JP2000145849A - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

Info

Publication number
JP2000145849A
JP2000145849A JP10366002A JP36600298A JP2000145849A JP 2000145849 A JP2000145849 A JP 2000145849A JP 10366002 A JP10366002 A JP 10366002A JP 36600298 A JP36600298 A JP 36600298A JP 2000145849 A JP2000145849 A JP 2000145849A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction
silicon alkoxide
binder
wet friction
friction material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10366002A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4249306B2 (ja
Inventor
Makoto Suzuki
鈴木  誠
Masahiro Mori
正博 森
Hirokazu Yagi
博和 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Warner KK
Original Assignee
NSK Warner KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Warner KK filed Critical NSK Warner KK
Priority to JP36600298A priority Critical patent/JP4249306B2/ja
Priority to US09/441,065 priority patent/US6265066B1/en
Publication of JP2000145849A publication Critical patent/JP2000145849A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4249306B2 publication Critical patent/JP4249306B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/025Compositions based on an organic binder
    • F16D69/026Compositions based on an organic binder containing fibres
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2933Coated or with bond, impregnation or core
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2933Coated or with bond, impregnation or core
    • Y10T428/2962Silane, silicone or siloxane in coating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐久性に優れ、高い摩擦係数を有し
かつ摩擦係数の初期変動も小さく、耐ヒートスポット性
に優れ、しかも比較的低温下での硬化が可能で、生産性
の向上ひいては省エネルギーに大きく貢献する湿式摩擦
材を提供する。 【解決手段】 繊維基材、充填剤、摩擦調整剤及び結合
剤からなる湿式摩擦材において、結合剤はシリコンアル
コキシドの加水分解液の硬化物である。シリコンアルコ
キシドの加水分解液において、シリコンアルコキシドは
4官能性の単量体又はその低縮合物の1種或いは2種以
上の混合物とするとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
自動変速機等において、油中で使用されるクラッチ、ブ
レーキ等の摩擦係合装置に用いる湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】車両、例えば自動車の自動変速機は、通
常、金属製基板(コアプレート)の表面に湿式摩擦材を
装着した複数のフリクションプレートと、金属板等の一
枚板からなる摩擦相手材としてのセパレータプレートと
を交互に配した多板クラッチが組み込まれ、潤滑油とし
て使用されるATF(オートマチックトランスミッショ
ンフルード)の中で、これらのプレートを相互に圧接、
開放することによって、駆動力を伝達又は遮断するよう
にしている。
【0003】このような油中で使用される摩擦係合装置
に用いる湿式摩擦材としては、「ペーパー摩擦材」と呼
ばれるペーパー系湿式摩擦材が一般的である。この湿式
摩擦材は、一般に、天然パルプ繊維、有機合成繊維や無
機繊維等の繊維基材と、珪藻土、カシュー樹脂等の充填
材や摩擦調整剤を湿式抄紙した後、熱硬化性樹脂からな
る樹脂結合剤を含浸させ、加熱硬化したものである。
【0004】このようなペーパー系湿式摩擦材におい
て、樹脂結合剤として抄紙体に含浸させる熱硬化性樹脂
は、繊維基材と充填剤等を結合保持する役割をもつばか
りでなく、湿式摩擦材の摩擦特性や耐磨耗性等にも大き
な影響を及ぼすものである。この樹脂結合剤として、耐
熱性に優れ、機械的強度が高く、耐磨耗性が比較的良好
な未変性のフェノール樹脂が従来より主に用いられてき
た。
【0005】ところで、最近の自動車業界においては、
省エネルギー化、軽量化の追求により、各種使用部品の
軽量化及び高効率化が進められている。一方、自動車エ
ンジンは高回転、高出力化の傾向にある。自動変速装置
においても、摩擦係合装置の小型軽量化や自動車エンジ
ンの高回転、高出力化に対応すべく、湿式摩擦材に対し
て摩擦係数の向上や耐熱性、耐久性のさらなる改善が求
められている。また、従来の未変性のフェノール樹脂を
結合剤とした湿式摩擦材は、架橋密度が高く硬いため、
摩擦面の局所当たりにより、初期において摩擦係数が小
さく、使用されるに従い摩擦面がなじみ、摩擦係数が大
きくなるという摩擦係数の初期変動が大きく、さらに、
高温、高負荷な条件では摩擦相手材(セパレータプレー
ト)にヒートスポットと呼ばれる摩擦面の高温による焼
けが発生し、摩擦特性の長期安定性を欠くという問題が
あり、その解決も求められている。
【0006】これらの問題を改善するために、各種の樹
脂で変性したフェノール樹脂やフェノール樹脂以外の例
えばシリコーン樹脂等の研究が行われている。この内、
摩擦材の結合剤として従来研究されているシリコーン樹
脂は、主にオルガノクロロシラン類をその原料とするも
のである。かかるシリコーン樹脂は主骨格のシロキサン
結合に起因する卓越した耐熱性、耐久性に加え、原料で
あるオルガノクロロシラン類の配合設計による架橋密度
の調整により、柔軟なものから剛直なものまで幅広い特
性発現が可能である。かかるシリコーン樹脂は、湿式摩
擦材の結合剤としてフェノール樹脂に代わる優れた素材
であるが、一般に200℃以上の高温下で硬化反応が進
行するため、150〜180℃程度で硬化するフェノー
ル樹脂に比べ、生産性ひいては省エネルギーの観点から
必ずしも満足するものではなく、未だ実用に供されてい
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、耐熱
性、耐久性に優れ、高い摩擦係数を有しかつ摩擦係数の
初期変動も小さく、耐ヒートスポット性に優れ、しかも
比較的低温下での硬化が可能で、生産性の向上ひいては
省エネルギーに大きく貢献する湿式摩擦材を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者等はシリコンアルコキシドの加水分解液に
ついて鋭意研究を重ねた結果、前記シリコーン樹脂と同
様の優れた特性を発現するばかりでなく、比較的低温下
で硬化可能であることを見出した。即ち、天然パルプ繊
維、有機合成繊維や無機繊維等の繊維基材と、珪藻土、
カシュー樹脂等の充填剤や摩擦調整剤及び結合剤からな
る湿式摩擦剤において、結合剤としてシリコンアルコキ
シドの加水分解液の硬化物を用いた湿式摩擦材が耐熱
性、耐久性に優れ、高い摩擦係数を有することはもとよ
り、製造面においても、比較的低温下で硬化可能なた
め、従来のフェノール樹脂や前記シリコーン樹脂を遙に
上回る高い生産性を確保できることを見出し、本発明を
完成した。従って、本発明の湿式摩擦材は、繊維基材、
充填剤、摩擦調整剤及び結合剤からなる湿式摩擦材にお
いて、前記結合剤がシリコンアルコキシドの加水分解液
の硬化物であること、を特徴としている。前記シリコン
アルコキシドの加水分解液において、シリコンアルコキ
シドは4官能性の単量体又はその低縮合物の1種或いは
2種以上の混合物とするとよい。また、前記シリコンア
ルコキシドの加水分解液において、水の添加量をシリコ
ンアルコキシドのモル数以上かつシリコンアルコキシド
の官能基の半数が加水分解可能な量以下とするとよい。
また、前記シリコンアルコキシドの加水分解液は、酸性
に調整するとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明の湿式摩擦材は、繊維基材、充填
剤、摩擦調整剤及び結合剤からなる湿式摩擦材におい
て、結合剤としてシリコンアルコキシドの加水分解液の
硬化物を用いたものである。ここで、繊維基材として
は、木材パルプ等の天然パルプ繊維、アラミド等の有機
合成繊維、ガラス等の無機繊維等、従来から使用されて
いるものを用いることができる。また、充填剤や摩擦調
整剤としては、珪藻土、カシュー樹脂等、従来から使用
されているものを用いることができる。
【0010】そして、結合剤はシリコンアルコキシドの
加水分解液の硬化物であるが、その基となるシリコンア
ルコキシドの加水分解液の主原料であるシリコンアルコ
キシドは、比較的容易に水と反応して、耐熱性のシロキ
サン結合(−O−Si−O−)を形成する。即ち、その
反応は、先ずアルコキシ基(−OR、R:アルキル基)
が水酸基(−OH)と置換反応しシラノール基含有化合
物となり、次に生成したシラノール基同士が脱水縮合
し、シロキサン結合を形成して高分子化が進行する。こ
の加水分解反応の機構は、溶液が酸性であるか塩基性で
あるかにより大きく異なり、生成する重合体の構造や加
水分解液の安定性に影響を与える。塩基性では、最初の
加水分解、つまりシリコン原子(Si)に結合したアル
コキシ基の1個が水酸基と置換する反応は起こりにくい
が、一旦1個のアルコキシ基が水酸基に置換されると、
残りのアルコキシ基は急速に水酸基に置換される。生成
したシラノール基含有化合物は互いに重縮合を繰り返
し、架橋密度の高い重合体を形成し、低温下で容易にゲ
ル化が起こる。一方、酸性では、最初の加水分解は急速
に起こるが、残りのアルコキシ基の加水分解は遅い。特
に、出発溶液中の水が少ない場合には、残りのアルコキ
シ基の加水分解反応はあまり進行せず、シリコンアルコ
キシドが完全に加水分解を受ける前に生成したシラノー
ル基は互いに重縮合を繰り返し、架橋密度の低い線状高
分子を形成する。このようなシリコンアルコキシドの特
性を利用して、適度な架橋密度、重合度を有し、貯蔵安
定性に優れるシリコンアルコキシドの加水分解液を調整
する。
【0011】本発明において、結合剤の基となるシリコ
ンアルコキシドの加水分解液は、主原料であるシリコン
アルコキシドと、水、溶剤、酸を反応釜に仕込み、室温
乃至は比較的低温下(溶剤(低級アルコール)の沸点以
下、例えば40〜50℃程度)で、一定時間(例えば3
時間程度)混合攪拌することにより得られる。
【0012】シリコンアルコキシドとしては、4官能性
のテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の単量体
又はその低縮合物(例えば2〜5量体程度)の1種或い
は2種以上の混合物が使用される。出発混合溶液中のシ
リコンアルコキシドの濃度は溶剤で薄めて80重量%以
下にするのが好ましい。これを越える濃度での加水分解
液は、アルコキシ基の加水分解反応さらには縮合反応が
進行し、加水分解液の貯蔵安定性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0013】用いるシリコンアルコキシドの官能基数や
出発混合溶液中のシリコンアルコキシド濃度により、加
える水の量を調整する。具体的には、使用するシリコン
アルコキシドのモル数以上で、かつ、その官能基の半数
が加水分解可能な量以下が好ましい。これより水が少な
い場合には、加水分解液中に未反応のシリコンアルコキ
シドが残存し、加熱硬化時の減量が多く、耐熱性が不十
分となる。一方、これを越える量の水を加えると、アル
コキシ基の加水分解反応さらには縮合反応が進行し、加
水分解液の貯蔵安定性が損なわれる場合がある。
【0014】溶剤は必ずしも必須成分ではないが、出発
混合溶液中のシリコンアルコキシドと水を均質な混合溶
液にするために通常は使用され、メタノール、エタノー
ル、ブロパノール、ブタノール等の低級アルコールが主
に使用される。
【0015】酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、フ
ッ酸等が使用され、出発混合液を、酸性、好ましくはp
H3以下に調整する。出発混合溶液が中性乃至塩基性の
場合、架橋密度の高い重合体が生成し、加水分解液の貯
蔵安定性が損なわれる。
【0016】加水分解液中の重合体の数平均分子量は好
ましくは500〜3000程度である。数平均分子量が
500未満では硬化性が悪くなり、高温での加熱が必要
となる。一方、3000を越えると抄紙体への含浸性が
悪くなり、さらに加水分解液の貯蔵安定性が損なわれ
る。加水分解液中の重合体の数平均分子量に対する重量
平均分子量の比、つまり多分散度は2以下が好ましい。
2を越えると加水分解液中の重合体の硬化度にバラツキ
を生じ、安定した摩擦係数が得られなくなる。
【0017】本発明の湿式摩擦材を製造するには、まず
抄紙体を形成しておく。この抄紙体は、木材パルプ等の
天然パルプ繊維、アラミド等の有機合成繊維、ガラス等
の無機繊維等の繊維基材と、珪藻土、カシュー樹脂等の
充填剤や摩擦調整剤を、所定の割合で水中に分散させた
スラリー液から通常の方法で抄造し乾燥したもので、特
に限定されたものではない。この抄紙体に上記シリコン
アルコキシドの加水分解液を基材100重量部に対して
30〜120重量部含浸し、乾燥した後、約40〜10
0℃の温度で15〜30分加熱し硬化させ、湿式摩擦材
を得る。次に、所定の形状に打ち抜き、熱プレスにて接
着剤を塗布した基板(コアプレート)と一体化し、フリ
クションプレートを得ることができるが、特に限定され
るものではなく、他の方法でもよい。
【0018】
【作用】本発明において、シリコンアルコキシドの加水
分解液は、溶剤の蒸発及び加熱により加水分解反応さら
に重縮合反応が急速に進行し、シリコーン樹脂と同様
に、最終的には主骨格にシロキサン結合を有する硬化物
となる。このシロキサン結合は、珪素原子と酸素原子と
の結合間距離が長く、電子密度が低いため、結合の回転
が容易で、硬化物は屈曲性に富み、かつ柔軟となる。こ
のようなシリコンアルコキシドの加水分解液の硬化物を
湿式摩擦材の結合剤に使用すると、柔軟性の向上により
摩擦材表面の接触面積が増加し、局所当たりに起因する
摩擦相手材(セパレータブレート)のヒートスポットと
呼ばれる焼けは皆無となり、また摩擦係数の初期変動も
僅かで、高くて安定した摩擦係数が発現する。また、シ
ロキサン結合におけるSi−Oの結合エネルギーは10
6kcal/molとフェノール樹脂等の有機系樹脂の
主骨格を形成しているC−Cの結合エネルギーの85k
cal/molに比べ、非常に大きい。この結合エネル
ギーの大きさに起因して、シリコンアルコキシドの加水
分解液硬化物は高温下で長時間保持されても、容易に分
解、変色等の劣化を生じることなく、摩擦摺動面で発生
する摩擦熱に対しても安定であり、湿式摩擦材の耐熱
性、耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、これらは例示であり、本発明の範囲を限定す
るものではない。
【0020】〔抄紙体の作製〕繊維基材成分としてセル
ロース繊維35重量%、アラミド繊維20重量%、摩擦
調整剤・充填剤として珪藻土45重量%の混合物を水中
に分散させたスラリー液から抄紙したものを乾燥して、
抄紙体を得た。
【0021】〔実施例1〕テトラメトキシシラン152
重量部にメタノール116重量部、水31重量部及び
0.01N塩酸5重量部を加え、室温下で3時間反応さ
せ、テトラメトキシシランの加水分解液を得た。この溶
液を上記抄紙体に含浸後、乾燥し、70℃で30分間加
熱して硬化させ、抄紙体100重量部に対して結合剤6
0重量部の湿式摩擦材を得た。次に、外径130mm、
内径100mmのリング状に打ち抜き、200℃に加熱
した金型中で50kg/cm以上の圧力で30秒間保
持することにより、リング状の金属製コアプレートと一
体化し、直径130mm、厚さ2.3mmのフリクショ
ンプレートを得た。
【0022】〔実施例2〕テトラエトキシシラン208
重量部にエタノール172重量部、水31重量部及び
0.01N塩酸5重量部を加え、40℃で3時間反応さ
せ、テトラエトキシシランの加水分解液を得た。この溶
液を上記抄紙体に含浸後、乾燥し、80℃で30分間加
熱して硬化させ、抄紙体100重量部に対して結合剤6
0重量部の湿式摩擦材を得た。以下、実施例1と同様の
方法で、直径130mm、厚さ2.3mmのフリクショ
ンプレートを得た。
【0023】〔比較例〕フェノール1000重量部に3
7%ホルマリン1050重量部及び20%苛性ソーダ1
0重量部を加え、100℃で1時間反応させた。その
後、650mmHgの真空下で脱水を行い、液温が70
℃に達したらメタノール750重量部を加え、不揮発分
50%の液状未変性フェノール樹脂を得た。この樹脂を
メタノールで希釈し、上記抄紙体に含浸後、乾燥し、1
50℃で30分加熱して硬化させ、抄紙体100重量部
に対して樹脂40重量部の湿式摩擦材を得た。以下、実
施例1と同様の方法で、直径130mm、厚さ2.3m
mのフリクションプレートを得た。
【0024】〔評価試験〕動摩擦係数の初期変動 実施例1、実施例2及び比較例に示した湿式摩擦材につ
いて、摩擦性能試験機(SAENo.2)を用いて、表
1の試験条件1にて動摩擦係数の初期変動を測定した。
その結果を図1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】図1から明らかなように、比較例の摩擦材
の摩擦係数はサイクル数が少ないうちは摩擦係数が小さ
く、サイクルを重ねる毎に摩擦係数が大きくなり、その
後一定の摩擦係数となることを示している。これに対し
て、実施例1及び実施例2の摩擦材では、初期から殆ど
変化することなく一定で、かつ比較例に比べ大きな摩擦
係数を示している。つまり、実施例の摩擦材は、初期な
じみ性に優れ、摩擦係数が大きいことが分かる。
【0027】耐ヒートスポット性試験 実施例1、実施例2及び比較例に示した湿式摩擦材につ
いて、摩擦性能試験機(SAENo.2)を用いて、表
2の試験条件2にて耐ヒートスポット性の試験を行っ
た。
【0028】
【表2】
【0029】図2は、比較例の摩擦材を使用した場合の
摩擦相手材(セパレータブレート)の状態を示し、図3
は実施例1及び実施例2の摩擦材を使用した場合の摩擦
相手材の状態を示す。図2の比較例においては複数のヒ
ートスポット(焼けによる黒変)が発生したが、図3の
実施例1及び実施例2においてはヒートスポットは認め
られない。つまり、実施例の摩擦材を使用することによ
ってヒートスポットを抑制する効果が得られていること
が分かる。なお、サイクル数は圧接と開放で1サイクル
とした。
【0030】耐久性試験 実施例1、実施例2及び比較例に示した湿式摩擦材につ
いて、摩擦性能試験機(SAENo.2)を用いて、表
3の試験条件3にて湿式摩擦材の耐久性(寿命サイク
ル)を評価した。その結果を図4に示す。
【0031】
【表3】
【0032】図4から分かるように、実施例1及び実施
例2の湿式摩擦材は比較例のそれに比べ、耐久寿命が長
いことが分かる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の湿式摩擦材
によれば、シリコンアルコキシドの加水分解液が従来の
フェノール樹脂やシリコーン樹脂に比べ、遙に低い温度
での硬化が可能なため、生産性の向上及び省エネルギー
に寄与する効果は極めて大きい。しかも、結合剤として
シリコンアルコキシドの加水分解液の硬化物を用いた湿
式摩擦材は、従来の未変性のフェノール樹脂等を遙に越
える耐熱性、耐久性を有するばかりでなく、未変性のフ
ェノール樹脂等の場合よりも柔軟性を増すことができ、
局所当たりに起因する初期なじみ性、耐ヒートスポット
性を大きく改善できる。最近の自動変速装機における摩
擦係合装置の小型軽量化や自動車エンジンの高回転、高
出力化にも十分対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】初期サイクル数における摩擦係数の変化の様子
を示すグラフ。
【図2】比較例の摩擦材を用い、表2に示す条件で摩擦
試験を行った後の摩擦相手材の正面図。
【図3】実施例1及び実施例2の摩擦材を用い、表2に
示す条件で摩擦試験を行った後の摩擦相手材の正面図。
【図4】摩擦材の耐久寿命を比較したグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 博和 静岡県袋井市愛野2345番地 エヌエスケ ー・ワーナー株式会社内 Fターム(参考) 3J058 BA32 BA41 BA61 BA74 BA76 FA01 FA29 GA02 GA17 GA20 GA22 GA54 GA62 GA64 GA65 GA92 GA93 GA94 4J040 EK021 HD32 KA09 KA42 LA06 LA08 MA01 MA05 MA08 MA09 MA10 MB02 NA16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維基材、充填剤、摩擦調整剤及び結合剤
    からなる湿式摩擦材において、前記結合剤はシリコンア
    ルコキシドの加水分解液の硬化物であることを特徴とす
    る湿式摩擦材。
  2. 【請求項2】前記シリコンアルコキシドの加水分解液に
    おいて、シリコンアルコキシドは4官能性の単量体又は
    その低縮合物の1種或いは2種以上の混合物である請求
    項1に記載の湿式摩擦材。
  3. 【請求項3】前記シリコンアルコキシドの加水分解液に
    おいて、水の添加量はシリコンアルコキシドのモル数以
    上かつシリコンアルコキシドの官能基の半数が加水分解
    可能な量以下である請求項1又は2に記載の湿式摩擦
    材。
  4. 【請求項4】前記シリコンアルコキシドの加水分解液
    は、酸性に調整されてなる請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の湿式摩擦材。
JP36600298A 1998-11-16 1998-11-16 湿式摩擦材 Expired - Fee Related JP4249306B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36600298A JP4249306B2 (ja) 1998-11-16 1998-11-16 湿式摩擦材
US09/441,065 US6265066B1 (en) 1998-11-16 1999-11-16 Wet friction material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36600298A JP4249306B2 (ja) 1998-11-16 1998-11-16 湿式摩擦材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000145849A true JP2000145849A (ja) 2000-05-26
JP4249306B2 JP4249306B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=18485670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36600298A Expired - Fee Related JP4249306B2 (ja) 1998-11-16 1998-11-16 湿式摩擦材

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6265066B1 (ja)
JP (1) JP4249306B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002201294A (ja) * 2000-11-06 2002-07-19 Nsk Warner Kk 湿式摩擦材
JP2019145689A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 研磨パッド積層体

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3524015B2 (ja) * 1999-05-14 2004-04-26 Nskワーナー株式会社 湿式摩擦材
US6586373B2 (en) 2000-11-02 2003-07-01 Nsk-Warner Kabushiki Kaisha Wet friction material
JP3744416B2 (ja) * 2001-12-07 2006-02-08 日産自動車株式会社 ブレーキ装置用摩擦材
KR100718854B1 (ko) * 2002-05-24 2007-05-16 가부시키가이샤 닛폰 쇼쿠바이 난연성 수지 조성물, 이의 제조 방법, 및 난연성 수지조성물을 함유하는 성형품 및 실리카
US8021744B2 (en) 2004-06-18 2011-09-20 Borgwarner Inc. Fully fibrous structure friction material
US7429418B2 (en) 2004-07-26 2008-09-30 Borgwarner, Inc. Porous friction material comprising nanoparticles of friction modifying material
US8603614B2 (en) 2004-07-26 2013-12-10 Borgwarner Inc. Porous friction material with nanoparticles of friction modifying material
JP5468252B2 (ja) 2005-04-26 2014-04-09 ボーグワーナー インコーポレーテッド 摩擦材料
CN101300297A (zh) 2005-11-02 2008-11-05 博格华纳公司 碳摩擦材料
US20100330335A1 (en) * 2007-10-25 2010-12-30 Ciupak Brian R Friction material coated with particles and saturated with elastic resin
DE102008013907B4 (de) 2008-03-12 2016-03-10 Borgwarner Inc. Reibschlüssig arbeitende Vorrichtung mit mindestens einer Reiblamelle
DE102009030506A1 (de) 2008-06-30 2009-12-31 Borgwarner Inc., Auburn Hills Reibungsmaterialien
EP3473883B1 (en) 2017-10-23 2021-11-17 BorgWarner Inc. Friction material

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0577065A (ja) * 1991-09-17 1993-03-30 Daifuku Co Ltd 建築用鋼材の接合法
JPH0534530B2 (ja) * 1985-10-31 1993-05-24 Aishin Kako Kk
JPH05179598A (ja) * 1991-12-11 1993-07-20 Honshu Paper Co Ltd 耐熱性繊維用結合剤、耐熱性繊維不織布及びその製造方法
JPH0662855B2 (ja) * 1988-08-15 1994-08-17 ダウ コーニング コーポレーション 紫外線硬化性シロキサン組成物
JPH0797518A (ja) * 1993-08-31 1995-04-11 Bayer Ag 単一成分ポリシロキサン化合物
JPH0892547A (ja) * 1994-09-27 1996-04-09 Dainippon Ink & Chem Inc 熱硬化性樹脂と金属酸化物の複合体からなる摺動・摩擦材料
JPH09328658A (ja) * 1996-02-22 1997-12-22 Loctite Corp 構造部材を接着固定するための硬化性組成物、噛み合わせ部材の製造方法およびその結合方法
JPH11246846A (ja) * 1997-12-12 1999-09-14 Toyota Motor Corp 摩擦材料及びその製造方法
JP2000088019A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Toyota Motor Corp 摩擦材及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3066700B2 (ja) 1993-12-28 2000-07-17 エヌエスケー・ワーナー株式会社 湿式摩擦材
US6060536A (en) 1995-01-05 2000-05-09 Nsk-Warner Kabushiki Kaisha Method of producing wet friction material and wet frictional material
GB2309179B (en) * 1996-01-20 1999-07-21 Ferodo Bremsbelaege Technik Ze Stabilising friction levels

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0534530B2 (ja) * 1985-10-31 1993-05-24 Aishin Kako Kk
JPH0662855B2 (ja) * 1988-08-15 1994-08-17 ダウ コーニング コーポレーション 紫外線硬化性シロキサン組成物
JPH0577065A (ja) * 1991-09-17 1993-03-30 Daifuku Co Ltd 建築用鋼材の接合法
JPH05179598A (ja) * 1991-12-11 1993-07-20 Honshu Paper Co Ltd 耐熱性繊維用結合剤、耐熱性繊維不織布及びその製造方法
JPH0797518A (ja) * 1993-08-31 1995-04-11 Bayer Ag 単一成分ポリシロキサン化合物
JPH0892547A (ja) * 1994-09-27 1996-04-09 Dainippon Ink & Chem Inc 熱硬化性樹脂と金属酸化物の複合体からなる摺動・摩擦材料
JPH09328658A (ja) * 1996-02-22 1997-12-22 Loctite Corp 構造部材を接着固定するための硬化性組成物、噛み合わせ部材の製造方法およびその結合方法
JPH11246846A (ja) * 1997-12-12 1999-09-14 Toyota Motor Corp 摩擦材料及びその製造方法
JP2000088019A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Toyota Motor Corp 摩擦材及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002201294A (ja) * 2000-11-06 2002-07-19 Nsk Warner Kk 湿式摩擦材
JP2019145689A (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 研磨パッド積層体

Also Published As

Publication number Publication date
US6265066B1 (en) 2001-07-24
JP4249306B2 (ja) 2009-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000145849A (ja) 湿式摩擦材
US6831146B2 (en) Resin composition for use in manufacturing wet friction materials and wet friction material
US5453317A (en) Friction material comprising powdered phenolic resin and method of making same
JPH07151174A (ja) フィブリル化の少ないアラミド繊維と合成黒鉛とを含む摩擦ブレーキライニング材料
US6231977B1 (en) Wet friction material
JP3524015B2 (ja) 湿式摩擦材
JP4394824B2 (ja) 湿式摩擦材、摩擦板及び湿式摩擦材の製造方法
US7491664B2 (en) Wet friction material
JP4005350B2 (ja) 湿式摩擦材
JP3678808B2 (ja) 湿式摩擦材
US6667104B2 (en) Phenol resin composition for wet friction material and wet friction material
JP2004138121A (ja) 湿式摩擦材
JP4367323B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP6901865B2 (ja) 摩擦材用の熱硬化性樹脂組成物、摩擦材及び摩擦材用の熱硬化性樹脂組成物の製造方法
JP2010116440A (ja) 湿式ペーパー摩擦材
JP2006152052A5 (ja)
JP3426682B2 (ja) 湿式摩擦材
JP2002146041A (ja) 湿式摩擦材
JP2021038325A (ja) 湿式ペーパー摩擦材用の熱硬化性ポリマー、湿式ペーパー摩擦材用の液状樹脂組成物、および湿式ペーパー摩擦材
JP2009263449A (ja) 湿式摩擦材
JP4120517B2 (ja) 車載部品成形用木質樹脂、その製造方法、車載部品成形用木質樹脂材料、およびそれから成形された車載部品
JP2003003154A (ja) 湿式摩擦材
JP2006083318A (ja) フェノール樹脂組成物とその製造方法
JP2002201294A (ja) 湿式摩擦材
JP2005213399A (ja) 熱硬化性樹脂組成物及び摩擦材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140123

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees