JP2009227337A - ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フィルム幅方向を主収縮方向として熱収縮する熱収縮性フィルムを基材とし、包装対象物に応じてカットされ、フィルム幅方向の両端が接着された環状体が、包装対象物の外周の少なくとも一部を熱収縮して被覆しているラベルであって、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の直角引裂強度が100N/mm〜310N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが50MPa以上300MPa以下、かつ主収縮方向の最大熱収縮応力が7(MPa)以上であるラベル。
【選択図】なし
Description
1. フィルム幅方向を主収縮方向として熱収縮する熱収縮性フィルムを基材とし、包装対象物に応じてカットされ、フィルム幅方向の両端が接着された環状体が、包装対象物の外周の少なくとも一部を熱収縮して被覆しているラベルであって、被覆されているラベルの主収縮方向(フィルム幅方向)の最大熱収縮応力が7(MPa)以上であり、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の直角引裂強度が100N/mm〜310N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが50MPa以上300MPa以下であることを特徴とするラベル。
2. 接着が、有機溶剤によりなされていることを特徴とする上記第1に記載のラベル。
3. 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)のエルメンドルフ引裂荷重と主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重を測定した場合におけるエルメンドルフ比が0.1以上2.0以下であることを特徴とする上記第1又は第2に記載のラベル。
4. 被覆されているラベルの分子配向比(MOR)が1.05以上4.1以下であることを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載のラベル。
5. 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)に沿って、ミシン目あるいはノッチが設けられていることを特徴とする上記第1〜第4のいずれかに記載のラベル。
6. 熱収縮性フィルムが、熱収縮性ポリエステル系フィルムであることを特徴とする上記第1〜第5のいずれかに記載のラベル。
被覆されているラベル(印刷層を除いたフィルム基材)において、主収縮方向(幅方向)×主収縮方向と直交する方向(長手方向)=200mm×15mmのサイズにカットした。しかる後、(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50を温度90℃に調整した上で、カットしたフィルムをセットし、10秒間保持したときの主収縮方向の応力値を測定した。
ラベルをJIS−K−7128に準じて所定の大きさの試験片としてサンプリングする。しかる後に、万能引張試験機(たとえば、(株)島津製作所製 オートグラフ)で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、ラベルの主収縮方向と直交する方向における引張破壊時の強度の測定を行う。そして、下式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出する。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み ・・式1
ラベルをJIS−K−7127に準じて、所定の大きさにサンプリングして試験片とし、万能引張試験機(たとえば、(株)島津製作所製 オートグラフ)で試験片の両端(フィルム長手方向)を掴み、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、破断時の応力値(印刷層を除いたフィルム基材の応力値)を算出する。
JIS−K−7128に準じて、ラベルを主収縮方向(フィルム幅方向)が長尺な長方形状に切断した後に長手方向の中央に端縁から切り込みを入れることによって試験片を作製し、ラベルの主収縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引裂荷重(ラベルの印刷層を除いたフィルム基材のエルメンドルフ引裂荷重)を測定する。また、ラベルを主収縮方向と直交する方向が長尺な長方形状に切断した後に長手方向の中央に端縁から切り込みを入れることによって試験片を作製し、ラベルの主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重(ラベルの印刷層を除いたフィルム基材のエルメンドルフ引裂荷重)を測定する。しかる後、下式2を用いてエルメンドルフ比を算出する。
エルメンドルフ比=主収縮方向(フィルム幅方向)のエルメンドルフ引裂荷重÷主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)のエルメンドルフ引裂荷重 ・・式2
フィルムを長手方向×幅方向=140mm×100mmのサンプルを採取した。そして、そのサンプルについて、王子計測機器株式会社製の分子配向角測定装置(MOA−6004)を用いて分子配向比(MOR)を測定した。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) ・・式3
上述したように、通常、熱収縮性ポリエステル系フィルムは、未延伸フィルムを収縮させたい方向(すなわち、主収縮方向、通常は幅方向)のみに延伸することによって製造される。本発明者らが従来の製造方法について検討した結果、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造においては、以下のような問題点があることが判明した。
・単純に幅方向に延伸するだけであると、上述の如く、長手方向の機械的強度が小さくなり、ラベルとした場合のミシン目開封性が悪くなる。その上、製膜装置のライン速度を上げることが困難である。
・幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する方法を採用すると、どのような延伸条件を採用しても、幅方向の収縮力を十分に発現させることができない。さらに、長手方向の収縮力が同時に発現してしまい、ラベルとした際に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
・長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する方法を採用すると、幅方向の収縮力は発現させることができるものの、長手方向の収縮力が同時に発現してしまい、ラベルとした際に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
・ラベルとした際のミシン目開封性を良好なものとするためには、長手方向へ配向した分子をある程度残しておく必要があると考えられること
・ラベルとした際の収縮装着後の仕上がりを良好なものとするためには、長手方向への収縮力を発現させないことが不可欠であり、そのためには長手方向へ配向した分子の緊張状態を解消する必要があると考えられること
(1)縦延伸条件の制御
(2)縦延伸後における中間熱処理
(3)中間熱処理と横延伸との間における自然冷却(加熱の遮断)
(4)自然冷却後のフィルムの強制冷却
(5)横延伸条件の制御
以下、上記した各手段について順次説明する。
本発明に好ましく採用される縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、フィルムロールを得るためには、縦延伸を二段で行うのが好ましい。すなわち、実質的に未配向のフィルムを、Tg以上Tg+30℃以下の温度で2.2倍以上3.0倍以下の倍率となるように縦延伸し(一段目の延伸)、Tg以下に冷却することなく、Tg+10以上Tg+40℃以下の温度で1.2倍以上1.5倍以下の倍率となるように縦延伸する(二段目の延伸)ことにより、トータルの縦延伸倍率(すなわち、一段目の縦延伸倍率×二段目の縦延伸倍率)が2.8倍以上4.5倍以下となるように縦延伸するのが好ましく、トータルの縦延伸倍率が3.0倍以上4.3倍以下となるように縦延伸するとより好ましい。
上述の如く、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させるためには、長手方向に配向した分子を熱緩和させることが好ましいが、従来、フィルムの二軸延伸において、一軸目の延伸と二軸目の延伸との間において、高温の熱処理をフィルムに施すと、熱処理後のフィルムが結晶化してしまうため、それ以上延伸することができない、というのが業界での技術常識であった。しかしながら、本発明者らが試行錯誤した結果、縦−横延伸法において、ある一定の条件で縦延伸を行い、その縦延伸後のフィルムの状態に合わせて中間熱処理を所定の条件で行い、さらに、その中間熱処理後のフィルムの状態に合わせて所定の条件で横延伸を施すことによって、横延伸時に破断を起こさせることなく、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させ得る、という驚くべき事実が判明した。
能となり、直角引裂強度を低く保つことが可能となるとともに、長手方向のエルメンドルフ比を1.0に近づけることができる。また、中間熱処理する際に、処理温度が190℃を上回ると、フィルムが結晶化して、長手方向の引張強さが低下してしまうが、中間熱処理の温度を190℃以下にコントロールすることによって、フィルムの結晶化を抑えて長手方向の引張強さを高く保つことが可能となる。
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、上記の如く、縦延伸後に中間熱処理を施す必要があるが、その中間熱処理と横延伸との間において、0.5秒以上3.0秒以下の時間に亘って、積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させる必要がある。すなわち、横延伸用のテンターの横延伸ゾーンの前方に中間ゾーンを設けておき、縦延伸後のフィルムをテンターに導き、所定時間をかけて当該中間ゾーンを通過させた後に、横延伸を実施するのが好ましい。加えて、その中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの流れに伴う随伴流および冷却ゾーンからの熱風を遮断するのが好ましい。なお、中間ゾーンを通過させる時間が0.5秒を下回ると、横延伸が高温延伸となり、横方向の収縮率を十分に高くすることができなくなるので好ましくない。反対に中間ゾーンを通過させる時間は3.0秒もあれば十分であり、それ以上の長さに設定しても、設備のムダとなるので好ましくない。なお、中間ゾーンを通過させる時間の下限は、0.7秒以上であると好ましく、0.9秒以上であるとより好ましい。また、中間ゾーンを通過させる時間の上限は、2.8秒以下であると好ましく、2.6秒以下であるとより好ましい。
本発明に好ましく用いられる縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、上記の如く自然冷却したフィルムをそのまま横延伸するのではなく、フィルムの温度が70℃以上120℃以下となるように急冷することが好ましい。かかる急冷処理を施すことによって、ラベルとした際のミシン目開封性が良好なフィルムを得ることが可能となる。なお、急冷後のフィルムの温度の下限は、72℃以上であると好ましく、74℃以上であるとより好ましい。また、急冷後のフィルムの温度の上限は、115℃以下であると好ましく、110℃以下であるとより好ましい。
本発明に好ましく用いられる縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、縦延伸、中間熱処理、急冷後のフィルムを所定の条件で横延伸することが好ましい。すなわち、横延伸は、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、65℃以上100℃以下の温度で4.5倍以上6.0倍以下の倍率となるように多段延伸を行うことが好ましい。かかる所定条件での横延伸を施すことによって、縦延伸および中間熱処理によって形成された“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”を保持したまま、幅方向へ分子を配向させて幅方向の収縮力を発現させることが可能となり、ラベルとした際のミシン目開封性が良好なフィルムを得ることが可能となる。なお、横延伸の温度の下限は、70℃以上であると好ましく、75℃以上であるとより好ましい。また、横延伸の温度の上限は、95℃以下であると好ましく、90℃以下であるとより好ましい。一方、横延伸の倍率の下限は、4.7倍以上であると好ましく、4.9倍以上であるとより好ましい。また、横延伸の倍率の上限は、5.8倍以下であると好ましく、5.5倍以下であるとより好ましい。
本発明に好ましく用いられる熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造に当たっては、縦延伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制冷却工程、横延伸工程の内の何れかの工程のみが、単独でフィルムの特性を良好なものとすることができるものではなく、縦延伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制冷却工程、横延伸工程のすべてを所定の条件にて行うことにより、非常に効率的にフィルムの特性を良好なものとすることが可能となるものと考えられる。また、フィルムの特性の中でも、最大熱収縮応力、エルメンドルフ比、長手方向の直角引裂強度、長手方向の引張破壊強さ、幅方向の厚み斑、長手方向の厚み斑といった重要な特性は、特定の複数の工程同士の相互作用によって大きく数値が変動する。
ボトル径変化率(%)=100×(W1−W2)/W2 ・・式4
ここで、W2は、荷重を掛ける前のボトル中央部の径である。
[極限粘度(IV)]
試料(チップまたはフィルム)0.1gを精秤し、25mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合溶媒に溶解した後、オストワルド粘度計で30±0.1℃で測定する。極限粘度[η]は、下式(Huggins式)によって求められる。
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下式3にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。当該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
・・・式3
80℃に調整された湯温中にてフィルムを幅方向に10%収縮させた後に、JIS−K−7128に準じて所定の大きさの試験片としてサンプリングする。しかる後に、万能引張試験機で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、フィルムの長手方向における引張破壊時の強度の測定を行う。そして、下式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出する。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み ・・式1
JIS−K7113に準拠し、所定の大きさの短冊状の試験片を作製し、万能引張試験機でその試験片の両端を把持して、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、フィルムの長手方向の引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強さとして算出する。
フィルムを矩形状の枠に予め弛ませた状態で装着し(フィルムの両端を枠によって把持させ)、弛んだフィルムが枠内で緊張状態となるまで(弛みがなくなるまで)、約5秒間に亘って80℃の温水に浸漬させることによって、フィルムを主収縮方向に10%収縮させた(以下、予備収縮という)。しかる後に、JIS−K−7128に準じて、主収縮方向×直交方向=75mm×63mmのサイズに切り取り、長尺な端縁(主収縮方向に沿った端縁)の中央から当該端縁に直交するように20mmのスリット(切り込み)を入れることによって試験片を作製した。そして、作製された試験片を用いて主収縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引裂荷重の測定を行った。また、上記方法と同様な方法でフィルムを主収縮方向に予備収縮させた後に、フィルムの主収縮方向と直交方向とを入れ替えて試験片を作製し、主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重の測定を行った。そして、得られた主収縮方向および主収縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引裂荷重から下式2を用いてエルメンドルフ比を算出した。
エルメンドルフ比=主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重÷主収縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引裂荷重 ・・式2
フィルムに1,3−ジオキソランを塗布して2枚を張り合わせることによってシールを施した。しかる後、シール部をフィルムの主収縮方向と直交する方向(以下、直交方向という)に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50にセットし、引張速度200mm/分の条件で180°ピール試験を行った。そして、そのときの引張強度を溶剤接着強度とした。
フィルムを長手方向×幅方向=140mm×100mmのサンプルを採取した。そして、そのサンプルについて、王子計測機器株式会社製の分子配向角測定装置(MOA−6004)を用いて分子配向比(MOR)を測定した。
アタゴ社製の「アッベ屈折計4T型」を用いて、各試料フィルムを23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置した後に測定した。
主収縮方向(幅方向)×主収縮方向と直交する方向(長手方向)=200mm×15mmのサイズにカットした。しかる後、(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50を温度90℃に調整した上で、カットしたフィルムをセットし、10秒間保持したときの主収縮方向の応力値を測定した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルに印刷が施されている場合には、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルについて、JIS−K−7127に準じて、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の長さ50mm×主収縮方向(フィルム幅方向)の長さ20mmの長方形状にサンプリングして試験片とし、万能引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ)を利用して、試験片の両端(長尺方向の両端)を掴み、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、破断時の応力値を引張破壊強さとして算出した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルに印刷が施されている場合には、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルについて、JIS−K−7128に準じて、図1に示す形状にサンプリングすることによって試験片を作製した。しかる後に、万能引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフ)を利用して、試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件にて、ラベルの主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)における引張破壊時の強度の測定を行い、上式1を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルに印刷が施されている場合には、印刷層を酢酸エチルをしみ込ませた布を使用して拭き取った。印刷が施されていないか又は印刷層を除いたラベルについて、JIS−K−7128に準じて、主収縮方向×主収縮方向と直交する方向=37.5mm×31.5mmのサイズに切り取り、主収縮方向に沿った端縁の中央から当該端縁に直交するように10mmのスリット(切り込み)を入れることによって試験片を作製した。そして、ミシン目方向(=主収縮方向と直交する方向=長手方向)のエルメンドルフ引裂荷重を測定した。また、フィルムの主収縮方向と直交する方向と主収縮方向とを入れ替えて試験片を作製し、ミシン目と直交する方向(=主収縮方向=幅方向)のエルメンドルフ引裂荷重を測定した。そして、得られた主収縮方向および主収縮方向と直交する方向のエルメンドルフ引裂荷重から上式2を用いてエルメンドルフ比を算出した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルの表面に施された印刷を溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン等)を含ませた布で拭取ることにより取り除き(印刷がなければ溶剤による拭取り作業は不要)、インクが落ち透明になったラベルについて、主収縮方向(幅方向)×主収縮方向と直交する方向(長手方向)=200mm×15mmのサイズにカットした。しかる後、(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50を温度90℃に調整した上で、カットしたフィルムをセットし、10秒間保持したときの主収縮方向の応力値を測定した。
包装対象物に装着されたラベルを引き剥がし、そのラベルの表面に施された印刷を溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン等)を含ませた布で拭取ることにより取り除き(印刷がなければ溶剤による拭取り作業は不要)、インクが落ち透明になったラベルについて、長手方向×幅方向=140mm×100mmのサンプルを採取した。そして、そのサンプルについて、王子計測機器株式会社製の分子配向角測定装置(MOA−6004)を用いて分子配向比(MOR)を測定した。
チューブ状成形装置を用いて、フィルムの片端の片面の端縁から少し内側に1,3−ジオキソランを2±1mm幅で塗布し(塗布量:3.0±0.3g/mm2)、直ちにフィルムを丸めて端部を重ね合わせて接着してチューブとし、平らにつぶした状態で巻き取る。このチューブを裁断して高さ14cm、直径6.7cmの円筒状ラベルとする。質量:20.5gの500mL丸型PETボトル[高さ21cm、中央部(胴部)直径6.5cm]に500mLの水を充填した後密封し、これに上記の円筒状ラベルを装着し、その後フジアステック社製のスチームトンネル(SH−1500−L)中を、トンネル通過時間2.5秒、ゾーン温度80℃の条件でラベル全量を通過させてラベルを収縮させる。
ボトル径変化率(%)=100×(W1−W2)/W2・・式4
ここで、W2は、荷重を掛ける前のボトル中央部の径である。
ラベルを装着したペットボトル等の包装対象物に水を500ml充填し、そのペットボトルを約5℃に調整された冷蔵庫内で8時間以上放置した後、1mの高さからミシン目を設けた部分を下にして落下させ、ミシン目が引き裂かれたものの割合(%)を算出した(n=100)。
包装対象物の周囲に装着されたラベルの仕上がり状態を、目視によって下記の基準により評価した。
◎:シワ,飛び上り、収縮不足の何れも未発生で、かつ色の斑も見られない
○:シワ,飛び上り、または収縮不足が確認できないが、若干、色の斑が見られる
△:飛び上り、収縮不足の何れも未発生だが、ネック部の斑が見られる
×:シワ、飛び上り、収縮不足が発生
装着されたラベルと包装対象物とを軽くねじったときのラベルのズレ具合を官能評価した。ラベルが動かなければ○、すり抜けたり、ラベルとボトルがずれたりした場合には×とした。
ラベルを装着したペットボトル等の包装対象物に水を500ml充填し、5℃に冷蔵し、冷蔵庫から取り出した直後のボトルのラベルのミシン目を指先で引裂き、縦方向にミシン目に沿って綺麗に裂け、ラベルをボトルから外すことができた本数を数え、全サンプル50本に対する割合(%)を算出した。
撹拌機、温度計及び部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、二塩基酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、グリコール成分としてエチレングリコール(EG)100モル%とを、グリコールがモル比でメチルエステルの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)を用いて、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)添加し、280℃で26.6Pa(0.2トール)の減圧条件下、重縮合反応を行い、固有粘度0.70dl/gのポリエステル(A)を得た。このポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。なお、上記ポリエステル(A)の製造の際には、滑剤としてSiO2(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して8,000ppmの割合で添加した。また、上記と同様な方法により、表1に示すポリエステル(A2,B,C,D)を合成した。なお、表中、NPGがネオペンチルグリコール、CHDMが1,4−シクロヘキサンジメタノール、BDが1,4−ブタンジオールである。それぞれのポリエステルの固有粘度は、Bが0.72dl/g、Cが0.80dl/g、Dが1.15dl/gであった。なお、各ポリエステルは、適宜チップ状にした。
の延伸倍率設定に応じて、予め未延伸フィルムの厚みを調節すべく、吐出量を調節してい
る。
コア層形成用の樹脂を単軸の押出機(第一押出機)内にて溶融させるとともに、スキン層形成用の樹脂を単軸の押出機(第二押出機)内にて溶融させ、それらの溶融樹脂を共押出法を利用して三層Tダイ内で積層して押し出し、その後急冷して、スキン層/コア層/スキン層の3層構造からなる728μmの厚みの未延伸フィルムを得た。なお、コア層形成用の樹脂として、ポリエステルA(IV=0.65dl/g):53質量%、ポリエステルB(IV=0.70dl/g):36質量%、ポリエステルC(IV=1.20dl/g):5質量%、ポリエステルE(IV=0.70dl/g):6質量%を混合したポリエステル系樹脂を用いた。また、表裏両方のスキン層形成用の樹脂として、ポリエステルA(IV=0.70):9質量%、ポリエステルB:80質量%、ポリエステルC:5質量%、ポリエステルE:6質量%を混合したポリエステル系樹脂を用いた。
この時のスキン層とコア層の厚み比は スキン層/コア層/スキン層=1/2/1となるように調整した。
未延伸フィルムの厚みを620μmとし、縦延伸工程の1段目の延伸倍率を2.2倍、2段目の延伸倍率を1.4倍(トータルの延伸倍率3.1倍)とし、中間熱処理工程の温度を155℃に変更した他は実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。実施例1の二軸延伸フィルムに比べて直角引裂強度がやや大きく、ミシン目開封不良率もやや高めであったが、総合的には好ましいものであった。
コア層及びスキン層形成用の樹脂として、ポリエステルBに替えてポリエステルD(IV=0.70dl/g)を混合したポリエステル系樹脂を用いた他は実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た(未延伸フィルムのTgは70℃であった)。同二軸延伸フィルムは非晶原料を変更しても実施例1の二軸延伸フィルム同様、大変好ましいものであった。
未延伸フィルムの厚みを620μmとし、縦延伸工程の1段目の延伸倍率を2.2倍、2段目の延伸倍率を1.3倍(トータルの延伸倍率2.86倍)とし、中間熱処理工程の温度を150℃に変更し、72℃で幅方向(横方向)に4.5倍に延伸した後、72℃で3秒熱固定した後、幅方向に72℃で1.2倍に2度目の延伸を行った。(幅方向の総倍率5.4倍)。その他は実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。実施例1の二軸延伸フィルムに比べて直角引裂強度がやや大きく、ミシン目開封不良率もやや高めであったが、総合的には好ましいものであった。
未延伸フィルムの厚みを515μmとし、縦延伸工程の1段目の延伸倍率を2.2倍、2段目の延伸倍率を1.3倍(トータルの延伸倍率2.86倍)とし、中間熱処理工程の温度を150℃に変更し、72℃で幅方向(横方向)に4.4倍に延伸した後、72℃で3秒熱固定した後、幅方向に72℃で1.1倍に2度目の延伸を行った。(幅方向の総倍率4.5倍)。その他は実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。実施例1の二軸延伸フィルムに比べて直角引裂強度がやや大きく、ミシン目開封不良率やボトル径変化率もやや高めであったが、総合的には好ましいものであった。
実施例1と同じ原料で厚み582μmの未延伸フィルムを得た。それを実施例1と同様の方法で縦延伸した後、実施例1と同様の方法で1段目の横延伸をした後、2段目の延伸をしないで幅方向の両端際をクリップによって把持した状態でテンター内の最終熱処理ゾーンに導き、当該最終熱処理ゾーンにおいて、80℃の温度で10秒間に亘って熱処理した後に冷却し、両縁部を裁断除去して幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約40μm(スキン層/コア層/スキン層の各厚み:10μm/20μm/10μm)の二軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、好ましい熱収縮特性、好ましいカット性を有しているが、包装対象物補強効果が劣る結果となった。
コア層、スキン層共にポリエステルA(IV=0.70):9質量%、ポリエステルB:80質量%、ポリエステルC:5質量%、ポリエステルE:6質量%を混合したポリエステル系樹脂を用い、200μmの厚みの未延伸フィルムを得た(未延伸フィルムのTgは70℃であった)。縦延伸、中間熱処理は実施せずに 実施例1と同じ延伸方法(倍率と温度)で横延伸し 40μmの一軸延伸フィルムを所定の長さに亘って連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。包装対象物補強効果には優れているもののカット性が劣る結果となった。
Claims (6)
- フィルム幅方向を主収縮方向として熱収縮する熱収縮性フィルムを基材とし、包装対象物に応じてカットされ、フィルム幅方向の両端が接着された環状体が、包装対象物の外周の少なくとも一部を熱収縮して被覆しているラベルであって、被覆されているラベルの主収縮方向(フィルム幅方向)の最大熱収縮応力が7(MPa)以上であり、かつ 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の直角引裂強度が100N/mm〜310N/mmであり、かつ、主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)の引張破壊強さが50MPa以上300MPa以下であることを特徴とするラベル。
- 接着が、有機溶剤によりなされていることを特徴とする請求項1に記載のラベル。
- 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)のエルメンドルフ引裂荷重と主収縮方向のエルメンドルフ引裂荷重を測定した場合におけるエルメンドルフ比が0.1以上2.0以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のラベル。
- 被覆されているラベルの分子配向比(MOR)が1.05以上4.1以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラベル。
- 主収縮方向と直交する方向(フィルム長手方向)に沿って、ミシン目あるいはノッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラベル。
- 熱収縮性フィルムが、熱収縮性ポリエステル系フィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラベル。
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