JP2000150213A - ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法 - Google Patents

ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000150213A
JP2000150213A JP10314665A JP31466598A JP2000150213A JP 2000150213 A JP2000150213 A JP 2000150213A JP 10314665 A JP10314665 A JP 10314665A JP 31466598 A JP31466598 A JP 31466598A JP 2000150213 A JP2000150213 A JP 2000150213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
rare earth
powder
magnetic powder
alkali metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10314665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3695964B2 (ja
Inventor
Osamu Yamashita
治 山下
Akira Makita
顕 槇田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Special Metals Co Ltd filed Critical Sumitomo Special Metals Co Ltd
Priority to JP31466598A priority Critical patent/JP3695964B2/ja
Priority to US09/265,669 priority patent/US6511552B1/en
Priority to CNB031016642A priority patent/CN1242424C/zh
Priority to EP99105857A priority patent/EP0945878A1/en
Priority to CNB991073118A priority patent/CN1242426C/zh
Priority to EP06006902A priority patent/EP1737001A3/en
Priority to KR1019990009794A priority patent/KR100606156B1/ko
Publication of JP2000150213A publication Critical patent/JP2000150213A/ja
Priority to US10/256,193 priority patent/US6821357B2/en
Priority to US10/256,166 priority patent/US7025837B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3695964B2 publication Critical patent/JP3695964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/057Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
    • H01F1/0571Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes
    • H01F1/0573Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes obtained by reduction or by hydrogen decrepitation or embrittlement

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性が高く、安価に製造されるボンド磁
石用の希土類磁性粉末及びその製造方法の提供。 【解決手段】 R2TM14B(R:Yを含む希土類元
素、TM:遷移金属元素)相の界面に、アルカリ土類金
属が格子定数a=4.7〜5.7A(オングストロー
ム)の範囲で存在しR2TM14B相と整合している高保
磁力の希土類磁性粉末である。iHc=17kOe以上の高保磁
力粉末を、R2TM14B相を含むインゴットを粉砕して
アルカリ土類金属粒子と混合し熱処理することにより、
低コストで得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボンド磁石用希土
類磁性粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】保磁力の発生機構がピンニング型の希土
類磁性粉末(例:Sm2Co17)は、所定組成の溶解イ
ンゴットを粉砕するだけでボンド磁石用のSm2Co17
磁性粉末を得ることができる。一方、ニュークレーショ
ン型の希土類磁性粉末(例:Nd2Fe14B)は、基本
的に粉末粒子中の結晶粒径を単磁区粒子径以下にしなけ
れば、実用的な保磁力が発生しない。そのため、粉末粒
子中のNd2Fe14B結晶粒径が単磁区粒子径以下とな
るような製法として、超急冷法やHDDR(Hydrogenat
ion(水素化)−Decomposition(相分解)−Dehydrogenatio
n(脱水素化)−Recombination(再結合))法が採用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超急冷
法やHDDR法は、製造設備に係る投資費用が重く、ま
た製造条件が厳しくコストが高いという短所がある。
【0004】本発明の目的は、磁気特性が高く、安価に
製造されるボンド磁石用の希土類磁性粉末及びその製造
方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による希土類磁性
粉末は、R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、T
M:遷移金属元素)相の界面に、アルカリ金属が該R2
TM14B相と整合して存在している。
【0006】本発明による希土類磁性粉末の製造方法
は、R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、TM:遷
移金属元素)相を含有する磁性粒子から主としてなる粉
末にアルカリ金属を含浸する工程を有する。
【0007】なお、本明細書において、「アルカリ金属
が存在している」とは、特段のことわり書きがなく且つ
その記載の趣旨に反しない限り、アルカリ金属が単体と
して存在している場合だけでなく、合金、化合物又はこ
れらの混合形態で存在している場合も含んでいる。
【0008】本発明者らは、Nd2+xFe14B化合物
(x=0.0〜0.2)を溶解した後、そのインゴット
を所定の粒度になるように粉砕して希土類粉末を作製
し、その粉砕粉末にCa金属を粒子表面から含浸させた
場合、Nd金属を含浸させた場合よりも保磁力が大幅に
向上することを知見し、さらに研究を進めた結果、本発
明を完成するに至ったものである。
【0009】本発明によれば、従来の技術のようにニュ
ークレーション型の希土類磁性粉末を無理やり結晶粒径
を小さくしたピンニング型の希土類磁性粉末にせずに、
ニュークレーション型の特徴をそのまま生かした高保磁
力のR2TM14B系希土類磁性粉末を提供することがで
きる。加えて、本発明によれば、R2TM14B系希土類
磁性粉末の製造工程が簡素化されているため、製造コス
トが低減され、品質も安定化される。
【0010】ここで、図1、図2(A)及び図2(B)
を参照して、R2TM14Bからなる主相(強磁性相)と
粒界相(Ca金属)がその界面で整合している場合と、
整合していない場合とで、界面近傍における結晶磁気異
方性の分布の相違を説明する。図1又は図2(A)及び
図2(B)において、横軸の「最外殻」とは主相の最も
外側の原子層の位置を示し、「第2層」、「第3層」と
はそれぞれ最外殻位置から内部に向かって数えて2番
目、3番目の原子層の位置を示す。第n層とは最外殻か
らの距離が遠く、界面からの影響が無視できる位置を示
す。図1のグラフ中、縦軸は主相の一軸異方性定数K1
(結晶磁気異方性の強さを示す)の大きさを示し、K1
の値が大きいほど主相の自発磁化の向きは磁化容易軸
(c軸)の方向で安定化する。また、図1中、実施例
(本発明)は図2(A)に示すように主相と粒界相が界
面で整合している条件でのK1の計算値を示し、比較例
は図2(B)に示すように粒界相の欠落などによって界
面の不整合などがある場合のK1の計算値を示してい
る。
【0011】図1を参照して、比較例においては、界面
からの距離によって異方性定数K1の大きさが大きく変
化し、最外殻におけるK1の値が内部に比べて著しく低
下している。一方、実施例においては、界面からの距離
によってK1の大きさがあまり変化せず、むしろ最外殻
相においてK1が上昇している。従って、比較例によれ
ば、最外殻において逆磁区の核生成に要するエネルギー
が局所的に低下して核生成と磁化反転が容易になるた
め、磁石の保磁力が低下する。一方、実施例によれば、
最外殻におけるK1がむしろ内部より高いため、界面に
おける逆磁区の核生成が抑制され、その結果磁石の保磁
力が増加する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0013】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
は、その好ましい実施の形態において、R2TM14
(R:Yを含む希土類元素、TM:遷移金属元素)の界
面に、Ca金属などのアルカリ金属がR2TM14B結晶
と整合して存在している。ここで、上記アルカリ金属が
Caである場合について、粉末の保磁力が発現ないし向
上する理由を説明する。
【0014】R2TM14B結晶粒界にCa金属を拡散さ
せたR2TM14B系磁性粒子においては、R2TM14B結
晶粒子に最隣接する粒界中のCaが、R2TM14B結晶
粒子の最外接TM位置にc軸方向の結晶場を作るように
イオン化して配置されていると考えられる。このような
特定配置によって、R2TM14B結晶粒子の最外接TM
はc軸方向の結晶場を感じ、この結果、このTMサイト
からの逆磁区の発生が防止され、保磁力が発現する。
【0015】上記Rとして代表的にはNdである。とこ
ろで、Nd2TM14B系焼結磁石において、Nd2TM14
B結晶粒子の周りに存在するNdは、fcc(面心立方
構造)構造をとり、その格子定数は5.2A(オングス
トローム)である。本発明において、含浸する金属は、
このNdの結晶構造と近い結晶構造を有し、このNdの
格子定数に近い格子定数をもったものが好ましい。この
ような好ましい金属として、上記のCa(fcc、a=
5.582A)等の金属、あるいは、アルカリ金属同
士、または他属の金属を混合した合金(Ca−Al
等)、さらには、それらの化合物(CaF2,CaO・
SrO,BaO等)がある。例えば、Sr(a=6.0
85A)と、Ba(a=5.025A)を所定比率で合
金化して、好ましい結晶構造及び格子定数を得ることが
できる。アルカリ金属としては、上記のCa、…等のメ
タル、Sr−Ba等の合金の他に、CaF2、CaO等
の化合物が用いられる。
【0016】このように、R2TM14B相との界面にお
いてR2TM14B相と整合する相が立方晶系の構造をと
り、特に格子定数a=4.7〜5.7A(オングストロ
ーム)の範囲で存在することが好ましい。バルク化され
たR2TM14B系のボンド磁石又は焼結磁石などにおい
ても同様である。
【0017】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
の好ましい実施の形態においては、アルカリ金属がR2
TM14B相との界面において立方晶系の構造をとり格子
定数a=4.7〜5.7A(オングストローム)の範囲
で存在する。上記アルカリ金属は、上記粉末中に好まし
くは単体、アルカリ金属同士又はそれ以外との合金、又
は化合物、或いはこれらが混合した形態で存在する。
【0018】界面の整合性の効果を得るには、R2TM
14B相(以下、これを「主相」という)の界面近傍のた
かだか数原子層の範囲でCa金属などのアルカリ金属
(以下、これを「粒界相」という)結晶構造が立方晶系
構造になっていればよい。立方晶系構造としては、面心
立方構造、ホタル石型構造、NaCl型構造等があげら
れ、特に、Ndの結晶構造と同様の面心立方構造は好ま
しい。また、主相は一般に粒界相よりも早く形成されて
おり、主相を構成する結晶粒は単結晶になっているた
め、主相と粒界相が整合していることにより、結晶粒内
部から外殻に至るまで結晶粒内の結晶磁気異方性が高く
なり、高保磁力が得られる。
【0019】上記の主相と粒界相の界面における原子同
士の位置関係をさらに理想的に制御するには、主相と粒
界相の結晶学的方位関係を特定すればよい。ここで、記
号[hkl]はミラー指数がh、k、lで表される結晶面に垂直
な法線の方向を表す。また、記号[hkl]の添字「主相」
又は「粒界相」とは、それぞれの方向が主相、または粒
界相のものであることを示す。例えば、記号[001]主相
は主相であるR2TM14B相のc軸の方向を表してい
る。一組の方向の間に記された記号「//」は、これらの
方向が互いに平行であることを示す。
【0020】次に、記号(hkl)はミラー指数がh、k、lで
表される結晶面を表し、添字で記された「主相」、「粒
界相」と、記号「//」の意味するところは方向の場合と
同じである。ここで、同一の相についての方向と結晶面
の表記においては、用いられるミラー指数は一般化され
た指数ではなく、特定の結晶方向、ないし結晶面を示し
ている。
【0021】例えば、下記に示すミラー指数は粒界相の
固定されたx、y、z座標に基づいた指数であり、いいか
えれば(221)面と(212)面は厳密に区別される。このよう
な表記方法によって、主相と粒界相の空間的な方位関係
は厳密に規定される。
【0022】
【化1】
【0023】界面における特定の結晶方位関係が磁石の
磁気特性を向上させる理由は以下の通りである。すなわ
ち、主相の界面近傍では、主相の結晶磁気異方性を決め
ているR原子の周囲の結晶場が、隣接する粒界相の原子
配列の影響を受けて変化する。粒界相の結晶方位が主相
に対して、下記の(A)〜(E)の関係を有する場合、粒界相
のCa金属と、主相中のR原子とが上記の結晶場の異方
性を強める位置関係にあるため、主相の界面近傍での結
晶磁気異方性が高まる。その結果、粒界近傍での逆磁区
発生が困難となり、容易に磁化反転することができない
ため保磁力が向上すると考えられる。
【0024】
【化2】
【0025】上記の説明において、主相中のR原子の結
晶場に影響を与える粒界相の原子は、主相に隣接する界
面の近傍の原子に限られる。したがって、本発明におい
て、粒界相の結晶構造(上記の主相)と粒界相の方位関
係は両相の界面の近傍のたかだか数原子層の範囲で成立
していればよい。
【0026】この際に、主相と粒界相の成分元素、ある
いは組成の違いによって両相の格子定数の比率が異なる
ために、結晶方位が若干ずれることもある。しかし、こ
のずれの角度はたかだか5°以内であるため、たとえず
れたとしても主相中のR原子の結晶場に与える影響は少
なく、所期の効果を発現することができる。
【0027】本発明において、Caなどのアルカリ金属
以外に、粒界相として好ましい金属、合金、または化合
物は、室温よりも高く、かつ、主相の融点、または分解
速度よりも低い融点、または分解温度を有し、熱処理に
よって主相の周りに拡散させることが容易なものであ
る。また、粒界相を構成する原子は主相の最外殻原子に
対して陽イオンとしてふるまい、主相の結晶磁気異方性
を高めるものが好ましい。特に、少なくとも強磁性粒子
に隣接する粒界相部分に陽イオン源を含む結晶を析出
し、強磁性相に隣接する粒界相の結晶構造において、強
磁性粒子の最外殻に位置する希土類元素イオンの4f電子
雲が伸びている方向に陽イオンを位置させることが好ま
しい。上記の条件を満たす金属を、アルカリ金属を含め
て例示すれば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、すべて
の遷移金属元素(Zn、Cdを含む)、Al、Ga、I
n、Tl、Sn、Pbの一種以上などである。また、B
e、Mg、Al、Si、P、Ca、Sc、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、S
r、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Ba、H
f、Ta、Ir、Pbの一種以上である。また、これら
の金属同士の合金、または金属間化合物あるいはそれら
の化合物も粒界相となり得るが、以上に挙げた例は本発
明の適用範囲を限定するものではない。
【0028】[微量添加元素の範囲]本発明において、
主相と粒界相との整合性を高めるためないし磁気特性を
高めるために、主として金属元素又は半金属元素を微量
に添加することは好ましい実施形態である。上記の微量
添加元素は、粒界相に濃縮偏在して界面の濡れ性を高め
たり、あるいは界面の不整合な位置に拡散して粒界相の
格子定数を調整して界面エネルギーを下げ、界面の整合
性を高める効果があり、その結果として磁石の保磁力が
向上する。
【0029】上記の働きをする微量添加元素としては、
粒界相中に固溶しうる元素が好ましく、例えば、C、
N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、これ
ら以外の上述の金属元素などがあるが、以上に挙げた例
は本発明の適用範囲を限定するものではない。上記の目
的で添加する元素の添加量は、磁石全体に対する割合で
1.0wt%以下で良好な磁石の残留磁束密度が得られ、
0.05wt%以上で所定の効果が得られるので、添加量
の範囲は0.05〜1.0wt%が好ましい。より好まし
い範囲は0.1〜0.5wt%である。微量添加元素の添
加方法は、母合金に初めから含有させる、粉末冶金的手
法で後から添加するなど、磁石の製造方法に応じて適宜
選択できる。また、上記微量元素などが主相(強磁性
相)に侵入し又は主相を構成する元素を置換してもよ
い。
【0030】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
は、その好ましい実施形態において、1つのR2TM14
B結晶を含む粒子にCaを含浸させ、このR2TM14
結晶の周囲の少なくとも一部、好ましくは全周がCaを
含む粒界相で覆われたものである。
【0031】あるいは、複数のR2TM14B結晶を含む
粒子(R2TM14B多結晶粒子)にCaを含浸させるこ
とにより、多結晶の粒界にCaを拡散させ、各R2TM
14B結晶の周囲の少なくとも一部、好ましくは全周がC
aを含む粒界相で覆われたものである。図3は、多結晶
粉末(後者)の場合の結晶組織を説明するための図であ
る。
【0032】R2TM14B結晶の界面が十分に覆われ、
保磁力が向上された粉末を、R2TM 14B(R:Yを含
む希土類元素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁性
粒子100重量部当たり、好ましくは0.5〜7重量部
の前記アルカリ金属を含浸することにより得ることがで
きる。さらに好ましくは、1〜7重量部の前記アルカリ
金属を含浸する。
【0033】本発明によれば、R2TM14B(R:Yを
含む希土類元素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁
性粒子から主としてなる粉末に、アルカリ金属を含浸す
ることにより、17kOe以上、さらには20kOe以
上の保磁力(iHc)を有するボンド用希土類磁性粉末を
得ることができる。
【0034】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
においては、R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
TM:遷移金属元素)相の他に、B−rich相、R−
rich相が含まれていてもよい。また、R−TM−O
相、R3TM相が共存していてもよい。特に、R−TM
−O相がR2Fe14B相に整合して共存していることが
好ましい。R−(Fe,Co)−B相が存在する場合、
3TM相がR−(Fe,Co)−B相に整合して共存
していることが好ましい。
【0035】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
の製造方法は、その好ましい実施形態において、下記の
工程を含む。
【0036】(1) 所定成分の原料からインゴットを
溶製する。 (2) インゴットを粉砕して、原料粉末(含浸前粉
末)を得る。 (3) 上記(2)の粉末に、Caなどのアルカリ金属
を含浸し、R2TM14B相とアルカリ金属が整合した粉
末を得る。
【0037】さらに、上記(3)の粉末を用いて、下記
の工程からボンド磁石を製造することができる。
【0038】(4) 上記(3)の粉末に、ボンド、助
剤を添加し、混練する。 (5) 混練物をプレス成形する。 (6) 成形体を加熱硬化する。 (7) 硬化体の表面をコーティングをする。
【0039】本発明によれば、原料粉末(含浸前粉末)
として、低コストの鋳造法によって得られるインゴット
を粉砕したもの(鋳造インゴット粉砕粉末)を用いて
も、高保磁力の磁性粉末(含浸粉末)を得ることができ
る。他に、原料粉末(含浸前粉末)として、溶湯急冷法
による薄板粉砕粉末、超急冷法、直接還元拡散法、HDDR
法(水素含有崩壊法)、アトマイズ法などの公知の方法
によって得られた粉末の一種又は二種以上を選択して用
いることができる。
【0040】次に、好ましい出発原料(原料粉末又はそ
の母合金、或いは母合金の原料組成)の組成を説明す
る。
【0041】R中、NdとPrの合計を50at%以上と
することにより、得られる磁石の保磁力と残留磁化が向
上するので好ましい。また、保磁力を向上させるために
Ndの一部をDyやTbで置換することも好ましい。T
Mは、特にFe又はCoが好ましい。TM中のFeが5
0at%以上で保磁力と残留磁化が向上するので好まし
い。この他、さまざまな目的で上記以外の添加元素を添
加することも可能である。
【0042】R2TM14B相を構成するR、TM及びB
に係る好ましい組成について説明する。好ましくは、組
成範囲をR:8〜30at%、B:2〜40at%、残部主とし
てTMとする。また、好ましくは、組成範囲をR:8〜
30at%、B:2〜40at%、Fe:40〜90at%、Co:
50at%以下とする。さらに、好ましくは組成範囲をR:1
1〜50at%、B:5〜40at%、残部主としてTMとす
る。より好ましくは、組成範囲をR:12〜16at%、
B:6.5〜9at%、残部主としてTMとする。一層好ま
しくは、組成範囲をR:12〜14at%、B:7〜8at%、
残部主としてTMとする。また、用いる原料は必ずしも
単一の所要組成からなる必要はなく、異なる組成の合金
を粉砕した後、混合し所要組成に調整して用いることも
できる。
【0043】また、主相において、Bの一部ないし大部
分がC,Si,Pなどのいわゆる半金族元素で置換され
るように、これらの半金属元素を添加してもよい。例え
ば、BをCで置換する場合、B1-xx;但し好ましくは
xは少なくとも0.8まで可である。
【0044】次に、原料粉末(含浸前粉末)に対する、
Ca金属などのアルカリ金属の好ましい含浸量(添加
量)を説明する。好ましくは、R−TM−B(R:Yを
含む希土類元素、但し0<x≦0.3、TM:遷移金属
元素)100重量部当たり、アルカリ金属0.5〜7
(さらに好ましくは1〜5)重量部を含浸する。この実
施の形態によれば、安価なアルカリ金属の添加によっ
て、高価な希土類の使用量を制限しても、高い保磁力を
得ることができる。
【0045】Ca金属などのアルカリ金属の含浸方法と
して、好ましくは、R2TM14B(R:Yを含む希土類
元素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子から
主としてなる粉末にアルカリ金属粉末を添加し、混合
し、R2TM14Bの融点以下の温度で熱処理してアルカ
リ金属をR2TM14B相の界面に沿って拡散させる。
【0046】上記実施の形態において、磁性粒子から主
としてなる粉末の平均粒度が3〜400μmの範囲、一
方アルカリ金属粉末の平均粒度が0.5〜3mm、さら
には1〜3mmの範囲とすることが好ましい。これによ
って、R2TM14B相の界面が十分な面積でアルカリ金
属と整合する。
【0047】また別に、希土類磁性粉末にCa等のアル
カリ金属を粒子表面から含浸させる方法としては、真空
蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティング
法、CVD法、PVD法などの気相成膜法によって、磁
性粒粒子表面にCaなどアルカリ金属を付着させた後、
不活性ガス雰囲気中もしくは真空中で熱処理することに
より磁性粉末内部まで上記Caなどが粒界に沿って拡散
浸透すると同時に、粒子表面上でも磁性原子と整合する
(完全に結合する)。
【0048】上記熱処理の温度は、R2Fe14B相が溶
けない温度(R=Ndの場合は<1200℃)で、しか
もCa金属が十分に拡散する(溶けるかもしくは蒸発す
る)温度が好ましい。すなわちCa金属の融点は851
℃であるため、熱処理温度としては、600〜800℃
が好ましい。
【0049】Ca金属がR2Fe14B相の界面におい
て、面心立方構造をとるためには、熱処理後の冷却速度
を10〜200℃/minの範囲内とすることが好ましい。
このように冷却に十分時間をかけることにより、Ca金
属を含む液相状の粒界相が過冷却にならずに、冷却時に
規則正しい結晶構造をとることが可能になる。粒界相が
非晶質ではなく面心立方構造をとることにより、主相と
粒界相の界面における原子同士の位置関係が規則正しく
なり、両者の整合性が保たれる結果、界面が逆磁区発生
の起点となる可能性が減少し、高保磁力が実現する。よ
り好ましい焼結後の冷却速度の範囲は20〜100℃/m
inである。
【0050】またCa等のアルカリ金属は、非常に酸化
しやすいために該金属を磁性粉末粒子に付着、含浸させ
た後は樹脂コーティングあるいはメッキコーティングさ
らにTiNコーティングを行い、防錆処理を施すことが
好ましい。
【0051】Ca等のアルカリ金属は比較的融点(85
1℃)が低いため、Ca等が含浸されている本発明によ
る希土類磁性粉末をバルク化するには、ボンドを用いる
ことが好ましい。
【0052】ボンド磁石の成形工程としては、圧縮成
形、押出成形、射出成形、圧延成形など、公知の工程を
用いることができる。また、ボンドしては、例えば、エ
ポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ゴムなどの種々の材料を用
いることができる。
【0053】得られたボンド磁石を、必要に応じて、洗
浄、面取り、電解メッキ、無電解メッキ、電着塗装、樹
脂塗装などの表面処理を施し、着磁をして永久磁石とし
て用いることができる。
【0054】また、本発明による希土類磁性粉末を金型
中に給粉し、磁界中で配向しながら圧縮成形してもよ
い。この際に、例えば特開平8-20801号公報に開示され
ているように、合金粉末の流動性を高めて給粉を容易に
する目的で合金粉末にバインダーを添加してスプレー造
粒を行うことも好ましい。あるいは、特開平6-77028号
公報に開示されているように、合金粉末にバインダーを
加えて金属射出成形法によって複雑形状品の成形を行う
ことも可能である。
【0055】本発明によるR2TM14B系磁性粒子から
主としてなる粉末へCa金属等を含浸する技術は、R2
TM14B系の薄膜磁石の保磁力向上の手段としても利用
できる。例えば、真空蒸着法やスパッターリング法によ
って作製したNd2Fe14B系の薄膜磁石の上にCaな
どのアルカリ金属を付着させて磁気特性を一段と向上さ
せることもできる。
【0056】なお、本明細書において、数値範囲に関す
る記載は、その上下限値のみならず、その数値範囲に含
まれる任意の中間値を含むものとする。
【0057】
【実施例】以上説明した本発明の実施の形態をさらに明
確化するために、本発明の一実施例を説明する。
【0058】[実施例1]表1に示す成分からなる原料
をArガス雰囲気中で高周波溶解してインゴットを作製
した。このインゴットを粗粉砕、さらにジェットミル粉
砕して表2に示す平均粒径まで粉砕した。各粒度の磁性
粉末100重量部に顆粒状(〜1mm)のCa金属を4
重量部添加して混合した後、真空中で表4に示す温度で
2時間熱処理した。
【0059】得られた磁性粉末の残留酸素量と磁気特性
を表3に示す。比較のため、下記の超急冷法によって得
られた粉末(商品名「MQP」、米MQI社製)と、下
記のHDDR法によって得られた粉末の組成を表3に、
製造条件と、得られた粉末の残留酸素量及び磁気特性を
合わせて表4に示す。
【0060】[比較例:超急冷法]下記の表3に示す組
成のインゴットを石英管ノズル内においてArガス中で
高周波溶解した後、Cu製の回転ロール上に溶湯を噴射
して超急冷リボンを得、得られたリボンを平均粒径25
0μmに粉砕した後、Arガス中で650℃、15分の
熱処理をした。
【0061】[比較例:HDDR法]下記の表3に示す
組成のインゴットを水素中で800℃、2時間、水素化
処理した後、続いて真空中で800℃、1時間、脱水素
処理し、得られた磁石粉末を平均粒径400μmに粉砕
した。
【0062】
【表1】インゴットの原料組成
【0063】
【表2】磁性粉末の平均粒径
【0064】
【表3】超急冷法、HDDR法による粉末の組成(wt
%)
【0065】
【表4】製造条件と磁気特性
【0066】表4に示したように、実施例1に係る方法
によれば、比較例である超急冷法、HDDR法によって
得られる粉末と比較しても、同等以上の粉末が得られ
た。実施例1に係る方法は、超急冷法及びHDDR法と
比べて、工数が少なく低コストであるから、実施例1の
方法によって得られた粉末は工業上きわめて有用であ
る。また、実施例1においては、平均粒度が小さい方
が、高い磁気特性が得られた。サンプルNo.9のよう
に、結晶粒径(平均粒度)が400μmを超える場合に
は、Caが結晶粒界に沿って含浸していくことが困難と
なり、保磁力が比較的小さくなると考えられる。
【0067】[実施例2]実施例1の各平均粒径の磁性
粉末にCa金属を5μmの膜厚になるように真空蒸着し
た後、真空中で表5に示す温度で2時間熱処理した。製
造条件と得られた磁性粉末の残留酸素量及び磁気特性を
表5に示す。
【0068】
【表5】製造条件と磁気特性
【0069】表5に示したように、真空蒸着法のような
気相成膜法によっても、高保磁力の粉末が得られた。
【0070】[実施例3]実施例1の平均粒径が4.1
μmのインゴットNo.2の粉砕粉100重量部に、表
6に示す含浸物質を4重量部添加して混合した後、真空
中で表6に示す温度で2時間熱処理した。得られた磁性
粉末の磁気特性を表6に示す。表6に示したように、実
施例3に係る方法によればアルカリ金属として合金や化
合物を用いた場合においてもすぐれた磁気特性を有する
磁性粉末が得られた。
【0071】
【表6】
【0072】
【発明の効果】本発明によって得られるボンド磁石用希
土類磁性粉末は、従来の超急冷法、HDDR法によって
得られる粉末と比較しても、磁気特性にすぐれ、かつ、
比較的簡単な製造方法で製造できる。このため、本発明
の粉末を用いることにより、希土類ボンド磁石の製造コ
ストを低減でき、安価で磁気特性の高い希土類ボンド磁
石を提供することが可能である。本発明の粉末は、特に
高保磁力材用の磁性粉末として有用となるものである。
また、今後磁石寸法の小型化が一層要求される中で、本
発明は、超小型のNd2Fe14B系磁石の保磁力向上に
も大いに役立つ技術を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面からの距離と結晶磁気異方性の関係を説明
するための図であって、白丸が実施例の一軸異方性定数
1、黒丸が比較例の一軸異方性定数K1を示す。
【図2】(A)は主相と粒界相が整合している様子を示
すモデル図、(B)は主相と粒界相の界面が整合してい
ない様子を示すモデル図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るボンド磁石用希土類
磁性粉末(R2TM14B多結晶粉末)の結晶組織を説明
するための図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月16日(1999.7.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ボンド磁石用希土類磁性粉末
及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボンド磁石用希土
類磁性粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】保磁力の発生機構がピンニング型の希土
類磁性粉末(例:Sm2Co17)は、所定組成の溶解イ
ンゴットを粉砕するだけでボンド磁石用のSm2Co17
磁性粉末を得ることができる。一方、ニュークレーショ
ン型の希土類磁性粉末(例:Nd2Fe14B)は、基本
的に粉末粒子中の結晶粒径を単磁区粒子径以下にしなけ
れば、実用的な保磁力が発生しない。そのため、粉末粒
子中のNd2Fe14B結晶粒径が単磁区粒子径以下とな
るような製法として、超急冷法やHDDR(Hydrogenat
ion(水素化)−Decomposition(相分解)−Dehydrogenatio
n(脱水素化)−Recombination(再結合))法が採用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、超急冷
法やHDDR法は、製造設備に係る投資費用が重く、ま
た製造条件が厳しくコストが高いという短所がある。
【0004】本発明の目的は、磁気特性が高く、安価に
製造されるボンド磁石用の希土類磁性粉末及びその製造
方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による希土類磁性
粉末は、R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、T
M:遷移金属元素)相の界面に、アルカリ土類金属が該
2TM14B相と整合して存在している。
【0006】本発明による希土類磁性粉末の製造方法
は、R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、TM:遷
移金属元素)相を含有する磁性粒子から主としてなる粉
末にアルカリ土類金属を含浸する工程を有する。
【0007】なお、本明細書において、「アルカリ土類
金属が存在している」とは、特段のことわり書きがなく
且つその記載の趣旨に反しない限り、アルカリ土類金属
が単体として存在している場合だけでなく、合金、化合
物又はこれらの混合形態で存在している場合も含んでい
る。
【0008】本発明者らは、Nd2+xFe14B化合物
(x=0.0〜0.2)を溶解した後、そのインゴット
を所定の粒度になるように粉砕して希土類粉末を作製
し、その粉砕粉末にCa金属を粒子表面から含浸させた
場合、Nd金属を含浸させた場合よりも保磁力が大幅に
向上することを知見し、さらに研究を進めた結果、本発
明を完成するに至ったものである。
【0009】本発明によれば、従来の技術のようにニュ
ークレーション型の希土類磁性粉末を無理やり結晶粒径
を小さくしたピンニング型の希土類磁性粉末にせずに、
ニュークレーション型の特徴をそのまま生かした高保磁
力のR2TM14B系希土類磁性粉末を提供することがで
きる。加えて、本発明によれば、R2TM14B系希土類
磁性粉末の製造工程が簡素化されているため、製造コス
トが低減され、品質も安定化される。
【0010】ここで、図1、図2(A)及び図2(B)
を参照して、R2TM14Bからなる主相(強磁性相)と
粒界相(Ca金属)がその界面で整合している場合と、
整合していない場合とで、界面近傍における結晶磁気異
方性の分布の相違を説明する。図1又は図2(A)及び
図2(B)において、横軸の「最外殻」とは主相の最も
外側の原子層の位置を示し、「第2層」、「第3層」と
はそれぞれ最外殻位置から内部に向かって数えて2番
目、3番目の原子層の位置を示す。第n層とは最外殻か
らの距離が遠く、界面からの影響が無視できる位置を示
す。図1のグラフ中、縦軸は主相の一軸異方性定数K1
(結晶磁気異方性の強さを示す)の大きさを示し、K1
の値が大きいほど主相の自発磁化の向きは磁化容易軸
(c軸)の方向で安定化する。また、図1中、実施例
(本発明)は図2(A)に示すように主相と粒界相が界
面で整合している条件でのK1の計算値を示し、比較例
は図2(B)に示すように粒界相の欠落などによって界
面の不整合などがある場合のK1の計算値を示してい
る。
【0011】図1を参照して、比較例においては、界面
からの距離によって異方性定数K1の大きさが大きく変
化し、最外殻におけるK1の値が内部に比べて著しく低
下している。一方、実施例においては、界面からの距離
によってK1の大きさがあまり変化せず、むしろ最外殻
相においてK1が上昇している。従って、比較例によれ
ば、最外殻において逆磁区の核生成に要するエネルギー
が局所的に低下して核生成と磁化反転が容易になるた
め、磁石の保磁力が低下する。一方、実施例によれば、
最外殻におけるK1がむしろ内部より高いため、界面に
おける逆磁区の核生成が抑制され、その結果磁石の保磁
力が増加する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0013】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
は、その好ましい実施の形態において、R2TM14
(R:Yを含む希土類元素、TM:遷移金属元素)の界
面に、Ca金属などのアルカリ土類金属がR2TM14
結晶と整合して存在している。ここで、上記アルカリ土
類金属がCaである場合について、粉末の保磁力が発現
ないし向上する理由を説明する。
【0014】R2TM14B結晶粒界にCa金属を拡散さ
せたR2TM14B系磁性粒子においては、R2TM14B結
晶粒子に最隣接する粒界中のCaが、R2TM14B結晶
粒子の最外接TM位置にc軸方向の結晶場を作るように
イオン化して配置されていると考えられる。このような
特定配置によって、R2TM14B結晶粒子の最外接TM
はc軸方向の結晶場を感じ、この結果、このTMサイト
からの逆磁区の発生が防止され、保磁力が発現する。
【0015】上記Rとして代表的にはNdである。とこ
ろで、Nd2TM14B系焼結磁石において、Nd2TM14
B結晶粒子の周りに存在するNdは、fcc(面心立方
構造)構造をとり、その格子定数は5.2A(オングス
トローム)である。本発明において、含浸する金属は、
このNdの結晶構造と近い結晶構造を有し、このNdの
格子定数に近い格子定数をもったものが好ましい。この
ような好ましい金属として、上記のCa(fcc、a=
5.582A)等の金属、あるいは、アルカリ土類金属
同士、または他属の金属を混合した合金(Ca−Al
等)、さらには、それらの化合物(CaF2,CaO・
SrO,BaO等)がある。例えば、Sr(a=6.0
85A)と、Ba(a=5.025A)を所定比率で合
金化して、好ましい結晶構造及び格子定数を得ることが
できる。アルカリ土類金属としては、上記のCa、…等
のメタル、Sr−Ba等の合金の他に、CaF2、Ca
O等の化合物が用いられる。
【0016】このように、R2TM14B相との界面にお
いてR2TM14B相と整合する相が立方晶系の構造をと
り、特に格子定数a=4.7〜5.7A(オングストロ
ーム)の範囲で存在することが好ましい。バルク化され
たR2TM14B系のボンド磁石又は焼結磁石などにおい
ても同様である。
【0017】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
の好ましい実施の形態においては、アルカリ土類金属が
2TM14B相との界面において立方晶系の構造をとり
格子定数a=4.7〜5.7A(オングストローム)の
範囲で存在する。上記アルカリ土類金属は、上記粉末中
に好ましくは単体、アルカリ土類金属同士又はそれ以外
との合金、又は化合物、或いはこれらが混合した形態で
存在する。
【0018】界面の整合性の効果を得るには、R2TM
14B相(以下、これを「主相」という)の界面近傍のた
かだか数原子層の範囲でCa金属などのアルカリ土類金
属(以下、これを「粒界相」という)結晶構造が立方晶
系構造になっていればよい。立方晶系構造としては、面
心立方構造、ホタル石型構造、NaCl型構造等があげ
られ、特に、Ndの結晶構造と同様の面心立方構造は好
ましい。また、主相は一般に粒界相よりも早く形成され
ており、主相を構成する結晶粒は単結晶になっているた
め、主相と粒界相が整合していることにより、結晶粒内
部から外殻に至るまで結晶粒内の結晶磁気異方性が高く
なり、高保磁力が得られる。
【0019】上記の主相と粒界相の界面における原子同
士の位置関係をさらに理想的に制御するには、主相と粒
界相の結晶学的方位関係を特定すればよい。ここで、記
号[hkl]はミラー指数がh、k、lで表される結晶面に垂直
な法線の方向を表す。また、記号[hkl]の添字「主相」
又は「粒界相」とは、それぞれの方向が主相、または粒
界相のものであることを示す。例えば、記号[001]主相
は主相であるR2TM14B相のc軸の方向を表してい
る。一組の方向の間に記された記号「//」は、これらの
方向が互いに平行であることを示す。
【0020】次に、記号(hkl)はミラー指数がh、k、lで
表される結晶面を表し、添字で記された「主相」、「粒
界相」と、記号「//」の意味するところは方向の場合と
同じである。ここで、同一の相についての方向と結晶面
の表記においては、用いられるミラー指数は一般化され
た指数ではなく、特定の結晶方向、ないし結晶面を示し
ている。
【0021】例えば、下記に示すミラー指数は粒界相の
固定されたx、y、z座標に基づいた指数であり、いいか
えれば(221)面と(212)面は厳密に区別される。このよう
な表記方法によって、主相と粒界相の空間的な方位関係
は厳密に規定される。
【0022】
【化1】
【0023】界面における特定の結晶方位関係が磁石の
磁気特性を向上させる理由は以下の通りである。すなわ
ち、主相の界面近傍では、主相の結晶磁気異方性を決め
ているR原子の周囲の結晶場が、隣接する粒界相の原子
配列の影響を受けて変化する。粒界相の結晶方位が主相
に対して、下記の(A)〜(E)の関係を有する場合、粒界相
のCa金属と、主相中のR原子とが上記の結晶場の異方
性を強める位置関係にあるため、主相の界面近傍での結
晶磁気異方性が高まる。その結果、粒界近傍での逆磁区
発生が困難となり、容易に磁化反転することができない
ため保磁力が向上すると考えられる。
【0024】
【化2】
【0025】上記の説明において、主相中のR原子の結
晶場に影響を与える粒界相の原子は、主相に隣接する界
面の近傍の原子に限られる。したがって、本発明におい
て、粒界相の結晶構造(上記の主相)と粒界相の方位関
係は両相の界面の近傍のたかだか数原子層の範囲で成立
していればよい。
【0026】この際に、主相と粒界相の成分元素、ある
いは組成の違いによって両相の格子定数の比率が異なる
ために、結晶方位が若干ずれることもある。しかし、こ
のずれの角度はたかだか5°以内であるため、たとえず
れたとしても主相中のR原子の結晶場に与える影響は少
なく、所期の効果を発現することができる。
【0027】本発明において、Caなどのアルカリ土類
金属以外に、粒界相として好ましい金属、合金、または
化合物は、室温よりも高く、かつ、主相の融点、または
分解速度よりも低い融点、または分解温度を有し、熱処
理によって主相の周りに拡散させることが容易なもので
ある。また、粒界相を構成する原子は主相の最外殻原子
に対して陽イオンとしてふるまい、主相の結晶磁気異方
性を高めるものが好ましい。特に、少なくとも強磁性粒
子に隣接する粒界相部分に陽イオン源を含む結晶を析出
し、強磁性相に隣接する粒界相の結晶構造において、強
磁性粒子の最外殻に位置する希土類元素イオンの4f電子
雲が伸びている方向に陽イオンを位置させることが好ま
しい。上記の条件を満たす金属を、アルカリ土類金属を
含めて例示すれば、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、す
べての遷移金属元素(Zn、Cdを含む)、Al、G
a、In、Tl、Sn、Pbの一種以上などである。ま
た、Be、Mg、Al、Si、P、Ca、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Sr、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、B
a、Hf、Ta、Ir、Pbの一種以上である。また、
これらの金属同士の合金、または金属間化合物あるいは
それらの化合物も粒界相となり得るが、以上に挙げた例
は本発明の適用範囲を限定するものではない。
【0028】[微量添加元素の範囲]本発明において、
主相と粒界相との整合性を高めるためないし磁気特性を
高めるために、主として金属元素又は半金属元素を微量
に添加することは好ましい実施形態である。上記の微量
添加元素は、粒界相に濃縮偏在して界面の濡れ性を高め
たり、あるいは界面の不整合な位置に拡散して粒界相の
格子定数を調整して界面エネルギーを下げ、界面の整合
性を高める効果があり、その結果として磁石の保磁力が
向上する。
【0029】上記の働きをする微量添加元素としては、
粒界相中に固溶しうる元素が好ましく、例えば、C、
N、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、これ
ら以外の上述の金属元素などがあるが、以上に挙げた例
は本発明の適用範囲を限定するものではない。上記の目
的で添加する元素の添加量は、磁石全体に対する割合で
1.0wt%以下で良好な磁石の残留磁束密度が得られ、
0.05wt%以上で所定の効果が得られるので、添加量
の範囲は0.05〜1.0wt%が好ましい。より好まし
い範囲は0.1〜0.5wt%である。微量添加元素の添
加方法は、母合金に初めから含有させる、粉末冶金的手
法で後から添加するなど、磁石の製造方法に応じて適宜
選択できる。また、上記微量元素などが主相(強磁性
相)に侵入し又は主相を構成する元素を置換してもよ
い。
【0030】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
は、その好ましい実施形態において、1つのR2TM14
B結晶を含む粒子にCaを含浸させ、このR2TM14
結晶の周囲の少なくとも一部、好ましくは全周がCaを
含む粒界相で覆われたものである。
【0031】あるいは、複数のR2TM14B結晶を含む
粒子(R2TM14B多結晶粒子)にCaを含浸させるこ
とにより、多結晶の粒界にCaを拡散させ、各R2TM
14B結晶の周囲の少なくとも一部、好ましくは全周がC
aを含む粒界相で覆われたものである。図3は、多結晶
粉末(後者)の場合の結晶組織を説明するための図であ
る。
【0032】R2TM14B結晶の界面が十分に覆われ、
保磁力が向上された粉末を、R2TM 14B(R:Yを含
む希土類元素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁性
粒子100重量部当たり、好ましくは0.5〜7重量部
の前記アルカリ土類金属を含浸することにより得ること
ができる。さらに好ましくは、1〜7重量部の前記アル
カリ土類金属を含浸する。
【0033】本発明によれば、R2TM14B(R:Yを
含む希土類元素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁
性粒子から主としてなる粉末に、アルカリ土類金属を含
浸することにより、17kOe以上、さらには20kO
e以上の保磁力(iHc)を有するボンド用希土類磁性粉
末を得ることができる。
【0034】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
においては、R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
TM:遷移金属元素)相の他に、B−rich相、R−
rich相が含まれていてもよい。また、R−TM−O
相、R3TM相が共存していてもよい。特に、R−TM
−O相がR2Fe14B相に整合して共存していることが
好ましい。R−(Fe,Co)−B相が存在する場合、
3TM相がR−(Fe,Co)−B相に整合して共存
していることが好ましい。
【0035】本発明によるボンド磁石用希土類磁性粉末
の製造方法は、その好ましい実施形態において、下記の
工程を含む。
【0036】(1) 所定成分の原料からインゴットを
溶製する。 (2) インゴットを粉砕して、原料粉末(含浸前粉
末)を得る。 (3) 上記(2)の粉末に、Caなどのアルカリ土類
金属を含浸し、R2TM1 4B相とアルカリ土類金属が整
合した粉末を得る。
【0037】さらに、上記(3)の粉末を用いて、下記
の工程からボンド磁石を製造することができる。
【0038】(4) 上記(3)の粉末に、ボンド、助
剤を添加し、混練する。 (5) 混練物をプレス成形する。 (6) 成形体を加熱硬化する。 (7) 硬化体の表面をコーティングをする。
【0039】本発明によれば、原料粉末(含浸前粉末)
として、低コストの鋳造法によって得られるインゴット
を粉砕したもの(鋳造インゴット粉砕粉末)を用いて
も、高保磁力の磁性粉末(含浸粉末)を得ることができ
る。他に、原料粉末(含浸前粉末)として、溶湯急冷法
による薄板粉砕粉末、超急冷法、直接還元拡散法、HDDR
法(水素含有崩壊法)、アトマイズ法などの公知の方法
によって得られた粉末の一種又は二種以上を選択して用
いることができる。
【0040】次に、好ましい出発原料(原料粉末又はそ
の母合金、或いは母合金の原料組成)の組成を説明す
る。
【0041】R中、NdとPrの合計を50at%以上と
することにより、得られる磁石の保磁力と残留磁化が向
上するので好ましい。また、保磁力を向上させるために
Ndの一部をDyやTbで置換することも好ましい。T
Mは、特にFe又はCoが好ましい。TM中のFeが5
0at%以上で保磁力と残留磁化が向上するので好まし
い。この他、さまざまな目的で上記以外の添加元素を添
加することも可能である。
【0042】R2TM14B相を構成するR、TM及びB
に係る好ましい組成について説明する。好ましくは、組
成範囲をR:8〜30at%、B:2〜40at%、残部主とし
てTMとする。また、好ましくは、組成範囲をR:8〜
30at%、B:2〜40at%、Fe:40〜90at%、Co:
50at%以下とする。さらに、好ましくは組成範囲をR:1
1〜50at%、B:5〜40at%、残部主としてTMとす
る。より好ましくは、組成範囲をR:12〜16at%、
B:6.5〜9at%、残部主としてTMとする。一層好ま
しくは、組成範囲をR:12〜14at%、B:7〜8at%、
残部主としてTMとする。また、用いる原料は必ずしも
単一の所要組成からなる必要はなく、異なる組成の合金
を粉砕した後、混合し所要組成に調整して用いることも
できる。
【0043】また、主相において、Bの一部ないし大部
分がC,Si,Pなどのいわゆる半金族元素で置換され
るように、これらの半金属元素を添加してもよい。例え
ば、BをCで置換する場合、B1-xx;但し好ましくは
xは少なくとも0.8まで可である。
【0044】次に、原料粉末(含浸前粉末)に対する、
Ca金属などのアルカリ土類金属の好ましい含浸量(添
加量)を説明する。好ましくは、R−TM−B(R:Y
を含む希土類元素、但し0<x≦0.3、TM:遷移金
属元素)100重量部当たり、アルカリ土類金属0.5
〜7(さらに好ましくは1〜5)重量部を含浸する。こ
の実施の形態によれば、安価なアルカリ土類金属の添加
によって、高価な希土類の使用量を制限しても、高い保
磁力を得ることができる。
【0045】Ca金属などのアルカリ土類金属の含浸方
法として、好ましくは、R2TM14B(R:Yを含む希
土類元素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子
から主としてなる粉末にアルカリ土類金属粉末を添加
し、混合し、R2TM14Bの融点以下の温度で熱処理し
てアルカリ土類金属をR2TM14B相の界面に沿って拡
散させる。
【0046】上記実施の形態において、磁性粒子から主
としてなる粉末の平均粒度が3〜400μmの範囲、一
方アルカリ土類金属粉末の平均粒度が0.5〜3mm、
さらには1〜3mmの範囲とすることが好ましい。これ
によって、R2TM14B相の界面が十分な面積でアルカ
リ土類金属と整合する。
【0047】また別に、希土類磁性粉末にCa等のアル
カリ土類金属を粒子表面から含浸させる方法としては、
真空蒸着法、スパッターリング法、イオンプレーティン
グ法、CVD法、PVD法などの気相成膜法によって、
磁性粒粒子表面にCaなどアルカリ土類金属を付着させ
た後、不活性ガス雰囲気中もしくは真空中で熱処理する
ことにより磁性粉末内部まで上記Caなどが粒界に沿っ
て拡散浸透すると同時に、粒子表面上でも磁性原子と整
合する(完全に結合する)。
【0048】上記熱処理の温度は、R2Fe14B相が溶
けない温度(R=Ndの場合は<1200℃)で、しか
もCa金属が十分に拡散する(溶けるかもしくは蒸発す
る)温度が好ましい。すなわちCa金属の融点は851
℃であるため、熱処理温度としては、600〜800℃
が好ましい。
【0049】Ca金属がR2Fe14B相の界面におい
て、面心立方構造をとるためには、熱処理後の冷却速度
を10〜200℃/minの範囲内とすることが好ましい。
このように冷却に十分時間をかけることにより、Ca金
属を含む液相状の粒界相が過冷却にならずに、冷却時に
規則正しい結晶構造をとることが可能になる。粒界相が
非晶質ではなく面心立方構造をとることにより、主相と
粒界相の界面における原子同士の位置関係が規則正しく
なり、両者の整合性が保たれる結果、界面が逆磁区発生
の起点となる可能性が減少し、高保磁力が実現する。よ
り好ましい焼結後の冷却速度の範囲は20〜100℃/m
inである。
【0050】またCa等のアルカリ土類金属は、非常に
酸化しやすいために該金属を磁性粉末粒子に付着、含浸
させた後は樹脂コーティングあるいはメッキコーティン
グさらにTiNコーティングを行い、防錆処理を施すこ
とが好ましい。
【0051】Ca等のアルカリ土類金属は比較的融点
(851℃)が低いため、Ca等が含浸されている本発
明による希土類磁性粉末をバルク化するには、ボンドを
用いることが好ましい。
【0052】ボンド磁石の成形工程としては、圧縮成
形、押出成形、射出成形、圧延成形など、公知の工程を
用いることができる。また、ボンドしては、例えば、エ
ポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ゴムなどの種々の材料を用
いることができる。
【0053】得られたボンド磁石を、必要に応じて、洗
浄、面取り、電解メッキ、無電解メッキ、電着塗装、樹
脂塗装などの表面処理を施し、着磁をして永久磁石とし
て用いることができる。
【0054】また、本発明による希土類磁性粉末を金型
中に給粉し、磁界中で配向しながら圧縮成形してもよ
い。この際に、例えば特開平8-20801号公報に開示され
ているように、合金粉末の流動性を高めて給粉を容易に
する目的で合金粉末にバインダーを添加してスプレー造
粒を行うことも好ましい。あるいは、特開平6-77028号
公報に開示されているように、合金粉末にバインダーを
加えて金属射出成形法によって複雑形状品の成形を行う
ことも可能である。
【0055】本発明によるR2TM14B系磁性粒子から
主としてなる粉末へCa金属等を含浸する技術は、R2
TM14B系の薄膜磁石の保磁力向上の手段としても利用
できる。例えば、真空蒸着法やスパッターリング法によ
って作製したNd2Fe14B系の薄膜磁石の上にCaな
どのアルカリ土類金属を付着させて磁気特性を一段と向
上させることもできる。
【0056】なお、本明細書において、数値範囲に関す
る記載は、その上下限値のみならず、その数値範囲に含
まれる任意の中間値を含むものとする。
【0057】
【実施例】以上説明した本発明の実施の形態をさらに明
確化するために、本発明の一実施例を説明する。
【0058】[実施例1]表1に示す成分からなる原料
をArガス雰囲気中で高周波溶解してインゴットを作製
した。このインゴットを粗粉砕、さらにジェットミル粉
砕して表2に示す平均粒径まで粉砕した。各粒度の磁性
粉末100重量部に顆粒状(〜1mm)のCa金属を4
重量部添加して混合した後、真空中で表4に示す温度で
2時間熱処理した。
【0059】得られた磁性粉末の残留酸素量と磁気特性
を表3に示す。比較のため、下記の超急冷法によって得
られた粉末(商品名「MQP」、米MQI社製)と、下
記のHDDR法によって得られた粉末の組成を表3に、
製造条件と、得られた粉末の残留酸素量及び磁気特性を
合わせて表4に示す。
【0060】[比較例:超急冷法]下記の表3に示す組
成のインゴットを石英管ノズル内においてArガス中で
高周波溶解した後、Cu製の回転ロール上に溶湯を噴射
して超急冷リボンを得、得られたリボンを平均粒径25
0μmに粉砕した後、Arガス中で650℃、15分の
熱処理をした。
【0061】[比較例:HDDR法]下記の表3に示す
組成のインゴットを水素中で800℃、2時間、水素化
処理した後、続いて真空中で800℃、1時間、脱水素
処理し、得られた磁石粉末を平均粒径400μmに粉砕
した。
【0062】
【表1】インゴットの原料組成
【0063】
【表2】磁性粉末の平均粒径
【0064】
【表3】超急冷法、HDDR法による粉末の組成(wt
%)
【0065】
【表4】製造条件と磁気特性
【0066】表4に示したように、実施例1に係る方法
によれば、比較例である超急冷法、HDDR法によって
得られる粉末と比較しても、同等以上の粉末が得られ
た。実施例1に係る方法は、超急冷法及びHDDR法と
比べて、工数が少なく低コストであるから、実施例1の
方法によって得られた粉末は工業上きわめて有用であ
る。また、実施例1においては、平均粒度が小さい方
が、高い磁気特性が得られた。サンプルNo.9のよう
に、結晶粒径(平均粒度)が400μmを超える場合に
は、Caが結晶粒界に沿って含浸していくことが困難と
なり、保磁力が比較的小さくなると考えられる。
【0067】[実施例2]実施例1の各平均粒径の磁性
粉末にCa金属を5μmの膜厚になるように真空蒸着し
た後、真空中で表5に示す温度で2時間熱処理した。製
造条件と得られた磁性粉末の残留酸素量及び磁気特性を
表5に示す。
【0068】
【表5】製造条件と磁気特性
【0069】表5に示したように、真空蒸着法のような
気相成膜法によっても、高保磁力の粉末が得られた。
【0070】[実施例3]実施例1の平均粒径が4.1
μmのインゴットNo.2の粉砕粉100重量部に、表
6に示す含浸物質を4重量部添加して混合した後、真空
中で表6に示す温度で2時間熱処理した。得られた磁性
粉末の磁気特性を表6に示す。表6に示したように、実
施例3に係る方法によればアルカリ土類金属として合金
や化合物を用いた場合においてもすぐれた磁気特性を有
する磁性粉末が得られた。
【0071】
【表6】
【0072】
【発明の効果】本発明によって得られるボンド磁石用希
土類磁性粉末は、従来の超急冷法、HDDR法によって
得られる粉末と比較しても、磁気特性にすぐれ、かつ、
比較的簡単な製造方法で製造できる。このため、本発明
の粉末を用いることにより、希土類ボンド磁石の製造コ
ストを低減でき、安価で磁気特性の高い希土類ボンド磁
石を提供することが可能である。本発明の粉末は、特に
高保磁力材用の磁性粉末として有用となるものである。
また、今後磁石寸法の小型化が一層要求される中で、本
発明は、超小型のNd2Fe14B系磁石の保磁力向上に
も大いに役立つ技術を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】界面からの距離と結晶磁気異方性の関係を説明
するための図であって、白丸が実施例の一軸異方性定数
1、黒丸が比較例の一軸異方性定数K1を示す。
【図2】(A)は主相と粒界相が整合している様子を示
すモデル図、(B)は主相と粒界相の界面が整合してい
ない様子を示すモデル図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るボンド磁石用希土類
磁性粉末(R2TM14B多結晶粉末)の結晶組織を説明
するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 49/00 C01G 49/00 D Fターム(参考) 4G002 AA08 AA09 AA10 AB02 AE04 4K017 AA04 BA03 BA06 BB10 BB12 EA03 4K018 BA18 BB04 BC08 BC12 BC19 BC25 BD01 KA46 5E040 AA04 AA19 BC01 CA01 HB00 HB11 HB14 HB15 HB17 NN01 NN06 NN12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
    TM:遷移金属元素)相の界面に、アルカリ金属が該R
    2TM14B相と整合して存在していることを特徴とする
    ボンド磁石用希土類磁性粉末。
  2. 【請求項2】前記R2TM14B相の界面において、前記
    アルカリ金属が、格子定数a=4.7〜5.7A(オン
    グストローム)の範囲で存在することを特徴とする請求
    項1記載のボンド磁石用希土類磁性粉末。
  3. 【請求項3】R2+xTM14B(R:Yを含む希土類元
    素、但し0<x≦0.3、TM:遷移金属元素)100
    重量部当たり、アルカリ金属0.5〜5重量部を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載のボンド磁石用希土類磁性
    粉末。
  4. 【請求項4】R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
    TM:遷移金属元素)多結晶粒子の粒界に、アルカリ金
    属が拡散して、R2TM14B結晶と整合してなることを
    特徴とするボンド磁石用希土類磁性粉末。
  5. 【請求項5】R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
    TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子から主とし
    てなる粉末に、アルカリ金属を含浸してなり、保磁力
    (iHc)が17kOe以上であることを特徴とするボン
    ド磁石用希土類磁性粉末。
  6. 【請求項6】R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
    TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子から主とし
    てなる粉末にアルカリ金属を含浸して、該R2TM14
    相の保磁力を高める工程を有することを特徴とするボン
    ド磁石用希土類磁性粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】Nd2+xFe14B合金(但し、0<x≦
    0.3)を粉砕して、R2TM14B(R:Yを含む希土
    類元素、TM:遷移金属元素)相を含有する前記磁性粒
    子を得る工程を有することを特徴とする請求項6記載の
    ボンド磁石用希土類磁性粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
    TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子100重量
    部当たり、0.5〜7重量部の前記アルカリ金属を含浸
    することを特徴とする請求項6又は7記載のボンド磁石
    用希土類磁性粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】R2TM14B(R:Yを含む希土類元素、
    TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子から主とし
    てなる粉末にアルカリ金属を添加し、混合し、前記R2
    TM1 4B相の融点以下の温度で熱処理して前記アルカリ
    金属をR2TM14B相の界面に沿って拡散させたことを
    特徴とするボンド磁石用希土類磁性粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】前記磁性粒子から主としてなる粉末の平
    均粒度が3〜400μmの範囲であり、前記アルカリ金
    属の平均粒度が0.5〜3mmの範囲であることを特徴
    とする請求項9記載のボンド磁石用希土類磁性粉末の製
    造方法。
  11. 【請求項11】R2TM14B(R:Yを含む希土類元
    素、TM:遷移金属元素)相を含有する磁性粒子の粉末
    に、気相成膜法を用いて、該粒子表面に前記アルカリ金
    属を付着させる工程と、前記付着後、前記R2TM14
    相の融点以下の温度で熱処理を行う工程と、を有するこ
    とを特徴とするボンド磁石用希土類磁性粉末の製造方
    法。
JP31466598A 1998-03-23 1998-11-05 ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3695964B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31466598A JP3695964B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法
US09/265,669 US6511552B1 (en) 1998-03-23 1999-03-10 Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets
EP99105857A EP0945878A1 (en) 1998-03-23 1999-03-23 Permanent magnets and methods for their production
CNB991073118A CN1242426C (zh) 1998-03-23 1999-03-23 永久磁体和r-tm-b系永久磁体
CNB031016642A CN1242424C (zh) 1998-03-23 1999-03-23 永久磁体和r-tm-b系永久磁体
EP06006902A EP1737001A3 (en) 1998-03-23 1999-03-23 Permanent magnets and methods for their production
KR1019990009794A KR100606156B1 (ko) 1998-03-23 1999-03-23 영구 자석 및 r-tm-b계 영구 자석
US10/256,193 US6821357B2 (en) 1998-03-23 2002-09-27 Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets
US10/256,166 US7025837B2 (en) 1998-03-23 2002-09-27 Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31466598A JP3695964B2 (ja) 1998-11-05 1998-11-05 ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000150213A true JP2000150213A (ja) 2000-05-30
JP3695964B2 JP3695964B2 (ja) 2005-09-14

Family

ID=18056077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31466598A Expired - Lifetime JP3695964B2 (ja) 1998-03-23 1998-11-05 ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3695964B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002343660A (ja) * 2001-05-18 2002-11-29 Sumitomo Special Metals Co Ltd 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JP2009054754A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Hitachi Metals Ltd R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法
JP2011023436A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Fuji Electric Holdings Co Ltd 永久磁石用磁石粉末の製造方法、永久磁石粉末及び永久磁石
KR101341344B1 (ko) 2012-02-08 2013-12-13 한양대학교 산학협력단 자기특성이 향상된 R-Fe-B계 소결자석 및 이의 제조방법
WO2017077830A1 (ja) * 2015-11-02 2017-05-11 日産自動車株式会社 Nd-Fe-B系磁石の粒界改質方法、および当該方法により処理された粒界改質体
JPWO2018138841A1 (ja) * 2017-01-26 2019-11-21 日産自動車株式会社 焼結磁石の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03219056A (ja) * 1990-01-22 1991-09-26 Seiko Instr Inc 耐食性のすぐれた希土類磁石合金
JPH04152504A (ja) * 1990-10-16 1992-05-26 Fuji Elelctrochem Co Ltd 希土類永久磁石の製造方法
JPH05247600A (ja) * 1992-03-05 1993-09-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 磁石材料とその製造方法
JPH05326229A (ja) * 1992-05-15 1993-12-10 Nichia Chem Ind Ltd 永久磁石用粉末及びその製造方法
JPH09186010A (ja) * 1995-08-23 1997-07-15 Hitachi Metals Ltd 高電気抵抗希土類磁石およびその製造方法
JPH1041116A (ja) * 1996-07-22 1998-02-13 Sumitomo Special Metals Co Ltd R−t−m−n系永久磁石粉末および異方性ボンド磁石の製造方法
JPH10163055A (ja) * 1996-11-29 1998-06-19 Hitachi Metals Ltd 高電気抵抗希土類永久磁石の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03219056A (ja) * 1990-01-22 1991-09-26 Seiko Instr Inc 耐食性のすぐれた希土類磁石合金
JPH04152504A (ja) * 1990-10-16 1992-05-26 Fuji Elelctrochem Co Ltd 希土類永久磁石の製造方法
JPH05247600A (ja) * 1992-03-05 1993-09-24 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 磁石材料とその製造方法
JPH05326229A (ja) * 1992-05-15 1993-12-10 Nichia Chem Ind Ltd 永久磁石用粉末及びその製造方法
JPH09186010A (ja) * 1995-08-23 1997-07-15 Hitachi Metals Ltd 高電気抵抗希土類磁石およびその製造方法
JPH1041116A (ja) * 1996-07-22 1998-02-13 Sumitomo Special Metals Co Ltd R−t−m−n系永久磁石粉末および異方性ボンド磁石の製造方法
JPH10163055A (ja) * 1996-11-29 1998-06-19 Hitachi Metals Ltd 高電気抵抗希土類永久磁石の製造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002343660A (ja) * 2001-05-18 2002-11-29 Sumitomo Special Metals Co Ltd 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JP4670179B2 (ja) * 2001-05-18 2011-04-13 日立金属株式会社 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JP2009054754A (ja) * 2007-08-27 2009-03-12 Hitachi Metals Ltd R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法
JP2011023436A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Fuji Electric Holdings Co Ltd 永久磁石用磁石粉末の製造方法、永久磁石粉末及び永久磁石
KR101341344B1 (ko) 2012-02-08 2013-12-13 한양대학교 산학협력단 자기특성이 향상된 R-Fe-B계 소결자석 및 이의 제조방법
WO2017077830A1 (ja) * 2015-11-02 2017-05-11 日産自動車株式会社 Nd-Fe-B系磁石の粒界改質方法、および当該方法により処理された粒界改質体
JPWO2017077830A1 (ja) * 2015-11-02 2018-10-04 日産自動車株式会社 Nd−Fe−B系磁石の粒界改質方法、および当該方法により処理された粒界改質体
US10589355B2 (en) 2015-11-02 2020-03-17 Nissan Motor Co., Ltd. Method for modifying grain boundary of Nd—Fe—B base magnet, and body with modified grain boundary treated by the method
JPWO2018138841A1 (ja) * 2017-01-26 2019-11-21 日産自動車株式会社 焼結磁石の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3695964B2 (ja) 2005-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6821357B2 (en) Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets
US10160037B2 (en) Rare earth magnet and its preparation
JP3741597B2 (ja) 多元系希土類−鉄格子浸入型永久磁石材料、およびそれからなる永久磁石、ならびにそれらの製造方法
JP5206834B2 (ja) R−Fe−B系希土類焼結磁石およびその製造方法
KR100535945B1 (ko) 나노컴포지트 자석
US5750044A (en) Magnet and bonded magnet
TW201308368A (zh) 稀土類永久磁石及其製造方法
WO2006101117A1 (ja) 鉄基希土類系ナノコンポジット磁石およびその製造方法
CN110942881A (zh) 稀土磁体及其制造方法
JP3695964B2 (ja) ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法
JP2003328014A (ja) ナノコンポジット磁石粉末の製造方法
JP4039112B2 (ja) ボンド磁石用希土類合金粉末およびボンド磁石用コンパウンドならびにそれを用いたボンド磁石
JP3264664B1 (ja) 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JPH062929B2 (ja) 永久磁石材料
JP3773484B2 (ja) ナノコンポジット磁石
JP4650218B2 (ja) 希土類系磁石粉末の製造方法
JP3072742B2 (ja) 永久磁石
JPH11273920A (ja) R−tm−b系永久磁石
WO2023054035A1 (ja) 希土類磁石材料及び磁石
JP3701117B2 (ja) 永久磁石及びその製造方法
JP2868963B2 (ja) 永久磁石材料、ボンド磁石用原料、ボンド磁石用原料粉末及びボンド磁石の製造方法
JP2002343660A (ja) 複数の強磁性相を有する永久磁石およびその製造方法
JP2975333B2 (ja) 焼結永久磁石用原料、焼結永久磁石用原料粉末及び焼結永久磁石の製造方法
JP2005272924A (ja) 異方性交換スプリング磁石材料およびその製造方法
JPH05205921A (ja) 磁石材料粉の製造方法とそれからなるボンド磁石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080708

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080708

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090708

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100708

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110708

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120708

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130708

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term