JP2000146604A - 車両用ナビゲ―ション・システム及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】車両のナビゲーション・システム及び方法が、
車両の操作者に対し、次の右左折交差点に関する非常に
認識しやすい情報を表示する。 【解決手段】システム及び方法は、現在位置と目的地と
の間の経路を設定し、地図データ１内で次の右左折交差
点を特定し、測位装置６により特定された現在位置と次
の右左折交差点との間で通過すべき交差点の数を計数
し、そして、計数値に関連する数字を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、概略的には車両用
ナビゲーション・システム及び方法に関し、より具体的
には、自動車のドライバーの様な車両の操作者に、右左
折交差点に関する情報を表示するシステム及び方法に関
する。

【0002】

【従来の技術】近年、（特に都市部での）道路の複雑さ
及び円滑な交通流に対するドライバーの欲求の高まり故
に、自動車に装着されるナビゲーション・システムへの
需要が急速に高まって来ている。しかしながら、ナビゲ
ーション・システムの利用度が増大すると、システム及
びディスプレーに不慣れなドライバーが益々問題となっ
て来る。それで、非常に分かりやすい方法でドライバー
へ経路を示すことにより、誰もが容易にかつ安全にその
目的地へ到達するのを可能とするナビゲーション・シス
テムが求められている。

【0003】簡単に認識可能で正確な経路案内のために、米
国特許5,416,478号は、主モニター装置上に表示される
経路地図内の指定交差点に数字が加えられるものを開示
する。数字及び次の指定交差点で進むべき方向（左、右
又は直進）が、主モニター装置から独立したドライバー
正面のディスプレーにも表示され、車両が指定交差点を
通過すると、これらの指示が変化する。この特許におい
て、ドライバーは、次の右左折交差点に着くまでに進ま
なければならない距離を知るために、主モニター・デバ
イス上の地図を見なければならない。これは非常に不便
である。というのは、現在位置と次の交差点との間の相
対距離又は現在位置から次の交差点に到達するまでの時
間を、地図から、割出すのは困難であるからである。

【0004】ドライバーへより認識しやすい情報を与えるた
めに、米国特許5,323,321及び5,587,911号において、次
の右左折交差点までの残りの距離が、例えば130メート
ルといった数字で示されることが、開示されている。

【0005】図７は、上記米国特許5,323,321及び5,587,911
号に開示された従来技術の考え方に従うディスプレーの
例を示す。ディスプレーの表示41は現在位置から次の右
左折交差点までの距離130メートルを示している。ディ
スプレーの表示42は交差する道路の実際の名称である。
曲線43は、交差点で曲がるべき方向を表示する。

【0006】この従来技術には、ドライバーにとって、まだ
不便な点がある。というのは、自動車を運転しながら、
ドライバー自身の距離感に頼るのみで、130メートルと
いった実際の距離がどの程度かを知るのは、困難である
からである。それで、ドライバーが、混乱することなし
に、交差点のかなり手前で、次の交差点を認識すること
は困難である。２つの隣り合う交差点が近接している場
合には特に、それらの間の距離が、グローバル・ポジシ
ョニング・システム（GPS）の様な、車両位置観測シス
テムの誤差よりも小さいことがあり得る。相対距離情報
のみからでは、測位システムの誤差のために、どの交差
点で曲がるべきかを正確に判断することが出来ない。

【0007】この問題を解決するために、例えば米国特許4,
937,751号に開示される様に、システムのメモリー装置
に記憶されたイメージ・データを再生することにより、
次の交差点に関連した、写真の様な、イメージ情報を提
供することが出来るかもしれない。しかしながら、現実
問題として、大量のイメージ・データは、一般的な地図
データより遥かに大きなデータ・メモリーを必要とす
る。イメージ・データの量がメモリーの要求を最小とす
る様に減らされると、ドライバーは充分に有用な情報を
得ることが出来ない。例えば、交差点のイメージが、交
差点へ向かう一つの方向についてのみ、記憶されている
ということがあり得る。その場合に、別の方向から交差
点に向かうと、イメージが混乱したものとなることがあ
り得る。イメージ・データの量がこの様に限られていな
い場合には、交差点で実際に曲がるのが望ましい時点よ
りも前にドライバーへ適切な情報を提供することが困難
である程の時間を、システムが表示用データの読み出し
及び処理に必要とする可能性がある。

【0008】

【発明が解決しようとする課題】従来技術における欠陥
に対応して、非常に認識しやすい次の右左折交差点に関
する情報を、実際の右左折時期に充分先立ち、車両操作
者に提供することが出来る車両ナビゲーション・システ
ム及び方法を提供することが、本発明の目的である。

【0009】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の第１の観点によれば、制御器、車両の現在
位置を特定しそれを制御器へ入力する測位装置、車両操
作者が目的地を制御器へ入力するのに用いる入力装置、
制御器により読みだされる道路のデータベースを含む地
図データ及び、車両操作者に対し情報を表示し制御器に
より制御される表示器を、有する車両用ナビゲーション
・システムが設けられる。このシステムにおいて、制御
器が、地図データに従い、測位装置により特定された現
在位置と車両操作者により入力装置を用いて入力された
目的地との間の経路を設定し、地図データ内で次の右左
折交差点を特定し、地図データと設定経路に従い、測位
装置により特定された現在位置と次の右左折交差点との
間の通過交差点の数を計数し、そして、計数値に関連す
る数字を表示する様に表示器を制御する。

【0010】本発明の第２の観点によれば、車両の現在位置
を特定する測位手段、目的地を入力する入力手段、道路
のデータベースを含む地図データを記憶するメモリー手
段、車両操作者用の情報を表示する表示手段及び、1)測
位手段により特定された現在位置とメモリー手段に記憶
された地図データに従い入力手段により入力される目的
地との間の経路を設定し、2)メモリー手段に記憶される
地図データ中で次の右左折交差点を特定し、3)地図デー
タ及び決定経路に従い測位手段で特定される現在位置と
次の右左折交差点との間の通過交差点の数を計数し、4)
計数値に関連する数を表示する様に表示手段を制御す
る、制御手段を、有する車両のナビゲーション・システ
ムが、設けられる。

【0011】本発明の第三の観点によれば、車両の現在位置
を特定する工程、車両の目的地を特定する工程、地図デ
ータに従い現在位置と目的地との間の経路を設定する工
程、地図データ内で次の右左折交差点を特定する工程、
地図データに従い現在位置と次の右左折交差点との間の
通過交差点の数を計数する工程及び、計数値に関連する
数字を車両操作者に対し表示する工程、を有する、車両
用ナビゲーション方法が設けられる。

【0012】本発明の好ましい実施例によれば、次の右左折
交差点より手前の通過交差点の計数値が、交通信号を持
つ交差点にのみ基く。

【0013】本発明の別の特徴は、表示器が次の右左折交差
点での曲がる方向を表示する。

【0014】本発明の更に別の特徴によれば、表示される数
は交差点の計数値よりも１多い。

【0015】本発明の別の特徴によれば、表示される情報は
視覚的及び／又は音声的なものである。

【0016】

【発明の効果】本発明のシステム及び方法は、右左折交
差点前の通過交差点の数を計数し、車両操作者に計数値
に関連する数字を表示するので、車両操作者は次の右左
折交差点に関連する認識しやすい情報を容易に得ること
が出来るということが、本発明の効果である。表示され
た情報に従って、ドライバーは、実際の右左折よりも充
分手前で実際の右左折交差点を容易に特定することにな
る。

【0017】

【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下に、添付の
図面を参照して説明する。図１は、本発明によるナビゲ
ーション・システムの好ましい実施例を示す。

【0018】図１において、メモリー装置１は地図データを
記憶し、そして、自動車用ナビゲーション技術において
最も一般的に用いられるCD-ROMの様な記憶装置の形態を
採る。地図データは、1)ノード座標と属性を示すノード
・テーブル、交差点名称のリスト及び道路テーブルを含
む道路データ、2)地図上に図を描くための背景データ及
び、3)市町村名や記号を表示するための文字データ及
び、記号を、含む。

【0019】グローバル・ポジショニング・システム（GP
S）用受信機２は、このシステムを備える自動車の現在
位置の緯度、経度、高度を含む位置データを出力する。
GPS情報は、アンテナ３を介して複数のGPS衛星から受信
される。

【0020】走行距離センサー４は、車輪の回転に対応し
て、単位距離あたりのパルスデータを出力する。走行方
位センサー５は、ジャイロスコープなどの方位装置を用
いて、角加速度に基き方位データを出力する。走行方位
センサーとして好ましくは、株式会社村田製作所製型番
ENV-05Dのジャイロスコープを用いることが出来る。

【0021】車両位置計算装置６は、走行距離センサー４か
らのパルス・データに基き走行距離を計算し、走行方位
センサー５から得られる方位データに基き走行方向の変
化を計算して、平面座標軸上での車両の位置を求める。
更に、この結果とGPS受信機２から得られる位置データ
の計算に基き、車両計算装置は現在位置の候補位置を求
める。これらの候補位置をメモリー装置1から得られる
対応する地域の地図データと照合して、車両位置計算装
置６は現在位置として候補地点の一つを特定する。

【0022】キーボードやタッチ・パネルの様な入力装置７
を用いて、車両操作者つまりドライバーが目的地を入力
する。経路検索装置８は、入力装置７により入力された
データについて、現在位置から目的地までの最適経路を
計算し、車両位置計算装置６から得られた現在位置デー
タ及び現在位置と目的地についてメモリー装置１から得
られた地図データに基き、経路の出発点及び経路上の右
左折交差点を検索する。

【0023】計算記憶装置９は、経路検索装置８により計算
された経路検索データを記憶する。このデータに基き、
それはまた、案内地点及び対応する案内データを決定す
るために、車両位置計算装置６により得られた現在位置
の最新データ及び、メモリー装置１から得られた周辺デ
ータに従い、次の右左折交差点より手前で、通過すべき
交差点の数を、計算する。

【0024】情報出力装置10は、計算記憶装置９から出力さ
れた案内データに基き、次の右左折交差点より手前に通
過すべき交差点の数のデータを処理する。それはまた、
スピーカー11及び／又は視覚ディスプレー12が、処理デ
ータに従い情報を表示する様に、制御する。スピーカー
11を介して音声情報が表示される一方で、液晶ディスプ
レー又はインストルメント・パネルに取付けられたプロ
ジェクターにより画像が投影される自動車のウインドシ
ールドに取付けられたスクリーンの様な、視覚的ディス
プレーにより、文字及び記号の様な視覚情報が表示され
ることになる。

【0025】図２は、計算記憶装置９が案内地点に対応する
案内データを生成するのを表すフローチャートである。

【0026】図２において、最初にステップ１（S1）におい
て、最新位置データが車両位置計算装置６から得られ
る。案内交差点は、右左折交差点までの途中で通過しな
ければならず、ドライバーに与えられる右左折指示にお
いて計数されることになる、ものである。S2において、
案内交差点のうち現在位置に最も近いものが、経路探索
装置８により決定された経路データの中から、検索され
る。案内地点とは、右左折指示が与えられるであろう案
内交差点の直前直後の地域を指す。本発明の周辺地図デ
ータは、メモリー装置より、S3において得られる。S4に
おいて、S2で検索された案内交差点がS3で得られた周辺
地図データの中に存在するか否が判断される。案内交差
点が周辺データ内に存在していなければ、現在位置デー
タが再びS10で得られ、プロセスがS2に戻る。他方で、
案内交差点が周辺データ中に存在している場合には、車
両が案内地点へ到達した確認のための次の計算へ処理が
進められる。案内データは、S5において案内地点に対応
して経路検索データから生成される。そして、S6におい
て、最新の現在位置データが車両位置計算装置6から得
られる。S7において、車両が案内交差点を通り過ぎたか
否かが判断される。案内地点より手前の通過すべき交差
点がなくなったという様に、最新の現在位置データから
車両が案内交差点を通過したことが確認された場合に
は、案内を開始するために、案内データがS8において出
力される。案内データは、例えば、右左折交差点手前に
残っている案内交差点の数に、対応する。他方で、車両
が案内交差点を通過していない場合には、プロセスは、
最新の現在位置データを得るS6へ戻される。

【0027】この案内は、スピーカー11及び／又はディスプ
レー12を用いて、右左折交差点より手前で通過すべき交
差点の数を、ドライバーに教える。例えば、図３におい
て、現在位置と次の右左折交差点との間の交差点の数
は、１である。「２つ目の交差点を右折です」といった
案内指示が、この位置でなされる。２つの交差点を表示
する案内指示が必要である。言い換えると、表示される
数字は、現在位置と次の右左折交差点との間で通過すべ
き交差点の数に１を加えた数である。案内指示は少なく
とも２回与えられるのが、好ましい。それで、次の案内
指示は、図３に示される交差点22を通過した後では、
「次の交差点で右折です」となるであろう。

【0028】しかし、２つの交差点21及び22が互いに非常に
近接している場合には、「２つ目の交差点を右折です」
という様な最初の案内のみが表示される。というのは、
「次の交差点で右折です」という様な２番目の案内は、
車両位置計算装置６の誤差による混乱を生じる可能性が
あるからである。当業者であれば、このシステムを、道
路の形態に応じて、表示パターンが変化する様に、設計
するであろう。

【0029】例えば、上記実施例においては地図データ内の
全ての交差点が評価されるのであるが、本発明の案内指
示は、些細な情報がドライバーを惑わさない様に、交通
信号を持つ交差点のみを考慮する様にしても良い。それ
でその様な場合において、唯一の案内指示は「２つ目の
交差点を右折です」となることになる。

【0030】図４は、左折交差点23が右折交差点21のすぐ後
である場合を、示す。この場合において、案内は、「次
の交差点を右折で、その後の交差点を左折です」という
様になろう。地図データより、右左折交差点が固有の交
差点名称を有し、その名称が現実の地点に表示されてい
ることが、明らかである場合には、案内が交差点名称を
含むのが好ましい。

【0031】図５及び６は、本発明によるディスプレー12の
例を示す。図５のディスプレーは、車両が通行すべき道
路上の現在位置に基き、次の交差点が２つ目の交差点で
ある場合の案内指示（つまりグラフィック）を示す。図
６のディスプレーは、右左折交差点が次の交差点である
場合の、案内指示を示す。走行方向矢印33は、記号によ
り右左折交差点での曲がる方向を表示する。案内文字34
は、次の右左折交差点が交通信号を持つ２番目の交差点
であることを表示する。これと同様に、案内文字35は次
の右左折交差点が交通信号を持つ次の交差点であること
を表示する。案内文字36は、右左折方向を言葉で表示す
る。この場合において、右左折道路に上述の様に固有名
称が付けられている場合には、名称が同時に表示される
であろう。

【0032】本発明のナビゲーション・システムによる実施
例の説明から明らかな様に、右左折交差点までの案内
は、通過すべき交差点又は交通信号の数を用い、距離を
用いていない。案内文は非常に明快で、測位システムの
誤差により影響されず、車両操作者又はドライバーが最
終目的地までの経路に沿う右左折交差点を容易に認識す
ることが出来る。それで、ドライバーは、自身の距離感
又は車両のトリップ・メーターに頼る必要なしに、最終
目的地に安全に到達することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による車両用ナビゲーション・システム
を示すブロック図である。

【図２】図１の車両用ナビゲーション・システム中で案
内データを処理するフローチャートである。

【図３】経路に沿って移動する車両の状況を示す図であ
る。

【図４】経路に沿って移動する車両の状況を示す図であ
る。

【図５】本発明に従い右左折交差点に関連する情報を表
示するディスプレーを示す図である。

【図６】本発明に従い右左折交差点に関連する情報を表
示するディスプレーを示す図である。

【図７】従来技術によるディスプレーを示す図である。

【符号の説明】

６ 測位装置 ７ 入力装置 11, 12 表示器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】制御器、 車両の現在位置を特定し現在位置を上記制御器へ入力す
   る測位装置、 車両操作者が用いて上記制御器へ目的地を入力する入力
   装置、 上記制御器により読み出される道路情報を含む地図デー
   タ、及び上記車両操作者用の情報を表示し、上記制御器
   により制御される表示器、 を有し、 上記制御器が、上記測位手段により特定された現在位置
   と上記地図データに従い上記入力手段を介して車両操作
   者により入力される目的地との間の経路を設定し、上記
   地図データに従い上記地図データ中の次の右左折交差点
   を特定し、上記地図データ及び上記設定経路に従い上記
   測位手段で特定される現在位置と上記次の右左折交差点
   との間の通過交差点の数を計数し、そして該計数値に関
   連する数を表示する様に上記表示器を制御する、 車両用ナビゲーション・システム。
2. 【請求項２】次の右左折交差点より手前の通過交差点の
   数の上記計数値が、交通信号を持つ交差点のみに基いて
   いる、請求項１に記載のナビゲーション・システム。