JP2000152769A - ハーブ含有ペースト状食品 - Google Patents

ハーブ含有ペースト状食品

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JP2000152769A JP10327774A JP32777498A JP2000152769A JP 2000152769 A JP2000152769 A JP 2000152769A JP 10327774 A JP10327774 A JP 10327774A JP 32777498 A JP32777498 A JP 32777498A JP 2000152769 A JP2000152769 A JP 2000152769A
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寿彦 鳴神
Yumiko Ito
裕美子 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハーブの舌ざわりの滑らかさが確保され、か
つペースト状食品としての物性/粘性/食味・食感の安
定したハーブ含有ペースト状食品を提供すること。 【解決手段】 ハーブの粉砕物、油、必要により、糖及
び塩を含有するペースト状食品であって、(1)ハーブ
の粉砕物を乾燥重量で0.5重量%以上含み、(2)油分
が20重量%以上であり、かつ水分が10重量%以上で
あり、(3)卵粉、粉乳、濃縮乳及び大豆粉からなる群
から選択された1以上の添加物を0.1〜10重量%含
み、かつ(4)ガム類を0.001〜10重量%含むこと
を特徴とするハーブ含有ペースト状食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパゲッティやマ
カロニ等のパスタ用のソースなどとして用いるハーブ含
有ペースト状食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ペースト状食品には、油、糖及
び塩等の成分が含まれる場合が多い。これらの成分の使
用量は、通常、求めるペースト状食品により決定され
る。例えば、油分量を調整することにより、ペースト状
食品の粘性を滑らかとし、かつ風味を付与することがで
き、また、糖及び塩により所望の食味とし、食品のAw
を低下することができる。ここで、ハーブ含有ペースト
状食品では、ペースト食品全体としての物性/粘性/食
味・風味の他に、ハーブ自体の食感、つまり、ハーブの
舌触りが重要なものである。ペースト状食品におけるハ
ーブの舌触りは、食品中のハーブ含有量により変化し、
また、食品中の他の成分の量、油分や水分などによって
変化する。例えば、食品中の油分が高いと、ハーブ粉砕
物の食感がかくれてヌルヌルとした舌触りとなり、水分
が高いと、ザラザラとした舌触り/パサついた食感とな
る。一方、ハーブ含有ペースト状食品においては、ハー
ブ自体の食感だけでなく、ハーブの風味も重要である。
このように、ハーブ含有ペースト状食品においては、ペ
ースト状食品として求められる物性/粘性/食味・食感
などを満たす一方で、ハーブの風味・舌触りが良好なペ
ースト状食品が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハーブの舌
ざわりの滑らかさが確保され、かつペースト状食品とし
ての物性/粘性/食味・食感の安定したハーブ含有ペー
スト状食品を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ハーブの粉砕
物、油を含有するペースト状食品において、それらの含
有量を所定の範囲内に調整することにより、上記課題を
解決できるとの知見に基づくものである。すなわち、本
発明は、ハーブの粉砕物、油、必要により、糖及び塩を
含有するペースト状食品であって、(1)ハーブの粉砕
物を乾燥重量で0.5重量%以上含み、(2)油分が20
重量%以上であり、かつ水分が10重量%以上であり、
(3)卵粉、粉乳、濃縮乳及び大豆粉からなる群から選
択された1以上の添加物を0.1〜10重量%含み、かつ
(4)ガム類を0.001〜10重量%含むことを特徴と
するハーブ含有ペースト状食品を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のハーブ含有ペースト状食
品としては、例えば、ペスト等が挙げられ、いわゆるパ
スタ類、例えば、スパゲッティ、マカロニ、バーミセリ
ー及びヌードルなどのマカロニ類の食品に用いることが
できる。しかしながら、対象食品は、これらに限定され
る訳ではない。また、これらの対象食品は、形態上特に
制限がなく、前述のような棒状、管状形態の他、貝状
(シェル)、ねじり状(ツイスト)、文字状(アルファ
ベット)、歯車状(ホイール)、リボン状及び星状など
の形態であってもよい。
【0006】本発明に用い得るハーブとしては、バジ
ル、ローズマリー、タイム、パセリ、イタリアンパセ
リ、セージ、オレガノ、タラゴン、フェンネル及びミン
トなどが挙げられ、生/冷凍品を適宜使用することがで
きる。これらのハーブ原料は、乾燥したものであっても
よく、生のものと乾燥したものとを組合せて使用しても
よい。使用する原料の種類にもよるが、ペースト状食品
の重量に対して、乾燥重量で0.5重量%以上含ませるの
がよく、好ましくは、0.7重量%以上であり、より好ま
しくは0.8〜4重量%である。また、本発明において
は、先ず、ハーブ原料、好ましくは葉部を採取し、次い
で水などにより洗浄して付着物を除いた後、水切りして
おくのがよい。その後、乾燥しておいてもよい。次に、
これらのハーブ原料を粉砕するが、好ましくは、該粉砕
物の粒径が1〜5mmとなるように行う。粉砕は常法に
より行うことができるが、コミトロールなどを用いて粉
砕するのがよい。その後、この粉砕物に対し、油、糖及
び塩を添加してペースト原料を調製する。この際に添加
する油としては、例えば、オリーブ油、菜種油、コーン
油、大豆油、べにばな油等が挙げられる。その添加量
は、ペースト状食品中における含有量が20重量%以上
となるようにする。好ましくは、25重量%以上含まれ
るようにするのがよく、より好ましくは30〜50重量
%とするのがよい。また、添加する糖としては、例え
ば、水飴(還元水飴等)、砂糖等が挙げられる。その添
加量は、ペースト状食品中に、水飴の場合は、7〜70
重量%、好ましくは、20〜50重量%含ませるのがよ
い。この際、糖分が5〜50重量%となるようにするの
が好ましい。また、塩分は、1〜10重量%とするのが
好ましい。更に、本発明のハーブ含有ペースト状食品
は、20℃、B型粘度計で測定した粘度が25,000〜65,0
00mPa・sであるのがよく、好ましくは、30,000〜6
0,000mPa・sとする。尚、本発明において、糖分と
は、高速液体クロマトグラフで測定した糖質の量をい
い、塩分とは、塩分分析装置(Cl換算)及び/又は原
子吸光法で分析したNaClの量をいう。
【0007】本発明のハーブ含有ペースト状食品は、卵
粉、粉乳、濃縮乳及び大豆粉からなる群から選ばれた1
以上の添加物を0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜
5重量%含む。これらの添加物の具体例を挙げると、卵
粉としては、卵黄粉、卵白粉、全卵粉がある。粉乳とし
ては、脱脂粉乳、全脂粉乳があり、大豆粉としては、脱
脂大豆粉、大豆蛋白粉がある。卵黄粉及び/又は脱脂粉
乳を含ませるのが好ましい。また、本発明のハーブ含有
ペースト状食品は、ガム類を0.001〜10重量%含
む。ガム類としては、キサンタンガムが好ましい。本発
明のハーブ含有ペースト状食品は、好ましくは、この成
分を、0.01〜1重量%含む。
【0008】また、本発明のハーブ含有ペースト状食品
のAwは、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7〜
0.8とする。これにより、例えば、製品化後に常温にお
いても長期の保存が可能となる。なお、本発明において
は、かかるAwの値を、所定量の糖及び塩を添加するこ
とにより調節することができる。例えば、本発明におい
て用いる糖として、水飴を用いることで食品に対する水
分補給がなされると同時にAwを低下することができる
ので好ましい。また、乾燥したハーブ原料を用いること
によりAwを低下することもできる。
【0009】また、本発明のハーブ含有ペースト状食品
には、上記成分以外に更に、アリル芥子油を含ませるこ
とができる。アリル芥子油を用いる場合には、それを添
加することにより得られる保存性及び辛味の観点から、
ハーブ含有ペースト状食品中に0.01〜0.1重量%の範
囲内で含まれるように添加するのがよい。好ましくは、
0.01〜0.05重量%含まれるようにする。また、本発
明においては、使用するハーブの種類にもよるが、ハー
ブ含有ペースト状食品のpHを5.0より高く維持するの
がよく、より好ましくはpH5.0〜6.0とするのがよ
い。
【0010】また、本発明のハーブ含有ペースト状食品
には、上記成分以外に更に、アスコルビン酸及び/又は
その塩を含ませることができ、これにより、生のハーブ
の風味を良好に保持することができる。かかる成分を添
加する場合には、前記食品中に0.1〜1重量%含まれる
ようにするのが好ましい。より好ましくは、0.2〜0.5
重量%含まれるように添加する。生のハーブの風味を良
好に保持するためには、香辛料の抽出物を前記ペースト
状食品に含ませることもできる。かかる抽出物は、ロー
ズマリー、オールスパイス、セリ、コショー、ユーカリ
及びタラの実からなる群から選択された香辛料由来のも
のであるのがよく、これらを1種又はそれ以上添加して
もよい。抽出物は、該食品中に0.01〜0.1重量%ある
いは0.02〜0.06重量%含まれるように添加するのが
各々望ましい。本発明においては、このようにして調製
したハーブ含有ペースト状食品を、適宜脱気を施した
後、容器に詰めることができる。容器の形態は、特に限
定されることはなく、ペースト状食品を充填するのに適
していればよい。例えば、プラスチック製のチューブ状
容器やビンであってもよく、特に、柔軟で押出し可能な
材料からなるチューブ状容器が適する。なお、求めるペ
ースト状食品に応じて適宜変形/応用を加え得ることは
言うまでもない。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、ハーブの舌ざわりの滑
らかさが確保され、かつペースト状食品としての物性/
粘性/食味・食感の安定したハーブ含有ペースト状食品
が提供される。また、本発明のハーブ含有ペースト状食
品は、容器、例えば、チューブ状容器又は瓶容器への充
填適性に優れたものである。次に実施例により本発明を
説明する。
【0012】
【実施例】実施例1 バジルの葉11重量%、イタリアンパセリの葉5重量%
を、洗ってから水を除いて、還元水飴20重量%と混合
した後、フードカッターで磨り潰してペーストとした
(ハーブ粉砕物の大きさ:2mm)。これに、松の実6
重量%、粉末チーズ5重量%、食塩7.0重量%、にんに
く3.0重量%、フレーバー類0.15重量%、オリーブオ
イル40.35重量%、アリル芥子油0.05重量%、ロー
ズマリーエキス0.05重量%、粉末卵黄2重量%、キサ
ンタンガム0.1重量%及びアスコルビン酸ナトリウム0.
3重量%を加えた。これを、その後、ホモミキサーで混
合し、脱気して、チューブに充填して、ハーブ含有ペー
スト状食品を得た。得られたペースト状食品は、以下の
性質を有していた。 pH:5.7、Aw:0.75、油分:45%、水分:20
%、塩分7.2%、糖分14%、粘度(20℃、B型粘度
計):40,000mPa・s。 また、得られたハーブ含有ペースト状食品は、1年間室
温で保存した後に、ハーブの円やかな風味と、滑らかな
舌触りを有していた。
【0013】実施例2 ローズマリーの葉5重量%、イタリアンパセリの葉10
重量%を、洗ってから水を除いて、還元水飴22重量%
と混合した後、フードカッターで磨り潰してペーストと
した(ハーブ粉砕物の大きさ:2mm)。これに、食塩
7.5重量%、カシューナッツ5重量%、にんにく3重量
%、フレーバー類0.2重量%、オリーブオイル44.8重
量%、アリル芥子油0.05重量%、ローズマリーエキス
0.05重量%、粉末卵黄2重量%、キサンタンガム0.1
重量%及びアスコルビン酸ナトリウム0.3重量%を加え
た。これを、その後、ホモミキサーで混合し、脱気し
て、チューブに充填して、ハーブ含有ペースト状食品を
得た。得られたペースト状食品は、以下の性質を有して
いた。 pH:5.5、Aw:0.75、油分:48%、水分:20
%、塩分7.8%、糖分15.4、粘度(20℃、B型粘度
計):40,000mPa・s。 また、得られたハーブ含有ペースト状食品は、1年間室
温で保存した後に、ハーブの円やかな風味と、滑らかな
舌触りを有していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久下沼 裕 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品株式会社内 Fターム(参考) 4B016 LE04 LG16 LK01 LK06 LK07 LK09 LK13 LK15 LK17 4B036 LE02 LF03 LH09 LH11 LH13 LH26 LH34 LH39 LH41 4B041 LD01 LE10 LH16 LK03 LK09 LK18 LK25 LK32 LK37 LK38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハーブの粉砕物、油、必要により、糖及
    び塩を含有するペースト状食品であって、(1)ハーブ
    の粉砕物を乾燥重量で0.5重量%以上含み、(2)油分
    が20重量%以上であり、かつ水分が10重量%以上で
    あり、(3)卵粉、粉乳、濃縮乳及び大豆粉からなる群
    から選択された1以上の添加物を0.1〜10重量%含
    み、かつ(4)ガム類を0.001〜10重量%含むこと
    を特徴とするハーブ含有ペースト状食品。
  2. 【請求項2】 塩分が1〜10重量%であり、かつ糖分
    が5〜50重量%である請求項1記載のハーブ含有ペー
    スト状食品。
  3. 【請求項3】 水飴を7〜70重量%含む請求項2記載
    のハーブ含有ペースト状食品。
  4. 【請求項4】 Awが0.8以下である請求項1〜3のい
    ずれか1項記載のハーブ含有ペースト状食品。
  5. 【請求項5】 粘度が25,000〜65,000mPa・s(20
    ℃、B型粘度計)である請求項1〜4のいずれか1項記
    載のハーブ含有ペースト状食品。
  6. 【請求項6】 卵粉が卵黄粉であり、及び/又は粉乳が
    脱脂粉乳である請求項1記載のハーブ含有ペースト状食
    品。
  7. 【請求項7】 ガム類としてキサンタンガムを含有する
    請求項1記載のハーブ含有ペースト状食品。
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