JP2001316660A - 湿式摩擦材用液状フェノール樹脂及びその製造方法 - Google Patents

湿式摩擦材用液状フェノール樹脂及びその製造方法

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JP2001316660A
JP2001316660A JP2000135539A JP2000135539A JP2001316660A JP 2001316660 A JP2001316660 A JP 2001316660A JP 2000135539 A JP2000135539 A JP 2000135539A JP 2000135539 A JP2000135539 A JP 2000135539A JP 2001316660 A JP2001316660 A JP 2001316660A
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Hiroshi Aiba
博 相庭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、湿式摩擦材の小径化、枚数低減に
対応するため、湿式摩擦材の耐熱性及び耐久性の向上の
図ることを目的とするものであり、更に具体的には、油
中、特にATF(オートマチック・トランスミッション
・フルード)中で使用される湿式摩擦材の結合材として
使用される湿式摩擦材用液状フェノール樹脂を提供する
ものである。 【解決手段】 フェノールと式(1)で示されるp−キ
シリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導
体とを反応モル比が式(1)で示されるp−キシリレン
ハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェ
ノール=0.1−0.5で反応後、アルカリ触媒存在下
でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂の重量平均分
子量が500−1200であることを特徴とする湿式摩
擦材用液状フェノール樹脂である。 R1CH2−C64−CH21 式(1) (式中、R1はハロゲン原子、炭素数3以下の低級アル
コキシ基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油中、特にATF
(オートマチック・トランスミッション・フルード)中
で使用される湿式摩擦材の結合材として使用される湿式
摩擦材用液状フェノール樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オートマチック車等の自動変速機に用い
られる湿式摩擦材は油中で使用される為、摩擦材中に油
が十分に含浸される必要があり、多孔質体として形成さ
れている。一般的には、繊維基材の抄紙体を有機溶剤で
希釈したフェノール樹脂に含浸させ、乾燥・加熱硬化工
程を経たものが用いられている。フェノール樹脂として
は、アルコールやケトン系有機溶剤を溶媒としたレゾー
ル型フェノール樹脂が一般的に用いられており、耐熱性
や繊維基材密着性に優れるという特長を有している。繊
維基材としては、一般的に木材パルプやコットンリンタ
ー、アラミド繊維等があり、抄紙体には摩擦調整剤、固
体潤滑剤等の充填材が適宜添加される。
【0003】近年、エネルギー・環境問題による低燃費
指向から自動変速機の小型軽量化等が進んでおり、湿式
摩擦材の小径化、枚数低減が求められている。これによ
り、従来の湿式摩擦材ではトルク容量が不足するため、
これを補う為に押しつけ荷重を大きくすると、摩擦熱が
増大して熱劣化による湿式摩擦材の寿命(摩擦材が剥離
するまでの耐久サイクル数)低下が生じてしまう。従っ
て、高面圧下における湿式摩擦材の耐久サイクル数の向
上が強く求められており、その解決のため湿式摩擦材の
耐熱性向上が必須である。これに対応し、湿式摩擦材に
使用される繊維基材については耐熱性が良好なアラミド
繊維使用比率を上げて耐熱性を向上させるなどの検討も
なされているが、同時に結合材であるフェノール樹脂の
耐熱性向上も強く求められている。結合材の耐熱性向上
の為、ビスマレイミドなどの高耐熱樹脂の適用も検討さ
れているが、硬化速度が遅く安定した摩擦係数が得られ
なかったり、樹脂の粘度が高い為繊維基材への含浸性が
低下し、繊維基材との密着性が低下して、最終的に湿式
摩擦材としての耐久サイクルが数が低下したり、安定し
た摩擦係数が得られないなどの問題がある。また、樹脂
を溶解できる溶媒がコスト、沸点、人体への有害性の点
で問題のあるDMFなどの溶媒に限定されるなどの問題が
あり、満足のいく高耐熱結合材が得られていない。ま
た、特開平7―48426号公報において、フェノール
とp―キシリレンハライド又はp―キシリレンアルコー
ル誘導体から得られるフェノールアラルキル樹脂とアル
デヒド類とを、塩基性触媒下において反応させることを
特徴とする固形熱硬化性レゾール樹脂の製造方法等につ
いて開示され、更に用途についても摩擦材用について開
示されている。しかし、これらの方法で得られる樹脂は
固形レゾール樹脂であり、摩擦材もディスクパッドなど
の乾式摩擦材用のものである。なお、上記の固形熱硬化
性レゾール樹脂を溶媒に溶解して湿式摩擦材用フェノー
ル樹脂に適用した場合でも、耐久サイクル数や安定した
摩擦係数を有する湿式摩擦材を得ることができなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の問題点を解決した湿式摩擦材の結合材である液状フェ
ノール樹脂を提供することであり、特に、湿式摩擦材に
おいて要求されるSAE#2摩擦試験機評価での摩擦材
が剥離するまでの耐久サイクル数の向上を達成可能とす
る湿式摩擦材用液状フェノール樹脂及びその製造方法を
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノールと
式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp−
キシリレンアルコール誘導体とを反応モル比が式(1)
で示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレ
ンアルコール誘導体/フェノール=0.1−0.5で反
応後、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応させて
得られた樹脂の重量平均分子量が500−1200であ
ることを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂で
ある。また、より耐熱性を重視する場合は、フェノール
と式(1)で示されるp−キシリレンハライドまたはp
−キシリレンアルコール誘導体とを反応後、未反応フェ
ノールを減圧蒸留により5重量%以下まで除去すること
を特徴とする。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、フェノールとはフェノール、クレゾール、キシ
レノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、レ
ゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノール
Aなどであり、特に限定されない。また、これらを単独
または2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0007】本発明において、式(1)で示されるp−
キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘
導体はフェノールとの反応させることで、湿式摩擦材用
液状フェノール樹脂の耐熱性を改良するための重要な成
分である。従来のフェノール樹脂硬化物には高温時に酸
化を受けやすい水酸基が多く含まれるのに対し、本発明
では、式(1)で示されるp−キシリレンハライドまた
はp−キシリレンアルコール誘導体を用いることにより
水酸基の濃度を低下させ、樹脂硬化物の耐熱性向上に寄
与している。
【0008】本発明の湿式摩擦材用液状フェノール樹脂
の合成において、フェノールと式(1)で示されるp−
キシリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘
導体と反応では、式(1)で示されるp−キシリレンハ
ライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェノ
ールの反応モル比が0.1―0.5であり、好ましくは
0.15―0.45である。反応モル比が0.1より小
さい場合は、最終的に得られる樹脂中の水酸基濃度が高
い為、樹脂硬化物の加熱減量で評価される耐熱性が低下
してしまい、これを使用した湿式摩擦材の高面圧下にお
ける耐久サイクル数が改良されず、0.5より大きい場
合は最終的に得られる樹脂の分子量が大きすぎて繊維基
材への含浸性が低下してしまい、樹脂と繊維基材の密着
性低下により最終的に目的とする高面圧下における湿式
摩擦材の耐久サイクル数が改良されず好ましくない。
【0009】より高い耐熱性・耐久性を必要とする場合
は、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応する前
に、未反応フェノールを減圧蒸留により5重量%以下ま
で除去することが望ましい。未反応フェノールが5重量
%を越えると、最終的に得られる樹脂中にフェノール・
アルデヒド重縮合物が多く存在し、その分耐熱性・耐久
性が低下してしまう傾向がある。また、最終的に得られ
た樹脂の重量平均分子量は、500―1200であり、
好ましくは600−1100である。ここで、重量平均
分子量とは、高速液体クロマトグラフィーを用いて、ポ
リスチレン換算により求めた分子量である。重量平均分
子量が500より小さい場合は樹脂の硬化速度が遅く、
また未反応のアルデヒド類量が多く作業環境状好ましく
なく、また分子量が小さすぎて樹脂硬化物の耐熱性(加
熱減量)が低下してしまい、これを使用した湿式摩擦材
の高面圧下における耐久サイクル数が改良されず好まし
くない。重量平均分子量が1200より大きい場合は、
繊維基材への含浸性が低下し、繊維基材との密着性が低
下して、最終的に複合材である湿式摩擦材としての高面
圧下における耐久サイクルが数が改良されず好ましくな
い。
【0010】本発明におけるアルデヒド類としては、ホ
ルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド等が単独または2種類以上併用
で使用できる。但し、ホルマリンのように水を多量に含
むアルデヒド類の場合は、アルデヒド類との反応中に常
圧下で水分の除去を行うか、またはアルデヒドとの反応
終了後の良溶媒添加前に減圧下で水分除去を行うことが
必要である。最終的に樹脂中の水分量は、湿式摩擦材製
造時の繊維基材への含浸性向上の為、5%以下にするこ
とが望ましい。また、アルデヒド類の使用量は、フェノ
ールと式(1)で示されるp−キシリレンハライドまた
はp−キシリレンアルコール誘導体との反応終了後に未
反応フェノールを除去するか否かで異なる。未反応フェ
ノールを5%以下まで除去した場合のアルデヒド類の使
用量は、仕込み時のフェノール類1モルに対し、0.1
−0.5モルの範囲が好ましい。また、未反応フェノー
ルを除去しない場合は、仕込み時のフェノール類1モル
に対し、0.3−0.8モルの範囲が好ましい。アルデ
ヒド類使用量が、上記範囲より低い場合は樹脂の硬化性
が劣り、範囲より大きい場合は樹脂中の未反応アルデヒ
ド類量が多くなりその有害性が問題となり好ましくな
い。
【0011】次に、本発明の湿式摩擦材用液状フェノー
ル樹脂組成物を製造するために通常使用する触媒につい
て説明する。フェノールと式(1)で示されるp−キシ
リレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体
との反応時に使用する触媒としてはジエチル硫酸、p−
トルエンスルホン酸、アルカンスルホン酸、パーフルオ
ロアルカンスルホン酸の酸性触媒を単独または2種以上
併用で使用できる。また、p−キシリレンハライドを用
いる時は、酸性触媒を必ずしも必要としない。アルカリ
触媒存在下でアルデヒド類との反応に使用する触媒は、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、
水酸化カルシウム等のアルカリ類、アンモニア、トリエ
チルアミン等のアミン類が単独または2種類以上併用で
使用できる。また、必要に応じて、アルカリ触媒存在下
での反応終了後に 硫酸、p−トルエンスルホン酸、フ
ェノールスルホン酸、塩酸、酢酸、ギ酸などの酸で中和
しても良い。
【0012】次に、本発明で使用される良溶媒について
説明する。フェノールと式(1)で示されるp−キシリ
レンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体と
を反応後アルデヒドと反応させる際、予め未反応のフェ
ノールを除去する場合、この反応生成物の良溶媒を配合
して低粘度の液状とすることが好ましい。かかる良溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタ
ノール等のアルコール類やアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が挙げられ
る。但し、当該反応生成物の反応時の溶融粘度が低く容
易に混合可能な場合は無溶媒でも構わない。また、最終
的に得られる湿式湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の良
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタ
ノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ等各種のものを単独または2
種類以上併用で使用できる。すなわち、本発明によれば
溶媒は、従来のコスト、沸点、人体への有害性の点で問
題のあるDMF等に限られないことになる。
【0013】以上説明した本発明の湿式摩擦材用液状フ
ェノール樹脂は、樹脂中の水酸基の濃度を低下させた
為、樹脂単独硬化物として加熱減量において優れた耐熱
性を示す。本樹脂を湿式摩擦材の結合材として用いた場
合、含浸工程における含浸性が良好であり、複合材とし
て良好な基材密着性が得られる。すなわち、樹脂の最適
な分子量設計を行うことにより、湿式摩擦材において樹
脂の良好な耐熱性の特徴を充分に発揮させることを可能
としたものである。これにより、高面圧下における湿式
摩擦材の耐久サイクル数を大幅に向上させることを可能
とする。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。ここ
に記載されている「部」及び「%」は全て「重量部」及
び「重量%」を示す。 (実施例1)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた
フラスコにフェノール800部とp−キシレングリコー
ルジメチルエーテル424部を仕込み(反応モル比=
0.30)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃
にて90分反応させた。その後60℃以下まで冷却し、
50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%パラホルム
アルデヒド180部を加え80度で1時間反応し、メタ
ノールを800部添加え、重量平均分子量640、不揮
発分約48%、165℃におけるゲル化時間が約90秒
の液状フェノール樹脂を得た。 (実施例2)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた
フラスコにフェノール800部とp−キシレングリコー
ルジメチルエーテル424部を仕込み(反応モル比=
0.30)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃
にて90分反応させた。その後110mmHgの真空下
で温度が200℃に到達するまで未反応フェノールの除
去を行った。冷却後、メチルエチルケトン150部を加
え溶解し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%
パラホルムアルデヒド90部を加え80度で1時間反応
し、メタノールを800部添加え、重量平均分子量78
1、不揮発分約42%、165℃におけるゲル化時間が
約110秒の液状フェノール樹脂を得た。 (実施例3)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた
フラスコにフェノール800部とp−キシレングリコー
ルジメチルエーテル523部を仕込み(反応モル比=
0.37)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃
にて90分反応させた。その後110mmHgの真空下
で温度が200℃に到達するまで未反応フェノールの除
去を行った。冷却後、メチルエチルケトン200部を加
え溶解し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%
パラホルムアルデヒド90部を加え60度で1時間反応
し、メタノールを800部添加え、重量平均分子量11
00、不揮発分約47%、165℃におけるゲル化時間
が約100秒の液状フェノール樹脂を得た。
【0015】(比較例1)攪拌装置、還流冷却器及び温
度計を備えたフラスコにフェノール1000部、37%
ホルマリン1050部及び20%水酸化ナトリウム水溶
液10部を加え、100℃にて1時間反応させた。その
後110mmHgの真空下で脱水を行い、温度が70℃
に達したらメタノール750部を加え、重量平均分子量
685、不揮発分約50.0%の液状フェノール樹脂を
得た。 (比較例2)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた
フラスコにフェノール1000部、37%ホルマリン9
50部及び20%水酸化ナトリウム水溶液10部を加
え、100℃にて1時間反応させた。その後110mm
Hgの真空下で脱水を行い、温度が70℃に達したら低
分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂を150部加
える。温度が80℃に達したら90分間熟成反応を行
い、冷却後メタノール800部を加え、重量平均分子量
658、不揮発分約50%の液状フェノール樹脂を得
た。 (比較例3)攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた
フラスコにフェノール800部とp−キシレングリコー
ルジメチルエーテル848部を仕込み(反応モル比=
0.60)、さらにジエチル硫酸1部を加え、160℃
にて90分反応させた。その後110mmHgの真空下
で温度が200℃に到達するまで未反応フェノールの除
去を行った。冷却後、メチルエチルケトン250部を加
え溶解し、50%水酸化ナトリウム水溶液6部、92%
パラホルムアルデヒド95部を加え80度で1時間反応
し、メタノールを1000部添加え、重量平均分子量1
420、不揮発分約53%、165℃におけるゲル化時
間が約95秒の液状フェノール樹脂を得た。
【0016】以上の実施例、比較例により得られたフェ
ノール樹脂の耐熱性を評価するため、熱重量測定測定を
行った。表1に各温度での重量減少の値を示す。なお、
熱重量測定は以下の条件で行った。 <熱重量測定> ・フェノール樹脂の前処理条件:135℃で1時間、そ
の後210℃で30分間熱処理後、硬化物を粉砕してサ
ンプルを調整した。 ・昇温速度:10℃/分(空気気流下) ・測定温度:50−600℃
【0017】
【表1】
【0018】表1から明らかなように、比較例と比較し
て、実施例で得られた樹脂硬化物の加熱減量は大幅に低
下し、樹脂硬化物の耐熱性が向上していることがわか
る。但し、比較例3の結果も実施例同様に良好である。
【0019】次に、湿式摩擦材としての性能を、SAE
#2摩擦試験機により評価した。表2にその結果を示
す。なお、 SAE#2摩擦試験機の評価は以下の条件
で行った。 <SAE#2摩擦試験機による評価> (湿式摩擦材の製造)天然パルプ繊維、充てん剤、摩擦
調整剤等を配合し、抄紙することによって得られた紙を
製品形状に打ち抜き、各実施例及び比較例で得られた樹
脂を含浸して乾燥・硬化させる。一方、鋼板を同じく製
品形状に打ち抜き接着剤を塗布した芯金に、樹脂含浸紙
を接着して摩擦材を得た。 (試験条件) 回転数:3600rpm 慣性モーメント:3.5Kgf・cm・sec2 押付け面圧:16Kgf/cm2 油温:100℃ ATF:トヨタキャッスル
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果から明らかなように、実施例で
得られた樹脂は加熱減量からみた耐熱性が優れている。
そしてこの樹脂を結合材として用いた摩擦材の剥離まで
の耐久サイクル数は比較例で得られた樹脂を結合材とし
て用いた摩擦材のそれよりも多く、高面圧下での耐久サ
イクル数の向上が見られた。また、ここで樹脂の加熱減
量が良好だった比較例3の耐久サイクル数は実施例2、
3より劣る結果となった。実施例2、3と比較例3の大
きな違いが樹脂の重量平均分子量であることより、比較
例3の耐久サイクル数低下原因は、重量平均分子量の増
大に伴う含浸性の低下が樹脂と繊維基材との密着性低下
に影響した為と思われる。
【0022】
【発明の効果】本発明の湿式摩擦材用液状フェノール樹
脂は耐熱性が向上しており、この樹脂を湿式摩擦材の結
合材として用いた場合、高耐久性の湿式摩擦材を製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 61:06 C08L 61:06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールと式(1)で示されるp−キ
    シリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導
    体とを反応モル比が式(1)で示されるp−キシリレン
    ハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導体/フェ
    ノール=0.1−0.5で反応後、アルカリ触媒存在下
    でアルデヒド類と反応させて得られた樹脂の重量平均分
    子量が500−1200であることを特徴とする湿式摩
    擦材用液状フェノール樹脂。 R1CH2−C64−CH21 式(1) (式中、R1はハロゲン原子、炭素数3以下の低級アル
    コキシ基を示す)
  2. 【請求項2】 フェノールと式(1)で示されるp−キ
    シリレンハライドまたはp−キシリレンアルコール誘導
    体とを反応後、未反応フェノールを減圧蒸留により5重
    量%以下まで除去し、その後アルカリ触媒存在下でアル
    デヒド類と反応させることを特徴とする請求項1記載の
    湿式摩擦材用液状フェノール樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の湿式摩擦材用液状フェノ
    ール樹脂の製造方法において、フェノールと式(1)で
    示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレン
    アルコール誘導体とを反応後、アルカリ触媒存在下でア
    ルデヒド類と反応させて得られた樹脂を、当該樹脂の良
    溶媒で溶解させることを特徴とする湿式摩擦材用液状フ
    ェノール樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の湿式摩擦材用液状フェノ
    ール樹脂の製造方法において、フェノールと式(1)で
    示されるp−キシリレンハライドまたはp−キシリレン
    アルコール誘導体とを反応後、未反応のフェノールを減
    圧蒸留で除去した後、得られた反応生成物の良溶媒を加
    え溶解し、アルカリ触媒存在下でアルデヒド類と反応さ
    せて得られた樹脂を、当該樹脂の良溶媒で溶解させるこ
    とを特徴とする湿式摩擦材用液状フェノール樹脂の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102757619A (zh) * 2012-08-07 2012-10-31 湖南中野高科技特种材料有限公司 一种高稳定性酚醛泡沫的生产方法

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