JP2004092904A - 摩擦改質層を有する摩擦材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】最新の無段トルク伝達装置の、増大するエネルギ条件に合うような摩擦材料を提供すること。
【解決手段】本発明は摩擦材料に関する。摩擦材料は、繊維質基材12の第一の層と、繊維質基材12の上面における少なくとも1つの型式の摩擦改質粒子の第二の層14とを備えている。第二の層は、約30乃至200μmの平均厚さ及び約80%乃至約100%の表面被覆率を有し、上側層は第一の層よりも小さい透過率を有する。本発明によれば、従来技術のものと比較して高信頼性で且つ改良された性質を有する改良された摩擦材料を提供できる。
【選択図】    図1A

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維質基材から成る第一の層すなわち下側層と、少なくとも1つの型式の摩擦修正粒子から成る第二の層すなわち上側層とを有する摩擦材料に関する。本発明の摩擦材料は、高摩擦係数の特徴及び極めて高耐熱性を有する。摩擦材料は、また、改良された強度、磨耗抵抗性及び雑音抵抗性も有している。
【0002】
【従来の技術】
無段滑りトルク変換器及びシフトクラッチ装置を有する、新規で且つ最新の無段トルク伝動装置が自動車業界にて開発されている。これらの新規な装置は、高いエネルギを必要とすることがしばしばである。このため、これらの最新の装置の増大するエネルギ条件に合うように摩擦材料の技術も開発しなければならない。
【0003】
特に、高性能、耐久性のある新規な摩擦材料が必要とされている。新規な摩擦材料は、表面速度が約65m/秒に達するような、高速度に耐え得るものでなければならない。また、摩擦材料は、約10.342MPa(約1500psi)の表面ライニングの高圧力に耐え得なければならない。また、摩擦材料は制限された潤滑状態下にて使用可能であることも重要である。
【0004】
摩擦材料は、耐久性があり且つ最新の装置にて使用し得るように高い耐熱性を備えなければならない。摩擦材料は高温度にて安定的であるのみならず、作動状態下にて発生される高熱を迅速に放散させ得るものでもなければならない。
【0005】
新規な装置が係合し且つ係合解除する間に発生する速度が速いことは、摩擦材料は、係合している間中、比較的一定の摩擦を保つことができなければならないことを意味する。ブレーキを掛ける間、又は伝動装置が1つの歯車から別の歯車へ動力切換えを行う間、材料の「震え」を最小にし得るように、比較的広い速度及び温度範囲に亙って摩擦係合が一定であることが重要である。また、摩擦材料は、摩擦係合する間、雑音無しすなわち「ギーギ音」無しであるように、望ましいトルク曲線形状を有することも重要である。
【0006】
特に、伝動装置及びトルクオンデマンド装置は、主として、燃料効率及び運転の快適さのため滑りクラッチを内蔵している。これらの装置内での滑りクラッチの役割は、ウェット始動クラッチのような、車の発進装置からトルコンクラッチの役割まで相違する。運転状態によって、滑りクラッチは、次の3つの主要な型式に分類される、すなわち、(1)ウェット始動クラッチのような、低圧力及び高滑り速度クラッチ、(2)コンバータクラッチのような、高圧力及び低滑り速度クラッチ、(3)中立−アイドルクラッチのような、極度の低圧力及び低滑り速度クラッチに分類される。
【0007】
滑りクラッチの全ての用途に対する主要な性能上の関心事は、震えを防止し且つ摩擦インタフェースの熱管理を行うことである。震えが生じる原因は、摩擦材料の摩擦特性、合わさる面の硬さ及び粗さ、油膜の保持、潤滑剤の化学組成及び相互作用、クラッチの作動状態、駆動ライン組立体及び機器の整合及び駆動ラインの汚れを含む多くの因子に帰することができる。摩擦インタフェースのエネルギ管理は、インタフェースの温度を制御することに主として関係し、ポンプの容量、油の流路及び制御方法によって影響を受ける。摩擦材料の表面の設計もインタフェースのエネルギ管理効率に役立つ。
【0008】
従来、温度を安定化させるため摩擦材料中にアスベスト繊維を内蔵させていた。健康及び環境上の問題のため、最早、アスベストは使用されていない。より最近の摩擦材料は、含浸紙又は繊維材料をフェノール系又はフェノール系改質樹脂にて改質することにより、摩擦材料中にアスベストが存在しないことの短所を解消しようとしている。しかし、これらの材料は、発生された高熱を迅速に飛散させず、現在、開発中の高速度装置にて使用するのに必要な耐熱性及び摩擦性能を得るのに満足し得る高摩擦係数を備えていない。
【0009】
カーズレイ(Kearsey)の米国特許第5,585,166号には、多孔質の基層(セルロース系及び合成繊維、フィラー及び熱硬化性樹脂)と、多孔質の摩擦層(熱硬化性樹脂中の不織合成繊維)とを有し、摩擦層が基層よりも高多孔率を有する、多層摩擦ライニングが記載されている。
【0010】
セイツ(Seiz)の米国特許第5,083,650号は、多工程の含浸及び硬化過程を含む、すなわち紙には被覆組成物を含浸させ、炭素粒子を紙の上に配置し、紙中の被覆組成物を部分的に硬化させ、第二の被覆組成物を部分的に硬化した紙に施し、最後に、双方の被覆組成物を硬化させる。
【0011】
本発明の譲受人である、ボルグワーナ(BorgWarner)インコーポレーテッドが共有する特許の摩擦材料にて使用するためのいろいろな紙系の繊維質材料が開発されている。これらの引例は、参考として引用し本明細書に含めてある。
【0012】
特に、ラム(Lam)その他の米国特許第5,998,307号は、硬化性樹脂を含浸させた繊維質一次基材を有し、多孔質の一次層が少なくとも1つの繊維質材料を備え、第二の層は、一次層の表面の約3乃至約90%を被覆する炭素粒子を備える、摩擦材料に関係する。
【0013】
ラムその他の米国特許第5,858,883号は、フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維、合成黒鉛、及びフィラーから成る一次層と、一次層の表面における炭素粒子から成る二次層とを有する基材に関する。
【0014】
ラムその他の米国特許第5,856,224号は、硬化性樹脂を含浸させた基部を備える摩擦材料に関するものである。一次層は、フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維と、合成黒鉛と、フィラーとを備えており、二次層は炭素粒子及び保持支援材を備えている。
【0015】
ラムその他の米国特許第5,958,507号は、フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維を備える繊維質材料の少なくとも1つの表面の約3乃至約90%が炭素粒子にて被覆される、摩擦材料の製造方法に関するものである。
【0016】
ラムの米国特許第6,001,750号は、硬化性樹脂を含浸させた繊維質基材を備える摩擦材料に関するものである。多孔質の一次層は、フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維と、炭素粒子と、炭素繊維と、フィラー材料と、フェノール系ノボロイド(novoloid)繊維と、選択的に、綿繊維とを備えている。二次層は表面の約3乃至約90%を被覆する炭素粒子を備えている。
【0017】
更に別の共有所有する米国特許出願第09/707,274号は、一次層の表面積の約3乃至約90%を被覆する摩擦修正粒子を有する多孔質の一次繊維質基層を備える紙系摩擦材料に関するものである。
【0018】
更に、フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維と、合成黒鉛と、フィラーとを備える基材を記載する、ボルグワーナインコーポレーテッド及びラムらが共有する米国特許第5,753,356号及び米国特許第5,707,905号には、いろいろな紙系の繊維質基材が記載されており、この引例もまた、完全に参考として引用し本明細書に含めてある。
【0019】
別の共有特許であるラムの米国特許第6,130,176号は、フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維と、炭素繊維と、炭素粒子と、フィラーとを備える非金属紙型式の繊維質基材に関するものである。
【0020】
【特許文献1】
米国特許第5,585,166号
【特許文献2】
米国特許第5,083,650号
【特許文献3】
米国特許第5,998,307号
【特許文献4】
米国特許第5,858,883号
【特許文献5】
米国特許第5,856,224号
【特許文献6】
米国特許第5,958,507号
【特許文献7】
米国特許第6,001,750号
【特許文献8】
米国特許第5,753,356号
【特許文献9】
米国特許第5,707,905号
【特許文献10】
米国特許第6,130,176号
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
あらゆる型式の摩擦材料について、「湿式」の適用例にて有用であるためには、摩擦材料は多岐に亙る許容可能な特徴を備えなければならない。摩擦材料は、優れた震え防止特徴、高い耐熱性を有し且つ熱を迅速に放散させ、持続的で安定的且つ均一な摩擦性能を備えなければならない。これら特徴の何れかを備えないならば、摩擦材料の最適な性能は実現されない。
【0022】
高いエネルギの用途の摩擦材料を形成するために適宜な含浸性樹脂を摩擦材料中に使用することも重要である。摩擦材料は、使用中、摩擦材料にブレーキ流体又は伝動油がしみ込んだとき、優れたせん断強度を有しなければならない。
【0023】
従って、本発明の1つの目的は、従来技術のものと比較して高信頼性で且つ改良された性質を有する改良された摩擦材料を提供することである。
本発明の更なる目的は、改良された「震え防止」、「ホットスポット」抵抗性、高い耐熱性、高い摩擦安定性、耐久性、及び強度を有する摩擦材料を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維質基材を備える第一の層と、基材の上面に少なくとも1つの型式の摩擦改質粒子を備える第二の層とを有する摩擦材料に関するものである。
【0025】
第二の層は、約30乃至200μmの平均厚さを有し、このため、上側層は第一の層よりも小さい透過率を有している。摩擦改質粒子の層は、約60乃至約100μmの好ましい厚さを有している。
【0026】
また、特定の好ましい実施の形態において、摩擦改質粒子は、約0.1乃至約80μmの平均寸法(平均粒径)を有し、また、特定の実施の形態において、約0.5乃至約20μmの平均寸法(平均粒径)、及び特定のその他の実施の形態において、約0.1乃至約0.15μmの平均寸法(平均粒径)を有している。繊維質基材は、約50%乃至約85%の平均空隙容積を有することができる。
【0027】
特定の好ましい実施の形態において、摩擦改質粒子は、シーライト粒子のようなシリカ粒子、ケイソウ土、及び(又は)炭素粒子とシリカ粒子との混合物を備えている。
【0028】
特定の実施の形態のおいて、摩擦粒子は、不規則的な形状を有し、また約2乃至約20μmの範囲の平均寸法(平均粒径)を有する。
上述した必要条件を実現するため、多くの摩擦材料について、作動中に出遭うものと同様の状態下にて摩擦抵抗性及び耐熱性の特徴を評価した。商業的に利用可能な摩擦材料を検討したが、高エネルギの用途にて使用するのに不適当であることが分かった。
【0029】
本発明によれば、摩擦材料は、繊維質基材の全体に亙って均一に分散させた硬化性樹脂と、繊維質基材の上面又は外面上の実質的に均一な摩擦改質材料層とを備えている。
【0030】
1つの特徴において、繊維質基材は、摩擦改質粒子の上側層よりも多孔質である。
本発明の1つの特徴によれば、上側層は、繊維質基材層よりも半径方向及び垂直方向の双方に低い透過率を有する。本発明の1つの特徴において、繊維質基材の平均空隙容積は約50%乃至約85%である。特定の実施の形態において、繊維質基材の平均孔/空隙/隙間直径は約5μmである。
【0031】
更に、特定の実施の形態において、摩擦改質粒子は、シリカ、シーライト(celite)粒子、及び特定のその他の実施の形態において、ケイソウ土を備えている。本発明の1つの特定の特徴において、摩擦改質粒子は、不規則的な形状のシーライトを備えている。更にその他の実施の形態において、摩擦改質粒子は炭素粒子及びシリカ粒子の混合物を備えることができる。
【0032】
更に別の実施の形態において、摩擦改質粒子は、金属酸化物、窒化物、炭化物及びその混合物のような、その他の摩擦改質粒子を含むこともできる。これらの実施の形態は、例えば、シリカ酸化物、鉄酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物及び同様のもの、シリカ窒化物、鉄窒化物、アルミニウム窒化物、チタン窒化物及び同様のもの、シリカ炭化物、鉄炭化物、アルミニウム炭化物、チタン炭化物及び同様のものを含むことができることは、本発明の考えられる範囲に属する。
【0033】
例えば、布地材料、織地及び不織材料を備える非アスベスト繊維質基材を含むいろいろな繊維質基材が本発明の摩擦材料にて使用可能である。適宜な繊維質基材は、例えば、繊維及びフィラーを含む。繊維は、有機質繊維、無機質繊維及び炭素繊維とすることができる。有機質繊維は、フィブリル化し且つ(又は)フィブリル化しないアラミド繊維のような、アラミド繊維、アクリル系繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリアミド繊維、綿/セルロース系繊維等とすることができる。フィラーは、例えば、シリカ、ケイソウ土、黒鉛、アルミナ、カシューナット粉末及び同様のものとすることができる。
【0034】
他の実施の形態において、繊維質基材は、繊維質織地材料、繊維質不織材料及び紙系材料を備えることができる。更に、本発明にて使用可能ないろいろな型式の繊維質基材の例が、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、上述のボルグワーナの米国特許に開示されている。しかし、本発明のその他の実施の形態は更に異なる繊維質基材を含むことができることを理解すべきである。
【0035】
特定の実施の形態において、摩擦材料は、複数の空隙又は隙間を有する繊維質基材を備えている。繊維質基材の空隙の寸法は、約0.5μm乃至約20μmの範囲とすることができる。
【0036】
特定の実施の形態において、繊維質基材は、その繊維質基材が「多孔質」織地材料と比べて「高密度」であるとみなされるように、約50乃至約60%の空隙容積を有することが好ましい。
【0037】
特定の実施の形態において、摩擦材料は、繊維質基材の空隙を少なくとも部分的に充填する樹脂材料を更に備えている。樹脂材料は、繊維質基材の厚さの全体に亙ってほぼ均一に分散されている。
【0038】
摩擦材料は、繊維質基材の第一の表面すなわち上面上に摩擦改質粒子の上側層すなわち第二の層を更に備えている。繊維質基材の上側層として摩擦改質材料が存在することは、摩擦材料に対して、優れた油の保持特性を含む多くの有益な性質を提供する。
【0039】
特定の実施の形態において、繊維質基材は、摩擦材料に対し望ましい孔構造体を提供し得るようフィブリル化の程度が小さい繊維及び炭素繊維が繊維質基材にて使用される、繊維質基材を備えている。繊維の幾何学的形態は増大した耐熱性を提供するのみならず、層剥離抵抗性及びキーキー音すなわち雑音抵抗も提供する。また、特定の実施の形態において、炭素繊維及び炭素粒子が存在することは、繊維質基材が耐熱性を増大し、一定の摩擦係数を保ち且つ鳴き音(squeal)抵抗を向上させることを助ける。繊維質基材中に比較的少量の綿繊維を含めて摩擦材料のクラッチの「慣らし」特徴を向上させることができる。
【0040】
フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維及び炭素繊維を繊維質基材中に使用することは、高温度に耐える摩擦材料の能力を向上させることになる。フィルビル化の程度の小さいアラミド繊維は、一般に、コア繊維に付着する小繊維が殆ど無い。フィブリル化の程度が小さいアラミド繊維を使用することは、より多孔質の構造体、すなわち典型的なフィブリル化程度のアラミド繊維が使用される場合よりも多数の孔が存在する摩擦材料を提供する。多孔質構造体は、一般に、孔寸法及び液体の透過率によって規定される。特定の実施の形態において、繊維質基材は、直径約2.0乃至約25μmの平均寸法の範囲にある孔を画成し、特定の実施の形態において、約2乃至約10μmの範囲の孔を画成する。特定の実施の形態において、平均孔寸法は約2.5乃至約8μmの範囲にあり、特定の実施の形態において、約5乃至約8μmの直径であり、摩擦材料は、少なくとも約50%、特定の実施の形態において、少なくとも約60%以上の容易に利用可能な空隙を有する。
【0041】
また、特定の実施の形態において、アラミド繊維は約0.5乃至約10mmの範囲の長さ及び約300以上のカナディアンスタンダードフリーネス(CSF)を有することが望ましい。特定の実施の形態において、約450乃至約550、好ましくは約530以上の、また、特定の実施の形態において、約580乃至650以上、好ましくは約650以上のCSFを有する、フィブリル化の程度の小さいアラミド繊維を使用することも望ましい。これに反して、アラミドパルプのようなフィブリル化の程度の大きい繊維は約285乃至290のフリーネスを有する。
【0042】
「カナディアンスタンダードフリーネス(Canadian Standard Freeness)」(T227 om−85)は、繊維のフィブリル化の程度が繊維のフリーネス又はろ水度(freeness)の測定値として説明可能であることを意味する。CSF試験は、1リットルの水中の3グラムの繊維の懸濁物を排液することのできる率の任意の測定値を与える実験方法である。このため、フィブリル化の程度の小さいアラミド繊維は、フィブリル化の程度の大きいアラミド繊維又はパルプよりもフリーネス(ろ水度)が大きいすなわち摩擦材料からの流体の排液率が大きい。約430乃至650(特定の実施の形態において、好ましくは約580乃至640又は好ましくは約620乃至640)のCSFを有するアラミド繊維から成る摩擦材料は、卓越した摩擦性能を提供し、従来のフィブリル化の程度のより大きいアラミド繊維を保持する摩擦材料よりも優れた材料の性質を備えている。繊維の長さが長く、カナダフリーネス(カナダろ水度)が大きければ大きい程、高強度、高多孔率及び優れた磨耗抵抗性を有する摩擦材料が得られる。フィブリル化の程度の小さいアラミド繊維(約530乃至約650のCSF)は、特に優れた長期間の耐久性及び安定的な摩擦係数を有する。
【0043】
いろいろなフィラーが本発明の繊維質基材の一次層にて使用可能である。特に、ケイソウ土のようなシリカフィラーが有用である。しかし、その他の型式のフィラーが本発明にて使用するのに適しており、フィラーの選択は摩擦材料の特別な必要条件に依存すると考えられる。
【0044】
特定の実施の形態において、繊維質材料により大きい摩擦係数を与え得るように本発明の繊維質基材に綿繊維が追加される。特定の実施の形態において、約5乃至約20%、特定の実施の形態において、約10%の綿を繊維質基材に追加することもできる。
【0045】
参考として上記に含めた米国特許第6,130,176号に記載されたように、繊維質基材の一次層の処方の一例は、フィブリル化の程度の小さいアラミド材料を重量比で約10乃至約50%、活性化した炭素粒子を重量比で約10乃至約35%、綿繊維を重量比で約5乃至約20%、炭素繊維を重量比で約2乃至約15%、フィラー材料を重量比で約10乃至約35%を含むものである。
【0046】
特定のその他の実施の形態において、フィブリル化の程度の小さいアラミド繊維を重量比で約35乃至約45%、活性化した炭素粒子を重量比で約10乃至約20%、綿繊維を約5乃至約15%、炭素繊維を重量比で約2乃至約20%、フィラーを重量比で約25乃至約35%含む1つの特別な処方が有用であることが分かっている。
【0047】
更にその他の実施の形態において、基材は、約15乃至25%の綿、約40乃至約50%のアラミド繊維、約10乃至約20%の炭素繊維、約5乃至約15%の炭素粒子、約5乃至約15%のシーライト及び選択的に、約1乃至約3%のラテックス追加分を備えている。
【0048】
繊維質基材がより大きい平均孔直径及び流体透過率を有するとき、自動伝動装置流体が摩擦材料の多孔質の構造体の全体を通じて一層良好に流れるため、その摩擦材料は、より低温で作動するすなわち伝動装置内で発生される熱が少ない状態で作動することが一層可能となる。伝動装置の作動中、流体は時間の経過に伴い、分解し且つ特に高温度のとき「油沈着物」を形成し勝ちである。こうした「油沈着物」は孔開口部を減少させる。このため、摩擦材料が最初に大きい孔を有する状態で始動すれば、摩擦材料の有効寿命の間、開放した孔がより多数残ることになる。
【0049】
繊維質基材の上面における摩擦改質粒子は、形成される摩擦材料に対し改良された三次元的構造体を提供する。
摩擦改質粒子の上側層における油又は流体層は表面に油膜を保ち、これにより油又は流体が最初に、摩擦材料中に浸透することをより困難にする。摩擦改質材料の上側層は表面に流体潤滑剤を保持し且つ摩擦材料の油保持能力を向上させる。このように、本発明の摩擦材料は油膜がその表面に止ることを許容する。このことはまた、優れた摩擦係数の特徴及び優れた滑り耐久性の特徴を提供することにもなる。
【0050】
特定の実施の形態において、上側層を形成する摩擦改質粒子が被覆する平均面積はその表面積の約80乃至約100%の範囲にある。特定のその他の実施の形態において、平均被覆面積は約90乃至約100%の範囲にある。摩擦改質粒子は約35乃至200μmの好ましい平均厚さにて基材の上面に実質的に残る。特定の実施の形態において、上側層は約60乃至約100μmの好ましい平均厚さを有する。
【0051】
直径が約0.1乃至約80μm、特定の実施の形態において、約0.5乃至約20μm、その他の特定の実施の形態において、約0.1乃至約0.5μmの範囲の寸法の粒子を使用することにより、繊維質基材の表面における摩擦改質粒子の堆積層の均一性が実現される。特定の実施の形態において、粒子の平均粒子直径は約12μmである。特定の実施の形態において、摩擦改質粒子の寸法が過度に大きく又は過度に小さいならば、望ましい最適な三次元的構造体は実現されず、従って熱の飛散効果及び震え防止特徴は最適なものとはならないことが分かった。
【0052】
繊維質基材における摩擦改質粒子の被覆量は十分に厚く、このため、摩擦改質粒子の層は、摩擦改質材料の個別の粒子及び個別の粒子間の空隙又は隙間を備える三次元的構造体を有することになる。特定の実施の形態において、上側層(摩擦改質粒子の層)は下側層(繊維質基材の層)よりも多孔質の程度が小さい。
【0053】
いろいろな型式の摩擦改質粒子が摩擦材料にて使用可能である。1つの実施の形態において、有用な摩擦改質粒子はシリカ粒子を含む。その他の実施の形態は、フェノール系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びその混合物のような樹脂粉体の如き摩擦改質粒子を備えることができる。更にその他の実施の形態は、部分的に且つ(又は)完全に炭素化した炭素粉体及び(又は)粒子並びにその混合物、更に、かかる摩擦改質粒子の混合物を含むことができる。特定の実施の形態において、ケイソウ土、シーライト(Celite)(登録商標名)、セラトム(Celatom)(登録商標名)及び(又は)二酸化ケイ素のようなシリカ粒子が特に有用である。シリカ粒子は基材に強力に接着する低廉な無機質材料である。シリカ粒子は基材に対し高摩擦係数を提供する。また、シリカ粒子は基材に対し平滑な摩擦面を提供し且つ摩擦材料に対し優れた「シフト感触」及び摩擦特徴を提供し、このため全ての「震え」が最小となるようにする。
【0054】
特定の実施の形態において、本発明の摩擦材料の上側層を備える摩擦改質材料は不規則的な形状とすることができる。不規則的な形状の摩擦改質粒子は、その不規則的な形状の摩擦改質粒子の表面における多数の凹陥部の毛管作用により、望ましい量の潤滑剤を繊維質基材の表面に保持する作用を果たす。特定の実施の形態において、シーライト(celite)は不規則面すなわち粗面を有するため、シーライトのようなシリカ材料は摩擦改質材料として有用である。
【0055】
特定の実施の形態において、摩擦材料は異なる樹脂系のものを使用して含浸させることができる。特定の実施の形態において、少なくとも1種類のフェノール系樹脂、少なくとも1種類の改質したフェノール基樹脂、少なくとも1種類のシリコーン樹脂、少なくとも1種類の改質したシリコーン樹脂、少なくとも1種類のエポキシ樹脂、少なくとも1種類の改質したエポキシ樹脂、及び(又は)上記の樹脂の組み合わせ物を使用することが有用である。特定のその他の実施の形態において、適合可能な溶剤中でフェノール系樹脂と混和又は混合させたシリコーン樹脂が有用である。
【0056】
本発明にていろいろな樹脂が使用可能である。特定の実施の形態において、この樹脂はフェノール樹脂又はフェノール基樹脂を備え、飽和材料が重量比で摩擦材料の100部分当たり重量比で約45乃至約65部分を備えるようにすることが好ましい。樹脂混合物を繊維質基材に施し、繊維質基材を樹脂混合物にて含浸させた後、その含浸した繊維質基材を摩擦材料を形成するための所定の時間、望ましい温度に加熱する。特定の実施の形態において、この加熱により飽和材中に存在するフェノール系樹脂は約148.89℃(300゜F)の温度にて硬化する。シリコーン樹脂のようなその他の樹脂が飽和材中に存在するとき、この加熱により、シリコーン樹脂は約204.44℃(約400゜F)の温度にて硬化する。その後、硬化した摩擦材料は適宜な手段により所望の基層に接着させる。
【0057】
いろいろな有用な樹脂はフェノール樹脂及びフェノール基樹脂を含む。エポキシ、ブタジエン、シリコーン、きり油、ベンゼン、カシューナット油及び同様のもののようなその他の改質成分を樹脂混合物中に含むいろいろなフェノール基樹脂が本発明にとって有用であると考えられることを理解すべきである。フェノール改質樹脂において、フェノール系樹脂は一般に樹脂混合物の重量比で約50%以上(存在する全ての溶剤を除いて)にて存在する。しかし、特定の実施の形態において、混合物がシリコーンフェノール混合物の重量の重量比(溶剤及びその他の加工用酸を除く)に基づいてシリコーン樹脂の重量比で約5乃至約80%、特定の目的のため、約15乃至約55%、特定の実施の形態において、約15乃至約25%を保持する樹脂混和物を含むとき、摩擦材料は改良されることが可能であることが分かった。
【0058】
本発明にて使用可能なフェノール樹脂及びフェノールシリコーン樹脂の例は、その内容の全体を参考して引用し本明細書に含めた上記のボルグワーナの米国特許に完全に開示されている。本発明にて有用なシリコーン樹脂は、例えば、熱硬化性シリコーンシーラント及びシリコーンゴムを含む。本発明と共にいろいろなシリコーン樹脂が使用可能である。特に、1種類の樹脂はキシレン及びアセチルアセトン(2、4−ペンタンジオン)を含む。該シリコーン樹脂は沸点が約183゜C(362゜F)、蒸気圧力68゜Fmm、Hg:21、蒸気密度(空気=1)4.8、水への無視し得る程度の可溶性、約1.09の比重、重量比で5%の揮発性、0.1以下の蒸発率(エーテル=1)、ペンスキマルテンス法を使用したとき、約65゜C(149゜F)の発火点を有する。本発明と共にその他のシリコーン樹脂が利用可能であることを理解すべきである。その他の有用な樹脂混和物は、例えば、(重量%で)、約55乃至約60%のフェノール樹脂、約20乃至約25%のエチルアルコール、約10乃至約14%のフェノール、約3乃至約4%のメチルアルコール、約0.3乃至約0.8%のホルムアルデヒド、約10乃至約20%の水を備える適宜なフェノール樹脂を含む。別の適宜なフェノール系樹脂は(重量%で)、約50乃至55%のフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、約0.5%のホルムアルデヒド、約11%のフェノール、約30乃至約35%のイソプロパノール、約1乃至約5%の水を備えている。
【0059】
別の有用な樹脂は重量比で約5乃至約25%、好ましくは重量比で約10乃至約15%のエポキシ化合物を含み、残り(溶剤及びその他の加工助剤を除く)がフェノール樹脂である、エポキシ改質したフェノール樹脂であることが分かった。エポキシフェノール樹脂化合物は、特定の実施の形態において、フェノール樹脂単独の場合よりも摩擦材料に対しより高い耐熱性を提供する。
【0060】
特定の実施の形態において、樹脂混合物は、所望の量の樹脂及び摩擦改質粒子を備え、繊維質基材による樹脂の目標取り上げ率は、シリコーンフェノール樹脂全体の重量比で約25乃至約70%、その他の実施の形態において、約40乃至約65%、特定の実施の形態において、約60乃至少なくとも65%の範囲となるようにすることが好ましい。繊維質基材が樹脂にて飽和された後、繊維質基材は300乃至400゜Cの範囲の温度にてある時間(特定の実施の形態において、約1/2時間)硬化させ、樹脂バインダを硬化させ且つ摩擦材料を形成する。摩擦材料の最終厚さは繊維質基材の最初の厚さに依存する。
【0061】
樹脂ブレンドすなわち混和物(blends)を形成し且つ繊維質基材を形成するときの双方にて有用であることが既知のその他の成分及び加工助剤を含めることができることが更に考えられ、またこれらは本発明の意図する範囲に属するものである。
【0062】
特定の実施の形態において、樹脂混合物は、互いに適合可能な溶剤中に存在するシリコーン樹脂及びフェノール樹脂の双方を含むことができる。これらの樹脂は共に混合して(好ましい実施の形態において)均質なブレンドを形成し、次に、繊維質基材を飽和させるために使用される。特定の実施の形態において、繊維質基材にフェノール系樹脂を含浸させ、次に、その後にシリコーン樹脂を添加するか又はその逆でも、同一の効果は得られない。また、シリコーンフェノール樹脂溶液の混合物とシリコーン樹脂粉体及び(又は)フェノール樹脂粉体のエマルジョンとには相違点がある。シリコーン樹脂及びフェノール樹脂が溶液中に存在するとき、これらは全く硬化しない。これに反して、シリコーン樹脂及びフェノール樹脂の粉体粒子は部分的に硬化する。シリコーン樹脂及びフェノール樹脂が部分的に硬化することは基材の良好な飽和を妨げることになる。
【0063】
本発明の特定の実施の形態において、繊維質基材は、フェノールと適合可能な溶剤中のシリコーン樹脂とその溶剤とのブレンドにて含浸させる。1つの実施の形態において、イソプロパノールは特に適した溶剤であることが判明している。しかし、エタノール、メチルエチルケトン、ブタノール、イソプロパノール、トルエン及び同様のもののようないろいろなその他の適宜な溶剤を本発明の実施に際し利用することは可能であることを理解すべきである。フェノール系樹脂と混合し且つ繊維質基材を飽和させるために使用されるとき、シリコーン樹脂が存在することは、形成される摩擦材料を、フェノール系樹脂のみを含浸させた繊維質基材の場合よりも弾性なものにする。本発明のシリコーン−フェノール樹脂のブレンド(混和物)を含浸させた摩擦材料に圧力を加えたとき、圧力は一層均一に分配され、その結果、ライニングが不均一に磨耗する可能性が減少する。シリコーン樹脂及びフェノール樹脂を摩擦改質粒子と共に混合させた後、その混合物を使用して繊維質基材を含浸させる。
【0064】
本発明の摩擦材料は、繊維質基材の上面に摩擦改質粒子層を含んでおり、優れた震え防止特徴、高い抵抗性、高い摩擦係数、高い耐久性、優れた磨耗抵抗性及び改良された慣らし特徴を備える摩擦材料を提供するものである。
【0065】
【発明の実施の形態】
図1Aには、繊維質基材12と、繊維質基材12をほぼ被覆する表面の摩擦改質材料層14とを有する摩擦材料10の概略図が図示されている。
【0066】
図1Bの(イ)には、摩擦改質材料が繊維質基材の上の1つの層として堆積される実施例1に対する、シーライトを備える堆積材料のSEM像が図示されている。図1Bの(ロ)には、比較例として比較例Cが図示されており、この場合、摩擦改質材料は1つの層として存在せず、繊維質基材上の不完全な被覆として存在する。
【0067】
比較例Cにおいて、摩擦材料は多くの大きい孔を有し、このため、潤滑剤の少なくとも一部は摩擦材料の表面に停滞しない。比較例Cの摩擦粒子は繊維質基材中により深く浸透し、表面の孔はかなりの程度、開放したままである。
【0068】
図2a乃至図2dは、SEM像の図である。図2aには、比較例として、商業的な摩擦材料の処方である比較例Aが図示されている。図2aには、繊維質基材を繊維状に被覆する程度が不完全であることが示され、また基材の下側の繊維が図示されている。
【0069】
図2bには、商業的に生産した別の摩擦製品の比較例Bが図示されている。図2bには、繊維質基材の被覆程度が不完全であることが示され、また、繊維質基材の下側の繊維が図示されている。
【0070】
図2cに図示した比較例Cは、繊維質基材を有する、商業的に製造した別の摩擦製品である。この材料は極めて多孔質であり、摩擦改質粒子層の下側の繊維及びフィラーを見ることができる。
【0071】
本発明の摩擦材料にて使用される摩擦改質材料層は、摩擦材料に対し優れた震え防止特徴を提供する。図示した実施の形態において、高温合成繊維及び繊維質基材の多孔率は改良された耐熱性を提供する。
【0072】
図2dに図示した実施例1は、本発明の摩擦材料であり、繊維質基材の上面における摩擦改質粒子層を示す。
比較例Cの材料の図3a及び図3bに図示したSEM写真は、繊維質基材を被覆する程度が不完全であることを示す。これに反して、実施例1の図3c乃至3dのSEM写真は、繊維質基材のより平滑な表面及びその被覆程度がほぼ完全であることを示す。
【0073】
以下の実施例は、本発明の摩擦材料内の摩擦改質粒子の分布勾配が従来の摩擦材料に優る改良であることの更なる証拠を提供する。摩擦材料は望ましい摩擦係数、耐熱性及び耐久性の特徴を有する。本発明のいろいろな好ましい実施の形態を以下の実施例にて説明するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0074】
【実施例】
実施例I
実施例1及び比較例Cに対して湿式始動クラッチの評価を行った(4000サイクル、950kPa、2100rpm)。
【0075】
図4には、平滑で且つ下降する曲線である、比較例C(比較例C)に対する10、50、100、500、1000、2000、3000、4000サイクルにおける係合曲線が図示されている。比較例Cは約0.14の摩擦係数を有する。
【0076】
図5には、同様に平滑であるが、より急激に下降する、本発明の実施例1に対する10、50、100、500、1000、2000、3000、4000サイクルにおける係合曲線が図示されている。図4及び図5の曲線の形状が相違することは、係数が大きく、また、μ−v勾配が正であることを明確に示す。摩擦係数は約0.16まで増大する。
【0077】
実施例II
図6a乃至図6dには、6000rpmにてクラッチをシフトする溝無し板における比較例1及び実施例1のTN中間点の係数の結果が示してある。これは、耐久性−高エネルギ試験である。図面に図示するように、実施例1は7000サイクル以上の耐久性を有する一方、比較例Cは、摩擦材料の厚さの変化に起因して実験中、早期に機能しなくなる。本発明の実施例1の材料は、厚さが急速に変化せず、より安定的である。この特徴は、例えば、ピストンが最初に設計したものと異なる距離を移動することは望ましくない、シフティングクラッチすなわち切換えクラッチ及びその他の適用例にて重要なことである。
【0078】
実施例III
実施例1及び比較例Cに対する溝付き材料の勾配対滑り時間の比較結果が図7に図示されている。mu−v(滑り速度(rpm)に対する摩擦係数)勾配の不合格判断基準は、業界にて許容可能な値である、−1.0E−5に設定する。この値以下の勾配を有する製品は震えがより生じ易い。実施例1の材料は油が望ましい状態にて流れることを許容し且つ熱を良好に飛散させることを許容する。
【0079】
実施例IV
摩擦改質粒子が堆積することは、上側層の透過率を低下させる高密度面層を形成する。特定の実施の形態において、本発明の摩擦材料は、第一の層すなわち繊維質基材層の半径方向及び垂直方向への透過率よりも小さい半径方向(すなわち、上側層又は摩擦改質粒子の層により画成された面に対して平行な方向)及び垂直方向(すなわち、上側層により画成された面に対して垂直な方向)の双方への透過率を有する。この摩擦改質粒子の上側層の低い透過率は、流体又は潤滑剤を摩擦材料の表面に保持することになる。
【0080】
摩擦材料は、約0.03ダーシー(Darcy)以下の垂直方向透過率(K垂直方向)、及び約0.03ダーシー以上の横方向透過率(K横方向)を有する。摩擦改質粒子がシーライト(celite)を備える実施の形態において、シーライトは、微小球を有しており、この微小球は、微小球内での潤滑剤の毛管作用により潤滑剤を表面に保持することに役立つ。特に、ケイソウ土のようないろいろな型式のシーライトは不規則的な形状であり且つ粗面又は凹陥面を有し、これらの面は、潤滑剤を表面に保持することに更に役立つことになる。このように、摩擦改質粒子の上側層の半径方向透過率と繊維質基材層の半径方向透過率との比は、1又はそれより小さく、摩擦改質粒子の上側層の垂直方向透過率と繊維質基材層の垂直方向透過率との比は、1又はそれより小さい。
【0081】
【産業上の利用可能性】
本発明は、クラッチ板、伝動装置のバンド、ブレーキシュー、シンクロナイザリング、摩擦円板又は装置の板と共に使用される、高エネルギの摩擦材料として有用である。
【0082】
本発明の好ましい実施の形態及び代替的な実施の形態の上記の説明は、説明のためであり、特許請求の範囲及びその内容を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1A】繊維質基材と、上側層を形成する少なくとも1つの型式の摩擦改質粒子とを有する摩擦材料を示す概略図である。
【図1B】(イ)及び(ロ)は、SEM像の図であって、(イ)は、実施例1を示す図であり、(ロ)は、比較例Cを示す図である。
【図2】2a乃至2dは、堆積面のSEM像を倍率500で示す図である。
2aは、比較例Aを示す図である。
2bは、比較例Bを示す図である。
2cは、比較例Cを示す図である。
2dは、実施例1を示す図である。
【図3】3a乃至3dは、堆積面のSEM像を倍率100で示す図である。
3a及び3bは、比較例Cを示す図である。
3c及び3dは、実施例1を示す図である。
【図4】比較例Cに対する10、50、100、500、1000、2000、3000、4000サイクルにおけるウェット始動クラッチベンチの評価結果を示す一連のグラフである。
【図5】実施例1に対する10、50、100、500、1000、2000、3000、4000サイクルにおけるウェット始動クラッチベンチの評価結果を示す一連のグラフである。
【図6】6a乃至6dは、中間点摩擦係数を示す溝付き材料の実施例1のT−N及び比較例Cの値を示すグラフである。
【図7】成形溝付き材料に対する実施例1及び比較例Cの勾配対滑り時間を示すグラフである。
【符号の説明】
10 摩擦材料          12 繊維質基材
14 摩擦改質材料層

Claims (30)

  1. 繊維質基材から成る第一の層と、繊維質基材の上面における少なくとも1つの型式の摩擦改質粒子を有する第二の層とを備える摩擦材料において、第二の層が約30乃至200μmの平均厚さを有し、上側層が第一の層よりも小さい透過率を有する、摩擦材料。
  2. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子の層が約60乃至約100μmの厚さを有する、摩擦材料。
  3. 請求項1の摩擦材料において、上側層が第一の層よりも半径方向への小さい透過率及び垂直方向への小さい透過率を有する、摩擦材料。
  4. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子が約0.1乃至約80μmの平均直径寸法を有する、摩擦材料。
  5. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子が約0.5乃至約20μmの平均直径寸法を有する、摩擦材料。
  6. 請求項1の摩擦材料において、繊維質基材が約50%乃至約85%の平均空隙容積を有する、摩擦材料。
  7. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子がシリカ粒子から成る、摩擦材料。
  8. 請求項7の摩擦材料において、摩擦改質粒子がシーライト粒子から成る、摩擦材料。
  9. 請求項7の摩擦材料において、摩擦改質粒子がケイソウ土から成る、摩擦材料。
  10. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子が炭素粒子及びシリカ粒子の混合物から成る、摩擦材料。
  11. 請求項7の摩擦材料において、シーライトが不規則的な形状である、摩擦材料。
  12. 請求項8の摩擦材料において、シーライトの粒子が約2乃至約20μmの範囲の寸法を有する、摩擦材料。
  13. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子が金属酸化物から成る、摩擦材料。
  14. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子が窒化物から成る、摩擦材料。
  15. 請求項1の摩擦材料において、摩擦改質粒子が炭化物から成る、摩擦材料。
  16. 請求項1の摩擦材料において、繊維質基材が布地材料から成る、摩擦材料。
  17. 請求項1の摩擦材料において、繊維質基材が不織繊維質材料から成る、摩擦材料。
  18. 請求項1の摩擦材料において、繊維質基材が織地繊維質材料から成る、摩擦材料。
  19. 請求項1の摩擦材料において、繊維質基材が、約15乃至約25%の綿、約40乃至約50%のアラミド繊維、10乃至約20%の炭素繊維、5乃至約15%の炭素粒子、約5乃至約15%のシーライトから成る、摩擦材料。
  20. 請求項19の摩擦材料において、摩擦材料の上側層が、繊維質基材中の繊維及びフィラー上に堆積させたシリカ摩擦改質粒子を備える、摩擦材料。
  21. 請求項17の摩擦材料において、繊維質基材が約5乃至約8μmの平均孔直径を有する、摩擦材料。
  22. 請求項1の摩擦材料において、繊維質基材が、重量比で約10乃至約50%のフィブリル化の程度が小さいアラミド繊維、重量比で約10乃至約35%の活性化した炭素粒子、重量比で約5乃至約20%の綿繊維、重量比で約2乃至約15%の炭素繊維、重量比で約10乃至約35%のフィラー材料を有する、摩擦材料。
  23. 請求項1の摩擦材料において、樹脂が、少なくとも1種類のフェノール樹脂、少なくとも1種類の改質したフェノール樹脂、少なくとも1種類のシリコーン樹脂、少なくとも1種類のシリコーン改質樹脂、少なくとも1種類のエポキシ樹脂、少なくとも1種類のエポキシ改質した樹脂、及び前記樹脂の混合物を備える、摩擦材料。
  24. 請求項1の摩擦材料において、樹脂が、少なくとも1種類のフェノール樹脂及び少なくとも1種類のシリコーン樹脂の混合物を備え、樹脂混合物中のシリコーン樹脂の量が樹脂の混合物の重量に基づいて重量比で約5乃至約80%の範囲にある、摩擦材料。
  25. 請求項23の摩擦材料において、フェノール樹脂が溶剤材料中に存在し、シリコーン樹脂が、フェノール樹脂の溶剤材料と適合可能である溶剤材料中に存在する、摩擦材料。
  26. 請求項23の摩擦材料において、シリコーンフェノール樹脂混合物中に存在するシリコーン樹脂の量が、混合物の重量に基づく重量比で約20乃至約25%の範囲にある、摩擦材料。
  27. 請求項23の摩擦材料において、シリコーンフェノール樹脂混合物中に存在するシリコーン樹脂の量が、混合物の重量に基づく重量比で約15乃至約25%の範囲にある、摩擦材料。
  28. 請求項23の摩擦材料において、改質したフェノール樹脂が少なくとも1種類のエポキシフェノール樹脂から成る、摩擦材料。
  29. 請求項23の摩擦材料において、エポキシフェノール樹脂中に存在するエポキシ樹脂の量が、エポキシフェノール樹脂の重量に基づく重量比で約5乃至約25%の範囲にある、摩擦材料。
  30. 請求項23の摩擦材料において、エポキシフェノール樹脂中に存在するエポキシ樹脂の量が、エポキシフェノール樹脂の重量に基づく重量比で約10乃至約15%の範囲にある、摩擦材料。
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