JP2000037804A - 高性能2プライ摩擦材料 - Google Patents

高性能2プライ摩擦材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能2プライ摩擦材料を提供すること。 【解決手段】 本発明は、高温耐性と高強度特性とを
有するより多孔質でない二次層22に接合した、弾性と
吸油特性とを有するより多孔質の一次層12を含む2プ
ライ繊維質基材24に関する。本2プライ繊維質基材2
4は、これに適切な樹脂を含浸させると、良好な摩擦及
び摩耗特性を示す摩擦材料となり、高エネルギー最終用
途において特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高性能2プライ繊
維質基材に関する。本繊維質ベースは、湿式製紙工程の
最中に接合する一次層と二次層とを有する。本2プライ
繊維質基材は、摩擦材料用途において有用である。
【0002】本発明の2プライ摩擦材料は、向上した機
械的強度、熱伝導性、動摩擦、及び耐摩耗性の特性を有
する。本発明の2プライ摩擦材料は、従来の1プライ摩
擦材料よりも高い耐久性を有し、かつ製造費用がよりか
からない。
【0003】
【従来の技術】新しくかつ先進のトランスミッションシ
ステム及びブレーキシステムが、自動車業界により開発
されつつある。こうした新システムはしばしば、高エネ
ルギー要件を伴う。従って、摩擦材料技術も開発するこ
とで、こうした先進システムのますます増大しつつある
エネルギー要件を満たさなければならない。
【0004】特に、新しい高エネルギータイプ摩擦材料
が必要である。新しい高エネルギー摩擦材料は、表面速
度が約65m/秒にまでなるような高速度に耐えること
ができなければならない。また摩擦材料は、約1500
psiまでの高フェーシングライニング圧力に耐えること
ができなければならない。また摩擦材料は、限定された
潤滑条件下で有用であることも重要である。
【0005】先進のトランスミッション及びブレーキシ
ステムにおいて有用であるためには、摩擦材料は、耐久
性がありかつ高い耐熱性を有さなければならない。摩擦
材料は、高温で安定であり続けなければならないのみな
らず、優れた熱伝導性を有さなければならず、すなわ
ち、摩擦材料はまた、運転時に発生する高熱を迅速に放
散できなければならない。
【0006】新しいトランスミッションシステム及びブ
レーキシステムの係合及び切り離しの最中に高速度が生
じているということは、摩擦材料は、係合の間じゅう終
始比較的一定の摩擦を維持できなければならないことを
意味する。摩擦係合は、広範囲の速度と温度とにわたっ
て比較的一定であり、それにより一つのギヤから別のギ
ヤへのパワーシフトの最中のブレーキ及びトランスミッ
ションシステムの材料の「シャダリング」を最小にする
ことが重要である。
【0007】以前には、温度安定性のためにアスベスト
繊維を摩擦材料中に含ませていた。例えば、Arledter e
t al.の米国特許第3,270,846号特許は、アスベストと共
に使用するフェノール樹脂及びフェノール変性樹脂類を
説明している。しかしながら現在、健康及び環境の問題
が原因となって、アスベストはもはや使用されていな
い。より最近の摩擦材料においては、含浸用の紙または
繊維材料にフェノール樹脂またはフェノール変性樹脂類
を用いて修正することで、摩擦材料中にアスベストの無
いことを克服ようと試みてきた。しかしながらこうした
摩擦材料は、発生した高熱を迅速に放散せず、かつ、現
在開発中の高速度システム中に使用するために現在必要
とされる、必要な耐熱性と満足の行く高摩擦係数性能と
を有していない。
【0008】摩擦材料はしばしば、「湿式」用途におい
て使用されており、そこでは、摩擦材料は使用最中に、
ブレーキ液または自動変速機油のような液体で「湿らせ
る」かまたは含浸されている。「湿式」摩擦材料の使用
最中に、流体は最終的には摩擦材料から絞り出されるか
または摩擦材料を含浸している。湿式摩擦材料は、その
組成と物理的特性との両方において、「乾式」摩擦材料
とは非常に異なる。
【0009】摩擦材料が「湿式」用途において有用であ
るために、摩擦材料は広く様々な許容できる特性を有さ
なければならない。摩擦材料は、レジリエントなまたは
弾性があり、しかもなお、圧縮永久歪み、摩耗及び応力
に対する耐性がなければならず;高い耐熱性を有し、ま
た熱を速やかに放散できなければならず;及び長く持続
し、安定で、むらのない摩擦性能を有さなければならな
い。こうした特性のいずれかが実現されない場合、摩擦
材料の最適性能は実現されない。
【0010】従って、適切な摩擦ライニングまたは繊維
質基材を使用して、高エネルギー用途の摩擦材料を形成
することも重要である。摩擦材料は、含浸最中に湿式樹
脂で飽和した時と、使用最中にブレーキ液またはトラン
スミッションオイルで飽和した時との両方において、良
好なせん断強度を有さなければならない。
【0011】また特定の用途の下では、使用中に高い流
体浸透容量が存在するような高い多孔性を摩擦材料が有
することも重要である。従って摩擦材料は、多孔質であ
るのみならず、圧縮可能でもなければならないことは重
要である。摩擦材料中に浸透した流体は、ブレーキまた
はトランスミッションの動作最中に加えられる圧力下で
速やかに摩擦材料から絞り出されるかまたは放出できな
ければならず、しかもなお、ライニング材料はつぶれて
はならない。また、摩擦材料は高い熱伝導性を有して、
ブレーキまたはトランスミッションの動作最中に発生し
た熱を迅速に放散するのを助けることも重要である。
【0012】こうした要求の厳しい特性を満たす摩擦材
料はしばしば、アラミド型繊維類を有する繊維質基材を
含む。しかしながら、繊維質基材中に使用されるこうし
た繊維類及び他の諸成分は高価であり、摩擦材料のコス
トを増大させてしまう。
【0013】周知の限りでは、高エネルギー用途におい
て有用な十分な強度を有するような2プライすなわち層
の繊維質基材を含み、トランスミッションシステムにお
いて使用するための、摩擦材料の開示はない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、従来技術のものと比較して信頼性がありかつ改良さ
れた特性を有する、改良された摩擦材料を提供すること
にある。
【0015】本発明のさらなる目的は、高い熱伝導性、
多孔性及び強度を有する摩擦材料を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】より良好な摩擦材料が必
要であることを考慮して広範な研究を行った結果、改良
された特性を有する摩擦材料が今回開発された。
【0017】上記に検討した要件を実現するために、動
作最中に生じる条件と同様の条件下で、多くの材料を、
摩擦と耐熱性特性とに関して評価した。市販のブレーキ
ライニングとトランスミッション材料との両方を調査し
て、高エネルギー用途での使用には適していないことが
判明した。本発明は、ブレーキ及びクラッチ用途におい
て特に有用である。一つの態様においては、本発明は、
2プライすなわち層の材料を含む繊維質基材を提供す
る。
【0018】本2プライ繊維質基材は、一次層又は下層
(一次層すなわち下層)と、第1の層に隣接する二次層
又は上層(二次層すなわち上層)とを含む。二次層は、
高温、高エネルギー及び低圧縮永久歪みの配合物を有す
る。二次層は、高温耐性で高強度の繊維及び摩擦紙形成
材料、例えばアラミド繊維、炭素繊維、綿または他のセ
ルロース繊維、充填材及び/またはフェノール繊維また
はノボロイド繊維、及び特定の実施例においては、炭素
粒子及び/または黒鉛粒子を含む。第1の層は、第2の
層よりもより弾性がありかつより吸油性がある。一次層
は非常に多孔質であり、非線形弾性があり、低い圧縮永
久歪みを有する。一次層は、非線形弾性繊維、例えばア
ラミドパルプ及び/または繊維、綿繊維、及び充填材、
及び特定の実施例においては、炭素粒子及び/または黒
鉛粒子を含む。
【0019】本発明の別の態様は、摩擦材料を形成する
ために少なくとも一種類の適切な樹脂を含浸させた2プ
ライ繊維質基材に関する。本2プライ摩擦材料は、クラ
ッチ摩擦板、バンド、シンクロナイザーリング及び関連
トランスミッション摩擦製品のための摩擦材料に特に有
用である。
【0020】本繊維質基材に、様々な樹脂系を使用して
含浸させることができる。特定の実施例においては、繊
維質基材にフェノール樹脂または変性フェノールベース
の樹脂を含浸させるのは有用である。特定の実施例にお
いては、シリコーン樹脂を相溶性溶媒中でフェノール樹
脂とブレンドまたは混合し、このシリコーン−フェノー
ル樹脂ブレンドを使用して、本発明の繊維質基材に含浸
させた場合、高エネルギー摩擦材料が形成されることが
現在発見されている。そのような高エネルギー摩擦材料
は、高い摩擦安定性と高い耐熱性とを有する。
【0021】不均一なライニング摩耗が、従って分離板
の「ホットスポット」の形成が、摩擦材料の有効寿命の
最中に生じるのを、本発明の摩擦材料は防ぐことができ
る。摩擦材料の不均一な摩耗がほとんど無い場合、クラ
ッチまたはブレーキ構成要素の「定常状態」を維持する
可能性がより大きくなり、従ってクラッチ及びブレーキ
の性能はよりむらが無くなる。さらに、本発明の摩擦材
料は良好なせん断強度を示し、その結果摩擦材料は使用
最中に層間剥離を受けにくい。
【0022】2プライ摩擦材料の諸層を、湿式製紙工程
の最中に接合する。摩擦材料の一次層又は下層(一次層
すなわち下層)を形成するためには、繊維、充填材及び
/または摩擦粒子を共に混合して、第1の層すなわちプ
ライを形成する。摩擦材料の二次層又は上層(二次層す
なわち上層)を形成するためには、繊維、充填材及び/
または摩擦粒子を共に混合してから、この混合物を一次
層の上に置く。一次層中の繊維は二次層中の繊維と絡み
合うことで、繊維質基材の2プライ間に最適の界面強度
を提供する。特定の実施例においては、二次層は、結合
済み2プライ繊維質基材の総厚さの約2%から約50%
を占めることができる。特定の実施例においては、2プ
ライ繊維質基材に含浸させるために使用するフェノール
樹脂または変性フェノール樹脂と炭素繊維との間の接合
強度を、フェノール繊維またはノボロイド繊維が提供す
るような組成を、二次層は有することができる。
【0023】本発明によれば、二次層は、特定の最終用
途の性能要件を実現するために選択された諸成分を含
む。上層の性能を引き立たせるように、一次層の諸成分
を選択する。組合せた二次及び一次層の諸成分の適切な
選択は、摩擦材料の特性に影響を及ぼす。例えば耐久
性、摩擦摩耗、潤滑性、浸透性、弾性及び他の関連性能
特性等の性能特性は、本発明の2プライ材料を使用して
高められる。
【0024】本発明の2プライ摩擦材料は、単一プライ
摩擦材料では達成できない物理的特性を有する。本発明
の2プライ摩擦材料を、さらに、2プライ材料の摩擦特
性を高めるように選択した樹脂で飽和させる。本発明の
2プライ材料は、単一プライ摩擦材料と比較して、耐久
性が向上しかつ摩擦性能が高い。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一つの態様において、2
プライ繊維質基材を提供する。本繊維質基材は、一つの
組成を持つ一次層と、異なる組成を有し、一次層に接合
した二次層とを有する。各層の厚さと組成とは、最終用
途が変化を必要とする時には、変化させることができ
る。本2プライ繊維質基材は、最終使用摩擦用途に対し
最適な結果を与えるような諸成分を含む。二次層は、ク
ラッチまたは摩擦ライニング用途においては接触面に隣
接する。二次層中に様々な成分を使用することで、費用
効率の高い摩擦材料が得られ、かつ、他の場合なら高コ
ストという理由で配合物から除かれていたかもしれない
諸成分の最適な使用が可能になる。さらに二次層は、高
エネルギー用途において特に有用な構造を提供する。さ
らに、本2プライ摩擦材料では、摩擦特性が向上しかつ
摩耗が低減していることが意外にも見い出されている。
さらに、本2プライ摩擦材料は、従来の摩擦材料よりも
耐久性がある。
【0026】本発明の様々な実施例において、一次層又
は下層(一次層すなわち下層)は、例えば、少なくとも
一タイプの非線形弾性繊維として例えば高強度でより少
なくフィブリル化したアラミド繊維、綿繊維と、少なく
とも一タイプの充填材料として例えばケイソウ土(セラ
イト)と、特定の実施例においては炭素粒子及び/また
は黒鉛粒子と、を含む組成物を含む。二次層又は上層
(二次層すなわち上層)は、一次層とは異なる組成物を
有する。二次層は、例えば、高温耐性で高強度の繊維と
して例えばフィブリル化アラミド繊維及び炭素繊維と;
フェノール繊維またはノボロイド繊維と;充填材と、特
定の実施例においては炭素粒子及び/または黒鉛粒子
と、任意で綿繊維とを含む。二次層中の諸成分は、摩擦
材料に最適の性能特性を提供し、同時に摩擦材料の製造
コストを低減する。
【0027】本発明の他の実施例においては、一次層と
二次層とは、同じかまたは異なる組成物を含んでよく、
様々な坪量(basis weight)及び/または密度を有して
よい。特に好適な実施例においては、一次層は低密度を
有し、一方、二次層は高密度を有する。そのような諸実
施例においては、一次と二次層とは両方とも、一つ以上
のタイプの繊維、充填材及び摩擦粒子を含むことができ
る。
【0028】様々なタイプの繊維質または未加工パルプ
材料が、本発明の一次及び/または二次層において有用
である。部分的に有用な繊維質材料は、綿繊維、ガラス
繊維、炭素繊維及び/またはアラミドポリアミド繊維と
して例えば一般に芳香族ポリカルボナミド(polycarbon
amide)材料と呼ばれるアラミドフロックパルプ及び/
または繊維を含むことができる。
【0029】様々な紙配合物が本発明において有用であ
ることと、他の繊維質材料が本繊維質基材配合物中に存
在できることとは理解できるはずである。例えば、綿は
比較的低温の約350℃で燃焼する。従って摩擦材料
は、紙形成工程の最中に繊維質基材中に使用される諸成
分に基づいて、ある範囲の予想される熱安定性を有す
る。比較的高いパーセントの綿繊維を含む繊維質基材
は、アラミドパルプのようなより熱的に安定な諸成分を
含む繊維質基材よりも熱的に安定ではないと思われる。
そのような諸成分の範囲とパーセントとは、摩擦材料の
最終用途と、そのような摩擦材料に中程度のエネルギー
要件または高エネルギー要件のいずれを課すかとによっ
て決まる。
【0030】炭素繊維は、二次層において有用である。
炭素繊維は、摩擦材料マトリックスに温度耐性を提供す
る。炭素繊維は、耐摩耗性とライニング圧縮耐性とを向
上させる。炭素繊維はまた、層間剥離に対する耐性とノ
イズまたはスキールに対する耐性とを提供する。摩擦ラ
イニング材料がこうした二つの特性を示す場合、摩擦材
料を通る流体毛管流の改良がある。圧縮耐性の向上は、
摩擦材料がつぶれる可能性を防ぐかまたは減少させ、そ
の結果毛管流は維持され時には改良される。様々な実施
例においては、炭素繊維は約5%〜約30%の範囲で、
好ましくは約20%存在できる。
【0031】カナダ標準形ろ水度指数(Canadian Stand
ard Freeness index)に基づいて、約525〜625C
SF、好ましくは約625CSFを有する、より少なく
フィブリル化したアラミド繊維等の非線形弾性繊維が一
次層に含まれる場合、繊維質基材の強度の改良があるこ
とが意外にも見い出された。より少なくフィブリル化し
たアラミド繊維はまた、多孔性の向上した一次層又は下
層(一次層すなわち下層)を提供し、その結果摩擦材料
は油または他の流体を容易に吸収または脱着する。
【0032】また、カナダ標準形ろ水度指数に基づい
て、約250〜525CSF、好ましくは約300を有
する、より多くフィブリル化したアラミド繊維が二次層
又は上層(二次層すなわち上層)に含まれる場合、上層
は、一次層又は下層(一次層すなわち下層)よりも多孔
質ではないことも意外にも見い出された。より多くフィ
ブリル化したアラミド繊維では一般に、多量のフィブリ
ルがコア繊維材料に結合している。フィブリル化繊維の
長さは、約0.5〜約6mmの範囲に及ぶ。特定の実施例
においては、約150から約450、最も好ましくは約
200〜300の範囲に及ぶカナダ標準形ろ水度を有す
る繊維を有するのが好ましい。「カナダ標準形ろ水度」
(T227 om−85)とは、繊維のフィブリル化度
は、繊維のろ水度の測定値で表わすことができることを
意味する。カナダ標準形ろ水度試験は経験的手順であ
り、これは1リットルの水中の3グラムの繊維の懸濁液
を排水できる速度の任意の尺度を与える。従ってフィブ
リル化アラミド繊維は、他のより少なくフィブリル化し
たアラミド繊維またはパルプよりも、低ろ水度すなわち
より低い排水速度を有する。
【0033】繊維質基材中のより多くフィブリル化した
アラミド繊維は、充填材料を繊維質基材の表面上に保つ
すなわち保持するように働く。また、フィブリル化アラ
ミド繊維によって繊維質基材の表面上に保たれている充
填材料の減衰効果によって、摩擦材料はさらに良好な弾
性特性を有する。振動が本当に起きる場合、特に低速度
では、摩擦材料は、振動を吸収または減衰してシャダリ
ングを防ぐのに十分な弾性がある。充填材料のサイズ
は、直径約6〜約38ミクロンの範囲内にあるのが好ま
しく、最も好ましくは平均直径サイズ約10〜約15ミ
クロンを有し、特定の実施例においては、約12ミクロ
ンである。サイズが大き過ぎる場合、摩擦材料の表面は
粗くなり過ぎることが発見されている。充填材粒子サイ
ズが小さ過ぎる場合、充填材料は繊維質基材中で密に充
填され過ぎ、生じた摩擦材料は、自動変速機油を速やか
に吸収しかつ有効に熱を放散するのに十分なほど多孔質
ではない。
【0034】より少なくフィブリル化したアラミド繊維
では一般に、コア繊維に結合したフィブリルがほとんど
無い。より少なくフィブリル化したアラミド繊維を使用
することで、より多孔質の構造を有する摩擦材料が得ら
れる;すなわち、典型的なフィブリル化アラミド繊維を
使用した場合よりも、より多くのかつより大きい細孔が
存在する。多孔質構造は一般に、孔径と液体浸透性とに
よって定義される。好適な実施例においては、繊維質基
材によって、細孔の平均サイズは直径約2.0から約1
5ミクロンの範囲に限定される。より少なくフィブリル
化した繊維の長さは、約0.5から約6mmの範囲に及
び、また、カナダ標準形ろ水度(CSF)は約450を
超え、特定の実施例においては約500〜約550、他
の特定の実施例においては約580〜640、最も好ま
しくは約620〜640である。
【0035】従って、より少なくフィブリル化したアラ
ミド繊維は、他のアラミド繊維またはパルプよりも、よ
り高いろ水度すなわち摩擦材料からの流体のより高い排
水速度を有する。約530〜650、好ましくは約58
0〜640、及び最も好ましくは約620〜640の範
囲に及ぶCSFを有するアラミド繊維を含む摩擦材料
は、優れた摩擦性能を提供し、また、従来のより多くフ
ィブリル化したアラミド繊維を含む摩擦材料よりも良好
な材料特性を有する。より繊維長が大きくかつより少な
くフィブリル化したアラミド繊維を含む一次層は、高い
カナダろ水度に加えて、摩擦材料に高強度、高多孔性及
び良好な耐摩耗性を提供することが意外にも見い出され
た。例えばより少なくフィブリル化したアラミド繊維
(CSF約580〜640)を含む材料を用いて行った
高エネルギー試験では、良好な長期耐久性と安定した摩
擦係数とが示されている。
【0036】摩擦材料の構造がより多孔質なほど、熱放
散はより効果的になる。使用最中の摩擦材料の係合の最
中の、摩擦材料の中へまたは中からの油の流れは、摩擦
材料が多孔質の場合にはより迅速に起きる。
【0037】二次層又は上層(二次層すなわち上層)は
また、架橋済みフェノール−ホルムアルデヒドポリマー
を含むノボロイド繊維を含む。特定の実施例において
は、一方の繊維タイプは比較的により短く平均長さ約
0.2mmを有し、他方の繊維タイプは比較的により長く
平均長さ約3mmを有するようなノボロイド繊維の組合せ
は、特に有用であることが見い出された。何らかの一つ
の理論とみなされることを望むものではないが、比較的
により短い繊維は、繊維のようによりも粒子のように働
き、従って摩擦材料中で結合剤型材料のように働くと考
えられている。より短い粒子様ノボロイド繊維は、摩擦
紙に改良された強度を与える。比較的により長い繊維
は、摩擦材料が圧力下にある時に摩擦材料がつぶれるの
を防ぐことで、摩擦材料に強度と構造とを与える。何ら
かの特定の理論とみなされることを望むものではない
が、摩擦材料中に存在するフェノール樹脂に化学的に類
似のノボロイド繊維はフェノール樹脂材料と結合とし
て、摩擦材料に機械的強度及び化学的強度の両方を与え
るのを助けると考えられている。様々な実施例において
は、ノボロイド繊維は約1〜約10%の範囲内で、好ま
しくは約2%存在できる。
【0038】繊維質基材の一次及び/または二次層中に
黒鉛を使用することで、繊維質基材に配向または三次元
構造を与える。黒鉛は、その三次元構造が理由となって
高い熱伝導性を有し、その結果、熱を迅速に放散する能
力を摩擦材料に提供する。
【0039】様々な実施例においては、様々なタイプの
適切な黒鉛が本発明にとって有用であることは予測され
る。例えば、黒鉛は、石油コークス及びコールタールピ
ッチ結合剤のような貯蔵原料の黒鉛化を行うことで作る
ことができる。原料を混合してから、焼成炭素体を多結
晶(polycrystalene)黒鉛物品に転換するための特殊黒
鉛化炉中で、温度約2800〜約3000℃に加熱す
る。特定の実施例においては、黒鉛のサイズと幾何学的
形状とは約20〜約50mの範囲内が好ましい。特定の
実施例においては、黒鉛粒子が大き過ぎるか小さ過ぎる
場合、最適三次元構造は無く、従って耐熱性も同様に最
適ではないことが発見されている。
【0040】本繊維質基材の一次及び/または二次層
は、高い熱伝導性を有する炭素粒子を含むことができ
る。炭素粒子は、摩擦材料が所望の耐熱性を有するよう
に摩擦材料に良好な熱伝導を与える。炭素粒子はまた、
良好な摩擦特性、例えばシフト時の良好なまたは滑らか
な「感触」と、本質的にノイズまたは「甲高い音(squa
wk)」の無いブレーキ及びクラッチ操作とを摩擦材料に
与える。炭素粒子は、黒鉛粒子よりも構造化していず及
びよりランダム構造化しており、典型的には、様々な基
体を比較的により低い温度(例えば、1000℃)で処
理することによって作る。
【0041】様々な充填材が、本発明の2プライ繊維質
基材の一次及び二次層の両方において有用であることは
理解できるはずである。特に、シリカ充填材の例えばケ
イソウ土(セライト)及び/またはシリカは特に有用で
ある。セライトは、繊維質材料に強く結合する、廉価な
有機充填材である。この強い結合は、摩擦材料に高い機
械的強度を与える。セライトはまた、摩擦材料に高い摩
擦係数を与える。セライトはまた、摩擦材料に平滑な摩
擦表面を与え、摩擦材料に良好な「シフト感触」と摩擦
特性とを与える。しかしながら、他のタイプの充填材が
本発明において使用するために適切であることと、充填
材の選択が2プライ摩擦材料の個々の最終用途の要件に
よって決まることとは予測される。
【0042】特定の実施例においては、加工助剤として
例えばラテックス型材料、窒化ケイ素及び他の摩擦粒子
等を、一次及び/または二次層中に含めることができ
る。窒化ケイ素粉末を繊維質基材配合物中に取り入れた
場合、得られた摩擦材料中の動摩擦係数特性の改良があ
る。これは特に意外であり、というのは、窒化ケイ素繊
維のクラッチまたはブレーキ部品に対する摩損性が原因
で、窒化ケイ素の繊維を摩擦材料中に含ませるのは適切
ではないからである。好適な実施例においては、窒化ケ
イ素粒子は平均直径サイズ約0.5から約1.5ミクロ
ンを有する。特定の実施例においては、平均直径サイズ
約1ミクロンを有する窒化ケイ素粒子は並外れて申し分
無く働くことが見い出されている。一つのタイプの窒化
ケイ素粒子は、Si34として入手可能である。窒化ケ
イ素粒子は、約3%〜約15%の低レベルで使用する場
合、動摩擦係数を大きくする。様々な好適な実施例にお
いては、窒化ケイ素組成物は、約4%〜約6%を占める
ことができる。
【0043】初期摩擦係数が低い場合、摩擦材料を多数
回使用するかまたはサイクルさせた後まで、摩擦材料は
所望の一定の摩擦係数値を実現しないことは理解できる
はずである。本発明は、高い初期摩擦係数を有する2プ
ライ摩擦材料を提供する。さらに、動摩擦係数が静摩擦
係数に近い場合、クラッチ操作において一つのギヤから
別のギヤへ滑らかに移動する。本発明は、摩擦材料中に
窒化ケイ素粒子を加えることによって、意外にも良好な
静対動摩擦係数の比を実現する。
【0044】摩擦粒子及び加工助剤のような他の諸成分
は、繊維質基材において有用である。こうした摩擦粒子
成分としては、例えば、カシュー核油粒子及び/または
ゴム型またはエラストマーポリマー粒子が挙げられる。
特に好適な実施例においては、エラストマーポリマー粒
子は、約70%〜約75%のエラストマー材料(例えば
イソプレン及び/または窒化物ゴム材料)を含み、残り
は加工助剤である。エラストマー粒子は、さらに摩擦ラ
イニング耐摩耗性を与えるのに有用である。ゴム型粒子
は、摩擦材料を、はめあい部品(mating parts)(例え
ば分離板及びクラッチ)にさらにぴったりと一致させ、
従って分離板同士の間の「真実」対「見掛け」接触面を
増大させる。摩擦粒子は、2プライ摩擦材料のエネルギ
ー容量を大きくする。
【0045】2プライ繊維質基材の二次層は、繊維基材
の二次層用の水性スラリー配合物の重量を基準として、
おおよその重量で:約5〜約30%の炭素繊維、最も好
ましくは約10%;約0〜約30%の綿繊維;約5〜約
45%の、約525CSF以下を有しより多くフィブリ
ル化したアラミド繊維、最も好ましくは約43%の、約
300CSFを有する繊維;約0〜約30%の炭素粒子
及び/または黒鉛、最も好ましくは約15%の炭素粒
子;約5〜約35%のケイソウ土等の充填材、最も好ま
しくは30%;約1〜約10%のノボロイド繊維、最も
好ましくは約2%;及び、約0〜約3%のラテックス加
工助剤、最も好ましくは約2%を含む水性スラリーから
形成できる。特定の実施例においては、二次層は、炭素
粒子及び黒鉛粒子の両方を用いて、黒鉛若くは炭素粒子
のいずれかを用いて、または炭素粒子も黒鉛粒子も用い
ずに形成できることは理解できるはずである。
【0046】2プライ繊維質基材の一次層又は下層(一
次層すなわち下層)は、繊維基材の下層又は一次層(下
層すなわち一次層)用の水性スラリー配合物の重量を基
準として、おおよその重量で:約20〜約50%の綿繊
維、最も好ましくは約40%;約10〜約40%の充填
材料、最も好ましくは約25%;約5〜約30%の、約
525CSF以上を有しより少なくフィブリル化したア
ラミド繊維、最も好ましくは約10%の、約625CS
Fを有する繊維;約0〜約30%の黒鉛及び/または炭
素粒子、最も好ましくは約20%の黒鉛;及び、約0〜
約3%のラテックス加工助剤、最も好ましくは約2%を
含む水性スラリーから形成できる。特定の実施例におい
ては、一次層は、黒鉛粒子及び炭素粒子の両方を用い
て、黒鉛粒子若くは炭素粒子のいずれかを用いて、また
は黒鉛粒子も炭素粒子も用いずに形成できることは理解
できるはずである。
【0047】好適な実施例においては、上層又は二次層
(上層すなわち二次層)は、下層又は一次層(下層すな
わち一次層)よりも多孔質ではない。より多孔質でない
上層は、高強度材料の例えば、アラミド繊維、炭素粒
子、炭素繊維及びノボロイド繊維で構成され、これら
は、炭素繊維と炭素粒子との存在が少なくとも部分的な
理由となって、伝導によって熱を放散するようにも働
く。より多孔質の下層は、より高価でなくかつより低熱
伝導性の諸成分で構成でき、これらは、摩擦材料の下層
中の細孔の中へまたは中からの流体(例えば自動変速機
油)の流れが理由となって、対流によって熱を放散させ
る。従って、本発明の2プライ摩擦材料は、熱伝導と熱
対流との両方を利用して、摩擦材料から熱を迅速に除去
する。
【0048】二次層又は上層(二次層すなわち上層)を
構成する諸成分を共に混合して、実質的に均一なブレン
ドにしてから、一次層の上に置く。二次層を一次層の上
に置くための様々な方法を本発明に従って作成できるこ
とは理解できるはずである。
【0049】本発明の2プライ繊維質基材を作るための
方法は、一次層又は下層材料(一次層すなわち下層材
料)の諸成分を加えて、実質的に均一なブレンドを形成
することを含む。紙を、均一ブレンドから繊維質基材へ
と形成する。
【0050】図1は、2プライ繊維質基材を形成するた
めの一方法の概略図を示す。第1のディスペンス手段
(dispensing means)10は、2プライ繊維質基材24
の一次層すなわち下層12を形成するための諸成分を供
給する。一次層12を形成する諸成分は、一次層12を
保持または搬送する適切な表面11の上へ供給される。
様々な表面11が、本発明に関して使用できることは理
解できるはずである。第2のディスペンス手段20は主
に、2プライ材料24を形成するために、一次層12の
上に、二次層すなわち上層22を形成するための諸成分
を供給する。適切なディスペンス手段10と20とは、
ヘッダーボックスまたはローラー手段または他の適切な
装置を備えて、略均一な層の一次層12と二次層22と
を施して、2プライ材料24を形成できることは理解で
きるはずである。
【0051】様々な実施例においては、一次及び/また
は二次層を構成する成分は、適切な樹脂材料を含むこと
ができることは予測される。そのような実施例において
は、2プライ材料24を、適切な乾燥手段30によって
乾燥させることで、2プライ材料から過剰な水分を除去
する及び/または2プライ材料中に存在する樹脂を硬化
させる。特定の実施例においては、乾燥手段は、ヒート
ロールまたは赤外線加熱手段または適切な加熱手段を備
えることができることは予測される。一次及び二次層を
構成する諸成分が樹脂を含まないような実施例において
は、2プライ繊維質基材を形成して、次に図1に仮に
(in phantom)示すように、適切な含浸手段40によっ
て、適切な樹脂または樹脂の組合せで飽和または含浸さ
せることができることは理解できるはずである。含浸済
み2プライ材料を、次にさらに適切な乾燥手段50によ
って乾燥させ、過剰な水分を除去及び/または樹脂を硬
化できる。
【0052】図2は、一次層すなわち下層12と二次層
すなわち上層22とで構成される2プライ繊維質基材の
断面を大まかに示す。図2に示す実施例は、概要説明の
ために示す。二次層は、2プライ繊維質基材の厚さの約
2%から約50%を好ましくは占めることができること
は理解できるはずである。好適な実施例においては、二
次層は、材料の厚さの約10%から約50%を占め、特
定の好適な実施例においては、約10〜約20%を占め
る。
【0053】二次層は一次層に十分に接合し、その結果
本発明の2プライ材料の使用最中に、層間剥離の問題は
本質的に起きないことが意外にも見い出された。本発明
の摩擦材料は適切な界面強度を有し、クラッチ板のよう
な適切な基体に容易に接合し、またはブレーキライニン
グ材料として使用される。
【0054】本発明によれば、様々なタイプの樹脂は、
本2プライ繊維質基材を飽和するために有用である。繊
維質基材を飽和するために使用される樹脂のタイプは、
生じた摩擦材料の性能に影響を及ぼし得る。樹脂が示す
靱性度は、試験した場合に、摩擦材料が自らの完全性を
維持できることに反映される。摩擦材料の物理的及び摩
擦特性の両方が、最終用途製品の予想される運用期間の
最中に損なわれないままであり続けることは重要であ
る。脆い樹脂を含浸させた摩擦材料は、摩擦材料マトリ
ックスの開放細孔(open porous)構造をつぶすように
作用するような重負荷の下で亀裂が生じることがある。
一方では、エラストマー樹脂を含浸させた摩擦材料な
ら、所望の係数とトルクとを与えると思われるが、摩擦
材料マトリックスが損なわれないように保つために必要
な耐摩耗性と強度とを欠くかもしれない。従って、理想
的な樹脂配合物は高強度を有し、にもかかわらず可撓性
である。高靱性を有する樹脂は、最適な摩擦性能を提供
する。
【0055】本発明において有用な様々な樹脂として
は、フェノール樹脂及びフェノールベースの樹脂が挙げ
られる。樹脂ブレンド中に他の変性成分、例えばエポキ
シ、ブタジエン、シリコーン、桐油、ベンゼン、カシュ
ー核油(cashew shell nut oil)及びその他同様なもの
を含むような様々なフェノールベースの樹脂は、本発明
に関して有用であると予測されることは理解できるはず
である。フェノール変性樹脂においては、フェノール樹
脂は一般に樹脂ブレンドの約50重量%以上(存在する
いかなる溶媒も除いて)存在する。しかしながら、シリ
コーン−フェノール樹脂混合物の重量を基準として(溶
媒と他の加工助剤を除いて)、含浸剤樹脂ブレンドが、
特定の実施例においては約5〜約80重量%、特定の目
的のためには約15〜約55%、特定の実施例において
は約15〜約25重量%のシリコーン樹脂を含む場合、
摩擦材料が改良できることが見い出された。
【0056】本発明において有用なシリコーン樹脂とし
ては、例えば、熱硬化シリコーンシーラント及びシリコ
ーンゴムが挙げられる。様々なシリコーン樹脂類が、本
発明に関して有用である。一つの樹脂は、特に、キシレ
ンとアセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン)とを
含む。このシリコーン樹脂は、沸点約362°F(18
3℃)、蒸気圧68°Fで21mmHg、蒸気密度(空気=
1)4.8、水への溶解度は無視し得る、比重約1.0
9、パーセント揮発性5重量%、蒸発率(エーテル=
1)0.1未満、ペンスキー−マルテンス法を使用し
て、引火点約149°F(65℃)を有する。他のシリ
コーン樹脂を本発明に関して利用できることは理解でき
るはずである。他の有用な樹脂ブレンドとしては、例え
ば:(重量%で)約55〜約60%のフェノール樹脂;
約20〜25%のエチルアルコール;約10〜約14%
のフェノール;約3〜約4%のメチルアルコール;約
0.3〜約0.8%のホルムアルデヒド;及び約10〜
約20%の水;を含むような、適切なフェノール樹脂が
挙げられる。別の適切なフェノールベースの樹脂は:
(重量%で)約50〜約55%のフェノール/ホルムア
ルデヒド樹脂;約0.5%のホルムアルデヒド;約11
%のフェノール;約30〜約35%のイソプロパノー
ル;及び約1〜約5%の水;を含む。
【0057】別の有用な樹脂はエポキシ変性フェノール
樹脂であり、約5〜約25重量%、好ましくは約10〜
約15重量%のエポキシ化合物を含み、残り(溶媒と他
の加工助剤を除いて)はフェノール樹脂であることが見
い出された。エポキシ−フェノール樹脂化合物は、特定
の実施例においては、フェノール樹脂単独の場合よりも
高い耐熱性を摩擦材料に与える。
【0058】さらに、樹脂ブレンドの製造と含浸用繊維
質ベースの材料の製造との両方において有用であること
が周知の、他の成分と加工助剤とを摩擦材料中に含める
ことができることは予測される。
【0059】特に、フェノール樹脂とシリコーン樹脂と
を使用する実施例では、シリコーン樹脂とフェノール樹
脂とを共にブレンドする場合、新しい化合物は形成され
ない。各樹脂は別々に硬化し、新しい化合物は形成され
ない。
【0060】シリコーン樹脂とフェノール樹脂との両方
が、互いに相溶性である溶媒中に存在する。こうした樹
脂類を共に混合して(特定の好適な実施例において)均
一ブレンドを形成し、次に繊維質基材に含浸させるため
に使用する。繊維質基材にフェノール樹脂を含浸させ、
次にシリコーン樹脂をその後加えるかまたは逆の場合
に、同じ効果は生じない。また、シリコーン−フェノー
ル樹脂溶液の混合物と、シリコーン樹脂粉末及び/また
はフェノール樹脂粉末のエマルションとの間にも相違が
ある。シリコーン樹脂とフェノール樹脂とが溶液中にあ
る場合、これらは全く硬化しない。それに反して、シリ
コーン樹脂とフェノール樹脂との粉末粒子は部分的に硬
化する。シリコーン樹脂とフェノール樹脂の部分的硬化
は、繊維質基材の良好な含浸を阻害する。
【0061】繊維質基材に、溶媒中のシリコーン樹脂の
ブレンドを含浸させ、ここでこの溶媒はフェノール樹脂
とその溶媒とに相溶性がある。一つの実施例において
は、イソプロパノールは特に適切な溶媒であることが見
い出された。しかしながら、様々な他の適切な溶媒、例
えばエタノール、メチルエチルケトン、ブタノール、イ
ソプロパノール、トルエン及びその他同様なものを本発
明の実施において利用できることは理解できるはずであ
る。シリコーン樹脂をフェノール樹脂とブレンドしてか
ら、繊維質基材に含浸させるために使用した場合、得ら
れた摩擦材料は、シリコーン樹脂が存在することで、フ
ェノール樹脂のみを含浸させた繊維質基材よりも弾性が
大きくなる。本発明の、シリコーン−フェノール樹脂を
ブレンドし含浸させた摩擦材料に圧力を加えた場合、よ
り均一な圧力分布が得られ、その結果、不均一なライニ
ング摩耗が生じる可能性が低減される。シリコーン樹脂
とフェノール樹脂とを共に混合した後、この混合物を使
用して、繊維質基材に含浸させる。
【0062】材料に含浸させるための様々な方法を、本
発明に関して実施できる。好ましくは含浸用樹脂材料
が、100重量部の摩擦材料につき約30〜約65重量
部を占めるように、繊維質基材にフェノール樹脂または
変性フェノール樹脂を含浸させる。繊維質基材に樹脂を
含浸させた後、含浸済み繊維質基材を、予め定められた
長さの時間、所望の温度に加熱して、摩擦材料を形成す
る。この加熱においては、フェノール樹脂を温度約30
0°〜350°Fで硬化する。シリコーン樹脂等の他の
樹脂が存在する場合、加熱においては、シリコーン樹脂
を温度約400°Fで硬化する。その後、含浸済みかつ
硬化済み摩擦材料を、適切な手段によって所望の基体に
接着させる。
【0063】本発明の2プライ繊維質基材と2プライ摩
擦材料とは、従来の摩擦材料に勝る改良であるというさ
らなる証拠を、以下の実施例は提供する。本発明の様々
な好適な実施例を以下の実施例において説明するが、こ
れは本発明の範囲を限定することを意図したものではな
い。
【0064】また、湿式摩擦環境において使用される潤
滑剤のタイプは、2プライ摩擦材料の特性に影響を及ぼ
すことも理解できるはずである。静摩擦、動摩擦(従っ
て静/動の比)、粘度、粘度指数、酸化安定性、極限圧
力能力及びその他同様なものを含む、得られた2プライ
摩擦材料の様々な特性の性能に、潤滑剤は影響を及ぼ
す。2プライ摩擦材料と所望の表面との間の界面と、機
械的及び化学的因子とが、摩擦材料の性能をもたらす。
本発明の2プライ摩擦材料は、様々な潤滑剤と共に有用
である。最適諸成分と諸成分の範囲との選択は、摩擦材
料がさらされる条件と、そのようなシステムにおいて使
用対象となる潤滑剤材料のタイプとを評価することで決
定できる。
【0065】
【実施例】実施例1 様々な組成の2プライ繊維質基材を形成し、フェノール
樹脂で飽和して約30%〜35%ピックアップレベルに
し、硬化して、2プライ摩擦材料を形成した。以下の材
料を、下記の表1に示すようにして実施例1で使用し
た。
【0066】 表1 全ての2プライ紙(実施例A、B、C、D、E及びF)は、綿60%及びセラ イト40%の一次層すなわち第1の層を有する。 比較例1 綿60%、セライト40%の1プライ 坪量=125、厚さ0.019” 実施例A アラミドフロック及び/または繊維5%の 第2のプライ 坪量=150、厚さ0.022” 実施例B アラミドフロック及び/または繊維5%及 び窒化ケイ素−1.2%の第2のプライ 坪量=150、厚さ=0.023” 実施例C アラミドフロック及び/または繊維の第2 のプライ 一次層坪量=185〜189、二次層坪量 =24〜27、総坪量=212〜217、厚 さ=0.030” 実施例D アラミドフロック及び/または繊維90% 及び窒化ケイ素10%の第2のプライ 一次層坪量=183〜185、二次層坪量 =16〜26、総坪量=201〜209、 厚さ=0.028” 実施例E 配合物#1の第2のプライ:アラミドフロ ック及び/または繊維30%、セライト2 5%、シリカ粒子20%、摩擦粒子:イソ プレン型エラストマー粒子15%、及びガ ラス繊維10% 一次層坪量=148、二次層坪量=32〜 40、総坪量=180〜188、厚さ=0 .025” 実施例F アラミドフロック及び/または繊維70% 及び炭素繊維30%の第2のプライ 一次層坪量=167〜170、二次層坪量 =25〜26、総坪量=193〜195、 厚さ=0.028” 比較例2 綿55%、アラミドパルプ25%、セライ ト45%の1プライ 材料の相対潤滑剤浸透特性に関する情報を得るために、
油滴下時間を記録した。この時間は一般に、材料の吸油
特性を反映する。こうした試験のために、プレート当り
3または4滴のExxon1975Type“H”自動
変速機油を使用した。
【0067】下記に検討する摩擦試験において不十分に
機能した材料は、約200秒以上の長い油滴下時間を有
する傾向があった。第2の組の試料は、第1の組の試料
と比較してわずかに長い油滴下時間を有し、このこと
は、より少ない潤滑剤がアセンブリの中に入り及び通っ
て流れることを示す。第2の組の試料を、様々な繊維と
粒子形成物とを用いて処理した。これは二次層形成を改
良し、また、アセンブリの中への油の流れをわずかに減
少させた。選択された材料に関する具体的な油滴下時間
を下記の表2に示す。
【0068】 表2 油滴下データ フルパック (full pack)材料 平均時間(秒) 標準偏差 サイクル数* 第1回 比較例1 284.7 42.8 60 実施例A 88.9 10.1 1050 実施例B 46.7 11.4 1050 第2回 実施例C 114.1 26.5 1050 実施例D 63.0 12.1 400 実施例E 198.2 38.9 69 実施例F 96.4 9.9 300* 試験仕様に関しては手順528Aを参照されたい。
【0069】第1の組の試験材料(比較例1、実施例A
及びB)では、繊維の分布を、さらに繊維と粒子との組
合せを比較する。対照の単一プライ紙(比較例1)は、
綿とセライトのみからなった。この二つの成分を、その
吸油能力と経済的利益という理由から選択した。
【0070】実施例Aの材料では、綿とセライトのベー
スと共にアラミド繊維を上層として利用し、この比較的
高価な繊維を接触点に集中させた。アラミド繊維を使用
する利点としては、本来備わっている高い耐熱性と、プ
レート当りのコスト低減と、油保持を可能にする開放構
造を有する2プライ紙の上層が得られることと、が挙げ
られる。
【0071】実施例Bには繊維と粒子との組合せを含ま
せることによって、上述のアラミド繊維の利益と、それ
に加えて摩擦係数の増大に寄与する窒化ケイ素の好都合
な性能特性とを利用する。二次層用途にこの成分を使用
することは、そのコストが比較的に高いために特に適切
である。
【0072】下記の表3に示す低速度摩擦装置(Low Ve
locity Friction Apparatus)(LVFA)試験を実行
して、2プライ材料の摩擦性能を評価し、等級付けし
た。実施例Bは、実施例Aと比較して摩擦の大きさをわ
ずかに変化させたのみで実行した。試験の結果、様々な
材料を使用した性能の変化が本質的に判明した。しかし
ながら、実施例AとBは、比較例2よりもわずかに小さ
いライニング摩耗を確かに生じた。
【0073】 表3 LVFAデータ−120psi Exxon1975潤滑 タンブル鋼(tumbled steel)分離板 ライニング摩耗試験対象材料 静摩擦 動摩擦 mil 比較例1 .102 .144 0.3 実施例A .106 .147 0.2 実施例B .101 .144 0.4 比較例2 .103 .149 1.4 フルパック試験から得られたデータは、窒化ケイ素粒子
を含む2プライ摩擦材料の使用に伴った性能の改良を示
す。二次層に窒化ケイ素粒子を加えることで、動摩擦を
0.119から0.128に向上し、しかもライニング
摩耗の増大は無い。フルパック摩擦と摩耗の結果の要約
を、下記の表4に示す。
【0074】 表4 フルパック実験室データ Exxon1975潤滑 1050サイクル後の 平均パック損失材料 動摩擦 (mil) 比較例1 NA(50サイクル後 重度の損傷 に停止) 実施例A .119 12.1 実施例B .128 12.3 比較例2 .117 10.0 LVFA試験を行い、2プライ材料の摩擦性能を評価
し、等級付けした。摩擦と摩耗のデータの要約を、下記
の表5に示す。
【0075】 表5 LVFAデータ−120psi Exxon1975潤滑 タンブル鋼板 ライニング摩耗試験対象材料 静摩擦 動摩擦 mil 実施例C .108 .134 0.3 実施例D .106 .139 0.5 実施例E .096 .136 0.2 実施例F .105 .140 0.5 比較例2 .103 .149 1.4 上層にアラミド繊維を用いた実施例Cと実施例Aの試料
(表3を参照されたい)は、それぞれ動摩擦係数0.1
34及び0.147を示して機能した。実施例Cに示す
ように、より高い及びより均一な濃度のアラミド繊維
は、比較試料2よりも低い動摩擦係数を生じる。窒化ケ
イ素粒子を二次層配合物に含ませることで、動摩擦は
0.134から0.139にわずかに大きくなった。窒
化ケイ素及び炭素繊維を用いた試験は同様だった。ライ
ニング摩耗は、実施例A、B、C、D、E及びFの紙の
全てに関して低かった。
【0076】下記の表6に示すフルパック試験において
は、実施例Cは全1050サイクルに及んだ。全ての材
料は摩耗を有した。 表6 フルパック実験室データ Exxon1975潤滑 1050サイクル後の 平均パック損失試験対象材料 動摩擦 (mil) 実施例C .123 37.8 実施例D NA(400サイクル後で 31.6 0.112) 実施例E NA(50サイクル後で 重度の損傷 0.147) 実施例F NA(300サイクル後で 71.3 0.130) 比較例2 .151 24.0 コスト節減の面から、また特注の紙の製造するためのツ
ールとして、2プライ摩擦材料を使用することは好都合
である。本飽和済み2プライ摩擦材料では、各層の分離
の問題は現われなかった。2プライ摩擦材料は、上層内
にある特定の成分の摩擦及び摩耗性能を評価するための
手段となる。
【0077】窒化ケイ素が存在することで動摩擦係数を
大きくし、しかもアセンブリ摩耗の増大が無い。LVF
Aデータによると、配合物#1を用いた上層は、比較例
2の材料よりも少ないライニング摩耗とより低い摩擦と
を示して機能することが示される。実施例2 実施例2では、様々な組成を持つ二つの層を湿式製紙工
程の最中に接合させ、これを用いて、2プライ摩擦材料
を形成できることが示される。各層の成分は絡み合うこ
とで、摩擦材料として使用するために十分な界面強度を
有する2プライ繊維質基材を形成することが見出され
る。以下の諸実施例は、下記の表7に示す通りにフェノ
ール樹脂で飽和させた。
【0078】 表7 実施例G 綿60%、セライト40%の第1のプライ 配合物#1の第2のプライ(実際のピック アップ40%) 一次層坪量=約160、二次層坪量=約4 5、総坪量=193〜196、厚さ=0. 032” 実施例H 綿45%、セライト40%、ガラス繊維1 5%の第1のプライ 配合物#1の第2のプライ(実際のピック アップ40%) 一次層坪量=約160、二次層坪量=約4 5、総坪量=190〜201、厚さ=0. 0033〜0.035” 実施例I 綿60%、セライト40%の第1のプライ 配合物#1の第2のプライ(実際のピック アップ41%) 一次層坪量=約89、二次層坪量=約41 、総坪量=130〜140、厚さ=0.0 220〜0.0235” 比較例3 配合物#1の単一プライ(実際のピックア ップ43%) 総坪量=205〜225、厚さ=0.03 2〜0.040” 比較例4 配合物#1の単一プライ(実際のピックア ップ35%) 総坪量=135 比較例5 配合物#1の単一プライ(実際のピックア ップ40%) 総坪量=135 特に言及した場合を除いては、全ての試験試料をフェノ
ール樹脂で飽和して、40%ピックアップレベルにし
た。クラッチ型アセンブリを使用した摩擦及び摩耗評価
を行った。フルパック試験を、手順528Aと428C
に従って実行した。528A手順では、図面#9540
7で定義している45度法(45 degree method)によ
る、静摩擦値の記録を指定していない。その他の点で
は、この二つのフルパック手順は同一である。
【0079】未加工紙を用いて、(a)縦方向及び
(b)横方向(cross-machine direction)で湿式と乾
式の引張試験を実行した。クロスヘッド速度を0.5イ
ンチ毎分に設定し、チャート速度を1インチ毎分に設定
した。
【0080】毛管流と液体浸透性試験を摩擦材料に関し
て実行した。こうした測定は、摩擦材料が潤滑剤を含
み、かつ、熱伝達できる能力を表わす。 (A)2プライ摩擦材料対単一プライ摩擦材料: 動摩擦評価(200ポンドの坪量)。 フルパック試験#528 類似の摩擦及び摩耗性能が、単一プライ及び2プライア
センブリから生じる。動摩擦は、1050サイクル後に
平均で約0.14になった。実験室摩擦係数を下記の表
8に列記する。パーセント摩擦フェードは、試験した三
つの材料全てに関して、サイクル200と1050との
間で平均で約8%になった。下層に綿とセライトとを有
する実施例Gは、最小パーセントの動摩擦フェード
(5.3%)を有した。綿とセライトとの下層にガラス
繊維を加えたアセンブリ(実施例H)は、わずかにより
高い摩擦フェード(8.6%)を生じた。最も高いフェ
ードは、比較例3の試料を用いて測定された(10.5
%)。図3は、比較例3、実施例G及び実施例Hに関し
て、サイクル数が増加する時の動摩擦の変化を示す。 アセンブリパック摩耗(200ポンドの坪量) フルパック試験#528 下記の表8で分かるように、2プライ材料を用いたアセ
ンブリは、わずかにより高いライニング摩耗を有した。
比較例3の単一プライ材料は、+0.7milの摩耗値を
生じた。下層にガラス繊維を用いた2プライ紙及び用い
ない2プライ紙(実施例G及びH)の摩耗は、それぞれ
7.5milと12.0milである。下層中のガラス繊維
は、紙マトリックスをわずかに硬直させた。摩擦材料除
去量対圧縮は求めていない。しかしながら試験後に、単
一プライ及び2プライアセンブリは、類似した物理的外
観を有する。
【0081】摩耗、ブレイクアウト(beakout)、グレ
イジング(glazing)、及び層間剥離の外観等級付け
を、下記の表9に示す。三つの摩擦材料全ては、グレイ
ジング等級「1」を与えられた。下層にガラス繊維を含
む実施例Hを用いたアセンブリは、わずかにより高い表
面摩耗を生じた。
【0082】 表8 フルパック実験室データ/1050サイクル 手順528/フェノール樹脂40%P.U. Exxon1975AFT クラッチアセンブリ 高速度 平均ピーク損失材料 動摩擦 mil 比較例3 0.137 +0.7 実施例G 0.144 12.0 実施例H 0.138 7.5 比較例4 0.135 停止 @サイクル600 比較例5 0.133 停止 @サイクル550 実施例I 0.131 9.0 表9 ライニング外観等級付け 100ポンド坪量/528フルパック試験後 クラッチアセンブリ材料 摩耗 ブレイクアウト グレイジング 層間剥離 比較例3 0 0 1 0 実施例E 0 0 1 0 実施例H 1 0 1 0 (B)高坪量対低坪量の材料。より低い坪量の紙(13
5ポンドの坪量) 上記表8で分かるように、より低い135ポンド坪量の
単一プライ摩擦材料(比較例4と比較例5)を用いた試
験は、528手順に従った試験の600サイクル後に中
断した。35%及び40%樹脂ピックアップレベルのよ
り低い坪量の紙は、不安定な摩擦係数が理由で停止し
た。図4は、比較例3、比較例4、比較例5及び実施例
Iに関して、200ポンド及び135ポンド坪量の摩擦
材料の、摩擦対サイクル数の性能の変化を示す。
【0083】2プライ摩擦材料も135ポンド坪量で作
った。この材料は、上層に配合物#1を、また、綿とセ
ライトの下層を有する(実施例I)。この材料は、0.
131の動摩擦係数と9milの摩耗を示して試験を完了
することができた。より低い坪量の摩擦材料は、より低
い動摩擦係数を示して機能した。
【0084】135ポンドと200ポンド坪量の材料の
両方の密度を、下記の式を使用して計算した。高及び低
坪量の材料を、最終密度43を有するアセンブリに形成
した。 D=BW*1/FLT*(1+PU)*0.004 式中、 D=ライニングの密度 BW=原料の坪量、ポンド/3000平方フィート単位 FLT=最終ライニング厚さ、インチ単位(飽和させ、
硬化し、及び圧縮した後) PU=樹脂ピックアップ (C)紙の毛管流 全ての摩擦材料は、未加工紙が樹脂飽和及び硬化された
後に平均孔径直径(mean pore size diameter)が増大
し、これは下記の表10を参照されたい。2プライ材料
は、単一プライ材料よりも大きな平均孔径直径を有す
る。このより大きな平均孔径直径は、接触面での潤滑剤
利用可能性を高める助けになる。
【0085】より高い200ポンド坪量の材料は、未加
工または樹脂飽和及び硬化済みの場合、より低い135
ポンド坪量の同じ材料と比較して、比較的により大きな
平均孔径直径を有する。未加工の200ポンド坪量の比
較例3の材料は、3.0016ミクロン平均細孔直径を
有する。坪量を135ポンド材料にまで減少させた場合
(比較例4)、平均孔径は2.6170ミクロンにまで
低下する。しかしながら、いったん圧縮すると両方の坪
量の材料は、類似の2.45ミクロン平均孔径直径を有
する。
【0086】下層にガラス繊維を用いた2プライ材料及
び用いない2プライ材料(それぞれ実施例G及びH)
は、単一プライ材料よりも大きい平均孔径直径を一貫し
て有する。下層組成中のガラス繊維濃度を変更すること
は、細孔直径に影響を及ぼさない。しかしながら、二つ
の層を様々に配置することは、個々に異なる平均孔径直
径と合わせて、結合済み2プライの平均孔径を変更する
有効な方法である。
【0087】毛管流に関するデータによると、平均孔径
直径は、(a)材料が樹脂で飽和され及び硬化済みの場
合、及び(b)2プライ材料を使用中の場合に、単一プ
ライ材料と比較して増大することが示される。材料を樹
脂で飽和させ、硬化した後に圧縮すると、平均孔径は減
少する。
【0088】 表10 毛管流分析 摩擦材料当り5回の測定 平均孔径:A)未加工紙、B)飽和させ(40%)、硬化した紙、C)飽和させ (40%)、硬化し及び圧縮した紙未加工摩擦材料 孔径(ミクロン) 標準偏差 比較例3 A)3.0016 0.2934 B)4.0862 0.1044 C)2.4433 0.0746 実施例G A)4.0160 0.3143 B)4.6143 0.1758 C) 実施例H A)3.5953 0.2565 B)5.0581 0.2441 C)2.8218 0.1717 比較例4 A)2.6170 0.2781 B)3.5227(35%PU) 0.5261 C)3.2854(44%PU) 0.1513 D)2.4645(44%PU) 0.1246 実施例I A)3.0512 0.1510 B)3.7970 0.2665 C)2.7396 0.3655 (D)ガラス繊維を用いた下層及び用いない下層 圧縮永久歪み試験 圧縮永久歪み試験を実行して、実験材料中の「k」係数
の存在を確認した。「k」係数は、式F(x)=−k
x、式中、xは圧縮されているかまたは伸びているばね
の距離である、で定義される力の常数である。D. Halli
day and R. Resnick, "Fundamentals of Physics," Joh
n Wiley and Sons, Inc., 1974。下層組成中にガラス繊
維を使用することで、2プライ材料の「k」係数が変更
される。 未加工紙に関する引張試験−インストロン 摩擦材料の乾式及び湿式引張強度は、取り扱い及び樹脂
飽和の最中において重要である。低引張強度の摩擦材料
は、樹脂飽和浴中で細断される。下記の表11は、単一
プライ及び2プライ材料の相対強度を示す。摩擦材料が
アルコールを用いて濡れている場合、30%〜40%の
引張強度損失が測定されている。
【0089】200ポンド坪量の比較例3の摩擦材料
は、135ポンド坪量の材料よりも、縦方向及び横方向
(X-machine direction)の引張強度が50%高い。下
層に綿とセライトとを用いた2プライ200ポンド坪量
の材料(実施例G)は、単一プライ製造材料と同様の引
張強度を有する。
【0090】2プライ材料が、下層に含まれたガラス繊
維を有する場合(実施例H)、引張強度は40%低減す
る。この材料は、縦方向と比較して横方向に実質的によ
り低い引張強度(66%)を有する。
【0091】 表11 インストロン引張試験データ/未加工紙 5つの値の平均−乾式&湿式試験 引張強度(ポンド) 標準偏差未加工摩擦材料 乾式 湿式 乾式 湿式 比較例3 縦方向 8.21 4.97 0.40 0.15 横方向 5.48 3.43 0.20 0.16 実施例G 縦方向 7.84 4.90 0.88 0.50 横方向 4.90 2.80 0.35 0.12 実施例H 縦方向 5.15 2.90 0.65 0.37 横方向 1.73 2.34 0.24 0.46 比較例4 縦方向 4.16 2.72 0.36 0.13 横方向 2.83 1.95 0.43 0.14 (E)未加工紙のプライ接着 2プライ紙のプライ接着とは、シートの面に直角に力を
加えた時の、剥がれに対する層の耐性と定義される。こ
のパラメータは、未加工摩擦材料の等級付けにとって特
に有用である。プライ接着は、ほぼどのポリマー材料で
シートを飽和することによっても向上できる。三つの要
因が、ラテックス飽和済みの紙のプライ接着をもたら
す:(1)シート中のポリマーの量と種類、(2)ポリ
マーの繊維への付着、及び(3)シート中の繊維の配列
である。ラテックスは、フェノール樹脂が硬化するま
で、2プライ材料に追加のプライ接着を与えることがで
きる。
【0092】上記実施例2では、単一プライ及び2プラ
イ材料は、同様のフルパック摩擦性能を生じたことが示
される。しかしながらより低坪量の摩擦材料は、より低
い動摩擦係数を生じる。
【0093】摩擦材料の坪量が低下した場合、ライニン
グ耐久性は低減する。2プライ材料は、より低い坪量で
試験した場合、単一プライ材料よりも耐久性がある。摩
擦材料組成が変化すると、平均孔径直径は変化する。2
プライ材料中の一次層の組成を変化させて、孔径を大き
くし、クラッチアセンブリの潤滑を改良する。
【0094】単一プライ材料と比較して、2プライ材料
を使用することでコスト節減が得られる。より特殊な及
び高価な材料を二次層中に使用でき、また、二次層は好
適な実施例においては比較的薄くできる。クラッチ摩擦
及び/または摩耗性能を大幅に改良する成分は、二次層
中に集中させることができる。実施例3 高エネルギー容量を有する材料が、幾つかのクラッチ用
途において必要である。典型的には、高い摩擦係数は、
そのような材料の高い耐熱性ほど重要ではない。摩擦材
料のエネルギー容量は、配合物中にエラストマー粒子を
利用することで向上できる。さらに、シリコーンを飽和
樹脂として用いた2プライ摩擦材料を使用することで、
摩擦係数が大きくなり、摩耗が低減する。比較例及び実
施例Iの配合物を下記の表12に示す。
【0095】 表12 比較例6 配合物#2の1プライ:綿46%、セライ ト17%、アラミド繊維6%、窒化ケイ素 粒子6%;摩擦粒子:ニトリルゴム型エラ ストマーポリマー5%、CNSL−5%、 非常に硬質のCNSL−15%、ラテック ス2%加工助剤 総坪量=133〜135、厚さ=0.02 5” 比較例6a 43%フェノール樹脂で飽和済み 比較例6b 35%フェノール樹脂で飽和済み 比較例7 配合物#1Aの1プライ:配合物1と同じ 、ただしイソプレン型粒子ではなく、ニト リル型エラストマー摩擦粒子を含む。
【0096】 総坪量=約135、厚さ=0.021〜0 .022” 比較例7a 45%フェノール樹脂で飽和済み 比較例7b 34%フェノール樹脂で飽和済み 比較例7c 47%シリコーンで飽和済み 実施例I 綿60%、セライト40%の第1のプライ 配合物#1の第2のプライ 総坪量=130〜140、厚さ=0.02 2〜0.0235” 実施例Ia 56%シリコーンで飽和済み 実施例Ib 43%シリコーンで飽和済み 比較例3 配合物#1の1プライ 総坪量=135、厚さ=0.021〜0. 023” 比較例7の配合物を、別々にフェノール樹脂で飽和(比
較例7a、7b)、及びシリコーン樹脂(比較例7c)
で飽和させた。比較例3及び実施例IaとIbとをシリ
コーン樹脂で飽和させた。
【0097】高エネルギー摩擦材料の比較例6を作り、
これは三つの異なるタイプの摩擦粒子を含んだ。この材
料をフェノール樹脂で飽和させた。全ての材料は135
ポンドの坪量であり、これをクラッチアセンブリを作る
ために使用した。手順528Cまたは527Cに従っ
て、摩擦及び摩耗特性に関してアセンブリを評価した。 フルパック試験−中程度のエネルギーの手順528C (A)フェノール樹脂 イソプレン摩擦粒子に置き換えてニトリル摩擦粒子を用
いて、1プライ材料を作る(比較例7におけるように)
と、耐久性はわずかに向上する。比較例3の材料(イソ
プレン粒子を用いた)は、35%のピックアップで60
0サイクル持続し、一方、比較例7の材料は、同じピッ
クアップで8500サイクル持続した。摩擦及び摩耗デ
ータの要約を下記の表13に示す。表面外観データとパ
ーセント動摩擦データを、下記の表14に示す。
【0098】 表13 フルパック試験−1050サイクルでの実験室データ 手順528C−135ポンド坪量の材料 Exxon1975Type“H”潤滑 パック損失摩擦材料 低速度動摩擦* 高速度動摩擦** mil 比較例6a 0.138 0.146 7.0 比較例6b NA 0.132 36.0 比較例7a 0.125 0.123 4.0 比較例7b NA 0.133@ 12.0@ サイクル850 サイクル850 比較例7c 0.142 0.151 0.0 実施例Ia 0.162 0.175 5.0 実施例Ib 0.159 0.172 6.0 比較例3− 0.147 0.155 0.0 シリコーン45% 比較例3− NA 0.133@ 停止 フェノール樹脂40% サイクル550 比較例3− NA 0.135@ 停止 フェノール樹脂35% サイクル600 実施例I− NA 0.131 9.0 フェノール樹脂41%* 図面#95407で説明される45度法に従って記録した低速度動(静)摩擦** 係合の0.2秒後に記録した高速度動摩擦 表14 フルパック試験−パック表面外観のデータ 手順528C−135ポンド坪量の材料 Exxon1975Type“H”潤滑 ブレイク グレイ摩擦材料 摩耗 アウト ジング 層間剥離 %フェード** 比較例6b 2 0 2 0 0.0 比較例6a 5 0 3 0 13.7 比較例7a 2 1 2 0 8.1 比較例7b 4@サイ 0@サイ 4@サイ 0@サイ NA クル850 クル850 クル850 クル850 比較例7c 0 0 1 0 16.1 実施例Ia 0 0 1 0 8.4 実施例Ib 0 0 1 0 8.0 比較例3 0 0 1 0 10.4 比較例3 4@サイ 0@サイ 2@サイ 0@サイ NA フェノール クル650 クル650 クル650 クル650 樹脂44% 比較例3 5@サイ 0@サイ 3@サイ 0@サイ NA フェノール クル650 クル650 クル650 クル650 樹脂35% 実施例I 1 0 3 0 5.8 フェノール 樹脂41%** サイクル200から1050のパーセント高速度動摩擦フェース より高い45%ピックアップレベルの比較例7の材料を
用いて作ったアセンブリは、528C型試験を好結果で
完了できた。この材料は、ニトリル型エラストマー摩擦
粒子を含み、最終動摩擦0.123とわずか4.0mil
のパック損失を有した。比較例7の材料の試験では、
8.1%の動摩擦フェードが示された。摩耗とグレイジ
ングは、「2」と等級付けされ、一方、ブレイクアウト
は「1」、層間剥離は「0」だった。比較して、44%
フェノール樹脂ピックアップを用いた1プライ材料(比
較例3)の場合、550サイクル後に停止した。1プラ
イ材料で樹脂ピックアップが35%から44%になる場
合、本質的に改良は生じない。配合物#1A中のイソプ
レンエラストマー摩擦粒子を、ニトリルエラストマー摩
擦粒子で交換することと、樹脂ピックアップを増大させ
ることとにより、材料にさらにエネルギー容量が与えら
れる。
【0099】比較例7の材料を、シリコーン樹脂で47
%ピックアップレベルに飽和させた。この材料は、最終
動摩擦係数0.151と動摩擦フェード16.1%を有
した。パック損失は0.0milだった。試験後の表面外
観は優れていた。摩耗、ブレイクアウト及び層間剥離は
全て「0」と等級付けされ、一方グレイジングは「1」
だった。配合物#1A中にニトリルエラストマー摩擦粒
子と共にシリコーン樹脂を使用することで、ライニング
の耐摩耗性、摩擦係数が向上し、及びアセンブリの表面
外観等級が改良される。
【0100】上記の表13で分かるように、40%また
は35%フェノール樹脂ピックアップを用いた135ポ
ンド坪量の単一プライ材料(比較例3)は、528C試
験を好結果で完了できなかった。こうした試験は、ほぼ
600サイクル後に停止された。
【0101】しかしながら、上記の表13で分かるよう
に、上層として配合物#1を用いた2プライ材料(実施
例I)は、41%フェノール樹脂ピックアップを用い
て、試験を好結果で完了でき、最終動摩擦係数0.13
1、と摩擦フェード5.8%、及びパック損失9.0mi
lを示した。
【0102】上記の表13で分かるように、単一プライ
材料(比較例3)をシリコーン樹脂で45%ピックアッ
プに飽和させた場合、最終動摩擦は0.155に上昇
し、摩擦フェード10.4%、及びパック損失0milだ
った。アセンブリ表面のグレイジングは「1」と等級付
けされ、摩耗、ブレイクアウト及び層間剥離は全て
「0」と等級付けされた。シリコーン樹脂を使用するこ
とで、こうした試験条件下で、1プライ摩擦材料の摩擦
と摩耗性能とが改良された。
【0103】上層に配合物#1を有する2プライ材料
(実施例I)をシリコーン樹脂で飽和させ、43%と5
6%のピックアップレベルにした。両方の試験で、最終
動摩擦レベルはおおよそ0.174、パック損失約5.
5mil、摩擦フェード8.2%が示された。試験後のラ
イニングの表面状態は優れていた。グレイジングのみが
「1」と等級付けされ、摩耗、ブレイクアウト、及び層
間剥離は全て「0」と等級付けされた。2プライ材料
は、単一プライ材料よりも高い摩擦を生じた。再度、シ
リコーンを用いた配合物#1の材料は、フェノール樹脂
飽和済み材料よりも高い摩擦を示して機能した。
【0104】図5は、比較例3及び実施例Iに関して、
耐久性と摩擦とを向上させるよう変更した配合物材料
の、サイクル数対摩擦曲線を示す。曲線の差は、エラス
トマー4198粒子、シリコーン樹脂、及び2プライ材
料の効果を示す。実施例4 摩擦材料密度の変化は、アセンブリの摩擦と摩耗性能に
影響を及ぼす。単一プライ材料と、様々な密度の組合せ
を持つ2プライ材料とを評価した。評価した2プライ材
料密度の組合せは、一次層と二次層とが同じ密度を有す
る(実施例J)、一次層は高密度を有し、二次層は低密
度を有する(実施例K)、及び一次層は低密度を有し、
二次層は高密度を有する(実施例L)というもので、こ
れは下記の表15に示す通りである。
【0105】同じ材料配合物を、2プライ摩擦材料の一
次(下)層と二次(上)層の両方に使用した。しかし高
密度層を含む実施例は、より「機械的に」洗練された
(refined)綿材料を含む。綿繊維の洗練は、繊維のフ
ィブリル化を高め、カナダ標準形ろ水度数(Canadian S
tandard Freeness Number)(CFN)を低下させる。
CFN(TAPPIによって承認されたT227om−
94試験方法によって試験した時)は、繊維材料の洗練
またはフィブリル化の量が増大するにつれて、低くな
る。密度は、フィブリル化の量が増大するにつれて(す
なわち、CFNが低下するにつれて)、大きくなる。
「通常の」または標準の綿繊維が平均CFN約550を
有し、一方、極「洗練された」綿繊維は平均CFN約4
50を有することは理解できるはずである。従って、標
準綿繊維(約550CFN)は、比較的に低密度の繊維
質基材のシートまたは層を生成し、一方、洗練された綿
繊維(約450CFN)は、比較的に高密度の繊維質基
材のシートまたは層を生成する。
【0106】全ての場合に、紙の総坪量は約200ポン
ドを目標にし、そのうち一次層と二次層はそれぞれ16
0ポンドと40ポンドとした。フェノール飽和用樹脂を
使用して50〜55%ピックアップを得た。全ての試験
は手順498に従い、Exxon1975Type
“H”潤滑を用いて行った。
【0107】下記の摩擦材料は、配合物#3を含む:綿
36.8%、アラミドパルプ4.8%、セライト13.
6%、窒化ケイ素粒子4.8%、摩擦粒子:ニトリル、
エラストマーポリマー粒子4.0%、CNSL4.0
%、非常に硬質のCNSL12.0%;ノボロイド繊
維:3mm長さ10%、0.20mm長さ10%である。
【0108】下記の表15に列記する多孔性データは、
ガーレー透気度試験機を使用し、紙のシートに特定の体
積の空気が通過するのに必要な時間の長さの測定だっ
た。下記の表15に提出するMullenのデータは、
試験試料によって覆われた標準オリフィスの下でゴムダ
イアフラムによって制御される液体に一定の率で圧力を
加える時の、紙の破裂強さを測定する試験方法である。
この試験方法は、TAPPI方法T−403の外挿であ
る。
【0109】 表15 乾式 湿式 引張 引張 多孔性 Mullen 未加工密度 飽和密度 実施例J−総坪量 6000 5000 3 12 20.88 42.9 (一次層+二次層) =201、 厚さ=0.0385" 一次層: 5500 4000 2 9 19.63 坪量=159.5 厚さ=0.0325" 実施例K−総坪量 5800 4700 3 12 24.5 48.5 (一次層+二次層) =196、 厚さ=0.032" 一次層: 5000 4000 2 9 21.83 坪量=155.5、 厚さ=0.0285" 実施例L−総坪量 6900 5800 4 14 21.1 42.9 (一次層+二次層) =204、 厚さ=0.0385" 一次層: 5800 4500 3 11 20.5 坪量=164、 厚さ=0.032" 両方の層に同じ密度と材料の配合物を用いた2プライ材
料は、約2000rpm(0から100サイクル)と48
00rpm(101から2100サイクル)の係合速度の
両方で、同様の動摩擦の大きさを生じる。図6は、実施
例Jに関して、2プライアセンブリを用いた試験から得
られた摩擦対サイクル数の曲線を示す。総パック損失は
2.8milだった。
【0110】図7と8には、密度の変化を有する2プラ
イ材料を示す。図7は、実施例Kに関する静及び動摩擦
係数を示す。総パック損失は0.2milだった。図8
は、実施例Lに関する静及び動摩擦係数を示す。総パッ
ク損失は2.2milだった。2プライ材料の一次層また
は二次層の密度を変更することで、摩擦及び摩耗性能が
変化する。最も好都合な性能は、多孔性データに示すよ
うに、それぞれ低及び高密度の一次及び二次層を用いて
得られ(実施例L)、これは図8に示す通りである。
【0111】実施例Lは、2000rpmの係合の最中の
改良された静及び動摩擦係数と、わずかにより高い摩擦
係数とを示す。アセンブリの耐摩耗性もまた、この材料
の場合非常に良好である。図6〜8は、評価した三つの
2プライ材料密度の組合せ(実施例J、K及びL)に関
する、摩擦対サイクル数の曲線を示す。
【0112】2プライ材料は、単一プライ材料よりも良
好に機能する。最も良好な2プライ材料は、低密度一次
層と高密度二次層との組合せを有する。この2プライ材
料は、単一プライ材料よりもわずかに大きい耐摩耗性を
示した。2プライ材料を用いた試験から得られた動摩擦
係数は、単一プライ材料から得られたものと比較して、
様々な係合速度でより変動が少なかった。実施例5 摩擦及び摩耗試験を、手順5004Aに従い、Exxo
n1975Type“H”ATFを用いて実行した。全
ての結果は、1プライ摩擦材料または2プライ摩擦材料
を使用して得た。選択した変性及び未変性シリコーン樹
脂は、これらの二つの摩擦材料を用いて評価した。試験
した材料を下記の表16に示す。実施例MとNの両方は
配合物#4を含み、これは次の通り:アラミドパルプ−
32%、セライト−26%、シリカ−16%、摩擦粒
子:ニトリル型エラストマー粒子−16%、ガラス繊維
10%である。
【0113】 表16 実施例M 配合物#4の単一プライ 坪量115〜125 実施例N 配合物#4の2プライ 坪量115〜125 一次層坪量80−低密度 二次層坪量40−高密度 変性シリコーン樹脂で飽和した試料は、未変性シリコー
ン樹脂で飽和した試料と比較して、ほぼ二倍のせん断強
度を有する。変性シリコーン樹脂で飽和した試料は、フ
ェノール樹脂または他の「脆い」タイプの樹脂と混合す
れば向上する。
【0114】変性シリコーン樹脂は、たとえ未変性シリ
コーン樹脂よりも高いせん断強度を有しても、未変性シ
リコーン樹脂と同様かまたはわずかにより高い残留歪み
(set)値を生じる。こうした摩擦材料配合物の場合、
高いせん断強度と高い未変性シリコーン圧縮永久歪み耐
性との間には、ほとんど相関が無いと思われる。平均孔
径直径は、高架橋樹脂と比較して低架橋樹脂で飽和した
試料ではわずかにより大きい傾向がある。
【0115】シリコーン樹脂で飽和し、450°Fで硬
化を施した2プライ材料を用いて、印象的な摩擦及び摩
耗性能が示された。この材料は、わずか0.8milのパ
ック損失と9%の摩擦フェードとを有した。しかしなが
ら、400°Fで硬化した同じ材料は、試験によって
2.0milのパック摩耗と13%の摩擦フェードを示し
た。従ってシリコーン樹脂を使用した場合、樹脂の適切
な硬化がなされたことを反映する、より良好なパック損
失性能と摩擦性能とがある。
【0116】2プライ繊維質基材を、下記に列記する様
々なシリコーン樹脂類で飽和した。図9で分かる通り、
この材料は、その第1のTGAピークを約592℃に有
し、55.46重量パーセントの残留分がある。全ての
材料は、下記の表17に示すように樹脂で60%〜65
%重量ピックアップにまで飽和した材料だった。
【0117】表17 樹脂1)MTVシリコーンゴム、樹脂/ポリマー比=5
0:50−30分、@400°F−シリコーン 樹脂2)30分、@450°F−変性シリコーン重量平
均分子量=10,000、架橋度=1.3 樹脂3)30分、@450°F−変性シリコーン重量平
均分子量=10,000、架橋度=1.4 樹脂4)30分、@450°F−20:80−シリコー
ン/フェノール樹脂ブレンド 樹脂5)MTVシリコーンゴム、樹脂/ポリマー比=5
0:50−30分、@450°F−シリコーン 樹脂6)30分、@450°F−変性シリコーン重量平
均分子量=10,000、架橋度=1.4 樹脂7)30分、@400°F−変性シリコーン重量平
均分子量=5000,000、架橋度=1.4 樹脂8)30分、@450°F−変性シリコーン重量平
均分子量=5000,000、架橋度=1.4 樹脂9)シリコーンゴム、樹脂/ポリマー比=70:3
0 樹脂10)シリコーンゴム、樹脂/ポリマー比=90:
10 樹脂11)シリコーンゴム、樹脂/ポリマー比=5:9
5 高温摩擦材料(様々なシリコーン及びシリコーン/フェ
ノール樹脂ブレンドで飽和させた、実施例M−配合物#
4の単一プライ及び実施例N−配合物#4の2プライ)
に関する物理試験データを下記の表18に示す。
【0118】 表18 材料の物理的特性 シリコーン樹脂の比較 飽和用樹脂 せん断− 引張− 圧縮緩和 平均細孔直径 lb/in2 lb/in @1500 ミクロン (il/in2では lb/in2 ない) 単一プライ材料実施例M 樹脂1 183、208、201 20、22、21 圧縮=0.4581"、 3.3378 残留歪み=0.1067" 3.1466 樹脂9 226、236、234 27、26、27 圧縮=0.4240"、 3.0059 残留歪み=0.1142" 2.9611 樹脂11 84、90、85 11、10、10 圧縮=0.4792"、 3.5825 残留歪み=0.1718" 3.1183 2プライ材料実施例N 樹脂1 172、162、146 23、22、23 圧縮=0.3666" 2.8875 残留歪み=0.0630" 3.3010 樹脂2 417、373、358 45、45、44 圧縮=0.3449" 3.7316 残留歪み=0.1081" 3.5069 樹脂3 355、355、330 43、42、43 圧縮=0.3432" 2.7773 残留歪み=0.1460" 2.7956 樹脂4 406、442、412 52、44、55 圧縮=0.2251" 2.8180 残留歪み=0.0524" 2.3375 樹脂5 188、226、213 28、29、29 圧縮=0.4181" 3.2174 残留歪み=0.1056" 2.7459 樹脂6 374、332、357 41、45、43 圧縮=0.3490" 2.6725 残留歪み=0.1436" 2.5462 樹脂7 379、401、388 43、44、42 圧縮=0.3642" 2.5392 残留歪み=0.1864" 2.8858 樹脂8 336、344、359 41、43、42 圧縮=0.3878" 2.9224 残留歪み=0.1919" 2.7483 摩擦と摩耗のデータを、SAE手順5004Aに従い、
Exxon19875Type“H”ATF潤滑を使用
して得た。結果の要約を下記の表19に示す。
【0119】 表19 試験手順5004A−Exxon1975Type“H”ATF シリコーン樹脂の比較 飽和用樹脂 A−サイクル50 B−サイクル2050 C−サイクル2100 摩耗 ui uf ui uf ui uf インチ 単一プライ材料実施例M 樹脂1Ex.M-1 0.168 0.165 0.133 0.145 0.139 0.15 -0.0024 フェード* 0.0% +3.8% -17.4% -7.1% +3.7% -0.6% (T136) 樹脂9Ex.M-2 0.177 0.169 0.145 0.139 0.161 0.155 0.0012 フェード -2.2% +7.0% -20.8% -15.2% -4.6% -1.3% (T230) 樹脂11Ex.M-3 0.159 0.153 0.095 0.147 NA NA 0.0276 @550 @550 フェード -2.5% +2.0% -33.1% -14.5% (T231) 2プライ材料実施例N 樹脂1 0.187 0.174 0.168 0.152 0.178 0.161 0.0210 フェード -2.1% +6.1% -12.0% -13.1% +3.5% 0.0% (T225) 樹脂2 0.166 0.155 0.144 0.127 NA NA 0.0029 @1650 @1650 フェード +5.7% +6.2% -3.4% -9.9% (T183) 樹脂3 0.164 0.155 0.136 0.129 NA NA 0.0132 @1950 @1950 フェード +3.8% +6.9% -16.6% -10.4% (T222) 樹脂4 0.118 0.129 0.110 0.122 0.130 0.136 0.0059 フェード -2.5% +2.4% -16.7% -4.7% +2.4% +0.7% (T223) 樹脂5 0.171 0.151 0.155 0.145 0.150 0.155 0.0008 フェード -2.3% 0.0% -9.4% -7.1% +4.2% +2.0% (T216) 樹脂6 0.163 0.158 0.135 0.128 NA NA 0.0149 @1550 @1550 フェード +5.2% +12.9% -19.6% -13.5% (T224) 樹脂7 0.164 0.155 0.108 0.126 NA NA 0.0189 @750 @750 フェード -7.9% +4.0% -28.0% -16.0% (T185) 樹脂8 0.171 0.161 0.122 0.127 NA NA -0.0057 @850 @850 フェード -1.2% +3.9% -26.5% -21.1% (T226) 2プライ材料試験を、様々な樹脂、シリコーン樹脂及び
シリコーン/フェノール樹脂を使用して評価した。40
0°Fではなく450°Fに硬化したシリコーン材料は、
400°Fに硬化した同じ材料の21.0milのパック損
失と比較して、0.8milのパック損失を生じた。シリ
コーン/フェノール樹脂混合物で飽和した2プライ材料
は、5.9milの摩耗を生じた。
【0120】二つのTMA(熱機械分析)試験を実行し
た:第1の試験は、10℃/分の増分で750°Fまで
材料を加熱(方法「A」)して、その間寸法変位(dime
nsional displacement)を測定することを含み、また、
第2の試験は、周囲から500℃までの5回の熱サイク
ルと、次に750°Fまでの最終温度上昇(方法
「B」)とを含んだ。
【0121】 表20 材料の熱比較 シリコーン樹脂の比較 飽和用樹脂 TMA−方法「A」 TMA−方法「B」 30℃〜750℃ 30℃〜500℃、次に750℃ 第1のピーク 第2のピーク 第1のピーク 第2のピーク 単一プライ材料実施例M 樹脂1 +44.57u -23.72u +43.05u -14.6u @273.4℃ @507.4℃ @274.5℃ @513.82℃ 樹脂9 +26.81u -15.99u -40.3u @270.0℃ @520.1℃ @742.6℃ 樹脂11 +40.83u -10.37u +53.5u +583.9u @294.9℃ @443.1℃ @326.2℃ @592.3℃ 2プライ材料実施例N 樹脂1 +48.80u -23.15u +40.1u +474.1u @280.7℃ @505.9℃ @287.9℃ @734.3℃ 樹脂2 +30.30u +23.8u +40.3u +265.6u @271.4℃ @551.8℃ @287.7℃ @552.0℃ 樹脂3 +23.78u +12.8u +13.8u @270.1℃ @266.2℃ @555.5℃ 樹脂4 +22.62u -44.22u +540.2u @282.2℃ @491.1℃ @576.7℃ 樹脂5 +44.69u -12.24u +29.2u -24.9u @287.9℃ @487.9℃ @291.2℃ @503.7℃ 樹脂6 +23.61u +19.9u -18.6u @275.4℃ @271.7℃ @598.5℃ 樹脂7 +2.73u -20.89u -63.5u +248.0u @257.6℃ @427.2℃ @619.0℃ @740.5℃ 樹脂8 -7.86u -43.47u +14.9u +458.4u @257.6℃ @491.6℃ @287.2℃ @739.0℃* レベルA:ui=3600rpm、um=1850rpm、uf=740rpm、及びu s=0.72rpmにおける摩擦。 レベルB:ui=3600rpm、um=1850rpm、uf=740rpm、及びu s=0.72rpmにおける摩擦。 レベルC:ui=3600rpm、um=1850rpm、uf=740rpm、及びu s=0.72rpmにおける摩擦。
【0122】図9は、実施例Nの熱重量分析(Thermalg
avimetric analysis)(TGA)を示す。TGA曲線は
より高い温度を示し、これは耐熱性の向上を示す。重量
のパーセント変化は35.15%だった。重量損失が速
くないほど、摩擦材料はより高い耐熱性を有する。実施例6 高性能2プライ紙複合湿式クラッチフェーシング摩擦材
料は、高温、高エネルギー、低圧縮永久歪みの材料の配
合物を含む二次層と、非線形弾性で多孔質の配合物を含
む一次層とを含む。2プライ複合材料は、非常に多孔質
で非線形弾性があり、低い圧縮永久歪みを有する。例え
ば、2プライ複合湿式クラッチフェーシングを含む摩擦
材料は、単独で使用された場合の二次層材料の単一プラ
イ材料に勝る、摩擦性能の実質的な改良を示す。
【0123】二次層は、約10%〜約40%の多孔質活
性炭粒子、約10%〜約30%の綿繊維、約5%〜約3
0%の精密切断(precision cut)アラミド繊維、約0
〜20%の人造黒鉛及び約0〜40%の充填材を含む配
合物#5を含む。一次層は、約5%〜約30%の非線形
弾性PET繊維、約20%〜約60%の綿繊維、約10
%〜約40%の充填材を含む配合物#6を含む。好適な
実施例においては、一次層は、約55%の綿、約10%
の非線形弾性PET繊維、35%のセライト、及び約2
%のラテックス加工助剤を含み、及び二次層は、約30
%の活性炭粒子、約25%の綿、約10%のアラミド繊
維、約10%のアラミドパルプ、約25%のセライト、
及び約2%のラテックス加工助剤を含む。二次層は、2
プライ複合材料の総厚さの約5%〜約30%及び最も好
ましくは約20%を占める。得られる2プライ複合材料
は、非常に多孔質でかつ非線形弾性がある。本2プライ
複合材料は、湿式クラッチフェーシング中に使用された
場合、単一プライ層高温材料に勝る、摩擦性能の実質的
な改良を示す。
【0124】 表21 比較例8 配合物#5 45%フェノール樹脂PU 最終密度47.4ポンド/立方フィート 比較例9 配合物#6 実施例O 配合物#5の二次層 配合物#6の一次層 44%フェノール樹脂PU 最終密度44.4ポンド/立方フィート 試料を、言及したピックアップレベルでフェノール樹脂
で飽和させた。表22に示すデータは、比較例8、比較
例9及び実施例Oに関する、ミクロン単位での平均細孔
直径を示す。実施例Oの2プライ材料は、比較例8また
は9よりも大きな平均細孔直径を有することが分かる。
全ての試料を、硬化し、圧縮して、最終密度45〜47
ポンド/立方フィートにする。
【0125】 表22 平均細孔直径(ミクロン) 比較例8 2.599 比較例9 3.845 実施例O 3.894 比較例8、比較例9及び実施例Oを使用して、圧縮−緩
和試験を行った。圧縮率は、圧縮後に材料が原寸に戻る
ことができる能力の尺度である。
【0126】比較例8及び実施例Oに関してフルパック
試験(527C)高エネルギー試験を使用した、高速度
動摩擦係数対サイクルのデータを図13に示す。本2プ
ライ摩擦材料は、非常に多孔質でかつ非線形弾性があ
る。比較例8または9の単一プライ層に勝る、摩擦性能
の実質的な改良がある。動摩擦係数が10〜25%向上
し、また、耐摩耗性が20〜50%向上する。
【0127】加えて、耐熱性が向上し、静/動比がより
低くなる。本2プライ摩擦材料では1プライ材料より
も、孔径が大きく、圧縮−緩和挙動が低く、総樹脂ピッ
クアップが増大している。
【0128】図10は、比較例8に関する圧縮と圧縮永
久歪みを示す。図11は、比較例9に関する圧縮と圧縮
永久歪みのデータを示す。図12は、実施例Oに関する
圧縮と圧縮永久歪みを示す。実施例7 高性能2プライ摩擦材料は、より多孔質でなく、高温耐
性、高熱伝導性、高エネルギー及び高強度の材料の配合
物を含む二次層すなわち上層と、より多孔質で高熱対流
性の材料の配合物を含む一次層とを含む。2プライ摩擦
材料は、単一プライ材料に勝る摩擦性能の実質的な改良
を示す。
【0129】二次層は、約0〜約30%の綿繊維;約5
〜約45%の、約525CSF以下を有しより多くフィ
ブリル化したアラミド繊維;約5〜約35%の充填材;
約0〜約30%の炭素粒子及び/または黒鉛;約5〜約
30%の炭素繊維;約1〜約10%のノボロイド繊維;
及び約0〜約3%のラテックス加工助剤を含む配合物#
7を含む。
【0130】一次層は、約20〜約60%の綿繊維;約
10〜約30%の、約525CSF以上を有しより少な
くフィブリル化したアラミド繊維;約10〜約30%の
充填材;約10〜約30%の黒鉛及び/または炭素粒
子;及び約0〜約3%のラテックス加工助剤を含む配合
物#8を含む。
【0131】実施例Pは、約43%のより少なくフィブ
リル化したアラミド繊維、約30%の充填材、約15%
の炭素粒子、約10%の炭素繊維、約2%のノボロイド
繊維、及び約2%のラテックス加工助剤を有する二次層
と;約40%の綿繊維、約20%のより多くフィブリル
化したアラミド繊維、約20%の充填材、約20%の黒
鉛、及び約2%のラテックス加工助剤を有する一次層と
を含む。
【0132】下記の表23は、実施例P−1及びP−2
の未加工紙の特性を示す。摩擦材料の乾式及び湿式引張
強度は、材料の取り扱い及び材料の樹脂飽和の最中にお
いて重要である。低引張強度の摩擦材料は、樹脂飽和浴
中で細断される。本2プライ材料は、良好な湿式及び乾
式引張強度を有する。
【0133】 表23 未加工紙の特性 P−1 P−2 坪量lb/3000ft2 168 171.8 厚さインチ 30.5 30 乾式引張 6106 5307 湿式引張 4081 3989 550℃での灰 36.2 36.27 900℃での灰 17.7 19.51 透気度試験機 6.4 6.8 P−1 P−2 坪量lb/3000ft2 168 170 厚さインチ 31 29.5 乾式引張 5995 5120 湿式引張 4051 3990 550℃での灰 34.98 36.1 900℃での灰 17.35 19.3 透気度試験機 6.8 6 一次層と二次層の多孔性または相対潤滑剤浸透特性に関
する情報を得るために、油滴下時間を評価した。この時
間は一般に、材料の吸油特性を反映する。下記の表24
によると、未加工紙の場合と約50%樹脂ピックアップ
で含浸させた摩擦材料の場合との両方で、一次層すなわ
ち下層は二次層すなわち上層よりも多孔質であることが
示される。表24は、油浸透の速度がより大きい(時間
がより短い)ほど、材料はより多孔質であることを示
す。
【0134】 表24 油滴下結果 未加工紙 50%樹脂ピックアップ 上層 下層 上層 下層 P−1 3.14 2.53 6.6 6.22 P−2 3.4 2.51 7.87 5.31 下記の表25では、49.2%樹脂ピックアップを用い
た実施例Pの高速度、高エネルギー試験の結果を、従来
の単一プライ摩擦材料と比較して示す。実施例Pの方
が、故障前により多くのサイクル(5800v.133
9サイクル)に至っている。また実施例Pはより良好な
停止時間を有し、摩擦係数安定性は、単一プライ材料の
場合よりも実施例Pの場合の方がはるかに高い。
【0135】 表25 従来の層 実施例P−2 坪量lb/3000ft2 172 厚さmil 0.030 密度lb/inch3 0.0133 最終厚さ 0.021" 0.021" PU% 40% 49.2% レベルA(3700rpm、0.157lb.ft.sec2) 係数 μi μd μO μi μd μO 1サイクル 0.135 0.122 0.125 0.115 0.111 0.117 10サイクル 0.152 0.142 0.142 0.124 0.118 0.126 20サイクル 0.149 0.144 0.143 0.126 0.120 0.128 30サイクル 0.154 0.143 0.140 0.128 0.122 0.131 50サイクル 0.152 0.142 0.138 0.132 0.124 0.130 μdの変化% 16.4 11.7 レベルB(3700rpm、0.14lb.ft.sec2) 係数 μi μd μO μi μd μO 185サイクル 0.129 0.124 0.107 0.116 0.115 0.107 198サイクル 0.128 0.125 0.107 0.117 0.115 0.107 211サイクル 0.129 0.125 0.107 0.115 0.114 0.109 224サイクル 0.127 0.125 0.107 0.115 0.114 0.108 平均μ 停止時間レベルB 0.808 0.802 250サイクル 0.125 0.125 0.108 0.117 0.115 0.108 450サイクル 0.120 0.122 0.105 0.116 0.114 0.109 750サイクル 0.110 0.117 0.104 0.118 0.113 0.105 1150サイクル 0.107 0.110 0.105 0.113 0.111 0.102 1650サイクル 0.118 0.112 0.102 2650サイクル 0.115 0.116 0.100 3650サイクル 0.115 0.109 0.097 4650サイクル 0.116 0.110 0.096 5650サイクル 0.104 0.112 0.101 7650サイクル 8650サイクル 試験サイクル終了 1339サイクル 5800サイクル 試験終了付近でのμ 0.113(1330サイクル) 0.113(5790サイクル) 終了時の停止時間 0.881 0.859 変位の変化 0.68mm 0.82mm 総摩耗(インチ) 0.0154" 0.0205" 故障モード STTM>10%上昇 厚さ変化故障 摩擦板 摩耗 グレイジング、亀裂 エロージョン 表面フレーキング (surface flacking) 半径方向経路破壊 スコーリング (radial path destruct) 分離板 ヒートステイン 激しいヒートステイン 若干の反り ホットスポット 停止時間の勾配 非常に急峻 緩やかで下がる 厚さ変化の勾配 平坦だが急に跳ね上がる 平坦だがわずかに跳ね上 がる 下記の表26に含まれるせん断強度データは、2プライ
界面にはせん断破壊が無いことを示す。上層と下層との
間の界面強度は十分なので、本発明の2プライ摩擦材料
の使用最中に層間剥離は起きない。
【0136】 表26 せん断結果:40%PU 破壊 上層 せん断、PSI 完成紙料の重要な部分 実施例P−1 上側 43%K 1030/20%CF− 333 247/20%C−281 実施例P−2 下側 43%K 1030/10%CF− 369 247/30%C−281
【0137】
【産業上の利用性】本発明は、クラッチ板、トランスミ
ッションバンド、ブレーキシュー、シンクロナイザーリ
ング、摩擦円板またはシステムプレート及びトルクコン
バータと共に使用するためのエネルギー摩擦材料として
有用である。
【0138】好適な実施例及び他の実施例に関する上記
の説明は、例示とするためのものであり、請求の範囲及
び内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】2プライ摩擦材料を形成するための方法を示
す、全体的な概略図である。
【図2】2プライ摩擦材料を大まかに示す、図1の線2
−2に沿って切った断面である。
【図3】比較試料3、実施例G及びHに関して、サイク
ル数が増加する時の動摩擦係数を比較するグラフであ
る。
【図4】比較試料3、4、5及び実施例Iに関して、サ
イクル数が増加する時の動摩擦係数を比較するグラフで
ある。
【図5】比較試料3及び実施例Iに関して、サイクル数
が増加する時の動摩擦係数を比較するグラフである。
【図6】実施例Jに関して、サイクル数が増加する時の
静及び動摩擦係数を比較するグラフである。
【図7】実施例Kに関して、サイクル数が増加する時の
静及び動摩擦係数を比較するグラフである。
【図8】実施例Lに関して、サイクル数が増加する時の
静及び動摩擦係数を比較するグラフである。
【図9】実施例Nに関して、温度上昇に伴う重量損失の
パーセントと、微分重量(derivative weight)(%/
℃)の変化と、残留分の量及びパーセントとを示すTG
Aグラフである。
【図10】フェノール樹脂を含浸させた比較例8を含む
非圧縮摩擦材料に関して、圧縮及び永久歪みを示すグラ
フである。
【図11】フェノール樹脂を含浸させた比較例9を含む
非圧縮摩擦材料に関して、圧縮及び永久歪みを示すグラ
フである。
【図12】フェノール樹脂を含浸させた比較例Oを含む
非圧縮摩擦材料に関して、圧縮及び永久歪みを示すグラ
フである。
【図13】比較例8及び実施例Oに関して、サイクル数
が増加する時の摩擦係数を比較するグラフである。
【符号の説明】
10 ディスペンス手段 11 保持または搬送表面 12 2プライ繊維質基材24の一次層 20 第2のディスペンス手段 22 2プライ繊維質基材24の二次層 24 2プライ繊維質基材 30 乾燥手段 40 含浸手段 50 乾燥手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/14 520 C09K 3/14 520M // C08L 61:04 83:00 (72)発明者 ロバート・シー・ラム アメリカ合衆国イリノイ州60564,ネイパ ービル,スウィッチ・グラス・レイン 5015

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次層又は下層に接合した二次層又は上
    層を含み、前記一次層は非線形弾性繊維、綿繊維、及び
    充填材料を含み;前記二次層は炭素繊維、アラミド繊
    維、充填材料、及びノボロイド繊維を含む;非アスベス
    ト摩擦材料中に使用するための2プライ繊維質基材。
  2. 【請求項2】 前記一次層の重量を基準として、重量%
    で、前記一次層は、約5%〜約30%の非線形弾性繊
    維、約20%〜約60%の綿繊維、約10〜約40%の
    充填材料、約0〜約30%の黒鉛、約0〜約30%の炭
    素粒子、及び約0〜約3%のラテックス型加工助剤を含
    む、請求項1に記載の2プライ繊維質基材。
  3. 【請求項3】 前記二次層の重量を基準として、重量%
    で、前記二次層は、約5〜約30%の炭素繊維、約0〜
    30%の綿繊維、約5〜約45%のアラミド繊維、約0
    〜約30%の黒鉛、約0〜約30%の炭素粒子、約5〜
    約35%の充填材料、約1〜約10%のノボロイド繊
    維、及び約0〜約3%のラテックス型加工助剤を含む、
    請求項1に記載の2プライ繊維質基材。
  4. 【請求項4】 前記一次層は、前記二次層よりも高い多
    孔性を有する、請求項1に記載の2プライ繊維質基材。
  5. 【請求項5】 前記一次層の重量を基準として、前記一
    次層は、約20%のより少なくフィブリル化したアラミ
    ド繊維;約40%の綿;約20%の充填材料;及び約2
    0%の黒鉛、炭素粒子または黒鉛と炭素粒子との混合物
    を含む、請求項1に記載の2プライ繊維質基材。
  6. 【請求項6】 前記一次層の前記非線形弾性繊維は、カ
    ナダ標準形ろ水度約525以上を有しより少なくフィブ
    リル化したアラミド繊維を含み、前記二次層の前記アラ
    ミド繊維は、カナダ標準形ろ水度約525以下を有しよ
    り多くフィブリル化したアラミド繊維を含む、請求項1
    に記載の2プライ繊維質基材。
  7. 【請求項7】 前記二次層の重量を基準として、重量%
    で、前記二次層は、約10%の炭素繊維;約43%のア
    ラミド繊維;約30%の充填材料;約15%の炭素粒
    子、黒鉛または炭素粒子と黒鉛との混合物;及び約2%
    のノボロイド繊維を含む、請求項1に記載の2プライ繊
    維質基材。
  8. 【請求項8】 フェノール樹脂若くは変性フェノール樹
    脂、シリコーン若くは変性シリコーン樹脂、またはフェ
    ノール樹脂若くは変性フェノール樹脂とシリコーン若く
    は変性シリコーン樹脂とのブレンドを含浸させた請求項
    1に記載の2プライ繊維質基材を含む、非アスベスト摩
    擦材料。
  9. 【請求項9】 クラッチフェーシングまたはブレーキシ
    ューライニングを含む、請求項8に記載の摩擦材料。
  10. 【請求項10】 非線形弾性繊維、綿繊維及び充填材料
    を含む一次層を形成することと;二次層を前記一次層に
    接着することと;を含み、前記二次層は炭素繊維、アラ
    ミド繊維、充填材料、及びノボロイド繊維を含む、2プ
    ライ繊維質基材の製造方法。
  11. 【請求項11】 フェノール樹脂若くは変性フェノール
    樹脂、シリコーン若くは変性シリコーン樹脂、またはフ
    ェノール樹脂若くは変性フェノール樹脂とシリコーン若
    くは変性シリコーン樹脂とのブレンドを、請求項10に
    記載の2プライ繊維質基材に含浸させることと、その
    後、該含浸済み2プライ繊維質基材を加熱して、前記樹
    脂類を硬化することと、を含む、非アスベスト摩擦材料
    の製造方法。
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