JPH05247600A - 磁石材料とその製造方法 - Google Patents

磁石材料とその製造方法

Info

Publication number
JPH05247600A
JPH05247600A JP4084430A JP8443092A JPH05247600A JP H05247600 A JPH05247600 A JP H05247600A JP 4084430 A JP4084430 A JP 4084430A JP 8443092 A JP8443092 A JP 8443092A JP H05247600 A JPH05247600 A JP H05247600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atomic
magnet
rare earth
boron
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4084430A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuji Nomura
卓司 野村
Shogo Miki
章伍 三木
Kouji Sezaki
好司 瀬▲ざき▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP4084430A priority Critical patent/JPH05247600A/ja
Publication of JPH05247600A publication Critical patent/JPH05247600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はR(Rはイットリウムを含む希土類
元素の少なくとも1種)、ホウ素、T(TはFeを主体
とする3d族遷移金属元素)、窒素を除く軽元素を主成
分とする磁気特性にすぐれたボンド磁石用磁石材料とそ
の製造方法に関する。 【構成】 組成がR(但し、Rはイットリウムを含む希
土類元素の少なくとも1種):10〜30原子%、ホウ
素:2〜28原子%、T(但し、TはFeを主体とする
3d族遷移金属元素):65〜82原子%であり、主相
の結晶構造が正方晶である軽元素侵入型固溶体磁石材料
と軽元素拡散処理し軽元素侵入型固溶体磁石を得る磁石
材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はR(Rはイットリウムを
含む希土類元素の少なくとも1種)、ホウ素、T(Tは
Feを主体とする3d族遷移金属元素)、軽元素を主成
分とする高磁気特性磁石用の磁石材料及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、希土類系永久磁石材料は、エレク
トロニクス機器の軽薄短小化の傾向に呼応して大幅な伸
長を果している。これまで開発されている希土類系磁石
材料は大別して、Sm−Co系とNd−Fe−B系があ
るが、前者は全希土類中数原子%しか含まれていないS
mを使用すること、さらに原料供給が不安定なCoを多
量に含んでいることから資源上の問題を抱えている。後
者は近年精力的に研究されている永久磁石材料であり、
高価なCoを含まず、資源的にもSmより豊富なNdを
主体とした永久磁石材料であり、注目されている。これ
まで実用化されているNd−Fe−B系磁石に関するも
のは、特開昭59−46008号公報に代表されるよう
に、粉末冶金法によっていわゆる焼結磁石とした永久磁
石と、特開昭59−64739号公報に代表されるよう
に、溶融合金を急冷薄帯製造装置によってアモルファス
リボンにし、その後熱処理、粉砕することによって磁粉
として製造し、等方性のボンド磁石の材料とする態様と
が代表的なものである。さらに、アモルファスリボンに
よる方法は特開昭60−100402号公報に開示され
ているように上記の磁粉をホットプレスによって成形体
とした後に、高温下で塑性変形させることによって異方
性のバルク磁石を得る方法が開示されており、かかる合
金磁石を粉砕することによって異方性のボンド磁石用磁
粉を得ることもできる。さらに、上記のNd−Fe−B
系磁石材料の磁気特性の向上を果たすために、Nd−F
e−B合金に窒素を含有させる技術が特開昭60−17
6202号公報および特開平3−148805号公報に
開示されている。前者の公報によれば、NdFeB合金
に窒素を含有させることによって、特に高い飽和磁束密
度と高いキュリー点を得ている。また、後者においては
NdFeB合金に窒素を含有させることによって、合金
の腐食に対する抵抗性が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭60−17
6202号公報は、合金磁石粉末に窒素拡散処理を施し
たのち焼結して得られる焼結磁石について記載してい
る。本発明者らはこの窒素拡散処理について検討を行っ
たところ以下の知見を得た。 窒素拡散処理は通常窒素を含むガス雰囲気中で希土類
系合金磁石粉末を加熱することによって行われるが、こ
の処理条件には厳しい限定があり、好ましくは400℃
以下のなるべく低温で、かつ短時間で行う必要がある。
高温及び/または長時間の加熱を行うと、主相構造が変
態しやすくなり、合金磁石粉末の構成元素の窒化物やα
Feなどの磁気的不純物相が生成しやすくなる傾向にあ
る。 窒素拡散処理を施した合金磁石粉末は、高温にさらす
ことによって上記磁気的不純物相が析出しやすくなる。 これらの知見から明らかなように、希土類−遷移金属−
ほう素系合金磁石粉末に窒素拡散処理を施すことによっ
て得られる磁気特性向上の技術は、窒素が希土類元素及
び/または遷移金属と化合物を形成しやすく、磁気的不
純物相を生成しやすいことに起因する磁気特性劣化を生
じやすいという問題がある。
【0004】また上記特開平3−148805号公報に
は、窒素拡散処理をほどこすことによって合金磁石粉末
の耐食性を向上させることができることが記載されてい
る。しかしながら、この特許公報によれば窒素拡散処理
によって耐食性は向上するものの磁気特性は低下してお
り、問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の問題点を
解決する本発明の第1は、R(但し、Rはイットリウム
を含む希土類元素の少なくとも1種):10〜30原子
%、ホウ素:2〜28原子%、T(但し、TはFeを主
体とする3d族遷移金属元素):65〜82原子%、M
(但し、Mは水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、
ほう素、炭素、ナトリウム、マグネシウム、硫黄、りん
から選択される少なくとも1種):0.1〜10原子%
であり、主相の結晶構造が正方晶である軽元素侵入型固
溶体磁石材料を、発明の第2は前記第1発明においてF
eを主体とする3d族遷移金属元素の一部をCoで置換
した軽元素侵入型固溶体磁石材料を、また発明の第3
は、上記R−T−B合金磁石を原料とし、M元素を拡散
処理することによって組成がR−T−B−Mで表わされ
る主相結晶構造が正方晶である侵入型固溶体を得る磁石
材料の製造方法を主たる構成要件とする。
【0006】
【作用】この構成によって、磁気特性に優れる希土類−
鉄−ホウ素−軽元素系磁石材料を提供することができ
る。
【0007】
【実施例】以下本発明の詳細を実施例に基づき説明す
る。上記従来技術特開昭60−176202号公報、特
開平3−148805号公報に関する問題点に対し、本
発明者らは鋭意検討の結果、窒素に比し遷移金属や希土
類元素と化合物を形成しにくい軽元素を窒素の替わりに
拡散させることによって、より確実に磁気特性の向上が
はかれることを見いだし発明を完成させたものである。
【0008】本発明者らは、拡散処理元素として窒素及
び水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ほう素、炭
素、ナトリウム、マグネシウム、硫黄、りん、酸素、弗
素、ネオンについて検討を行った結果、以下の結論を得
た。すなわち、軽元素拡散処理によって磁気特性の向上
を得るためには、以下の条件を満足する必要がある。 主相の結晶構造が、処理前後で正方晶であること。 軽元素が主相構造の空隙位置にあり、侵入型固溶体を
形成していること。 ここで、上記結晶学的条件を満足しうる軽元素は水素、
ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ほう素、炭素、ナト
リウム、マグネシウム、硫黄、りんであった。窒素は特
定条件下で上記条件を満足するものの、上記軽元素に比
べ窒化物を形成しやすい傾向が確認された。
【0009】本発明で用いられる軽元素拡散処理材料と
しては、上記純物質の他、水素化ナトリウム、水素化ほ
う素、一酸化硫黄、鉄−炭素合金、フェロボロンなどが
例示できるが、これら2種以上を用いてもよい。さらに
は、工業的生産性、安全性、経済性の点から水素ガスま
たは一酸化炭素と二酸化炭素の混合ガスが好ましい。ま
たこれらのガスは2気圧以上の高圧で用いることも好適
である。
【0010】本発明で用いられる軽元素拡散処理法とし
ては、原料として使用する組成がR−T−Bで表わされ
る合金材料(但しここで、R:イットリウムを含む希土
類元素の少なくとも1種、10〜30原子%、T:Fe
を主体とする3d族遷移金属元素、65〜82原子%、
B:ホウ素:2〜28原子%)と上記軽元素拡散材料と
の混合物の熱処理、あるいは上記軽元素拡散ガス雰囲気
中での熱処理、イオン注入などが例示できる。処理条件
は、用いる軽元素処理材料によって適宜選択されるが、
本発明の目的から、目的とする軽元素が必要量拡散する
ことが必須である。熱処理によって軽元素を拡散させる
場合の温度は200〜800℃の範囲であるが、より好
ましくは200〜500℃である。熱処理温度が200
℃以下の場合は十分に軽元素が磁石合金中に拡散しにく
く、800℃以上の場合には磁気的不純物である軽元素
と遷移金属や希土類元素との化合物が生成したり、α−
Feが多く析出しやすく本発明の目的を達成し得ない。
但し、軽元素を含む気体中で熱処理する場合であって、
且つこの気体が例えば5〜200atmの高圧である時
には熱処理温度が−40℃〜常温であることもありえ
る。また、これらの条件は生産性、コストなどを考慮し
選択する必要がある。例えば、水素ガスを用いて水素拡
散処理を施す場合には、2atm、400℃程度の熱処
理を施すことができる。最適処理時間は温度によって随
時選択しなければならないが、低温ほど軽元素の拡散に
要する時間が長いことは明らかである。しかしながら反
面、高温すぎると結晶粒の肥大化が進行するなど、磁気
特性に悪影響を及ぼすことから、温度、時間は磁気特
性、生産性などを考慮し、適宜選択しなければならな
い。
【0011】また目的とする軽元素を含む気体分子中で
合金材料を熱処理する場合、還元性を有するガスを用い
るかあるいは還元性ガスを含有する混合ガスを用いるこ
とが好ましい。これは、合金磁石粉末表面の活性を維持
しつつ軽元素拡散処理を行うことを目的としたものであ
る。ここで還元性を有するガスとしては水素、アンモニ
ア、一酸化炭素、一酸化窒素、一酸化硫黄が例示できる
が、コスト、安全性から水素がもっとも好ましい。ま
た、本発明における軽元素を含む分子の気体の圧力は適
宜選択されるが、磁石合金内への軽元素の拡散量を考慮
すると0.01〜200atmであることがより好まし
い。さらには、軽元素を含む分子の気体の圧力を10a
tm以上にするとより低温、短時間で軽元素拡散処理を
施すことができるため、軽元素と遷移金属や希土類元素
との化合物が生成しにくく、本発明の目的をより好適に
達成することができ好ましい態様の一つといえる。
【0012】尚、合金磁石粉末中の軽元素含有量につい
ては、0.1〜10原子%が好ましい。0.1原子%以
下では軽元素拡散処理による磁気特性の向上効果が充分
ではなく、10原子%以上では遷移金属あるいは希土類
金属と軽元素が化合物を形成しやすくなったり、さらに
は結晶歪が大となり結晶構造を保持できない状態になり
やすくなる。いずれにしても、製作した磁石材料は主相
の結晶構造が正方晶であることが必須条件である。
【0013】本発明では軽元素拡散処理を行う前に合金
材料表面を活性化せしめる処理を施すことも有効であ
る。ここで、合金材料に表面活性化処理を施す方法とし
ては、 a.塩酸水溶液、硫酸水溶液等の酸性溶液にて洗浄する
方法。 b.還元ガス雰囲気中で熱処理を行う方法。ここで還元
ガスとしては水素、アンモニア、一酸化炭素、一酸化窒
素、一酸化硫黄などが例示できる。 c.プラズマ処理、コロナ処理を施す方法。 d.還元性金属粉末と混合して熱処理する方法。 などが例示できる。本発明に用いる合金磁石粉末は酸化
や腐食しやすい特性を有すること及び処理コストの点か
ら、還元ガス中で熱処理を施す方法やプラズマ処理、コ
ロナ処理を施す方法の方が酸性溶液にて洗浄する方法や
還元性金属粉末と混合して熱処理する方法よりも優れて
いる。さらには、還元ガス雰囲気中で熱処理を行う場
合、還元ガスはアンモニア、水素の内少なくとも1種以
上を用いることが安全性、コストの面で好ましい。ま
た、還元ガスによる処理法としては、還元ガス気流中で
加熱処理する方法、密閉還元ガス雰囲気中で熱処理する
方法などが考えられるが、特に還元反応生成物が水など
の場合には再腐食が生じ効率が悪くなる可能性があり気
流中で行うことが好ましい。また密閉還元性ガス雰囲気
中で熱処理する場合のガス圧力は、工業的処理効率か
ら、1×10-2atm以上が好ましい。熱処理温度は2
00〜800℃の範囲であるが、より好ましくは300
〜500℃である。熱処理温度が200℃以下の場合は
十分に合金磁石粉末表面が還元、活性化しにくく、80
0℃以上の場合は磁石合金内に磁気的不純物であるα−
Feが析出しやすく、磁石特性の低下をまねき好ましく
ない。上述の合金材料に表面活性化処理を施すことによ
って磁石合金表面が還元され活性化するか、あるいはエ
ッチングされて表面の酸化膜が除去され、活性の高い表
面が露出することによって、後に供給される軽元素が磁
石合金内に拡散しやすくなる結果、本発明の目的を達成
しやすくなる。
【0014】本発明に用いられる合金材料は、希土類元
素、鉄を含む合金であればよいが、磁気特性上、あるい
は工業的入手しやすさから、R(但し、Rはイットリウ
ムを含む希土類元素の少なくとも1種):10〜30原
子%、ホウ素:2〜28原子%、T(但し、TはFeを
主体とする3d族遷移金属元素):65〜82原子%か
らなる合金磁石であることが好ましい。ここで合金磁石
の形態は、粉末でもバルク体でもよく、さらには粉体の
成形物でもよい。バルク体には、焼結磁石、圧延磁石、
鋳造磁石などが例示でき、粉体成形物にはホットプレス
法やダイアップセット法による成形体の他、ボンド磁石
もよい。さらには、上記合金磁石粉末原料が急冷薄帯法
で製造されたものは比較的安価に市販されているため最
も好ましい態様のひとつである。
【0015】本発明における希土類元素(R)はイット
リウム(Y)を含む希土類元素の1種以上であって、ネ
オジウム(Nd)、プラセオジウム(Pr)、ランタン
(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ガ
ドリニウム(Gd)、プロメシウム(Pm)、ユーロピ
ウム(Eu)、ルテチウム(Lu)、ジスプロシウム
(Dy)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)な
どが例示出来る。イットリウム(Y)は希土類元素では
ないが本発明では他の希土類元素と同様に扱える。本発
明において好ましい希土類元素(R)はNdもしくはP
rを主体とするものであるが、複合希土類であるミッシ
ュメタルやジジムあるいは他の希土類元素を含んでもか
まわない。特にジジムは工業的に安価に入手でき、かつ
磁気特性上も好ましい複合希土類であり、最も好ましい
態様のひとつということができる。
【0016】本発明における遷移金属はFeを主体とす
る遷移金属元素であるが、その一部をCoで置換するこ
とは、キューリ点の向上などの点で特に有効である。
【0017】また、本発明において磁気特性を改良する
ために添加元素を加えてもかまわない。添加元素として
は、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Sb、H
f、Ta、W、Pb、Bi、Cなどが例示できるが、こ
れらの添加元素はBr、iHc、角型性、などの諸特性
を向上させることを目的として1種以上添加することが
できる。
【0018】本発明にかかわる磁石材料は、合成樹脂等
のバインダーで固めたボンド磁石用材料として用いるこ
とができる。また、比較的融点の低い金属または合金を
バインダーとして用いたボンド磁石も好ましい態様のひ
とつである。本発明にかかわる永久磁石をボンド磁石用
磁粉として用いる場合はその粒子径が1000μm以下
であることが好ましい。さらに、好ましくはプレス成形
ボンド磁石の場合は700μm以下、射出成形ボンド磁
石の場合は200μm以下の粒子径である。またさらに
ボンド磁石などを作製したのち、樹脂コーティング、金
属メッキなどを施すこともできる。
【0019】以下、本発明を具体的実施例により説明す
るが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。 (実施例1)出発原料としてNd:13原子%、Fe:
77原子%:Co:5原子%、B:5原子%の組成に調
整した合金を高周波溶解炉によって作製した。得られた
合金を片ロール法によって急冷リボンとし、これに適度
な熱処理を施した後このリボンを粉砕した。ついでこの
磁粉を1atmの水素中において300℃、20時間の
熱処理を施し、20℃/分の冷却速度で室温まで冷却し
た。この処理によって磁粉に水素が拡散したことを分析
によって確認した。さらに、この磁粉とビスフェノール
A型エポキシ樹脂とフェノールノボラックの混合物をメ
チルエチルケトンで希釈したバインダー樹脂とを磁粉含
率が97重量%となるように混合し、混合物を攪はんし
ながらメチルエチルケトンを蒸発させ、成形前のブレン
ド物を得た。かかるブレンド物を成形圧力5t/cm2
でプレス成形し、等方性ボンド磁石を得て磁気特性を測
定した結果、Br=7.1kG、iHc=9.0kO
e、(BH)max=10.0MGOeであった。 (比較例1)実施例1と同一組成の合金を作製し、その
後、本発明にかかわる軽元素拡散処理を施さないほかは
実施例1と同様の方法で等方性のボンド磁石を作製した
ところ、Br=6.6kG、iHc=9.7kOe、
(BH)max=9.2MGOeであった。 (比較例2)実施例1と同様の合金磁石粉末を600
℃、10時間1atmの窒素雰囲気中で熱処理を施した
のち、実施例1と同様の方法で等方性のボンド磁石を作
製したところ、Br=2.6kG、iHc=2.2kO
e、(BH)max=0.5MGOeであった。
【0020】以上の本発明の1実施態様を示す実施例と
従来技術である比較例を比べると明かに本発明によって
磁気特性が向上させうることがわかる。また、本実施例
1で得た合金磁石粉末をX線回折に供したところ、αF
e、窒化物などの磁気的不純物相が検出されなかった。
また、主相であるNd2Fe14B1相の(330)
面、(006)面に対応するピークが、比較例1のサン
プルに比べ2θで約0.3°だけ低角側にシフトしてい
ることがわかった。このことは、主相の格子間距離が長
くなっていることを示すものである。以上のことから、
実施例1は主相の結晶構造が正方晶である軽元素侵入型
固溶体からなる合金磁石粉末であって本発明の目的に合
致したものであることがわかる。一方、比較例2のサン
プルでは、多量のαFeが検出され、これが磁気特性低
下の原因であることがわかる。
【0021】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
希土類磁石材料において、優れた磁気特性を発現せしめ
ることができ、工業的価値は極めて高いということがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成がR−T−B−Mで表わされ、主相
    の結晶構造が正方晶である侵入型固溶体からなる等方性
    または異方性を有する磁石材料。但しここで、 R:イットリウムを含む希土類元素の少なくとも1種、
    10〜30原子%、 T:Feを主体とする3d族遷移金属元素、65〜82
    原子% B(ホウ素):2〜28原子% M:水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ほう素、
    炭素、ナトリウム、マグネシウム、硫黄、りんから選択
    される少なくとも1種、0.1〜10原子%
  2. 【請求項2】 組成がR−T−B−Co−Mで表わさ
    れ、主相の結晶構造が正方晶である侵入型固溶体からな
    る等方性または異方性を有する磁石材料。但しここで、 R:イットリウムを含む希土類元素の少なくとも1種、
    10〜30原子%、 T:Feを主体とする3d族遷移金属元素、35〜82
    原子% B(ホウ素):2〜28原子% M:水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ほう素、
    炭素、ナトリウム、マグネシウム、硫黄、りんから選択
    される少なくとも1種、0.1〜10原子% Co:コバルト、残部
  3. 【請求項3】 上記Rがジジムを主体としてなる希土類
    元素である請求項1または請求項2の磁石材料。
  4. 【請求項4】 上記合金磁石が粉末の場合、粒子径が1
    〜1000μmである請求項1、請求項2または請求項
    3記載の磁石材料。
  5. 【請求項5】 R−T−B合金磁石を原料とし、M元素
    を拡散処理することによって、組成がR−T−B−Mで
    表わされる主相の結晶構造が正方晶である侵入型固溶体
    を得る磁石材料の製造方法。但しここで、 R:イットリウムを含む希土類元素の少なくとも1種、
    10〜30原子%、 T:Feを主体とする3d族遷移金属元素、65〜82
    原子% B(ホウ素):2〜28原子% M:水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ほう素、
    炭素、ナトリウム、マグネシウム、硫黄、りんから選択
    される少なくとも1種、0.1〜10原子%
  6. 【請求項6】 上記M元素の拡散処理がM元素を含む雰
    囲気中での熱処理である請求項5記載の磁石材料の製造
    方法。
JP4084430A 1992-03-05 1992-03-05 磁石材料とその製造方法 Pending JPH05247600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4084430A JPH05247600A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 磁石材料とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4084430A JPH05247600A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 磁石材料とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05247600A true JPH05247600A (ja) 1993-09-24

Family

ID=13830373

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4084430A Pending JPH05247600A (ja) 1992-03-05 1992-03-05 磁石材料とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05247600A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11273918A (ja) * 1998-03-23 1999-10-08 Sumitomo Special Metals Co Ltd 永久磁石
JP2000150213A (ja) * 1998-11-05 2000-05-30 Sumitomo Special Metals Co Ltd ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法
US6821357B2 (en) 1998-03-23 2004-11-23 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11273918A (ja) * 1998-03-23 1999-10-08 Sumitomo Special Metals Co Ltd 永久磁石
US6821357B2 (en) 1998-03-23 2004-11-23 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets
US7025837B2 (en) 1998-03-23 2006-04-11 Sumitomo Special Metals Co., Ltd. Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets
JP2000150213A (ja) * 1998-11-05 2000-05-30 Sumitomo Special Metals Co Ltd ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101855530B1 (ko) 희토류 영구 자석 및 그의 제조 방법
JP3741597B2 (ja) 多元系希土類−鉄格子浸入型永久磁石材料、およびそれからなる永久磁石、ならびにそれらの製造方法
WO1999062081A1 (fr) Materiau pour aimant permanent en terre rare de type nitrure et aimant lie utilisant ce materiau
JP2705985B2 (ja) 磁性材料、それから成る磁石及びそれらの製造方法
JPH1041116A (ja) R−t−m−n系永久磁石粉末および異方性ボンド磁石の製造方法
WO2004030000A1 (ja) R−t−b系希土類永久磁石の製造方法
JPH05247600A (ja) 磁石材料とその製造方法
JP2000294416A (ja) 希土類ボンド磁石
JPH05105902A (ja) ボンド磁石用磁石材料
JPH0845718A (ja) 磁性材料と製造法
JP3231000B2 (ja) 希土類永久磁石の製造方法
JPH05226127A (ja) 磁石材料の処理方法
JPH0594909A (ja) 希土類−鉄−ホウ素−窒素系磁石材料の製造方法
JPH05258929A (ja) 希土類磁石材料の処理方法
JPH05105901A (ja) 耐食性希土類磁石材料
JPH05226128A (ja) 希土類磁石材料の処理方法
JPH05101915A (ja) 希土類磁石材料の製造方法
JPH05109518A (ja) 磁石材料の製造方法とそれからなるボンド磁石およびその製造方法
JPH05258930A (ja) 磁石材料の処理方法
JPH10241923A (ja) 希土類磁石材料およびその製造方法ならびにそれを用いた希土類ボンド磁石
JPH0517853A (ja) 希土類−鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料
JPH05135927A (ja) 希土類磁石材料の製造方法
JPH05205921A (ja) 磁石材料粉の製造方法とそれからなるボンド磁石の製造方法
JPH05291017A (ja) 希土類磁石粉の製造方法
JPH05135926A (ja) 耐食性希土類ボンド磁石の製造方法