JP3426682B2 - 湿式摩擦材 - Google Patents

湿式摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油中クラッチフェージ
ングのごとき湿式摩擦材、特に摩擦材の基材の結合に用
いる熱硬化性樹脂の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車業界においては、省エネルギー
化、軽量化の追求の観点より、各種使用部品の軽量化及
び高効率化が進められている。湿式摩擦材においても、
摩擦係数の向上及び単位面積当たりのエネルギー吸収能
を高めることにより、クラッチフェージング枚数の低減
をはじめ、小型化、軽量化が推進されている。
【0003】しかしながら、従来の湿式摩擦材の結合剤
としてはレゾール型フェノール樹脂が主として用いら
れ、その他エポキシ樹脂、ゴム系などが用いられている
が、これらはいずれも摩擦係数及びエネルギー吸収能が
劣り、特に長時間使用する場合には摩擦係数の低下や摩
擦材自体の破壊が発生する難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記事
情を鑑み、結合剤として用いるレゾール型フェノール樹
脂に対し、耐熱性、耐久性を更に改善し、かつ安価な溶
剤に対する溶解性を有し、成形性に優れた結合剤を用い
た優れた性能を有する湿式摩擦材、特に高く安定した摩
擦係数を有し、エネルギー吸収能も高く、しかも長期間
にわたる使用においても安定した摩擦特性を有する耐熱
性に優れた湿式摩擦材の開発を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 [1] 湿式摩擦材の基材の結合剤として、レゾール型
フェノール樹脂のフェノール化合物100重量部に対
し、一般式(1)で示されるビスマレイミドおよび/ま
たは一般式(2)で示されるマレイミドからなるマレイ
ミド化合物5〜100重量部を配合し、熟成した変性フ
ェノール樹脂を親水性有機溶媒に溶解した湿式摩擦材用
樹脂組成物、及び [2] レゾール型フェノール樹脂のフェノール化合物
100重量部に対し、一般式(1)で示されるビスマレ
イミドおよび/または一般式(2)で示されるマレイミ
ドからなるマレイミド化合物5〜100重量部を配合、
熟成し、さらに親水性有機溶媒にて希釈し、この変性フ
ェノール樹脂溶液に湿式摩擦材の基材を含浸、加熱、硬
化させることを特徴とする湿式摩擦材の製造方法、を開
発することにより上記の目的を達成した。
【0006】本発明において結合剤の主成分として使用
されるレゾール型フェノール樹脂は、フェノール化合物
とアルデヒド化合物をアルカリ性触媒を用いて反応する
ことにより得られる一般式(3)で示すレゾール型フェ
ノール系樹脂である。
【0007】
【化3】 (RはHまたはアルキル基またはアリル基、R’は−C
2 OHまたは水素を表し、m,nはランダムに結合し
ており各々0〜10の数を表す。)
【0008】前記のフェノール化合物として代表的なも
のはフェノール、クレゾール、キシレノール、パラター
シャリブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パ
ラノニルフェノール、レゾルシン、アミノフェノール、
ビスフェノールAなどがあり、これら2種以上の併用の
形で使用しても良い。
【0009】アルデヒド化合物としてはホルマリン、パ
ラホルムなどを用いることができる。アルカリ性触媒と
してはカルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属、
ナトリウムなどのアルカリ土類などの酸化物及び水酸化
物、アンモニア、ヘキサメチレンテトラミン、1級〜3
級のアミン類等通常のレゾール化触媒を用いることがで
きる。
【0010】レゾール化反応は、フェノール化合物/ア
ルデヒド化合物のモル比で1/1.0〜3.0の範囲で
行い、反応温度は通常50〜100℃の範囲で行うこと
が望ましい。
【0011】本発明において使用するマレイミド化合物
としては、一般式(1)
【化4】 (R1 はCH2 ,O,SO2 、R2 はH,炭素数1〜4
のアルキル基を示す。)で示されるビスマレイミド、
般式(2)
【化5】 (R3 はH,OH,炭素数1〜4のアルキル基を示
す。)で示されるマレイミドが好ましい。例えば、N,
N’−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−ジ
フェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−ジフェニ
ルスルホンビスマレイミド等のビスマレイミド類、N−
フェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、
N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のマレイミド化合
物などが挙げられるが、ビスマレイミド系、特にN,
N’−ジフェニルメタンビスマレイミドが好ましい。こ
れらは、単独または2種以上混合して用いることができ
る。
【0012】本発明で使用する変性フェノール樹脂は、
フェノール化合物とアルデヒド化合物をアルカリ性触媒
の存在下でレゾール化反応を行い、減圧脱水後マレイミ
ド化合物を加え熟成した後溶剤を加えることにより得ら
れる。溶剤の種類としてはアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン系溶剤のような安価な溶剤を用いることができる。
【0013】マレイミド化合物の使用量はレゾール型フ
ェノール樹脂に使用したフェノール化合物に対して5〜
100重量部の範囲で使用するが、好ましくは10〜7
0重量部の範囲である。マレイミド化合物の配合比が5
重量部未満では、効果が見られず100重量部より多い
と溶剤への溶解性が悪くなり均一な樹脂溶液が得られな
い。
【0014】上記のマレイミド化合物を含有した変性レ
ゾール型フェノール樹脂は、樹脂液の取り扱い性の改善
や、基材に対する樹脂の付着量を一定にするため通常ケ
トン、アルコール等の親水性有機溶媒にて希釈して用い
ることが好ましい。使用時の樹脂濃度(不揮発分濃度)
として、対象とする樹脂、目的とする付着量などにより
希釈濃度は若干変わるが、通常20〜50%、好ましく
は25〜35%くらいとなる。
【0015】なお、この変性フェノール樹脂には、ヘキ
サメチレンテトラミン、トリエチルアミン等のアミン
類、ベンゾイルパーオキシドのごとき有機過酸化物、ト
リフェニルフォスフィン等のフォスフィン類等公知の反
応促進剤も添加することができる。
【0016】本発明の湿式摩擦材の基材としては、従来
使用されているものは使用できるが、パルプ類、アラミ
ド等高級エンジニヤリングプラスチックの繊維、ガラス
繊維等、およびカシューダスト、ゴム粉、ケイソウ土、
グラファイト等の充填材を水に分散させ、この分散液か
ら抄造することにより得られた紙状シートを所定のリン
グ状に打ち抜いたものを用いると良い。
【0017】このリング状シートに前記変性フェノール
樹脂溶液を基材100重量部に約20〜50重量部をデ
ィッピング法により含浸し、乾燥した後、変性フェノー
ル樹脂の種類、樹脂の含浸量によっても変わるが、約1
50〜250℃程度の温度、15分〜30分間加熱、硬
化させる。
【0018】次いでこの樹脂含浸したリング状シート
を、接着剤を塗布した芯金にあわせ、加熱、接着を行
い、目的の摩擦材を得ることができる。
【0019】
【作用】本発明は、湿式摩擦材の結合剤としてレゾール
型フェノール樹脂にマレイミド化合物を加え熟成した変
性フェノール樹脂を使用することにより硬化性、基材と
の接着性等を損なうことなくマレイミド化合物系樹脂の
特徴である耐熱性向上を引き出すことができ、湿式摩擦
材の耐久性、耐熱性向上がはかられた。
【0020】特にレゾール型フェノール樹脂中のフェノ
ール化合物100重量部に対しマレイミド化合物を5〜
100重量部配合することにより、有機溶剤に対する溶
解性を保持することができ、作業性が優れた結合剤を得
ることができた。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、摩擦材の製造及び摩擦材の評価は次のとお
り。
【0022】摩擦材の製造:リンターバルブ、アラミド
繊維、ケイソウ土を所定の割合で水に分散させた分散液
から通常の方法で抄紙することによって得た紙状シート
を所定のリング状に打ち抜き下記実施例によって得られ
た変性フェノール樹脂をアセトンにて不揮発分濃度とし
て30重量%に希釈し、抄紙した基材100重量部に対
して35重量部をディッピング方法により含浸し、室温
で30分乾燥した後、200℃で20分間加熱処理し
た。その後このリング状シートをフェノール系接着剤を
塗布した芯金にあわせ180℃、20分加熱接着を行
い、湿式摩擦材を得た。
【0023】評価試験:摩擦材の性能は、SAE#2摩
擦試験機による、製造直後及び5000サイクル経過後
の動摩擦係数を求め、動摩擦係数の低下率で評価した。
以下に試験条件を示す。 回転数 3600rpm 慣性モーメント 3.5kg・cm・sec2 面圧 8Kg/cm2 オイル デキシロンII
【0024】(実施例1)フェノール1000gに37
%ホルマリン1220g及び25%アンモニア水溶液1
0gを加え、100℃にて3時間反応させた。その後8
0mmHgで減圧脱水を行い、温度が80℃に達したら
N,N’−ジフェニルメタンビスマレイミドを100g
加え、そのまま80℃で2時間熟成させ、次いでメチル
エチルケトン800gを加え不揮発分50.0%の液状
変性フェノール樹脂を得た。この樹脂を用いて前記の条
件で摩擦材を作り評価を行った。結果は表1に示す。
【0025】(実施例2)N,N’−ジフェニルメタン
ビスマレイミドの量を300gとした以外は、実施例1
と同様に合成を行い、次いでメチルエチルケトン800
gを加え、不揮発分58.5%の液状変性樹脂を得た。
摩擦材としての評価は表1に示す。
【0026】(実施例3)N,N’−ジフェニルメタン
ビスマレイミドの量を600gとした以外は、実施例1
と同様に合成を行い、次いでメチルエチルケトン800
gを加え、不揮発分66.2%の液状変性樹脂を得た。
摩擦材としての評価は表1に示す。
【0027】(比較例1)N,N’−ジフェニルメタン
ビスマレイミドを加えない以外は実施例1と同一の条件
で合成を行い、次いでメチルエチルケトン800gを加
え不揮発分46.2%の未変性のフェノール樹脂を得
た。
【0028】(比較例2)N,N’−ジフェニルメタン
ビスマレイミドの量を1100gとした以外は、実施例
1と同様に合成を行い、次いでメチルエチルケトン80
0gを加え、不揮発分75.0%の液状変性樹脂を得
た。その後、アセトンにて希釈をしようとしたが溶解性
が悪く、均一な溶液が得られず摩擦材を作製することが
できなかった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明は、従来オートマチック車のクラ
ッチ等に用いられているペーパークラッチフェージング
の結合剤として、主として使用されてきたレゾール型フ
ェノール樹脂の耐熱性、耐久性、特に摩擦係数の低下の
少ない摩擦材の開発を目的としてなされたものであり、
耐熱性、耐久性を改善するためにレゾール型フェノール
樹脂にマレイミド化合物を配合したにもかかわらず、安
価な溶剤に対する溶解性を維持させ、成形性、塗布性の
優れた結合剤を開発し、これを用い、摩擦係数低下率の
改善された湿式摩擦材の開発に成功した。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式摩擦材の基材の結合剤として、レゾ
    ール型フェノール樹脂のフェノール化合物100重量部
    に対し、一般式(1) 【化1】 (R 1 はCH 2 ,O,SO 2 、R 2 はH,炭素数1〜4
    のアルキル基を示す。)で示されるビスマレイミド、 および/または一般式(2) 【化2】 (R 3 はH、OH、炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。)で示されるマレイミドからなるマレイミド化合物
    5〜100重量部を配合し、熟成した変性フェノール樹
    脂を親水性有機溶媒に溶解した湿式摩擦材用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 レゾール型フェノール樹脂のフェノール
    化合物100重量部に対し、一般式(1)で示されるビ
    スマレイミドおよび/または一般式(2)で示されるマ
    レイミドからなるマレイミド化合物5〜100重量部を
    配合、熟成し、さらに親水性有機溶媒にて希釈し、この
    変性フェノール樹脂溶液に湿式摩擦材の基材を含浸、加
    熱、硬化させることを特徴とする湿式摩擦材の製造方
    法。
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