることがある。本発明のベンダー詰まりを防止する効果や製造工程で粉の発生が抑制される効果は、ラベルの表面突起が所定範囲のダイナミック硬さを有することによって発現する。表面突起のダイナミック硬さが本発明の範囲内の場合には、ボトルがサーペンタイン内を落下し、内壁に衝突した際に、反発が安定しているため、ベンダー詰まりを生じないと考えられる。逆に、突起の硬さが不足する場合には、衝突の際に突起が変形し(突起がつぶれて)、ラベル表面が見かけ上平坦になり、内壁との間に大きな摩擦を生じたりして、落下途中で摩擦係数が変化することによって、ボトルが立ち、その結果ベンダー詰まりが生じると考えられる。さらには、表面突起が適度な硬さを有することによって、製造工程での突起の削れが抑制され、粉の発生が低減すると考えられる。たとえ、摩擦係数が低い、すなわち、滑り性のよい表面であっても、突起が柔らかすぎる場合には、上記の効果は得られず、サーペンタイン内壁にボトルが衝突するような場合の(すなわち、商品補充時の場合の)ベンダー詰まり防止効果は得られにくい。また、突起が柔らかいことにより、製造・加工工程での粒子の削れによる粉の発生も起こりやすいと考えられる。
上記のダイナミック硬さは、樹脂層に含有する粒子の硬度(破壊強度)や樹脂層の樹脂の種類および樹脂層中の粒子と樹脂層の厚み比などで制御することが可能である。また、例えば、シリカ粒子などの凝集体を形成する粒子の場合などには、粒子の作製方法(例えば、ゲル法を用いるなど)により制御することが可能である。
本発明のプラスチックラベルの、プラスチックフィルムに対して樹脂層側の表面の、表面突起の個数は、10個/mm2以上が好ましく、より好ましくは、20個/mm2以上である。突起個数が10個/mm2未満である場合には、本発明のダイナミック硬さを有する突起の効果が発揮されにくく、ベンダー詰まり防止効果が得られないことがある。また、該突起は、層の厚みにもよるが、少なくとも0.1μm以上の突起が好ましい。突起個数は常法によって求めることができるが、例えば、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定することができる。
本発明の樹脂層は、粒子と樹脂を必須成分として構成される。
本発明の樹脂層に用いられる粒子の圧縮試験による破壊強度は3.0MPa以上、30MPa以下であり、より好ましくは、4.0MPa以上、20MPa以下、さらに好ましくは、5.0MPa以上、10MPa以下である。粒子の破壊強度が3.0MPa未満である場合には、ベンダー詰まりが生じやすく、また、工程での粒子の削れによる粉の発生が生じやすくなる。また、粒子の破壊強度が30MPaを超える場合は、製造工程で、工程ロールなどを削ることがある。例えば、グラビア印刷工程では、ドクター刃が摩耗しやすくなることがある。本発明の樹脂層に用いられる粒子の破壊強度を上記の好ましい範囲に制御することによって、粒子が形成する突起が適度な硬さとなり、サーペンタイン内壁との衝突の際に変形しにくくなることによって、上述のように、ベンダー詰まりを防止する効果を発揮する。また、該突起は製造・加工工程においても削れにくく、粉の発生が抑制される。なお、凝集体などの2次粒子を形成する粒子に関しては、2次粒子の破壊強度が上記の範囲にある必要がある。
本発明の樹脂層に用いられる粒子の含有量は、樹脂層の固形分全量に対して、0.3〜50重量%であり、透明性が要求されるラベル用途では0.5〜20重量%が好ましく、表面につや消し処理を施したラベル用途(マット用途)では10〜40重量%が好ましい。粒子の含有量が、0.3重量%未満である場合には、突起の個数が減少し、また表面が平坦となりすぎるため、摩擦の増大などの観点から、ベンダー詰まりが生じやすくなる。粒子の含有量が、50重量%を超える場合には、粒子同士が凝集して粗大な突起を形成したり、表面が粗くなりすぎたり、また、樹脂の量が相対的に減少するため粒子を保持する力が減少して、粒子が脱落しやすくなり、工程での削れによる粉の発生が起こりやすくなる。なお、樹脂層中に複数種類の粒子が存在する場合には、少なくとも本発明で規定する粒子(破壊強度が規定範囲にある粒子)について、上記の含有量範囲にあることが必要である。
本発明の樹脂層に用いられる粒子の種類としては、常温において粒子状の固体であればよく、圧縮試験の破壊強度が上記の範囲にあるものであれば、特に限定はされない。例えば、シリカ、タルク、雲母、カオリン、ベントナイト、クレー、黒鉛、フッ化黒鉛、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、チタン酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ガラス粉、アルミナ、金属粉などの無機粒子や、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸の塩(金属石けん)、ポリアセタール、ポリ(メタ)アクリル酸金属塩、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸アミド、アクリル樹脂(アクリル粒子)、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂などの有機粒子、マイクロクリスタリンワックス、酸化マイクロクリスタリンワックス、パラフィン、酸化パラフィン、モンタンワックスなどの鉱物系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス、塩素化ポリプロピレンワックス、エチレン−アクリル酸共重合体ワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体ワックス、ポリカーボネートワックスなどの合成ワックス、ワセリン、ラノリン、カルナバワックスなどの天然ワックスなどから適宜選択すればよい。
中でも、シリカ粒子、アクリル粒子、ポリエチレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックスなどが好ましく、本発明に規定した破壊強度を満たすものとしては、例えば、ポリエチレンワックス(例えば、クラリアントジャパン(株)社製Ceridust3620;破壊強度6.5MPa)、フッ素変性ポリエチレンワックス(例えば、クラリアントジャパン(株)社製Ceridust3715F;破壊強度3.5MPa)、アクリル粒子(例えば、綜研化学(株)社製ケミスノーMX−500;破壊強度4.5MPa)などが入手可能である。なお、上記の中で、シリカ粒子は凝集体を形成するため、破壊強度は2次粒子の値であり、他の粒子は凝集体を形成しないので、1次粒子の破壊強度を示している。
なお、上記に挙げた粒子であっても、本発明に規定した破壊強度を満たさない場合は、本発明の効果を得ることはできない。
例えば、シリカ粒子の場合は、粒子生成方法による2次粒子の凝集の強さや表面処理の有無などが破壊強度に大きく影響する。粒子生成方法としては、ゲル法により生成する場合に、1次粒子同士が強く凝集した2次粒子を生成するため、本発明の破壊強度の範囲を満たし、好ましい。ゲル法によって生成されたシリカとしては、例えば、東ソーシリカ(株)社製ニップジェルBY−200(破壊強度17.9MPa)などが入手可能である。これに対して、沈殿法によって生成されたシリカは、1次粒子同士の凝集の弱い2次粒子を生成することが多く、例えば、東ソーシリカ(株)社製ニップシールAZ−100(破壊強度1.6MPa)、は、本発明の好ましい破壊強度を満たさないため、本発明の効果が得られない。また、つや消し性付与などの目的で表面に有機物などからなるコート層を厚く設けた場合(表面処理を行った場合)、突起の硬さが低下することが多く、例えば、表面コート処理シリカ(例えば、東ソーシリカ(株)社製ニップシールAZ−260;破壊強度1.7MPa)などを用いた場合には、本発明の効果は得られない。コート処理を行う場合でも、コート層の割合(表面処理の量)は、シリカ粒子に対して、10重量%未満であることが好ましい。
本発明の樹脂層に用いられる粒子の平均粒径(粒子が凝集体などの2次粒子を形成する場合には、その2次粒子の粒径、いわゆる2次粒径)は、0.2〜20μmであり、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜5μmである。粒子の平均粒径が、0.2μm未満の場合には、有効な表面突起を形成せず、表面が平坦となって、表面の摩擦が増大し、本願のベンダー詰まり防止効果が得られにくい。また、粒子の平均粒径が20μmを超える場合には、粒子が脱落しやすくなり、製造工程での粉発生が起こる場合がある。なお、平均粒径は常法により求めることが可能であるが、例えば、顕微鏡法により、円相当径として求め、100個の粒子についての数平均粒径をもって、平均粒径とすることができる。
本発明の樹脂層に用いられる樹脂としては、コーティング法によって形成する観点から、溶剤等に溶解または分散するものが好ましく、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が好ましく例示される。これらの樹脂は、フィルムの種類、要求特性、用途などによって、単一で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本発明の効果の観点からアクリル系樹脂が好適である。また、樹脂層に用いられる樹脂の見かけのガラス転移温度(Tg)は、70〜100℃が好ましい。Tgが70℃未満の場合には、プラスチックラベルをロール状にして保存しておく場合に、ブロッキングが生じる場合があり、また、100℃を超える場合には、コーティング層に柔軟性がなくなり、製造工程でひび割れ、剥離が生じる場合がある。なお、見かけのTgは、示差走査熱量計(DSC)によって直接測定(JIS K7121)される場合には、測定値を用いてもよいし、複数の樹脂(例えば、樹脂a、樹脂b)を組み合わせる場合には、それぞれの樹脂のTgより、次の式(Fox式)を用いて求められる計算値を使用してもよい。1/Tg=wa/Tga+wb/Tgb (Tga:樹脂aのTg、Tgb:樹脂bのTg、wa:樹脂aの重量分率、wb:樹脂bの重量分率)。上記条件を満たす樹脂としては、例えば、東亜合成(株)社製アクリル樹脂「UH−2140」(Tg50℃)、三菱レイヨン社製アクリル樹脂「ダイヤナールGR5508」(Tg75℃)や三菱レイヨン社製アクリル樹脂「ダイヤナールGR5538」(Tg150℃)などを、所定のTgになるように、上記Fox式を用いて配合量を計算し、適宜混合して用いることが可能である。
本発明の樹脂層に用いられる樹脂の量(2種以上の樹脂を混合する場合には、全樹脂の総量)は、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜選択でき、樹脂層の固形分全量に対して、例えば、50〜99.7重量%、好ましくは70〜99重量%である。
本発明の樹脂層の厚みは、0.1〜5μmが好ましく、より好ましくは、0.5〜3μmである。厚みが0.1μm未満である場合には、均一に樹脂層を設けることが困難となり、欠点が生じたり、また、樹脂層中の粒子が脱落しやすくなって、製造工程で粉が発生しやすくなったりする。また、厚みが3μmを超える場合には、コーティングを行う場合に塗液を大量に使用するためコストの増大を招いたり、樹脂層中に粒子が埋もれてしまい、有効な突起が形成されず、本発明のベンダー詰まり防止効果が低下したりする。また、樹脂層がもろくなって、製造工程や加工工程で、ひび割れが生じたり、剥離しやすくなり、粉の発生原因となったりする。
本発明の樹脂層に用いられる粒子の平均粒径は、樹脂層の厚みよりも大きい方が好ましく、より好ましくは、樹脂層の1.5〜20倍、さらに好ましくは、2〜10倍である。樹脂層厚みよりも平均粒径が小さい場合には、有効な突起が形成されにくいため、本発明のベンダー詰まり防止効果が小さくなることがあり、また、粒径が樹脂層厚みの20倍を超える場合には、粒子が脱落しやすくなるため、製造、加工工程において、粉が発生しやすくなったりする。
なお、本発明の樹脂層には、本発明の特徴を損なわない範囲で、上記で規定する以外の滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。
本発明に用いられるプラスチックフィルムの種類は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等からなるポリエステル系フィルム、スチレン−ブタジエン共重合体等からなるポリスチレン系フィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルムなどから、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能である。また、これらのフィルムは、単層フィルムを用いてもよいし、要求物性、用途などに応じて、複数のフィルム層を積層した積層フィルムを用いてもよい。
本発明のプラスチックフィルムの厚みは、用途によって異なり、特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、シュリンクラベル用途の場合には、20〜80μmが好ましく、さらに好ましくは30〜60μmである。
本発明のプラスチックラベルのヘイズ値(JIS K 7105)は、用途によって異なるが、透明性を必要とするラベル用途などでは、ヘイズ値は0〜30が好ましく、さらに好ましくは0〜15である。ヘイズ値が30を超える場合には、プラスチックラベルとして用いる際、プラスチックフィルムの内側(ラベルを容器に装着した時に内側になる面側)に印刷を施す場合に、製品の印刷が曇り、装飾性が低下することがある。
本発明のプラスチックラベルが、表面につや消し処理を施したラベル用途(マット用途)に用いられる場合には、ヘイズ値は、つや消し効果の観点から、30〜70が好ましく、より好ましくは40〜60である。
本発明のプラスチックラベルには、前述の通り、プラスチックフィルムと樹脂層の他にも印刷層を設けてもよい。印刷層は、特に限定されないが、好ましくは、容器に装着する場合に内側(すなわち容器側)になる側の面に施すと、本願のベンダー詰まり防止効果を損なわないため好ましく、さらに市場で流通する際の印刷層のはがれや汚れなどがないため好ましい。印刷層は、商品名やイラスト、取り扱い注意事項等を表示した層であり、グラビア印刷やフレキソ印刷等の慣用の印刷方法により形成することができる。印刷層の形成に用いられる印刷インキは、例えば顔料、バインダー樹脂、溶剤からなり、前記バインダー樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系、セルロース系、ニトロセルロース系などの一般的な樹脂が使用できる。印刷層の厚みとしては、特に制限されず、例えば0.1〜10μm程度である。
本発明のプラスチックラベルには、本発明の効果を損なわない範囲で更に他の層を設けてもよい。例えば、アンカーコート層、プライマーコート層、接着剤層、易接着層などを設けることができ、不織布、紙、プラスチック等の層を必要に応じて設けてもよい。ただし、本発明の樹脂層よりもさらに外側に上記の層を設ける場合には、本発明の効果が得られにくくなるので好ましくない。
本発明のプラスチックラベルは、シュリンクラベルとして最も好ましく用いられるが、これに限定されるものではなく、ストレッチラベル、ストレッチシュリンクラベル、タックラベル、インモールドラベル、ロールラベル(巻き付け方式の糊付けラベル)、感熱接着ラベル等としても用いることができる。
本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合、シュリンクラベル(容器に装着する前)の幅方向(主収縮方向)の90℃10秒における熱収縮率は、30%以上が好ましく、より好ましくは40%以上である。熱収縮率が30%未満の場合には、シュリンクラベルを容器に熱で密着させる工程において、収縮が十分でないため、容器の形に追従困難となり、特に複雑な形状の容器に対して仕上がりが悪くなることがある。また、長手方向(主収縮方向に直交する方向)の90℃10秒における熱収縮率は、シュリンクラベルの装着性、加工性などの観点から、−3〜15%が好ましく、より好ましくは、−1〜10%である。なお、ここでいう、フィルムの長手方向とは、フィルム製造ラインの、ライン方向のことをいい、筒状のシュリンクラベルに加工された場合は、通常ラベルの高さ方向になる。また、フィルムの幅方向とは、上記長手方向と直交する方向のことをいい、筒状のシュリンクラベルに加工された場合は、通常ラベルの円周方向になるように用いられる。
本発明のプラスチックラベルがシュリンクラベルである場合、シュリンクラベル(容器に装着する前)の保存安定性(自然収縮率:40℃7日間経過したときの収縮率)は、2%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5%以下である。フィルムの自然収縮率が2%を超える場合には、シュリンクラベルを製造したのち、加工までに保管する間に、大きな変形(収縮)を起こすため、その後の加工が困難となり、生産性が低下したり、印刷が歪んでクレームの原因となったりする。
本発明のラベル付き容器は、本発明のプラスチックラベルが容器に装着された容器である。このような容器には、例えば、PETボトルなどのソフトドリンク用ボトル、アルコール飲料用ボトル、カップ麺容器などが含まれる。また容器の材質としても、PETなどのプラスチック製、ガラス製、金属製などが含まれる。中でも、自動販売機で販売される飲料用のPETボトルや金属製ボトル缶に用いた場合、本発明の効果を最もよく発揮する。
以下に、本発明のプラスチックラベル及びラベル付き容器の製造方法を説明する。なお、ここでは、プラスチックラベルとして、ポリエステルフィルムからなるシュリンクラベルの例を示すが、製造方法はこれに限定されるものではない。
なお、下記説明において、工程順に、延伸後のフィルム原反を「プラスチックフィルム」、これに印刷と本発明の樹脂層を設けたものを「長尺状プラスチックラベル」、さらに長尺のまま筒状に加工したものを「長尺筒状プラスチックラベル」と記載する。
[プラスチックフィルムの作製]
本発明のプラスチックフィルムは、溶融製膜または溶液製膜などの方法によって作製することもできるし、または、市場で販売されているポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオレフィンフィルム等を用いることもできる。
例えば、溶融製膜法を用いて、ポリエステルフィルムを作製する場合は、以下のとおりである。
フィルム原料は既知の手法を用いて重合する。例えば、ポリエステルはテレフタル酸とエチレングリコールを原料とし、直接エステル反応により、低分子量のポリエチレンテレフタレートを得、さらに、3酸化アンチモンなどを触媒に用いた重縮合反応によってポリマーを得るプロセスなどが用いられる。必要に応じて、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを共重合してもよい。
上記で得られたフィルム原料を1軸または2軸押出機を用いてTダイより押出して、未延伸フィルムを作成する。この際、共押出法などを用いることによって、多種多層に積層された未延伸フィルムを得ることが可能である。
未延伸フィルムは用途によっては、さらに延伸を行うことによって、プラスチックフィルムを作製する。延伸は、長手方向(縦方向;MD方向)および幅方向(横方向;TD方向)の2軸延伸でもよいし、長手、または、幅方向の1軸延伸でもよい。また、延伸方式は、ロール方式、テンター方式、チューブ方式の何れの方式を用いてもよい。延伸処理は、用いるポリマーの種類にもよるが、例えば、シュリンクラベル用のプラスチックフィルムの場合は、ポリマーのガラス転移温度(Tg)〜Tg+50℃程度の温度で、必要に応じて長手方向に例えば1.01〜3倍、好ましくは1.05〜1.5倍程度に延伸した後、幅方向に3〜10倍、好ましくは4〜6倍程度延伸することにより行う場合が多い。
本発明のプラスチックフィルムの表面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の慣用の表面処理が施されていてもよい。
[樹脂層の作製(コーティング剤の塗布)]
本発明の樹脂層を形成するのに用いるコーティング剤は、前記の樹脂及び粒子を溶剤に溶解または分散させることによって作製する。ここで用いられる有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピルなどの酢酸エステル類や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が好ましく例示される。また、インラインコートで塗布する場合には、水を用いることも可能である。なお、有機溶剤は、コーティング剤をフィルムに塗布した後、乾燥することにより除去できる。
本発明の長尺状プラスチックラベルは、前記プラスチックフィルムに印刷処理をした後、少なくとも一方の面に上記コーティング剤を塗布することによって得られる。コーティング剤は、フィルム片面の80%以上の領域に塗布されていることが好ましく、より好ましくはシール部を除くほぼ全面に塗布されていることが好ましい。また、必要に応じて、印刷処理は省略できる。塗布は、プラスチックフィルムの製造工程中(例えば、未延伸または縦1軸延伸後)に塗布を行うインラインコートによって設けてもよいし、フィルム製膜後に塗布を行うオフラインコートによって設けてもよい。インラインコートの場合には、リバースロール方式、エアナイフ方式、ファウンテン方式などが好ましく用いられ、オフラインコートでは、例えば、グラビア印刷や、フレキソ印刷などの方式を用いることができる。さらに印刷処理を施す場合、印刷手法としては、慣用の方法を用いることができるが、例えば、グラビア印刷やフレキソ印刷により形成することができる。印刷層は、上記樹脂層と反対側の面(すなわち、容器側の面)に施す方が好ましい。樹脂層を形成し、印刷を施した長尺状プラスチックラベルは、所定の幅で複数となるようにスリットされた後、その各々をロール状に巻回し、複数の長尺状プラスチックラベルのロール状物とする。なお、樹脂層と印刷層を設ける工程の順序はどちらの工程が先に行われてもよい。
[長尺状プラスチックラベルの加工]
次に、上記ロール状物のひとつを繰り出しながら、長尺状プラスチックフィルムの幅方向が円周方向で、樹脂層が外側(印刷層が内側)となるように円筒状に成形する。具体的には、長尺状プラスチックラベルを筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、長手方向に帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下溶剤等)を内面に塗布し、筒状に丸めて、該溶剤等塗布部を、他方の側縁部から5〜10mmの位置に重ね合わせて外面に接着(センターシール)し、長尺筒状のプラスチックラベル連続体とし、長尺筒状プラスチックラベルを得る。なお、上記の溶剤などを塗工する部分及び接着する部分には、樹脂層、印刷層が設けられていないことが好ましい。
なお、ラベル切除用のミシン目を設ける場合は、所定の長さ及びピッチのミシン目を長手方向に形成する。ミシン目は慣用の方法(例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法やレーザーを用いる方法等)により施すことができる。ミシン目を施す工程段階は、印刷工程の後や、筒状加工工程の前後など、適宜選択ことができる。
[ラベル付き容器]
最後に、上記で得られた長尺筒状シュリンクラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。
上記長尺筒状プラスチックラベルを、自動ラベル装着装置(シュリンクラベラー)に供給し、必要な長さに切断した後、内容物を充填した容器に外嵌し、所定温度の熱風トンネルやスチームトンネルを通過させたり、赤外線等の輻射熱で加熱して熱収縮させ、容器に密着させて、ラベル付き容器を得る。上記加熱処理としては、例えば、90℃のスチームで処理することなどが例示される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
(1)ダイナミック硬さ
ダイナミック超微小硬度計DHU−W201S(島津製作所製)を用いて、以下の条件で測定した。測定面は樹脂層を設けた面であり、ラベルの外側(すなわちボトルと反対側)の面を測定した。測定面を上向きにして、アルミニウム製のサンプル台に、接着剤を用いて固定し、光学顕微鏡で観察しながら、圧子の先端が突起の先端部に当たるようにして測定した。
試験力(P)0.2mNで2秒保持した後の、押し込み深さ(h)を測定し、下記の式でダイナミック硬さ(DHT115)を測定した。なお、10個の突起について測定を行い、その平均値をもって、ダイナミック硬さとした。
DHT115 = 3.858×P/h2
サンプル : 10mm×20mm
圧子 : ベルコビッチ型三角錐圧子(ダイアモンド製;稜間隔115°)
試験力 : 0.2mN(=P)
保持時間 : 2秒
負荷速度 : 0.0142mN/秒
(2)破壊強度
微小圧縮試験器MCT−W201(島津製作所製)を用いて、以下の条件で応力と変位を測定した。変位に対する応力のグラフにおいて、最初の変曲点の応力をもって、破壊強度とした。試験は1粒子ずつ行い、5粒子の平均値をもって、破壊強度とした。なお、粒子は樹脂層に添加される前の、粒子単体をそのまま測定に用いた。
圧子 : 平面圧子(Φ20μm)
試験力 : 9.8mN
保持時間 : 0秒
負荷速度 : 0.711mN/秒
(3)ベンダー適性試験
実施例および比較例で得たプラスチックラベルを、日本コカコーラ(株)で使用されているアセプティック充填用280mlPETボトルに装着して、試験を行った。商品の充填されていない空のベンダー(松下冷機製;97年式)に5本連続で投入、排出することを100回繰り返し、容器が詰まった回数が0回以下であるものを自動販売機適性良好(○)とし、1回以上詰まった場合は自動販売機適性不良(×)と判定した。
(4)耐削れ性
本発明のプラスチックラベルの製造・加工工程を目視で観察し、工程ロール等への削れ粉の付着状態を評価した。
(5)フィルム層厚み、樹脂層厚み
フィルム厚みは、触針式厚みゲージをもちいて測定した。樹脂層厚みは、樹脂層を設けた部分(塗布面)と樹脂層を設けていない部分(非塗布面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508;アクリル系樹脂50部/イソプロピルアルコール30部/酢酸エチル20部の混合物、ガラス転移温度75℃)50部、平均粒径1.9μmのゲル法により生成したシリカ(東ソーシリカ(株)社製ニップジェルBY−200;破壊強度17.9MPa)5部を、酢酸エチル45部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、長尺プラスチックラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。
さらに、得られた長尺プラスチックラベルをフィルムの幅方向が周方向となるように筒状に丸めて両端部を溶剤により接着(センターシール)し、長尺筒状プラスチックラベルを得た。これを自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、内容物を充填した日本コカコーラ(株)で使用されている280mlPETボトルに雰囲気温度90℃のスチームトンネルで収縮装着して、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
実施例2
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径9μmのフッ素変性ポリエチレンワックス(クラリアントジャパン(株)社製Ceridust3715F;破壊強度3.5MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
実施例3
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径5μmのアクリル粒子(綜研化学(株)社製ケミスノーMX−500、破壊強度4.5MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは2μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
実施例4
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径8.5μmのポリエチレンワックス(クラリアントジャパン(株)社製Ceridust3620;破壊強度6.5MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
比較例1
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径13μmのテトラフルオロエチレン粒子(旭硝子(株)社製アフロンF169J;破壊強度2.4MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本比較例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしておらず、ラベル付き容器はベンダー適性の劣るものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着が観察された。
比較例2
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、沈殿法によって生成した平均粒径5μmの表面処理シリカ(東ソーシリカ(株)社製ニップシールAZ−600;破壊強度1.6MPa)5部を、酢酸エチル45部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本比較例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしておらず、ラベル付き容器はベンダー適性の劣るものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着が観察された。
Figure 2006337933
実施例で得られたプラスチックラベルは、ベンダー詰まりが生じにくく、また、製造工程での粉の発生の少ない、生産性、自動販売機適性の優れたものであった。一方、比較例のプラスチックラベルは、表面突起のダイナミック硬さおよび樹脂層中の粒子の破壊強度が本発明の好ましい範囲を満たさないものであり、ベンダー詰まりが発生しやすく、また、製造工程において粉の発生しやすい、生産性、自動販売機適性の劣るものであった。
本発明のシュリンクラベルの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 プラスチックラベル
2 プラスチックフィルム
3 樹脂層
4 粒子

Claims (5)

  1. プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、表面突起を有する樹脂層を有するプラスチックラベルであって、該プラスチックラベルの樹脂層側表面の突起のダイナミック硬さが、40以上、100以下であることを特徴とするプラスチックラベル。
  2. プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、圧縮試験における破壊強度が3.0MPa以上、30MPa以下である粒子を0.3〜50重量%含有する樹脂層を有することを特徴とするプラスチックラベル。
  3. 請求項1または請求項2の樹脂層中に、ゲル法で生成したシリカ粒子、ポリエチレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックス、アクリル粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子を含有する請求項1または2に記載のプラスチックラベル。
  4. 粒子の平均粒径が0.2〜20μmであり、樹脂層の厚みが0.1〜5μmである請求項2または請求項3に記載のプラスチックラベル。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチックラベルが、樹脂層を外側にして装着されたラベル付き容器。
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