JPH0517853A - 希土類−鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料 - Google Patents
希土類−鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料Info
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- JPH0517853A JPH0517853A JP3198605A JP19860591A JPH0517853A JP H0517853 A JPH0517853 A JP H0517853A JP 3198605 A JP3198605 A JP 3198605A JP 19860591 A JP19860591 A JP 19860591A JP H0517853 A JPH0517853 A JP H0517853A
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- iron
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明はR(Rはイットリウムを含む希土類
元素の少なくとも1種)、B+C、T(TはFeを主体
とする3d族遷移金属元素)を主成分とする合金に窒素
を侵入させ磁気特性を向上させた希土類−鉄−ボロン系
窒素侵入型永久磁石材料に関する。 【構成】 Yを含む希土類元素の少なくとも1種以上か
らなるRと、Fe単独あるいはFeの半量以下をCo、
Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属元素Tとボ
ロン(B)と炭素(C)と、Al、Si、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、M
o、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biの
内から選ばれた添加元素の少なくとも1種以上からなる
Mから構成される合金に窒素(N)を侵入元素として付
加した。
元素の少なくとも1種)、B+C、T(TはFeを主体
とする3d族遷移金属元素)を主成分とする合金に窒素
を侵入させ磁気特性を向上させた希土類−鉄−ボロン系
窒素侵入型永久磁石材料に関する。 【構成】 Yを含む希土類元素の少なくとも1種以上か
らなるRと、Fe単独あるいはFeの半量以下をCo、
Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属元素Tとボ
ロン(B)と炭素(C)と、Al、Si、Ti、V、C
r、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、M
o、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biの
内から選ばれた添加元素の少なくとも1種以上からなる
Mから構成される合金に窒素(N)を侵入元素として付
加した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はR(Rはイットリウムを
含む希土類元素の少なくとも1種)、B+C、T(Tは
Feを主体とする3d族遷移金属元素)を主成分とする
合金に窒素を侵入させ磁気特性を向上させた希土類−鉄
−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料に関するものであ
る。
含む希土類元素の少なくとも1種)、B+C、T(Tは
Feを主体とする3d族遷移金属元素)を主成分とする
合金に窒素を侵入させ磁気特性を向上させた希土類−鉄
−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】希土類永久磁石材料は、これまで大別し
て、Sm−Co系とNd−Fe−B系のものが提案され
ている。前者は全希土類中数原子%しか含まれていない
Smを使用すること、さらに原料供給が不安定なCoを
多量に含んでいることから資源上の問題を抱えている。
後者は近年精力的に研究されている永久磁石材料であ
り、高価なCoを含まず、資源的にもSmより豊富なN
dを主体とした永久磁石材料であり、注目されている。
て、Sm−Co系とNd−Fe−B系のものが提案され
ている。前者は全希土類中数原子%しか含まれていない
Smを使用すること、さらに原料供給が不安定なCoを
多量に含んでいることから資源上の問題を抱えている。
後者は近年精力的に研究されている永久磁石材料であ
り、高価なCoを含まず、資源的にもSmより豊富なN
dを主体とした永久磁石材料であり、注目されている。
【0003】これまでに実用化されているNd−Fe−
B系磁石に関するものは、特開昭59−46008号公
報に代表されるように、粉末冶金法によっていわゆる焼
結磁石とした永久磁石と、特開昭59−64739号公
報に代表されるように、溶融合金を急冷薄帯製造装置に
よってアモルファスリボンにし、その後熱処理、粉砕す
ることによって磁粉として製造し、等方性のボンド磁石
の材料とする態様とが代表的なものである。さらにアモ
ルファスリボンによる方法は特開昭60−100402
号公報に開示されているように上記の磁粉をホットプレ
スによって成形体とした後に、高温下で塑性変形させる
ことによって異方性のバルク磁石を得る方法が開示され
ており、かかる合金磁石を粉砕することによって異方性
のボンド磁石用磁粉を得ることもできる。
B系磁石に関するものは、特開昭59−46008号公
報に代表されるように、粉末冶金法によっていわゆる焼
結磁石とした永久磁石と、特開昭59−64739号公
報に代表されるように、溶融合金を急冷薄帯製造装置に
よってアモルファスリボンにし、その後熱処理、粉砕す
ることによって磁粉として製造し、等方性のボンド磁石
の材料とする態様とが代表的なものである。さらにアモ
ルファスリボンによる方法は特開昭60−100402
号公報に開示されているように上記の磁粉をホットプレ
スによって成形体とした後に、高温下で塑性変形させる
ことによって異方性のバルク磁石を得る方法が開示され
ており、かかる合金磁石を粉砕することによって異方性
のボンド磁石用磁粉を得ることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記Nd
−Fe−B系の各磁石は実用的な観点からさらに磁気特
性の向上が望まれており、特に異方性ボンド磁石用磁粉
としての性能が未だ十分でないのが実状である。上記の
Nd−Fe−B系の焼結磁石を磁粉とするために粉砕し
た場合は大幅な保磁力の低下を招き実用化に至っていな
い。また急冷薄帯から製造したバルク磁石を粉砕するこ
とによってNd−Fe−B系の異方性磁粉が得られるも
のの上記のように複雑な製造工程を経るために特性の安
定性に欠けるばかりでなく、磁気特性がそれほど高くな
いという問題がある。本発明は、上記のような従来技術
が有する問題を解決し、高い磁気特性を有する窒素侵入
型の希土類−鉄−ボロン系永久磁石材料を提供すること
を目的とする。
−Fe−B系の各磁石は実用的な観点からさらに磁気特
性の向上が望まれており、特に異方性ボンド磁石用磁粉
としての性能が未だ十分でないのが実状である。上記の
Nd−Fe−B系の焼結磁石を磁粉とするために粉砕し
た場合は大幅な保磁力の低下を招き実用化に至っていな
い。また急冷薄帯から製造したバルク磁石を粉砕するこ
とによってNd−Fe−B系の異方性磁粉が得られるも
のの上記のように複雑な製造工程を経るために特性の安
定性に欠けるばかりでなく、磁気特性がそれほど高くな
いという問題がある。本発明は、上記のような従来技術
が有する問題を解決し、高い磁気特性を有する窒素侵入
型の希土類−鉄−ボロン系永久磁石材料を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前述の課題解決のために
なされた本発明は、構成元素および原子比組成が以下の
式で示されることを特徴とする窒素侵入型永久磁石材料
であり、 Ra T100-(a+b+c+d) (B1-x Cx ) bMc Nd ただし、Rはイットリウム(Y)を含む希土類元素の少
なくとも1種以上、TはFe単独あるいはFeの半量以
下をCo、Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属
元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、
Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、S
b、Hf、Ta、W、Pb、Biの内から選ばれる添加
元素の少なくとも1種以上から構成され、 7≦a≦17 3≦b≦10 0.1≦c≦5 1≦d≦15 0.01≦x≦0.6 であることを特徴とする。
なされた本発明は、構成元素および原子比組成が以下の
式で示されることを特徴とする窒素侵入型永久磁石材料
であり、 Ra T100-(a+b+c+d) (B1-x Cx ) bMc Nd ただし、Rはイットリウム(Y)を含む希土類元素の少
なくとも1種以上、TはFe単独あるいはFeの半量以
下をCo、Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属
元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、
Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、S
b、Hf、Ta、W、Pb、Biの内から選ばれる添加
元素の少なくとも1種以上から構成され、 7≦a≦17 3≦b≦10 0.1≦c≦5 1≦d≦15 0.01≦x≦0.6 であることを特徴とする。
【0006】本発明における希土類元素(R)はイット
リウム(Y)を含む希土類元素の1種以上であって、ネ
オジウム(Nd)、プラセオジウム(Pr)、ランタン
(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ガ
ドリニウム(Gd)、プロメシウム(Pm)、ユーロピ
ウム(Eu)、ルテチウム(Lu)、ジスプロシウム
(Dy)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)な
どが例示できる。イットリウム(Y)は希土類元素では
ないが本発明では他の希土類元素と同様に扱える。本発
明において好ましい希土類元素(R)はNdもしくはP
rを主体とするものであるが、複合希土類であるミッシ
ュメタルやジジムあるいは他の希土類元素を含んでもか
まわない。
リウム(Y)を含む希土類元素の1種以上であって、ネ
オジウム(Nd)、プラセオジウム(Pr)、ランタン
(La)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ガ
ドリニウム(Gd)、プロメシウム(Pm)、ユーロピ
ウム(Eu)、ルテチウム(Lu)、ジスプロシウム
(Dy)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)な
どが例示できる。イットリウム(Y)は希土類元素では
ないが本発明では他の希土類元素と同様に扱える。本発
明において好ましい希土類元素(R)はNdもしくはP
rを主体とするものであるが、複合希土類であるミッシ
ュメタルやジジムあるいは他の希土類元素を含んでもか
まわない。
【0007】
【作用】次に原子組成比の限定理由を説明する。希土類
元素(R)の含有量を表すaの値としてa<7の時、α
−Feが析出し保磁力(iHc)が著しく低くなり、a
>17の時、主相である2−14−1相以外の相の量が
増加し残留磁束密度(Br)が低くなり高性能磁石とな
り得ない。本発明におけるボロン(B)とカーボン
(C)は共に希土類元素と遷移金属との組合せで正方晶
の結晶構造をとり得るための必須構成元素である。Bと
Cの総量を表すbの値として、b<3の時はiHcが低
くなり、b>10の時は磁気的不純物が増加しBrが低
くなる。さらに、BとCの内、Cの添加はiHc向上に
効果があり、Cの添加量を表すxの値としてx<0.0
1の時はiHc向上が十分でなく、x>0.6の時は飽
和磁束密度が低下してしまい好ましくない。本発明にお
いてはCとBが複合添加効果を示すことにより磁気特性
に優れ、かつ安定した窒素侵入型永久磁石材料となりう
ることが重要な技術的要素である。
元素(R)の含有量を表すaの値としてa<7の時、α
−Feが析出し保磁力(iHc)が著しく低くなり、a
>17の時、主相である2−14−1相以外の相の量が
増加し残留磁束密度(Br)が低くなり高性能磁石とな
り得ない。本発明におけるボロン(B)とカーボン
(C)は共に希土類元素と遷移金属との組合せで正方晶
の結晶構造をとり得るための必須構成元素である。Bと
Cの総量を表すbの値として、b<3の時はiHcが低
くなり、b>10の時は磁気的不純物が増加しBrが低
くなる。さらに、BとCの内、Cの添加はiHc向上に
効果があり、Cの添加量を表すxの値としてx<0.0
1の時はiHc向上が十分でなく、x>0.6の時は飽
和磁束密度が低下してしまい好ましくない。本発明にお
いてはCとBが複合添加効果を示すことにより磁気特性
に優れ、かつ安定した窒素侵入型永久磁石材料となりう
ることが重要な技術的要素である。
【0008】また、本発明における添加元素MはAl、
Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、G
e、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Hf、T
a、W、Pb、Biの中から選ばれる少なくとも1種以
上よりなる。これらの添加元素MはBr、iHc、角型
性、耐食性、窒素侵入性等の諸特性の向上さらには結晶
の微細化などを目的として1種以上を添加することがで
きる。添加元素の総量を表すc値として、c<0.1の
時は添加元素の効果が小さく有効性に乏しくなり、c>
5の時は、磁気的不純物が増加しBrの低下を招く。
Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、G
e、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Hf、T
a、W、Pb、Biの中から選ばれる少なくとも1種以
上よりなる。これらの添加元素MはBr、iHc、角型
性、耐食性、窒素侵入性等の諸特性の向上さらには結晶
の微細化などを目的として1種以上を添加することがで
きる。添加元素の総量を表すc値として、c<0.1の
時は添加元素の効果が小さく有効性に乏しくなり、c>
5の時は、磁気的不純物が増加しBrの低下を招く。
【0009】さらに、本発明における必須構成成分であ
る窒素(N)は希土類元素、遷移金属、及びボロン、カ
ーボンで構成される正方晶に侵入型として入る元素であ
り、Feの格子間距離を長くする作用があり、窒素の添
加によりiHcとBrが向上するが、特にキュリー温度
(Tc)が大幅に向上する。窒素の添加量を表すdの値
として、d<1の時は添加効果が小さく有効性に欠け、
d>15の時はもはや侵入型として窒素が入らなくなる
ため実用的でない。
る窒素(N)は希土類元素、遷移金属、及びボロン、カ
ーボンで構成される正方晶に侵入型として入る元素であ
り、Feの格子間距離を長くする作用があり、窒素の添
加によりiHcとBrが向上するが、特にキュリー温度
(Tc)が大幅に向上する。窒素の添加量を表すdの値
として、d<1の時は添加効果が小さく有効性に欠け、
d>15の時はもはや侵入型として窒素が入らなくなる
ため実用的でない。
【0010】尚、本発明においては窒素の侵入方法とし
て公知の技術を用いることができる。すなわち、所定の
合金組成に溶解後、急冷薄帯法、焼結法、鋳造法、圧延
法などにより製造された窒素を含まない合金を、アンモ
ニアガス、窒素ガス等の窒素侵入性を有する雰囲気下に
て熱処理することにより容易に窒素を侵入させ得る。合
金の形態はバルク状でも可能であるが、窒素侵入を容易
にするために粉末状にすると効果的である。さらに、本
発明においては製造上不可避の1重量%未満の不純物、
例えば酸素、水素などはこれを包含することはいうまで
もない。
て公知の技術を用いることができる。すなわち、所定の
合金組成に溶解後、急冷薄帯法、焼結法、鋳造法、圧延
法などにより製造された窒素を含まない合金を、アンモ
ニアガス、窒素ガス等の窒素侵入性を有する雰囲気下に
て熱処理することにより容易に窒素を侵入させ得る。合
金の形態はバルク状でも可能であるが、窒素侵入を容易
にするために粉末状にすると効果的である。さらに、本
発明においては製造上不可避の1重量%未満の不純物、
例えば酸素、水素などはこれを包含することはいうまで
もない。
【0011】
【実施例】本発明にかかわる窒素侵入型永久磁石材料は
焼結磁石、鋳造磁石、圧延磁石といったバルク磁石とし
ても用いることができ、さらには粉末とした後に合成樹
脂等のバインダーで固めたボンド磁石としても用いるこ
とができる。本発明にかかわる永久磁石材料をボンド磁
石用磁粉として用いる場合はその粒子径が1000μm
以下であることが好ましい。さらに、好ましくはプレス
成形ボンド磁石の場合は700μm以下、射出成形ボン
ド磁石の場合200μm以下の粒子径である。以下、本
発明を実施例により説明するが、本発明はこれらにより
何ら制限されるものではない。
焼結磁石、鋳造磁石、圧延磁石といったバルク磁石とし
ても用いることができ、さらには粉末とした後に合成樹
脂等のバインダーで固めたボンド磁石としても用いるこ
とができる。本発明にかかわる永久磁石材料をボンド磁
石用磁粉として用いる場合はその粒子径が1000μm
以下であることが好ましい。さらに、好ましくはプレス
成形ボンド磁石の場合は700μm以下、射出成形ボン
ド磁石の場合200μm以下の粒子径である。以下、本
発明を実施例により説明するが、本発明はこれらにより
何ら制限されるものではない。
【0012】(実施例1)出発原料としてNd:13原
子%、Fe:76原子%、Co:5原子%、B:4原子
%、C:1原子%、V:1原子%の組成に調製した合金
を高周波溶解炉によって作製した。得られた合金を片ロ
ール法によって急冷リボンとし、これに適度な熱処理を
施した後このリボンを粉砕した。ついでこの磁粉に窒素
を侵入させるために窒素ガス中で600℃付近で熱処理
を行った。この熱処理によって窒素が1.5原子%合金
に侵入したことを確認した。さらに、窒素を侵入させた
磁粉とビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノ
ボラックの混合物をメチルエチルケトンで希釈したバイ
ンダー樹脂とを磁粉含率が97重量%となるように混合
し、混合物を攪はんしながらメチルエチルケトンを蒸発
させ、成形前のブレンド物を得た。該ブレンド物を成形
圧力5t/cm2 でプレス成形し、等方性ボンド磁石を
得て磁気特性を測定した結果、Br=7.1kG、iH
c=14.1kOe、(BH)max=12.4MGO
eであった。またVSMにより測定した磁粉のキュリー
温度は410℃であった。
子%、Fe:76原子%、Co:5原子%、B:4原子
%、C:1原子%、V:1原子%の組成に調製した合金
を高周波溶解炉によって作製した。得られた合金を片ロ
ール法によって急冷リボンとし、これに適度な熱処理を
施した後このリボンを粉砕した。ついでこの磁粉に窒素
を侵入させるために窒素ガス中で600℃付近で熱処理
を行った。この熱処理によって窒素が1.5原子%合金
に侵入したことを確認した。さらに、窒素を侵入させた
磁粉とビスフェノールA型エポキシ樹脂とフェノールノ
ボラックの混合物をメチルエチルケトンで希釈したバイ
ンダー樹脂とを磁粉含率が97重量%となるように混合
し、混合物を攪はんしながらメチルエチルケトンを蒸発
させ、成形前のブレンド物を得た。該ブレンド物を成形
圧力5t/cm2 でプレス成形し、等方性ボンド磁石を
得て磁気特性を測定した結果、Br=7.1kG、iH
c=14.1kOe、(BH)max=12.4MGO
eであった。またVSMにより測定した磁粉のキュリー
温度は410℃であった。
【0013】さらに、前記のリボン粉砕磁粉をアルゴン
ガス中750℃の温度下でホットプレスを行い密度が
7.5g/cm3 の合金インゴットを得た。ついで該イ
ンゴットをアルゴンガス中で750℃の温度下でダイア
ップセットにより塑性変形させ、圧縮方向に異方性を有
する磁石インゴットを得た。この磁石インゴットを粗粉
砕した後に、窒素気流中でハンマーミルによって100
μm以下の磁粉となるように粉砕した。得られた磁粉の
平均粒子径は45.2μmであった。この磁粉を用いて
上記と同様の方法で窒素の侵入処理を施したのち、配向
磁場20kOeでボンド磁石を作製し、その磁気特性を
測定した結果、Br=9.0kG、iHc=13.9k
Oe、(BH)max=18.7MGOeであった。ま
た、この異方性磁粉の空気中100℃、1000時間放
置後の重量増加は1%程度であった。
ガス中750℃の温度下でホットプレスを行い密度が
7.5g/cm3 の合金インゴットを得た。ついで該イ
ンゴットをアルゴンガス中で750℃の温度下でダイア
ップセットにより塑性変形させ、圧縮方向に異方性を有
する磁石インゴットを得た。この磁石インゴットを粗粉
砕した後に、窒素気流中でハンマーミルによって100
μm以下の磁粉となるように粉砕した。得られた磁粉の
平均粒子径は45.2μmであった。この磁粉を用いて
上記と同様の方法で窒素の侵入処理を施したのち、配向
磁場20kOeでボンド磁石を作製し、その磁気特性を
測定した結果、Br=9.0kG、iHc=13.9k
Oe、(BH)max=18.7MGOeであった。ま
た、この異方性磁粉の空気中100℃、1000時間放
置後の重量増加は1%程度であった。
【0014】(比較例1)実施例と同一塑性の合金を作
製し、これに窒素を侵入させる工程を施さないで実施例
と同様の方法で等方性のボンド磁石を作製したところ、
Br=6.7kG、iHc=11.6kOe、(BH)
max=9.6MGOeであった。また、この磁粉のキ
ュリー温度は360℃であった。さらに、実施例1と同
様の方法で窒素を含まない異方性ボンド磁石を作製した
ところ、Br=8.1kG、iHc=11.3kOe、
(BH)max=15.2MGOeであった。また、こ
の異方性磁粉の空気中100℃、1000時間放置後の
重量増加は3%程度であった。
製し、これに窒素を侵入させる工程を施さないで実施例
と同様の方法で等方性のボンド磁石を作製したところ、
Br=6.7kG、iHc=11.6kOe、(BH)
max=9.6MGOeであった。また、この磁粉のキ
ュリー温度は360℃であった。さらに、実施例1と同
様の方法で窒素を含まない異方性ボンド磁石を作製した
ところ、Br=8.1kG、iHc=11.3kOe、
(BH)max=15.2MGOeであった。また、こ
の異方性磁粉の空気中100℃、1000時間放置後の
重量増加は3%程度であった。
【0015】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば希
土類−遷移金属−(B+C)−添加元素系合金に窒素を
侵入させることによってこれまでにない高い磁気特性を
有した永久磁石材料が得られるばかりでなく、磁石材料
そのものの耐食性を向上させることが可能であり、工業
的価値は極めて高いと言うことができる。
土類−遷移金属−(B+C)−添加元素系合金に窒素を
侵入させることによってこれまでにない高い磁気特性を
有した永久磁石材料が得られるばかりでなく、磁石材料
そのものの耐食性を向上させることが可能であり、工業
的価値は極めて高いと言うことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 構成元素および原子比組成が以下の式で
示されることを特徴とする希土類−鉄−ボロン系窒素侵
入型永久磁石材料。 Ra T100-(a+b+c+d) (B1-x Cx ) bMc Nd ただし、Rはイットリウム(Y)を含む希土類元素の少
なくとも1種以上、TはFe単独あるいはFeの半量以
下をCo、Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属
元素、MはAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Cu、
Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、In、Sn、S
b、Hf、Ta、W、Pb、Biの内から選ばれる添加
元素の少なくとも1種以上。 7≦a≦17 3≦b≦10 0.1≦c≦5 1≦d≦15 0.01≦x≦0.6 - 【請求項2】 Yを含む希土類元素の少なくとも1種以
上からなるRと、Fe単独あるいはFeの半量以下をC
o、Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属元素T
とボロン(B)と炭素(C)と、Al、Si、Ti、
V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、N
b、Mo、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、
Biの内から選ばれた添加元素の少なくとも1種以上か
らなるMから構成される合金に窒素(N)を侵入元素と
して付加したことを特徴とする請求項1記載の希土類−
鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料。 - 【請求項3】 Yを含む希土類元素の少なくとも1種以
上からなるRと、Fe単独あるいはFeの半量以下をC
o、Niのいずれか1種以上で置換した遷移金属元素T
とボロン(B)と炭素(C)と、Al、Si、Ti、
V、Cr、Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、N
b、Mo、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、
Biの内から選ばれた添加元素の少なくとも1種以上か
らなるMから構成される合金が急冷薄帯法で製造される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の希土類−鉄−ボ
ロン系窒素侵入型永久磁石材料。 - 【請求項4】 磁粉の粒子径が1000μm以下である
ことを特徴とする請求項1記載の希土類−鉄−ボロン系
窒素侵入型永久磁石材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198605A JPH0517853A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 希土類−鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3198605A JPH0517853A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 希土類−鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517853A true JPH0517853A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=16393979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3198605A Pending JPH0517853A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 希土類−鉄−ボロン系窒素侵入型永久磁石材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517853A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6003852A (en) * | 1997-06-09 | 1999-12-21 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Assembly device for a wiring harness |
JP2019016707A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | 昭和電工株式会社 | R−t−b系希土類焼結磁石及びr−t−b系希土類焼結磁石用合金 |
-
1991
- 1991-07-12 JP JP3198605A patent/JPH0517853A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6003852A (en) * | 1997-06-09 | 1999-12-21 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Assembly device for a wiring harness |
JP2019016707A (ja) * | 2017-07-07 | 2019-01-31 | 昭和電工株式会社 | R−t−b系希土類焼結磁石及びr−t−b系希土類焼結磁石用合金 |
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