JP2005113130A - 高性能で高耐久性のデポジット摩擦材料 - Google Patents

高性能で高耐久性のデポジット摩擦材料 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の摩擦材料と比較して、改良された“圧縮弾性率”、“ホットスポット”抵抗性、高い耐熱性、高い摩擦安定性と耐久性、高多孔度、高強度、および高弾性を有する摩擦材料を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の硬化可能な樹脂を含浸させた繊維ベース材料を含む摩擦材料であって、前記繊維ベース材料が、高繊維含量で多孔質の一次層と、前記一次層の少なくとも1つの表面上に存在する摩擦調整粒子を含んだ二次層とを含む摩擦材料に関する。
【選択図】なし

Description

(背景となる技術)
新たな先進のトランスミッションシステムとブレーキシステムが自動車業界によって開発されつつある。こうした新たなシステムは高エネルギーの要件を伴うことが多い。したがって、これら先進システムの増大するエネルギー要件を満たすためには、摩擦材料の技術を開発しなければならない。
特に、高性能で高耐久性の新規摩擦材料が必要とされる。新規摩擦材料は、表面速度が最大で約65m/秒にまで達するという高速に耐えうるものでなければならない。摩擦材料はさらに、最大で約1500psiにまで達するという高い対向ライニング圧力に耐えうるものでなければならない。さらに、限定された潤滑状態の下でも摩擦材料が有用である、という点も重要なポイントである。
摩擦材料は、先進のトランスミッションシステムとブレーキシステムにおいて有用となるためには、耐久性があって且つ高い耐熱性を有していなければならない。摩擦材料は、高温において安定性を保持しなければならないだけでなく、走行状態時に発生する高熱を速やかに放散できるものでなければならない。
新たなトランスミッションシステムとブレーキシステムの係合と係合解除時において生じる高速は、係合の間中においては摩擦材料が比較的一定の摩擦を保持できるものでなければならない、ということを意味している。ブレーキ時の摩擦材料の“震動(shuddering)”、又はあるギヤから別のギヤへのパワーシフト時のトランスミッションシステムの“震動”を最小限に抑えるためには、広範囲の速度と温度にわたって摩擦係合が比較的一定であることが大切である。さらに、摩擦係合時において摩擦材料が騒音すなわち“ガーガー音(squawk)”を発生しないよう、摩擦材料が望ましいトルク曲線形状を有することも大切である。
特に、トランスミッションシステムとトルク・オン・デマンド・システムは、主として燃料効率と走行快適性の点から滑りクラッチを組み込んでいる。これらのシステム内における滑りクラッチの役割は、車両起動装置(例えば湿式起動クラッチ)としての役割からトルクコンバータ・クラッチとしての役割まで異なる。滑りクラッチは、走行条件にしたがって3つの主要な種類に区別することができる:(1)低圧・高滑り速度クラッチ(例えば湿式起動クラッチ);(2)高圧・低滑り速度クラッチ(例えばコンバータクラッチ);および(3)極低圧・低滑り速度クラッチ(例えば、ニュートラル-アイドルクラッチ)。
滑りクラッチのあらゆる応用に対する性能上の主要な関心事は、震動の防止と摩擦インターフェースのエネルギー管理である。震動の生起は、摩擦材料の摩擦特性、嵌め合い表面の硬さと粗さ、油膜の保持性、潤滑剤の化学と相互作用、クラッチの作動条件、動力伝達装置集成体とハードウェアの配列、および動力伝達装置の汚染を含めた多くのファクターが原因になっていると考えることができる。摩擦インターフェースのエネルギー管理は、主としてインターフェース温度を制御することに関するものであり、ポンプの能力、オイルの流路、および制御方法によって影響を受ける。摩擦材料の表面設計も、インターフェースエネルギー管理の効率に寄与する。
従来は、温度安定性を高めるために摩擦材料中にアスベスト繊維が組み込まれている。健康と環境上の問題により、今ではアスベストは使用されていない。ごく最近の摩擦材料では、フェノール樹脂もしくはフェノール変性樹脂を含んだ含浸紙または繊維材料を改質することによって、摩擦材料中にアスベストが存在しないことに打ち勝つべく検討がなされている。しかしながら、これらの摩擦材料は、発生する高熱を速やかに放散せず、現在開発が進められている高速システムにて使用するのに必要とされる耐熱性と、満足できる高い係数の摩擦性能とを要していない。
本発明は、多段階の含浸・硬化プロセス(すなわち、紙にコーティング組成物を含浸し、その紙の上に炭素粒子を置き、紙中のコーティング組成物をある程度硬化させ、ある程度硬化した紙に別のコーティング組成物を施し、そして最後に両方のコーティング組成物を硬化させる)を含んだSeitzによる米国特許第5,083,650号を凌ぐ改良物(an improvement)である。
他の摩擦材料においては、耐摩耗性を付与するために、金属繊維と炭素剤利用との組み合わせ物が摩擦材料中に組み込まれた。例えば、フジマキらによる米国特許第4,451,590号は、金属繊維、充填材、炭素粒子、炭素繊維、およびフェノール樹脂を含んだ摩擦材料を開示している。しかしながら、金属ベースの摩擦材料は、使用時における液体の高い透過能力をもたらすことができるような充分な多孔性と圧縮性をもたない。金属ベースの摩擦材料はさらに、レジリエンスすなわち弾性が充分とは言えず、最大約1500psi(約105kg/cm2)の対向ライニング圧力に耐えることができるような圧縮永久歪の値を付与しにくい。金属ベースの摩擦材料はさらに、新たなトランスミッションシステムとブレーキシステムの係合・係合解除時に生じる最大約65m/秒という高い表面速度に耐えることができない。
本発明はさらに、摩擦材料に関する以前の共同所有特許〔譲受人はボーグワーナー社(BorgWarner Inc.)〕を凌ぐ改良物である。特に、米国特許第5,998,307号は硬化可能な樹脂を含浸させたベースを含む摩擦材料に関するものであり、該摩擦材料によれば、多孔質の一次層が、少なくとも1種の繊維材料と、前記一次層の表面の少なくとも約3〜約90%を被覆する炭素粒子の二次層とを含む。米国特許第5,858,883号は、フィブリル化の少ないアラミド繊維(less fibrillated aramid fibers)、合成グラファイト粒子、および充填材で構成される一次層と、前記一次層の表面上の炭素粒子で構成される二次層とを含むベース材料に関する。米国特許第5,856,244号は硬化可能な樹脂を含浸させたベースを含む摩擦材料に関するものであり、該摩擦材料によれば、一次層が、フィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グラファイト粒子、および充填材;ならびに炭素粒子と保持助剤(a retention aid)で構成される二次層;を含む。米国特許第5,958,507号は摩擦材料の製造法に関するものであり、該製造法によれば、フィブリル化の少ないアラミド繊維を含んだ繊維材料の少なくとも1つの表面を炭素粒子と保持助剤で被覆し、フェノール樹脂または変性フェノール樹脂を含浸させ、そして硬化させる。米国特許第6,001,750号は、硬化可能な樹脂を含浸させた繊維ベース材料を含んだ摩擦材料に関するものであり、該摩擦材料によれば、繊維ベース材料が、フィブリル化の少ないアラミド繊維、炭素粒子、炭素繊維、充填材物質、フェノールノボロイド繊維(phenolic novoloid fibers)、および必要に応じた綿繊維で構成される多孔質の一次層;ならびに一次層の表面の約3〜約90%を被覆する炭素粒子で構成される二次層;を有する。
さらに、共同所有されたボーグワーナー社の米国特許第5,753,356号と第5,707,905号に種々のベース材料が開示されており、これらの特許は、フィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グラファイト、および充填材を含むベース材料について説明している。他の共同所有特許である米国特許第6,130,176号は、フィブリル化の少ないアラミド繊維、炭素繊維、炭素粒子、および充填材を含んだ非金属繊維ベース材料に関する。
さらに他の共同所有特許出願である米国特許出願第09/707,274号(現在は特許権が付与されている)は、多孔質の一次層と、前記一次層の表面の約3〜約90%を被覆するシリカ粒子の二次層とを有する摩擦材料に関する。好ましい態様においては、摩擦調整粒子(friction modifying particles)は、シリカ粒子、樹脂粉末、炭素粉末もしくは炭素粒子および/またはある程度炭化された粉末もしくは粒子、およびこれらの混合物の少なくとも1種を含む。
摩擦材料が“湿式(wet)”用途において有用となるためには、摩擦材料が多種多様の受け入れ可能な特性をもたねばならない。摩擦材料は、レジリエンスすなわち弾性がなければならず、さらには、圧縮永久歪、摩耗、および応力に対して抵抗性がなければならず;高い耐熱性を有していて、熱を速やかに放散できるものでなければならず;そして、長く持続する、安定で均一な摩擦性能を有していなければならない。これらの特性のいずれかが満足できるものでないと、摩擦材料の最適性能が達成されない。
高エネルギー用途の摩擦材料を作製するためには、繊維ベース材料に対して適切な含浸用樹脂を使用する、という点も重要である。摩擦材料は、含浸時に湿潤樹脂で飽和させるときに、および使用時にブレーキ液もしくはトランスミッション・オイルで飽和させるときに良好な剪断強さを有していなければならない。
さらに、特定の用途においては、摩擦材料は、使用時に高い液体透過能力を示すよう高い多孔性を有する、という点も重要である。したがって、摩擦材料は、多孔質であるだけでなく、圧縮可能でなければならない。摩擦材料中に透過した液体は、ブレーキまたはトランスミッションの操作時に加わる圧力下において、摩擦材料から速やかに圧搾もしくは放出できるものでなければならず、しかも摩擦材料が崩壊してはならない。さらに、ブレーキまたはトランスミッションの操作時に発生する熱が速やかに放散しやすくなるよう高い熱伝導率を有する、という点も重要である。
これまでに知られている限りでは、高繊維含量/低充填材含量の一次層を含む繊維ベース材料を含んだ、トランスミッションシステムに使用するための摩擦材料は開示されていない。さらに、これまでに知られている限りでは、高繊維含量/低充填材含量の一次層を含んでいて、摩擦調整粒子の二次層の少なくとも部分的な被覆物を前記一次層上にデポジットさせた摩擦材料は開示されていない。さらに、本発明までに、シリカ物質と炭素粒子とを含んだ二次層としての少なくとも部分的な被覆物を有するこのような高繊維含量の繊維ベース材料は開示されていない。
(発明が解決しようとする課題)
したがって本発明の目的は、従来の摩擦材料と比較して、信頼性のある向上した特性を有する改良された摩擦材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、改良された“圧縮弾性率”、“ホットスポット”抵抗性、高い耐熱性、高い摩擦安定性と耐久性、高多孔度、高強度、および高弾性を有する摩擦材料を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
より良い摩擦材料が求められていることを考慮して広範囲の研究を行った結果、改良された特性を有する摩擦材料が本発明によって開発された。本発明の湿式摩擦材料は、使用時に摩擦材料が液体(例えば、ブレーキ液またはオートマチックトランスミッション液)で“湿潤される”または“含浸される”という場合の“湿式”用途において有用である。“湿式”摩擦材料の使用時においては、液体が最終的に摩擦材料から圧搾されるか、あるいは液体が摩擦材料中に含浸する。湿式摩擦材料は、組成と物理的特性の両方において“乾式”摩擦材料とは大きく異なる。
(発明の開示)
上記の要件を達成するために、多くの材料を、走行時に生じる条件に類似した条件下にて摩擦特性と耐熱性特性に関して評価した。市販のブレーキライニング材料とトランスミッション材料を調べ、高エネルギー用途での使用に対しては適していないことがわかった。
本発明は、i)高い繊維含量〔例えば有機繊維、無機繊維、および/または金属繊維(例えば、フィブリル化アラミド繊維、炭素繊維、綿/セルロース繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、およびセラミック繊維など)〕およびii)低い摩擦充填材物質含量(例えば珪藻土粒子)を有する一次層;および前記一次層上にデポジットされた摩擦調整粒子を含む二次層;を含む、アスベストを含まない繊維ベース材料に関する。
ある特定の実施態様においては、一次層は、約85重量%の繊維と約15重量%の充填材物質を含む。このような高繊維含量の一次層により、弾性があって“軟質(soft)”である摩擦材料がもたらされ、これによって極めて望ましい圧縮弾性率を有する摩擦材料が得られる。こうした弾性は、摩擦材料に改良された“ホットスポット”抵抗を付与する。
本発明の摩擦材料は、改良された“ホットスポット”抵抗、“スムーズなシフト”のための望ましい摩擦特性、高い耐熱性と耐久性と弾性、そして改良された強度と多孔性を有する。
種々の摩擦調整粒子が、繊維ベース材料上の二次層として有用である。珪藻土、セライト、セラトム、および/または二酸化ケイ素等のシリカ粒子が特に有用である。表面摩擦調整粒子は、繊維ベース材料の約0.2〜約30重量%にて存在し、約2〜10重量%にて存在するのが好ましく、約3〜5重量%にて存在するのが最も好ましい。
二次層において有用な特に適した他の種類の摩擦改良物質は多孔質炭素物質である。特定の実施態様においては、炭素粒子が特に有用である。さらに、ある特定の実施態様においては、二次層は、一次層の表面上にデポジットされたケイ素粒子と炭素粒子との好ましい比の混合物を含む。特定の実施態様においては、二次層は、摩擦調整粒子の総重量を基準として約20重量%〜約35重量%のシリカ粒子、および約65重量%〜約80重量%の炭素粒子を含む。
したがって、特定の態様においては、本発明は、少なくとも1種の硬化可能な樹脂を含浸させた繊維ベース材料を含む摩擦材料に関し、ここで前記繊維ベース材料が高繊維含量の多孔質一次層を含み、二次層が、前記一次層の少なくとも1つの表面上に摩擦調整粒子を含む。特定の実施態様においては、二次層が、繊維ベース材料の重量を基準として約5重量%〜約15重量%の摩擦調整粒子を含む。
本発明の他の態様は、高繊維含量の繊維ベース材料を作製すること;前記繊維ベース材料の少なくとも1つの表面の約3%〜約30%を、炭素粒子とシリカ粒子との混合物を含んだ摩擦調整粒子で被覆すること、このとき前記摩擦調整粒子は、繊維ベース材料の重量を基準として約0.2〜約20重量%にて存在する;被覆された繊維ベース材料に、フェノール樹脂、フェノールベースの樹脂混合物、またはフェノール-シリコーン樹脂混合物を含浸させること;次いで、含浸させた繊維ベース材料を所定の温度にて所定時間硬化させること;を含む、摩擦材料の製造法に関する。
繊維ベース材料は、種々の樹脂系を使用して含浸させることができる。特定の実施態様においては、繊維ベース材料にフェノール樹脂または変性フェノールをベースとする樹脂を含浸させるのが有用である。特定の実施態様においては、相溶性のある溶媒中にてシリコーン樹脂とフェノール樹脂とをブレンドもしくは混合し、このシリコーン-フェノール樹脂ブレンド物を使用して本発明の繊維ベース材料に含浸させると、高性能で高耐久性の極めて有用な摩擦材料が得られる。
(発明を実施する上での最良のモード)
本発明の摩擦材料は、改良された圧縮弾性率と改良された“ホットスポット”抵抗を有する。本発明の摩擦材料はさらに、改良された弾性と改良された多孔性を有し、この改良された多孔性により、摩擦材料の使用時においてより均一な熱の放散が可能となる。トランスミッション液またはブレーキ液は、摩擦材料の多孔質構造を速やかに移動することができる。さらに、弾性が増大すると、摩擦材料上の圧力または圧力分布がより均一になり、したがってライニングの不均一な摩耗やセパレータプレートの“ホットスポット”が起こらなくなる。
摩擦材料の構造が多孔質になるほど、熱の放散がより効率的になる。使用時の摩擦材料の係合時における摩擦材料の内部と外部でのオイル流れは、摩擦材料が多孔質であるときにより速やかに起こる。
本発明は、i)高い繊維含量〔例えば有機繊維、無機繊維、および/または金属繊維(例えば、フィブリル化アラミド繊維、炭素繊維、綿/セルロース繊維、ガラス繊維、ポリアミド繊維、およびセラミック繊維など)〕およびii)低い摩擦充填材物質含量(例えば珪藻土粒子)を有する一次層;および前記一次層上にデポジットされた摩擦調整粒子を含む二次層;を含む、アスベストを含まない繊維ベース材料に関する。 ある特定の実施態様においては、一次層は、約85重量%の繊維と約15重量%の充填材物質を含む。さらに特定の実施態様においては、摩擦材料に望ましい細孔構造をもたらすために、したがって摩擦材料により高い耐熱性を付与するために、高繊維含量の繊維ベース材料中にフィブリル化の少ないアラミド繊維を組み込むのが有用である。繊維の形状は、耐熱性の増大をもたらすだけでなく、離層抵抗やキーキー音すなわち雑音抵抗ももたらす。特定の実施態様においては、一次層中に炭素繊維が存在すると、耐熱性を向上させるのに、一定の摩擦係数を保持するのに、そしてキーキー音抵抗を高めるのに役立つ。
特定の実施態様においては、繊維ベース材料は、約10〜約20重量%(特定の実施態様では約15重量%)のアラミド繊維を、比較的高いレベル(約80〜約90重量%)の綿繊維または他のセルロースタイプ繊維と組み合わせて含む。
他の特定の実施態様においては、繊維ベース材料は、約50〜約60重量%(特定の実施態様では約55重量%)のアラミド繊維を、約40〜約50重量%の炭素繊維と組み合わせて含む。
炭素繊維は、良好な熱伝導性をもたらすように繊維ベース材料中に使用され、これによって摩擦材料が所望の耐熱性を有するようになる。特定の実施態様においては、繊維ベース材料は約5〜約20重量%(特定の実施態様では約10〜約15重量%)の炭素繊維を含む。
他の特定の実施態様においては、繊維ベース材料中にフィブリル化の少ないアラミド繊維と炭素繊維を使用することで、摩擦材料が高温に耐える能力が改良される。フィブリル化の少ないアラミド繊維は一般に、コア繊維に結びついたフィブリルをほとんど含まない。フィブリル化の少ないアラミド繊維を使用すると、より多孔質の構造(すなわち、典型的なフィブリル化アラミド繊維が使用された場合より多くて大きな細孔が存在する)を有する摩擦材料が得られる。細孔構造は一般に、細孔径と液体透過性によって特徴づけられる。好ましい実施態様においては、繊維ベース材料が、平均のサイズにて直径約2.0〜約25ミクロンの範囲の細孔を画定する。特定の実施態様においては、平均の細孔サイズは直径約2.5〜約8ミクロンの範囲であり、摩擦材料は、少なくとも約50%(特定の実施態様では少なくとも約60%)の容易に得られる気孔を有する。
摩擦材料がより高い平均流れ細孔径(mean flow pore diameter)と透過性を有する場合に、細孔構造全体にわたるより良好なオートマチック・トランスミッション液の流れにより、摩擦材料は、より低温の状態にて、あるいは変速装置において発生する熱がより少ない状態にて機能を果たすと思われる。トランスミッションシステムの作動中に、オートマチック・トランスミッション液の分解(特に高温での)によって、時間の経過とともに摩擦材料の表面上にオイルデポジットが生成しやすい。繊維上にオイルデポジットが生じると、細孔の開口が減少する。したがって、摩擦材料が最初により大きめの細孔でスタートすると、摩擦材料の耐用年数の間においてよりオープンな細孔が残留する。さらに、シリコーン樹脂を少なくともある程度含浸させた実施態様においては、シリコーン樹脂のもつ弾性特性によって、摩擦材料中の繊維は、より一層オープンな構造をもつことができるようになる。
さらに、特定の実施態様においては、アラミド繊維が、約0.5mm〜約10mmの範囲の長さと約300以上のカナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)を有するのが望ましい。したがって、特定の実施態様においては、アラミド繊維は、カナディアン・スタンダード・フリーネス・インデックスに関して約350〜約650のフリーネスを有することがある。他の特定の実施態様においては、約450〜約550(好ましくは約530以上)のCSFを有するフィブリル化の少ないアラミド繊維を使用するのが望ましく;そして他の特定の実施態様においては、約580〜650およびそれ以上(好ましくは約650以上)のCSFを有するフィブリル化の少ないアラミド繊維を使用するのが望ましい。これとは対照的に、よりフィブリル化された繊維(例えばアラミドパルプ)は約285〜290のフリーネスを有する。
“カナディアン・スタンダード・フリーネス”(T227om-85)とは、繊維のフィブリル化の程度を、繊維のフリーネスを目安として表わすことができる、ということを意味している。CSF試験は実験的な方法であり、3グラムの繊維を1リットルの水中に混合して得られる懸濁液を水切りできる速度の任意の目安が得られる。したがって、フィブリル化の少ないアラミド繊維は、他のアラミド繊維もしくはパルプと比較して、より高いフリーネスあるいは摩擦材料からのより高い液切り速度を有する。約430〜650(特定の実施態様においては好ましくは約580〜640、あるいは好ましくは約620〜640)の範囲のCSFを有するアラミド繊維を含んだ摩擦材料は、優れた摩擦性能を示し、従来からのよりフィブリル化されたアラミド繊維を含有する摩擦材料より良好な材料特性を有する。より長い繊維長と高いカナディアン・フリーネスとが組み合わさると、高い強度、高い多孔度、および良好な耐摩耗性を有する摩擦材料が得られる。フィブリル化の少ないアラミド繊維(CSFが約530〜約650)は、極めて良好な長期耐久性と安定した摩擦係数を有する。
本発明が意図する範囲内に含まれるさらに他の実施態様は、他のタイプのグラファイト粒子より多くの三次元構造を繊維ベース材料にもたらすために、繊維ベース材料中に合成グラファイトを組み込む。合成グラファイトは、原料素材(例えば、石油コークスやコールタール・ピッチ・バインダー等)の黒鉛化によって製造する。原料を混合し、焼成炭素物質を多結晶グラファイト物質に転化させる黒鉛化炉にて約2,800〜約3,000℃の温度に加熱する。合成グラファイト(高い熱伝導率を有する)は、他のタイプのグラファイトより熱を速やかに放散する能力を摩擦材料に付与する。特定の実施態様においては、合成グラファイトのサイズと形状は約20〜約50ミクロンのサイズ範囲であるのが好ましい。これらの特定の実施態様においては、グラファイト粒子のサイズが大きすぎるか又は小さすぎる場合は、最適の三次元構造が存在せず、したがって耐熱性が最適とはならない。特定の実施態様においては、約20〜約40重量%のグラファイトが繊維ベース配合物中に組み込まれる。
少なくとも1種の少量の充填材物質も、本発明の繊維ベース材料の一次層において有用である。例えば、珪藻土等のシリカ充填材が有用である。しかしながら、他のタイプの充填材も本発明での使用に対して適しており、充填材の選択は摩擦材料の個々の要件に依存する、と考えられる。具体的には、比較的少量(好ましくは約3〜約15重量%の範囲)の充填材物質が特に有用な一次層をもたらすことが見出されている。
一次層中に炭素繊維が存在する特定の実施態様においては、綿繊維を含まないのが好ましい。炭素繊維を含まない他の実施態様においては、比較的多量(例えば約40〜50重量%)の綿繊維を繊維ベース材料の一次層中に組み込むと、摩擦材料のクラッチの“ブレイクイン(break-in)”特性が経済的なコストで改良される。このような実施態様においては、本発明の繊維ベース材料により高い摩擦係数を付与するために、繊維ベース材料に綿繊維を加える。特定の実施態様においては約40〜約50%の、そして特定の実施態様においては約45%の綿を繊維ベース材料に加えることができる。
少なくとも1種のラテックスタイプの材料を繊維ベース材料中に組み込むことができる。繊維ベース材料は、特定の実施態様においては約0〜約3重量%の、そして特定の実施態様においては約2重量%のラテックスタイプ材料を含んでよい。
繊維ベース材料の一次層用配合物の1つの例は、約40〜約60重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約5〜約20重量%の炭素繊維;約10〜約20%の綿繊維;約3〜約15%の炭素粒子;約3〜約15重量%の充填材物質;および約0〜約3重量%のラテックスタイプ材料;を含む。
繊維含量の高い繊維ベース材料の一次層用配合物の他の例は、約50〜約60重量%のアラミド繊維;約40〜約10重量%の綿繊維;約5〜約15重量%の炭素繊維;約20〜約30重量%のグラファイト粒子;および約5〜約15重量%の充填材物質;を含む。
繊維含量の高い繊維ベース材料の一次層用配合物のさらに他の例は、約50〜約60重量%のアラミド繊維;約〜約15重量%の炭素繊維;約20〜約30重量%のグラファイト;および約5〜約15重量%のシリカ充填材物質;を含む。
高繊維含量の一次層上に摩擦調整粒子の二次層をデポジットして、繊維ベース材料を作製する。摩擦調整粒子の混合物を繊維ベース材料の一次層上の二次層として使用することにより、高度の耐熱性と耐久性を有する繊維ベース材料が得られる。
驚くべきことに、繊維ベース材料の二次層としての、シリカ粒子と炭素粒子との組み合わせ物は、これらが好ましい比で存在すると特に有用である、ということが見出された。
有用な摩擦調整粒子は、シリカ粒子と、部分炭化炭素粒子および/または完全炭化炭素粒子との望ましい混合物を含む。例えば、摩擦調整粒子は、i)珪藻土粒子と;ii)完全炭化炭素粒子もしくは部分炭化炭素粒子、およびこれらの混合物;との混合物を含んでよい。
特定の実施態様においては、二次層混合物は、シリカ粒子と炭素粒子とを、約4部のシリカ粒子対約1部の炭素粒子という比率で含む。他の実施態様においては、この比率は、約2部のシリカ粒子対約1部の炭素粒子である。例えば、珪藻土、セライト(Celite)(登録商標)、セラトム(Celatom)(登録商標)、および/または二酸化ケイ素等のシリカ粒子が特に有用である。シリカ粒子は、繊維材料に強固に結合する安価な有機物質である。シリカ粒子は、摩擦材料に対して高い摩擦係数を付与する。シリカ粒子はさらに、摩擦材料に平滑な摩擦表面をもたらし、摩擦材料に良好な“シフト感触(shift feel)”と摩擦特性を与え、してがっていかなる“震動”も最小限に抑えられる。炭素粒子は、比較的高価ではあるが、特に有益なホットスポット抵抗、ならびに高い摩擦安定性と耐久性を摩擦材料に付与する。
繊維ベース材料の表面上に存在する摩擦調整粒子の二次層の均一性は、ある範囲とサイズ(好ましくは約0.5〜約80ミクロン、さらに好ましくは約0.5〜約20ミクロン)の粒子を使用することによって達成される。これら特定の実施態様においては、摩擦調整粒子のサイズが大きすぎるか又は小さすぎる場合には最適の三次元構造が達成されず、したがって熱の放散が最適にはならない、ということが見出されている。
好ましい実施態様においては、一次層上の摩擦調整粒子の量は、摩擦ペーパー(the friction paper)の約0.2〜約20重量%の範囲であり、特定の実施態様では約2〜約15重量%の範囲であり、そして特定の好ましい実施態様では約2〜約5重量%の範囲である。好ましい実施態様においては、一次層表面上の摩擦調整粒子の被覆面積は、一次層の表面積の約3〜約90%の範囲である。
摩擦材料の好ましい製造法は、繊維ベース材料の一次層を形成する成分を混合することを含む。繊維ベース材料の一次層の少なくとも1つの表面を摩擦調整粒子の二次層で被覆する。次いで、摩擦調整粒子で被覆された繊維ベース材料に、少なくとも1種のフェノール樹脂もしくはフェノールベース樹脂を含浸させる。含浸・被覆された繊維ベース材料を所定の温度で所定時間硬化して摩擦材料を作製する。
本発明の摩擦材料に含浸させるためには種々の方法を使用することができる。好ましくは、含浸用樹脂物質が、摩擦材料100重量部につき約45〜約65重量部を構成するように、繊維ベース材料にフェノール樹脂もしくはフェノールベース樹脂を含浸させる。繊維ベース材料に樹脂を含浸させた後、含浸繊維ベース材料を所望の温度で所定時間加熱して摩擦材料を作製する。約300°Fの温度で加熱することによりフェノール樹脂を硬化させる。シリコーン樹脂等の他の樹脂が存在する場合は、約400°Fの温度で加熱することによりシリコーン樹脂を硬化させる。次いで、含浸・硬化した摩擦材料を適切な手段によって所望の支持体に接着する。
繊維ベース材料に含浸させる上で有用な樹脂としては、フェノール樹脂とフェノールベースの樹脂がある。言うまでもないが、樹脂ブレンド中に他の変性成分(例えば、エポキシ化合物、ブタジエン、シリコーン、キリ油、ベンゼン、およびカシューナッツ油等)を含んだ種々のフェノールベース樹脂が本発明に対して有用であると考えられる。フェノール変性樹脂においては、一般にはフェノール樹脂が、樹脂ブレンドの約50重量%以上(溶媒が存在する場合は溶媒を除いて)の量にて存在する。しかしながら、樹脂ブレンド含浸剤が、シリコーン-フェノール樹脂混合物(溶媒や他の加工助剤を除く)の重量を基準として約5〜約80重量%の、特定の目的に対しては約15〜約55重量%の、そして特定の実施態様においては約15〜約25重量%のシリコーン樹脂を含有するときに摩擦材料を改良することができる、ということが見出された。
本発明において有用なフェノール樹脂およびフェノール-シリコーン樹脂の例が、前記したボーグワーナー社の米国特許(該特許を参照により本明細書に含める)に開示されている。本発明において有用なシリコーン樹脂としては、例えば、熱硬化性のシリコーンシーラントやシリコーンゴムがある。種々のシリコーン樹脂が本発明に対して有用である。特に、ある樹脂はキシレンとアセチルアセトン(2,4-ペンタンジオン)を含む。シリコーン樹脂は、約362°F(183℃)の沸点、68°Fにて21mmHgの蒸気圧、4.8の蒸気密度(空気=1)、無視しうる水中溶解度、約1.09の比重、5重量%の揮発性物質、0.1未満の蒸発速度(エーテル=1)、および約149°F(65℃)の引火点(ペンスキー・マルテン法を使用)を有する。言うまでもないが、他のシリコーン樹脂も本発明に使用することができる。他の有用な樹脂ブレンドとしては、例えば、重量%表示にて約55〜約60%のフェノール樹脂;約20〜約25%のエチルアルコール;約10〜約14%のフェノール;約3〜約4%のメチルアルコール;約0.3〜約0.8%のホルムアルデヒド;および約10〜約20%の水;を含む適切なフェノール樹脂がある。他の適切なフェノールベース樹脂は、重量%表示にて約50〜約55%のフェノール/ホルムアルデヒド樹脂;約0.5%のホルムアルデヒド;約11%のフェノール;約30〜約35%のイソプロパノール;および約1〜約5%の水;を含む。
他の有用な樹脂は、約5〜約25重量%(好ましくは約10〜約15重量%)のエポキシ化合物を含有していて、残部(溶媒と他の加工助剤は除く)がフェノール樹脂であるようなエポキシ変性フェノール樹脂である、ということも見出されている。エポキシ-フェノール樹脂配合物は、特定の実施態様においては、フェノール樹脂単独の場合より高い耐熱性を摩擦材料にもたらす。
特定の実施態様においては、繊維ベース材料による樹脂の目標取り込み量(target pick up)は、シリコーン-フェノール樹脂の総量の約35〜約65重量%の範囲であるのが、そして特定の実施態様においては約60〜少なくとも65重量%の範囲であるのが好ましい。繊維ベース材料に樹脂を含浸させた後に、繊維ベース材料を300〜400℃の温度で所定時間(特定の実施態様においては約0.5時間)キュアーして樹脂バインターを硬化させ、これにより摩擦材料を作製する。摩擦材料の最終厚さは繊維ベース材料の初期厚さに依存し、特定の実施態様おいては約0.014"〜約0.040"の範囲であるのが好ましい。
さらに、樹脂ブレンドを作製する際に、及び含浸用の繊維ベース材料を作製する際に有用であることが知られている他の成分や加工助剤を摩擦材料中に組み込むことができる、と考えられる。
シリコーン樹脂とフェノール樹脂はそれぞれ、互いに相溶性のある溶媒中に存在する。これらの樹脂を混合して(好ましい実施態様においては)均一なブレンドを作製し、次いでこれを使用して繊維ベース材料に含浸させる。繊維ベース材料にフェノール樹脂を含浸させてからシリコーン樹脂を加えるか、あるいはこれとは逆にするかどうかで効果は異なる。さらに、シリコーン-フェノール樹脂溶液の混合物と、シリコーン樹脂粉末および/またはフェノール樹脂粉末のエマルジョンとの間には差異がある。シリコーン樹脂とフェノール樹脂が溶解状態にあるときは、これらの樹脂は全く硬化しない。これとは対照的に、シリコーン樹脂とフェノール樹脂の粉末粒子は一部が硬化する。シリコーン樹脂とフェノール樹脂の部分的な硬化は、繊維ベース材料への良好な含浸を妨げる。
本発明の特定の実施態様においては、フェノール樹脂と相溶性のある溶媒中に溶解したシリコーン樹脂と当該溶媒との混合物を繊維ベース材料に含浸させる。ある実施態様では、イソプロパノールが特に適切な溶媒であることが明らかになっている。しかしながら、エタノール、メチル-エチルケトン、ブタノール、イソプロパノール、およびトルエン等の、他の種々の適切な溶媒も、本発明の実施に際して使用できることは言うまでもない。シリコーン樹脂が存在すると、フェノール樹脂とブレンドして、これを使用して繊維ベース材料に含浸させたときに、得られる摩擦材料が、フェノール樹脂のみを含浸させた繊維ベース材料より高弾性になる。シリコーン-フェノール樹脂ブレンド物を含浸させた本発明の摩擦材料に圧力を加えると、圧力のより均一な配分がなされ、したがってライニングの不均一な摩耗が起こりにくくなる。シリコーン樹脂とフェノール樹脂を混合した後に、得られた混合物を使用して繊維ベース材料に含浸させる。
本発明の摩擦材料10を製造するための1つの好ましい実施態様が図13に示されている。繊維ベース材料12は、上側面もしくは上面16と、下側面もしくは底面18とを有する下側層14を含む。下側層14が湿潤状態である間に、摩擦調整粒子20が、湿潤下側層14の上面16上にデポジットされる。
特定の方法においては、湿潤層14の下側面18に対して減圧(図示せず)を施してから、摩擦調整粒子20を層14の上面16にデポジットさせる。
繊維ベース材料の一次層上に存在する摩擦調整粒子の二次層が、良好な震動防止(anti-shudder)特性、高い耐久性、良好な耐摩耗性、および改良されたブレイクイン特性を摩擦材料にもたらす、ということが見出された。
(実施例)
滑りクラッチインターフェースの技術要件: 本発明の摩擦材料は、特別な要件を満たす滑りクラッチ用途向けに設計されている。これらの要件としては、高い機械的強度、耐熱性、耐久性、安定性、および震動抵抗などがある。本発明の摩擦材料は、高い多孔度、高い機械的強度が得られる特異な材料構造、高い熱伝導率、および震動防止摩擦改良剤特性(anti-shudder friction modifier characteristics)を有する。これらの材料特性は、スムーズな滑りトルク出力と長期の摩擦安定性を得る上での必要な条件である。
望ましい滑りトルクレスポンスと長期耐久性を得るための滑りクラッチ材料の要件としては、良好な曲線形状と長期摩擦安定性がある。良好な曲線形状は、高い材料多孔度と高い摩擦改良剤含量に依存する。長期摩擦安定性は、高い多孔度(無光沢化)と高耐熱性成分に依存する。
繊維ベース材料構造体は、高い放熱と摩擦安定性を付与するために、多孔質で高耐熱性の合成繊維ネットワークを含有する。“震動防止”特性を付与するために、摩擦調整粒子を繊維ベース材料上にデポジットさせる。
下記の実施例は、摩擦調整粒子で被覆した繊維ベース材料と、これを使用して得られる本発明の摩擦材料が従来の摩擦材料を凌ぐ改良物品である、ということのさらなる証拠をもたらす。本発明の種々の好ましい実施態様を下記の実施例にて記載するが、これらの実施例によって本発明の範囲が限定されることはない。
(実施例I)
トルク曲線の形状は、本発明の摩擦材料が、高速、高エネルギー、および高温の用途において特に有用であるということを示している。さらに、トルク曲線が安定であるということは、摩擦材料が雑音を発生しないことを示している。
表1は、比較例AとBおよび実施例1と2に対する処方を示している。表1はさらに、実施例1と2に関する基本重量、厚さ、多孔度、常態引張強さと湿潤引張強さ、およびアッシュ特性(ash properties)を示している。この新規材料は、最適量の炭素繊維を組み込んだ一次層と二次層とを含み、前記二次層が、炭素、セライト、および必要に応じた保持助剤(例えばラテックス)の混合物を含む。好ましい実施態様においては、二次層における炭素粒子対シリカの比は、約1〜4または約1〜2の範囲である。
Figure 2005113130
(実施例II)
μPVTトルク曲線は、本発明の材料についてのさらなる情報を提供する。
図1aと1bは、100℃(図1a)と50℃(図1b)での種々のレベルと速度における、比較例Aに対するトルク曲線(μPVT)を示している。
図2aと2bは、100℃(図2a)と50℃(図2b)での種々のレベルと速度における、比較例Bに対するトルク曲線(μPVT)を示している。
図3aと3bは、100℃(図3a)と50℃(図3b)での種々のレベルと速度における、実施例1に対するトルク曲線(μPVT)を示している。
図4aと4bは、100℃(図4a)と50℃(図4b)での種々のレベルと速度における、実施例2に対するトルク曲線(μPVT)を示している。
(実施例III)
実施例IIIでは、記載の速度に対する初期摩擦係数(μi)、動的摩擦係数(μd)、最終摩擦係数(μo)、およびμo/μdの比を示しているS12μ-PVT試験について説明する。
図5a〜5dは、比較例Aに関して、加えた対向圧力(apply facing pressure)(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図5a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図5b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図5c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図5d)を示しているグラフである。
図6a〜6dは、比較例Bに関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図6a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図6b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図6c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図6d)を示しているグラフである。
図7a〜7bは、実施例1に関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図7a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図7b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図7c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図7d)を示しているグラフである。
図8a〜8dは、

実施例2に関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図8a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図8b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図8c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図8d)を示しているグラフである。
(実施例IV)
実施例IVでは、高速ステップレベル試験(a high speed step level test)について示す。
図9aは、オートマチック・トランスミッション液“B”を使用して高速ステップレベルの“ホットスポット”試験を行うための試験条件を示しているグラフである。
図9bは、比較例A、比較例B、実施例1、および実施例2に関して、高速ステップレベルの“ホットスポット”試験結果を示しているグラフである。
(実施例V)
実施例Vでは、比較例BとC及び実施例1と2の材料に対する物理的特性を示す。
図10は、これらの材料に関して、0〜2のMPaおよび2〜9のMPaに対する圧縮弾性率を示している。留意しておかねばならないのは、圧縮弾性率が低くなるほど材料の弾性が高くなる、という点である。本発明の材料は極めて望ましい弾性を有する。
(実施例VI)
実施例VIでは、オートマチック・トランスミッション液“B”を使用するμ-V耐久性試験について示す。
図11aは、サイクル1、5、10、15、20、25、および30について、滑り速度(rpm)に対して摩擦係数(μ)をプロットすることによって得られる、実施例1に対するμ-V耐久性関係(定速法)を示すグラフである。
図11bは、実施例1に関してスロープとサイクルとの関係を示すグラフである。
図12aは、サイクル1、5、10、15、20、25、および30について、滑り速度(rpm)に対して摩擦係数(μ)をプロットすることによって得られる、実施例2に対するμ-V耐久性関係(定速法)を示すグラフである。
図12bは、実施例2に関してスロープとサイクルとの関係を示すグラフである。
(産業上の応用可能性)
本発明は、クラッチプレート、トランスミッションバンド、ブレーキシュー、シンクロナイザーリング、フリクションディスク、またはシステムプレートと共に使用するための高エネルギー摩擦材料として有用である。
本発明の好ましい実施態様と他の実施態様についての上記説明は例証すべく意図されているものであって、これらの説明によって、特許請求の範囲に規定の範囲と内容が限定されることはない。
100℃(図1a)と50℃(図1b)での種々のレベルと速度における、比較例Aに対するトルク曲線(μPVT)を示している。 100℃(図2a)と50℃(図2b)での種々のレベルと速度における、比較例Bに対するトルク曲線(μPVT)を示している。 100℃(図3a)と50℃(図3b)での種々のレベルと速度における、実施例1に対するトルク曲線(μPVT)を示している。 100℃(図4a)と50℃(図4b)での種々のレベルと速度における、実施例2に対するトルク曲線(μPVT)を示している。 比較例Aに関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図5a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図5b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図5c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図5d)を示しているグラフである。 比較例Bに関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図6a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図6b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図6c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図6d)を示しているグラフである。 実施例1に関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図7a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図7b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図7c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図7d)を示しているグラフである。 実施例2に関して、加えた対向圧力(kPa)と初期摩擦係数(μi)との関係(図8a)、加えた対向圧力と動的摩擦係数(μd)との関係(図8b)、加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)との関係(図8c)、および加えた対向圧力と最終摩擦係数(μo)/動的摩擦係数(μd)の比との関係(図8d)を示しているグラフである。 オートマチック・トランスミッション液“B”を使用して高速ステップレベルの“ホットスポット”試験を行うための試験条件を示しているグラフである。 比較例A、比較例B、実施例1、および実施例2に関して、高速ステップレベルの“ホットスポット”試験結果を示しているグラフである。 実施例1、実施例2、比較例B、および比較例Cに関して圧縮弾性率を示しているグラフである。 図11aは、サイクル1、5、10、15、20、25、および30について、滑り速度(rpm)に対して摩擦係数(μ)をプロットすることによって得られる、実施例1に対するμ-V耐久性関係(定速法)を示すグラフである。
図11bは、実施例1に関してスロープとサイクルとの関係を示すグラフである。
図12aは、サイクル1、5、10、15、20、25、および30について、滑り速度(rpm)に対して摩擦係数(μ)をプロットすることによって得られる、実施例2に対するμ-V耐久性関係(定速法)を示すグラフである。
図12bは、実施例2に関してスロープとサイクルとスロープとの関係を示すグラフである。
高繊維含量の繊維ベース材料とこれを含む摩擦材料とを製造する方法の概略図である。

Claims (20)

  1. 少なくとも1種の硬化可能な樹脂を含浸させた繊維ベース材料を含む摩擦材料であって、前記繊維ベース材料が、高繊維含量で多孔質の一次層と、前記一次層の少なくとも1つの表面上の、摩擦調整粒子を含んだ二次層とを含む、前記摩擦材料。
  2. 二次層が、繊維ベース材料の重量を基準として約5重量%〜約15重量%の摩擦調整粒子を含む、請求項1記載の摩擦材料。
  3. 二次層が炭素粒子とシリカ粒子との混合物を含む、請求項1記載の摩擦材料。
  4. 摩擦調整粒子が、繊維ベース材料の重量を基準として約0.2重量%〜約20重量%にて存在し、摩擦調整粒子が一次層の表面積の約3%〜約30%を被覆する、請求項3記載の摩擦材料。
  5. 二次層が、摩擦調整粒子の総重量を基準として約20重量%〜約35重量%のシリカ粒子と約65重量%〜約80重量%の炭素粒子を含む、請求項3記載の摩擦材料。
  6. 摩擦調整粒子が約0.5ミクロン〜約20ミクロンの範囲の平均サイズを有する、請求項1記載の摩擦材料。
  7. 摩擦調整粒子が、i)珪藻土粒子と;ii)完全に炭化された炭素粒子もしくは一部分炭化された粒子およびこれらの混合物;との混合物を含む、請求項3記載の摩擦材料。
  8. 繊維ベース材料が、平均サイズにて約2.0ミクロン〜約25ミクロンの範囲の細孔径を画定する、請求項1記載の摩擦材料。
  9. 一次層が、少なくとも約50%の容易に得られる空気細孔を有する、請求項1記載の摩擦材料。
  10. 繊維ベース材料が、少なくとも1種のアラミド繊維、綿繊維、グラファイト粒子、および少なくとも1種の充填材物質を含む、請求項1記載の摩擦材料。
  11. アラミド繊維が、カナディアン・スタンダード・フリーネス・インデックスに関して約350〜約650のフリーネスを有する、請求項10記載の摩擦材料。
  12. アラミド繊維が約0.5mm〜約10mmの範囲の平均繊維長を有する、請求項10記載の摩擦材料。
  13. 充填材が珪藻土を含む、請求項10記載の摩擦材料。
  14. 繊維ベース層が、約50重量%〜約6重量%のアラミド繊維;約40重量%〜約10重量%の綿繊維;約5重量%〜約15重量%の炭素繊維;約20重量%〜約30重量%のグラファイト粒子;および約5重量%〜約15重量%の充填材物質;を含む、請求項10記載の摩擦材料。
  15. フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、またはフェノール樹脂とシリコーン樹脂との混合物のうちの少なくとも1種を約35重量%〜約40重量%にて含浸させ、ここで前記混合物中のシリコーン樹脂の量が、混合物の重量を基準として約5重量%〜約80重量%の範囲であり、前記フェノール樹脂が溶媒物質中に存在し、そして前記シリコーン樹脂がフェノール樹脂の前記溶媒物質に対して相溶性のある溶媒物質中に存在する、請求項1記載の摩擦材料。
  16. 繊維ベース材料が、カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)・インデックスに関して少なくとも約300のフリーネスを有する、複数種のフィブリル化の少ないアラミド繊維;炭素繊維;グラファイト粒子;および少なくとも1種の充填材物質;を含む、請求項1記載の摩擦材料。
  17. フィブリル化の少ないアラミド繊維が、カナディアン・スタンダード・フリーネス・インデックスに関して約430〜約650のフリーネスを有する、請求項16記載の摩擦材料。
  18. アラミド繊維が約0.5mm〜約10mmの範囲の平均繊維長を有する、請求項17記載の摩擦材料。
  19. 繊維ベース層が、約50重量%〜約60重量%のフィブリル化の少ないアラミド繊維;約5重量%〜約20重量%の炭素繊維;約20重量%〜約30重量%のグラファイト粒子;および約3重量%〜約15重量%の充填材物質;を含む、請求項16記載の摩擦材料。
  20. 高繊維含量の繊維ベース材料を作製すること;
    前記繊維ベース材料の少なくとも1つの表面の約3%〜約30%を、炭素粒子とシリカ粒子との混合物を含んだ摩擦調整粒子で被覆すること、ここで前記摩擦調整粒子は、繊維ベース材料の重量を基準として約0.2重量%〜約20重量%にて存在する;および
    被覆された繊維ベース材料に、フェノール樹脂、フェノールベースの樹脂混合物、またはフェノール-シリコーン樹脂混合物を含浸させ、次いで含浸させた繊維ベース材料を所定の温度にて所定時間硬化させること;
    を含む、摩擦材料の製造法。
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