JP4684750B2 - プラスチックラベル及びラベル付き容器 - Google Patents
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Description
本発明のプラスチックフィルムは、溶融製膜または溶液製膜などの方法によって作製することもできるし、または、市場で販売されているポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリオレフィンフィルム等を用いることもできる。
本発明の樹脂層を形成するのに用いるコーティング剤は、前記の樹脂及び粒子を溶剤に溶解または分散させることによって作製する。ここで用いられる有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピルなどの酢酸エステル類や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が好ましく例示される。また、インラインコートで塗布する場合には、水を用いることも可能である。なお、有機溶剤は、コーティング剤をフィルムに塗布した後、乾燥することにより除去できる。
次に、上記ロール状物のひとつを繰り出しながら、長尺状プラスチックフィルムの幅方向が円周方向で、樹脂層が外側(印刷層が内側)となるように円筒状に成形する。具体的には、長尺状プラスチックラベルを筒状に形成し、ラベルの一方の側縁部に、長手方向に帯状に約2〜4mm幅で、テトラヒドロフラン(THF)などの溶剤や接着剤(以下溶剤等)を内面に塗布し、筒状に丸めて、該溶剤等塗布部を、他方の側縁部から5〜10mmの位置に重ね合わせて外面に接着(センターシール)し、長尺筒状のプラスチックラベル連続体とし、長尺筒状プラスチックラベルを得る。なお、上記の溶剤などを塗工する部分及び接着する部分には、樹脂層、印刷層が設けられていないことが好ましい。
最後に、上記で得られた長尺筒状シュリンクラベルを切断後、所定の容器に装着し、加熱処理によって、ラベルを収縮、容器に追従密着させることによってラベル付き容器を作製する。
ダイナミック超微小硬度計DUH−W201S(島津製作所製)を用いて、以下の条件で測定した。測定面は樹脂層を設けた面であり、ラベルの外側(すなわちボトルと反対側)の面を測定した。測定面を上向きにして、アルミニウム製のサンプル台に、接着剤を用いて固定し、光学顕微鏡で観察しながら、圧子の先端が突起の先端部に当たるようにして測定した。
試験力(P)0.2mNで2秒保持した後の、押し込み深さ(h)を測定し、下記の式でダイナミック硬さ(DHT115)を測定した。なお、10個の突起について測定を行い、その平均値をもって、ダイナミック硬さとした。
DHT115 = 3.858×P/h2
サンプル : 10mm×20mm
圧子 : ベルコビッチ型三角錐圧子(ダイアモンド製;稜間隔115°)
試験力 : 0.2mN(=P)
保持時間 : 2秒
負荷速度 : 0.0142mN/秒
微小圧縮試験機MCT−W201(島津製作所製)を用いて、以下の条件で応力と変位を測定した。変位に対する応力のグラフにおいて、最初の変曲点の応力をもって、破壊強度とした。試験は1粒子ずつ行い、5粒子の平均値をもって、破壊強度とした。なお、粒子は樹脂層に添加される前の、粒子単体をそのまま測定に用いた。
圧子 : 平面圧子(Φ20μm)
試験力 : 9.8mN
保持時間 : 0秒
負荷速度 : 0.711mN/秒
実施例および比較例で得たプラスチックラベルを、日本コカコーラ(株)で使用されているアセプティック充填用280mlPETボトルに装着して、試験を行った。商品の充填されていない空のベンダー(松下冷機製;97年式)に5本連続で投入、排出することを100回繰り返し、容器が詰まった回数が0回以下であるものを自動販売機適性良好(○)とし、1回以上詰まった場合は自動販売機適性不良(×)と判定した。
本発明のプラスチックラベルの製造・加工工程を目視で観察し、工程ロール等への削れ粉の付着状態を評価した。
フィルム厚みは、触針式厚みゲージをもちいて測定した。樹脂層厚みは、樹脂層を設けた部分(塗布面)と樹脂層を設けていない部分(非塗布面)の段差を、3次元顕微鏡(キーエンス(株)製VK8510)を用いて測定した。
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508;アクリル系樹脂50部/イソプロピルアルコール30部/酢酸エチル20部の混合物、ガラス転移温度75℃)50部、平均粒径1.9μmのゲル法により生成したシリカ(東ソーシリカ(株)社製ニップジェルBY−200;破壊強度17.9MPa)5部を、酢酸エチル45部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、長尺プラスチックラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。
さらに、得られた長尺プラスチックラベルをフィルムの幅方向が周方向となるように筒状に丸めて両端部を溶剤により接着(センターシール)し、長尺筒状プラスチックラベルを得た。これを自動ラベル装着装置に供給し、各ラベルに切断した後、内容物を充填した日本コカコーラ(株)で使用されている280mlPETボトルに雰囲気温度90℃のスチームトンネルで収縮装着して、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径9μmのフッ素変性ポリエチレンワックス(クラリアントジャパン(株)社製Ceridust3715F;破壊強度3.5MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径5μmのアクリル粒子(綜研化学(株)社製ケミスノーMX−500、破壊強度4.5MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは2μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径8.5μmのポリエチレンワックス(クラリアントジャパン(株)社製Ceridust3620;破壊強度6.5MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本実施例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしており、ラベル付き容器はベンダー適性に優れたものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着はみられなかった。
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、平均粒径13μmのテトラフルオロエチレン粒子(旭硝子(株)社製アフロンF169J;破壊強度2.4MPa)2部を、酢酸エチル48部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本比較例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしておらず、ラベル付き容器はベンダー適性の劣るものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着が観察された。
アクリル系樹脂溶液(三菱レーヨン(株)製GR−5508)50部、沈殿法によって生成した平均粒径5μmの表面処理シリカ(東ソーシリカ(株)社製ニップシールAZ−600;破壊強度1.6MPa)5部を、酢酸エチル45部に溶解および分散させ、コーティング剤を調整した。
得られたコーティング剤を、熱収縮性ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製S7042;厚み50μm)の片面に、センターシール部を除いて全面にグラビア印刷により塗布・乾燥させ、ポリエステルラベルを作製した。樹脂層の厚みは1.5μmであった。さらに、実施例1と同様にして、ラベル付き容器を得た。
表1に示すとおり、本比較例のプラスチックラベルは本発明で規定するダイナミック硬さを満たしておらず、ラベル付き容器はベンダー適性の劣るものであった。また、上記製造工程で、ガイドローラやニップロール等への粉の付着が観察された。
2 プラスチックフィルム
3 樹脂層
4 粒子
Claims (8)
- 自動販売機で販売される容器に装着されるプラスチックラベルであって、
プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、平均粒径が1〜20μmであり、圧縮試験における破壊強度が3.0MPa以上、30MPa以下である粒子を0.3〜50重量%含有する樹脂層を有し、
前記プラスチックラベルの前記樹脂層側表面に前記粒子によって形成される表面突起を有し、該表面突起のダイナミック硬さが、40以上、100以下であることを特徴とするプラスチックラベル。 - 前記粒子が、ゲル法で生成したシリカ粒子、ポリエチレンワックス、フッ素変性ポリエチレンワックス、アクリル粒子から選ばれた少なくとも1種の粒子である請求項1に記載のプラスチックラベル。
- 前記樹脂層の厚みが0.1〜5μmである請求項1又は2に記載のプラスチックラベル。
- 前記粒子の平均粒径が前記樹脂層の厚みよりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラスチックラベル。
- 前記樹脂層がアクリル系樹脂により構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチックラベル。
- 筒状のシュリンクラベルである請求項1〜5のいずれか1項に記載のプラスチックラベル。
- 前記樹脂層が最外層である請求項1〜6のいずれか1項に記載のプラスチックラベル。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラスチックラベルが、前記樹脂層を外側にして装着されたラベル付き容器。
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