JP2009263412A - 湿式摩擦材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】摩擦基材に、ベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーの主鎖に不飽和基を導入した不飽和基含有樹脂を結合剤として用い、硬化させてなる湿式摩擦材、並びに、摩擦基材に、ベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーの主鎖に不飽和基を導入した不飽和基含有樹脂を結合剤として用い、硬化する湿式摩擦材の製造方法である。
【選択図】なし
Description
ペーパー摩擦材は、例えば、パルプに各種の摩擦調整剤などを配合したのち、抄紙を行い、更にフェノール樹脂に代表される結合用樹脂を含浸し、その後、硬化させて製造される。このペーパー摩擦材は適度な摩擦係数を有していることより、広範囲の用途に用いられている。
しかしながら、昨今の車両のエンジン出力アップ、燃費向上の為の摩擦係数向上、車両重量の増加などによる湿式摩擦材への負荷増大に対する耐久性の向上など、解決すべき問題が多い。さらに、近年の環境負荷を軽減すべく各種の研究がなされている。
例えば、特許文献1には、基材の結合剤として用いる樹脂では、乾性油とカシューナッツ殻液とにより変性された乾性油及びカシューナッツ殻液変性フェノール樹脂からなるフェノール樹脂を用いた湿式摩擦材が開示され、特許文献2には、メソフェーズピッチの粉体を混合分散した熱硬化性樹脂を用いた湿式摩擦材が開示されています。
しかし、特許文献1及び2の湿式摩擦材は、高い摩擦係数及び耐久性を維持しているものの、生産性が不十分であった。
すなわち、本発明は、摩擦基材に、ベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーの主鎖に不飽和基を導入した不飽和基含有樹脂を結合剤として用い、硬化させてなる湿式摩擦材、並びに、摩擦基材に、ベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーの主鎖に不飽和基を導入した不飽和基含有樹脂を結合剤として用い、硬化する湿式摩擦材の製造方法を提供するものである。
このようなベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーは、特に限定されないが、高度な耐熱性を有するものが好ましく、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、ノボラック型フェノール樹脂としては、キシリレン基を有するフェノール・アラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン骨格構造を有するフェノール樹脂等が挙げられる。
以上の樹脂は、単独でもしくは2種以上を併用して使用することができる。
その場合、不飽和基をポリマーに導入する方法としては、例えば、ポリマーがノボラック型フェノール樹脂の場合、グリシジル(メタ)アクリレートのようなフェノール性水酸基に反応することのできるグリシジル基等の官能基をその構造中に有し、かつ、メタクリレートのような二重結合を合わせもつ物質を反応させる方法や、N−メチロールアクリルアミドの様に、フェノールに対して反応性を有し、かつ、アクリルの二重結合を有する物質を反応させることで方法が挙げられる。
また、ポリマーがノボラック型エポキシ樹脂の場合は、アクリル酸のような酸と二重結合を合わせ持つ物質を反応させる方法が挙げられる。
本発明の湿式摩擦材に用いる摩擦基材としては、特に限定されず、公知の常用のものを用いれば良く、例えば、リンターパルプ及び充填材を水に分散させた分散液から通常の方法で抄紙することにより得た紙状シート等を用いることができる。
樹脂の硬化方法としては特に限定するものではなく、公知の方法により硬化すれば良いが、熱、又は光もしくは電子線のエネルギー線照射により硬化させると好ましく、特に、電子線のエネルギー線照射が好ましい。また、電子線の照射量としては、通常25〜300kGyであり、50〜200kGyであると好ましい。50kGy以上であれば、十分な硬化性が得られる。
実施例1
1Lの三つ口セパラブルフラスコに市販のノボラック型フェノール樹脂BRG−558(商品名:昭和高分子株式会社製)100重量部、メチルエチルケトン40重量部、グリシジルメタクリレート104.5重量部、トリエチルアミン2重量部を仕込み、80℃で6時間反応させた。この時のノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基とグリシジルメタクリレートの当量比は約100:75である。このとき、ポリスチレン換算重量平均分子量2500の不飽和基含有樹脂を得た。
この不飽和基含有樹脂を、リンターパルプからなる基材に対して40質量%となるように含浸し、室温で30分乾燥した。このシートを電子線を片面100kGyずつ約2秒で照射して硬化させ、得られたシートをリング状に打ち抜き、常法の方法にて目的の湿式摩擦材を作成した。この湿式摩擦材の性能を表1に示す条件(SAE♯2測定条件)にて測定したところ摩擦係数は0.132、摩耗量6μmと、高い摩擦係数を有し、かつ、耐久性にも優れていた。
1Lの三つ口セパラブルフラスコに市販のエポキシ樹脂N−740(商品名:大日本インキ化学工業株式会社製)181重量部、メタクリル酸86重量部、メチルハイドロキノン0.2重量部、トリジメチルアミノメチルフェノール1.5重量部を仕込み、105℃で30分反応後、117℃で2時間反応させ、メチルエチルケトン115重量部を添加した。この時のエポキシ樹脂のエポキシ基とメタクリル酸の当量比は約100:100である。このとき、ポリスチレン換算重量平均分子量2300の不飽和基含有樹脂を得た。
この不飽和基含有樹脂を、リンターパルプからなる基材に対して40質量%となるように含浸し、室温で30分乾燥した。このシートを電子線で片面100kGyずつ約2秒で照射して硬化させ、得られたシートをリング状に打ち抜き、常法の方法にて目的の湿式摩擦材を作成した。この湿式摩擦材の性能を表1に示す条件にて測定したところ摩擦係数は0.133、摩耗量8μmと、高い摩擦係数を有し、かつ、耐久性にも優れていた。
市販のフェノール樹脂BLS−3855(商品名:昭和高分子株式会社製)を、メタノールで樹脂分約35%となるように希釈し、リンターパルプからなる基材に対して40質量%となるように含浸し、220℃で10分間硬化させ、得られたシートをリング状に打ち抜き、常法にて目的の湿式摩擦材を作成した。この湿式摩擦材の性能を表1に示す条件にて測定したところ摩擦係数は0.132、摩耗量8μmと、高い摩擦係数を有し、かつ、耐久性にも優れていた。
市販ペーパー湿式摩擦材において、表1で示す条件に従い摩擦特性を測定したところ、摩耗量は8μmと良好な耐久性を示したが、摩擦係数は0.114とそれほど高い値は発現しなかった。
Claims (5)
- 摩擦基材に、ベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーの主鎖に不飽和基を導入した不飽和基含有樹脂を結合剤として用い、硬化させてなる湿式摩擦材。
- 前記ポリマーがノボラック型フェノール樹脂である請求項1に記載の湿式摩擦材。
- 前記ポリマーがノボラック型エポキシ樹脂である請求項1に記載の湿式摩擦材。
- 熱、又は光もしくは電子線等のエネルギー線照射により前記不飽和基含有樹脂を硬化させてなる請求項1に記載の湿式摩擦材。
- 摩擦基材に、ベンゼン環がメチレン架橋している主鎖を有するポリマーの主鎖に不飽和基を導入した不飽和基含有樹脂を結合剤として用い、硬化する湿式摩擦材の製造方法。
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