JP2002201294A - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

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JP2002201294A JP2001290948A JP2001290948A JP2002201294A JP 2002201294 A JP2002201294 A JP 2002201294A JP 2001290948 A JP2001290948 A JP 2001290948A JP 2001290948 A JP2001290948 A JP 2001290948A JP 2002201294 A JP2002201294 A JP 2002201294A
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英樹 帯刀
Masahiro Mori
正博 森
Makoto Suzuki
鈴木  誠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の湿式摩擦材よりもさらに高い摩擦係数
を有し、かつ最終動摩擦係数が高くならないようμs−
V(静摩擦係数−回転数)特性が正勾配となるような湿
式摩擦材を提供する。 【解決手段】 繊維基材と充填剤と結合剤とからなる湿
式摩擦材において、充填剤は珪藻土及びモース硬度8〜
9.5のフィラーのうち少なくとも一方を含み、結合剤
はシランカップリング剤の加水分解液の硬化物からなる
シリコーン樹脂である。ここで、珪藻土は略円盤状のも
のが好ましい。また、フィラーはアルミナが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
自動変速機等において、油中で使用されるクラッチ、ブ
レーキ等の摩擦係合装置に用いる湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】車両、例えば自動車の自動変速機は、通
常、金属製基板(コアプレート)の表面に湿式摩擦材を
接着した複数のフリクションプレートと、金属板等の一
枚板からなる摩擦相手材としてのセパレータプレートと
を交互に配した多板クラッチが組み込まれ、潤滑油とし
て使用されるATF(オートマチックトランスミッショ
ンフルード)の中で、これらのプレートを相互に圧接、
開放することによって、駆動力を伝達又は遮断するよう
にしている。
【0003】このような油中で使用される摩擦係合装置
に用いる湿式摩擦材としては、「ペーパー摩擦材」と呼
ばれるペーパー系湿式摩擦材が一般的である。この湿式
摩擦材は、天然パルプ繊維、有機合成繊維や無機繊維等
の繊維基材と、充填剤や摩擦調整剤と、結合剤からな
り、一般に、結合剤としてフェノール系樹脂が、充填剤
として珪藻土が用いられている。かかる湿式摩擦材は湿
式多板クラッチのフリクションプレートの両面に貼着さ
れる。そして湿式多板クラッチは通常このフリクション
プレートを4〜5枚備えている。従って、湿式摩擦材は
その2倍の8〜10枚用いられていることになる。
【0004】ところで、近年の自動車部品は小型化や軽
量化が進められている。湿式多板クラッチも事情は同じ
で、湿式多板クラッチに用いられているフリクションプ
レートの枚数を減らして軸方向寸法の短縮(小型化)や
軽量化を図ることが検討されている。このような背景か
ら湿式摩擦材はより少ない枚数で上記従来の湿式摩擦材
と同等のトルク容量を受け持ち、かつ従来と同等かそれ
以上の摩擦特性、耐熱性、耐久性を有していることが要
求される。
【0005】従来、湿式摩擦材の摩擦係数を高くするた
めに、充填剤にアルミナや窒化ケイ素等を用いることが
試みられていた。しかし、かかる湿式摩擦材は最終動摩
擦係数μoが高くなってしまうという特性を有していた
ため、クラッチに用いると変速ショックが出てしまうと
いう問題があった。また、最近ではさらに高い摩擦係数
が要求されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来
の湿式摩擦材よりもさらに高い摩擦係数を有し、かつ最
終動摩擦係数が高くならないようμs−V(静摩擦係数
−回転数)特性が正勾配となるような湿式摩擦材を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明による湿式摩擦材は、繊維基材と充填剤と結
合剤とからなる湿式摩擦材において、前記充填剤は珪藻
土及びモース硬度8〜9.5のフィラーのうち少なくと
も一方を含み、前記結合剤はシランカップリング剤の加
水分解液の硬化物からなるシリコーン樹脂であること、
を特徴としている。ここで、前記珪藻土は略円盤状のも
のが好ましい。また、前記フィラーはアルミナが好まし
い。また、前記シランカップリング剤は下記化学式
(2)で示されるものが好ましい。 (R1 )(R2n Si(OR33-n (2) (式中、R1 は末端に一級アミンを有するアルキルアミ
ノ基を表し、R2 及びR 3 はそれぞれ独立に炭素数1〜
3のアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表す。)
なお、前記シランカップリング剤は、1分子中に3個の
加水分解性基を有するシランカップリング剤の単独又は
1分子中に3個の加水分解性基を有するシランカップリ
ング剤と1分子中に2個の加水分解性基を有するシラン
カップリング剤との混合物を用いるのが好ましい。ま
た、前記シランカップリング剤の加水分解液において、
シランカップリング剤が1分子中に3個の加水分解性基
を有するシランカップリング剤と1分子中に2個の加水
分解性基を有するシランカップリング剤との混合物の場
合には、1分子中に3個の加水分解性基を有するシラン
カップリング剤のモル数に対して、1分子中に2個の加
水分解性基を有するシランカップリング剤のモル数の比
が10以下となるように配合されることが好ましい。ま
た、前記シランカップリング剤の加水分解液において、
水の添加量は、シランカップリング剤の有する加水分解
性基の半数が加水分解可能な量以上で、かつシランカッ
プリング剤の有する加水分解性基の全数が加水分解可能
な量の2倍以下とするのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明の湿式摩擦材は、繊維基材と充填
剤と結合剤とからなる湿式摩擦材において、充填剤とし
て珪藻土及びモース硬度8〜9.5のフィラーのうち少
なくとも一方を用い、また結合剤としてシランカップリ
ング剤の加水分解液の硬化物からなるシリコーン樹脂を
用いたものである。ここで、繊維基材としては、木材パ
ルプ等の天然パルプ繊維、アラミド等の有機合成繊維、
ガラス、炭素等の無機繊維等、従来から使用されている
ものを用いることができる。
【0009】充填剤として用いる珪藻土は略円盤状のも
のが好ましい。これは、円盤状の珪藻土を用いることに
よって、湿式摩擦材の表面平滑性が向上して相手摩擦面
との接触が良くなり、その結果、摩擦係数が高くなるも
のと推定される。なお、円盤状の珪藻土は、その直径が
5〜50μm程度のものが好ましい。また、モース硬度
8〜9.5のフィラーとしては、窒化ケイ素、アルミ
ナ、アルミニウムシリカ等を用いる。上記各充填剤は各
々単独で使用しても、任意に組み合わせて使用しても良
好な結果を得ることができるが、円盤状の珪藻土とアル
ミナとの組み合わせが最も優れている。なお、上記充填
剤は摩擦調整剤としての機能も併せもつ。
【0010】本発明において、結合剤の基となるシラン
カップリング剤の加水分解液は、主原料であるシランカ
ップリング剤と、水、必要に応じて溶剤を反応釜に仕込
み、室温乃至は比較的低温下(溶剤(低級アルコール)
の沸点以下、例えば40〜50℃程度)で、一定時間
(例えば3〜5時間程度)混合攪拌することにより得ら
れる。
【0011】そして、シランカップリング剤としては、
ペーパー基材に対する浸透性・ぬれ性に優れる下記式
(3)で示されるアミノシランが好ましく使用される。 (R1 )(R2n Si(OR33-n (3) (式中、R1 は末端に一級アミンを有するアルキルアミ
ノ基を表し、R2 及びR 3 はそれぞれ独立に炭素数1〜
3のアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表す。) 具体的には、1分子中に3個のアルコキシ基を有するア
ミノシランとして、3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2
−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシ
ランなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合
物を用いることができる。また、1分子中に2個のアル
コキシ基を有するアミノシランとして、3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミ
ノエチル)3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン
などが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を
用いることができる。
【0012】1分子中に3個のアルコキシ基を有するア
ミノシラン(n=0)だけを用いてもよいし、1分子中
に3個のアルコキシ基を有するアミノシラン(n=0)
と1分子中に2個のアルコキシ基を有するアミノシラン
(n=1)との混合物を用いてもよい。1分子中に3個
のアルコキシ基を有するアミノシランと1分子中に2個
のアルコキシ基を有するアミノシランとの混合系の場合
には、1分子中に3個のアルコキシ基を有するアミノシ
ランのモル数に対して、1分子中に2個のアルコキシ基
を有するアミノシランのモル数の比が10を超えない範
囲で配合することが好ましい。モル数の比が10を超え
た場合、硬化物はその架橋密度が小さく耐熱性が不十分
となり、好ましくない。
【0013】添加する水の量は、シランカップリング剤
(アミノシラン)が有する加水分解性基(アルコキシ
基)の半数が加水分解可能な量以上で、かつ、その全数
が加水分解可能な量の2倍以下、さらに好ましくはシラ
ンカップリング剤(アミノシラン)が有する加水分解性
基(アルコキシ基)の半数が加水分解可能な量以上で、
かつ、その全数が加水分解可能な量以下である。これよ
り水が少ない場合には、加水分解液中に未反応のアルコ
キシ基が多数残存して硬化性が悪くなり、生産性ひいて
は省エネルギーの観点から好ましくない。一方、添加す
る水の量が多いと、加水分解液中に余剰の水が残存し、
この余剰の水が加熱硬化の際、樹脂成分濃度が内部から
表層に向かって濃くなるという現象を引き起す原因とな
り、硬化物含有量が摩擦材の厚さ方向において不均一と
なって、物理的強度や摩擦特性に悪影響を及ぼす。水の
添加量が加水分解性基(アルコキシ基)の全数が加水分
解可能な量の2倍を越えると、加水分解液中に余剰の水
が多量に残存して、上記した現象が顕著となり好ましく
ない。水の添加量が加水分解性基(アルコキシ基)の全
数が加水分解可能な量を越えると、加水分解液中に余剰
の水が残存するため、上記した現象は起こるがその程度
は許容できる範囲にある。水の添加量を加水分解性基
(アルコキシ基)の全数が加水分解可能な量以下とすれ
ば、加水分解液中に残存する水の量が少なく、均一な摩
擦材が得られるので、より好ましい。
【0014】溶剤は必ずしも必須成分ではないが、出発
混合溶液中のアミノシランと水とを均質に混合するため
に通常は使用され、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等の低級アルコールで出発混合溶液中のアミノシラ
ンの濃度を80重量%以下に薄めるのが好ましい。これ
を越える濃度では、加水分解により生成したシラノール
基の縮合反応が進行し、加水分解液の貯蔵安定性が損な
われる場合がある。
【0015】本発明の湿式摩擦材を製造するには、まず
抄紙体を形成しておく。この抄紙体は、木材パルプ等の
天然パルプ繊維、アラミド等の有機合成繊維、ガラス等
の無機繊維等の繊維基材と、珪藻土等の充填剤や摩擦調
整剤を、所定の割合で水中に分散させたスラリー液から
通常の方法で抄造し乾燥したもので、特に限定されたも
のではない。この抄紙体に上記アミノシランの加水分解
液を基材100重量部に対して20〜120重量部含浸
し、乾燥した後、約100〜300℃の温度で15〜3
0分加熱し硬化させ、湿式摩擦材を得る。次に、所定の
形状に打ち抜き、熱プレスにて接着剤を塗布した基板
(コアプレート)と一体化し、フリクションプレートを
得ることができるが、特に限定されるものではなく、他
の方法でもよい。
【0016】シランカップリング剤(アミノシラン)
は、加水分解によりシラノール基とアミノ基を同一分子
内に有する化合物となり、アミノ基による分子内の双極
性イオン構造に起因して、シラノール基同士の縮重合を
抑え、比較的安定な溶液となる。この低分子量で親水性
な化合物は、ペーパー基材の毛細空間によく浸透した
後、溶剤の蒸発及び加熱によりシラノール基が重縮合反
応を繰り返しシロキサン結合を形成して硬化するため、
ペーパー基材の有機及び無機両成分を強固に結合し、フ
ェノール樹脂を上回る物理的強度が発現する。また、硬
化物は主骨格にシロキサン結合(−O−Si−O−)を
有し、このシロキサン結合は、珪素原子と酸素原子との
結合間距離が長く、電子密度が低いため、結合の回転が
容易で、硬化物は屈曲性に富み、かつ柔軟となる。この
ようなアミノシランの加水分解液の硬化物を湿式摩擦材
の結合剤に使用すると、柔軟性の向上により摩擦材表面
の接触面積が増加し、局所当たりに起因する摩擦相手材
(セパレータプレート)のヒートスポットと呼ばれる焼
けは皆無となり、また摩擦係数の初期変動も僅かで、高
くて安定した摩擦係数が発現する。また、シロキサン結
合におけるSi−Oの結合エネルギーは444kJ/m
ol(106kcal/mol)とフェノール樹脂等の
有機系樹脂の主骨格を形成しているC−Cの結合エネル
ギーの356kJ/mol(85kcal/mol)に
比べ、非常に大きい。この結合エネルギーの大きさに起
因して、アミノシランの加水分解液硬化物は高温下で長
時間保持されても、容易に分解、変色等の劣化を生じる
ことなく、摩擦摺動面で発生する摩擦熱に対しても安定
であり、湿式摩擦材の耐熱性、耐久性も良好である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、これらは例示であり、本発明の範囲を限定す
るものではない。
【0018】〔実施例〕繊維基材成分としてセルロース
繊維25重量%、アラミド繊維25重量%を用い、充填
剤として円盤状の珪藻土30重量%、アルミナ20重量
%を加えて水中に分散させたスラリー液から抄紙したも
のを乾燥して、抄紙体を得た。一方、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン221重量部にエタノール93重
量部、水54重量部を加え、40℃で5時間反応させ、
3−アミノプロピルトリエトキシシラン(シランカップ
リング剤)の加水分解液を得た。この溶液をエタノール
で希釈し、上記抄紙体に含浸後、乾燥し、200℃で3
0分間加熱して硬化させ、抄紙体100重量部に対して
結合剤40重量部の湿式摩擦材を得た。次に、外径13
0mm、内径100mmのリング状に打ち抜き、200
℃に加熱した金型中で4.9MPa 以上の圧力で30
秒間保持することにより、リング状の金属製コアプレー
トと一体化し、直径130mm、厚さ2.3mmのフリ
クションプレートを得た。なお、参考のため、この実施
例に用いた円盤状の珪藻土の拡大写真を図1に示す。
【0019】〔比較例1〕繊維基材成分としてセルロー
ス繊維25重量%、アラミド繊維25重量%を用い、充
填剤として珪藻土30重量%、グラファイト20重量%
を加えて水中に分散させたスラリー液から抄紙したもの
を乾燥して、抄紙体を得た。一方、不揮発分50%の液
状純性フェノール樹脂をメタノールで希釈し、上記抄紙
体に含浸後、乾燥し、180℃で30分加熱して硬化さ
せ、抄紙体100重量部に対して結合剤(フェノール樹
脂)40重量部の湿式摩擦材を得た。以下、実施例と同
様の方法で、直径130mm、厚さ2.3mmのフリク
ションプレートを得た。
【0020】〔比較例2〕繊維基材成分としてセルロー
ス繊維25重量%、アラミド繊維25重量%を用い、充
填剤としてアルミナ50重量%を加えて水中に分散させ
たスラリー液から抄紙したものを乾燥して、抄紙体を得
た。以下、比較例1と同様に処理して抄紙体100重量
部に対して結合剤(フェノール樹脂)40重量部の湿式
摩擦材を得た。以下、実施例と同様の方法で、直径13
0mm、厚さ2.3mmのフリクションプレートを得
た。
【0021】(μs−V特性試験)実施例、比較例1及
び2に示した湿式摩擦材について、摩擦性能試験機(S
AENo.2)を用いて、下記の試験条件にて湿式摩擦
材のμs−V特性を評価した。その結果を図2及び図3
に示す。
【0022】回転数:0.72,2,5,10,15,
20rpm 面圧:785kPa イナーシャ:0.343N・m・s2 摩擦面数:6面 油量:油浴700ml 油温:40℃(図2)、100℃(図3) 摩擦面積:47.38cm2 /面
【0023】図2及び図3から分かるように、μsの値
は、比較例2は比較例1に対しては高いが、実施例のも
のと比較すると低い。また、実施例と比較例1のものは
正勾配、つまり回転数の増加に伴って摩擦係数が増加す
るが、比較例2のものは逆に負勾配となっている。さら
に、図2と図3を比較すると、図3、即ち高温下のもの
の方が全体的にμsの値が低くなっている。しかし、実
施例のμsの値の下げ幅は、比較例1及び2に比べると
極めて小さいことが分かる。つまり、実施例のものは高
温下でも高い摩擦係数を維持している。
【0024】実施例、比較例1及び2のトルク波形を図
4に示す。試験条件は回転数が3600rpmとなる他
は上記μs−V特性試験と同じ(油温は100℃)であ
る。図4から明らかなように、比較例2のものは動摩擦
係数の最終部分μoが上がっているが、実施例と比較例
1についてはμoは上がっていないことが分かる。ま
た、実施例のものは比較例1に比べて摩擦係数が高い。
なお、実施例のものは、耐熱性、面圧依存性に関して
は、比較例1ものもと同程度の性能を有していた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の湿式摩擦材
によれば、従来の湿式摩擦材に比べて高い摩擦係数をも
ち、かつμs−V特性が正勾配となる良好な効果を得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】円盤状の珪藻土の拡大写真。
【図2】油温40℃でのμs−V特性の比較を示すグラ
フ。
【図3】油温100℃でのμs−V特性の比較を示すグ
ラフ。
【図4】トルク波形の比較を示すグラフ。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 誠 静岡県袋井市愛野2345番地 エヌエスケ ー・ワーナー株式会社内 Fターム(参考) 3J058 EA28 EA40 FA01 GA92 GA93 GA94 4F071 AA09 AA56 AA67 AB03 AB18 AB28 AB30 AD01 AE12 AH07 DA02 DA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維基材と充填剤と結合剤とからなる湿式
    摩擦材において、前記充填剤は珪藻土及びモース硬度8
    〜9.5のフィラーのうち少なくとも一方を含み、前記
    結合剤はシランカップリング剤の加水分解液の硬化物か
    らなるシリコーン樹脂であることを特徴とする湿式摩擦
    材。
  2. 【請求項2】前記珪藻土は略円盤状のものである請求項
    1に記載の湿式摩擦材。
  3. 【請求項3】前記フィラーはアルミナである請求項1又
    は2に記載の湿式摩擦材。
  4. 【請求項4】前記シランカップリング剤は下記化学式
    (1)で示されるものである請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の湿式摩擦材。 (R1 )(R2n Si(OR33-n (1) (式中、R1 は末端に一級アミンを有するアルキルアミ
    ノ基を表し、R2 及びR 3 はそれぞれ独立に炭素数1〜
    3のアルキル基を表し、nは0又は1の整数を表す。)
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