JP2002348561A - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

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JP2002348561A
JP2002348561A JP2001154408A JP2001154408A JP2002348561A JP 2002348561 A JP2002348561 A JP 2002348561A JP 2001154408 A JP2001154408 A JP 2001154408A JP 2001154408 A JP2001154408 A JP 2001154408A JP 2002348561 A JP2002348561 A JP 2002348561A
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fibers
friction material
wet friction
alumina
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JP2001154408A
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English (en)
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Mamoru Toyama
護 遠山
Masaru Okuyama
勝 奥山
Shunei Omori
俊英 大森
Takashi Ota
隆 太田
Atsushi Suzuki
厚 鈴木
Masataka Kawabata
昌隆 川端
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高摩擦特性を有し高い耐熱性と気孔性と高強度
を有する湿式摩擦材を提案することを課題とする。 【解決手段】アルミナ繊維を含む基材繊維と、前記基材
繊維同士を定着させるための結合材とを湿式抄造して得
られた紙質基材と、摩擦強度を補強するための充填材を
前記紙質基材に含浸して硬化させた湿式摩擦材であっ
て、前記湿式摩擦材全体を100重量%としたとき前記
アルミナ繊維の含有量が10〜60重量%であること特
徴とする湿式摩擦材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い摩擦係数およ
び高い耐熱性を有する湿式摩擦材に関する。
【0002】
【従来の技術】湿式摩擦材は、冷却性および耐熱性を有
するために、その内部に油を含浸、保持できる。加え
て、湿式摩擦材は、高い摩擦係数を有するために、相手
部材との接触面で固体接触維持できるように、油を排除
できることが必要となっている。
【0003】一般に湿式摩擦材は、繊維基材にフェノー
ル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させて
製造される。また、湿式摩擦材には、摩擦特性を調整す
るために、充填材や摩擦調整材として珪藻土、カシュー
ダストなども配合されている。
【0004】従来技術で製造される摩擦材(乾式材を含
む)では、基材に無機繊維を用いることによって、摩擦
係数を増大すると共に、耐熱性を向上できることが知ら
れている。
【0005】繊維基材に無機繊維を配合した湿式摩擦材
としては、特開昭59−175639号公報に、シリカ
繊維10〜50重量%の他に、ポリビニルアルコール系
合成繊維、石綿繊維を含み、その他摩擦調整材、結合樹
脂を含有する湿式摩擦材の開示がある。この湿式摩擦材
は、耐熱性向上および摩擦係数の安定化を実現を目指し
たものである。
【0006】また、特開平7−18094号公報には、
基材繊維に無機基材とフイブリル化有機繊維とを含む抄
紙体に、熱硬化性樹脂を含浸し加熱硬化して、耐熱性、
耐摩耗性、耐久性を向上した湿式摩擦材の開示がある。
ここで無機繊維としては、アルミナ繊維、シリカ繊維、
アルミナーシリカ繊維、チタン酸カリウム繊維等のセラ
ミツク繊維あるいはガラス繊維が使用されている。
【0007】さらに、特開平4−372687公報に
は、繊維基材にガラス長繊維の全部または一部を高シリ
カ・高アルミナガラス繊維として、シリカ60重量%以
上,アルミナ18重量%以上のものを用い、比重を低く
しながら強度および耐摩耗性を向上した非石綿系摩擦材
の開示がある。
【0008】特開平2000−205317号公報で
は、繊維基材に充填材としてアルミナ系無機粒子を配合
して優れた摩擦増大効果が得られる摩擦材の開示があ
る。
【0009】また、湿式の摩擦材は、潤滑油を含浸・排
出するために、気孔性が高いことが必要となる。気孔性
が十分でない場合には、高すべり速度条件において摩擦
係数が低下するという不具合がある。
【0010】高い気孔性を有する摩擦材の製造方法とし
ては、紙質基材に結合材を含浸させる方法が望ましく、
乾式材のように、繊維と結合材との混合物を加圧成形す
る手法では、十分な気孔性が確保できない。
【0011】一方、摩擦材に十分な気孔性を確保するた
めには、結合材の含有量を高くできないという間題があ
る。したがって、摩擦材としての強度を確保するために
は、基材自身が強度を有する必要があり、基材には繊維
同士が強く結合もしくは絡み合った紙質状のものを用い
ることが好ましい。紙質基材を結合もしくは絡み合いの
無い無機繊維を配合しただけでは、摩擦材は十分な強度
が確保できないという不具合がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、高摩擦特性を有し高い耐熱性と
気孔性と高強度を有する湿式摩擦材を提案することを課
題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めに本発明者らは、繊維基材に不特定の無機繊維を配合
しても高い摩擦係数が得られるわけではなく、アルミナ
繊維を配合した場合においてのみ、優れた摩擦増大効果
が得られることを見出し本発明を完成した。
【0014】本発明の湿式摩擦材は、アルミナ繊維を含
む基材繊維と、前記基材繊維同士を定着させるための結
合材とを湿式抄造して得られた紙質基材と、摩擦強度を
補強するための結合材を前記紙質基材に含浸して硬化さ
せた湿式摩擦材であって、前記湿式摩擦材全体を100
重量%としたとき前記アルミナ繊維の含有量が10〜6
0重量%であること特徴とする。
【0015】前記基材繊維全体を100重量%としたと
き前記アルミナ繊維は60重量%以上であることが好ま
しい。
【0016】前記アルミナ繊維は、平均繊維径がφ0.
5μm〜φ20μmの範囲にあり、平均繊維長さが30
0μm〜5mmの範囲であることが好ましい。
【0017】前記湿式摩擦材は、気孔率が30〜60容
量%であることが好ましい前記基材繊維は、アルミナ繊
維以外に、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウ
ム繊維、セラミック繊維、シリカ繊維、シリカーアルミ
ナ繊維、カオリン繊維、ボーキサイト繊維、カヤノイド
繊維、ホウ素繊維、マグネシア繊維、金属繊維などの無
機繊維、リンターパルプ、木材パルプ、合成パルプ、ポ
リエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリイミド系繊
維、ポリビニルアルコール変性繊維、ポリ塩化ビニル繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊
維、アクリル繊維、炭素繊維、フェノール繊維、ナイロ
ン繊維、セルロース繊維などの有機繊維から選ばれる少
なくとも1種を含むことが好ましい。
【0018】前記結合材は、熱硬化性樹脂のフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂から選ば
れる少なくとも1種であることが好ましい。
【0019】前記充填材は、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化
チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、ジ
ルコニア、カシユーダスト、ラバーダスト、珪藻土、グ
ラファイト、タルク、カオリン、酸化マグネシウム、二
硫化モリプデン、ニトリルゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴ
ム、フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種であること
が好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の湿式摩擦材は、アルミナ
繊維を含む基材繊維と、前記基材繊維同士を定着させる
ための結合材とを湿式抄造して得られた紙質基材と、摩
擦強度を補強するための充填材を前記紙質基材に含浸し
て硬化させたものである。
【0021】この湿式摩擦材の特徴とするところは、湿
式摩擦材全体を100重量%としたとき湿式摩擦材中に
含まれるアルミナ繊維の量が10〜60重量%の範囲と
したことにある。
【0022】湿式摩擦材におけるアルミナ繊維の含有量
が、10重量%未満であると、湿式摩擦材は所望の高い
摩擦特性が得られないので好ましくない。また、アルミ
ナ繊維の含有量が60重量%を超えて多い場合には、結
合材含有量が40重量%未満となり、湿式摩擦材として
の強度が充分に確保できないので好ましくない。
【0023】無機繊維は、有機繊維に比べて強度が低
い。そのため、摩擦材の強度を確保しながら高い摩擦特
性を付与するには、基材繊維中の無機繊維の総量をでき
るだけ少なくかつ、アルミナ繊維の含有量を高くするこ
とが必要である。したがって、基材繊維全体を100重
量%としたとき、アルミナ繊維は60重量%以上である
ことが好ましい。例えば、50重量%のアルミナ繊維と
50重量%のシリカ繊維との混合物である繊維基材のア
ルミナ−シリカ繊維を基材繊維として用いた場合には、
高摩擦特性と摩擦材強度とが両立できないので好ましく
ない。
【0024】前記アルミナ繊維は、平均繊維径がφ0.
5μm〜φ20μmの範囲にあり、平均繊維長さが30
0μm〜5mmの範囲であることが、繊維基材の抄造のし
やすさおよび摩擦材の気孔率を確保するための好ましい
範囲である。
【0025】この湿式摩擦材は、潤滑油を含浸・排出を
行うため気孔率が30〜60容量%の範囲にあることが
好ましく、気孔性が充分でないと、高すべり速度条件に
おいて摩擦係数が低下するので好ましくない。
【0026】湿式摩擦材の気孔率は、紙質基材の製造時
の繊維径および結合材の量および紙質基材に摩擦特性を
付与する充填材の含浸させる量によって左右される。
【0027】前記基材繊維としては、アルミナ繊維以外
に、ガラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊
維、セラミック繊維、シリカ繊維、シリカーアルミナ繊
維、カオリン繊維、ボーキサイト繊維、カヤノイド繊
維、ホウ素繊維、マグネシア繊維、金属繊維などの無機
繊維、リンターパルプ、木材パルプ、合成パルプ、ポリ
エステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリイミド系繊
維、ポリビニルアルコール変性繊維、ポリ塩化ビニル繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊
維、アクリル繊維、炭素繊維、フェノール繊維、ナイロ
ン繊維、セルロース繊維などの有機繊維から選ばれる少
なくとも1種を含むことができる。
【0028】前記結合材としては、熱硬化性樹脂のフェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種が利用できる。
【0029】前記充填材としては、硫酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、炭化珪素、炭化ホウ
素、炭化チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、アルミナ、シ
リカ、ジルコニア、カシユーダスト、ラバーダスト、珪
藻土、グラファイト、タルク、カオリン、酸化マグネシ
ウム、二硫化モリプデン、ニトリルゴム、アクリロニト
リル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シ
リコンゴム、フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種を
用いることができる。
【0030】本発明の湿式摩擦材は、繊維基材、充填
材、からなる混合物および結合材を従来用いられている
湿式法あるいは乾式法により製造することができる。湿
式法は、上記の混合物を水中でスラリー状とし、これを
抄造して紙質基材とし、これに結合材を含浸させて加圧
加熱して製造する方法である。また、乾式法は、結合材
を含めて混合物を成形型内に注入して加圧加熱成形して
製造する方法である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。
【0032】(実施例1)平均径φ2μmで平均長さ5
00μmのアルミナ繊維を80重量%と平均径φ6μmで
平均長さ500μmのシリカ繊維を20重量%の割合で
混合し、有機バインダとしてスチレン−ブタジエンを添
加した水溶液中で抄造して、アルミナ繊維を主体とする
紙質基材(アルミナペーパと称す)を得た。得られたア
ルミナペーパの組成は、アルミナ繊維分75.2重量
%、シリカ繊維分18.8重量%、有機バインダ分6重
量%であった。このアルミナペーパを用いて湿式摩擦材
を作製した。
【0033】(比較例1)比較のために、平均径φ6μ
mで平均長さ500μmのシリカ繊維だけを有機バインダ
としてスチレン−ブタジエンを添加した水溶液中で抄造
して、シリカ繊維を主体とする紙質基材(シリカペーパ
と称す)を得た。得られたシリカペーパの組成は,シリ
カ組成は、シリカ繊維分94重量%、有機バインダ分5
重量%であった。このシリカペーパを用いた湿式摩擦材
を作製した。
【0034】(比較例2)また、平均径φ3μmで平均
長さ1mmのアラミド繊維を70重量%と、平均径φ20
μmで平均長さ3mmのセルロース繊維を30重量%の割
合で混合し、水中で抄造して、有機繊維を主体とする紙
質基材(有機ペーパと称す)を得た。有機ペーパには無
機バインダは使用しておらず、この組成はアラミド繊維
分70重量%、セルロース織錐分30重量%である。こ
の有機ペーパを用いた湿式摩擦材を作製した。
【0035】作製した摩擦材の組成を表1に示す。本検
討では、基材の影響を明確にするため、充填材は配合し
ていない。実施例1のアルミナペーパ配合材および比較
例2の有機ペーパ配合材のSEM(走査電子顕微鏡)写
真を図1および図2に示す。図1に示したように実施例
1のアルミナ繊維で抄造したアルミナペーパ配合材の場
合は、気孔を充分保持していることが分かる。
【0036】
【表1】
【0037】(湿式摩擦材の製造方法)湿式摩擦材は以
下の手順で作製した。
【0038】上記で得た紙質基材を直径7.2cmの円状
(177cm2)に切出した。結合材は、メタノールでカ
シユー変性フェノール樹脂が25重量%になるように希
釈して調製した。この結合材の希釈液に紙質基材を含浸
させた。その後、過剰な結合材を加圧ろ過によって取り
除いた。
【0039】結合材を含浸させた紙質基材を室温にて2
4時間乾燥させた。その後、加熱成形機を用いて、摩擦
材の仕上り厚さを調整するために0.5mm厚のスペーサ
を取付けた状態で、成形圧力60kPa、温度180℃
で90分間の加圧成形を施し、結合材を硬化させた。
【0040】上記の結合材を硬化させた紙質基材をSA
E No.2型摩擦試験機に用いられる湿式クラッチのコ
アプレート(外径φ126.7mm内径φ102mm、厚さ
1.0mm)に合せて切出し、フェノール系接着剤を用い
て、コアプレートの両面に接着した。
【0041】その後、加熱成形機を用いて、2.0mm厚
のスペーサを取り付けた状態で、成形圧力60kPa、
温度180℃で30分間の加圧成形を施して、フェノー
ル系接着剤を硬化させて湿式摩擦材を得た。
【0042】(摩擦材の気孔性の評価)摩擦材の表面に
3μlのATF(オートマチックトランスミッションフル
ード)を滴下し、摩擦材がATFを均一に吸収するまでの
時間(吸油時間)を測定した。吸油時間が短いものほど
摩擦材は気孔性が高いことを示している。
【0043】結果を表1に併せて示した。無機繊維の紙
質基材を使用した実施例のアルミナペーパ配合材は、比
較例1のシリカペーパ配合材と同様に、有機繊維の紙質
基材を用いた比較例2の有機ペーパ配合材に比べて吸油
時間が短く、十分な気孔性を有していることが分かる。
【0044】(摩擦特性の評価方法)摩擦係数は、自社
製のSAE No.2型試験機を用いて測定した。
【0045】試験機の概略を図3に示す。上記で製造し
た摩擦材を1枚用い、スティール材(セパレータ)2枚
と組合せて固定し、慣性板に一体となった回転する係合
板に荷重を加えて摩擦材を係合させ、その時の摩擦係数
を摩擦力測定用ロッドセルで測定した。試料油には、市
販のトヨタ純正ATF T−IVをATF注入口から注入して用
いた。
【0046】摩擦特性に関しては、摩擦材とステイール
材との摩擦によって回転している慣性板を静止させる係
合試験を行い、係合開始から係合終了までのμ値を測定
した。係合開始から回転数が半分になった時点でのμ値
をμmid値と称して、摩擦特使の評価尺度に用いた。
この係合試験は200サイクルまで繰返し実施した。
【0047】また、係合試験の開始前において、摩擦材
を一定すべり速度条件下での低速引きずり試験も実施し
た。この低速引きずり試験において測定したμ値をμt
とした。
【0048】試験条件を表2示す。係合試験における係
合開始時の回転数については、1枚当たりの摩擦材に加
わるエネルギーをJSAO規格の自動変速機油試験方法
の動摩擦試験条件と同一となるように、2000rpmに
設定した。低速引きずり試験における回転数について
は、同JASO規格試験の静摩擦試験条件と同一の0.
7rpmとした。
【0049】
【表2】
【0050】(摩擦特性の比較)各種摩擦材の係合試験
におけるμ特性を示すグラフをアルミナペーパー配合材
を図4、シリカペーパ配合材を図5、有機ペーパ配合材
を図6に示す。μt値およびμmid値をまとめて表3に
示す。
【0051】表3に示したように実施例1のアルミナペ
ーパ配合材では、比較例1のシリカペーパ配合材および
比較例2の有機ペーパ配合材に比べて、いずれのμ値も
高く摩擦特性が向上していることが分かる。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】紙質基材にアルミナ繊維を用いた本発明
の湿式摩擦材は、他の無機繊維(シリカ繊維等)および
有機繊維(セルロース繊維・アラミド繊維等)を用いた
場合と比べて、物性的に高い摩擦係数値を有する。ま
た、有機繊維を用いた湿式摩擦材に比べて高い耐熱性を
有する。湿式摩擦材にアルミナ繊維を多く含有させるこ
とにより、アルミナ特有の高摩擦特性および高耐熱性が
湿式摩擦材に付与できる。
【0054】本発明の湿式摩擦材には、高い気孔性を有
するので、接触面の油を排除して固体接触を維持でき高
い摩擦係数を有する。また、内部に油を含浸、保持する
ことができ、高い耐熱性を有する。
【0055】紙質基材に結合材を含浸・硬化する手法の
製造法では、結合材の含浸度合を調整し易く、気孔性の
高い湿式摩擦材を容易に製造できる。かつ、紙質基材自
身が繊維同士の結合強度を付与できるので、摩擦材とし
ての強度が確保できる有用な素材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のアルミナペーパ配合材のSEM写真
図である。
【図2】比較例の有機ペーパ配合材のSEM写真図であ
る。
【図3】本実施例において用いた摩擦試験機の概略図で
ある。
【図4】本実施例のアルミナペーパ配合材の係合特性を
示すグラフである。
【図5】比較例1のシリカペーパ配合材の係合特性を示
すグラフである。
【図6】比較例2の有機ペーパ配合材の係合特性を示す
グラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月19日(2001.6.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/14 C09K 3/14 520H 520J 520Z 530 530F 530G C08J 5/14 CEZ C08J 5/14 CEZ C08K 3/00 C08K 3/00 7/02 7/02 C08L 101/00 C08L 101/00 F16D 69/02 F16D 69/02 J (72)発明者 奥山 勝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大森 俊英 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 太田 隆 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 厚 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 川端 昌隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J058 BA32 EA14 EA28 GA03 GA04 GA06 GA15 GA19 GA20 GA23 GA24 GA27 GA33 GA34 GA35 GA37 GA38 GA55 GA57 GA58 4F071 AA03A AA09 AA10 AA20 AA24 AA29 AA33 AA42A AA43 AA52A AA54 AA60 AB03 AB18 AB20 AB21 AB24 AB26 AB27 AB28 AB29 AB32 AD01 AE12 AE17 AF28 DA01 DA02 DA08 DA11 4J002 AB011 AC072 AC082 AH001 BB121 BD031 BD122 BE021 BG001 CC041 CC042 CC162 CC182 CD002 CF001 CL001 CM031 CM041 CP032 DA026 DA027 DA066 DE067 DE076 DE097 DE146 DE147 DE186 DE237 DF017 DG027 DG047 DJ006 DJ007 DJ016 DJ047 DK006 DL006 DM006 FA041 FA046 FD341 FD346

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ繊維を含む基材繊維と、前記基材
    繊維同士を定着させるための結合材とを湿式抄造して得
    られた紙質基材と、摩擦材強度を補強するための充填材
    を前記紙質基材に含浸して硬化させた湿式摩擦材であっ
    て、前記湿式摩擦材全体を100重量%としたとき前記
    アルミナ繊維の含有量が10〜60重量%であること特
    徴とする湿式摩擦材。
  2. 【請求項2】前記基材繊維全体を100重量%としたと
    き前記アルミナ繊維は60重量%以上である請求項1に
    記載の湿式摩擦材。
  3. 【請求項3】前記アルミナ繊維は、平均繊維径がφ0.
    5μm〜φ20μmの範囲にあり、平均繊維長さが30
    0μm〜5mmの範囲である請求項1および請求項2に記
    載の湿式摩擦材。
  4. 【請求項4】前記湿式摩擦材は、気孔率が30〜60容
    量%である請求項1に記載の湿式摩擦材。
  5. 【請求項5】前記基材繊維は、アルミナ繊維以外に、ガ
    ラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、セラ
    ミック繊維、シリカ繊維、シリカーアルミナ繊維、カオ
    リン繊維、ボーキサイト繊維、カヤノイド繊維、ホウ素
    繊維、マグネシア繊維、金属繊維などの無機繊維、リン
    ターパルプ、木材パルプ、合成パルプ、ポリエステル系
    繊維、ポリアミド系繊維、ポリイミド系繊維、ポリビニ
    ルアルコール変性繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリプロ
    ピレン繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、アクリル繊
    維、炭素繊維、フェノール繊維、ナイロン繊維、セルロ
    ース繊維などの有機繊維から選ばれる少なくとも1種を
    含む請求項1および請求項2に記載の湿式摩擦材。
  6. 【請求項6】前記結合材は、熱硬化性樹脂のフェノール
    樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂から選ば
    れる少なくとも1種である請求項1に記載の湿式摩擦
    材。
  7. 【請求項7】前記充填材は、硫酸バリウム、炭酸カルシ
    ウム、炭酸マグネシウム、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化
    チタン、窒化珪素、窒化ホウ素、アルミナ、シリカ、ジ
    ルコニア、カシユーダスト、ラバーダスト、珪藻土、グ
    ラファイト、タルク、カオリン、酸化マグネシウム、二
    硫化モリプデン、ニトリルゴム、アクリロニトリル−ブ
    タジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコンゴ
    ム、フッ素ゴムから選ばれる少なくとも1種である請求
    項1に記載の湿式摩擦材。
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