JP4507735B2 - 湿式摩擦部材及び湿式摩擦部材ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、湿式摩擦部材及び湿式摩擦部材ユニットに関する。
シンクロナイザー用摩擦部材として、特許文献1に示すように、NiCr被覆層が形成されたNiCr合金繊維焼結体を用意し、該被覆層中に炭化物及び/又は酸化物系の添加材を分散させたものが提案されている。このものによれば、耐へたり性を確保しつつ動摩擦係数を増大させることができる。
特開2000−97250号公報
ところで、自動変速機のロックアップクラッチ、変速クラッチ、バンドブレーキ、発進クラッチ等の湿式摩擦部材ユニット(湿式クラッチ機構)においては、潤滑油中において、第1摩擦部材と第2摩擦部材とを互いに摺接させることにより摩擦を発生させ、その摩擦を利用することにより、その一方の摩擦部材から他方の摩擦部材に動力伝達を行ったり、一対の第1摩擦部材の間に第2摩擦部材を配置し、その両第1摩擦部材を第2摩擦部材に対して摺接させることにより各第1摩擦部材と第2摩擦部材との間で摩擦をそれぞれ発生させ、その摩擦を利用することにより、一方の第1摩擦部材から第2摩擦部材を経て他方の摩擦部材に動力伝達を行うことが行われている。この場合、一般に、図9の実線に示すように、第1,第2摩擦部材を開放状態から締結状態に向わせるに際して、両摩擦部材の係合に伴い、該両摩擦部材のすべり速度(V)が低下し、それにつれて摺接面(締結面)の摩擦係数(μ)が増大する特性(μ−V特性がdμ/dV<0(負勾配))を示すことになり、これに基づき、振動(ジャダー)が発生することが知られている。
このため、この摩擦部材同士を係合する過程で生じる振動現象を防止するべく、従来から潤滑油中に摩擦調整剤(Friction Modifier)を添加することが行われている。これは、摩擦調整剤を、両摩擦部材の開放時に、その摩擦部材の摺接面(締結面)に吸着させて積層膜を形成し、その積層膜が容易にずれ易い性質(吸着にて堆積しているため膜間に働く力は小さい)を利用して、図9の仮想線で示すように、μ−V特性をdμ/dV>0(正勾配)とするものであり、これにより、上記振動は防止できることになる。
しかし、一方で、第1,第2摩擦部材の締結時に、この両者間に積層膜(摩擦調整剤)が介在されることになり、その積層膜の量(摩擦調整剤の量)が多いときには、所定トルク以上の力が作用すると、両摩擦部材が滑ってトルク容量(伝達できる上限のトルク)の低下を引き起こすことになる。これに対しては、摩擦調整剤の添加量を減らして適正な量に調整することにより対応できるものの、摩擦調整剤が経時的に消耗するものであることから、図10に示すように、時間の経過に伴って、μ−V特性がdμ/dV<0に変化し、再び、第1,第2摩擦部材を係合する過程で振動(ジャダー)が発生することになる。この図10においては、μ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)と基準値とを比較し、そのμ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)が基準値以上のときに、μ−V特性がdμ/dV>0と判断することになっているが、このμ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)は、JASO M349−2001 自動変速機油ジャダー防止性能試験法の規格に適合する試験機を用いて評価したもので、その詳細は後述する。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、相手方部材と係合する過程で生じる振動の発生を防止すると共にトルクの伝達能力が低下することを防止する湿式摩擦部材を提供することにある。
第2の技術的課題は、上記湿式摩擦部材を用いた湿式摩擦部材ユニットを提供することにある。
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)においては、
摩擦調整剤が含有された潤滑油中で、相手方部材に摺接させて用いられる湿式摩擦部材であって、
前記相手方部材に対して摺接する摺接部に、前記摩擦調整剤を吸着する性質を有する第1組成物と、該第1組成物よりも前記摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物とが含有されている構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項2〜10に記載の通りとなる。
前記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項11に係る発明)にあっては、
第1,第2摩擦部材を備え、摩擦調整剤が含有された潤滑油中で、該第1摩擦部材と該第2摩擦部材とを互いに摺接させて使用する摩擦部材ユニットであって、
前記第2摩擦部材が、前記第1摩擦部材に対して摺接する摺接部において、前記摩擦調整剤を吸着する性質を有する第1組成物と、該第1組成物よりも前記摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物とを含有している構成としてある。この請求項11の好ましい態様としては、請求項12以下の記載の通りとなる。
請求項1に記載された発明によれば、相手方部材に対して摺接する摺接部に、摩擦調整剤を吸着する性質を有する第1組成物と、該第1組成物よりも前記摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物とが含有されていることから、第1組成物に対して摩擦調整剤が吸着して積層膜が形成される一方、第2組成物には、摩擦調整剤の吸着が抑制されて積層膜の生成は抑えられる。このため、摩擦調整剤が潤滑油中に多量に含有されていても、摺接部における積層膜の量を、摺接部における第2組成物の存在比率だけで決めることができ(反射的に第1組成物の比率が決まる)、潤滑油中に添加される摩擦調整剤の量は積層膜の量を決定することに関与しないことになる。これにより、経時変化に伴い摩擦調整剤が消耗することに関しては、その消耗により問題(ジャダー)を生じる下限量に至らない量の摩擦調整剤を潤滑油中に予め添加しておくことにより、μ−V特性を常にdμ/dV>0として、μ−V特性が経時的にdμ/dV<0に変化することを防止できることになり、その一方で、トルク伝達能力の低下を防止する観点からは、摺接部における第2組成物の存在比率を適正に調整して、摺接部に適正量の積層膜を形成できることになる。この結果、相手方部材と係合する過程で生じる振動の発生を防止できると共に、トルク伝達能力が低下することを防止できることになる。
請求項2に記載された発明によれば、相手方部材がC−H基を含有することを前提として、第2組成物が炭素からなることから、摺接部における炭素の存在個所に摩擦調整剤が吸着しないようにして、前記請求項1に係る作用効果を的確に発揮できるだけでなく、その炭素の性質に基づき、C−H基を含有する相手方部材に対する高い静摩擦性を利用できることになる。このため、摺接部に含有される炭素の性質を利用して、摺接部における積層膜の量を適正にしてトルク伝達能力の低下を防止することにとどまらず、トルク伝達能力を高めることができることになる。
請求項3に記載された発明によれば、第1組成物が酸化物であることから、相手方部材のC−H基と酸化物中の酸素との間で分子間引力或いは水素結合力を働かせることができることになり、従来のスチール材に比べて、C−H基を含有する相手方部材と酸化物を含有する当該摩擦部材とが接触する面積を十分多く確保でき、高く安定した摩擦特性を得ることができることになる。
請求項4に記載された発明によれば、酸化物が、遷移金属の酸化物とされていることから、元素番号(原子量)のより大きい金属元素の酸化物ほど、C−H基を含有した相手方部材に対して摩擦係数を高める性質を利用して、トルク伝達能力を高めることができることになる。
請求項5に記載された発明によれば、炭素の炭素含有割合が、総重量を示す炭素の炭素量と酸化物の酸化物量との和に対して30〜70重量%に設定されていることから、摩擦調整剤による効果を的確に得ることができると共に、C−H基と炭素、酸化物との前記関係を利用できることになり、μ−V特性をdμ/dV>0に的確に維持(ジャダーの発生防止)できると共に、すべり速度(V)の低速側での摩擦を高める効果を得ることができることになる。
請求項6に記載された発明によれば、摺接部が、酸化物及び炭素を含有する被膜層をもって形成されていることから、基材表面の必要個所に酸化物と炭素とを簡単に保持できることになる。
請求項7に記載された発明によれば、摺接部が、基材金属と酸化物と炭素とが複合化して形成され、或いは金属と酸化物と炭素とを複合化した被膜層をもって形成されていることから、金属により酸化物及び炭素を強固に保持でき、基材への密着性、耐久性、放熱性等を向上させることができることになる。
請求項8に記載された発明によれば、被膜層が、溶射、めっき、PVD、焼結、スプレー塗装法の1つ以上の手段に基づき形成されていることから、当該手段に基づき基材表面の必要な個所に酸化物及び炭素を簡単に形成できることになる。
請求項9に記載された発明によれば、相手方部材がC−H基を含有することを前提として、第1組成物が酸化物からなることから、相手方部材のC−H基と酸化物中の酸素との間で働く分子間引力或いは水素結合力を作用させることができることになり、従来のスチール材に比べて、C−H基を含有する相手方部材と酸化物を含有する当該摩擦部材とが接触する面積を十分多く確保でき、高く安定した摩擦特性を得ることができることになる。
請求項10に記載された発明によれば、酸化物が、遷移金属の酸化物とされていることから、元素番号(原子量)のより大きい金属元素の酸化物ほど、C−H基を含有した相手方部材に対して摩擦係数を高める性質を利用して、トルク伝達能力を高めることができることになる。
請求項11に記載された発明によれば、第2摩擦部材が、第1摩擦部材に対して摺接する摺接部において、摩擦調整剤を吸着する性質を有する第1組成物と、該第1組成物よりも摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物とを含有していることから、潤滑油中に摩擦調整剤を多量に添加した状態であっても、第2摩擦部材の摺接部において、第2組成物の存在比率に基づき、適正な量の積層膜を形成できることになる。このため、当該摩擦部材ユニットにおいては、前記請求項1に係る摩擦部材を利用して、第1,第2摩擦部材を係合する過程で生じる振動の発生を防止できると共に、トルク伝達能力が低下することを防止できることになる。
請求項12に記載された発明によれば、第1摩擦部材が、第2摩擦部材に対して摺接する摺接部において、C−H基を含有し、第2摩擦部材における第2組成物が炭素とされていることから、摺接部における炭素の存在個所に摩擦調整剤が吸着しないようにして、前記請求項1に係る作用効果を的確に発揮できるだけでなく、その炭素の性質に基づき、C−H基を含有する第1摩擦部材に対する高い静摩擦性を利用できることになる。このため、摺接部に含有される炭素の性質を利用して、摺接部における積層膜の量を適正にしてトルク伝達能力の低下を防止することにとどまらず、トルク伝達能力を高めることができることになる。
請求項13に記載された発明によれば、第2摩擦部材における前記第1組成物が酸化物とされていることから、第1摩擦部材のC−H基と第2摩擦部材における酸化物中の酸素との間で働く分子間引力或いは水素結合力を働かせることができることになり、従来のスチール材に比べて、C−H基を含有する第1摩擦部材と酸化物を含有する第2摩擦部材とが接触する面積を十分多く確保でき、高く安定した摩擦特性を得ることができることになる。
請求項14に記載された発明によれば、酸化物が、遷移金属の酸化物とされていることから、元素番号(原子量)のより大きい金属元素の酸化物ほど、C−H基を含有した相手方部材に対して摩擦係数を高める性質を利用して、トルク伝達能力を高めることができることになる。
請求項15に記載された発明によれば、摺接部が、基材金属と酸化物と炭素とが複合化して形成され、或いは金属と酸化物と炭素とを複合化した被膜層をもって形成されていることから、金属により酸化物及び炭素を強固に保持でき、基材への密着性、耐久性、放熱性等を向上させることができることになる。
請求項16に記載された発明によれば、第1,第2摩擦部材がクラッチの摩擦要素に用いられることから、前記請求項11〜15の作用効果を得て、クラッチとしての性能を高めることができることになる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る湿式摩擦部材ユニットを示す模式図である。この摩擦部材ユニット1は、第1摩擦部材2と第2摩擦部材3とを備えており、この第1摩擦部材2の摺接部4と第2摩擦部材3の摺接部5とを、潤滑油(図示略)中において、開放状態から締結状態に移行させることにより摩擦を発生させ、これにより、いずれか一方の側(本実施形態においては第1摩擦部材2)からのトルクが他方の側(本実施形態においては第2摩擦部材3)に伝達できることになっている。このような湿式摩擦部材ユニット1は、自動変速機のロックアップクラッチ、多板クラッチ、ブレーキバンド、AT&CVTの発進クラッチ等に用いられる。
前記潤滑油には、摩擦調整剤が添加されている。この摩擦調整剤は、第1,第2摩擦部材2,3を係合する過程で生じる振動(以下、ジャダーと称す)を防止することを目的として添加されるものであり、この摩擦調整剤FMは、図2に示すように、第2摩擦部材3の摺接部5表面(摺接面)に吸着されて積層膜FMFが形成され、その積層膜FMFのずれ易い性質が、第1、第2摩擦部材2,3の摺接時に利用されることになる。このため、摩擦調整剤FMを潤滑油に添加しない場合には、第1,第2摩擦部材2,3を開放状態から締結状態に向わせるに際して、両摩擦部材のすべり速度(V)が低下するにつれて摩擦係数(μ)が増大する特性(μ−V特性がdμ/dV<0)を示し、ジャダーが発生するのに対して(前記図9の実線参照)、摩擦調整剤FMを潤滑油に添加した場合には、積層膜FMFが第1、第2摩擦部材2,3の摺接時にずれ易くなって、すべり速度の低速側において摩擦を下げることになり(μ−V特性がdμ/dV>0)、ジャダーが防止されることになる(前記図9の仮想線参照)。
この摩擦調整剤FMとしては、例えば、
アミンとして、CH3(CH27CH=CH(CH27NH2
アミドとして、CH3(CH27CH=CH(CH27CONH2
が用いられる。
尚、本実施形態においては、後述する如く、第1摩擦部材2の摺接部4が有機材料を含み、その有機材料がC−H基(炭化水素基)を保有し、それらが摩擦調整剤FMの極性基に対して反応性が悪いことから、第1摩擦部材2の摺接部4に摩擦調整剤FMは吸着しない。
前記第1摩擦部材2は、基材6の表面にC−H(炭化水素)基を含有するC−H基含有層を有する構成となっており、そのC−H基含有層が前記摺接部4を構成することになっている(以下、C−H基含有層においても符号4を用いる)。摺接部4をC−H基含有層4で構成するのは、後述する如く、第2摩擦部材3における酸化物の酸素との間で分子間引力、水素結合を働くようにして、それを高く安定した摩擦特性を得るために利用するためである。
具体的には、C−H基含有層4は、繊維、充填材、バインダー等により構成されており、その構成に基づき多孔質性が確保され、その繊維(有機繊維)に基づきC−H基が確保されている(いわゆるペーパー摩擦材を構成)。この場合、例えば、繊維としては、セルロース、アラミド等の有機繊維や、チタン酸カリ、アルミナ、カーボン等の無機繊維が用いられ、充填材としては、エラストマーが用いられ、バインダーとしては、フェノール樹脂、アラミド樹脂が用いられる。また、多孔質なC−H基含有層4の別の態様として、基材6表面にセルロース繊維シート等の天然繊維シート又はポリアミド系の合成繊維シートをバインダ等をもって貼り付けることにより形成してもよい。基材6としては、鉄系、アルミニウム系、銅系等の金属部材が用いられる。
前記第2摩擦部材3は、図2に示すように、その摺接部5に、第1組成物としての酸化物と、該酸化物よりも摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物としての炭素Cとを含有する構成とされている。第2摩擦部材3が酸化物を含有するのは、C−H基と酸化物中の酸素との間で分子間引力、或いは水素結合力を働かせることにより、従来のスチール材に比べてC−H基と酸化物中の酸素とが接触する面積を多く確保して摩擦特性を高めることにあり、この摩擦特性は、C−H基含有層が多孔質で弾性に富んでいることに基づき、C−H基との接触面積が十分多く確保され、高く安定したものとなる。
この第2摩擦部材3の酸化物としては、遷移金属の酸化物が好ましい。元素番号(原子量)のより大きい金属元素の酸化物ほど、C−H基を含有した相手方部材に対して摩擦係数を高める性質を有しているからである。このことは、図3,図4が裏付けている。図3,図4(図3に示す数値を表をもって示したもの)は、摩擦係数と金属原子番号との関係を示したものであり、この図3,図4からも明らかなように、摩擦係数μの大きいものは、元素番号が大きい遷移金属、中でも遷移金属の酸化物であることが理解できる。これにより、酸化物としては、クロム酸化物、チタン酸化物、酸化鉄等の遷移金属の酸化物を用いることが好ましい。
この摩擦係数と金属原子番号との関係は、低速すべり試験機((株)オリエンテック 型式ATF−S)を使用して、下記共通条件の下で、各種金属、酸化物、炭化物、窒化物の各面について摩擦係数μを測定した。
(1)規定形状の相手方部材、試験片を使用
(2)相手方部材:ベース材にセルロース繊維シートを貼り付けたもの
(3)試験片:スチール上に表面処理(各種酸化物、炭化物、窒化物の被膜処理)
(4)面圧 1MPa
(5)周速 0.1m/s
(6)大気中、無潤滑
前記第2摩擦部材3が炭素Cを含有するのは、第2摩擦部材3の摺接部5表面に吸着される摩擦調整剤FMの量を調整して、第2摩擦部材3の摺接部5表面に形成される積層膜FMFの量を適正に調整するためである。
すなわち、前記摩擦調整剤FMの極性基の反応性(吸着性)は、
反応性(吸着性): 金属 > 酸化物 > 炭素
とされ、酸化物に対する摩擦調整剤FMの極性基の吸着性がある程度確保されるのに対して、炭素Cに対する摩擦調整剤FMの極性基の吸着性は低くなっている。このため、図2に示すように、第2摩擦部材3の摺接部5において、酸化物と炭素Cとを存在させれば、酸化物に対しては潤滑油中の摩擦調整剤FMが吸着して積層膜FMFが形成されることになる一方、炭素Cに対しては摩擦調整剤FMが吸着せずそこには積層膜FMFが形成されないことになる。このことから、潤滑油中に摩擦調整剤FMを多めに添加した状況の下で、第2摩擦部材3における摺接部5の炭素Cの存在比率を調整することにより、摩擦調整剤FMの添加意義(μ−V特性をdμ/dV>0とする)を生かしつつ(残しつつ)、μ−V特性がdμ/dV<0にならない範囲で第2摩擦部材3における摺接部5表面の積層膜FMFの形成量を減らすことができることになり、これにより、ジャダーを防止しつつ、摩擦係数μの低下をも防止でき、ひいては、第1,第2摩擦部材3間のトルク容量(伝達できる上限のトルク)の低下を防止できることになる。
しかも、炭素Cの性質の利用は、上記内容にとどまらない。炭素Cは、摩擦調整剤FMとの反応性が低い性質が利用されているだけでなく、C−H基含有層4との間で静摩擦性が高くなることも利用されている。すなわち、C−H基含有層4に対する静摩擦性は、
静摩擦: 炭素 > 酸化物 > 金属
とされ、C−H基含有層4に対する炭素Cの静摩擦は高い。このため、前述の如く、炭素Cを利用して、積層膜FMFの形成量を抑制することに基づきトルク容量の低下を防止できるにとどまらず、むしろ、その炭素Cの存在に基づきトルク容量を高めることができることになる。
図5、図6は、摺接部5における炭素Cの含有の有無が摩擦係数μに及ぼす影響を調べた試験結果を示している。この試験においては、第2摩擦部材として、その摺接部5を、Cr23(酸化物)と炭素C(総重量に対して60wt%)とで構成したもの、Cr23(酸化物)だけで構成したものを用意し、それらに対して低速すべり試験機((株)オリエンテック 型式ATF−S)を用いて低速すべり試験を行った。勿論この場合、その他の試験条件については、下記に示すように統一された。
(1)JASO M349−2001 規定形状のフリクションプレート、スチールプレートを使用
(2)フリクションプレート(第1摩擦部材):ペーパー摩擦材 ダイナックス D0880
(3)スチールプレート(第2摩擦部材):スチール上に表面処理(Cr2O3/Cr2O3+C)
(4)荷重 0.5MPa
(5)回転数 250rpm→0に落として各時点の摩擦係数測定
(6)潤滑油 マツダ純正ATFSuper
(7)油量 150cc
(8)油温 120℃
この結果、摩擦調整材に基づき、いずれの場合にも、μ−V特性をdμ/dV>0とすることできるものの、摺接部5の含有物が、Cr23+60wt%Cとして構成されているものの方がCr23だけで構成されているものよりも摩擦係数μが大きい値を示し、炭素Cが、積層膜の量を適正に調整できることを裏付けた。
また、図12は、C−H基含有層4に対する各種材料の静摩擦を比較したものである。この内容によれば、C−H基含有層4に対する炭素Cの静摩擦が高いことを示し、その炭素Cの付随的な効果に基づき、摩擦調整剤の吸着量調整組成物(第2組成物)として炭素Cを用いることが技術的に有利であることを裏付けた。この場合、下記条件の下で、すべり速度を1.5m/sから0m/sへ移行させて、その0m/sでの摩擦係数μを静摩擦とした。尚、図12中、SPCは冷間圧延鋼板、S30Cは低炭素鋼、Cr−30Niはクロムニッケル合金(Ni30%含有)である。
潤滑油 :ヘ゛ースオイル
油温:80℃
面圧:1MPa
相手摩擦材(C−H基含有):D0530-70 タ゛イナックス製
本実施形態においては、酸化物よりも摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する組成物として炭素Cを用いているが、この炭素Cを用いている具体的理由は、炭素Cが、炭素C間で電子配置sp3を採って強固な共有結合を行い、そのような構成の下では摩擦調整剤FMの極性基の吸着性(反応性)が極めて低いことに着目したことにある。このことからすれば、同じような電子配置をとる等して、同じ効果が期待できる場合には、勿論、別の組成物(例えば金)を用いることができる。
前記第2摩擦部材3における摺接部5中の炭素含有割合は、その存在が認められる量であれば、第2摩擦部材3の摺接部5の全てが酸化物により形成されている場合に比して改善が見られるが、好ましくは、摺接部5の総重量を示す炭素量と酸化物量との和に対して30〜70wt%に設定するのが好ましい。70wt%を超えて炭素Cを含有した場合には、摩擦調整剤FMによる効果があまり得られず、μ−V特性がdμ/dV<0に変化してしまう可能性が高まり、30wt%未満では、摩擦調整剤FMによる効果を抑制してすべり速度(V)の低速側での摩擦を高める効果があまり得られないからである。
図7は、炭素Cの含有割合の影響を裏付ける試験結果を示すものである。この図7における試験結果を得るために、試験として、低速すべり試験(LVFA(Low Velocity Friction Apparatus )試験が行われ、その試験により、第2摩擦部材3における摺接部5に対する炭素Cの含有割合がトルク容量に及ぼす影響が調べられた。具体的には、摺接部5におけるCr23(酸化物)と炭素Cの含有割合を変えたものを用意し、それらについてトルク容量が測定された。勿論この場合にも、炭素Cの含有割合以外の試験条件は、下記条件に統一された。
(1)JASO M349−2001 規定形状のフリクションプレート、スチールプレートを使用
(2)フリクションプレート(第1摩擦部材):ペーパー摩擦材 ダイナックス D0880
(3)スチールプレート(第2摩擦部材):スチール上に表面処理 (Cr2O3/Cr2O3+C)
(4)荷重 0.5MPa
(5)回転数 1rpm 保持
(6)潤滑油 マツダ純正ATFSuper
(7)潤滑油量 150cc
(8)潤滑油温 120℃
この結果によれば、図7に示すように、炭素C含有割合が増えれば増えるほど、トルク容量が大きな値を示し、炭素Cが、その含有割合を増すに従って、摩擦調整剤の吸着を阻止して、積層膜の影響を減らすことを裏付けた。
図8は、炭素含有割合の好ましい範囲を求めた試験結果を示すものである。この図8の試験結果を得るために、試験としては、JASO M349−2001自動変速機油ジャダー防止性能試験法に基づき、種々の炭素C含有割合からなるものについて、μ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)を測定した。このμ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)は、基準値と比較して、μ−V特性がdμ/dV>0か否かを判定しようとするものであるが、このμ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)は、回転数を250rpm(周速1.5m/s)に一定状態保持した後、3秒かけて回転数を0rpm(0m/s)まで落とし、その途中の0.6m/sにおける摩擦係数μ(0.6m/s)と0.3m/sにおける摩擦係数μ(0.3m/s)を測定し、その比を算出することにより求めたものである。この試験におけるその他の試験条件については下記内容に統一した。
(1)JASO M349−2001 規定形状のフリクションプレート(第1摩擦部材)、スチールプレート(第2摩擦部材)を使用
(2)フリクションプレート:ペーパー摩擦材 ダイナックス D0880
(3)スチールプレート:スチール上に表面処理 (Cr2O3/Cr2O3+C)
(4)荷重 0.5MPa
(5)潤滑油 マツダ純正ATFSuper
(6)油量 150cc
(7)油温 120℃
図8によれば、μ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)は、炭素の含有割合が高い範囲まで、μ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)=略1を示し、摩擦調整剤による良好な効果(μ−V特性がdμ/dV>0)が確認されたが、炭素の含有割合が高い範囲にある値から、その炭素含有割合が増えるに従って、μ(0.6m/s)/μ(0.3m/s)が低下し始めた。そこで、経験則から許容できる基準値を0.95として設定し、そのときの炭素含有割合を調べたところ、総重量(炭素量+酸価物量)に対して70wt%を示した。これに基づき、炭素含有割合の好ましい上限を、総重量に対して70wt%に設定した。
尚、炭素含有割合の好ましい下限については、実際に要求されるトルク容量から、図7に基づき、総重量に対して30wt%として設定した。
前記第2摩擦部材3における摺接部5は、基材7に酸化物及び炭素を含有する被膜層を形成することにより構成されている。具体的には、摺接部5は、基材7金属と酸化物と炭素とが複合化して形成され、或いは金属と酸化物と炭素とを複合化した被膜層をもって形成されている。この複合化被膜層等は、溶射、めっき、PVD(物理蒸着)、焼結、スプレー塗装法の1つ以上の手段に基づいて形成される。
(実施例1)
PVDより被膜を形成する方法
酸化物と炭素からなる被膜(層)の処理は、プラズマを利用したイオンプレーティングを用いることにより、プレート(基材7)にクロム酸化物と炭素とが複合化された被膜を形成することができる。真空容器にベンゼン(C66)ガスやメタン(CH4)などの炭化水素ガスを導入し、電極間に直流アーク放電させることで、そのプラズマ中で炭化水素イオンや励起されたラジカルが生成される。その際、電極をCrターゲットとしておくことでCrもターゲットから蒸発し、炭化水素イオンと伴に直流の負電圧がかけられたコーティングされる製品に電極間電圧に応じたエネルギーで衝突し固体化し成膜される。その移動中に雰囲気に残存している酸素でCrの金属酸化物とすることで、カーボンとクロム酸化物とからなる複合化膜が形成される。ターゲットの材質を変えることで他の酸化物との複合化被膜を作ることができる。この方法によれば、基材表面の必要個所に酸化物と炭素とを簡単に形成でき、また、金属により酸化物及び炭素を強固に保持でき、基材への密着性、耐久性、放熱性等を向上させることができる。
(実施例2)
溶射により被膜を形成する方法
溶射により被膜を形成することができる。この場合、例えば、エアロプラズマ株式会社製のツインアノード溶射機を用い、市販のクロム酸化物粉末とダイヤモンド粉末とを基材であるスチール上に形成する。この方法においては、あらかじめ所定の量に配合した粉末を造粒したものを用意した上で、各電極に140Aの電流を流しながらフィーダーによりプラズマ中にその粉末を供給し、プラズマ溶射カ゛ンの2倍のエネルギーを加えることで酸化物と炭素とを半溶融の状態にして、薄く、緻密で基材と密着性のよいクロム酸化物と炭素の被膜を形成する。
(実施例3)
めっきにより被膜を形成する方法
複合めっきによりクロム酸化物と炭素Cとを含有する被膜を形成することができる。ニッケル浴中に所定量クロム酸化物粒子とダイヤモンド粉末を懸濁させて、被処理物である基材にめっきをすることで、表面にクロム酸化物粒子及びダイヤモンド粉末を含有しためっき被膜を形成する。この方法によれば、基材表面の必要個所に酸化物と炭素とを簡単に形成でき、また、金属により酸化物及び炭素を強固に保持でき、基材への密着性、耐久性、放熱性等を向上させることができる。
(実施例4)
焼結により被膜を形成する方法
焼結により基材上に被膜を形成することができる。所定の比率に調整した酸化物粉末と炭素粉末と金属粉末の予備成形体を用意し、これらをプレート状の部品として不活性雰囲気中で焼結するか、あるいは、金属プレート(基材)上に粉末をセットして焼結することで2層構造の部材とする。さらには、鉄とダイヤモンド粒子とからなる焼結部品を予め用意し、その部材の気孔中に重クロム酸溶液を含浸させた後、その部材を電気炉中で加熱することで焼結材表面にクロム酸化物を形成させる。この方法によれば、基材表面の必要個所に酸化物と炭素とを簡単に形成でき、また、金属により酸化物及び炭素を強固に保持でき、基材への密着性、耐久性、放熱性等を向上させることができる。
(実施例5)
スプレー塗装法(コーティング)による皮膜の形成。
溶剤(N-M-Pノルマルメチルピロリドン)、バインダー:ポリアミドイミドなどの耐熱性樹脂分をベースに、クロム酸化物粉末とダイヤモンド粒子とを所定量配合した塗料を用意し、施工物である基材に塗布した後、電気炉を用いて230℃にて乾燥させることで被膜を形成する。この方法によれば、基材表面の必要個所に酸化物と炭素とを簡単に形成でき、また、耐熱性樹脂バインダーにより酸化物及び炭素を強固に保持でき、基材への密着性、耐久性、放熱性等を向上させることができる。
図11は他の実施形態を示すものである。この実施形態において、前記実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
この実施形態においては、摩擦部材ユニット1は、一対の第1摩擦部材2の間に、第2摩擦部材3を両面に貼り付けたディスク30を配置する構成となっている。この摩擦部材ユニット1によれば、その両第1摩擦部材2をディスク30の第2摩擦部材3に対して摺接させることにより各第1摩擦部材2と第2摩擦部材3との間で摩擦をそれぞれ発生することになっており、その摩擦を利用することにより、一方の第1摩擦部材2から第2摩擦部材3(ディスク30)を経て他方の摩擦部材2に動力伝達が行われることになっている。
尚、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或いは利点として載されたものに対応したものを提供することをも含むものである。
実施形態に係る摩擦部材ユニットを模式的に示す説明図。 実施形態に係る第2摩擦部材の作用を模式的に示す説明図。 一方の摩擦部材としてのセルロース繊維シートと、他方の摩擦部材としての金属、酸化物、炭化物、及び窒化物のそれぞれとを摺接させる試験による金属元素の原子番号と両部材間の摩擦係数との関係を示す図。 図3に示すデータを示す図。 クロム酸化物と炭素とを含有する第2摩擦部材を用いた場合における摩擦係数(μ)−すべり速度(V)との関係を示す図。 クロム酸化物だけを含有する第2摩擦部材を用いた場合における摩擦係数(μ)−すべり速度(V)との関係を示す図。 第2摩擦部材における炭素含有割合がトルク容量に及ぼす影響を示す図。 炭素含有割合が摩擦調整剤による効果に及ぼす影響を示す図。 摩擦調整剤が摩擦係数に及ぼす影響を示すμ−V特性線図。 経時変化に伴うジャダーの発生を説明する説明図。 他の実施形態に係る摩擦部材ユニットを模式的に示す説明図。 C−H基含有層に対する各種材料の静摩擦を示すμ−V特性線図。
符号の説明
1 摩擦部材ユニット
2 第1摩擦部材(相手方部材)
3 第2摩擦部材
4 第1摩擦部材の摺接部
5 第2摩擦部材の摺接部
7 第2摩擦部材の基材



Claims (16)

  1. 摩擦調整剤が含有された潤滑油中で、相手方部材に摺接させて用いられる湿式摩擦部材であって、
    前記相手方部材に対して摺接する摺接部に、前記摩擦調整剤を吸着する性質を有する第1組成物と、該第1組成物よりも前記摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物とが含有されている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  2. 請求項1において、
    前記相手方部材がC−H基を含有することを前提として、前記第2組成物が炭素からなる、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  3. 請求項2において、
    前記第1組成物が酸化物である、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  4. 請求項3において、
    前記酸化物が、遷移金属の酸化物とされている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  5. 請求項3において、
    前記炭素の炭素含有割合が、総重量を示す前記炭素の炭素量と前記酸化物の酸化物量との和に対して30〜70重量%に設定されている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  6. 請求項3において、
    前記摺接部が、酸化物及び炭素を含有する被膜層をもって形成されている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  7. 請求項6において、
    前記摺接部が、基材金属と酸化物と炭素とが複合化して形成され、或いは金属と酸化物と炭素とを複合化した被膜層をもって形成されている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  8. 請求項6において、
    前記被膜層が、溶射、めっき、PVD、焼結、スプレー塗装法の1つ以上の手段に基づいて形成されている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  9. 請求項1において、
    前記相手方部材がC−H基を含有することを前提として、前記第1組成物が酸化物からなる、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  10. 請求項9において、
    前記酸化物が、遷移金属の酸化物とされている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材。
  11. 第1,第2摩擦部材を備え、摩擦調整剤が含有された潤滑油中で、該第1摩擦部材と該第2摩擦部材とを互いに摺接させて使用する摩擦部材ユニットであって、
    前記第2摩擦部材が、前記第1摩擦部材に対して摺接する摺接部において、前記摩擦調整剤を吸着する性質を有する第1組成物と、該第1組成物よりも前記摩擦調整剤の吸着性が低い性質を有する第2組成物とを含有している、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材ユニット。
  12. 請求項11において、
    前記第1摩擦部材が、前記第2摩擦部材に対して摺接する摺接部において、C−H基を含有し、
    前記第2摩擦部材における前記第2組成物が炭素とされている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材ユニット。
  13. 請求項12において、
    前記第2摩擦部材における前記第1組成物が酸化物とされている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材ユニット。
  14. 請求項13において、
    前記酸化物が、遷移金属の酸化物とされている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材ユニット。
  15. 請求項13において、
    前記摺接部が、基材金属と酸化物と炭素とが複合化して形成され、或いは金属と酸化物と炭素とを複合化した被膜層をもって形成されている、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材ユニット。
  16. 請求項11〜15のいずれかにおいて、
    前記第1,第2摩擦部材がクラッチの摩擦要素に用いられる、
    ことを特徴とする湿式摩擦部材ユニット。
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