JPH0718094A - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

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JPH0718094A
JPH0718094A JP16235793A JP16235793A JPH0718094A JP H0718094 A JPH0718094 A JP H0718094A JP 16235793 A JP16235793 A JP 16235793A JP 16235793 A JP16235793 A JP 16235793A JP H0718094 A JPH0718094 A JP H0718094A
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JP
Japan
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fiber
fibers
friction material
paper
wet friction
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JP16235793A
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English (en)
Inventor
Masato Suzuki
雅登 鈴木
Hideto Nakagawa
英人 中川
Hideo Ono
英雄 小野
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Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性を向上すると共に、耐摩耗性、耐久性
を向上する。 【構成】 フィブリル化有機繊維を添加して無機繊維を
抄紙し、得られたフィブリル化有機繊維を含む無機繊維
の抄紙体に、熱硬化性樹脂を含浸し加熱硬化する。ま
た、充填材としては無機質のものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の流体式自動変速
機等、油中で使用される湿式摩擦係合装置に用いる湿式
摩擦材に関するもので、特に耐熱性に優れた湿式摩擦材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の自動変速機等におい
ては、通常金属製である基板の表面に湿式摩擦材を接着
した複数のディスクプレートと、金属板などの一枚板か
らなる摩擦相手材としての複数のセパレートプレートと
を交互に配し、潤滑油として使用されるATF(オート
マチックトランスミッションフルード)の中で、回転す
る相手材に対して停止している湿式摩擦材を押圧して回
転を停止させる、あるいは、停止している相手材に対し
て回転している湿式摩擦材を押圧して相手材と湿式摩擦
材とを同一回転させることにより、原動機の駆動力を伝
達あるいは遮断している。また、湿式摩擦材と相手材と
の間に差回転を発生させ、これにより、ちょうど半クラ
ッチと同様の状態で原動機の駆動力を滑らかに伝達する
ようにもしている。
【0003】このような油中で使用される湿式摩擦材
は、油が充分に含浸される必要があることから多孔質体
として形成され、従来より、軽量で、安価である等の点
で、繊維基材の抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、加熱硬
化したものが一般的である。そして、この繊維基材とし
ては木材パルプが一般に用いられ、またその抄紙体には
摩擦調整剤、固体潤滑剤、等の充填材が適宜添加され
る。なおこの種の湿式摩擦材に関しては、例えば、特開
平1−169134号公報、特開平1−288639号
公報、特公平2−61661号公報等に、その種々の改
良技術が掲載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
湿式摩擦材に関しても、近年の自動車エンジンの出力の
増大、変速機の小型化等により、その性能に対する要求
はますます厳しくなっている。特にその一つは耐熱性で
あり、例えば、車の加速性能向上のため自動変速機の変
速点を向上させると、摩擦材の係合回転数が上昇し、摩
擦係合面が瞬間的に400℃にも達することもある。こ
のために、木材パルプを繊維基材とする湿式摩擦材で
は、熱劣化によって、安定した摩擦係数を得ることがで
きず、また、耐摩耗性、耐久性を十分に満足することが
できなくなっている。そこで、繊維基材として耐熱性の
あるセラミック繊維、ガラス繊維等の無機繊維を用いる
ことが検討され、既に一部において実施されている。
【0005】しかし、この無機繊維を繊維基材とする湿
式摩擦材は、確かに耐熱性は向上するものの、予測され
た程には耐摩耗性が向上しないものであった。そこで、
本発明者等は、この点について精査したところ、無機繊
維は合成樹脂によって相互に結合されているが、無機質
繊維が一般に剛性が高いことから、相手材との摩擦係合
による湿式摩擦材の弾性圧縮が繰り返されると、その繊
維間の結合が離れ、ついには繊維が剥離することをつき
とめた。また、充填材が添加される場合、その定着性も
十分ではないこともわかった。そこで更に検討を重ねた
結果、その繊維の剥離、また充填材の不十分な定着性
は、フィブリル化有機繊維を加えることによって、有効
に防止できることを見出だした。
【0006】よって、本発明は、無機繊維を繊維基材と
して用いて耐熱性を高めると共に、上述の問題点を解決
し、繊維間の耐剥離強度が高く、また充填材の定着性が
良好な耐摩耗性、耐久性に優れた湿式摩擦材を提供する
ことをその課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
湿式摩擦材は、無機繊維と、フィブリル化有機繊維とを
含む抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、加熱硬化してなる
ものである。
【0008】また、請求項2の発明にかかる湿式摩擦材
は、無機繊維からなる繊維基材と、無機質充填材と、フ
ィブリル化有機繊維とを含む抄紙体に熱硬化性樹脂を含
浸し、加熱硬化してなるものである。
【0009】
【作用】本発明の湿式摩擦材においては、フィブリル化
有機繊維のフィブリルが無機繊維に絡み付き、それによ
って、無機繊維間の結合を強化し、繊維の剥離強度を向
上する。また、フィブリル化有機繊維のフィブリルは、
充填剤を捕捉し無機繊維間に定着させる。
【0010】ここで、フィブリル化有機繊維は、フィブ
リル化されたアラミド繊維等の有機繊維であり、一般
に、平均繊維長さ0.5〜4mm(好ましくは1.0〜
1.5mm)、繊維径5〜20μm(好ましくは10〜1
5μm)のものが使用される。また、このフィブリル化
有機繊維より更に微細にフィブリル化されたミクロフィ
ブリル化有機繊維も好適に使用することができ、本発明
において、フィブリル化有機繊維は、このミクロフィブ
リル化有機繊維を包含する。そして、これらのフィブリ
ル化有機繊維は単独で、あるいは組み合わせて用いるこ
とができるが、その割合は、摩擦材全体に対して、一般
に、0.5〜30重量%である。しかし、ミクロフィブ
リル化有機繊維の使用は、一般に、0.5〜10重量%
であることが好ましく、1.0〜5.0重量%が最適で
ある。
【0011】なお、本発明の湿式摩擦材において、無機
繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナ−
シリカ繊維、チタン酸カリウム繊維等のセラミック繊
維、あるいはガラス繊維が使用される。また、ロックウ
ール繊維、カーボン繊維のような無機繊維、ステンレス
スチール繊維等の金属繊維、あるいはウイスカ等も使用
することができる。これらの繊維は、その具体的種類に
よっても異なるが、一般に、平均長さ0.5〜5mm(好
ましくは、1〜2mm)、繊維径0.1〜6μm(好まし
くは、1.5〜2.0μm)のものが使用される。そし
て、これらの繊維は、それぞれ単独で、あるいは組み合
わせて使用することができる。
【0012】また、充填材としては、本発明では無機質
のものが使用され、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、グ
ラファイト、二硫化モリブデン、酸化鉄、酸化珪素、酸
化マグネシウム、ウオラストナイト、珪藻土等を、単独
で、または2種以上混合して使用することができる。こ
れらの充填材の中でも、それ自体多孔質である珪藻土は
特に好ましく、一般に粒子径2〜20μm(好ましくは
4〜6μm)のものが好適に使用される。なお、有機質
の充填材も、少ない量であれば、必要に応じて用いるこ
とができる。そして、これらの充填材は、特に使用しな
くてもよいが、使用する場合、摩擦材全体に対して、一
般に5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の割合
で使用される。
【0013】これらの無機繊維、充填材、そしてフィブ
リル化有機繊維を用いて、本発明の湿式摩擦材は、常法
どおりに製造される。すなわち、先ず、これらの材料
を、PVAなどの定着剤を含む水中に分散させ、長網式
または丸網式等の抄紙機でシート状に抄紙する。そし
て、このシート状の抄紙体を乾燥した後、打ち抜き等の
手段により所定の形状の抄紙体を形成する。次いで、こ
の抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、熱風炉などで硬化さ
せ、湿式摩擦材を形成する。なお、この熱硬化性樹脂に
は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂などが使用される。
【0014】このようにして得られた湿式摩擦材は、一
般に30〜50%の気孔率を有することが好ましい。し
かし、この範囲外の気孔率であることも適宜可能であ
る。そして、この湿式摩擦材は、通常の湿式摩擦材と同
様に、自動変速機のディスクプレート等の基板に接着し
て、油中で使用される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0016】本発明の実施例の湿式摩擦材を、以下に述
べる配合、製法により作製した。
【0017】〈実施例1〉平均繊維長1mm,繊維径2μ
mのセラミック繊維(アルミナ50重量%,シリカ50
重量%)50重量%、平均粒径4μmの珪藻土48重量
%を骨材とし、これにミクロフィブリル化セルロース2
重量%を添加して、マシンチェストで十分混合した。こ
れを、定着剤としてPVAを含む水中に分散させ、抄紙
機で抄紙して厚さ0.5mmのシート状抄紙体を形成し
た。そして、このシート状抄紙体を乾燥した後、外径1
30mm,内径100mmの中空円板状に打抜き、リング状
抄紙体を形成した。次いでこの抄紙体を、加熱後の固形
分が30重量%となるように溶剤で希釈されたレゾール
系フェノール樹脂の溶液中に浸漬し、含浸させた。そし
てこれを取りだし、自然乾燥した後、250℃で熱処理
してフェノール樹脂を硬化させた。そしてこれを、予め
熱硬化性接着剤を塗布したディスクプレートからなる芯
金との間に挟み、熱プレス成形した。これによって、芯
金に一体に接合された湿式摩擦材を得た。
【0018】〈実施例2〉実施例1で用いたセラミック
繊維40重量%と珪藻土40重量%とを骨材とし、これ
に平均繊維長1.5mm,繊維径12μmのフィブリル化
アラミド繊維19重量%を加え、更にミクロフィブリル
化アラミド繊維を1重量%添加したものを用い、これを
抄紙し、実施例1と同様にして、湿式摩擦材を得た。
【0019】〈実施例3〉実施例1,2で用いたセラミ
ック繊維40重量%と珪藻土40重量%とを骨材とし、
これに実施例2で用いたフィブリル化アラミド繊維18
重量%を加え、更に実施例1で用いたミクロフィブリル
化セルロース2重量%を添加したものを用い、これを抄
紙し、実施例1,2と同様にして、湿式摩擦材を得た。
【0020】次いで、これらの実施例の湿式摩擦材につ
いて、以下に述べる試験方法により、その耐摩耗性を評
価した。
【0021】なお、比較例として、パルプ繊維、珪藻
土、有機及び無機の摩擦調整剤などから構成される抄紙
体に、熱硬化性樹脂を含浸し加熱成形して得られた従来
の湿式摩擦材を用い、同様に試験した。
【0022】〈耐摩耗性試験〉下記に示す条件で、SA
ENo. 2試験を50000サイクル実施した。
【0023】(試験条件) 枚数:3枚 回転数:5000rpm 荷重:8kg/cm2 慣性量:3.5kg・cm・sec 2 油量:1000ml 温度:100℃ 以上の試験によって得られた結果は次のとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】以上の結果より、各実施例の湿式摩擦材
は、従来の湿式摩擦材である比較例と比較して、耐摩耗
性が大幅に優れていることがわかる。
【0026】また、摩擦性能において、比較例は100
00〜20000サイクルで摩擦性能が劣化し、耐久限
界に達したのに対して、各実施例はいずれも経時的な劣
化は認められなかった。
【0027】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の湿式摩
擦材は、無機繊維からなる繊維基材とフィブリル化有機
繊維とを含む抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、加熱硬化
してなるものである。したがって、繊維基材として無機
繊維を使用しているので、耐熱性が向上し、熱劣化によ
る摩擦性能の低下及び摩耗を防止し、耐久性を向上する
ことができる。また、フィブリル化有機繊維を添加して
いるので、無機繊維の相互間の結合強度を高め、剥離強
度が向上する。そしてこれらによって、過酷な条件での
使用が可能となり、自動変速機等において好適に使用す
ることができる。
【0028】また、請求項2の発明の湿式摩擦材は、無
機繊維からなる繊維基材と、無機質充填材と、フィブリ
ル化有機繊維とを含む抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、
加熱硬化してなるものである。したがって、繊維基材と
して無機繊維を使用し、また充填材として無機質のもの
を使用しているので、耐熱性が向上し、請求項1の発明
と同様の効果を有する。また、フィブリル化有機繊維に
よって、充填材の定着性も向上される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機繊維からなる繊維基材と、フィブリ
    ル化有機繊維とを含む抄紙体に熱硬化性樹脂を含浸し、
    加熱硬化してなることを特徴とする湿式摩擦材。
  2. 【請求項2】 無機繊維からなる繊維基材と、無機質充
    填材と、フィブリル化有機繊維とを含む抄紙体に熱硬化
    性樹脂を含浸し、加熱硬化してなることを特徴とする湿
    式摩擦材。
JP16235793A 1993-06-30 1993-06-30 湿式摩擦材 Pending JPH0718094A (ja)

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JP16235793A JPH0718094A (ja) 1993-06-30 1993-06-30 湿式摩擦材

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6231977B1 (en) * 1998-08-19 2001-05-15 Nsk-Warner, K. K. Wet friction material
US7074877B2 (en) 2001-12-14 2006-07-11 Sumitomo Bakelite Company Limited Resin for use in manufacturing wet friction materials, manufacturing method thereof and wet friction material
CN104405804A (zh) * 2014-10-20 2015-03-11 杭州科铂科技有限公司 一种矿物纤维碳纤维汽车刹车片及其制备方法

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