JP2000156310A - 六方晶フェライト磁石 - Google Patents
六方晶フェライト磁石Info
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Abstract
同時に高めることにより、従来のM型六方晶フェライト
磁石では達成不可能であった高い残留磁束密度と高い保
磁力とを有する六方晶フェライト磁石を実現する。 【解決手段】 Sr、BaおよびCaから選択される少
なくとも1種の元素をAとし、+3価または+4価を取
りうるイオン半径が1.00オングストローム以上の元
素をRとし、A,RおよびFeを含有し、積層欠陥を有
する結晶粒子の数をnとし、全体の結晶粒子の数をNと
したときに、n/Nが0.35以下である六方晶フェラ
イト磁石とした。
Description
の永久磁石材料として好適に使用される六方晶フェライ
ト、特にマグネトプランバイト型構造を有する六方晶フ
ェライトに関する。
ンバイト型(M型)の六方晶系のSrフェライトまたは
Baフェライトが主に用いられており、これらの焼結磁
石やボンディッド磁石が製造されている。
束密度(Br)および固有保磁力(HcJ)である。
その結晶構造で決まる飽和磁化(4πIs)とで決定さ
れ、 Br=4πIs×配向度×密度 で表わされる。M型のSrフェライトやBaフェライト
の4πIsは約4.65kGである。密度と配向度とは、
最も高い値が得られる焼結磁石の場合でもそれぞれ98
%程度が限界である。したがって、これらの磁石のBr
は4.46kG程度が限界であり、4.5kG以上の高いB
rを得ることは、従来、実質的に不可能であった。
公報において、M型フェライトに例えばLaとZnとを
適量含有させることにより、4πIsを最高約200G
高めることが可能であり、これによって4.5kG以上の
Brが得られることを見出した。しかしこの場合、後述
する異方性磁場(HA)が低下するため、4.5kG以上
のBrと3.5kOe以上のHcJとを同時に得ることは困
難であった。
s)}と単磁区粒子比率(fc)との積(HA×fc)
に比例する。ここで、K1は結晶磁気異方性定数であ
り、Isと同様に結晶構造で決まる定数である。M型B
aフェライトの場合、K1=3.3×106erg/cm3であ
り、M型Srフェライトの場合、K1=3.5×106er
g/cm 3である。このように、M型Srフェライトは最大
のK1をもつことが知られているが、K1をこれ以上向上
させることは困難であった。
とすると、下式1に示すように、Nが大きいほど粒子に
は大きな反磁場がかかり、HcJを劣化させる。 HcJ∝(2K1 /Is−NIs)・・・(式1)
る(扁平化する)と、Nは大きくなり、HcJは劣化す
る。
ば、磁化を反転させるためには異方性磁場に逆らって磁
化を回転させる必要があるから、最大のHcJが期待され
る。フェライト粒子を単磁区粒子化するためには、フェ
ライト粒子の大きさを下記の臨界径(dc)以下にする
ことが必要である。
リー温度、aは鉄イオン間距離である。M型Srフェラ
イトの場合、dcは約1μmであるから、例えば焼結磁
石を作製する場合は、焼結体の結晶粒径を1μm以下に
制御することが必要になる。高いBrを得るための高密
度化かつ高配向度と同時に、このように微細な結晶粒を
実現することは従来困難であったが、本発明者らは特開
平6−53064号公報において、新しい製造方法を提
案し、従来にない高特性が得られることを示した。しか
し、この方法においても、Brが4.4kGのときにはH
cJが4.0kOe程度となり、4.4kG以上の高いBrを
維持してかつ4.5kOe以上の高いHcJを同時に得るこ
とは困難であった。
御するためには、焼結段階での粒成長を考慮すると、成
形段階での粒子サイズを好ましくは0.5μm以下にす
る必要がある。このような微細な粒子を用いると、成形
時間の増加や成形時のクラックの増加などにより、一般
的に生産性が低下するという問題がある。このため、高
特性化と高生産性とを両立させることは非常に困難であ
った。
やCr2O3の添加が有効であることが従来から知られて
いた。この場合、Al3+やCr3+はM型構造中の「上向
き」スピンをもつFe3+を置換してHAを増加させると
共に、粒成長を抑制する効果があるため、4.5kOe以
上の高いHcJが得られる。しかし、Isが低下すると共
に焼結密度も低下しやすくなるため、Brは著しく低下
する。このため、HcJが4.5kOeとなる組成では最高
でも4.2kG程度のBrしか得られなかった。
フェライトの飽和磁化と磁気異方性とを同時に高めるこ
とにより、従来のM型六方晶フェライト磁石では達成不
可能であった高い残留磁束密度と高い保磁力とを有する
六方晶フェライト磁石を実現することである。
(1)〜(18)のいずれかの構成により達成される。 (1) Sr、BaおよびCaから選択される少なくと
も1種の元素をAとし、+3価または+4価を取りうる
イオン半径が1.00オングストローム以上の元素をR
とし、A,RおよびFeを含有し、積層欠陥を有する結
晶粒子の数をnとし、全体の結晶粒子の数をNとしたと
きに、n/Nが0.35以下である六方晶フェライト磁
石。 (2) さらにイオン半径が0.90オングストローム
以下の元素をMとして含有する上記(1)の六方晶フェ
ライト磁石。 (3) 前記Rを0.05〜10原子%含有する上記
(1)または(2)の六方晶フェライト磁石。 (4) A,R,FeおよびMそれぞれの金属元素の総
計の構成比率が、全金属元素量に対し、 A:1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe:80〜95原子%、 M:0.1〜5原子% である上記(2)または(3)の六方晶フェライト磁
石。 (5) 前記積層欠陥部分は、結晶粒子中の他の部分よ
り元素Mを多く含む上記(2)〜(4)のいずれかの六
方晶フェライト磁石。 (6) 前記Rは、La,Pr,NdおよびCeのいず
れか1種または2種以上である上記(1)〜(5)のい
ずれかの六方晶フェライト磁石。 (7) 前記Mは、2価のイオンとなる元素である上記
(2)〜(6)のいずれかの六方晶フェライト磁石。 (8) 前記Mは、Co,NiおよびZnのいずれか1
種または2種以上である上記(2)〜(7)のいずれか
の六方晶フェライト磁石。 (9) マグネトプランバイト型フェライトである上記
(1)〜(8)のいずれかの六方晶フェライト磁石。 (10) Sr、BaおよびCaから選択される少なく
とも1種の元素をAとし、+3価または+4価を取りう
るイオン半径が1.00オングストローム以上の元素を
Rとし、A,RおよびFeを含有し、Rが結晶粒子の中
心よりも結晶粒界近傍に多く存在する六方晶フェライト
磁石。 (11) さらにイオン半径が0.90オングストロー
ム以下の元素をMとして含有する上記(10)の六方晶
フェライト磁石。 (12) 前記元素Mは、結晶粒子の中心より粒界近傍
に多く存在する上記(11)の六方晶フェライト磁石。 (13) 前記Rを0.05〜10原子%含有する上記
(10)〜(12)のいずれかの六方晶フェライト磁
石。 (14) A,R,FeおよびMそれぞれの金属元素の
総計の構成比率が、全金属元素量に対し、 A:1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe:80〜95原子%、 M:0.1〜5原子% である上記(11)〜(13)のいずれかの六方晶フェ
ライト磁石。 (15) 前記Rは、La,Pr,NdおよびCeのい
ずれか1種または2種以上である上記(10)〜(1
4)のいずれかの六方晶フェライト磁石。 (16) 前記Mは、2価のイオンとなる元素である上
記(11)〜(15)のいずれかの六方晶フェライト磁
石。 (17) 前記Mは、Co,NiおよびZnのいずれか
1種または2種以上である上記(11)〜(16)のい
ずれかの六方晶フェライト磁石。 (18) マグネトプランバイト型フェライトである上
記(10)〜(17)のいずれかの六方晶フェライト磁
石。
磁区粒子理論から予想される値よりも通常はかなり小さ
い。この原因のひとつとして、上記のように粒子サイズ
が単磁区臨界径より大きいことが挙げられるが、これだ
けでは説明できない場合が多い。
深く観察した結果、図25に示すように、結晶粒子1の
中にc軸と直交するような面に積層欠陥2を有するもの
があることを突き止めた。なお、図中、矢印cは、c軸
方向を示している。
際公開WO98/38654)、特開平10−1499
10号公報に記載されているように、Sr2+をLa
3+で、Fe3+をCo2+で置換したM型Srフェライト組
成の場合、結晶構造に依存する基本的な磁気特性である
飽和磁化と、結晶磁気異方性定数(K1)が共に増加し
て高特性が得られる。しかし、本発明者らはこのように
価数やイオン半径の異なる元素で置換した組成の六方晶
フェライト磁石を従来の製造法で作製すると、積層欠陥
を特に生じやすくなることを初めて見いだした。さら
に、このような積層欠陥によって、高い結晶磁気異方性
が、磁石特性である保磁力に十分に反映されない場合が
あることを見いだした。
において、これに記載されている製造方法(後添加法)
により優れた磁気特性が得られ、この方法によって作製
されたフェライト磁石は、2つのキュリー温度を有する
ことを見出すに至ったが、さらに研究を重ねた結果、こ
のときに積層欠陥が非常に少なくなっていることを見出
し本発明に至った。
は、Rを余剰にする手法が有効である。また、特願平9
−273932号に記載されているように、六方晶フェ
ライトを焼成する際の雰囲気を、酸素過剰雰囲気、具体
的には酸素分圧を0.2atm超として製造する方法も有
効である。
フェライトは、酸素イオン(O2-)が、ABAB・・・
のように積み重なって六方最密充填されており、酸素イ
オンの一部が、Sr2+,Ba2+およびCa2+等で置換さ
れる構造になっている。また、鉄イオン(Fe3+)等の
大きさの小さいイオンは、O2-やSr2+で形成される層
の隙間に位置する。一般的に、積層欠陥とは、このAB
AB・・・のような積み重なりの順序が一部乱れた面欠
陥のことであるが、本明細書における積層欠陥をさらに
詳しく説明すると次のようになる。
イトは、S層/R層/S* 層/R*層のように、S層と
R層とが交互に積層する構造を有している。ここで、S
* ,R* は、S,Rをc軸を中心に180度回転させた
ものである。下記実験例(TEM−EDS解析)から、
積層欠陥はS層(スピネル層)部分が異常に成長した部
分である可能性が高まった。これは、例えば、Journal
of Solid State Chemistry vol.26 , P1〜6 (1978)に記
載されているように"Intergrowth Layer"と呼ばれてい
るものである。
層欠陥が多く、この積層欠陥を減少させることにより、
高特性が得られることは本発明者らにより初めて見出さ
れたことである。なお、欠陥をゼロにすることが理想で
あるが、実際には、積層欠陥を有する結晶粒子の数をn
とし、全体の結晶粒子の数をNとしたときに、n/N=
0.05〜0.35の範囲においても、高い特性が得ら
れることを見出した。
ライト磁石としての磁気特性が劣化する原因は次のよう
に推察される。第一に、積層欠陥が非磁性層の場合は、
結晶粒子(グレイン)を磁気的に分断すると考えられ
る。これは、粒子が扁平化することと実効的に同じこと
であり、反磁場係数(N)が増加し、上記式1に従って
HcJは劣化する。第二に、積層欠陥が軟磁性を示すスピ
ネル層とすると、軟磁性層が閉磁路を構成して、実効的
な結晶磁気異方性が低下することが考えられる。
3936号において、これに記載されている製造方法
(後添加法)により優れた磁気特性が得られ、この方法
によって作製されたフェライト磁石は、2つのキュリー
温度を有することを見出すに至ったが、このとき後添加
した元素のうち、特にLa等の元素Rの濃度が結晶粒の
中心部分で低く、粒界近傍や、三重点で比較的高いこと
を初めて見出した。
は、少量だと解析が困難になり、不明確な場合もあるも
のの、元素Rと同様になっていることを見いだした。
Mを、結晶粒子中心近傍よりも粒界近傍に高濃度に存在
させる構造とすることにより、優れた磁気特性を有する
フェライト磁石が得られる原因は次のように推察され
る。第一に、LaおよびCoを含有したSrフェライト
は、結晶磁気異方性が大きいことが知られている。従っ
て、このような元素が粒界近傍に高濃度に存在すると、
粒界近傍に異方性の大きい磁性相が存在することになる
と考えられる。このような構造は、逆磁区の生成が抑制
されることなどにより、高い保磁力が得られやすいこと
が知られている。第二に、結晶粒子中心でRやCoの濃
度が低いため、上記の積層欠陥が少なくなる。
は、Sr、BaおよびCaから選択される少なくとも1
種の元素をAとし、+3価または+4価を取りうるイオ
ン半径が1.00オングストローム以上の元素をRと
し、A,RおよびFeを含有し、c軸と交差する方向に
形成される積層欠陥を有する結晶粒子の数をnとし、全
体の結晶粒子の数をNとしたときに、n/Nが0.35
以下、特にn/N=0.05〜0.35である。このよ
うに、積層欠陥を有する結晶粒子を全体の結晶粒子に対
してある値以下に規制することにより、優れた磁気特性
が得られる。
別することができるが、この場合、全体の結晶粒子の数
を測定することは現実的でない。このため、例えば、T
EM(透過型電子顕微鏡)で異方性焼結磁石のc軸に平
行な面(a面)を観察したときのある視野内の結晶数を
計測し、この結晶粒の全数をNとしたとき、その結晶粒
中に見出される欠陥を有する結晶粒の数をnとし、上記
数として推定する。ここで、観察するTEMの倍率とし
ては1000〜100000倍、特に10000〜20
000倍が好ましく、観察する視野としては、2視野以
上が好ましく、特に2〜10視野とし、Nを20〜50
0程度とする。なお、結晶粒中に存在する欠陥は、通常
1つまたは2つ程度であるが、3つ以上である場合もあ
る。
BaおよびCaから選択される少なくとも1種の元素を
Aとし、+3価または+4価を取りうるイオン半径が
1.00Å以上の元素をRとし、A,RおよびFeを含
有し、Rが結晶粒子の中心よりも結晶粒界近傍に多く存
在する。このような構造とすることにより優れた磁気特
性が得られる。
ムのような誘電材料にみられるような「コアシェル構
造」に似ているとも言える。そして、このような構造
は、TEM−EDSにより解析することで、識別するこ
とができる。
には、Rのイオンが酸素イオン(O 2-)と近い大きさと
なる必要があり、具体的には、1.00〜1.60オン
グストローム程度である必要がある。また、Mは酸素イ
オン(O2-)よりも小さく、鉄イオン(Fe3+)に近い
必要があり、具体的には、0.50〜0.90オングス
トローム程度である必要がある。
A,RおよびFeを含有していればよく、他の添加物等
は特に限定されるものではないが、好ましくはSr、B
aおよびCaから選択される少なくとも1種の元素をA
とし、+3価または+4価を取りうるイオン半径が1.
00オングストローム以上、特に1.00〜1.60オ
ングストロームの元素をRとし、イオン半径が0.90
オングストローム以下、特に0.50〜0.90オング
ストロームの元素をMとしたとき、A,R,Feおよび
Mを含有する。
れぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に
対し、 A:1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe:80〜95原子%、 M:0.1〜5原子% である。
aおよびCaから選択される少なくとも1種の元素であ
る。Aが小さすぎると、M型フェライトが生成しない
か、α−Fe2O3 等の非磁性相が多くなってくる。A
が大きすぎるとM型フェライトが生成しないか、SrF
eO3-x 等の非磁性相が多くなってくる。A中のSrの
比率は、好ましくは51原子%以上、より好ましくは7
0原子%以上、さらに好ましくは100原子%である。
A中のSrの比率が低すぎると、飽和磁化向上と保磁力
の著しい向上とを共に得ることができなくなってくる。
ことが好ましい。Rが小さすぎると、Mの固溶量が少な
くなり、本発明の効果が得られ難くなる。Rが大きすぎ
ると、オルソフェライト等の非磁性の異相が多くなって
くる。R中においてLaの占める割合は、好ましくは4
0原子%以上、より好ましくは70原子%以上であり、
飽和磁化向上のためにはRとしてLaだけを用いること
が最も好ましい。これは、六方晶M型フェライトに対す
る固溶限界量を比較すると、Laが最も多いためであ
る。したがって、R中のLaの割合が低すぎるとRの固
溶量を多くすることができず、その結果、元素Mの固溶
量も多くすることができなくなり、本発明の効果が小さ
くなってしまう。
とが好ましい。Mが小さすぎると、本発明の効果が得難
くなり、Mが大きすぎると、BrやHcJが逆に低下し本
発明の効果を得難くなる。M中のCoの比率は、好まし
くは10原子%以上、より好ましくは20原子%以上で
ある。Coの比率が低すぎると、保磁力向上が不十分と
なってくる。
結晶粒子の数とは相関関係があり、RおよびMの量が増
加すると欠陥を有する結晶粒子の数も増加する傾向にあ
る。ただし、Rを化学量論組成より多く存在させた場合
にも欠陥を有する結晶粒子は減少する。
ランバイト型フェライトは、 A1-xRx(Fe12-yMy)zO19 ・・・(式2) と表したとき、 0.04≦x≦0.9、特に0.04≦x≦0.6、 0.04≦y≦0.5、 0.8≦x/y≦5、 0.7≦z≦1.2 である。
なわち元素Rの量が少なすぎると、六方晶フェライトに
対する元素Mの固溶量を多くできなくなり、飽和磁化向
上効果および/または異方性磁場向上効果が不十分とな
ってくる。xが大きすぎると六方晶フェライト中に元素
Rが置換固溶できなくなり、例えば元素Rを含むオルソ
フェライトが生成して飽和磁化が低くなってくる。yが
小さすぎると飽和磁化向上効果および/または異方性磁
場向上効果が不十分となってくる。yが大きすぎると六
方晶フェライト中に元素Mが置換固溶できなくなってく
る。また、元素Mが置換固溶できる範囲であっても、異
方性定数(K1)や異方性磁場(HA)の劣化が大きくな
ってしまう。zが小さすぎるとSrおよび元素Rを含む
非磁性相が増えるため、飽和磁化が低くなってしまう。
zが大きすぎるとα−Fe2O3相または元素Mを含む非
磁性スピネルフェライト相が増えるため、飽和磁化が低
くなってしまう。なお、上記式は不純物が含まれていな
いものとして規定されている。
大きすぎても元素Rと元素Mとの価数の平衡がとれなく
なり、W型フェライト等の異相が生成しやすくなる。元
素Mは2価であるから、元素Rが3価イオンである場
合、理想的にはx/y=1である。なお、x/yが1超
の領域で許容範囲が大きい理由は、yが小さくてもFe
3+→Fe2+の還元によって価数の平衡がとれるためであ
る。
(O)の原子数は19となっているが、これは、Rがす
べて3価であって、かつx=y、z=1のときの化学量
論組成比を示したものである。Rの種類やx、y、zの
値によって、酸素の原子数は異なってくる。また、例え
ば焼成雰囲気が還元性雰囲気の場合は、酸素の欠損(ベ
イカンシー)ができる可能性がある。さらに、FeはM
型フェライト中においては通常3価で存在するが、これ
が2価などに変化する可能性もある。また、Co等のM
で示される元素も価数が変化する可能性があり、これら
により金属元素の対する酸素の比率は変化する。本明細
書では、Rの種類やx、y、zの値によらず酸素の原子
数を19と表示してあるが、実際の酸素の原子数は化学
量論組成比から多少偏倚していてもよい。
どにより測定することができる。また、上記の主相の存
在はX線回折や電子回折等から確認される。
い。B2O3を含むことにより仮焼温度および焼結温度を
低くすることができるので、生産上有利である。B2O3
の含有量は、磁石粉末全体の0.5重量%以下であるこ
とが好ましい。B2O3含有量が多すぎると、飽和磁化が
低くなってしまう。
なくとも1種が含まれていてもよい。これらをそれぞれ
Na2O、K2OおよびRb2Oに換算したとき、これら
の含有量の合計は、磁石粉末全体の3重量%以下である
ことが好ましい。これらの含有量が多すぎると、飽和磁
化が低くなってしまう。これらの元素をMIで表わした
とき、フェライト中においてMIは例えば Sr1.3-2aRaMI a-0.3Fe11.7M0.3O19 の形で含有される。なお、この場合、0.3<a≦0.
5であることが好ましい。aが大きすぎると、飽和磁化
が低くなってしまう他、焼成時に元素MIが多量に蒸発
してしまうという問題が生じる。
Al,Ga,In,Li,Mg,Mn,Ni,Cr,C
u,Ti,Zr,Ge,Sn,V,Nb,Ta,Sb,
As,W,Mo等を酸化物の形で、それぞれ酸化シリコ
ン1重量%以下、酸化アルミニウム5重量%以下、酸化
ガリウム5重量%以下、酸化インジウム3重量%以下、
酸化リチウム1重量%以下、酸化マグネシウム3重量%
以下、酸化マンガン3重量%以下、酸化ニッケル3重量
%以下、酸化クロム5重量%以下、酸化銅3重量%以
下、酸化チタン3重量%以下、酸化ジルコニウム3重量
%以下、酸化ゲルマニウム3重量%以下、酸化スズ3重
量%以下、酸化バナジウム3重量%以下、酸化ニオブ3
重量%以下、酸化タンタル3重量%以下、酸化アンチモ
ン3重量%以下、酸化砒素3重量%以下、酸化タングス
テン3重量%以下、酸化モリブデン3重量%以下程度含
有されていてもよい。
好ましくは少なくとも2つの異なるキュリー温度Tc
1,Tc2を有し、この2つの異なるキュリー温度Tc
1,Tc2は400〜470℃であり、かつこれらTc
1,Tc2の差の絶対値が5℃以上である。このように
2つの異なるキュリー温度を有することで、角形性Hk
/HcJが著しく改善される。
(T)曲線における変化点から求めることができる。よ
り具体的には、常法に従い、σ−T曲線の変化点での低
温側曲線の接線と温度軸との交点の温度により求められ
る。2つの異なるキュリー点Tc1,Tc2は、その差
の絶対値が5℃以上、好ましくは10℃以上である。ま
た、その上限は特に規制されるものではないが465℃
程度である。これらのキュリー温度は400〜470
℃、好ましくは430〜460℃の範囲である。この2
つのキュリー温度は、本発明のフェライト結晶の組織構
造が、後述する製造工程などにより磁気的に異なるM型
フェライトの2相構造を有するためであると考えられ
る。ただし、通常のX線回折法ではM相の単相が検出さ
れる。
上、特に92%以上であることが好ましい。なお、最高
では95%に及ぶ。また、本発明の磁石は、好ましくは
配向度Ir/Isが96.5%以上、より好ましくは9
7%以上であることが好ましい。なお、最高では98%
程度に及ぶ。配向度を向上させることにより、高いBr
が得られる。また、成形体では、磁気的配向度の値が成
形体密度にも影響されるため、成形体の表面に対しX線
回折による測定を行い、現れたピークの面指数と強度と
から求められる成形体の結晶学的な配向度(X線配向
度)が重要である。この成形体のX線配向度は、焼結体
の磁気的配向度の値をかなりの程度支配する。好ましく
はX線配向度としてΣI(00L)/ΣI(hkL)を
用いる。(00L)は、(004)や(006)等のc
面を総称する表示であり、ΣI(00L)は(00L)
面のすべてのピーク強度の合計である。また、(hk
L)は、検出されたすべてのピークを表し、ΣI(hk
L)はそれらの強度の合計である。したがってΣI(0
0L)/ΣI(hkL)は、c面配向の程度を表す。こ
の、ΣI(00L)/ΣI(hkL)は好ましくは0.
85以上、より好ましくは0.9以上が好ましく、その
上限としては1.0程度である。
を説明する。上記フェライト焼結磁石は、原料粉末とし
て、通常、A(Aは、Sr,Ba,Ca)、R(Rは、
+3価または+4価を取りうるイオン半径が1.00オ
ングストローム以上の元素:好ましくはLa,Pr,N
dまたはCeのいずれか)、M(Mは、イオン半径が
0.90オングストローム以下の元素:好ましくはC
o,NiまたはZn)を含有する化合物の粉末を用い、
これらの原料粉末の少なくとも1種または2種以上と、
Feを含有する酸化物の粉末の混合物を仮焼する。そし
て、仮焼後、さらに前記A(Aは、Sr,Ba,C
a)、R(Rは、+3価または+4価を取りうるイオン
半径が1.00オングストローム以上の元素:好ましく
はLa,Pr,NdまたはCeのいずれか)、M(M
は、イオン半径が0.90オングストローム以下の元
素:好ましくはCo,NiまたはZn)を含有する化合
物の粉末のうち、少なくとも1種または2種以上を添加
混合し、焼成して製造される。前記A(Aは、Sr,B
a,Ca)、R(Rは、+3価または+4価を取りうる
イオン半径が1.00オングストローム以上の元素:好
ましくはLa,Pr,NdまたはCeのいずれか)、M
(Mは、イオン半径が0.90オングストローム以下の
元素:好ましくはCo,NiまたはZn)を含有する化
合物の粉末としては、酸化物、または焼成により酸化物
となる化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等のい
ずれであってもよい。原料粉末の平均粒径は特に限定さ
れないが、特に酸化鉄は微細粉末が好ましく、一次粒子
の平均粒径が1μm以下、特に0.5μm以下であること
が好ましい。なお、上記の原料粉末の他、必要に応じて
B2O3等や、他の化合物、例えばSi,Al,Ga,I
n,Li,Mg,Mn,Ni,Cr,Cu,Ti,Z
r,Ge,Sn,V,Nb,Ta,Sb,As,W,M
o等を含む化合物を添加物あるいは不可避成分等の不純
物として含有していてもよい。
1350℃で1秒間〜10時間、特に1秒間〜3時間程
度行えばよい。
にマグネトプランバイト型のフェライト構造をもち、そ
の一次粒子の平均粒径は、好ましくは2μm以下、より
好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1〜1μ
m、最も好ましくは0.1〜0.5μmである。平均粒径
は走査型電子顕微鏡により測定すればよい。
砕時に前記A(Aは、Sr,Ba,Ca)、R(Rは、
+3価または+4価を取りうるイオン半径が1.00オ
ングストローム以上の元素:好ましくはLa,Pr,N
dまたはCeのいずれか)、M(Mは、イオン半径が
0.90オングストローム以下の元素:好ましくはC
o,NiまたはZn)を含有する化合物の粉末の少なく
とも1種または2種以上を混合し、成形し、焼結するこ
とにより製造する。具体的には、以下の手順で製造する
ことが好ましい。化合物の粉末の添加量は、仮焼体の1
〜100体積%、より好ましくは5〜70体積%、特に
10〜50体積%が好ましい。
あれば特に規制されるものではないが、好ましくは次に
説明する粉砕時に添加することが好ましい。添加される
原料粉末の種類や量は任意であり、同じ原料を仮焼前後
で分けて添加してもよい。ただし、全量の30%以上、
特に50%以上は仮焼後に行う後工程で添加することが
好ましい。なお、添加される化合物の平均粒径は、通常
0.1〜2μm 程度とする。
としての水と、分散剤とを含む成形用スラリーを用いて
湿式成形を行うが、分散剤の効果をより高くするために
は、湿式成形工程の前に湿式粉砕工程を設けることが好
ましい。また、酸化物磁性体粒子として仮焼体粒子を用
いる場合、仮焼体粒子は一般に顆粒状であるので、仮焼
体粒子の粗粉砕ないし解砕のために、湿式粉砕工程の前
に乾式粗粉砕工程を設けることが好ましい。なお、共沈
法や水熱合成法などにより酸化物磁性体粒子を製造した
場合には、通常、乾式粗粉砕工程は設けず、湿式粉砕工
程も必須ではないが、配向度をより高くするためには湿
式粉砕工程を設けることが好ましい。以下では、仮焼体
粒子を酸化物磁性体粒子として用い、乾式粗粉砕工程お
よび湿式粉砕工程を設ける場合について説明する。
積が2〜10倍程度となるまで粉砕する。粉砕後の平均
粒径は、0.1〜1μm 程度、BET比表面積は4〜1
0m2/g程度であることが好ましく、粒径のCVは80%
以下、特に10〜70%に維持することが好ましい。粉
砕手段は特に限定されず、例えば乾式振動ミル、乾式ア
トライター(媒体撹拌型ミル)、乾式ボールミル等が使
用できるが、特に乾式振動ミルを用いることが好まし
い。粉砕時間は、粉砕手段に応じて適宜決定すればよ
い。なお、乾式粉砕工程時に、前記原料粉末の一部を添
加することが好ましい。
入して保磁力HcBを小さくする効果もある。保磁力の低
下により粒子の凝集が抑制され、分散性が向上し、配向
度も向上する。粒子の結晶歪は、後の焼結工程において
解放され、永久磁石とすることができる。
2 と、焼成によりCaOとなるCaCO3 とが添加され
る。SiO2 およびCaCO3 は、一部を仮焼前に添加
してもよく、その場合には特性向上が認められる。
含む粉砕用スラリーを調製し、これを用いて湿式粉砕を
行う。粉砕用スラリー中の仮焼体粒子の含有量は、10
〜70重量%程度であることが好ましい。湿式粉砕に用
いる粉砕手段は特に限定されないが、通常、ボールミ
ル、アトライター、振動ミル等を用いることが好まし
い。粉砕時間は、粉砕手段に応じて適宜決定すればよ
い。
形用スラリーを調製する。濃縮は、遠心分離などによっ
て行えばよい。成形用スラリー中の仮焼体粒子の含有量
は、60〜90重量%程度であることが好ましい。
て磁場中成形を行う。成形圧力は0.1〜0.5ton/cm
2 程度、印加磁場は5〜15kOe 程度とすればよい。
ると、高配向度が得られ好ましいが、本発明では好まし
くは水系分散媒に分散剤が添加された成形用スラリーを
用いる。本発明で好ましく用いる分散剤は、水酸基およ
びカルボキシル基を有する有機化合物であるか、その中
和塩であるか、そのラクトンであるか、ヒロドキシメチ
ルカルボニル基を有する有機化合物であるか、酸として
解離し得るエノール型水酸基を有する有機化合物である
か、その中和塩であることが好ましい。
例えば特開平6−53064号公報に記載されているよ
うに、トルエンやキシレンのような有機溶媒に、例えば
オレイン酸のような界面活性剤を添加して、分散媒とす
る。このような分散媒を用いることにより、分散しにく
いサブミクロンサイズのフェライト粒子を用いた場合で
も最高で98%程度の高い磁気的配向度を得ることが可
能である。
好ましくは4〜12であり、かつ、酸素原子と二重結合
した炭素原子以外の炭素原子の50%以上に水酸基が結
合しているものである。炭素数が2以下であると、本発
明の効果が実現しない。また、炭素数が3以上であって
も、酸素原子と二重結合した炭素原子以外の炭素原子へ
の水酸基の結合比率が50%未満であれば、やはり本発
明の効果は実現しない。なお、水酸基の結合比率は、上
記有機化合物について限定されるものであり、分散剤そ
のものについて限定されるものではない。例えば、分散
剤として、水酸基およびカルボキシル基を有する有機化
合物(ヒドロキシカルボン酸)のラクトンを用いると
き、水酸基の結合比率の限定は、ラクトンではなくヒド
ロキシカルボン酸自体に適用される。
ても環式であってもよく、また、飽和であっても不飽和
結合を含んでいてもよい。
ルボン酸またはその中和塩もしくはそのラクトンが好ま
しく、特に、グルコン酸(C=6;OH=5;COOH
=1)またはその中和塩もしくはそのラクトン、ラクト
ビオン酸(C=12;OH=8;COOH=1)、酒石
酸(C=4;OH=2;COOH=2)またはこれらの
中和塩、グルコヘプトン酸γ−ラクトン(C=7;OH
=5)が好ましい。そして、これらのうちでは、配向度
向上効果が高く、しかも安価であることから、グルコン
酸またはその中和塩もしくはそのラクトンが好ましい。
機化合物としては、ソルボースが好ましい。
する有機化合物としては、アスコルビン酸が好ましい。
和塩も分散剤として使用可能である。クエン酸は水酸基
およびカルボキシル基を有するが、酸素原子と二重結合
した炭素原子以外の炭素原子の50%以上に水酸基が結
合しているという条件は満足しない。しかし、配向度向
上効果は認められる。
構造を以下に示す。
927号に記載されているような分散剤を用いてもよ
い。すなわち、この分散剤は、カルボキシル基を有する
糖類またはその誘導体であるか、これらの塩である有機
化合物である。そして、この分散剤は、炭素数が21以
上とされる。
ラリーの粘度が高くなるため、スラリーの粘度が高すぎ
る場合には、例えば、分散剤を酵素などにより加水分解
する方法により粘度を低下させてもよい。
類は、セルロースやでんぷんなどの多糖類のほか、これ
らの還元誘導体、酸化誘導体、脱水誘導体などを包含
し、さらに広範囲の誘導体、例えばアミノ糖やチオ糖な
どをも包含する化合物である。
H基の少なくとも一部が、カルボキシル基を有する有機
化合物との間でエーテル結合を形成しているものが好ま
しい。このような化合物としては、糖類とグリコール酸
とのエーテルが好ましく、具体的には、カルボキシメチ
ルセルロースまたはカルボキシメチルでんぷんが好まし
い。これらの化合物において、カルボキシメチル基の置
換度、すなわちエーテル化度は最大で3となるが、エー
テル化度は0.4以上であることが好ましい。エーテル
化度が小さすぎると、水に溶けにくくなる。なお、カル
ボキシメチルセルロースは、通常、ナトリウム塩の形で
合成され、本発明ではこのナトリウム塩も分散剤として
用いることができるが、磁気特性に与える悪影響が少な
いことから、好ましくはアンモニウム塩を用いる。ま
た、酸化でんぷんも分子内にカルボキシル基を有する糖
類であり、本発明において好ましく用いられる分散剤で
ある。
の影響を受ける。具体的には、pHが低すぎると配向度
は低下し、これにより焼結後の残留磁束密度が影響を受
ける。分散剤として水溶液中で酸としての性質を示す化
合物、例えばヒドロキシカルボン酸などを用いた場合に
は、スラリーのpHが低くなってしまう。したがって、
例えば、分散剤と共に塩基性化合物を添加するなどし
て、スラリーのpHを調整することが好ましい。上記塩
基性化合物としては、アンモニアや水酸化ナトリウムが
好ましい。アンモニアは、アンモニア水として添加すれ
ばよい。なお、ヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩を
用いることにより、pH低下を防ぐこともできる。
てSiO2 およびCaCO3 を添加する場合、分散剤と
してヒドロキシカルボン酸やそのラクトンを用いると、
主として成形用スラリー調製の際にスラリーの上澄みと
共にSiO2 およびCaCO 3 が流出してしまい、HcJ
が低下するなど所望の性能が得られなくなる。また、上
記塩基性化合物を添加するなどしてpHを高くしたとき
には、SiO2 およびCaCO3 の流出量がより多くな
る。これに対し、ヒドロキシカルボン酸のカルシウム塩
を分散剤として用いれば、SiO2 およびCaCO3 の
流出が抑えられる。ただし、上記塩基性化合物を添加し
たり、分散剤としてナトリウム塩を用いたりしたとき
に、SiO2 およびCaCO3 を目標組成に対し過剰に
添加すれば、磁石中のSiO2 量およびCaO量の不足
を防ぐことができる。なお、アスコルビン酸を用いた場
合には、SiO2 およびCaCO3 の流出はほとんど認
められない。
くは7以上、より好ましくは8〜11である。
定されず、カルシウム塩やナトリウム塩等のいずれであ
ってもよいが、上記理由から、好ましくはカルシウム塩
を用いる。分散剤にナトリウム塩を用いたり、アンモニ
ア水を添加した場合には、副成分の流出のほか、成形体
や焼結体にクラックが発生しやすくなるという問題が生
じる。
い。
る仮焼体粒子に対し、好ましくは0.05〜3.0重量
%、より好ましくは0.10〜2.0重量%である。分
散剤が少なすぎると配向度の向上が不十分となる。一
方、分散剤が多すぎると、成形体や焼結体にクラックが
発生しやすくなる。
もの、例えば酸や金属塩などであるときには、分散剤の
添加量はイオン換算値とする。すなわち、水素イオンや
金属イオンを除く有機成分に換算して添加量を求める。
また、分散剤が水和物である場合には、結晶水を除外し
て添加量を求める。例えば、分散剤がグルコン酸カルシ
ウム一水和物である場合の添加量は、グルコン酸イオン
に換算して求める。
るいはラクトンを含むときには、ラクトンがすべて開環
してヒドロキシカルボン酸になるものとして、ヒドロキ
シカルボン酸イオン換算で添加量を求める。
粗粉砕時に添加してもよく、湿式粉砕時の粉砕用スラリ
ー調製の際に添加してもよく、一部を乾式粗粉砕の際に
添加し、残部を湿式粉砕の際に添加してもよい。あるい
は、湿式粉砕後に撹拌などによって添加してもよい。い
ずれの場合でも、成形用スラリー中に分散剤が存在する
ことになるので、本発明の効果は実現する。ただし、粉
砕時に、特に乾式粗粉砕時に添加するほうが、配向度向
上効果は高くなる。乾式粗粉砕に用いる振動ミル等で
は、湿式粉砕に用いるボールミル等に比べて粒子に大き
なエネルギーが与えられ、また、粒子の温度が上昇する
ため、化学反応が進行しやすい状態になると考えられ
る。したがって、乾式粗粉砕時に分散剤を添加すれば、
粒子表面への分散剤の吸着量がより多くなり、この結
果、より高い配向度が得られるものと考えられる。実際
に、成形用スラリー中における分散剤の残留量(吸着量
にほぼ等しいと考えられる)を測定すると、分散剤を乾
式粗粉砕時に添加した場合のほうが、湿式粉砕時に添加
した場合よりも添加量に対する残留量の比率が高くな
る。なお、分散剤を複数回に分けて添加する場合には、
合計添加量が前記した好ましい範囲となるように各回の
添加量を設定すればよい。
において100〜500℃の温度で熱処理して、添加し
た分散剤を十分に分解除去する。次いで焼結工程におい
て、成形体を例えば大気中で好ましくは1150〜12
50℃、より好ましくは1160〜1220℃の温度で
0.5〜3時間程度焼結して、異方性六方晶フェライト
磁石を得る。
は2μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好まし
くは0.5〜1.0μmであるが、本発明では平均結晶
粒径が1μmを超えていても、十分に高い保磁力が得ら
れる。結晶粒径は走査型電子顕微鏡によって測定するこ
とができる。なお、比抵抗は100Ωm 程度以上であ
る。
て解砕し、ふるい等により平均粒径が100〜700μ
m程度となるように分級して磁場配向顆粒を得、これを
乾式磁場成形した後、焼結することにより焼結磁石を得
てもよい。
砕後、これを乾燥し、その後焼成を行って磁石粉末を得
てもよい。
ことにより、一般に次に述べるような効果が得られ、優
れた応用製品を得ることができる。すなわち、従来のフ
ェライト製品と同一形状であれば、磁石から発生する磁
束密度を増やすことができるため、モータであれば高ト
ルク化等を実現でき、スピーカーやヘッドホーンであれ
ば磁気回路の強化により、リニアリティーのよい音質が
得られるなど応用製品の高性能化に寄与できる。また、
従来と同じ機能でよいとすれば、磁石の大きさ(厚み)
を小さく(薄く)でき、小型軽量化(薄型化)に寄与で
きる。また、従来は界磁用の磁石を巻線式の電磁石とし
ていたようなモータにおいても、これを六方晶フェライ
ト磁石で置き換えることが可能となり、軽量化、生産工
程の短縮、低価格化に寄与できる。さらに、保磁力(H
cJ)の温度特性に優れているため、従来は六方晶フェラ
イト磁石の低温減磁(永久減磁)の危険のあった低温環
境でも使用可能となり、特に寒冷地、上空域などで使用
される製品の信頼性を著しく高めることができる。
状に加工され、下記に示すような幅広い用途に使用され
る。
ンド用、ABS用、ファン用、ワイパ用、パワーステア
リング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、
ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータ;FD
Dスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘ
ッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VT
Rカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、
VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラ
ジカセ等キャプスタン用、CD,LD,MDスピンドル
用、CD,LD,MDローディング用、CD,LD光ピ
ックアップ用等のOA、AV機器用モータ;エアコンコ
ンプレッサー用、冷蔵庫コンプレッサー用、電動工具駆
動用、扇風機用、電子レンジファン用、電子レンジプレ
ート回転用、ミキサ駆動用、ドライヤーファン用、シェ
ーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータ;
ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器
テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用
モータ;その他、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッ
ドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発
生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ
用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセン
サ、マグネットラッチ等に好適に使用される。
た。 Fe2O3粉末(一次粒子径0.3μm)、 1000.0g (不純物としてMn,Cr,Si,Clを含む) SrCO3粉末(一次粒子径2μm)、 130.3g (不純物としてBa,Caを含む) 酸化コバルト 17.56g La2O3 35.67g
ターで粉砕後、乾燥・整粒し、これを空気中において1
250℃で3時間焼成し、顆粒状の仮焼体を得た。得ら
れた仮焼体の磁気特性を試料振動式磁力計(VSM)で
測定した結果、飽和磁化σsは68 emu/g 、保磁力H
cJは4.6kOe であった。
O2(0.44g )、CaCO3(1.38g )を、それ
ぞれ所定量混合し、さらにグルコン酸カルシウム(1.
13g )を添加し、バッチの振動ロッドミルにより20
分間乾式粗粉砕した。このとき、粉砕による歪みが導入
され、仮焼体粒子のHcJは、1.7kOe に低下してい
た。
210g採取し、分散媒として水を400cc加えて混合
し、粉砕用スラリーを調整した。仮焼体の比表面積が7
m2/gとなるまで粉砕を行なった。粉砕用スラリーの固形
分濃度は34重量%であった。
ミル中で湿式粉砕を40時間行った。湿式粉砕後の比表
面積は、8.5m2/g (平均粒径0.5μm )であっ
た。湿式粉砕後のスラリーのpHは、9〜10であった。
て、スラリー中の仮焼体粒子の濃度が約78%となるよ
うに調整し、成形用スラリーとした。この成形用スラリ
ーから水を除去しながら圧縮成形を行った。この成形
は、圧縮方向に約13kOe の磁場を印加しながら行っ
た。得られた成形体は、直径30mm、高さ18mmの円柱
状であった。成形圧力は0.4ton/cm2とした。
してグルコン酸を十分に除去した後、空気中において、
昇温速度を5℃/分間とし、1220℃で1時間保持す
ることにより焼成を行い、焼結体を得た。得られた焼結
体を高分解能TEMで観察し、積層欠陥部分と、それ以
外の部分との組成分析をEDS分析により行った。各1
0点を測定した平均値を以下に示す。 積層欠陥部分(wt%) 積層欠陥以外の部分(wt%) Fe2O3 84.5 84.2 SrO 8.5 9.8 La2O3 3.4 3.7 CoO 2.6 0.9 SiO2 0.8 1.0 CaO 0.2 0.4
トサイズ)は、積層欠陥の幅よりも広いため、積層欠陥
部分の組成は、その他の部分の影響を受けているが、明
確な傾向として、積層欠陥部分にCoが多く存在してい
ることが確認された。さらに、積層欠陥部分を高分解能
TEM(透過型電子顕微鏡)で注意深く観察した。本発
明の六方晶フェライト磁石の一般的な結晶構造を図1
に、積層欠陥部分の高分解能TEM写真を図2に示す。
図1に示されるように、M型六方晶フェライトは、S層
/R層/S* 層/R* 層のように、S層とR層とが交互
に積層する構造を有している。ここで、S* ,R* は、
S,Rをc軸を中心に180度回転させたものである。
しかしながら、図2から、積層欠陥は、この周期が乱れ
ている部分であることがわかった。なお、図中Cで示す
領域は格子定数Cに対応する長さ(単位胞または単位格
子)を表している。ここで、Coなどの2価のイオンは
スピネル層にはいるものと考えられるから、積層欠陥
が、スピネル層の"IntergrowthLayer"であると考えれ
ば、積層欠陥部分のCo濃度が高いことを説明できるこ
とがわかった。
添加)〕 原料としては、次のものを用いた。 Fe2O3粉末(一次粒子径0.3μm)、 1000.0g (不純物としてMn,Cr,Si,Clを含む) SrCO3粉末(一次粒子径2μm)、 161.2g (不純物としてBa,Caを含む)
ターで粉砕後、乾燥・整粒し、これを空気中において1
250℃で3時間焼成し、顆粒状の仮焼体を得た。
SiO2(0.44g )、CaCO3(1.38g )、炭
酸ランタン〔La2(CO3)3・8H2O〕(6.12g
)、酸化コバルト(CoO)(1.63g )を、それ
ぞれ混合し、さらにグルコン酸カルシウム(1.13g
)を添加し、バッチの振動ロッドミルにより20分間
乾式粗粉砕した。このとき、粉砕による歪みが導入さ
れ、仮焼体粒子のHcJは、1.7kOe に低下していた。
77gを採取し、これに原料として使用したのと同じ酸
化鉄(α−Fe2O3)37.25g加え、分散媒として
水を400cc加えて混合し、粉砕用スラリーを調整し
た。仮焼体の比表面積が7m2/gとなるまで粉砕を行なっ
た。粉砕用スラリーの固形分濃度は34重量%であっ
た。
ミル中で湿式粉砕を40時間行った。湿式粉砕後の比表
面積は、8.5m2/g (平均粒径0.5μm )であっ
た。湿式粉砕後のスラリーのpHは、9.5であった。
て、スラリー中の仮焼体粒子の濃度が78%となるよう
に調整し、成形用スラリーとした。この成形用スラリー
から水を除去しながら圧縮成形を行った。この成形は、
圧縮方向に約13kOe の磁場を印加しながら行った。得
られた成形体は、直径30mm、高さ18mmの円柱状であ
った。成形圧力は0.4ton/cm2とした。
してグルコン酸を十分に除去した後、空気中において、
昇温速度を5℃/分間とし、1220℃で1時間保持す
ることにより焼成を行い、焼結体を得た。得られた焼結
体の組成は、 Sr0.8La0.2(Fe11.8Co0.2)O19 であった。得られた焼結体のa面の組織をTEM(透過
型電子顕微鏡)で観察した。このときの倍率は1000
0倍、視野は2視野観察した。その結果、全体の結晶粒
子の数N(N=80)に対する積層欠陥を有する結晶の
数nの割合n/Nは、9/80であった。得られた試料
のTEM写真を図3,4に示す。また、これらの拡大写
真を、それぞれ図5(上半分)、6(下半分)、および
図7(上半分)、8(下半分)に示す。また、TEM観
察と同時にEDSによる成分分析を行った結果、Laは
粒子内の中心部で殆ど存在せず、粒界近傍や、三重点部
分に多く存在していた。結果を図9〜図11に示す。こ
こで、図9は粒界部、図10は結晶粒内部、図11は三
重点における分析結果を表している。さらに、観察され
た任意の粒子1,3について、粒界→粒子内部→粒界と
連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った。結果
を図12,13および図14,15に示す。これらの測
定結果からも、La、およびCoも粒子内部より粒界近
傍に高濃度で存在することが確認された。なお、各試料
をX線回折により解析したところ、いずれもM型フェラ
イト単相であった。
た後、残留磁束密度(Br)、保磁力(HcJおよびHc
b)および最大エネルギー積[(BH)max]、飽和磁化(4π
Is)、磁気的配向度(Ir/Is)、角型性(Hk /
HcJ)を測定した。結果を表1に示す。
に加工した。VSMによりc軸方向の磁化の温度依存性
を測定することによりキュリー温度Tcを求めた。その
結果本発明サンプルNo. 1のキュリー温度Tcは、44
0℃と456℃の2段になっていることがわかった。
表す。
20%、50%として焼成し、実施例1と同様にして磁
気特性、およびキュリー温度、Brの温度係数を測定し
た。結果を表2に示す。
に従い、得られた焼結体の磁気特性が向上していること
がわかる。
で得られた焼結体をTEMで観察した。結果を図16お
よび17に示す。図16,17から明らかなように、酸
素濃度が少ないと欠陥が増加することがわかる。
前添加)〕 原料としては、次のものを用いた。 Fe2O3粉末(一次粒子径0.3μm)、 1000.0g (不純物としてMn,Cr,Si,Clを含む) SrCO3粉末(一次粒子径2μm)、 130.3g (不純物としてBa,Caを含む) 酸化コバルト 17.56g La2O3 35.67g
ターで粉砕後、乾燥・整粒し、これを空気中において1
250℃で3時間焼成し、顆粒状の仮焼体を得た。得ら
れた仮焼体の磁気特性を試料振動式磁力計(VSM)で
測定した結果、飽和磁化σsは68 emu/g 、保磁力H
cJは4.6kOe であった。
O2(0.44g )、CaCO3(1.38g )を、それ
ぞれ所定量混合し、バッチの振動ロッドミルにより20
分間乾式粗粉砕した。このとき、粉砕による歪みが導入
され、仮焼体粒子のHcJは、1.7kOe に低下してい
た。
い、界面活性剤としてオレイン酸を用いて、ボールミル
中で仮焼体粉末を40時間湿式粉砕した。オレイン酸
は、仮焼体粉末に対して、1.3重量%添加した。スラ
リー中の仮焼体粉末は、33重量%とした。粉砕は、比
表面積が8〜9m2/g となるまで行った。
て、スラリー中のフェライト粒子の濃度が約85%とな
るように調整し、成形用スラリーとした。この成形用ス
ラリーから溶剤を除去しながら圧縮成形を行った。この
成形は、圧縮方向に約13kOe の磁場を印加しながら行
った。得られた成形体は、直径30mm、高さ18mmの円
柱状であった。成形圧力は0.4ton/cm2とした。
してオレイン酸を十分に除去した後、空気中において、
昇温速度を5℃/分間とし、1220℃で1時間保持す
ることにより焼成を行い、焼結体を得た。得られた焼結
体の組成は、 Sr0.8La0.2(Fe11.8Co0.2)O19 であった。得られた焼結体を上記サンプル1と同様にし
てTEMで観察した。その結果、全体の結晶粒子の数N
(N=120)に対する積層欠陥を有する結晶の数nの
割合n/Nは、50/120であった。得られた試料の
TEM写真を図18,19に示す。また、TEM観察と
同時にEDSによる成分分析を行った結果、上記実施例
と異なり、La濃度は、結晶粒子内、粒界近傍、三重点
部で殆ど変化はなかった。結果を図20〜図22に示
す。ここで、図20は粒界部、図21は結晶粒内部、図
22は三重点における分析結果を表している。これによ
り、実施例の後添加方式だと結晶粒内のLa量が少なく
なることがわかった。なお、各試料をX線回折により解
析したところ、いずれもM型フェライト単相であった。
た後、残留磁束密度(Br)、保磁力(HcJおよびHc
b)および最大エネルギー積[(BH)max]、飽和磁化(4π
Is)、磁気的配向度(Ir/Is)、角型性(Hk /
HcJ)を測定した。結果を表1に示す。
に加工した。VSMによりc軸方向の磁化の温度依存性
を測定することによりキュリー温度Tcを求めた。その
結果比較サンプルNo. 2のキュリー温度Tcは、444
℃の1段になっていることがわかった。
含有溶剤系前添加)〕 比較例1においてCoの代わりにZnを含有するよう原
料粉末を替え、かつ最終組成が、 Sr0.8R0.3(Fe11.7Zn0.3)O19 (R=La,Ce,Pr,Nd,Sm)となるように調
整した他は、比較例1と同様にして焼結体を得た。得ら
れた焼結体を上記サンプル1と同様にしてTEMで観察
した。その結果、全体の結晶粒子の数Nに対する積層欠
陥を有する結晶の数nの割合n/Nは、0.6〜0.8
であった。さらに、1個の結晶粒子中に、3個以上の積
層欠陥を含む結晶も多く観察された。次に、TEM−E
DSにより積層欠陥部分と、それ以外の部分との組成分
析を行った。各10点を測定した平均値を以下に示す。
していることがわかった。これらのサンプルのTEM写
真を図23,24に示す。
O19 (x=0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.6)
となるよう、比較例1と同様にして焼結体を作製して、
TEMにより観察した。その結果、積層欠陥の割合は、
以下の表3に示すように、LaとCoの比率が増える
(xが増加する)に従って、積層欠陥の割合が増加する
ことがわかった。また、これらの積層欠陥部分では、C
o濃度が高いことがわかった。
気特性を測定した。結果を表4に示す。焼結体の磁気特
性(特にHcJ)は、x=0〜0.3の範囲ではxの増加
とともに向上するが、xが0.4以上では逆に劣化し
た。このことは、LaとCoを含有させることによる特
性向上効果に、積層欠陥の割合が増加することによる特
性劣化効果が掛け合わされた結果と考えられる。従っ
て、積層欠陥の割合を低く抑えることにより、LaとC
oの効果をさらに高めることができると考えられる。
を作製し、TEM−EDSで解析した。その結果、Sr
0.8La0.2Fe11.8Mn0.2O19以外の試料には同様の
欠陥の存在が確認され、欠陥部分には焼結体の元素Mが
高濃度に存在することが確認された。以上の実施例か
ら、本発明の効果が明らかである。
ライトの飽和磁化と磁気異方性とを同時に高めることに
より、従来のM型六方晶フェライト磁石では達成不可能
であった高い残留磁束密度と高い保磁力とを有する六方
晶フェライト磁石を実現することができる。
した図である。
る。
EMにより撮影した第1の図面代用写真である。
EMにより撮影した第2の図面代用写真である。
界部における成分分析結果を示した図である。
結晶粒内部における成分分析結果を示した図である。
三重点部における成分分析結果を示した図である。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った様
子を示すTEM写真である。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った結
果を示すグラフである。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った様
子を示すTEM写真である。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った結
果を示すグラフである。
焼結体のTEM写真である。
た焼結体のTEM写真である。
TEMにより撮影した第2の図面代用写真である。
TEMにより撮影した第2の図面代用写真である。
粒界部における成分分析結果を示した図である。
結晶粒内部における成分分析結果を示した図である。
三重点部における成分分析結果を示した図である。
ある。
ある。
る。
4)
た後、残留磁束密度(Br)、保磁力(HcJ)および最
大エネルギー積[(BH)max]、飽和磁化(4πIs)、磁
気的配向度(Ir/Is)、角型性(Hk /HcJ)を測
定した。結果を表1に示す。
た後、残留磁束密度(Br)、保磁力(HcJ)および最
大エネルギー積[(BH)max]、飽和磁化(4πIs)、磁
気的配向度(Ir/Is)、角型性(Hk /HcJ)を測
定した。結果を表1に示す。
した図である。
る。
EMにより撮影した第1の図面代用写真である。
EMにより撮影した第2の図面代用写真である。
界部における成分分析結果を示した図である。
結晶粒内部における成分分析結果を示した図である。
三重点部における成分分析結果を示した図である。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った様
子を示すTEM写真である。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った結
果を示すグラフである。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った様
子を示すTEM写真である。
界と連続的にLa2O3 およびCoOの分析を行った結
果を示すグラフである。
焼結体のTEM写真である。
た焼結体のTEM写真である。
をTEMにより撮影した第1の図面代用写真である。
をTEMにより撮影した第2の図面代用写真である。
る粒界部における成分分析結果を示した図である。
る結晶粒内部における成分分析結果を示した図である。
る三重点部における成分分析結果を示した図である。
である。
である。
る。
Claims (18)
- 【請求項1】 Sr、BaおよびCaから選択される少
なくとも1種の元素をAとし、 +3価または+4価を取りうるイオン半径が1.00オ
ングストローム以上の元素をRとし、 A,RおよびFeを含有し、 積層欠陥を有する結晶粒子の数をnとし、全体の結晶粒
子の数をNとしたときに、 n/Nが0.35以下である六方晶フェライト磁石。 - 【請求項2】 さらにイオン半径が0.90オングスト
ローム以下の元素をMとして含有する請求項1の六方晶
フェライト磁石。 - 【請求項3】 前記Rを0.05〜10原子%含有する
請求項1または2の六方晶フェライト磁石。 - 【請求項4】 A,R,FeおよびMそれぞれの金属元
素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、 A:1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe:80〜95原子%、 M:0.1〜5原子% である請求項2または3の六方晶フェライト磁石。 - 【請求項5】 前記積層欠陥部分は、結晶粒子中の他の
部分より元素Mを多く含む請求項2〜4のいずれかの六
方晶フェライト磁石。 - 【請求項6】 前記Rは、La,Pr,NdおよびCe
のいずれか1種または2種以上である請求項1〜5のい
ずれかの六方晶フェライト磁石。 - 【請求項7】 前記Mは、2価のイオンとなる元素であ
る請求項2〜6のいずれかの六方晶フェライト磁石。 - 【請求項8】 前記Mは、Co,NiおよびZnのいず
れか1種または2種以上である請求項2〜7のいずれか
の六方晶フェライト磁石。 - 【請求項9】 マグネトプランバイト型フェライトであ
る請求項1〜8のいずれかの六方晶フェライト磁石。 - 【請求項10】 Sr、BaおよびCaから選択される
少なくとも1種の元素をAとし、 +3価または+4価を取りうるイオン半径が1.00オ
ングストローム以上の元素をRとし、 A,RおよびFeを含有し、 Rが結晶粒子の中心よりも結晶粒界近傍に多く存在する
六方晶フェライト磁石。 - 【請求項11】 さらにイオン半径が0.90オングス
トローム以下の元素をMとして含有する請求項10の六
方晶フェライト磁石。 - 【請求項12】 前記元素Mは、結晶粒子の中心より粒
界近傍に多く存在する請求項11の六方晶フェライト磁
石。 - 【請求項13】 前記Rを0.05〜10原子%含有す
る請求項10〜12のいずれかの六方晶フェライト磁
石。 - 【請求項14】 A,R,FeおよびMそれぞれの金属
元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、 A:1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe:80〜95原子%、 M:0.1〜5原子% である請求項11〜13のいずれかの六方晶フェライト
磁石。 - 【請求項15】 前記Rは、La,Pr,NdおよびC
eのいずれか1種または2種以上である請求項10〜1
4のいずれかの六方晶フェライト磁石。 - 【請求項16】 前記Mは、2価のイオンとなる元素で
ある請求項11〜15のいずれかの六方晶フェライト磁
石。 - 【請求項17】 前記Mは、Co,NiおよびZnのい
ずれか1種または2種以上である請求項11〜16のい
ずれかの六方晶フェライト磁石。 - 【請求項18】 マグネトプランバイト型フェライトで
ある請求項10〜17のいずれかの六方晶フェライト磁
石。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10-194951 | 1998-06-25 | ||
JP19495198 | 1998-06-25 | ||
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JP11283537A Division JP2000138116A (ja) | 1998-06-25 | 1999-10-04 | 六方晶フェライト磁石 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3183869B2 JP3183869B2 (ja) | 2001-07-09 |
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ID=26418080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07697599A Expired - Lifetime JP3183869B2 (ja) | 1998-06-25 | 1999-03-19 | 六方晶フェライト磁石 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015086132A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-05-07 | 京セラ株式会社 | フェライト焼結体およびフェライトコアならびにコイル部品 |
CN111533550A (zh) * | 2019-02-07 | 2020-08-14 | Tdk株式会社 | 铁氧体烧结磁铁 |
JP2020161656A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | Tdk株式会社 | フェライト焼結磁石、フェライト粒子、ボンド磁石、及び、回転電気機械 |
-
1999
- 1999-03-19 JP JP07697599A patent/JP3183869B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015086132A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-05-07 | 京セラ株式会社 | フェライト焼結体およびフェライトコアならびにコイル部品 |
CN111533550A (zh) * | 2019-02-07 | 2020-08-14 | Tdk株式会社 | 铁氧体烧结磁铁 |
JP2020129579A (ja) * | 2019-02-07 | 2020-08-27 | Tdk株式会社 | フェライト焼結磁石 |
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JP7251254B2 (ja) | 2019-03-27 | 2023-04-04 | Tdk株式会社 | フェライト焼結磁石、フェライト粒子、ボンド磁石、及び、回転電気機械 |
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