JP2005213399A - 熱硬化性樹脂組成物及び摩擦材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アラミド系繊維との密着性を高め、長期にわたり耐熱性、摩擦特性が安定し、耐摩耗性が高い、耐久性の優れた熱硬化性樹脂組成物、摩擦材を提供すること。
【解決手段】 フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)とからなるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比率〔(b)/(a)〕が5/100〜100/100(重量比)であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、これを繊維状基材に含浸、硬化してなる摩擦材。
【選択図】 なし。
【解決手段】 フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)とからなるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比率〔(b)/(a)〕が5/100〜100/100(重量比)であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、これを繊維状基材に含浸、硬化してなる摩擦材。
【選択図】 なし。
Description
本発明は、自動車、産業機械等に使用されるブレーキやクラッチ用摩擦材、自動変速機などで油中に浸漬した状態で使用される湿式クラッチなどの摩擦材用樹脂組成物に好適な熱硬化性樹脂組成物及びこれを繊維状基材に含浸、硬化した摩擦材に関する。
フェノール樹脂は、耐熱性、機械的特性、低価格、成形加工性などの優れた特性を有しており、従来成形材料を初めとし接着、含浸等の加工手段を用いて使用されてきた。近年、耐熱性への要求は高温で使用する材料、例えば自動車用摩擦材料等で更に高まり、使用される基材も従来のガラスの様な無機繊維から耐熱性の高いアラミド繊維などが普及してきた。結合剤としてのフェノール樹脂に対してもこれらの繊維に適合できるものが要求されて来た。これらの要求に応えるため、フェノール樹脂を改質(変性)する技術が種々開発されて来ている。特に、耐熱性が特に必要とされる、ブレーキ、クラッチ等の自動車用摩擦材料にはこの要求が強い。同様に油中で使用される、いわゆる湿式摩擦材は、パルプ、アラミド等の繊維状基材、摩擦調整用添加剤等の混合物を抄造工程を経て抄紙成形物とした後、フェノール系樹脂を結合剤として含浸、熱硬化して製造されている。また、この様な摩擦材は環境負荷軽減の為、自動車の軽量化をめざし摩擦面の面積の減少等の要求が高まり、耐熱性や剛性の高い繊維基材のへ変更、更に摩擦調整剤用充填材の形状、種類等の検討がなされて来ている。特にアラミド繊維を基材に用いた摩擦材が精力的に検討され、実用化に至っている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、前記の技術では、アラミド基材と結合剤のフェノール系樹脂との濡れ性が悪いとされ、その結果、長期の耐熱性、或いは長期の摩擦特性は不充分であった。
従って、本発明の課題は、アラミド系繊維との密着性が高く、長期にわたり耐熱性、摩擦特性が安定し、耐摩耗性も高い、耐久性の優れた熱硬化性樹脂組成物、摩擦材を提供することである。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討した結果、トリアジン類で変性したレゾール型フェノール樹脂を含有する樹脂組成物が、前記の課題を解決することを見いだし本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)とからなるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比率〔(b)/(a)〕が5/100〜100/100(重量比)であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、これを繊維状基材に含浸、硬化してなる摩擦材を提供する。
本発明によれば、強靭性、耐熱性、繊維密着性に優れた熱硬化性樹脂組成物、これを繊維状物質に含浸、硬化した摩擦材を提供することが出来る。
以下本発明について更に具体的に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)の混合物を、pHが4.0〜9.0とした後、後述するレゾール型フェノール樹脂を製造する条件下で、前記混合物を反応させる工程、反応系内の反応水を除去する工程、及びメタノール等の溶剤に溶解する工程によりなる方法で得られる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に用いるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂は、例えば、フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)の混合物を、pHが4.0〜9.0とした後、後述するレゾール型フェノール樹脂を製造する条件下で、前記混合物を反応させる工程、反応系内の反応水を除去する工程、及びメタノール等の溶剤に溶解する工程によりなる方法で得られる。
前記トリアジン変性レゾール型フェノール樹脂の製造方法としては、例えば、フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)の水溶液と触媒とを、50〜100℃で、1〜5時間反応させ、レゾール樹脂水溶液を得る。前記触媒としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、トリエチルアミン等の3級アミンが挙げられる。
前記フェノール類(a)としては、特に限定されるものではなく、たとえば、フェノール、あるいはクレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノールなどが挙げられる。また、ノボラック樹脂の初期反応物も使用可能である。これらのフェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定されるものではなく、2種以上の併用も可能である。
さらに本発明のフェノール樹脂組成物に用いるトリアジン環を含む化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、次の一般式(I)である化合物であることが望ましい。
前記一般式(I)で示される化合物としては、具体的にはメラミン、あるいはアセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのグアナミン誘導体、シアヌル酸、あるいはメチルシアヌレート、エチルシアヌレート、アセチルシナヌレート、塩化シアヌル等が挙げられる。これらのトリアジン環を含む化合物を使用するにあたっては、1種類のみに限定されるものではなく、2種以上を併用することも可能である。
前記アルデヒド類(c)は、特に限定されるものではないが、取扱いの容易さの点からホルムアルデヒドが好ましい。ホルムアルデヒドとしては、限定するものではないが、代表的な供給源としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
前記フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比率〔(b)/(a)〕が5/100〜100/100(重量比)であることが必要である。フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比がこの範囲を外れると、耐摩耗性が高い、耐久性の優れた硬化物が得にくく好ましくない。また、この範囲の中でも、前記比率が5/100から50/100が特に好ましい。
また、フェノール類(a)とトリアジン類(b)との合計のモル数とアルデヒド類(c)のモル数の比〔(c)/((a)+(b))〕は0.9〜4.0あることが好ましい。更に、特に好ましくはアルデヒド類/(フェノール類+トリアジン類)=1.0〜2.0/1.0の範囲である。
前記トリアジン変性レゾール型フェノール樹脂は、水溶液、或いは有機溶剤溶液で使用することが好ましく、固形分濃度として、30〜70重量%が好ましい。また、前記有機溶媒としては、メタノール等のアルコール類やアセトン等のケトン類が好ましい。
本発明に用いるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂は、更に、その他の変性剤と反応させて用いることも可能である。その他の変性剤としては、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、液状であっても固形であっても良い。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、更に、さらに必要に応じて界面活性剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、シランカップリング剤等の添加剤を加えて用いてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させるには、100〜300℃が好ましく、特に、150〜250℃の範囲が良い。またいわゆる後焼成工程で樹脂を完全硬化させる方法も有効である。
本発明の摩擦剤は、前記熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸して得られる。前記繊維基材としては、アラミド繊維単独でも良いし、木材パルプ、リンターパルプ、ガラス繊維、セラミックス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維のような無機繊維、綿、麻のような天然繊維、ポリエステル、ポリアミド繊維のような合成有機繊維等とアラミド繊維を2種類以上混合した物でも良い。又繊維の形状に関しては有機繊維をフィブリル化して用いられる場合もある。耐久性向上の観点から特にアラミド繊維と他の繊維との混合したアラミド繊維含有繊維状基材が好ましい。
アラミド繊維含有繊維状基材と含浸用樹脂溶液の比率が[繊維状基材との含浸用樹脂溶液の固形分]/[アラミド繊維含有繊維状基材(C)]=10/100〜50/100であることが好ましい。
また、繊維基材には、摩擦調整剤を用いてもよい。前記摩擦調整剤としては、強化材や充填剤として一般に知られているウオラストナイト、ケイソウ土、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化珪素、カシューダスト、グラファイト等があげられる。これらの強化材や充填剤は特に限定するものではなく、2種類以上の混合での使用も可能である。
本発明の摩擦剤は、例えば、前記基材繊維と前記摩擦調整剤、強化材等の充填材からなる抄紙体に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を含浸、硬化させて得る。加熱条件は前記熱硬化性樹脂組成物の熱硬化条件と同一である。
以下、本発明を実施例に基づき更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例だけに限定されるものではない。なお、なお例中の部および%はすべて重量基準とする。
合成例1
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941部、メラミン88部に41.5%ホルマリン1005部、および酢酸亜鉛3部を加え系のPHを4.7に調整した。発熱に注意しながら徐々に90℃まで昇温した。90℃にて2時間反応させた後、60℃迄冷却し、更にトリエチルアミン30部を加え、系のPHを8.1に調整した後、温度を80℃に上げ、80℃にて3時間反応させた後−0.094MPaの減圧化で水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノール1150部を突沸に注意し徐々に加え、内容物を完全に溶解させた後常温まで冷却し、135℃で測定した時の不揮発分、51.5%、25℃で測定した粘度32mPa・sのメラミン変性レゾール型フェノール樹脂(i)溶液を得た。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941部、メラミン88部に41.5%ホルマリン1005部、および酢酸亜鉛3部を加え系のPHを4.7に調整した。発熱に注意しながら徐々に90℃まで昇温した。90℃にて2時間反応させた後、60℃迄冷却し、更にトリエチルアミン30部を加え、系のPHを8.1に調整した後、温度を80℃に上げ、80℃にて3時間反応させた後−0.094MPaの減圧化で水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノール1150部を突沸に注意し徐々に加え、内容物を完全に溶解させた後常温まで冷却し、135℃で測定した時の不揮発分、51.5%、25℃で測定した粘度32mPa・sのメラミン変性レゾール型フェノール樹脂(i)溶液を得た。
合成例2
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941部、ベンゾグアナミン93.5部に41.5%ホルマリン759部、およびトリエチルアミン30部を加え系のPHを8.3に調整した後、発熱を除去しながら徐々に80℃まで昇温した。80℃にて3時間反応させた後、−0.094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノール1200部を突沸に注意しながら滴下し完全に溶解させた後常温まで冷却し、135℃で測定した時の不揮発分50.7%、25℃で測定した粘度41mPa・sのベンゾグアナミン変性レゾール型フェノール樹脂(ii)溶液を得た。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941部、ベンゾグアナミン93.5部に41.5%ホルマリン759部、およびトリエチルアミン30部を加え系のPHを8.3に調整した後、発熱を除去しながら徐々に80℃まで昇温した。80℃にて3時間反応させた後、−0.094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノール1200部を突沸に注意しながら滴下し完全に溶解させた後常温まで冷却し、135℃で測定した時の不揮発分50.7%、25℃で測定した粘度41mPa・sのベンゾグアナミン変性レゾール型フェノール樹脂(ii)溶液を得た。
合成例3
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941部、メラミン47部、ベンゾグアナミン188部に41.5%ホルマリン1233部、および酢酸亜鉛3部を加え系のpHを4.8に調整した後、発熱に注意しながら徐々に90℃まで昇温した。90℃にて1.5時間反応させた後、60℃に冷却し、48%の水酸化カリウムを19部加え系のPHを8.3とした後、80℃に昇温し、80℃で3時間反応した。−0.094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノール1600部を突沸に注意しながら滴下し完全に溶解させた後常温まで冷却し、135℃で測定した時の不揮発分53.1%、25℃で測定した粘度61mPa・sのメラミン・ベンゾグアナミン変性レゾール型フェノール樹脂(iii)溶液を得た。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941部、メラミン47部、ベンゾグアナミン188部に41.5%ホルマリン1233部、および酢酸亜鉛3部を加え系のpHを4.8に調整した後、発熱に注意しながら徐々に90℃まで昇温した。90℃にて1.5時間反応させた後、60℃に冷却し、48%の水酸化カリウムを19部加え系のPHを8.3とした後、80℃に昇温し、80℃で3時間反応した。−0.094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノール1600部を突沸に注意しながら滴下し完全に溶解させた後常温まで冷却し、135℃で測定した時の不揮発分53.1%、25℃で測定した粘度61mPa・sのメラミン・ベンゾグアナミン変性レゾール型フェノール樹脂(iii)溶液を得た。
比較合成例1
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941g、41.5%ホルマリン1084gを仕込み、触媒として48%NaOH、18.8gを加え80℃迄昇温し、3時間反応させた後−094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノールを突沸に注意しながら滴下し135℃で測定した不揮発分が50%になる様に調整した後常温まで冷却し、レゾール型フェノール樹脂(iv)溶液を得た。この樹脂溶液の25℃で測定した粘度は29mPa・sであった。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941g、41.5%ホルマリン1084gを仕込み、触媒として48%NaOH、18.8gを加え80℃迄昇温し、3時間反応させた後−094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメタノールを突沸に注意しながら滴下し135℃で測定した不揮発分が50%になる様に調整した後常温まで冷却し、レゾール型フェノール樹脂(iv)溶液を得た。この樹脂溶液の25℃で測定した粘度は29mPa・sであった。
比較合成例2
比較合成例1にて得られたレゾール樹脂100重量部に対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂10重量部、メタノール10重量部を添加し溶解し、エポキシ変性レゾール樹脂(v)溶液を得た。この樹脂溶液の25℃で測定した粘度は25mPa・sであった。
比較合成例1にて得られたレゾール樹脂100重量部に対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂10重量部、メタノール10重量部を添加し溶解し、エポキシ変性レゾール樹脂(v)溶液を得た。この樹脂溶液の25℃で測定した粘度は25mPa・sであった。
比較合成例3
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941g、ニカノールG(三菱ガス化学製キシレン樹脂)200g、水100gを添加し、65%濃度のフェノールスルフォン酸2gを添加し還流温度(100℃)で1.5時間反応した。次いで41.5%ホルマリン720gを滴下し、反応系の温度を60℃迄冷却後、触媒として48%NaOH、18.8gを加え80℃迄昇温し、3時間反応させた。その後−094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメチルエチルケトンを突沸に注意しながら滴下し135℃で測定した不揮発分が50%になる様に調整した後常温まで冷却しキシレン樹脂変成レゾール型フェノール樹脂(vi)溶液た。この樹脂溶液の25℃で測定した粘度は22mPa・sであった。
攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた4つ口3Lフラスコに、フェノール941g、ニカノールG(三菱ガス化学製キシレン樹脂)200g、水100gを添加し、65%濃度のフェノールスルフォン酸2gを添加し還流温度(100℃)で1.5時間反応した。次いで41.5%ホルマリン720gを滴下し、反応系の温度を60℃迄冷却後、触媒として48%NaOH、18.8gを加え80℃迄昇温し、3時間反応させた。その後−094MPaにて水を除去しながら90℃まで2時間かけて昇温した。次にメチルエチルケトンを突沸に注意しながら滴下し135℃で測定した不揮発分が50%になる様に調整した後常温まで冷却しキシレン樹脂変成レゾール型フェノール樹脂(vi)溶液た。この樹脂溶液の25℃で測定した粘度は22mPa・sであった。
実施例1〜3及び比較例1〜3
合成例1〜合成例3で得られた樹脂及び合成比較例1〜3の樹脂を200℃で測定した不揮発分が40%になる様にメタノールで希釈し、m−アラミド繊維の不織布に〔(樹脂固形分/(樹脂固形分+繊維分))×100=75(%)になるように含浸し、1時間風乾後200℃で10分間硬化させ。得られた硬化物を幅10mm、長さ130mmに切り出し、チャック間距離80mm、テストスピード2mm/分で引っ張り強度を測定した。引っ張り強度の測定は25℃、及び200℃熱間で測定した。結果は次の通りであった。なお、表中の強度(1)と強度(2)は、それぞれ25℃と200℃における強度を表し、また、〔(2)/(1)〕×100は、強度(1)と強度(2)の比を%で表したものである。
合成例1〜合成例3で得られた樹脂及び合成比較例1〜3の樹脂を200℃で測定した不揮発分が40%になる様にメタノールで希釈し、m−アラミド繊維の不織布に〔(樹脂固形分/(樹脂固形分+繊維分))×100=75(%)になるように含浸し、1時間風乾後200℃で10分間硬化させ。得られた硬化物を幅10mm、長さ130mmに切り出し、チャック間距離80mm、テストスピード2mm/分で引っ張り強度を測定した。引っ張り強度の測定は25℃、及び200℃熱間で測定した。結果は次の通りであった。なお、表中の強度(1)と強度(2)は、それぞれ25℃と200℃における強度を表し、また、〔(2)/(1)〕×100は、強度(1)と強度(2)の比を%で表したものである。
実施例4〜7及び比較例4〜7
次いで合成例1〜3、比較合成例1で得られた樹脂を下記表2で示す構成の抄紙体基材にディッピング法にて含浸し、常温で溶剤を揮発させ、更に200℃で15分間硬化させペーパー摩擦材を得た。なお、抄紙基材と樹脂固形分の比率は70/30(重量比)になるように調整した。
次いで合成例1〜3、比較合成例1で得られた樹脂を下記表2で示す構成の抄紙体基材にディッピング法にて含浸し、常温で溶剤を揮発させ、更に200℃で15分間硬化させペーパー摩擦材を得た。なお、抄紙基材と樹脂固形分の比率は70/30(重量比)になるように調整した。
得られたペーパー摩擦材を所定のサイズに加工した物を金属コア板に接着して試験片を作成した。これを用いてSAE(アメリカ自動車技術協会)#2摩擦試験機で試験を実施した。試験項目は次の通りである。
試験サイクル数:(1)500サイクル耐久試験、(2)5000サイクル耐久試験
試験条件は次の通り、イナーシャ;0.035kgm・sec2、面圧8kg/cm2、ダイナミック回転数3600rpm、スタティック回転数0.7rpm、油温100℃、使用潤滑油トヨタオートフルードD−II(トヨタ自動車I(株)の純正オートマチックオイル)とした。
試験条件は次の通り、イナーシャ;0.035kgm・sec2、面圧8kg/cm2、ダイナミック回転数3600rpm、スタティック回転数0.7rpm、油温100℃、使用潤滑油トヨタオートフルードD−II(トヨタ自動車I(株)の純正オートマチックオイル)とした。
測定項目;μ1800(1800rpmの動摩擦係数)、μ0(止まり際の動摩擦係数)、μS(0.7rpmの静摩擦係数)、μ0/μ1800、摩耗量(μm)
試験例1〜3、比較試験例1〜3
次に合成例1〜3と比較合成例1〜3で得られた樹脂の耐熱性の指標として、樹脂硬化物の加熱減量を測定したデータを示す。樹脂を乾燥炉中で200℃×30分硬化させ、乳鉢にて106ミクロン以下に粉砕した試料を空気中、昇温スピード10℃/分、測定温度範囲、室温〜800℃で樹脂の加熱前後の重量減量(%)を測定した。
次に合成例1〜3と比較合成例1〜3で得られた樹脂の耐熱性の指標として、樹脂硬化物の加熱減量を測定したデータを示す。樹脂を乾燥炉中で200℃×30分硬化させ、乳鉢にて106ミクロン以下に粉砕した試料を空気中、昇温スピード10℃/分、測定温度範囲、室温〜800℃で樹脂の加熱前後の重量減量(%)を測定した。
アラミド繊維密着性の比較、摩擦特性の安定性比較、加熱減量比較結果から本発明のトリアジン変性フェノール樹脂は従来の無変性フェノール樹脂や変性フェノール樹脂に比較してアラミド繊維密着性や、摩擦特性の安定性、熱に対する抵抗性が優れている事は明らかである。
Claims (6)
- フェノール類(a)とトリアジン類(b)とアルデヒド類(c)とからなるトリアジン変性レゾール型フェノール樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物であって、フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比率〔(b)/(a)〕が5/100〜100/100(重量比)であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 前記フェノール類(a)と前記トリアジン類(b)との合計のモル数とアルデヒド類(c)のモル数の比〔(c)/((a)+(b))〕が1.0〜2.0である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記トリアジン類(b)が、メラミン、アセトグアナミン及びベンゾグアナミンからなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項1または2記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記フェノール類(a)とトリアジン類(b)の比率〔(b)/(a)〕が5/100〜500/100(重量比)である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を繊維状基材に含浸、硬化してなることを特徴とする摩擦材。
- 繊維状基材がアラミド繊維を含有するものである請求項5記載の摩擦材。
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2004
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