JPH0959599A - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

Info

Publication number
JPH0959599A
JPH0959599A JP21711295A JP21711295A JPH0959599A JP H0959599 A JPH0959599 A JP H0959599A JP 21711295 A JP21711295 A JP 21711295A JP 21711295 A JP21711295 A JP 21711295A JP H0959599 A JPH0959599 A JP H0959599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
modified
wet friction
friction material
wet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21711295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3678808B2 (ja
Inventor
Tetsuo Kanekawa
哲夫 金川
Takanobu Shimada
孝信 嶋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Chemical Co Ltd filed Critical Aisin Chemical Co Ltd
Priority to JP21711295A priority Critical patent/JP3678808B2/ja
Publication of JPH0959599A publication Critical patent/JPH0959599A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3678808B2 publication Critical patent/JP3678808B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静摩擦係数を高め、かつ、耐摩耗性を向上す
る。 【解決手段】 パルプ、アラミド繊維等の基材繊維と、
ケイソウ土、カシューダスト等の充填材とを抄造して形
成した抄紙体に、フェノール樹脂からなる樹脂結合剤を
含浸し、熱硬化してなる湿式摩擦材において、そのフェ
ノール樹脂として、乾性油及びカシューナッツ殻液で変
性された変性フェノール樹脂を使用する。フェノール樹
脂を乾性油とカシューナッツ殻液とで変性しているた
め、乾性油のみで変性した場合よりも、柔軟性を保持し
つつ硬化性を向上することができる。そのため、湿式摩
擦材の摩擦係数をより高めることができ、かつ、耐摩耗
性をより向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は自動車の自動変速機等に
おいて油中に浸した状態で使用されるクラッチ、ブレー
キ等の摩擦係合装置に用いる湿式摩擦材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車の自動変速機において
は、通常金属製である基板(芯金)の表面に湿式摩擦材
を接着した複数のディスクプレートと、金属板等の一枚
板からなる摩擦相手材としての複数のセパレートプレー
トとを交互に配した多板クラッチが組込まれ、潤滑油と
して使用されるATF(オートマチックトランスミッシ
ョンフルード)の中で、これらのプレートを相互に圧接
し、また解放することによって、駆動力を伝達または遮
断するようにしている。また、この自動変速機には、反
力要素を固定、解放するために、多板ブレーキまたはバ
ンドブレーキも一般に組込まれている。
【0003】そして、従来より、このような油中で使用
される摩擦係合装置に用いる湿式摩擦材としては、焼結
合金系、或いはコルク系等の湿式摩擦材も知られている
が、「ペーパー摩擦材」とも呼ばれるペーパー系の湿式
摩擦材が一般的である。この湿式摩擦材は、パルプやア
ラミド繊維等の基材繊維と摩擦調整剤や体質充填材等の
充填材とを抄造して得た抄紙体に、熱硬化性樹脂からな
る樹脂結合剤を含浸し、加熱硬化して形成したものであ
り、軽量で、安価であるだけでなく、材質が多孔質で比
較的弾性にも富むため油吸収性が高く、しかも、耐熱
性、耐摩耗性等にも比較的優れている等の特長を有して
いる。
【0004】ここで、このようなペーパー系の湿式摩擦
材において、樹脂結合剤として抄紙体に含浸させる熱硬
化性樹脂は、基材繊維と充填材とを結合保持するために
重要であるだけでなく、摩擦材の摩擦特性や耐摩耗性等
にも大きな影響を及ぼすものである。そこで、この樹脂
結合剤としては、耐熱性、結合性(接着性)に優れ、機
械的強度も高く、しかも摩擦特性や耐摩耗性等も比較的
良好であるフェノール樹脂が、一般に用いられている。
なお、このフェノール樹脂はフェノール、クレゾール等
のフェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類と
を、酸性触媒またはアルカリ性触媒下で重縮合反応させ
て生成されるが、湿式摩擦材の場合には、その重縮合反
応をアルカリ性触媒下で行って生成したレゾール型のフ
ェノール樹脂が主に使用されている。
【0005】また、湿式摩擦材の樹脂結合剤として使用
されるこのようなフェノール樹脂については、これを更
に変性して用いることも知られている。例えば、特開平
1−288639号公報には、フェノール樹脂を、アル
キルベンゼンとホルムアルデヒドとを重縮合反応させて
生成したアルキルベンゼンホルムアルデヒド樹脂によっ
て変性することが開示されている。なお、このアルキル
ベンゼン変性フェノール樹脂の使用は、具体的には、低
速すべり摩擦係合時に発生するスティックスリップのト
ルク振幅の減少を目的としている。
【0006】更に、本出願人の先の提案にかかるもので
あるが、特公平5−26049号公報には、湿式摩擦材
の摩擦係数の向上を目的として、フェノール樹脂を、桐
油、アマニ油等の乾性油によって変性することが開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
自動車の低燃費化、高フィーリング化が進められ、それ
に伴なって自動変速機において潤滑油として用いられる
ATF(オートマチックトランスミッションフルード)
も、その低摩擦特性化(低μ化)が図られている。即
ち、ATFを低摩擦特性化することによって、その摩擦
抵抗を少なくして自動変速機内での動力損失を低減し、
また、変速時の摩擦係合装置の係合を滑らかにして変速
ショックを防止し、フィーリング性を向上することであ
る。
【0008】しかし、このようにATFが低摩擦特性化
されると、静摩擦係数も同時に低下するため、摩擦係合
装置の静トルク容量が減少する。そして、その静トルク
容量が不足すると、摩擦材と相手材との間にすべりが生
じ、焼損の原因となる可能性もある。そのため、ATF
の低摩擦特性化に伴なって、摩擦係合装置に用いる湿式
摩擦材については、その静摩擦係数の向上が要望されて
いる。
【0009】また他方、湿式摩擦材の高い静摩擦係数
は、摩擦係合装置、またはそれを組込んだ自動変速機等
の軽量小型化、或いは低コスト化の点からも要望されて
いる。つまり、高い静摩擦係数を有する湿式摩擦材の使
用によって、高いトルク伝達容量を確保することがで
き、摩擦係合装置を形成するディスクプレート等の枚数
を少なくできるからである。
【0010】本出願人の提案にかかる上記の特公平5−
26049号公報に開示の技術は、このような要望に鑑
みてなされたものであり、静摩擦係数の向上を目的とし
ている。そして、乾性油により変性された乾性油変性フ
ェノール樹脂を湿式摩擦材の樹脂結合剤として使用する
ことにより、その静摩擦係数を、動摩擦係数を高めるこ
となく増大させることができる。即ち、乾性油の変性に
より、樹脂結合剤としてのフェノール樹脂の架橋密度が
比較的低くなり、湿式摩擦材の柔軟性が増すため、相手
材とのなじみ性が向上する。そのため、当り面が増加
し、静摩擦係数を高めることができる。
【0011】このように、樹脂結合剤としての乾性油変
性フェノール樹脂の使用は、高い静摩擦係数を有する湿
式摩擦材を得るために、非常に有効なものであった。し
かしながら、この乾性油変性フェノール樹脂を使用した
湿式摩擦材については、耐摩耗性において若干ではある
が低下する傾向が見られた。そして、このような耐摩耗
性は、摩擦係合装置の小型軽量化または低コスト化を図
り、摩擦係合要素の枚数等を少なくすると共に摩擦係合
圧力を大きくする場合には、特に重要となるものであ
る。
【0012】そこで、本発明は、高い静摩擦係数を有
し、かつ、耐摩耗性にも優れた湿式摩擦材の提供を課題
とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題の解決のために、樹脂結合剤として用いるフェノール
樹脂の変性に着目し、その変性材料について更に種々の
模索と検討を重ねた。そしてその結果、フェノール樹脂
を乾性油のみだけでなく、カシューナッツ殻液を併用し
て変性することにより、静摩擦係数をより高めることが
でき、かつ耐摩耗性も向上できることを見出だし、また
確認した。
【0014】即ち、本発明の湿式摩擦材は、基材繊維と
充填材とからなる抄紙体に、フェノール樹脂からなる樹
脂結合剤を含浸し、加熱硬化して形成された湿式摩擦材
において、そのフェノール樹脂は、乾性油とカシューナ
ッツ殻液とにより変性された乾性油及びカシューナッツ
殻液変性フェノール樹脂からなるものである。
【0015】このように、樹脂結合剤であるフェノール
樹脂として、乾性油だけでなく、カシューナッツ殻液を
併用して変性したフェノール樹脂を使用するため、静摩
擦係数をより高め、しかも耐摩耗性を向上することがで
きる。この理由については、推測に過ぎないが、カシュ
ーナッツ殻液の変性によって、架橋密度が比較的低い乾
性油の硬化性が向上され、その結果、耐摩耗性が向上す
ると共に、油膜切れ特性が向上して静摩擦係数がより高
められると考えられる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この湿式摩擦材について詳
細に説明する。
【0017】[抄紙体基材]本発明の湿式摩擦材におい
て、その基材である抄紙体は、従来と同様に、骨格を形
成する基材繊維と、その基材繊維間に充填される摩擦調
整剤や体質充填材等の充填材とからなる。
【0018】ここで、基材繊維としては、木材パルプ、
リンターパルプ等のセルロース系繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維、ノボロイド繊維等の有機繊維、ガラス繊維、カ
ーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シ
リカ繊維、ロックウール繊維等の無機繊維またはウイス
カ、ステンレススチール繊維、真ちゅう繊維等の金属繊
維、等が挙げられる。そして、これらの繊維は、それぞ
れ単独で、または任意に組合せて用いることができる。
なお、パルプ以外のこれらの繊維としては、一般に、平
均長さが0.5〜5mm程度であり、繊維径において
0.1〜6μmのものが使用される。また、有機繊維と
しては、フィブリル化したものを使用することもでき
る。
【0019】また、充填材としては、摩擦係数を高める
と共に安定化する摩擦調整剤であるカシューダスト、主
に耐摩耗性を向上するグラファイト、二硫化モリブデン
等の固体潤滑剤、主に摩擦係数と熱伝導性を高めるため
のアルミニウム粉、そして、体質充填材である硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸カ
リウム、ケイソウ土、カーボン、等を使用することがで
きる。なお、この体質充填材として、ケイソウ土は、そ
れ自体が多孔質であり油の吸収性を有するため、特に好
ましい。そして、その粒子径は、一般に2〜20μmが
好ましく、4〜6μmがより好ましい。
【0020】シート状基材である抄紙体は、これらの基
材繊維及び充填材から、一般的な抄造法によって形成す
ることができる。即ち、これらの材料を水中に分散して
スラリを形成し、硫酸バンド等の定着剤または凝集剤に
よって定着または凝集した後、長網式または丸網式等の
抄紙機を用い、所定の厚さのシート状に抄紙する。次い
で、この湿潤状態の抄紙体を乾燥した後、打抜き等の手
段によって、リング状或いはその他の所定の形状の抄紙
体を形成する。なお、充填材は、その種類によっては、
予め抄紙した基材繊維に、後からコーティング等により
外填することもできる。
【0021】[変性フェノール樹脂]また、本発明の湿
式摩擦材において、このような抄紙体に含浸され、基材
繊維と充填材とを相互に結合保持する樹脂結合剤として
は、上記のように、乾性油とカシューナッツ殻液とによ
り変性された変性フェノール樹脂を使用する。
【0022】この変性フェノール樹脂は、乾性油と、カ
シューナッツ殻液と、フェノール類と、そしてアルデヒ
ド類とを相互に反応させて得られ、また、一般にレゾー
ル型のフェノール樹脂として形成される。具体的には、
例えば、フェノール類と乾性油とカシューナッツ殻液と
の混合物を、予め酸性触媒存在下で加熱して反応させ、
この反応生成物を中和した後、アルデヒド類を加えて塩
基性触媒存在下で反応させレゾール化する方法によっ
て、製造することができる。なおこの場合、カシューナ
ッツ殻液は、そのレゾール化の段階で加えることもでき
る。また、まずフェノール類とカシューナッツ殻液との
混合物にアルデヒド類を加えて反応させ、次いで乾性油
を加えて反応させる方法等によっても、同様に製造する
ことができる。
【0023】ここで、フェノール類及びアルデヒド類と
しては、フェノール樹脂の製造に一般に使用されている
任意のものを使用することができる。即ち、フェノール
類としては、通常フェノールが用いられるが、クレゾー
ル、或いはキシレノール等を用いることもできる。ま
た、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデ
ヒド、ブチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、或いは
ベンズアルデヒド、更には加水分解によりホルムアルデ
ヒドを生成するヘキサメチレンテトラミン等を用いるこ
とができる。しかし、これらの中でも、一般的にはホル
ムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを使用するこ
とができる。そして、アルデヒド類はフェノール類に対
して過剰に用いられ、一般に、フェノール類1モルに対
して1.1〜2.5のモル比で使用される。
【0024】また、フェノール樹脂の変性に使用する乾
性油としては、アマニ油、桐油、ヒマシ油、トール油等
が挙げられ、特に、不飽和二重結合を2個以上有する脂
肪酸を主成分とする油脂を好適に用いることができる。
そして、この乾性油による変性は、変性フェノール樹脂
全体に対して、一般に15〜55重量%の割合が好まし
い。この割合が少ないと、硬化後のフェノール樹脂の十
分な柔軟性が得られず、そのため、摩擦係数を十分に向
上することができない。したがって、乾性油の変性量
は、少なくとも15重量%以上であることが好ましい。
しかし、多すぎる乾性油による変性は、その反対に、フ
ェノール樹脂の耐熱性を低下させる傾向がある。そのた
め、その変性量は55重量%を限度として、それ以下で
あることが好ましい。より好ましい乾性油の変性量は、
25〜50重量%である。
【0025】また、フェノール樹脂の変性に乾性油と併
用して使用されるカシューナッツ殻液は、カシューナッ
ツの殻から採取された油状の液であって、フェノール誘
導体であるカルダノールとカルドールを主成分とするも
のである。なお、このカシューナッツ殻液は、摩擦調整
剤として用いられるカシューダストの原料であり、この
場合フルフラール等によって硬化される。そして、この
カシューナッツ殻液によるフェノール樹脂の変性は、変
性フェノール樹脂全体に対して、実用上一般に10〜5
0重量%が好ましい。この変性量が少なく、一般に10
重量%より少ないと、摩擦係数と耐摩耗性の向上効果が
十分に得られない。しかし、変性量が多すぎると、摩擦
係数と耐摩耗性は余り向上しないだけでなく、乾性油の
場合と同様に耐熱性が低下する傾向がある。そのため、
50重量%を限度として、それ以下の割合とすることが
好ましい。より好ましいカシューナッツ殻液の変性量
は、15〜40重量%である。
【0026】ただし、これらの乾性油とカシューナッツ
殻液とによるフェノール樹脂の変性量の合計は、変性フ
ェノール樹脂全体の75重量%以下であることが好まし
い。この合計の変性量が多すぎると、相対的にフェノー
ル類の割合が少なくなり、フェノール樹脂の特性の一つ
である耐熱性を損なうことになるからである。そして、
より好ましいその合計の変性量は、65重量%以下であ
る。
【0027】[湿式摩擦材の製造]そして、この乾性油
及びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂を上記の抄
紙体に含浸し、加熱硬化することによって、本発明の湿
式摩擦材が形成される。
【0028】より具体的には、その含浸処理のために、
変性フェノール樹脂は有機溶剤によって適当な濃度に稀
釈して用いられ、そして、その変性フェノール樹脂溶液
中に抄紙体を浸漬することによって、その含浸処理が一
般に行われる。なお、その有機溶剤としては、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン類等を、それぞれ単独でまたは
2種以上混合して用いることができる。次いで、その変
性フェノール樹脂溶液を含浸した抄紙体を、適宜乾燥し
た後、一般に150〜250℃の温度で加熱し、それに
よってその樹脂を硬化する。そして、こうして形成され
た湿式摩擦材は、予め接着剤を塗布したディスクプレー
ト等の芯金に熱プレスすることによって、接着して用い
られる。また、変性フェノール樹脂溶液を含浸した抄紙
体を、直接芯金に熱プレスすることもできる。この場
合、含浸された変性フェノール樹脂の硬化と芯金に対す
る接着とが同時に行われる。
【0029】なお、ここで、乾性油及びカシューナッツ
殻液変性フェノール樹脂は、樹脂結合剤として基材繊維
と充填材とを十分に結合保持するために、湿式摩擦材全
体に対して、一般に15重量%以上の割合で含浸され
る。しかし、このように含浸され、硬化された変性フェ
ノール樹脂の湿式摩擦材全体における割合、即ち、「樹
脂率」は、得られる静摩擦係数と耐摩耗性に影響する。
そのため、十分な静摩擦係数と耐摩耗性とを得るため
に、その樹脂率は、20〜50重量%が好ましい。即
ち、静摩擦係数は樹脂率が多くなるに従って高くなる傾
向にあり、そのため、実用上十分な摩擦係数を得るため
に20重量%以上であることが好ましい。しかし、逆
に、樹脂率が多くなるに従って耐摩耗性が低下する傾向
がある。そのため、実用上十分な耐摩耗性を得るため
に、樹脂率は50重量%以下であることが好ましい。そ
して、より好ましくは、この変性フェノール樹脂の樹脂
率は25〜45重量%の範囲であり、更に、最も好まし
くは30〜35%の範囲である。なお、このような樹脂
率の設定は、含浸処理に使用する変性フェノール樹脂の
溶液の濃度を適切に調節することによって行うことがで
きる。
【0030】このような本発明の湿式摩擦材、即ち、ペ
ーパー系摩擦材は、自動変速機における摩擦係合装置、
即ち、ATF中で使用される多板形クラッチ、或いは多
板形ブレーキまたはバンドブレーキの摩擦材として利用
することができる。また、その他の油中で使用されるク
ラッチ或いはブレーキ等の湿式摩擦係合装置の摩擦材と
しても、好適に利用することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的
に説明する。
【0032】〔実施例1〕次のようにして、本発明の実
施例1の湿式摩擦材を作製した。なお、この湿式摩擦材
は、具体的には、自動車の自動変速機における摩擦係合
装置(多板形クラッチ)に適用されるものである。
【0033】〈変性フェノール樹脂の調製〉まず、本実
施例の湿式摩擦材の樹脂結合剤として使用する乾性油及
びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂を、次のよう
に調製した。
【0034】即ち、フェノール25容量部、桐油50容
量部、カシューナッツ殻液25容量部からなる混合物
を、これに酸性触媒としてパラトルエンスルホン酸を添
加し、80℃で3時間反応させた。次いで、この反応物
にトルエンとトリエタノールアミンとを添加して希釈
し、中和した後、37%ホルマリン(ホルムアルデヒ
ド)と塩基性触媒としてのアンモニア水とを添加し、9
0〜100℃で4時間反応させた。そして、得られた反
応物(レゾール)の脱水と脱トルエンを減圧下で行った
後、メタノール及びトルエンの混合溶剤を再度加えて溶
解し、所定の濃度に稀釈した。
【0035】このようにして、乾性油である桐油とカシ
ューナッツ殻液とにより変性されたフェノール樹脂、即
ち、乾性油及びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂
(レゾール)の溶液を得た。この変性フェノール樹脂
は、フェノール、乾性油、及びカシューナッツ殻液を、
容量比で1:2:1とした混合物を原料とするものであ
り、したがって、乾性油及びカシューナッツ殻液の変性
量は、樹脂全体に対して、それぞれ約50重量%、及び
約25重量%に相当する。
【0036】〈湿式摩擦材の作製〉摩擦材の作製に際し
て、基材としての抄紙体を次のように作成した。リンタ
ーパルプ25重量部とアラミド繊維30重量部を水中に
分散し、十分に叩解した後、カシューダスト15重量部
及びケイソウ土30重量部を更に加え、撹拌して均一に
混合し、分散させた。次いで、この水分散液(スラリ)
を硫酸バンドにより定着させた後、丸網式抄紙機により
抄紙して、厚さ約0.5mmのシート状(ペーパ状)の
抄紙体を形成した。そして、この抄紙した抄紙体を乾燥
した後、外径130mm、内径100mmのリングに打
抜き、リング状の抄紙体を得た。
【0037】なお、この抄紙体は、上記の成分から抄造
され、基材繊維としてのリンターパルプ25重量%及び
アラミド繊維30重量%と、充填材としてのカシューダ
スト15重量%及びケイソウ土30重量%とからなって
いる。
【0038】そして、このリング状抄紙体に、上記の乾
性油及びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂溶液
を、ディッピング法によって含浸させた。次いで、これ
を取出し、自然乾燥した後、リング状の金属製ディスク
プレートからなる芯金との間に挟み、170℃×2分の
加熱条件で熱プレス成形した。これによって、芯金に一
体に接合されると共に、含浸された変性フェノール樹脂
が硬化された湿式摩擦材を得た。ここで、上記の変性フ
ェノール樹脂溶液はその濃度が予め調節されており、加
熱硬化後のこの変性フェノール樹脂が湿式摩擦材全体に
おいて占める割合、即ち、「樹脂率」は、35重量%で
ある。
【0039】〈比較例1,2〉また、実施例1の湿式摩
擦材との対比のために、樹脂結合剤としてのフェノール
樹脂の種類を変えて、比較例1及び比較例2の湿式摩擦
材を作製した。
【0040】比較例1の湿式摩擦材は、フェノール樹脂
として、乾性油である桐油のみにより変性された乾性油
変性フェノール樹脂を使用したものである。つまり、こ
の乾性油変性フェノール樹脂は、実施例1で用いた乾性
油及びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂におい
て、そのカシューナッツ殻液の配合を無くして調製した
ものである。具体的には、この乾性油変性フェノール樹
脂は、フェノールと桐油とを容量比で1:1で用いて調
製され、したがって、その乾性油(桐油)の変性量は、
樹脂全体に対して約50重量%である。
【0041】比較例2の湿式摩擦材は、フェノール樹脂
として、無変性のフェノール樹脂を用いたものである。
即ち、乾性油やカシューナッツ殻液等の変性剤を使用す
ること無く、フェノールのみを原料として調製したフェ
ノール樹脂を、樹脂結合剤として用いたものである。
【0042】なお、これらの比較例1,2はいずれも実
施例1と同様に作製され、その「樹脂率」、即ち、摩擦
材全体における乾性油変性または無変性フェノール樹脂
の割合は、共に35重量%である。
【0043】〈評価試験〉次いで、このように作製した
実施例1の湿式摩擦材と、樹脂結合剤であるフェノール
樹脂の種類のみを変えて作製した比較例1及び比較例2
の湿式摩擦材について、その摩擦特性と耐摩耗性に関す
る評価試験を行った。
【0044】具体的には、各湿式摩擦材について、摩擦
性能試験(SAE No.2)を次の条件で2000サイク
ル実施し、500サイクル毎に静摩擦係数及び動摩擦係
数を測定した。また、この試験終了後の湿式摩擦材の厚
さを測定し、予め計測した初期の値から差引いて、その
摩耗量を求めた。
【0045】(試験条件) ダイナミック回転数DN:3600rpm スタティック回転数SN:0.72rpm 負荷:3000N イナーシャ:2.5kg・cm・sec 2 潤滑油:ATF(オートフールドタイプT) 潤滑油温度:120℃。
【0046】実施例1及び比較例1,2の各湿式摩擦材
について、500サイクル毎に測定した静摩擦係数の測
定値を図1に、また、動摩擦係数の測定値を図2にそれ
ぞれ示す。また、これらの各湿式摩擦材の摩耗量を図3
に示す。
【0047】図1は本発明の実施例1と比較例1及び比
較例2の湿式摩擦材の静摩擦係数を、係合サイクル数と
の関係において示す特性図であり、図2は本発明の実施
例1と比較例1及び比較例2の湿式摩擦材の動摩擦係数
を、係合サイクル数との関係において示す特性図、図3
は本発明の実施例1と比較例1及び比較例2の湿式摩擦
材の摩耗量を示す特性図である。
【0048】〈試験結果〉図1のように、樹脂結合剤で
あるフェノール樹脂として、乾性油とカシューナッツ殻
液とにより変性した乾性油及びカシューナッツ殻液変性
フェノール樹脂を使用した実施例1の湿式摩擦材の静摩
擦係数は、係合サイクルが繰返されるに従って僅かに低
下する傾向が見られるが、乾性油のみで変性した乾性油
変性フェノール樹脂を使用した比較例1の湿式摩擦材、
及び無変性のフェノール樹脂を使用した比較例2の湿式
摩擦材よりも、高い値に維持されている。より具体的に
は、実施例1の湿式摩擦材の静摩擦係数は、比較例1と
比べて0.005〜0.010高く、また、比較例2と
比べると0.009〜0.018高い。
【0049】その一方、図2のように、動摩擦係数にお
いては、乾性油及びカシューナッツ殻液変性フェノール
樹脂を使用した実施例1の湿式摩擦材は、比較例1及び
比較例2の湿式摩擦材とほとんど同一の摩擦係数であ
る。つまり、実施例1の湿式摩擦材によれば、動摩擦係
数は従来レベルに維持される一方、高い静摩擦係数が得
られている。
【0050】また、図3のように、摩耗量については、
実施例1の湿式摩擦材の摩耗量は0.016μmであ
り、同じ樹脂率である比較例1及び比較例2の湿式摩擦
材の摩耗量がそれぞれ0.022μm、0.020μm
であることと比較して、顕著に少ない。即ち、乾性油及
びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂を使用した実
施例1の湿式摩擦材は、乾性油のみで変性したフェノー
ル樹脂または無変性のフェノール樹脂を用いた比較例1
及び比較例2の湿式摩擦材よりも、優れた耐摩耗性を示
している。
【0051】このように、実施例1の湿式摩擦材は、比
較例1及び比較例2の湿式摩擦材よりも、静摩擦係数が
高く、また摩耗量が少ない。そこで、樹脂結合剤として
のフェノール樹脂の種類のみを変えたこの評価試験の結
果から、そのフェノール樹脂を乾性油とカシューナッツ
殻液とで変性することによって、静摩擦係数をより高め
ることができると共に、耐摩耗性を向上することができ
ることが分かる。なお、この理由については、次のよう
に考えられる。つまり、乾性油による変性によって、フ
ェノール樹脂及びそれを結合剤とする湿式摩擦材の柔軟
性が高められ、摩擦係合する相手材とのなじみ性が向上
して、摩擦係数が増加する。そしてその一方、カシュー
ナッツ殻液による変性によって、硬化性が比較的低い乾
性油の架橋密度が高められ、その結果、油膜切れ特性が
向上して静摩擦係数がより高められ、また耐摩耗性が向
上されると考えられる。
【0052】そして、この乾性油及びカシューナッツ殻
液変性フェノール樹脂を用いた湿式摩擦材は、動摩擦係
数が増加しないため、低摩擦特性化されたATF中で使
用される摩擦係合装置(多板形クラッチ)において、特
に好適に利用することができる。即ち、動摩擦係数が低
く保たれるため、良好な変速フィーリングが得られる一
方、高い静摩擦係数を確保できるため、そのATFによ
る静トルク容量の不足を補い、焼損等の原因となる摩擦
係合時の滑りを防止することができる。
【0053】また、静摩擦係数が高く、しかも耐摩耗性
に優れていることによって、摩擦係合装置を形成するデ
ィスクプレート等の摩擦要素の枚数を少なくすることが
できる。そして、それによって、摩擦係合装置の軽量小
型化、或いはコストの低減を図ることができる。
【0054】〔実施例2〜4〕また、実施例1とは別
に、「樹脂率」を変えた本発明の実施例2乃至実施例4
の湿式摩擦材を作製し、それらについて、その摩擦特性
と耐摩耗性に関する評価試験を行った。
【0055】〈実施例2〉まず、基材としての抄紙体を
次のように作成した。リンターパルプ20重量部とアラ
ミド繊維25重量部を水中に分散し、十分に叩解した
後、カシューダスト25重量部及びケイソウ土30重量
部を更に加え、撹拌して均一に混合し、分散させた。次
いで、実施例1の場合と同様に、この水分散液(スラ
リ)を硫酸バンドにより定着させた後、丸網式抄紙機に
より抄紙して、厚さ約0.5mmのシート状(ペーパ
状)の抄紙体を形成した。そして、この抄紙した抄紙体
を乾燥した後、外径130mm、内径100mmのリン
グに打抜き、リング状の抄紙体を得た。
【0056】この抄紙体は、基材繊維としてのリンター
パルプ20重量%及びアラミド繊維25重量%と、充填
材としてのカシューダスト25重量%及びケイソウ土3
0重量%とからなっている。つまり、この抄紙体は、実
施例1の抄紙体と成分は同じであるが配合割合が異な
り、カシューダストが10重量%増量され、その分だけ
基材繊維の量を減じて形成されている。
【0057】そして、このリング状抄紙体に、実施例1
で使用した乾性油及びカシューナッツ殻液変性フェノー
ル樹脂の溶液を含浸し、後は実施例1と同じ工程を経
て、乾燥し加熱硬化して、芯金と一体になった実施例2
の湿式摩擦材を作製した。ただし、この実施例2の湿式
摩擦材の「樹脂率」、即ち、湿式摩擦材全体における樹
脂結合剤であるフェノール樹脂の割合は、20重量%で
ある。そして、この樹脂率となるように、含浸する乾性
油及びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂の溶液の
濃度を予め調節して使用した。
【0058】〈実施例3〉実施例2と同じ抄紙体及び樹
脂結合剤を用いて、「樹脂率」のみを変えて実施例3の
湿式摩擦材を作製した。
【0059】この実施例3の湿式摩擦材の樹脂率は、3
5重量%である。なお、この樹脂率となるように、実施
例2の場合と同様に、含浸する乾性油及びカシューナッ
ツ殻液変性フェノール樹脂の溶液の濃度を予め調節して
使用した。
【0060】〈実施例4〉また同様に、「樹脂率」のみ
を50重量%に変えて、実施例4の湿式摩擦材を作製し
た。即ち、この実施例4の湿式摩擦材は、樹脂率におい
ては異なるが、実施例2及び実施例3の湿式摩擦材と同
一の組成成分からなっている。
【0061】〈評価試験〉このように「樹脂率」のみを
変え、それぞれ20重量%、35重量%、及び50重量
%とした実施例2乃至実施例4の湿式摩擦材について、
その摩擦特性及び耐摩耗性の評価試験を、実施例1の場
合と同様に行った。
【0062】そして、摩擦特性については、摩擦性能試
験(SAE No.2)を2000サイクル実施し、500
サイクル毎に静摩擦係数を測定した。また、耐摩耗性に
ついては、その試験後の湿式摩擦材の厚さを測定して、
摩耗量を求めた。ただし、この試験の条件は次のとおり
である。
【0063】(試験条件) ダイナミック回転数DN:3600rpm スタティック回転数SN:0.72rpm 負荷:1200N イナーシャ:2.5kg・cm・sec 2 潤滑油:10W30 潤滑油温度:120℃。
【0064】この試験結果を図4に示す。そして、この
図4では、静摩擦係数が縦の実線として表され、また、
摩耗量が棒状に表されている。
【0065】図4は本発明の実施例2乃至実施例4の湿
式摩擦材の樹脂率と、静摩擦係数及び摩耗量を示す特性
図である。
【0066】〈試験結果〉図4のように、摩擦特性に関
しては、樹脂率が20重量%である実施例2の湿式摩擦
材の静摩擦係数は0.212〜0.238であるのに対
して、樹脂率がそれぞれ35重量%及び50重量%であ
る実施例3及び実施例4の湿式摩擦材の静摩擦係数は、
ほぼ同じであって、0.225〜0.250である。し
たがって、乾性油及びカシューナッツ殻液変性フェノー
ル樹脂を樹脂結合剤として使用したこれらの実施例の湿
式摩擦材において、その樹脂率が多い程、静摩擦係数は
より高くなる傾向が見られる。ただし、静摩擦係数にほ
とんど差が無い実施例3と実施例4からすると、樹脂率
が一定の値を越えると静摩擦係数は増加しない傾向も見
られる。
【0067】また、摩耗量に関しては、実施例2では摩
耗量は0.013μmと少ないのに対して、実施例3で
は0.020μm、実施例4では0.040μmに増加
している。つまり、樹脂率が多くなるに従って摩耗量は
増加する傾向が見られる。
【0068】このように、この試験結果から、樹脂結合
剤として乾性油及びカシューナッツ殻液変性フェノール
樹脂を用いた湿式摩擦材において、その樹脂率は、より
高い静摩擦係数を得るためには多い程好ましく、また、
より耐摩耗性を向上するためには、反対に少ない程好ま
しいことが分かる。そのため、樹脂率は、要求される静
摩擦係数と耐摩耗性との関係において適宜に決めること
ができる。しかし、樹脂率を一定以上に多くしても静摩
擦係数は増加しないことからすれば、その樹脂率は、良
好な静摩擦係数と耐摩耗性とが共に得られる35重量%
の内外である25〜45重量%が一般に好ましい。
【0069】なお、本発明の湿式摩擦材については、主
に、自動車の自動変速機における摩擦係合装置での使用
と関連して説明したが、本発明を実施する場合には、こ
のような用途での利用だけでなく、その他の湿式摩擦係
合装置、即ち、油中で使用されるクラッチまたはブレー
キ等の摩擦係合装置の湿式摩擦材としても、同様に有利
に利用することができる。また、基材繊維の種類と組成
割合等についても、上記の実施例に限定されることな
く、種々に変更することができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる湿式摩擦
材は、基材繊維と充填材とからなる抄紙体に、フェノー
ル樹脂からなる樹脂結合剤を含浸し、熱硬化して形成さ
れた湿式摩擦材において、そのフェノール樹脂は、乾性
油とカシューナッツ殻液とにより変性された乾性油及び
カシューナッツ殻液変性フェノール樹脂からなるもので
ある。
【0071】したがって、この湿式摩擦材によれば、樹
脂結合剤であるフェノール樹脂が乾性油とカシューナッ
ツ殻液とによって変性されているので、無変性の場合よ
りも柔軟性を増すことができると共に、乾性油のみで変
性した場合よりも硬化性を向上することができる。その
ため、静摩擦係数をより高めることができ、かつ、耐摩
耗性をより向上することができる。即ち、本発明にかか
る湿式摩擦材は、高い静摩擦係数を有し、しかも、優れ
た耐摩耗性を有する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1と比較例1及び比較
例2の湿式摩擦材の静摩擦係数を、係合サイクル数との
関係において示す特性図である。
【図2】 図2は本発明の実施例1と比較例1及び比較
例2の湿式摩擦材の動摩擦係数を、係合サイクル数との
関係において示す特性図である。
【図3】 図3は本発明の実施例1と比較例1及び比較
例2の湿式摩擦材の摩耗量を示す特性図である。
【図4】 図4は本発明の実施例2乃至実施例4の湿式
摩擦材の樹脂率と、静摩擦係数及び摩耗量を示す特性図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材繊維と充填材とからなる抄紙体に、
    フェノール樹脂からなる樹脂結合剤を含浸し、加熱硬化
    して形成された湿式摩擦材において、 前記フェノール樹脂は、乾性油とカシューナッツ殻液と
    により変性された乾性油及びカシューナッツ殻液変性フ
    ェノール樹脂からなることを特徴とする湿式摩擦材。
JP21711295A 1995-08-25 1995-08-25 湿式摩擦材 Expired - Fee Related JP3678808B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21711295A JP3678808B2 (ja) 1995-08-25 1995-08-25 湿式摩擦材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21711295A JP3678808B2 (ja) 1995-08-25 1995-08-25 湿式摩擦材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0959599A true JPH0959599A (ja) 1997-03-04
JP3678808B2 JP3678808B2 (ja) 2005-08-03

Family

ID=16699046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21711295A Expired - Fee Related JP3678808B2 (ja) 1995-08-25 1995-08-25 湿式摩擦材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3678808B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6231977B1 (en) * 1998-08-19 2001-05-15 Nsk-Warner, K. K. Wet friction material
US7074877B2 (en) 2001-12-14 2006-07-11 Sumitomo Bakelite Company Limited Resin for use in manufacturing wet friction materials, manufacturing method thereof and wet friction material
JP2009263412A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Showa Highpolymer Co Ltd 湿式摩擦材及びその製造方法
WO2012026220A1 (ja) * 2010-08-26 2012-03-01 昭和電工株式会社 湿式摩擦材
JP2012097360A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Aisin Chemical Co Ltd 湿式摩擦材の製造方法
WO2012096135A1 (ja) 2011-01-14 2012-07-19 住友ベークライト株式会社 液状レゾール型フェノール樹脂
US20130032445A1 (en) * 2011-08-01 2013-02-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Wet friction member and its manufacturing method
WO2013179660A1 (ja) 2012-05-31 2013-12-05 住友ベークライト株式会社 液状レゾール型フェノール樹脂および湿式ペーパー摩擦材
US8841485B2 (en) 2010-07-27 2014-09-23 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Liquid phenol resin and method of preparing the same
CN106438788A (zh) * 2016-08-29 2017-02-22 吴志强 含混甲酚树脂的高耐磨鼓式刹车片及制造方法
US9995003B2 (en) 2015-12-04 2018-06-12 Hyundai Motor Company Wet paper friction material
CN112855811A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 西北工业大学 一种非晶态α-烯烃共聚物改进纸基摩擦材料及制备方法
CN114876990A (zh) * 2022-05-31 2022-08-09 陕西航沣新材料有限公司 一种醇/水溶性酚醛树脂混合粘接剂的纸基摩擦材料及其制造方法和应用

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6231977B1 (en) * 1998-08-19 2001-05-15 Nsk-Warner, K. K. Wet friction material
US7074877B2 (en) 2001-12-14 2006-07-11 Sumitomo Bakelite Company Limited Resin for use in manufacturing wet friction materials, manufacturing method thereof and wet friction material
JP2009263412A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Showa Highpolymer Co Ltd 湿式摩擦材及びその製造方法
US8841485B2 (en) 2010-07-27 2014-09-23 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Liquid phenol resin and method of preparing the same
US20130202903A1 (en) * 2010-08-26 2013-08-08 Showa Denko K.K Wet friction material
CN103068948A (zh) * 2010-08-26 2013-04-24 昭和电工株式会社 湿式摩擦件
JP2012046608A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Showa Denko Kk 湿式摩擦材
WO2012026220A1 (ja) * 2010-08-26 2012-03-01 昭和電工株式会社 湿式摩擦材
US8932713B2 (en) 2010-08-26 2015-01-13 Showa Denko K.K. Wet friction material
JP2012097360A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Aisin Chemical Co Ltd 湿式摩擦材の製造方法
WO2012096135A1 (ja) 2011-01-14 2012-07-19 住友ベークライト株式会社 液状レゾール型フェノール樹脂
US9657139B2 (en) 2011-01-14 2017-05-23 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Liquid resol-type phenolic resin
US20130032445A1 (en) * 2011-08-01 2013-02-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Wet friction member and its manufacturing method
US8765266B2 (en) 2011-08-01 2014-07-01 Aisin Kako Kabushiki Kaisha Wet friction member and its manufacturing method
WO2013179660A1 (ja) 2012-05-31 2013-12-05 住友ベークライト株式会社 液状レゾール型フェノール樹脂および湿式ペーパー摩擦材
US9163106B2 (en) 2012-05-31 2015-10-20 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. Liquid resol-type phenolic resin and wet paper friction material
US9995003B2 (en) 2015-12-04 2018-06-12 Hyundai Motor Company Wet paper friction material
CN106438788A (zh) * 2016-08-29 2017-02-22 吴志强 含混甲酚树脂的高耐磨鼓式刹车片及制造方法
CN112855811A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 西北工业大学 一种非晶态α-烯烃共聚物改进纸基摩擦材料及制备方法
CN112855811B (zh) * 2020-12-31 2022-09-02 西北工业大学 一种非晶态α-烯烃共聚物改进纸基摩擦材料及制备方法
CN114876990A (zh) * 2022-05-31 2022-08-09 陕西航沣新材料有限公司 一种醇/水溶性酚醛树脂混合粘接剂的纸基摩擦材料及其制造方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3678808B2 (ja) 2005-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4166844B2 (ja) 二層摩擦材料
JP4074364B2 (ja) 高性能二層摩擦材料
US5453317A (en) Friction material comprising powdered phenolic resin and method of making same
US6182804B1 (en) High performance two-ply friction material
US6130176A (en) Fibrous base material for a friction lining material comprising less fibrillated aramid fibers and carbon fibers
US5639804A (en) Non-saturated friction material comprising powdered silicone resin and powdered phenolic resin and method for making same
JP4053330B2 (ja) 湿式摩擦材用樹脂組成物および湿式摩擦材
US8222317B2 (en) Wet friction material
EP1607653A1 (en) Fully fibrous structure friction material
JP3678808B2 (ja) 湿式摩擦材
KR20010006842A (ko) 덜 가는 아라미드 섬유, 탄소섬유, 탄소입자를 함유하는제 1 층과 탄소 입자들을 함유하는 제 2 층을 포함하는섬유질 라이닝제
US6231977B1 (en) Wet friction material
JP4249306B2 (ja) 湿式摩擦材
JP2004332830A (ja) 高トルク容量湿式ペーパー摩擦材
JP2006282972A (ja) 湿式摩擦材
JP3524015B2 (ja) 湿式摩擦材
JP2004138121A (ja) 湿式摩擦材
JP4373346B2 (ja) 湿式摩擦材およびその製造方法
JPH0776574B2 (ja) 湿式摩擦材
JPH0718094A (ja) 湿式摩擦材
JPH0526049B2 (ja)
JP3426682B2 (ja) 湿式摩擦材
JP2002146041A (ja) 湿式摩擦材
JP2002173666A (ja) 湿式摩擦材
JP2003003154A (ja) 湿式摩擦材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050426

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050511

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080520

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090520

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees