JP2007016120A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム及びラベルとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】全ポリエステル樹脂成分中における非晶質成分となりうる1種以上のモノマー成分の合計が15モル%以上であり、かつ前記ポリエステル系フィルムの温湯熱収縮率が、フィルム長手方向において、処理温度80℃・処理時間10秒で30%以上であり、90℃・10秒で40%以上であり、フィルム長手方向において、90℃・10秒で10%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【選択図】なし
Description
ここで非晶質成分となりうるモノマーとは、例えばネオペンチルグリコールや1,4−シクロヘキサンジオールが挙げられる
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
の式で算出したフィルムの熱収縮率が、フィルム長手方向において、処理温度80℃・処理時間10秒で30%以上であり90℃・10秒で40%以上である。また、フィルム幅方向において、90℃・10秒で10%以下である。
従ってフィルムの長手方向の最大熱収縮応力値が6(MPa)以上であることが好ましく、7(MPa)以上であることがより好ましく、特に8(MPa)以上であることが好ましい。
従ってフィルムの溶剤接着強度が4(N/15mm)以上が好ましく、4.5(N/15mm)以上であることがより好ましく、特に5(N/15mm)以上であることが好ましい。
従ってフィルムの長手方向の厚みムラは7%以下が好ましく、6.5%以下であることがより好ましく、特に6%以下であることが好ましい。
3倍以下でもフィルム特性には影響ないが、3倍以上延伸しすると厚みムラが良くなり製品の取り幅が増えるので生産性が向上する。
2.0〜6.0倍に延伸する。より好ましくは3.0〜5.0倍である。
2.0倍以下だとフィルム長手方向の熱収縮率および最大熱収縮応力値が低くなり、6.0倍以上にしても熱収縮率の値は変わらない。
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記(1)式に従いそれぞれ熱収縮率を求めた。該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%) (1)
セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mgを、−40℃から120℃まで、昇温速度10℃/分で昇温し、得られた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
セイコー電子工業(株)製のDSC(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mgを採取し、室温より昇温速度10℃/分で昇温した時の吸熱曲線のピークの温度より求めた。
フィルム長手方向に長さ30(m),幅40(mm)でサンプリングして連続接触式厚み計(ミクロン測定器株式会社製)で5(m/分)の速度で測定した。この時の最大厚みを
Tmax,最小厚みをTmin,平均厚みをTave とすると下記の式(2)より求めた。
厚みムラ={(Tmax−Tmin)/Tave}×100 (%) (2)
延伸したフィルムに1,3−ジオキソランを塗布して2枚を張り合わせる事でシールを施した。シール部をフィルムの幅方向に15mmの幅に切り取り、それを(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50にセットし、180°ピール試験で引張速度200mm/分で測定した。
延伸したフィルムを長手方向に200mm、幅方向に15mmのサイズにカットした。
(株)ボールドウィン社製 万能引張試験機 STM−50を温度90℃にしてカットしたフィルムをセットし、10秒間保持して測定した。
熱収縮性フィルムに、あらかじめ東洋インキ製造(株)の草・金・白色のインキで3色印刷した。印刷したフィルムをジオキソランで両端部を接着する事により、円筒状のラベルを作成した。
Fuji Astec Inc製スチームトンネル(型式;SH-1500-L)を用い、通過時間2.5秒、ゾーン温度80℃で、500mlのPETボトル(胴直径 62mm、ネック部の最小直径25mm)に熱収縮させることにより装着した。なお、装着した際にネック部は、直径が40mmの部分がラベルの一方の端になるようにした。評価は目視で行い、基準は下記の通りとした。
シワ,飛び上り、又は収縮不足が確認できないが、若干、色のムラが見られる : ○
飛び上り、収縮不足の何れも未発生だが、ネック部のムラが見られる : △
シワ、飛び上り、収縮不足が発生 : ×
(7)の条件で装着したラベルとPETボトルとを軽くねじったときに、ラベルが動かなければ○、すり抜けたり、ラベルとボトルがずれるなら×とした。
あらかじめ主収縮方向とは直向する方向にミシン目を入れておいたラベルを(7)の条件でPETボトルに装着した。ただしミシン目は長さ1mmの孔を1mm間隔で入れ、ラベル縦方向に幅22mm、長さ120mmに渡って2本設けた。
ポリエステル2 : ポリエチレンテレフタレート(IV 0.75dl/g)
ポリエステル3 : ジカルボン酸成分としてテレフタル酸単位82.5モル%,イソフタル酸単位17.5モル%よりなり、ジオール成分としてエチレングリコールよりなる。
ポリエステル1とポリエステル2を重量比90:10で混合して押出し機に投入した。
それを280℃で溶融し、Tダイから押出し、表面温度30℃のチルロール上で急冷して厚み360μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムのTgは67℃であった。
該未延伸フィルムを、フィルム温度が90℃になるまで予備加熱した後、テンターで横方向に75℃で4倍に延伸し、110℃・2秒間で熱固定して厚み90μmのフィルムを得た。
次に縦延伸機を用いて、予熱ロール上でフィルム温度が70℃になるまで予備加熱後、延伸ロール表面温度75℃で3倍に延伸後、表面温度25℃の冷却ロールで冷却し、厚み30μmのフィルムを得た。次にテンターで100℃・2秒間熱処理して熱収縮性ポリエステルフィルムを得た。
ポリエステル1とポリエステル2を重量比70:30で混合して押出し機に投入した以外は実施例1と同様の方法で実施した。
テンターで横方向に75℃で5倍に延伸し、得られた二軸延伸熱収縮性ポリエステルフィルムの厚みが24μmになった以外は実施例1と同様の方法で実施した。
該未延伸フィルムを、テンターで横方向に延伸した後、140℃で熱固定した以外は実施例1と同様の方法で実施した。
縦延伸機を用いて、ロール温度72℃で5倍に延伸し厚み18μmの二軸延伸熱収縮性ポリエステルフィルムを得た以外は実施例1と同様の方法で実施した。
縦延伸機を用いて、ロール温度72℃で7倍に延伸し厚み13μmの二軸延伸熱収縮性ポリエステルフィルムを得た以外は実施例1と同様の方法で実施した。
ポリエステル3を押出し機に投入し、それを265℃で溶融し、Tダイから押出し、チルロールで急冷して厚み360μmの未延伸フィルムを得た。
該未延伸フィルムを、縦方向に88℃で2.7倍、横方向に97℃で3.5倍延伸した後に125℃で熱処理を行い、次いで縦方向に98℃で1.5倍再延伸し、85℃の熱処理を施し、冷却して平均厚さ35μmのフィルムを得た。
ポリエステル1とポリエステル2を重量比40:60で混合して押出し機に投入した以外は実施例1と同様の方法で実施した。
縦延伸機を用いて、延伸ロール表面温度75℃で1.5倍に延伸し厚み60μmの二軸延伸熱収縮性ポリエステルフィルムを得た以外は実施例1と同様の方法で実施した。
該未延伸フィルムを、テンターで横方向に延伸した後、70℃で熱固定した以外は実施例1と同様の方法で実施した。
該未延伸フィルムをフィルム温度が90℃になるまで予備加熱した後、テンターで横方向に75℃で8倍に延伸し、45μmの横一軸収縮フィルムを得た。なお、本比較例のみ主収縮方向がフィルム幅方向、主収縮方向と直交する方向が長手方向である。
また比較例5に示す フィルム幅方向に収縮するフィルムは 長手方向の厚みムラとミシン目開封性が劣った。
このように比較例で得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムはいずれも品質が劣り、実用性が低いものであった。
Claims (9)
- 熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし全ポリエステル樹脂成分中における非晶質成分となりうる1種以上のモノマー成分を含有し、その合計が15モル%以上であり、かつ前記ポリエステル系フィルムの温湯熱収縮率が、フィルム長手方向において、処理温度80℃・処理時間10秒で30%以上であり、処理温度90℃・処理時間10秒で40%以上であり、フィルム幅方向における温湯収縮率90℃・処理時間10秒で10%以下である事を特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- フィルム長手方向の熱収縮応力が6(MPa)以上である事を特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- フィルムの溶剤接着強度が4(N/15mm)以上である事を特徴とする請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- フィルム長手方向の厚みムラが7(%)以下である事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 示差走査熱量測定(DSC)におけるフィルム融点測定時の吸熱曲線のピークが検出されない事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- フィルム製膜時の延伸工程で、最初にフィルム幅方向に2倍以上延伸し、次いでフィルム長手方向に2倍以上延伸する事を特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを製造する方法。
- フィルム製膜時の延伸工程で、フィルム幅方向に延伸後にフィルムガラス転移点(Tg)+15℃以上の温度で熱処理する事を特徴とする請求項6に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムであって、全ポリステル樹脂成分中における非晶質成分となりうるモノマーがネオペンチルグリコール、及び又は1,4−シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
- 請求項1〜5、8のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを用いて作成された熱収縮性ラベル。
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