JP2000153682A - 重ね合わせ接着用シートおよびその作成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予め接着剤が塗布された部分にマージナル孔
加工、縦・横ミシン線加工、切り欠き加工など、所定の
加工を施した後に発生する、被加工面の反対側面への接
着剤の付着した紙片のはみ出しによるブロッキング現象
を防止する重ね合わせ接着用シートおよびその作成方法
の提供。 【課題の解決手段】 予め剥離可能に接着する接着剤が
塗布された部分において、マージナル孔加工、縦・横ミ
シン線加工、切り欠き加工など所定の加工を施した後、
接着剤が付着した紙片のはみ出しによる凸状部を平坦化
するか、あるいは凹状化するように当該加工部を押圧し
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、１枚のシートを折
り部を介して折り畳んだり、切り重ねたり、あるいは別
体のシートを重ね合わせたりして、重ね合わせ面の全面
ないし所定部を剥離可能に接着し、重ね合わせ面に通知
情報などが記載される重ね合わせカード、重ね合わせ葉
書などを構成する重ね合わせ接着用シートに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、重ね合わせ面を隠蔽情報記載
部として利用する重ね合わせ接着用シートは、その隠蔽
情報記載部に設けた通知情報を第三者に見られないよう
に受取人へ連絡する場合に多く用いられている。例え
ば、重ね合わせ接着用シートを情報隠蔽葉書として構成
したものでは、差出人が隠蔽情報記載部に通知情報を記
載した後、重ね合わせ面同士を剥離可能に貼り付け、受
取人は、その重ね合わせ面を剥がすことで隠蔽情報を確
認することができる。

【０００３】この情報隠蔽葉書に代表されるような重ね
合わせ接着用シートは、通常、複数の重ね合わせ紙片が
連接されたシートからなり、このシートを当該連接部に
て折り畳んだ際、対向する紙片面同士を剥離可能に貼り
合わせるため、それぞれの重ね合わせ面には、通常状態
では接着性を有しないが、その重ね合わせ面同士を重ね
合わせた状態で加圧すると剥離可能に接着する接着層を
形成する接着剤が塗布されている。したがって、重ね合
わせ接着用シートを重ね合わせた状態でドライシーラに
て加圧すると、重ね合わせ紙片同士が当該接着剤により
剥離可能に貼り合わされ、情報隠蔽葉書などが得られ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような重ね合わせ
接着用シートを作成する場合、一般的には、接着剤が塗
布された長尺シートが横ミシン線にて区画され、それぞ
れの区画部が単位重ね合わせ接着用シートとしてなり、
その両側のマージナル部には移送用トラクタ・ピンに繋
合させるための連設孔（マージナル孔）加工が施された
り、個々の重ね合わせ接着用シートにおいては、各重ね
合わせ紙片を区画し折り部を形成するための縦ミシン線
加工や重ね合わせ状態の重ね合わせ紙片を容易に剥離す
るための剥がし口を形成する切り欠き加工などが施され
る。

【０００５】しかしながら、予め接着剤が塗布された部
分への後処理として、マージナル孔加工、縦・横ミシン
線加工、切り欠き加工など所定の加工を施す場合、これ
ら加工を施すための型抜き刃やミシン刃などをシートの
被加工面側から入れると、この被加工面の反対側面に接
着剤が付着した紙片がはみ出して凸状部が形成され、各
シートが積み重ねられたり折り畳まれた際、互いの表裏
面同士が対接し密着した状態となった場合、当該接着性
を有する凸状部をもって互いが接着する、いわゆるブロ
ッキング現象が生じてしまう。

【０００６】そこで、本発明は、予め接着剤が塗布され
た部分にマージナル孔加工、縦・横ミシン線加工、切り
欠き加工など所定の加工を施した後に発生する、被加工
面の反対側面への接着剤の付着した紙片のはみ出しによ
るブロッキング現象を防止する重ね合わせ接着用シート
およびその作成方法の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる課題を鑑み、本発
明者らは、予め剥離可能に接着する接着剤が塗布された
部分において、マージナル孔加工、縦・横ミシン線加
工、切り欠き加工など所定の加工を施した後、接着剤が
付着した紙片のはみ出しによる凸状部を平坦化するか、
あるいは凹状化するように当該加工部を押圧すること
で、上記目的を達成できることを見いだし、本発明を想
到した。

【０００８】すなわち、本発明の重ね合わせ接着用シー
トは、印字および加工が施された後、重ね合わせ面に予
め設けられた、通常の状態では接着することがなく、所
定の接着条件を付与することにより剥離可能に接着する
接着剤により重ね合わせ面を剥離可能に接着して用いる
重ね合わせ接着用シートであって、前記加工が施された
所定の加工部が押圧されてなることを特徴とする。

【０００９】また、本発明の重ね合わせ接着用シートの
作成方法は、シート面の所定部に、通常の状態では接着
することなく、所定の条件を付与することにより剥離可
能に接着する接着剤が予め設けられた重ね合わせ接着用
シートにマージナル孔加工、縦・横ミシン線加工、切り
欠き加工など所定の加工を施す工程、次いで、前記加工
が施された所定の加工部を押圧する工程、とを含んでな
ることを特徴とする。

【００１０】したがって、本発明の重ね合わせ接着用シ
ートおよびその作成方法によれば、予め剥離可能に接着
する接着剤が塗布された部分において、マージナル孔加
工、縦・横ミシン線加工、切り欠き加工など所定の加工
が施された後、この加工部を押圧することにより、接着
剤が付着した紙片のはみ出しによる凸状部が平坦化され
るか、あるいは凹状化されるため、各シートが積み重ね
られたり折り畳まれた際、互いの表裏面同士が対接し密
着した状態となっても当該部分が相手側に接着しない
か、極めて接着し難くなるためブロッキング現象が好適
に防止できる。

【００１１】

【発明の実施形態】以下、本発明の重ね合わせ接着用シ
ートを好適な実施例に基づき、さらに詳述する。なお、
ここにおいて、図１は「二つ折り情報隠蔽葉書」を構成
する本発明の重ね合わせ接着用シートの説明図で、
（イ）は重ね合わせ接着用シートの表面平面図、（ロ）
は同裏面平面図、図２は図１の（ロ）のＸ−Ｘ線断面
図、図３は図１の重ね合わせ接着用シートの使用状態説
明図、図４は「三つ折り情報隠蔽葉書」を構成する本発
明の重ね合わせ接着用シートの説明図で、（イ）は重ね
合わせ接着用シートの表面平面図、（ロ）は同裏面平面
図、図５は図４の（ロ）のＸ−Ｘ線断面図、図６は図４
の重ね合わせ接着用シートの使用状態説明図、図７は本
発明の重ね合わせ接着用シートの概略的作成フロー図、
図８は加工部における押圧前後の断面説明図で、（ａ）
は押圧前の状態説明図、（ｂ）は押圧後の状態説明図、
また、図９は別の「三つ折り情報隠蔽葉書」を構成する
重ね合わせ接着用シートの使用状態説明図、図１０はさ
らに別の「三つ折り情報隠蔽葉書」を構成する重ね合わ
せ接着用シートの使用状態説明図である。

【００１２】図１に示す重ね合わせ接着用シート１は
「二つ折り情報隠蔽葉書」として構成されるもので、図
示したものは多数の重ね合わせ接着用シート１が横ミシ
ン線４を介して連接された状態にある。（イ）に示すよ
うに、この重ね合わせ接着用シート１は、両側のマージ
ナル部にトラクタ・ピンに繋合するマージナル孔５が設
けられたシート基材２を縦ミシン線６を境に上位紙片ａ
と下位紙片ｃとに区画してなり、さらに、上位紙片ａの
下方角部には剥がし口を形成する切り欠き７が施されて
いる。

【００１３】そして、（ロ）に示すように、上位紙片ａ
と下位紙片ｃの各重ね合わせ面には通常の状態では接着
することなく、加圧により剥離可能に接着する接着剤３
が塗布されている。ただし、本発明はこれに限定される
ものではなく、この種の重ね合わせ接着用シートで通常
に使用されている加圧の他、加熱、加湿など所定の条件
を付与することにより剥離可能に接着する接着剤などで
あっても構わない。

【００１４】本実施例の重ね合わせ接着用シート１には
前述した如く、横ミシン線４加工、マージナル孔５加
工、縦ミシン線６加工、剥がし口の切り欠き７加工など
の所定の加工が、被加工面である（イ）に表示した面側
から型抜き刃やミシン刃などによって施された後、これ
ら各加工部は押圧される。したがって、各加工時、被加
工面の反対側面である（ロ）に表示した面側に、接着剤
が付着した紙片のはみ出しによる凸状部（図示せず）が
一旦は形成されるが、図２に示すように、押圧によって
凸状部は消失し、接着剤３の塗布層を含めて凹状化され
ている。これにより、例えば、個々に分離された後に接
着前のオープン状態の重ね合わせ接着用シートが多数積
み重ねられ、互いの表裏面同士が対接し密着した状態と
なっても、当該部分が相手側に接着しないためブロッキ
ング現象が好適に防止できる。

【００１５】なお、本実施例の重ね合わせ接着用シート
１の使用時には、図３に示す如く、追加の印字が施さ
れ、マージナル部が切断された後、縦ミシン線６を介し
て上位紙片ａと下位紙片ｂの重ね合わせ面が対接するよ
うに折り畳まれ、所定のドライシーラーにて加圧される
と、それぞれの重ね合わせ面が剥離可能に接着されて好
適な「二つ折り情報隠蔽葉書」として構成される。

【００１６】次に、図４に示す重ね合わせ接着用シート
１は「三つ折り情報隠蔽葉書」として構成されるもの
で、図示したものは多数の重ね合わせ接着用シート１が
横ミシン線４を介して連接された状態にある。（イ）に
示すように、この重ね合わせ接着用シート１は両側のマ
ージナル部にトラクタ・ピンに繋合するマージナル孔５
が設けられたシート基材２を二条の縦ミシン線６，６を
境に上位紙片ａ、中位紙片ｂ、下位紙片ｃとに区画して
なり、さらに、上位紙片ａおよび下位紙片ｃの下方角部
には剥がし口を形成する切り欠き７，７が施されてい
る。そして、（イ）および（ロ）に示すように、上位紙
片ａ、中位紙片ｂ、下位紙片ｃの各重ね合わせ面を含め
シート基材２の表裏全面には、加圧することにより剥離
可能に接着する接着剤３が塗布されている。

【００１７】本実施例の重ね合わせ接着用シート１に
も、前述の実施例と同様に、横ミシン線４加工、マージ
ナル孔５加工、縦ミシン線６加工、剥がし口の切り欠き
７加工などの所定の加工が、被加工面である（イ）に表
示した面側から型抜き刃やミシン刃などによって施され
た後、これら各加工部は押圧される。したがって、各加
工時、被加工面の反対側面である（ロ）に表示した面側
に、接着剤が付着した紙片のはみ出しによる凸状部（図
示せず）が一旦は形成されるが、図５に示すように、押
圧によって凸状部は消失し、ほぼ平坦化（若干凹状に示
す）されている。これにより、例えば、この多数連接し
た状態の重ね合わせ接着用シートを折り畳むなどして互
いの表裏面同士が対接し密着した状態となっても、当該
部分が相手側に極めて接着し難くなるためブロッキング
現象が好適に防止できる。

【００１８】なお、本実施例の重ね合わせ接着用シート
１の使用時には、図６に示す如く、追加の印字が施さ
れ、マージナル部が切断された後、二条の縦ミシン線
６，６を介して、上位紙片ａ、中位紙片ｂ、下位紙片ｃ
の重ね合わせ面が対接するようにＺ字状に折り畳まれ、
所定のドライシーラーにて加圧されると、それぞれの重
ね合わせ面が剥離可能に接着されて好適な「三つ折り情
報隠蔽葉書」として構成される。

【００１９】以下、図７に示す重ね合わせ接着用シート
の概略的作成フロー図に基づき、本発明の重ね合わせ接
着用シートの作成方法について詳述する。なお、この作
成方法の実施例は、図１の「二つ折り情報隠蔽葉書」を
構成する重ね合わせ接着用シートの作成方法を例示した
ものである。

【００２０】個々の重ね合わせ接着用シート１が多数連
接されてなる長尺のシート基材２のウエヴに対し、先
ず、印刷機Ｐによって所定の印刷が施された後、個々の
重ね合わせ接着用シート１を区画する横ミシン線４が横
ミシン胴ＬＭにより、続いて、上位紙片ａと下位紙片ｃ
とを区画する縦ミシン線６が縦ミシン胴ＶＭにより、そ
れぞれ施される。さらに、上位紙片ａの下方角部には剥
がし口を形成する切り欠き７が型抜き胴ＰＣにより加工
された後、マージナル孔５が型抜き胴ＭＣにより加工さ
れる。そして、これら各加工部は、各加工部の形状に対
応したパターン状に凸版が設けられた押圧パターン胴ｒ
１とこの受け胴ｒ２などからなる押圧ユニットＲをもっ
て押圧される。

【００２１】すなわち、本発明の重ね合わせ接着用シー
トでは、図８に示すように、各加工部における押圧前後
で、（ａ）に示す如く、押圧前の状態ではシート基材２
の被加工面の反対側面へ接着剤３が付着した紙片のはみ
出しによる凸状部Ｓが形成されるが、この部分への押圧
により、（ｂ）に示す如く、押圧後の状態ではこの凸状
部Ｓは平坦化（ｂ−１）ないし凹状化（ｂ−２）されて
消失する。

【００２２】以下、本発明の重ね合わせ接着用シートの
適用例を幾つか例示する。例えば、図９に示す別の「三
つ折り情報隠蔽葉書」を構成する重ね合わせ接着用シー
ト１は、Ｚ字状に折り畳まれた上位紙片ａ、中位紙片
ｂ、下位紙片ｃからなり、前述の実施例と同様に、縦ミ
シン線６，６、切り欠き７，７などの所定の加工が施さ
れている他、葉書本体に見立てられる中位紙片ｂに設け
られた葉書表示Ｈを上位紙片ａを通して見えるようにし
た表示窓孔８を形成する型抜き加工なども施されてお
り、これら各加工部は押圧された状態にある。

【００２３】また、図１０に示すさらに別の「三つ折り
情報隠蔽葉書」を構成する重ね合わせ接着用シート１
は、切り重ねられた上位紙片ａ、中位紙片ｂ、下位紙片
ｃからなり、これについても同様に、縦ミシン線６，
６、切り欠き７，７などの所定の加工が施されている
他、葉書表示Ｈを含めた部分で、上位紙片ａと葉書本体
に見立てられる中位紙片ｂとが剥離困難に強接着された
所定領域１０と、その他の剥離可能な領域１１とを区画
分離するためのスリット９加工なども施されており、こ
れら各加工部は押圧された状態にある。

【００２４】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明の重ね合
わせ接着用シートおよびその作成方法によれば、マージ
ナル孔加工、縦ミシン線加工、切り欠き加工など所定の
加工が施された後、この加工部を押圧することにより、
接着剤が付着した紙片のはみ出しによる凸状部が平坦化
されるか、あるいは凹状化されるため、各シートが積み
重ねられたり折り畳まれた際、互いの表裏面同士が対接
し密着した状態となっても当該部分が相手側に接着しな
いか、極めて接着し難くなるためブロッキング現象が好
適に防止できるといった効果を泰する。

【図面の簡単な説明】

【図１】「二つ折り情報隠蔽葉書」を構成する本発明の
重ね合わせ接着用シートの説明図で、 （イ）は重ね合わせ接着用シートの表面平面図 （ロ）は同裏面平面図

【図２】図１の（ロ）のＸ−Ｘ線断面図。

【図３】図１の重ね合わせ接着用シートの使用状態説明
図。

【図４】「三つ折り情報隠蔽葉書」を構成する本発明の
重ね合わせ接着用シートの説明図で、 （イ）は重ね合わせ接着用シートの表面平面図 （ロ）は同裏面平面図

【図５】図４の（ロ）のＸ−Ｘ線断面図。

【図６】図４の重ね合わせ接着用シートの使用状態説明
図。

【図７】本発明の重ね合わせ接着用シートの概略的作成
フロー図。

【図８】加工部における押圧前後の断面説明図で、 （ａ）は押圧前の状態説明図 （ｂ）は押圧後の状態説明図

【図９】別の「三つ折り情報隠蔽葉書」を構成する重ね
合わせ接着用シートの使用状態説明図。

【図１０】さらに別の「三つ折り情報隠蔽葉書」を構成
する重ね合わせ接着用シートの使用状態説明図。

【符号の説明】

１ 重ね合わせ接着用シート ２ シート基材 ３ 接着剤 ４ 横ミシン線 ５ マージナル孔 ６ 縦ミシン線 ７ 切り欠き ａ 上位紙片 ｂ 中位紙片 ｃ 下位紙片 Ｒ 押圧ユニット ｒ１ 押圧パターン胴 ｒ２ 受け胴 Ｐ 印刷機 ＬＭ 横ミシン胴 ＶＭ 縦ミシン胴 ＰＣ 切り欠き用型抜き胴 ＭＣ マージナル孔用型抜き胴

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印字および加工が施された後、重ね合わ
   せ面に予め設けられた、通常の状態では接着することが
   なく、所定の接着条件を付与することにより剥離可能に
   接着する接着剤により重ね合わせ面を剥離可能に接着し
   て用いる重ね合わせ接着用シートであって、前記加工が
   施された所定の加工部が押圧されてなることを特徴とす
   る重ね合わせ接着用シート。
2. 【請求項２】 シート面の所定部に、通常の状態では接
   着することなく、所定の条件を付与することにより剥離
   可能に接着する接着剤が予め設けられた重ね合わせ接着
   用シートにマージナル孔加工、縦・横ミシン線加工、切
   り欠き加工など所定の加工を施す工程、次いで、前記加
   工が施された所定の加工部を押圧する工程、とを含んで
   なる重ね合わせ接着用シートの作成方法。