JPH09176333A - フィブリル化の少ないアラミドおよび合成グラファイトを含む繊維質ライニング材料 - Google Patents

フィブリル化の少ないアラミドおよび合成グラファイトを含む繊維質ライニング材料

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JPH09176333A
JPH09176333A JP8278932A JP27893296A JPH09176333A JP H09176333 A JPH09176333 A JP H09176333A JP 8278932 A JP8278932 A JP 8278932A JP 27893296 A JP27893296 A JP 27893296A JP H09176333 A JPH09176333 A JP H09176333A
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phenolic resin
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JP8278932A
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Robert C Lam
ロバート・チ−チュ・ラム
Marc A Yesnik
マーク・エイ・イエスニク
Yih-Fang Chen
イー−ファン・チェン
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Borg Warner Automotive Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グ
ラファイト、および、充填物質、例えば、珪藻土を含む
繊維質基材を提供し、さらには、上記繊維質基材にフェ
ノール性樹脂または改良フェノール性樹脂ブレンドを含
浸させて、複合摩擦材料を提供することである。 【解決手段】 本発明は、フィブリル化の少ないアラミ
ド繊維、合成グラファイト、および、少なくとも1種の
充填物質を含む繊維質基材に関する。実施態様によって
は、炭素粒子からなる第2の層が非アスベスト摩擦材料
に使用される繊維質基材の少なくとも1つの表面上にコ
ーテッドされる。実施態様によっては、繊維質基材にフ
ェノール性またはフェノール性基体樹脂材料、例えば、
フェノール性樹脂とシリコーン樹脂との混合物が含浸さ
れ、良好な“ブレーキイン(break-in)”特性と耐久性特
性とを有する摩擦材料を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本出願は、1993年8月4日に出
願され、なお継続中の出願番号No. 08/101,951の一部継
続出願である、1994年6月3日に出願され、なお継続中の
出願番号No. 08/253,727の一部継続出願であり、これら
の全てを、本明細書で、参考のために特に引用する。
【0002】本発明は、一部、フィブリル化の少ないア
ラミド繊維、製造もしくは合成グラファイト、および、
充填物質、例えば、珪藻土を含む繊維質基材に関する。
本発明は、さらに、フェノール性樹脂または改質フェノ
ール性樹脂ブレンドを含浸させた上記繊維質基材を含む
複合摩擦材料に関する。実施態様によっては、繊維質基
材に含浸するのに使用するのに、少なくとも1種のシリ
コーン樹脂を少なくとも1種のフェノール性樹脂とブレ
ンドする。
【0003】本発明の摩擦材料は、改良された強度、多
孔度および耐摩耗性を有する。本発明の摩擦材料は、従
来の摩擦材料よりもより高い摩擦安定性および熱容量を
有する。摩擦材料は、特に、高エネルギー用途に有用で
ある。
【0004】本発明は、さらに、一部、摩擦紙製造工程
の間に、繊維質基材の表面上に付着した炭素粒子を有す
る繊維質基材を含む摩擦材料に関する。繊維質基材は、
フィブリル化の少ないアラミド繊維、、製造もしくは合
成グラファイト、および、少なくとも1種の充填物質、
例えば、珪藻土を有する第1の層と、炭素粒子を有する
第2の層とを含む。本発明は、さらに、フェノール性樹
脂または改質フェノール性樹脂ブレンドを含浸させた上
記繊維質基材を含む複合摩擦材料に関する。実施態様に
よっては、繊維質基材に含浸させるのに使用するのに少
なくとも1種のフェノール樹脂と少なくとも1種のシリ
コーン樹脂をブレンドする。
【0005】本発明の摩擦材料は、従来の摩擦材料より
もより良好な“ブレーキイン(brake-in)”挙動と初期工
程におけるより安定な摩擦係数とを有する。また、得ら
れる摩擦係数は、特に、高エネルギー用途において有用
である。
【0006】
【従来の技術】新規、かつ、進歩した伝達システムおよ
びブレーキシステムが自動車工業によって開発されつつ
ある。これら新規なシステムは、高エネルギー要件を含
むことが多い。したがって、これら進歩したシステムの
増大するエネルギー要件を満たすために、摩擦材料技術
も、また、開発する必要がある。
【0007】摩擦材料は、表面速度が約65m/秒にも
なる高速度に耐えることができる必要がある。また、摩
擦材料は、約1500psiにもなる高い対面ライニング
圧力に耐えることができる必要がある。摩擦材料が限ら
れた潤滑条件下で有効であることもまた重要である。
【0008】摩擦材料は、進歩した伝達およびブレーキ
システムで有効であるためには、耐久性であり、高耐熱
性を有する必要がある。摩擦材料は、高温で安定なまま
である必要があるばかりか、それは、操作条件の間に発
生する高熱を迅速に放散することができる必要がある。
【0009】新規な伝達およびブレーキの係止および解
除の間に発生する高速は、摩擦材料が係止の間を通して
比較的一定の摩擦を維持することができる必要があるこ
とを意味する。ギアからギアへの出力シフトの間のブレ
ーキおよび伝達システムの間の材料の“震動(shudderin
g)"を最小とするために、広範な範囲の速度および温度
にわたって、摩擦係止が比較的一定であることが重要で
ある。特に、摩擦材料は、操作の初期サイクルまたは
“ブレーキイン(break-in)"の間、震動してはならな
い。
【0010】従来、温度安定性のために、摩擦材料にア
スベスト繊維を含ませていた。例えば、Arledter et a
l.の米国特許No. 3,270,846は、アスベストとともに使
用されるフェノール性およびフェノール性改質樹脂を記
載している。しかし、現在では、健康および環境上の問
題により、アスベストは、もはや、使用されない。さら
に最近の摩擦材料では、含浸紙または繊維材料をフェノ
ール性またはフェノール性改質樹脂で改質することによ
って、摩擦材料にアスベストが存在しないことを克服す
ることが試みられてきた。しかし、これらの摩擦材料
は、発生した高熱を迅速に放散させることができず、必
要とされる耐熱性を有さず、現在開発されつつある高速
システムに使用するのに必要とされる摩擦性能の高係数
を満たすことができない。
【0011】フェノール性樹脂が湿潤クラッチ用途の摩
擦材料に使用されることが判明したものの、フェノール
性樹脂には種々の制限がある。フェノール性樹脂摩擦材
料は、新規高エネルギー伝達システムに使用するのに必
要とされる高耐熱性を有しない。特に、フェノール性樹
脂は、温度約450〜500℃で炭化し、この温度で
は、高エネルギー用途に使用するのには低すぎる。ま
た、フェノール性樹脂は、硬質材料であり、フェノール
性樹脂を摩擦材料に使用する時、凹凸のあるライニング
摩耗および分離器板“ホットスポット(hot spots)”を
生ずる。
【0012】フェノール性摩擦材料の限界および欠点を
克服する試みとしては、フェノール性樹脂の他の熱硬化
性樹脂との置換が挙げられる。摩擦材料を製造する1つ
の試みとしては、フェノール性樹脂の種々の合成樹脂に
よる改質が挙げられる。その1つの例は、Takarada et
al. の米国特許No. 4,657,951に記載されており、有機
ポリシロキサンで改質したフェノール性樹脂であり、こ
れは、圧縮成形されて、摩擦材料を形成する。フェノー
ル性樹脂と有機ポリシロキサンとは、互いに反応して、
縮合反応を行い、これは、蒸留され、冷却によって凝固
され、粉末化されて、粉末フェノール性改質樹脂を与え
る。この粉末フェノール性改質樹脂は、圧縮成形摩擦材
料を形成するのに使用された。
【0013】知る限りにおいて、フェノール性物質とブ
レンドされ、摩擦紙に含浸するために使用されるシリコ
ーン物質を含む伝達システムに使用される摩擦材料の開
示は存在しない。
【0014】Hartmann et al.の米国特許No. 3,911,045
引例は、圧縮成形組成物として使用されるフェノール性
樹脂とブレンドしたシリコーン物質を考察しているもの
の、シリコーン物質が樹脂材料と首尾よくブレンドさ
れ、摩擦ライニング材料に含浸するために使用されるこ
との開示または示唆は存在しない。これとは対照的に、
摩擦材料にシリコーン樹脂を使用する従来の試みは、許
容不能であった。シリコーン樹脂を含浸または飽和させ
た摩擦ライニングは、過去において、低い剪断強度およ
び離層抵抗性を示していた。さらに、シリコーン樹脂を
飽和させた摩擦材料は、通常、弾性に富みすぎ、したが
って、試験しても、望ましくない摩擦および摩耗特性を
生ずる。全体的にフェノール−ホルムアルデヒド樹脂−
ポリシロキサン樹脂で形成される成形摩擦ライニング組
成物はたとえそれらが公知であっても使用できないこと
は驚くべきことではない。何故ならば、このような成形
組成物は、要求される一定の摩擦特性係数を有せず、こ
のような摩擦材料は、高エネルギーおよび高熱量状態下
で不合格であるからである。
【0015】摩擦材料が“湿潤”用途で有効であるため
には、摩擦材料は、多種多様な許容可能な特性を有する
必要がある。摩擦材料は、弾力性(resilient)または弾
性(elastic)であり、圧縮永久歪み、摩耗および応力抵
抗性であり;高い耐熱性を有し、熱を迅速に放散させ;
長期間耐久性で、安定、かつ、不変の摩擦性能を有する
必要がある。これらの特性の全てを満たさないと、摩擦
材料の最適性能に合致しない。
【0016】かくして、含浸樹脂は、適当な摩擦ライニ
ングまたは繊維質基材とともに使用して、高エネルギー
用途の摩擦材料を形成することもまた重要である。摩擦
材料は、含浸の間湿潤樹脂で飽和されている時も、使用
の間ブレーキ流体または伝達油で飽和されている時も、
良好な剪断強度を有する必要がある。
【0017】用途によっては、使用の間に高い流体透過
容量が存在するように、摩擦材料が高多孔度を有するこ
とも重要である。かくして、摩擦材料は、多孔質である
のみならず、それは、圧縮可能である必要がある。摩擦
材料に透過された流体は、ブレーキまたは伝達の操作間
に加圧下迅速に摩擦材料より絞り出すかまたは放出され
ることができる必要があるが、なお、ライニング材料は
潰れてはならない。ブレーキまたは伝達操作の間に発生
した熱を迅速に放散するのを補助するために、摩擦材料
が高い熱伝導率を有することもまた重要である。
【0018】セルロースもしくはアラミドタイプのパル
プまたは繊維を含有させることによって、アスベスト繊
維が存在しないことを克服することも、その他の最近の
摩擦材料において試みられた。しかし、これらアラミド
タイプの繊維は、かなりフィブリル化された表面を有
し、これが、繊維を摩擦紙に緊密に絡ませる。絡んだ繊
維は、得られる摩擦紙を密にし、新規な高エネルギー伝
達システムに必要とされる所望の多孔度よりも少ない多
孔度を有する。
【0019】知る限りにおいて、現在使用されているア
ラミド繊維よりもフィブリル化の少ないアラミドタイプ
の繊維を含む伝達システムに使用される摩擦材料の開示
は存在しない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、従来技術の摩擦材料と比較して、信頼性と改良
された性質とを有する改良摩擦材料を提供することであ
る。
【0021】本発明のさらなる目的は、高熱伝導率、多
孔度および強度を有する摩擦材料を提供することであ
る。
【0022】本発明のさらなる目的は、良好な抗震動
性、高速および高エネルギー耐久性、高多孔度、ならび
に、高強度を有する摩擦材料を提供することである。
【0023】より良好な摩擦材料に対する需要を考慮し
て、鋭意検討の結果、本発明者らは、改良された特性を
有する摩擦材料を開発した。本摩擦材料は、摩擦材料が
使用の間に苛酷な“ブレーキイン(break-in)”条件に付
される用途において特に有用である。
【0024】本湿潤摩擦材料は、摩擦材料が使用の間
に、液体、例えば、ブレーキ流体または自動伝達流体に
“湿潤”または含浸される“湿潤(wet)”用途で有効で
ある。“湿潤”摩擦材料の使用の間、流体は、究極的
に、摩擦材料より絞り出されるか、または、摩擦材料に
含浸される。湿潤摩擦材料は、“乾燥”摩擦材料とは、
それらの組成および物理的特性において非常に異なる。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記考察した要件を達成
するために、操作中に遭遇すると同一の条件下で摩擦お
よび耐熱特性について多くの材料を評価した。市販され
ているブレーキライニングおよび伝達材料を調べたが、
高エネルギー用途に使用するのに適当でないことが立証
された。
【0026】本発明は、特に、ブレーキおよびクラッチ
用途に有用である。本発明は、フィブリル化の少ないア
ラミド繊維、合成グラファイト、少なくとも1種の充填
物質、および、場合によっては、その他の成分を含む繊
維質基材を提供する。繊維質基材は、繊維質基材を製造
するための工程の間に繊維質基材上に付着する最適量の
炭素粒子を有する。
【0027】繊維質基材は、種々の樹脂システムを使用
して含浸させることができる。実施態様によっては、繊
維質基材にフェノール性または改質フェノール性基体樹
脂を含浸することが有効である。実施態様によっては、
シリコーン樹脂を相溶性溶剤中でフェノール性樹脂とブ
レンドまたは混合し、シリコーン−フェノール性樹脂ブ
レンドを本発明の繊維質基材に含浸するために使用する
時、高エネルギー摩擦材料が形成されることが発見され
た。このような高エネルギー摩擦材料は、高度の摩擦安
定性と高い耐熱性とを有する。
【0028】本発明の摩擦材料は、凹凸ライニング摩
耗、したがって、分離器板の“ホットスポット”の形成
が摩擦材料の有効寿命の間に発現するのを防止する。摩
擦材料上に凹凸の摩耗がほとんど存在しない時、クラッ
チまたはブレーキ構成部分の“定常状態(steady stat
e)”、したがって、クラッチおよびブレーキのさらに不
変の性能をさらに維持しやすい。さらに、本発明の摩擦
材料は、摩擦材料が使用の間に離層に抵抗する良好な剪
断強度を示す。
【0029】図1Aは、シリコーン−フェノール性樹脂
ブレンドを含浸させた繊維質基材の走査電子顕微鏡写真
である(実施例C)。
【0030】図1Bは、フェノール性樹脂ブレンドを含
浸させた従来の繊維質基材の走査電子顕微鏡写真であ
る。
【0031】図2は、フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材(実施例A)またはシリコーン−フェノール性
樹脂ブレンドを含浸させた繊維質基材(実施例B)の重
量%変化と上昇温度との間の相関を示す熱重量分析(T
GA)グラフである。
【0032】図3は、図2に示した実施例Aの残渣につ
いての温度上昇、誘導体重量の変化(%/℃)および量
ならびにパーセントに伴う重量損失の%を示すTGAグ
ラフである。
【0033】図4は、図2に示した実施例Bの残渣につ
いての温度上昇、誘導体重量の変化および量ならびにパ
ーセントに伴う重量損失の%を示すTGAグラフであ
る。
【0034】図5は、シリコーン−フェノール性樹脂ブ
レンドを含浸させた繊維質基材(実施例C)および種々
のエポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊維質基材
(実施例Dは、0.016インチ薄さのライニングであ
り、実施例Fは、0.020インチ厚さのライニングで
ある)と比較した、ブタジエンフェノール性樹脂を含浸
させた従来の材料(従来例−1)に対するサイクル数の
増大につれての停止時間(秒)を示すグラフである。
【0035】図6は、実施例C、DおよびF材料と比較
した、従来例−1に対するサイクル数の増大につれての
摩擦性能の静的係数対動的係数の比を示すグラフであ
る。
【0036】図7は、実施例C、DおよびF材料と比較
した、従来例−1に対するサイクル数の増大につれての
摩擦性能の動的係数を示すグラフである。
【0037】図8は、実施例B、Dおよび種々のエポキ
シ−フェノール樹脂を含浸させた繊維質基材(実施例
E)と比較した、従来例−1の材料に対するサイクル数
の増大につれての摩擦性能の動的中点係数を示すグラフ
である。
【0038】図9は、実施例B、DおよびEと比較し
た、従来例−1の材料に対するサイクル数の増大につれ
ての停止時間性能を示すグラフである。
【0039】図10は、エポキシ−フェノール性樹脂を
含浸させた繊維質基材(実施例D)と比較した、フェノ
ール性樹脂を含浸させた従来の材料(従来例−1)に対
する高エネルギー摩擦試験サイクルを示すグラフであ
る。
【0040】図11は、エポキシ−フェノール性樹脂を
含浸させた繊維質基材摩擦材料(実施例D)および従来
例−1材料ならびにフェノール性樹脂を含浸させた従来
の摩擦材料(従来例−2)に対するサイクル数の増大に
つれての動摩擦係数を示す、7,000rpm、0.3L
PMオイルフロー1.5kg-cm-秒2慣性での高速耐久性
を示すグラフである。
【0041】図12は、実施例Dおよび2つの従来材
料、従来例−1および従来例−2に対するサイクル数の
増大につれての動摩擦係数を示す、3,600rpm、
8.0kg/cm2ライニング圧力、5.0kg-cm-秒2慣性で
の高エネルギー耐久性を示すグラフである。
【0042】図13は、実施例Dおよび2つの従来の摩
擦材料、従来例−1および従来例−2に対する4−3ダ
ウンシフト係止間のシフト時間(秒)を示す、エンジン
ダイナモメータ4−3ダウンシフト耐久性試験、2,0
00ccIG/FEエンジン、5,800rpmを示すグラフであ
る。
【0043】図14は、エポキシ−フェノール性樹脂を
含浸させた繊維質基材(実施例E)と従来の材料(従来
例−2)とに対する剪断強度(psi)を比較するグラフで
ある。
【0044】図15は、エポキシ−フェノール性樹脂を
含浸させた繊維質基材(実施例E)と従来の材料(従来
例−2)とに対する孔寸法(ミクロン)を示すグラフで
ある。
【0045】図16は、エポキシ−フェノール性樹脂を
含浸させた繊維質基材(実施例E)と従来の材料(従来
例−2)とに対する液体透過率(cm2×10-3)を比較す
るグラフである。
【0046】図17は、500サイクルに対する界面温
度約695°Fでの実施例Eに対する速度、トルク、温
度および印加圧力を示すグラフである。
【0047】図18は、10,500サイクルに対する
界面温度約896°Fでの実施例Eに対する速度、トル
ク、温度および印加圧力を示すグラフである。
【0048】図19は、サイクル数の増大につれての実
施例Eに対する中点動的摩擦係数を示すグラフである。
【0049】図20は、従来例−1材料と比較した、実
施例CおよびEに対するサイクル数の増大につれての中
点摩擦係数を示す高速耐久性を示すグラフである。
【0050】図21は、従来例−1材料と比較した、実
施例CおよびEに対するサイクル数の増大につれての静
摩擦係数対動摩擦係数の比を示す、Exxon 1975液体を使
用する、6,000rpmでの高速耐久性を示すグラフで
ある。
【0051】図22は、従来例−1材料と比較した、実
施例C、DおよびFに対するサイクル数の増大につれて
の摩擦係数を示す、自動伝達流体JWS2318Kを使用する、
6,000rpmでの高速耐久性試験を示すグラフであ
る。
【0052】図23は、フィブリル化の少ないアラミド
繊維(CSF約450〜500)約45%、合成グラフ
ァイト約23%、珪藻土約27%およびアラミド繊維パ
ルプ約5%を含む繊維質基材(実施例L)の走査電子顕
微鏡写真である。
【0053】図24は、フィブリル化の少ないアラミド
繊維(CSF約580〜640)約45%、合成グラフ
ァイト約23%、珪藻土約27%およびアラミド繊維パ
ルプ約5%を含む繊維質基材(実施例K)の走査電子顕
微鏡写真である。
【0054】図25は、第2の層として炭素を有しない
新規な分離器板断面図である。
【0055】図26は、第2の層として炭素を有しない
実施例Sに対する分離器板表面断面図である。
【0056】図27は、炭素約5%を含む第2の層を有
する実施例Tに対する分離器板断面表面図である。
【0057】図28は、炭素材料約10%を含む第2の
層を有する実施例Uに対する分離器板断面図である。
【0058】図29は、炭素材料約15%を含む第2の
層を有する実施例Vに対する分離器板表面断面図であ
る。
【0059】図30は、炭素材料約20%を含む第2の
層を有する実施例Wに対する分離器板表面断面図であ
る。
【0060】図31は、それぞれ、実施例S、T、U、
VおよびWに対する停止時間変化のパーセント対表面炭
素被覆(面積%)を示すグラフである。
【0061】図32は、実施例S、T、U、VおよびW
に対するμd変化のパーセント対表面炭素被覆(面積
%)を示すグラフである。
【0062】図33は、実施例X、TおよびYに対する
サイクル数の増大につれての摩擦変化の初期係数を示す
グラフである。
【0063】図34は、実施例X、TおよびYに対する
初期停止時間(秒)対サイクルを示すグラフである。
【0064】図35は、実施例Z、TおよびAAに対す
るサイクル数千に対する停止時間を示す高エネルギー耐
久性を示すグラフである。
【0065】図36は、70サイクルのレベルBでフェ
ノール性樹脂を35%〜40%含浸量含浸させた実施例
Xに対する曲線形状を示すグラフである。
【0066】図37は、95サイクルのレベルCでフェ
ノール性樹脂を35%〜40%含浸量含浸させた実施例
Xに対する曲線形状を示すグラフである。
【0067】図38は、初期、中点および最終摩擦係数
を示す実施例Xに対するレベルA、B、CおよびDに対
する動摩擦係数を示すグラフである。
【0068】図39は、70サイクルレベルBでフェノ
ール性樹脂を35%〜40%含浸量含浸させた実施例T
に対する曲線形状を示すグラフである。
【0069】図40は、95サイクルレベルCでフェノ
ール性樹脂を35%〜40%含浸量含浸させた実施例T
に対する曲線形状を示すグラフである。
【0070】図41は、初期、中点および最終摩擦係数
を示す実施例Tに対するレベルA、B、CおよびDに対
する動摩擦係数を示すグラフである。
【0071】図42は、本発明に従い摩擦材料を製造す
るための1つの方法を示す概略図である。
【0072】
【発明の実施の形態】本発明に有効な種々の樹脂として
は、フェノール性樹脂およびフェノール性基体樹脂が挙
げられる。その他の改質成分、例えば、エポキシ、ブタ
ジエン、シリコーン、キリ油、ベンゼン、カシューナッ
ツ油等を樹脂ブレンドに含む種々のフェノール基体樹脂
が本発明で有用であると考えられる。フェノール改質樹
脂において、フェノール性樹脂は、一般に、(存在する
溶剤を除外して)樹脂ブレンドの約50%以上存在す
る。しかし、摩擦材料は、含浸樹脂ブレンドが(溶剤お
よびその他の処理酸を除外して)シリコーン−フェノー
ル性樹脂の混合物の重量基準で、実施態様によっては、
含浸樹脂ブレンドが約5〜約80重量%、目的によって
は、約15〜約55重量%の、実施態様によっては、約
15〜約25重量%のシリコーン樹脂を含有する時で
も、改良されることが判明している。
【0073】本発明に有用なシリコーン樹脂としては、
例えば、熱硬化性シリコーンシーラントおよびシリコー
ンゴムが挙げられる。種々のシリコーン樹脂が本発明で
有効である。1つの樹脂は、特に、キシレンとアセチル
アセトン(2,4−ペンタンジオン)とを含む。シリコ
ーン樹脂は、沸点約362°F(183℃);68°F
における蒸気圧21mmHg;蒸気密度(空気=1)4.
8;水への溶解度無視可能;比重約1.09;パーセン
ト揮発度5重量%;蒸発速度(エーテル=1)0.1未
満;Pensky-Martens法を使用する引火点約149°F
(65℃)を有する。その他のシリコーン樹脂も本発明
で使用することができることを理解すべきである。その
他の有用な樹脂ブレンドとしては、例えば、適当なフェ
ノール性樹脂が挙げられ、フェノール性樹脂約55〜約
60重量%;エチルアルコール約20〜約25重量%;
フェノール約10〜約14重量%;メチルアルコール約
3〜約4重量%;ホルムアルデヒド約0.3〜約0.8
重量%;および、水約10〜約20重量%を含む。もう
1つの適当なフェノール基体樹脂は、フェノール/ホル
ムアルデヒド樹脂約50〜約55重量%;ホルムアルデ
ヒド約0.5重量%;フェノール約11重量%;イソプ
ロパノール約30〜約35重量%;および、水約1〜約
5重量%を含む。
【0074】もう1つの有効な樹脂が、エポキシ化合物
約5〜約25重量%、好ましくは、約10〜約15重量
%と、残り(溶剤およびその他の処理酸を除外して)フ
ェノール性樹脂とを含有するエポキシ改質フェノール性
樹脂であることもまた判明した。エポキシ−フェノール
樹脂化合物は、実施態様によっては、フェノール性樹脂
単独よりも摩擦材料により高い耐熱性を与える。
【0075】樹脂ブレンドを製造するのと含浸繊維質基
体を製造するのに有効であることが公知のその他の成分
および処理酸は、摩擦材料に含めることができると考え
られる。
【0076】フェノール性樹脂とシリコーン樹脂とが使
用される実施態様に対しては、シリコーン樹脂とフェノ
ール性樹脂とが互いにブレンドされる時、新規な化合物
は全く形成されない。表1は、硬化されたシリコーン樹
脂、硬化されたフェノール性樹脂、および、硬化された
シリコーン樹脂およびフェノール性樹脂の約50/50
ブレンドに対する顕著なFT−IRピーク(波数)を示
す。理解されるように、50/50シリコーン−フェノ
ール性ブレンドにおいて、新規なピークは生ぜず、存在
するピークは、シリコーン樹脂およびフェノール性樹脂
の両方の存在を反映している。かくして、樹脂は、別個
に硬化し、新規な化合物は形成されないことが分かる。
【0077】
【表1】 シリコーン樹脂およびフェノール性樹脂の両者とも、互
いに相溶性である溶剤中に存在する。これら樹脂は、
(好ましい実施態様においては)互いに混合されて均一
なブレンドを形成し、ついで、繊維質基材に含浸するた
めに使用される。繊維質基材にフェノール性樹脂を含浸
させ、その後、シリコーン樹脂を加える場合も、その逆
の場合も、同様な効果は存在しない。シリコーン−フェ
ノール性樹脂溶液の混合物と、シリコーン樹脂粉末およ
び/またはフェノール性樹脂粉末の乳濁液との間にも、
また、差が存在する。シリコーン樹脂とフェノール性樹
脂とが溶液である時、それらは、全く硬化しない。対照
的に、シリコーン樹脂とフェノール性樹脂との粉末粒子
は、部分的に硬化する。シリコーン樹脂およびフェノー
ル性樹脂の部分的な硬化は、繊維質基材の良好な含浸を
妨げる。
【0078】したがって、本発明の1つの態様に従え
ば、繊維質基材は、フェノール性樹脂およびその溶剤と
相溶性である溶剤中のシリコーン樹脂のブレンドを含浸
させたものである。1つの実施態様において、イソプロ
パノールが特に適当な溶剤であることが判明している。
しかし、種々の他の適当な溶剤、例えば、エタノール、
メチルエチルケトン、ブタノール、イソプロパノール、
トルエン等が本発明の実施に使用することができること
を理解すべきである。
【0079】本発明に従えば、シリコーン樹脂の存在
は、フェノール性樹脂とブレンドし、繊維質基材に含浸
するために使用する時、フェノール性樹脂のみを含浸さ
せた繊維質基材よりも得られる摩擦材料をより弾性とす
る。本発明のシリコーン−フェノール性樹脂ブレンド含
浸摩擦材料に圧力を加える時、圧力がより均一に分布
し、ひいては、凹凸のあるライニング摩耗を生じにくく
する。シリコーン樹脂およびフェノール性樹脂を互いに
混合した後、混合物は、繊維質基材に含浸するのに使用
される。
【0080】材料を含浸するための種々の方法を、本発
明では、実施することができる。繊維質基材は、好まし
くは、含浸樹脂材料が摩擦材料100重量部当たり約4
5〜約65重量部を占めるように、フェノール性または
改質フェノール性樹脂を含浸させられる。繊維質基材に
樹脂を含浸した後、含浸繊維質基材は、予め決められた
時間で所望の温度に加熱されて、摩擦材料を形成する。
加熱は、温度約300°Fでフェノール性樹脂を硬化さ
せる。その他の樹脂、例えば、シリコーン樹脂が存在す
る時、加熱は、温度約400°Fでシリコーン樹脂を硬
化させる。しかる後、含浸および硬化された摩擦材料
は、適当な手段によって所望される基板に接着される。
【0081】本発明のもう1つの態様は、フィブリル化
の少ないアラミド繊維、合成グラファイトおよび少なく
とも1種の充填物質を含み、これらが合わされて紙様の
繊維質摩擦材料を形成する繊維質基材に係る。繊維質基
材を形成する種々の方法が本発明の繊維質基材を製造す
るのに有効であると考えられることを理解すべきであ
る。本発明においては、繊維質基材におけるフィブリル
化の少ないアラミド繊維および合成グラファイトの使用
が高温に耐える摩擦材料の能力を改良することが本発明
者らによって見いだされている。
【0082】種々の摩擦ライニング材料がアラミド繊維
の使用を開示しているものの、本発明がなされるまで、
一般に1つの芯繊維に結合した数本のフィブリルを有す
るフィブリル化の少ないアラミドを含む摩擦材料を提供
することは知られていなかった。フィブリル化の少ない
アラミド繊維の使用は、より多孔質の構造を有する、す
なわち、典型的なフィブリル化されたアラミド繊維を使
用する場合よりも、より多く、かつ、より大きい孔が存
在する摩擦材料を提供する。多孔質構造は、一般に、孔
寸法と液体透過性とによって定義される。好ましい実施
態様において、繊維質基材は、平均寸法(mean average
size)約2.0〜約15ミクロン径範囲である孔を画定
する。フィブリル化の少ない繊維の長さは、約0.5〜
約6mmの範囲であり、カナデイアンスタンダードフリー
ネス(CSF)約450より大、実施態様によっては、
約500〜約550、その他の実施態様によっては、約
580〜640、最も好ましくは、約620〜640を
有する。対照的には、フィブリル化の多い繊維、例え
ば、アラミドパルプは、フリーネス約285〜290を
有する。
【0083】“カナデイアンスタンダードフリーネス”
(T227 om-85)とは、繊維のフィブリル化の度合いが繊維
のフリーネス(freeness)の尺度として記載することがで
きることを意味する。CSF試験は、繊維3グラムの水
1リットル懸濁液を排水することのできる任意尺度の速
度を与える実験処理法である。したがって、フィブリル
化の少ないアラミド繊維は、他のアラミド繊維またはパ
ルプよりも摩擦材料からの流体の排水のより高いフリー
ネスまたはより速い速度を有する。さて、驚くべきこと
に、CSF少なくとも450、好ましくは、約530〜
650、さらに好ましくは、約580〜640、最も好
ましくは、約620〜640を有するアラミド繊維を含
む摩擦材料が、優れた摩擦性能を提供し、従来のフィブ
リル化の多いアラミド繊維を含有する摩擦材料よりもよ
り良好な材料性質を有することが判明した。驚くべきこ
とに、より長い繊維長さは、高いカナデイアンフリーネ
スと合わさって、高強度、高多孔度および良好な耐摩耗
性を有する摩擦材料を提供する。以下の実施例において
示すように、例えば、フィブリル化の少ないアラミド繊
維(CSF約580〜640、および、最も好ましく
は、約620〜640)を含有する材料で行われた高エ
ネルギー試験は、良好な長期間の耐久性および安定な摩
擦係数を有する。
【0084】摩擦材料の構造がより多孔質である程、熱
放散はより有効である。使用の間の摩擦材料の係止中の
摩擦材料のオイルフローインおよびアウトは、摩擦材料
が多孔質である時、より迅速に起こる。
【0085】さらに、フィブリル化の少ない繊維、合成
グラファイトおよび充填剤は、繊維質基材を通るより多
孔質の開口が存在するように、繊維質基材の孔構造を改
良することが見いだされた。多孔度が大きいと、また、
摩擦材料の弾性を増大する。フィブリル化の少ないアラ
ミド繊維のフィブリル化の度合いが低いと、より多孔質
の構造を有する摩擦材料を生ずる。
【0086】フィブリル化の少ないアラミド繊維を含む
繊維質基材に合成グラファイトを含有させることは、本
発明がなされるまで、知られていなかった。繊維質基材
における合成グラファイトの使用は、他のタイプのグラ
ファイト材料よりも、繊維質基材により三次元の構造を
付与する。合成グラファイトは、原材料、例えば、石油
コークスおよびコールタールピッチ結合剤の黒鉛化によ
って製造される。原材料は、混合され、焼結炭素体を多
結晶グラファイト物品に転化する特殊な黒鉛化炉におい
て、温度約2,800〜約3,000℃に加熱する。
(高熱伝導率を有する)合成グラファイトは、摩擦材料
に、他のタイプのグラファイトよりもより迅速に熱を放
散させる能力を付与する。実施態様によっては、合成グ
ラファイトの寸法およびジオメトリーを約20〜約50
ミクロンの寸法範囲とすることが好ましい。これら特定
の実施態様においては、グラファイト粒子が大きすぎる
かまたは小さすぎると、最適の三次元構造は存在せず、
したがって、耐熱性は、最適ではないことが見いだされ
た。
【0087】本発明の繊維質基材においては、また、種
々の充填剤が使用される。特に、シリカ充填剤、例え
ば、珪藻土が有効である。しかし、本発明における使用
に対してその他のタイプの充填剤が適当であり、選択さ
れる充填剤は、摩擦材料の特定の要件に依存することも
考えられる。本発明の繊維質基材にその他の成分、例え
ば、添加されて、摩擦係数のより高い繊維質材料を与え
る木綿繊維を添加することもできる。実施態様によって
は、約0〜約20%、また、実施態様によっては、約5
〜約15%のその他の充填剤、例えば、アラミドパルプ
および/またはアラミドフロック(floc)を繊維質基材に
添加することもできる。
【0088】繊維質基材に対する配合の1つの例は、フ
ィブリル化の少ないアラミド繊維約10〜約50重量
%;合成グラファイト約10〜約35重量%;および、
充填物質約20〜約45重量%を含む。実施態様によっ
ては、フィブリル化の少ないアラミド繊維約45〜約5
0重量%;合成グラファイト約15〜約25重量%;お
よび、充填剤約20〜約30重量%を含むある特定の配
合が有効であることが判明した。もう1つの有効な配合
は、フィブリル化の少ないアラミド繊維約20〜約30
%、合成グラファイト約15〜約25%、充填物質約2
0〜約30%、および、場合によっては、木綿繊維約0
〜約40%を含む。さらなる実施態様においては、木綿
繊維は、約20〜約40重量%、または、約25〜約3
5重量%で存在することができる。
【0089】以下の実施例は、本発明の繊維質基材およ
び摩擦材料が従来の摩擦材料に優る改良であるさらなる
証拠を提供する。本発明の種々の好ましい実施態様を以
下の実施例で記載するが、これらは、本発明の範囲を何
ら限定するものではない。
【0090】
【実施例】実施例AおよびBは、ともに、フィブリル化
の少ないアラミド繊維約45重量%、合成グラファイト
約23重量%、珪藻土充填剤約27重量%、および、ア
ラミドパルプを含む任意の充填剤約5重量%を含む繊維
質基材である。実施例Aは、フェノール性物質を含浸さ
せ、実施例Bは、シリコーン樹脂約20重量%とフェノ
ール性樹脂約80重量%とを含むシリコーン−フェノー
ル性樹脂ブレンドを含浸させる。
【0091】実施例Cは、フィブリル化の少ないアラミ
ド繊維約35重量%、合成グラファイト約25重量%、
珪藻土充填物質約25重量%、および、アラミドパルプ
約5重量%およびアラミドフロック約10重量%の任意
の充填剤を含み、シリコーン−フェノール樹脂を含浸さ
せた繊維質基材である。
【0092】実施例Dは、フィブリル化の少ないアラミ
ド繊維約25重量%、合成グラファイト約20重量%、
珪藻土約25重量%、および、木綿繊維約30重量%を
含み、エポキシ樹脂約10重量%およびフェノール性樹
脂約90重量%を含む第1のエポキシ−フェノール性樹
脂ブレンドを含浸させた繊維質基材である。
【0093】実施例Eは、フィブリル化の少ないアラミ
ド繊維約25重量%、合成グラファイト約20重量%、
珪藻土約25重量%および木綿繊維約30重量%を含
み、第2のエポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材である。
【0094】実施例Fは、フィブリル化の少ないアラミ
ド繊維約25重量%、合成グラファイト約20重量%、
珪藻土約25重量%、および、木綿繊維約30重量%を
含み、第2のエポキシ−フェノール性樹脂ブレンドを含
浸させ繊維質基材である。実施例 1 図1Aは、シリコーン樹脂の薄膜が含浸中に繊維間に形
成されることを示す実施例Cの走査電子顕微鏡(SE
M)写真を示す。実施例Cは、シリコーン樹脂またはフ
ェノール性樹脂単独を含浸させた摩擦材料に優る大きな
孔寸法を有する。シリコーン樹脂およびフェノール性樹
脂は異なる温度で硬化するので、フェノール性樹脂が最
初に硬化し、他方、シリコーン樹脂は、後から硬化す
る。シリコーン樹脂の薄膜は、硬化中に繊維間に形成さ
れた。繊維間のこのシリコーン樹脂の薄膜は、摩擦材料
の高い摩擦安定性に寄与すると考えられる。シリコーン
樹脂のフィルムは、摩擦材料の劣化を遅くし、摩擦材料
に高温での高い耐熱性を付与する。
【0095】図1Aに示したSEM写真は、フィブリル
化の少ないアラミド繊維と合成グラファイトとを含有し
ない図1Bに示した従来の材料(従来例−1)であるフ
ェノール性樹脂含浸摩擦材料に対するよりもはるかに大
きな孔構造を示す。
【0096】図1Aにおいて分かるように、シリコーン
樹脂とフェノール性樹脂とのブレンドは、可撓性で、か
つ、開口を有する繊維網状構造を生ずる繊維−樹脂間相
互作用を生ずる。フェノール−シリコーンブレンド含浸
摩擦材料では、フェノール性樹脂含浸摩擦材料単独より
も、約50%程も大きな孔寸法が認められる。実施態様
によっては、平均孔寸法は、約2.5〜約4ミクロン径
であり、摩擦材料は、容易に利用可能な気孔少なくとも
約50%を有し、実施態様によっては、少なくとも約6
0%あるいはそれ以上も有する。実施例 2 毛細管流および透過率試験は、実施例B、D、E、およ
び、天然のグラファイトを有するが、合成グラファイト
を有しない比較材料に対して、以下の表2に示す。平均
流孔径およびDarcyの透過率がより高いことは、摩擦材
料の多孔質構造全体にわたって材料の自動伝達流体流が
良好であるので、摩擦材料がより冷却されやすいか、ま
たは、伝達において発生する熱がより少ないことを示唆
する。伝達システムの動作の間、摩擦材料の表面上の油
付着物は、自動伝達流体の、特に、高温での分解(break
down)により、経時的に広がりやすい。繊維上の油付着
物は、孔の開口を小さくする。したがって、摩擦材料が
最初より大きな孔で出発する時、摩擦材料の有効寿命の
間により多くの開口が残る。また、シリコーン樹脂は、
その弾性特性により、摩擦ライニング中の繊維がより多
くの開口構造を有することを可能とする。
【0097】
【表2】 実施例 3 走査電子顕微鏡写真の艶出し分析(Glaze analysis)は、
シリコーン−フェノール性樹脂ブレンドが表面上に幾分
かの繊維圧縮を有し、他方、フェノール樹脂単独では、
未使用板に対する表面上に顕著な繊維圧縮を有すること
を示す。さらに、表3に見られるように、使用板におい
ては、シリコーン−フェノール性樹脂ブレンドに残存す
る開口が存在し、他方、フェノール性樹脂材料単独で
は、非常に少ない開口が存在する。
【0098】
【表3】 実施例 4 従来の未反応シリコーン樹脂は、シリコーン樹脂の強度
が低いので、摩擦材料に使用するのに許容不能であっ
た。しかし、シリコーン−フェノール樹脂ブレンドの剪
断強度がフェノール樹脂単独に対してよりも有意に高い
ことが判明した。引っ張り剪断試験は、インストロン(I
nstron)引っ張り試験器で行った。改良重ね剪断構成(mo
dified lap shear configuration)には、スチール板の
両側に結合させた2平方インチ面積の摩擦材料を使用し
た。ついで、このアセンブリを紙が剪断されるまで引っ
張った。以下の表4の値は、実施例B、EおよびDに対
する室温乾燥条件下での紙の内部剪断強度を示す。
【0099】剪断強度が高い程、摩擦材料が良好な機械
的強度を有し、これは、摩擦ライニングを剪断するため
により高い圧力を必要とすることを意味する。
【0100】
【表4】 実施例 5 シリコーン−フェノール性樹脂ブレンドは、摩擦材料の
“消失(burn-off)”温度において、少なくとも約50%
の上昇を付与する。この高い摩擦安定性は、現在使用可
能な摩擦材料に優る利点である。図2においては、熱重
量分析(TGA)が示されており、そこでは、TGA曲
線は、より高温にシフトしており、シリコーン−フェノ
ール性樹脂ブレンドのフェノール性材料に優る耐熱性の
増大を示す。
【0101】実施例AおよびBとも、従来の材料に優る
改良された耐熱性を有し、実施例Bは、耐熱性が重要な
判定基準である最終使用摩擦材料用途に特に適してい
る。
【0102】図3および図4は、図2に示したTGAグ
ラフ、および、フェノール性樹脂に対する誘導体重量の
変化(%℃)、図2(図3)およびシリコーン−フェノ
ール性ブレンドにおける実施例A、図2(図4)におけ
る実施例Bを比較する。フェノール性樹脂に対する重量
のパーセント変化は、69.41%であり、他方、シリ
コーン−フェノール性ブレンドに対する重量パーセント
変化は、61.87%であった。図3および図4より分
かるように、重量損失がより速い程、摩擦材料が有する
耐熱性は、より低い。実施例 6 図5は、種々の材料に対するサイクル数の増大につれて
の停止時間を示す。ブタジエン−フェノール性樹脂を含
浸させた従来例−1と比較した実施例C、DおよびF。
繊維質基材(実施例C、DおよびF)は、比較的均一な
停止時間を維持したが、他方、従来材料に対する停止時
間は、急速に、許容不能なレベルに上昇した。
【0103】サイクル数が増大するにつれての静摩擦係
数と動摩擦係数との間の比は、実施例C、DおよびFに
対してと、従来例−1材料に対してとを比較した。図6
において分かるように、シリコーン−フェノール性ブレ
ンド材料を含浸させた繊維質基材(実施例C)は、従来
例材料よりも変わることなくより良好な性能であるが、
他方、エポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊維質
基材(実施例DおよびF)は、比較的良好な性能であっ
た。
【0104】サイクル数の増大につれての動摩擦係数
は、実施例C、DおよびFに対してと、従来の材料(従
来例−1)に対して比較した。図7は、摩擦材料に対す
る動摩擦係数が、サイクル数が増大するにつれて、比較
的定常のままであることを示す。かくして、繊維質基材
は、従来の材料よりも高速ではるかに良好に性能を発揮
する。繊維質基材に対してサイクル数が増大するにつ
れ、摩擦係数の“劣化(fall off)”が存在しないことに
注意することが重要である。
【0105】6,600rpm(65m/秒)、限界潤滑
0.2gpmでのクラッチ試験に対する材料の評価を実施
例B、DおよびEと従来例−1材料とに対して行った。
図8の動中点係数グラフは、従来の材料が総体として許
容不能であるのに対し、摩擦実施例B、DおよびEの材
料は、システムが非常に安定であることを示唆する比較
的定常的な摩擦係数を有する。図9において分かるよう
に、従来の材料に対する停止時間は、急速に許容不能な
レベルに増大するのに対し、他方、摩擦材料(実施例
B、DおよびE)は、試験全体を通して、許容可能な短
い停止時間約0.52〜約0.58秒を維持した。実施例 7 実施態様によっては、摩擦材料による目標含浸量は、シ
リコーン−フェノール性樹脂の総重量、約40〜約65
重量%であるのが好ましく、実施態様によっては、約6
0〜少なくとも65重量%であるのが好ましい。繊維質
基材に樹脂を含浸させた後、繊維質基材は、温度範囲3
00〜400℃で、ある期間(実施態様によっては約1
/2時間)硬化させ、摩擦材料中の樹脂結合剤を硬化さ
せる。摩擦材料の最終厚さは、繊維質基材の初期厚さに
依存し、実施態様によっては、好ましくは、約0.01
4”〜約0.040”の範囲である。
【0106】以下の表5において、シリコーン−フェノ
ール性樹脂約60%樹脂含浸量(P.U.)を含浸させ
た繊維質基材を含む摩擦材料(実施例C)を実施例Cに
おけると同一の繊維質基材を含むが、約60%の樹脂含
浸量(P.U.)でフェノール性樹脂を含浸させた(実
施例C−1)摩擦材料および約49%P.U.でフェノ
ール性樹脂を含浸させた(従来例−1)従来例−1材料
と比較した。試験する樹脂を含浸させた摩擦材料でアセ
ンブリまたは芯板(core plates)にライニングを施し、
試験用のパックを形成した。シリコーン−フェノール性
樹脂摩擦材料に対するサイクル数が増大するにつれて
も、動摩擦係数は、定常的(5%のみ損失)なままであ
る。シリコーン−フェノール性樹脂摩擦材料を使用して
も板上のライニング摩耗は存在しなかった。シリコーン
−フェノール性樹脂ブレンド摩擦材料のライニング状態
は、ブレークアウト、摩耗または艶出し(glazing)を生
ずることなく、良好なままであった。さらに、分離器板
のスチール状態は、シリコーン−フェノール性ブレンド
摩擦材料に対してホットスポットを示さない。
【0107】
【表5】 実施例 8 以下の表6は、MTSマシン上でなされた圧縮/緩和検
討を示す。この試験は、一連の異なる圧力を介して、繰
り返し試料をプレスし、試料を解放することによって生
ずるペーパーキャリパー(paper caliper)に及ぼす効果
を報告する。これらの読みは、プレスによる硬化または
圧縮に対する内部抵抗性の示唆を与える。実施例B材料
は、上記表2に記載した比較例よりもより大きな弾性を
示す。このより大きな弾性は、伝達またはブレーキの流
体が多孔質構造を介して迅速に移動することができるの
で、摩擦材料の使用の間により均一な熱放散を可能とす
る。さらに、弾性の増大は、凹凸のライニニグ摩耗また
は分離器板の“ホットスポット(hot spot)”をなくすよ
うに、摩擦材料上により均一な圧力または均一な圧力分
布を生ずる。
【0108】
【表6】実施例 9 フィブリル化の少ないアラミド繊維および合成グラファ
イトを含む摩擦材料にエポキシ改質フェノール性樹脂を
含浸させ(実施例D)、従来の材料(従来例−1)と比
較した。ストローキング試験寿命および高エネルギー摩
擦試験サイクルを比較して、高速摩擦サイクル試験を図
10に示す。本発明の摩擦材料は、全ての面で、従来の
摩擦材料よりも良好な性能を発揮する。
【0109】図11は、7,000rpm、1.5kg-cm-
2慣性を有する0.3LPMオイルフローにおける高
速耐久性試験の結果を示す。サイクル数が増大するにつ
れて、動的摩擦係数は、摩擦材料(実施例D)に対して
比較的均一なままであり、他方、1つの従来材料(従来
例−2)は、試験の開始において不合格であり、フェノ
ール性基体樹脂を含浸させたもう1つの従来材料(従来
例−1)の性能は、約3,000サイクル後、急速に降
下した。
【0110】図12は、3,600rpm、5.0kg-cm-
2での8.0kg/cm2ライニング圧力での高エネルギー
耐久性試験の結果を示す。摩擦材料(実施例D)に対す
る動的摩擦係数は、耐久性試験全体を通して著しく定常
的なままであった。対照的に、従来の材料は、許容不能
な短い使用寿命サイクルで不合格となった。
【0111】図13は、5,800rpmでの2,000c
cIG/FEに対するエンジンダイナモメータ4−3ダウンシ
フト耐久性試験の結果を示す。明らかなように、摩擦材
料(実施例D)に対する4−3ダウンシフト係止につい
てのシフト時間(秒)は、少なくとも40,000ダウ
ンシフト係止を通して比較的一定のままである。従来の
材料は、低シフト係止サイクルでシフト時間が急速に増
大した。実施例 10 本発明の摩擦材料は、高い耐久性と高い離層抵抗性とを
有する。本発明の摩擦材料に対する剪断強度(psi)は、
図14に見られるように、従来の材料に対してよりも大
きい。フィブリル化の少ない繊維の使用および得られる
摩擦材料の多孔質構造は、摩擦材料に高い耐熱性を付与
する。繊維のジオメトリーは、高い耐熱性を付与するば
かりではなく、離層抵抗性およびスキール抵抗性(squea
l resistance)を付与する。合成グラファイト粒子およ
び少なくとも1種の充填物質の存在は、耐熱性の増大を
助け、定常的な摩擦係数を維持し、スキール抵抗性を増
大する。実施例 11 従来の樹脂を含浸した摩擦材料の孔寸法と比較した本発
明の摩擦材料に対する平均孔寸法を図15に示す。本発
明の摩擦ライニングの平均孔寸法は、約2.0〜約15
ミクロンの範囲であり、従来の摩擦材料に対するよりも
約20〜約100%大きい。実施例 12 本発明の摩擦材料に対する液体透過率をフェノール性樹
脂を含浸させた従来の材料(従来例−2)と比較した。
図16において見られるように、本発明の摩擦材料は、
従来の材料よりも約20%大きい液体透過率を有する。実施例 13 図17は、界面温度約695°Fで1/2時間硬化させ
た後の約380°Fでフェノール−エポキシ樹脂の含浸
量約44%を有するライニング約0.02”を含む摩擦
材料(実施例D)を示す。図17は、500サイクルで
の材料試験の速度、トルク、温度および印加圧力を比較
し、本発明の摩擦材料の高い摩擦安定性を示す。
【0112】図18は、380°Fで1/2時間硬化さ
せたもう1つのフェノール性基体樹脂の樹脂含浸量約4
4%を有するライニング0.02”を含む摩擦材料(実
施例D)の界面温度895°Fでの高い摩擦安定性を示
す。図18は、10,500サイクルに対する材料試験
の速度、トルク、温度および印加圧力を示す。
【0113】以下の表7は、図17および図18に示し
た摩擦材料(実施例D)に対する中点摩擦係数を示す。
摩擦係数は、サイクル数の増大につれて比較的定常的な
ままであり、かくして、摩擦材料の高い摩擦安定性を示
す。また、図19において見られるように、図17およ
び図18で上記した摩擦材料に対する中点動摩擦係数
は、サイクル数の増大につれて、中点摩擦係数が比較的
定常的なままであったことを示す。トルク曲線の形状
は、本発明の摩擦材料が高速、高エネルギーおよび高温
用途で特に有効であることを示す。摩擦材料の総損失
は、約0.0077インチのみであり、板当たりの損失
は、約0.0039インチであった。摩擦材料は、中程
度の艶出し(glaze)を示し、分離器は、軽くヒートステ
インされる(heatstained)だけであり、かくして、長期
間にわたって安定な高品位の摩擦材料であることを示し
た。
【0114】
【表7】 実施例 14 図20は、従来の摩擦ライニングを含浸する従来のフェ
ノール性基体材料をシリコーン−フェノール性樹脂ブレ
ンド材料(実施例C)を含浸させた本発明の摩擦材料の
1つの実施態様およびフェノール性−エポキシ樹脂材料
(実施例D)を含浸させた本発明のもう1つの実施態様
と比較する高速耐久性試験を示す。本発明の両摩擦材料
とも、従来の摩擦材料よりもより安定な中点摩擦係数を
有した。
【0115】サイクル数が増大するにつれての静摩擦係
数対動摩擦係数(S/D)を比較するために、6,00
0rpmでの高速耐久性試験を行った。図21に見られる
ように、従来のフェノール性含浸摩擦材料を本発明のシ
リコーン−フェノール性含浸摩擦材料(実施例C)およ
び本発明のエポキシ−フェノール性含浸摩擦材料(実施
例E)と比較した。本発明の材料は、従来の材料に優る
静対動摩擦係数比を有する。
【0116】6,000rpmでのサイクル数の増大につ
れての摩擦係数は、各々以下の樹脂を含浸させた本発明
の繊維質基材の3つの試料に対して試験した。0.01
6インチ薄さの繊維質基材にフェノール性−エポキシ含
浸樹脂(実施例D)、0.020インチ厚さの繊維質基
材に含浸させたフェノール性基体樹脂(実施例F)、お
よび、シリコーン−フェノール性樹脂(実施例C)。図
22に見られるように、種々の樹脂を含浸させたこれら
繊維質基材は、従来の摩擦材料と比較して好ましく、従
来の摩擦材料は、本発明の各摩擦材料よりも性能がより
劣った。
【0117】以下のさらなる実施例は、CSF約530
より大、好ましくは、約580〜640、最も好ましく
は、約620〜640を有する少なくとも1つのタイプ
のアラミド繊維を含む繊維質基材が摩擦材料に特に有効
であることの追加の証拠を提供する。このような繊維質
基材は、その他のタイプの繊維質基材に優る改良であ
る。以下の実施例において、種々の比較実施例および種
々の好ましい実施例を記載するが、これらは、本発明の
範囲を何ら限定することを意図するものでない。以下の
各実施例、比較例3、比較例4および実施例G、H、I
およびJは、合成グラファイト約20重量%、珪藻土約
25重量%、木綿繊維約30重量%、および、種々のタ
イプの繊維を含む繊維質基材の配合物であり:比較例3
は、エポキシコーテッドアラミド繊維(1mm長さ)約2
5重量%;比較例4は、エポキシコーテッドアラミド繊
維(3mm長さ)約25重量%;実施例Gは、約25重量
%のアラミド繊維−CSF約540;実施例Hは、約2
5重量%のアラミド繊維−CSF約585;実施例I
は、約25重量%のアラミド繊維−CSF約620〜6
40;実施例Jは、約25重量%のアラミド繊維−CS
F約450〜500;を含む。実施例 15 比較例3、比較例4および実施例G、HおよびIに対す
る平均孔径およびダルシー(Darcy)の透過率を両樹脂飽
和繊維質基材および原料紙(不飽和)に対して以下の表
8に示す。
【0118】平均フロー孔径がより高いことは、摩擦材
料が摩擦材料の多孔質構造を通過する材料の自動伝達流
体流がより良好であるゆえに、伝達においてより有効な
熱放散を有し、界面温度が低くなりやすいことを示唆す
る。伝達システムの操作の間、摩擦材料の表面上の油付
着物は、自動伝達流体の、特に、高温における分解によ
り、経時的に広がりやすい。繊維上の油付着物は、孔の
開口を小さくする。したがって、摩擦材料が最初より大
きな孔で出発する時、摩擦材料の有効寿命の間に残る開
口がより多く存在する。[フィブリル化の少ないアラミ
ド繊維(CSF約620〜640)を含む]実施例Iが
特に望ましい平均孔径を有することを強調しておく。
【0119】
【表8】 実施例 16 以下の表9は、比較例3、比較例4および実施例G、H
およびIに対する圧縮値、圧縮永久歪み値および剪断強
度値を示す。実施例G、HおよびIが許容可能な圧縮
値、圧縮永久歪み値を有すること、および、さらに、剪
断強度が比較例3および4よりはるかに大きいことを特
に強調しておく。
【0120】
【表9】 実施例 17 表10は、比較例に比べて改良された耐熱性を示し、比
較例3および4ならびに実施例G、HおよびIについて
のTMAを示すデータ、示差走査熱量計(DSC)およ
び熱重量分析(TGA)データを含む。
【0121】
【表10】表11は、以下の実施例18〜23に示され
る材料に対する高速耐久性試験5004Cおよび500
4A、ブレーキ特性試験5004D、高エネルギー耐久
性試験5003Aおよび5030C、および、μ−v−
p−t特性試験5010Aに対する試験処理条件の要約
を与える。
【0122】
【表11】実施例 18 以下の表12において、比較例3および4ならびに実施
例G、H、IおよびJに対して高速耐久性を示す。摩擦
材料に、エポキシ改質フェノール性樹脂を約37%含浸
量含浸させた。実施例G、HおよびIの剪断強度は、実
施例Jに匹敵するものであった。歪みを示す圧縮および
圧縮永久歪みは、許容可能な強度と弾性とを示し、これ
は、伝達またはブレーキ内の流体が多孔質構造を介して
迅速に移動できるので、摩擦材料の使用期間中より均一
な熱放散を可能とする。高い弾性は、また、凹凸のライ
ニング摩耗または分離器板の“ホットスポット”をなく
すか最小とするように、摩擦材料上により均一な圧力ま
たは均一な圧力分布を生ずる。
【0123】以下の表13は、摩擦板の状態、分離器板
の状態および各試料の全体にわたる状態を示す高速耐久
性試験を示す。実施例Iのみが軽い艶出しと点蝕とを有
し、全体の状態は、材料損失がなく、フェアー(fair)で
あった。
【0124】以下の表14は、エネルギーレベルA、B
およびCでの摩擦係数、停止時間およびフェード%を示
す高速耐久性試験を示す。比較例4、実施例GおよびJ
は、ブレークアウトを経験し、試験を停止した。実施例
HおよびIの繊維質基材は、高速で十分に性能を発揮し
た。実施例Iの繊維質基材に対して、サイクル数が増大
しても、摩擦係数の“低下(fall off)”が存在しないこ
とに注意することが重要である。
【0125】
【表12】
【表13】
【表14】実施例 19 エポキシ改質フェノール性樹脂を含浸させた比較例3お
よび4、ならびに、実施例G、H、IおよびJに対する
高エネルギー耐久性試験を以下の表15、16および1
7に示す。樹脂含浸量が異なる実施例に対して変動する
ことを強調しておく。表15において、圧縮および圧縮
永久歪みデータは、実施例G、H、IおよびJに対して
許容可能な値を示す。
【0126】表16は、摩擦板の状態、分離器板の状態
および全体の状態を示す。実施例Iが若干の摩耗、艶出
しおよび点蝕を示し、分離器板が少数のホットスポット
またはヒートストレインを有したことを強調して置く。
【0127】以下の表17は、レベルA、BおよびCに
対する摩擦係数、停止時間およびパーセント速度を示
す。理解されるように、本発明の実施例は、比較例材料
よりも常により良好な性能を発揮する。かくして、本発
明の繊維質基材は、比較例材料よりも高速ではるかに良
好な性能を発揮した。実施例Iの繊維質基材に対するサ
イクル数の増大につれて、摩擦係数の低下がないことに
注意することも重要である。また、比較的に定常な摩擦
係数は、摩擦材料が非常に安定であることを示す。
【0128】
【表15】
【表16】
【表17】実施例 20 異なる樹脂と異なる樹脂百分率とを使用して、実施例I
およびJに対して、高エネルギー耐久性試験を行った。
剪断強度が樹脂のタイプによって幾分変化するが、剪断
強度が常に許容可能であることに注意すべきである。圧
縮および圧縮永久歪みデータは、実施例Jに優り、実施
例Iによりより良好な性能を示す。摩擦レベルの係数、
例えば、実施例Iにフェノール性樹脂を含浸させると、
他の試験実施例よりもより良好な結果を示す。ここで
も、表18の実施例Iに対して示されるような“低下(f
all off)”は存在しない。
【0129】
【表18】以下の実施例21〜23において、以下の各
繊維質基材は、合成グラファイト約23重量%、珪藻土
約27重量%、アラミド繊維パルプ約5重量%、およ
び、種々のタイプの繊維:実施例Kは、約45重量%の
アラミド繊維−(CSF580〜640);実施例L
は、約45重量%のアラミド繊維−(CSF約450〜
500);実施例Mは、約45重量%のアラミド繊維−
(CSF約580〜640);実施例Nは、約45重量
%のアラミド繊維−(CSF約450〜500);実施
例Oは、約45重量%のアラミド繊維−(CSF約58
0〜640);を含む配合物である。実施例21 以下の表19に示す実施例KおよびLは、それぞれ、5
0%シリコーンおよび約50%のフェノール性樹脂の樹
脂ブレンドを約48%および46%の含浸量で飽和させ
た。剪断強度および圧縮ならびに圧縮永久歪みのデータ
は、フィブリル化の少ない(CSF580〜640)ア
ラミド繊維を含む実施例Kが実施例Lに匹敵することを
示す。実施例Kに対するTGA、DSCおよびTMAデ
ータは、高い摩擦安定性および良好な耐熱性を示す。
【0130】図23は、実施例Lの孔寸法を示し、他
方、図24は、実施例Kの孔寸法を示す。
【0131】
【表19】 実施例 22 実施例K、L、MおよびNに対する処理法5004Cの
下での高速耐久性試験を以下の表20および21に示
す。摩擦板状態は、中程度〜軽い艶出しのみを示し、分
離器板状態は、フィブリル化の少ないアラミド繊維(C
SF約580〜640)を含有する繊維質基材に対する
中程度のヒートステイン(heat stains)を示した。レベ
ルA、BおよびCに対する摩擦係数は、繊維質基材が一
定の性能を発揮することを示唆する。停止時間およびパ
ーセントフェードは、証拠Lに対してよりも証拠Kに対
して約3〜4倍良好であった。証拠Mに対する停止時間
は、証拠Nに対してよりも少なくとも約4倍良好であ
り、パーセントフェードは、証拠Nに対してよりも証拠
Mに対して2倍よりも多く良好であった。
【0132】
【表20】
【表21】 実施例 23 ブレーキイン特性を実施例K、LおよびOに対して以下
の表22に示す。ブレーキイン特性は、良好な挙動特性
と低摩耗とを示唆する。
【0133】
【表22】 実施例15〜23は、アラミドタイプの繊維のカナデイ
アンスタンダードフリーネスの増大が耐久性の改良され
た繊維質基材を生ずることを示す。さらに、CSF少な
くとも約580〜640、好ましくは、約600〜64
0、最も好ましくは、約620〜640を有するアラミ
ド繊維を含有する繊維質基材は、その他のタイプのアラ
ミド繊維よりもより大きな孔寸法を有する。このような
フィブリル化の少ないアラミド繊維を有する繊維質基材
の高慣性耐久性が改良され、より良好なフェード抵抗性
が存在する。
【0134】本発明のもう1つの態様において、2層の
繊維質基材を含み、適当なフェノール性、エポキシ改質
フェノール性、または、フェノール/シリコーンブレン
ド樹脂を含浸させた摩擦材料は、従来の材料を含有する
摩擦材料よりも、優れた摩擦性能およびより良好なブレ
ーキイン特性を生ずる。繊維質基材は、フィブリル化の
少ないアラミド繊維、合成グラファイト、充填物質、例
えば、珪藻土、および、実施態様によっては、木綿およ
び/またはアラミドパルプならびにその他の任意の成分
からなる第1の層を含む。第2の層は、繊維質基材製造
工程の間の繊維質材料の表面上の炭素粒子付着物を含
む。
【0135】繊維質基材の表面上の炭素粒子の付着は、
保持助剤および/または結合剤、例えば、第1または下
方層に存在するラテックスタイプの材料の適量を使用す
ることによって改良することができる。
【0136】繊維質基材表面上の炭素粒子層の均一性
は、また、好ましくは、約0.5〜約80μmである炭
素粒子の範囲および寸法を使用して改良することもでき
る。しかし、炭素粒子のその他の寸法も、本発明の繊維
質基材上の第2の層として有効であると考えられる。
【0137】本発明の炭素コーテッド繊維質基材12を
使用する摩擦材料10を製造するための1つの好ましい
実施態様を図42に示す。繊維質基材12は、上方また
は頂部表面16と下方または底部表面18とを有する下
方層14を含む。好ましい実施態様においては、下方層
14は、フィブリル化の少ないアラミド繊維、合成グラ
ファイト、充填物質、場合によっては、木綿および/ま
たはアラミドパルプを含む。下方層14が湿潤している
間、炭素粒子20は、湿潤下方層14の頂部表面16上
に付着する。実施態様によっては、下方層14は、さら
に、下方湿潤層14中に存在する結合剤材料によって炭
素粒子が湿潤層14に接着されるように、少なくとも1
つのタイプの結合剤材料の適量を含む。適当な結合剤材
料としては、例えば、ラテックスタイプの結合剤材料お
よび/またはpH4.5以下を有する明礬基体材料が挙
げられる。
【0138】もう1つの実施態様において、炭素粒子2
0が層14の対向底部表面18上に付着する前に、低減
圧手段30または湿潤層14の下方側を使用することも
有効である。
【0139】好ましい実施態様において、炭素粒子の量
は、摩擦紙の、約0.2〜約20重量%、実施態様によ
っては、約15〜約5重量%、および、他の実施態様に
おいては、約2〜約20重量%の範囲である。好ましい
実施態様においては、第1の層表面上の炭素粒子の被覆
面積は、表面積の約3〜約90%の範囲である。
【0140】非アスベスト摩擦材料を製造するための好
ましい方法は、フィブリル化の少ないアラミド繊維を合
成グラファイトおよび少なくとも1種の充填剤と混合し
て、繊維質基材を形成することを含む。繊維質基材の少
なくとも1つの表面は、炭素粒子でコーテッドされる。
その上にコーテッド炭素粒子を有する繊維質基材に、少
なくとも1種のフェノール性または改質フェノール性樹
脂を含浸させる。含浸、コーテッドされた繊維質基材
は、予め決められた温度で予め決められた時間硬化させ
る。
【0141】もう1つの実施態様においては、1993年9
月23日に出願された継続特許出願出願番号No. 08/126,0
00に開示されているように、フェノール性樹脂は、シリ
コーン樹脂と混合して、繊維質基材に含浸させる。この
特許出願の内容は、全て、本明細書で、参考のために引
用する。
【0142】高いカナデイアンフリーネスと炭素粒子の
層と相俟って繊維長さが長い程、高耐久性、良好な耐摩
耗性および改良ブレーキイン特性を生ずる摩擦材料を提
供することができることが判明した。以下の実施例に見
られるように、初期工程において炭素付着物層を有する
摩擦材料の摩擦係数の変動は、炭素付着物を有しない摩
擦材料よりもはるかに少ない。
【0143】表23は、以下の実施例24〜28に示す
材料に対する、ブレーキイン特性試験5004DN、高
速耐久性試験5004CN、高エネルギー耐久性試験5
030CNおよびμ−v−p−t特性試験491N−4
94Nに対する試験処理条件の要約を与える。
【0144】
【表23】実施例 24 重量パーセントによる以下の繊維質基材は、以下の実施
例において使用される。
【0145】実施例Pは、約45%のフィブリル化され
たアラミド繊維(CSF約450〜500)、約10%
の合成グラファイト、約40%の珪藻土、および、場合
によっては、約5%の任意の充填剤、例えば、アラミド
パルプからなる第1の層と、約3〜5%の炭素粒子から
なる第2の層とを含む2層繊維質基材である。実施態様
によっては、炭素粒子を繊維質基材の表面上に接着する
のを補助する保持助剤を使用することが望ましい。
【0146】実施例Qは、約45%のフィブリル化され
たアラミド繊維(CSF約450〜500)、約23%
の合成グラファイト、約27%の珪藻土、および、場合
によっては、約5%の任意の充填剤、例えば、アラミド
パルプからなる第1の層と、約3〜5%の炭素粒子から
なる第2の層とを含む2層繊維質基材である。
【0147】実施例Rは、約25%のフィブリル化の少
ないアラミド繊維(CSF約450〜500)、約45
%の炭素粒子および約30%の木綿繊維からなる第1の
層と、約20%の炭素粒子からなる第2の層とを含む2
層繊維質基材である。実施態様によっては、炭素粒子を
繊維質基材の表面に接着するのを補助するために約20
%以下の明礬をpH4.5にするための保持助剤を使用
することが望ましい。
【0148】以下の表24は、実施例P、QおよびRに
示した各繊維質基材に対するフェノール性樹脂を使用す
るブレーキイン試験の結果を示し、各繊維質基材に対す
るパーセント樹脂含浸量は、示した通りである。
【0149】以下の表25は、シリコーン樹脂Bで飽和
された実施例P、QおよびRに対する繊維質基材につい
てのブレーキイン特性を示し、各繊維質基材は、示した
通りのパーセント樹脂含浸量を有する。
【0150】
【表24】
【表25】 フェノール性樹脂および非フェノール性樹脂で飽和させ
た高炭素粒子付着物繊維質基材(実施例R)に対して
は、摩擦値の動係数および停止時間は、200サイクル
の試験後、変化がなかったことを強調しておく。
【0151】繊維質基材(実施例PおよびQ)上に低百
分率の炭素粒子含量を有する紙に対しては、シリコーン
樹脂が摩擦値の動係数を20サイクル以内に安定化する
補助をする。データとしては示さなかったが、安定化す
るために、フェノール性/シリコーン樹脂に対しては6
0サイクル、フェノール性樹脂に対しては約80サイク
ル、安定化するために、フェノール性樹脂システムに対
しては100サイクルかかった。
【0152】停止時間は、純粋なシリコーン樹脂に対し
ては20サイクル後一定となり、他方、シリコーンブレ
ンドに対しては一定の停止時間に到達するために80サ
イクルかかった(データ示さず)。表24に示したフェ
ノール性樹脂の実施例は、停止時間のレベルまでに約1
00サイクルを要した。
【0153】実施態様によっては、ブレーキイン挙動
は、繊維質基材の表面上の炭素被覆度合いおよび第1の
層の配合物の組成に依存する(種々の実施態様におい
て、樹脂のタイプもブレーキイン挙動を制御するのに関
係する場合がある)。実施例 25 重量パーセントによる以下の繊維質基材は、以下の実施
例において使用される。各実施例は、約20%のフィブ
リル化の少ないアラミド繊維(CSF約580〜64
0)、約20%の合成グラファイト、約20%の珪藻
土、約35%の木綿繊維、および、場合によっては、約
2%のラテックスを含む。以下の各実施例に対する第2
の層は、種々の重量パーセントの炭素粒子を含んでい
た。
【0154】実施例S−0%炭素粒子;実施例T−5%
炭素粒子;実施例U−10%炭素粒子;実施例V−15
%炭素粒子;および、実施例W−20%炭素粒子。
【0155】表26は、フェノール性樹脂で飽和し、3
50°Fで30分間硬化された実施例S、T、U、Vお
よびWに対するブレーキイン試験データを与える。中
点、初期、最終の摩擦係数についての摩擦係数を示す。
また、停止時間も示す。表27は、また、パーセント面
積としての表面炭素被覆および飽和紙孔寸法ならびに液
体透過率を示す。平均フロー孔径がより高いと、摩擦材
料の多孔質構造からの自動伝達流体流のより良好な流出
により、それらの伝達においてより有効に放散されるに
ので、摩擦材料がより低い界面温度を有しやすい。した
がって、摩擦材料が最初により大きな孔で出発する時、
摩擦材料の有効寿命の間により多くの開口が残る。
【0156】
【表26】表27は、実施例T、U、VおよびWに対す
る剪断強度を示す。剪断強度が高い程、摩擦材料は、よ
り良好な機械的強度を有し、これは、摩擦ライニングを
剪断するためにより高い圧力を必要とすることを意味す
る。
【0157】本発明の摩擦材料に対する剪断強度は、従
来の材料に対する強度よりも大きい。フィブリル化の少
ない繊維の使用および得られる摩擦材料の多孔質構造
は、摩擦材料の耐熱性を増大する。繊維のジオメトリー
は、耐熱性を増大するのみならず、離層抵抗性およびス
キール抵抗性を付与する。また、合成グラファイト粒子
と少なくとも1種の充填物質の存在は、耐熱性を増大
し、定常的な摩擦係数を維持し、スキール抵抗性を増大
するのを補助する。また、本発明の摩擦材料に対する平
均孔寸法は、径約0.5μm〜約120μmの範囲であ
り、実施態様によっては、好ましい実施態様で、約6μ
m〜約50μmの範囲である。
【0158】表27は、また、圧縮/緩和の検討も示
す。これら試験は、一連の異なる圧力を通して試料を繰
り返しプレスし、試料を取り出すことによって生ずる紙
キャリバーに及ぼす効果を報告する。これらの読みは、
加工の間の硬化または圧縮に対する内部抵抗性の指標を
与える。実施例は、摩擦材料の使用の間、より均一な熱
放散を可能とする良好な弾性を示す。なぜならば、伝達
またはブレーキ中の流体は、多孔質構造を介して迅速に
移動することができるからである。さらに、弾性の増大
は、摩擦材料により均一な圧力または均一な圧力分布を
与え、不均一なライニング摩耗または分離器板の“ホッ
トスポット”はなくなるか最小となる。
【0159】
【表27】 さて、図25〜図30を参照すると、分離器板の表面断
面が示されている。図25は、表面粗さ約Ra6.0μ
インチを有する新しい分離器板を示す。
【0160】図26は、試験される炭素材料0%を有
し、Ra約7.6μインチを有する実施例Sを示す。
【0161】図27は、試験される炭素材料約5%を有
し、Ra約6.0μインチを有する実施例Tを示す。
【0162】図28は、炭素材料約10%を有し、Ra
約5.6μインチを有する実施例Uを示す。
【0163】図29は、炭素材料約15%を有し、Ra
約11.5μインチを有し、その上に示された傷あとを
有する実施例Vを示す。
【0164】図30は、炭素材料約20%を有し、Ra
約11.7μインチを有し、その上に示した2つの傷あ
とを有する実施例Wを示す。
【0165】表28は、試験前と試験後の実施例S、
T、U、VおよびWに対する炭素の面積パーセントを示
す。
【0166】
【表28】 表26、表27および図25〜図30における上記デー
タは、ブレーキイン挙動に対して試験する表面上の炭素
の種々の被覆百分率を有する一連の繊維質基材を示す。
5重量%および10重量%の炭素被覆を有する実施例T
およびUが0重量%の炭素被覆を有する実施例Sよりも
より良好なブレーキイン挙動を有することに注意するべ
きである。実施例TおよびUとも、サイクル200で、
実施例Sと同一の中点動摩擦係数を有する。
【0167】実施例Wは、約20%の炭素被覆を有し、
動係数の大きな降下と、サイクル200で0%炭素被覆
を有する実施例Sよりもより低い動摩擦係数を有した。
【0168】摩擦係数の動的変化の百分率と表面炭素被
覆(面積%)との間に相関があることに注意すべきであ
る。パーセント停止時間変化と表面炭素被覆(面積%)
との間にも相関がある。これらの相関は、図31および
図32に示す。実施例 26 実施例26は、長期間の耐久性試験における繊維質基材
上の炭素被覆の効果を示す。実施例Xは、約25%のア
ラミド繊維(CSF約450〜500)、約30%の木
綿繊維、約20%の合成グラファイトおよび約25%の
珪藻土を含む。
【0169】実施例Yは、約25%のアラミド繊維(C
SF約580〜640),20〜30%の木綿繊維、約
20〜25%の合成グラファイトおよび約20〜25%
の珪藻土を含む。上記した実施例Tおよび実施例Zは、
約40〜50%のアラミド繊維(CSF約450〜50
0)、約20〜25%の合成グラファイト、約25〜3
0%の珪藻土、および、場合によっては、約0〜7%の
アラミドパルプを含む。
【0170】実施例T樹脂は、非常に良好なブレーキイ
ン挙動と非常に良好な高速耐久性とを有する。実施例Y
も、また、たとえ実施例YおよびXが炭素粒子を有せず
とも、実施例Xよりより良好な耐久性を有した。
【0171】図33は、実施例X、TおよびYに対する
摩擦変化の初期係数を示す。図34は、実施例X、Tお
よびYに対する初期停止時間の変化を示す。実施例 27 処理法5030CNに従う高エネルギー耐久性試験を図
35に示す。
【0172】図35は、実施例T、ZおよびAAに対す
る停止時間フェードを示す。実施例Tは、ほとんど4,
000サイクルで停止時間フェードを有し、他方、実施
例AAは、2,500サイクルより大の停止時間フェー
ドを有し、停止時間が約1.05秒未満であったことを
強調しておく。実施例Tにおいては、それが高い慣性耐
久性を示すこの5030CN処理法の下で試験した全て
の材料について最良の耐久性を有することが分かる。実
施例Tは、炭素付着材料である(5%炭素付着)。実施
例AAおよびZは、炭素付着材料がない(0%炭素付
着)。実施例 28 以下の表29において分かるように、約5%の炭素粒子
第2の層を有する実施例Tは、実施例XおよびYと比較
して、良好な摩擦挙動、例えば、良好な曲線形状等級お
よび良好な摩擦係数を示す。
【0173】図36、図37および図38は、レベル
A、B、CおよびDに対して炭素付着物を含有しない実
施例Xに対する曲線形状の摩擦係数を示し、初期、中点
および最終の摩擦係数を示す。
【0174】図39、図40および図41は、フィブリ
ル化の少ないアラミド繊維(CSF約580〜640)
および約5%の第2の層を有する繊維質基材を含む実施
例Tに対する曲線形状を示す。実施例Tは、フェノール
性樹脂を約35%〜40%含浸量で含浸されている。図
39、図40および図41は、レベルA、B、Cおよび
Dに対する初期、中点および最終摩擦係数を示す。
【0175】図36〜41は、実施例Tが良好な曲線形
状等級と良好な摩擦係数とを有することを示す。炭素付
着物の第2の層を有する繊維質基材は、より高い熱伝導
率、より大きな孔寸法および第1の層のより大きな液体
透過率により、より高い摩擦耐久性を有する。
【0176】
【表29】 本発明は、クラッチ板、伝達バンド、ブレーキシュー、
シンクロナイザーリング、摩擦デイスクまたはシステム
プレートに使用される高エネルギー摩擦材料として有用
である。
【0177】本発明の好ましい実施態様および変形例の
上記記載は、本発明を例示するためのものであり、特許
請求の範囲に記載した範囲および内容について何ら制限
することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、シリコーン−フェノール性樹ブレン
ドを含浸させた繊維質基材の走査電子顕微鏡写真であり
(実施例C)、図1Bは、フェノール性樹脂ブレンドを
含浸させた従来の繊維質基材の走査電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】フェノール性樹脂を含浸させた繊維質基材(実
施例A)またはシリコーン−フェノール性樹脂ブレンド
を含浸させた繊維質基材(実施例B)の重量%変化と上
昇温度との間の相関を示す熱重量分析(TGA)グラフ
である。
【図3】図2に示した実施例Aの残渣についての温度上
昇、誘導体重量の変化(%/℃)および量ならびにパー
セントに伴う重量損失の%を示すTGAグラフである。
【図4】図2に示した実施例Bの残渣についての温度上
昇、誘導体重量の変化および量ならびにパーセントに伴
う重量損失の%を示すTGAグラフである。
【図5】シリコーン−フェノール性樹脂ブレンドを含浸
させた繊維質基材(実施例C)および種々のエポキシ−
フェノール性樹脂を含浸させた繊維質基材(実施例D
は、0.016インチ薄さのライニングであり、実施例
Fは、0.020インチ厚さのライニングである)と比
較した、ブタジエンフェノール性樹脂を含浸させた従来
の材料(従来例−1)に対するサイクル数の増大につれ
ての停止時間(秒)を示すグラフである。
【図6】実施例C、DおよびF材料と比較した、従来例
−1に対するサイクル数の増大につれての摩擦性能の静
的係数対動的係数の比を示すグラフである。
【図7】実施例C、DおよびF材料と比較した、従来例
−1に対するサイクル数の増大につれての摩擦性能の動
的係数を示すグラフである。
【図8】実施例B、Dおよび種々のエポキシ−フェノー
ル樹脂を含浸させた繊維質基材(実施例E)と比較し
た、従来例−1の材料に対するサイクル数の増大につれ
ての摩擦性能の動的中点係数を示すグラフである。
【図9】実施例B、DおよびEと比較した、従来例−1
の材料に対するサイクル数の増大につれての停止時間性
能を示すグラフである。
【図10】エポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材(実施例D)と比較した、フェノール性樹脂を
含浸させた従来の材料(従来例−1)に対する高エネル
ギー摩擦試験サイクルを示すグラフである。
【図11】エポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材摩擦材料(実施例D)および従来例−1材料な
らびにフェノール性樹脂を含浸させた従来の摩擦材料
(従来例−2)に対するサイクル数の増大につれての動
摩擦係数を示す、7,000rpm、0.3LPMオイル
フロー1.5kg-cm-秒2慣性での高速耐久性を示すグラ
フである。
【図12】実施例Dおよび2つの従来材料、従来例−1
および従来例−2に対するサイクル数の増大につれての
動摩擦係数を示す、3,600rpm、8.0kg/cm2ライ
ニング圧力、5.0kg-cm-秒2慣性での高エネルギー耐
久性を示すグラフである。
【図13】実施例Dおよび2つの従来の摩擦材料、従来
例−1および従来例−2に対する4−3ダウンシフト係
止間のシフト時間(秒)を示す、エンジンダイナモメー
タ4−3ダウンシフト耐久性試験、2,000ccIG/FE
エンジン、5,800rpmを示すグラフである。
【図14】エポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材(実施例E)と従来の材料(従来例−2)とに
対する剪断強度(psi)を比較するグラフである。
【図15】エポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材(実施例E)と従来の材料(従来例−2)とに
対する孔寸法(ミクロン)を示すグラフである。
【図16】エポキシ−フェノール性樹脂を含浸させた繊
維質基材(実施例E)と従来の材料(従来例−2)とに
対する液体透過率(cm2×10-3)を比較するグラフであ
る。
【図17】500サイクルに対する界面温度約695°
Fでの実施例Eに対する速度、トルク、温度および印加
圧力を示すグラフである。
【図18】10,500サイクルに対する界面温度約8
96°Fでの実施例Eに対する速度、トルク、温度およ
び印加圧力を示すグラフである。
【図19】サイクル数の増大につれての実施例Eに対す
る中点動的摩擦係数を示すグラフである。
【図20】従来例−1材料と比較した、実施例Cおよび
Eに対するサイクル数の増大につれての中点摩擦係数を
示す高速耐久性を示すグラフである。
【図21】従来例−1材料と比較した、実施例Cおよび
Eに対するサイクル数の増大につれての静摩擦係数対動
摩擦係数の比を示す、Exxon 1975液体を使用する、6,
000rpmでの高速耐久性を示すグラフである。
【図22】従来例−1材料と比較した、実施例C、Dお
よびFに対するサイクル数の増大につれての摩擦係数を
示す、自動伝達流体JWS2318Kを使用する、6,000rp
mでの高速耐久性試験を示すグラフである。
【図23】フィブリル化の少ないアラミド繊維(CSF
約450〜500)約45%、合成グラファイト約23
%、珪藻土約27%およびアラミド繊維パルプ約5%を
含む繊維質基材(実施例L)の走査電子顕微鏡写真であ
る。
【図24】フィブリル化の少ないアラミド繊維(CSF
約580〜640)約45%、合成グラファイト約23
%、珪藻土約27%およびアラミド繊維パルプ約5%を
含む繊維質基材(実施例K)の走査電子顕微鏡写真であ
る。
【図25】第2の層として炭素を有しない新規な分離器
板断面図である。
【図26】第2の層として炭素を有しない実施例Sに対
する分離器板表面断面図である。
【図27】炭素約5%を含む第2の層を有する実施例T
に対する分離器板断面表面図である。
【図28】炭素材料約10%を含む第2の層を有する実
施例Uに対する分離器板断面図である。
【図29】炭素材料約15%を含む第2の層を有する実
施例Vに対する分離器板表面断面図である。
【図30】炭素材料約20%を含む第2の層を有する実
施例Wに対する分離器板表面断面図である。
【図31】それぞれ、実施例S、T、U、VおよびWに
対する停止時間変化のパーセント対表面炭素被覆(面積
%)を示すグラフである。
【図32】実施例S、T、U、VおよびWに対するμd
変化のパーセント対表面炭素被覆(面積%)を示すグラ
フである。
【図33】実施例X、TおよびYに対するサイクル数の
増大につれての摩擦変化の初期係数を示すグラフであ
る。
【図34】実施例X、TおよびYに対する初期停止時間
(秒)対サイクルを示すグラフである。
【図35】実施例Z、TおよびAAに対するサイクル数
千に対する停止時間を示す高エネルギー耐久性を示すグ
ラフである。
【図36】70サイクルのレベルBでフェノール性樹脂
を35%〜40%含浸量含浸させた実施例Xに対する曲
線形状を示すグラフである。
【図37】95サイクルのレベルCでフェノール性樹脂
を35%〜40%含浸量含浸させた実施例Xに対する曲
線形状を示すグラフである。
【図38】初期、中点および最終摩擦係数を示す実施例
Xに対するレベルA、B、CおよびDに対する動摩擦係
数を示すグラフである。
【図39】70サイクルレベルBでフェノール性樹脂を
35%〜40%含浸量含浸させた実施例Tに対する曲線
形状を示すグラフである。
【図40】95サイクルレベルCでフェノール性樹脂を
35%〜40%含浸量含浸させた実施例Tに対する曲線
形状を示すグラフである。
【図41】初期、中点および最終摩擦係数を示す実施例
Tに対するレベルA、B、CおよびDに対する動摩擦係
数を示すグラフである。
【図42】本発明に従い摩擦材料を製造するための1つ
の方法を示す概略図である。
【符号の説明】
10 摩擦材料 12 繊維質基材 14 下方層 16 上方または頂部層 18 下方または底部表面 20 炭素粒子 30 低減圧手段
【表6】
【表6】
【表10】
【表10】
【表11】
【表11】
【表14】
【表14】
【表17】
【表17】
【表18】
【表18】
【表23】
【表23】
【表26】
【表26】
【表26】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRY C08L 83/04 LRY D04H 1/42 D04H 1/42 S D06M 11/73 D06M 15/37 15/37 11/00 Z (72)発明者 ロバート・チ−チュ・ラム アメリカ合衆国イリノイ州60106,ベンセ ンヴィル,イースト・ジョージ・ストリー ト 120,ナンバー 419 (72)発明者 マーク・エイ・イエスニク アメリカ合衆国イリノイ州60137,グレ ン・エリン,エッジウッド・コート 220, ウエスト 23 (72)発明者 イー−ファン・チェン アメリカ合衆国イリノイ州60532,ライル, インズブルック・コート 6701

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非アスベスト摩擦材料に使用する繊維質
    基材であって、カナデイアンスタンダードフリーネス
    (CSF)指数で少なくとも約450のフリーネスを有
    する複数のフィブリル化の少ないアラミド繊維;合成グ
    ラファイト;および、少なくとも1種の充填物質を含
    み、フィブリル化の少ないアラミド繊維および合成グラ
    ファイトが、摩擦材料に高い耐熱性と実質的に均一な摩
    擦係数とを付与するのに十分な量存在する繊維質基材。
  2. 【請求項2】 フィブリル化の少ないアラミド繊維が、
    カナデイアンスタンダードフリーネス指数でフリーネス
    約580〜640を有する、請求項1に記載の繊維質基
    材。
  3. 【請求項3】 合成グラファイトが、温度約2,800
    〜3,000℃の黒鉛化によって製造され、寸法範囲約
    20〜約50ミクロン径を有する、請求項1に記載の繊
    維質基材。
  4. 【請求項4】 フィブリル化の少ないアラミド繊維が、
    平均繊維長さ0.5mm〜6mmの範囲を有する、請求項1
    に記載の繊維質基材。
  5. 【請求項5】 フィブリル化の少ないアラミド繊維約1
    0〜約50重量%、合成グラファイト約10〜約35重
    量%;および、充填物質約20〜約45重量%を含む、
    請求項1に記載の繊維質基材。
  6. 【請求項6】 フィブリル化の少ないアラミド繊維約2
    0〜約30重量%、合成グラファイト約10〜約35重
    量%、充填剤約20〜約30重量%および木綿繊維約0
    〜約40重量%を含む、請求項1に記載の繊維質基材。
  7. 【請求項7】 繊維質基材が、木綿繊維約20%〜約4
    0%を含む、請求項1に記載の摩擦材料。
  8. 【請求項8】 フェノール性樹脂または改質フェノール
    性樹脂を含浸させた請求項1に記載の繊維質基材を含む
    非アスベスト摩擦材料。
  9. 【請求項9】 フェノール性樹脂およびシリコーン樹脂
    の混合物を含浸させた請求項1に記載の繊維質基材を含
    み、混合物中のシリコーン樹脂の量が、混合物の重量基
    準で、ほぼ5〜ほぼ80重量%の範囲であり、摩擦材料
    が、高い耐熱性と実質的に均一な摩擦係数とを示す非ア
    スベスト摩擦材料。
  10. 【請求項10】 フェノール性樹脂が溶剤物質中に存在
    し、シリコーン樹脂がフェノール性樹脂の溶剤物質と相
    溶性である溶剤物質中に存在する、請求項9に記載の摩
    擦材料。
  11. 【請求項11】 さらに、繊維質基材の少なくとも1つ
    の表面上に炭素粒子を含む第2の層を含む、請求項1に
    記載の繊維質基材。
  12. 【請求項12】 第2の層が、繊維質基材の重量基準
    で、炭素粒子約0.2重量%〜約20重量%を含む、請
    求項11に記載の繊維質基材。
  13. 【請求項13】 第2の層が、繊維質基材の重量基準
    で、炭素粒子約5重量%〜約15重量%を含む、請求項
    11に記載の繊維質基材。
  14. 【請求項14】 さらに、炭素粒子約0.2重量%〜約
    20重量%で繊維質基材の少なくとも1つの表面上に炭
    素粒子を含む第2の層を含む、請求項5に記載の繊維質
    基材。
  15. 【請求項15】 フィブリル化の少ないアラミド繊維約
    20〜約30重量%;合成グラファイト約15〜約35
    重量%;充填剤約20〜約30重量%;炭素繊維約0〜
    約40重量%;および、炭素粒子約2〜約20重量%を
    含む、請求項14に記載の繊維質基材。
  16. 【請求項16】 炭素粒子の寸法が、約0.5〜約12
    0ミクロンの範囲である、請求項11に記載の摩擦材
    料。
  17. 【請求項17】 第1の層上の炭素粒子が、第1の層の
    表面積の約3〜約90%を占める、請求項11に記載の
    摩擦材料。
  18. 【請求項18】 非アスベスト摩擦材料を製造するため
    の方法であって、カナデイアンスタンダードフリーネス
    (CSF)指数で少なくとも約450のフリーネスを有
    するフィブリル化の少ないアラミド繊維を合成グラファ
    イトおよび少なくとも1種の充填剤と混合して、繊維質
    基材を形成し、繊維質基材に少なくとも1種のフェノー
    ル性樹脂または改質フェノール性樹脂を含浸させ、しか
    る後、含浸させた繊維質基材を予め決められた温度で予
    め決められた時間硬化させることを含む方法。
  19. 【請求項19】 非アスベスト摩擦材料を製造するため
    の方法であって、フェノール性樹脂をシリコーン樹脂と
    混合し、請求項1に記載の繊維質基材にシリコーン−フ
    ェノール性樹脂混合物を含浸させ、しかる後、含浸させ
    た繊維質基材を加熱して、フェノール性樹脂およびシリ
    コーン樹脂を硬化させることを含む方法。
  20. 【請求項20】 非アスベスト摩擦材料を製造するため
    の方法であって、フィブリル化の少ないアラミド繊維を
    合成グラファイトおよび少なくとも1種の充填剤と混合
    させて、繊維質基材を形成し、繊維質基材の少なくとも
    1つの表面を炭素粒子でコーテッドし、繊維質基材に少
    なくとも1種のフェノール性樹脂または改質フェノール
    性樹脂を含浸させ、しかる後、含浸させた繊維質基材を
    予め決められた温度で予め決められた時間硬化させるこ
    とを含む方法。
  21. 【請求項21】 非アスベスト摩擦材料を製造するため
    の方法であって、フェノール性樹脂をシリコーン樹脂と
    混合し、請求項11に記載の繊維質基材にシリコーン−
    フェノール性樹脂混合物を含浸させ、しかる後、含浸さ
    せた繊維質基材を加熱して、フェノール性樹脂およびシ
    リコーン樹脂を硬化させることを含む方法。
  22. 【請求項22】 非アスベスト摩擦材料を製造するため
    の方法であって、繊維質基材の少なくとも1つの表面を
    炭素粒子でコーテッドし、繊維質基材に少なくとも1種
    のフェノール性樹脂または改質フェノール性樹脂を含浸
    させ、しかる後、含浸させた繊維質基材を予め決められ
    た温度で予め決められた時間硬化させることを含む方
    法。
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