JP2000144012A - 回路基板およびその製造方法 - Google Patents

回路基板およびその製造方法

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JP2000144012A JP33205398A JP33205398A JP2000144012A JP 2000144012 A JP2000144012 A JP 2000144012A JP 33205398 A JP33205398 A JP 33205398A JP 33205398 A JP33205398 A JP 33205398A JP 2000144012 A JP2000144012 A JP 2000144012A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素存在下においても光硬化反応により形成
可能であり、しかも優れた光硬化性や電気特性を有する
回路基板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】下記(A)成分および(B)成分を含有す
る光硬化性組成物を光硬化してなる回路基板およびその
製造方法。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物、およびその縮合物からなる群から
選択される少なくとも一つの化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)光酸発生剤

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シラン系光硬化性
組成物から得られる回路基板およびシラン系光硬化性組
成物を用いた回路基板の製造方法に関する。より詳細に
は、酸素存在下においても光硬化可能で、かつパターン
露光可能なシラン系光硬化性組成物を電気絶縁性基材に
用いた回路基板およびこのようなシラン系光硬化性組成
物を用いた回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回路基板の形成材料として、耐熱
性や寸法安定性に優れていることから、特開平7−17
6864号公報や特開平10−209334号公報に開
示されたようにセラミック系材料が多用されている。し
かしながら、セラミック系材料は高価であり、また、微
細形状の加工やエッチング(ドライエッチング)が容易
でなく、回路基板、特に多層基板への応用が困難である
という問題が見られた。そこで、例えば、熱硬化型ポリ
シロキサン組成物が知られており、特開昭61−247
7453号公報、特開平6−25599号公報、特開平
7−331115号公報および特開平10−23230
1号公報等に開示されている。しかしながら、従来の熱
硬化型ポリシロキサン組成物はパターニングすることが
不可能であり、微細形状への加工やエッチングが容易で
なかった。また、かかる熱硬化型ポリシロキサン組成物
は、一般的に主剤と硬化剤との二液性であり、取り扱い
が煩雑であるという問題点も有していた。
【0003】また、紫外線等の光を利用して硬化させる
光硬化性樹脂組成物も知られており、特開平1−197
570号公報や特開平5−273753号公報等に開示
されている。これらの光硬化性樹脂組成物は、パターン
露光することにより、ビアホールを設けたり、所定形状
に加工することが可能であるという特徴がある。しかし
ながら、特開平1−197570号公報に開示された光
硬化性性樹脂組成物の主成分はフッ素含有ビニル系樹脂
であり、光硬化に際してラジカル重合を利用しているた
め、大気中の酸素による活性ラジカルの失活が顕著に生
じやすく、また、厚膜化が困難であるため、回路基板へ
応用することが事実上不可能であるという問題が見られ
た。また、特開平1−197570号公報に開示された
光硬化性樹脂組成物についても、水溶性フェノール系樹
脂を用いているため解像度に乏しく、さらには不純物が
多くて電気特性に劣るという問題が見られた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者らは上
述した問題点を鋭意検討した結果、回路基板における電
気絶縁性基材の材料として、加水分解性シラン化合物
と、光酸発生剤とを組み合わせたシラン系光硬化性組成
物を使用することにより、上述した問題を解決できるこ
とを見出した。すなわち、耐熱性や寸法安定性に優れた
シラン系化合物を用いるとともに、光酸発生剤を用いた
光硬化反応を利用することにより、形成するのが容易で
あり、しかも微細形状の加工やエッチングが容易である
電気絶縁性基材を含む回路基板を提供することを目的と
する。また、シラン系光硬化性組成物に脱水剤を添加す
ることにより、組成物中に含まれる水分、加水分解性シ
ラン化合物の自己縮合により生成する水分、あるいは塗
工時に外気から侵入してくる水分等を有効に除去するこ
とができ、保存安定性に優れるとともに素早く光硬化反
応を生じさせることができるシラン系光硬化性組成物か
らなる電気絶縁性基材を含む回路基板が得られることを
見出した。よって、本発明は、保存安定性に優れたシラ
ン系光硬化性組成物を用いて得られる、優れた電気特性
を有する回路基板を提供することを目的とする。
【0005】さらに、酸素存在下においても光硬化可能
であり、かつパターン露光可能なシラン系光硬化性組成
物を使用することにより、微細形状の加工やエッチング
が容易である電気絶縁性基材を含む回路基板を精度良
く、しかも短時間で形成することが可能な回路基板の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)成
分および(B)成分を含有する光硬化性組成物を光硬化
し、電気絶縁性基材(電気絶縁層あるいは層間絶縁膜と
称する場合がある。)としてなる回路基板に関する。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物、およびその縮合物からなる群から
選択される少なくとも一つの化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)光酸発生剤 このようなシラン系光硬化性組成物からなる電気絶縁性
基材を含んで回路基板を形成することにより、空気中に
おいても酸素の影響を受けることなく光硬化することが
でき、しかも回路基板において、優れた耐熱性や電気特
性を得ることができる。
【0007】また、本発明の回路基板を構成するにあた
り、光硬化性組成物が(C)成分として、脱水剤を含有
することが好ましい。このように脱水剤を添加すること
により、光硬化性組成物の光硬化反応を促進させるとと
もに、光硬化性組成物の保存安定性をより向上させるこ
とができる。したがって、優れた電気特性を有する回路
基板を得ることができる。
【0008】また、本発明の回路基板を構成するにあた
り、光硬化性組成物中の(A)成分における非加水分解
性の有機基R1 が、オキセタン基を含むことが好まし
い。このようにオキセタン基を含むことにより、(A)
成分の光硬化性を著しく高めることができる。よって、
露光量が少ない場合でも、優れたパターニング性を有す
る回路基板を得ることができる。
【0009】また、本発明の回路基板を構成するにあた
り、光硬化性組成物中に、(D)成分として、(A)成
分以外の加水分解性シリル基含有ビニル系重合体を含有
することが好ましい。このように(A)成分以外の加水
分解性シリル基含有ビニル系重合体を含むことにより、
硬化時の収縮を低減することができ、クラック発生を有
効に防止することができる。
【0010】また、本発明の回路基板を構成するにあた
り、光硬化性組成物中に、(E)成分として、無機粒子
を含有することが好ましい。このように無機粒子を含む
ことにより、回路基板の耐熱性や電気特性を向上させる
ことができる。
【0011】また、本発明の回路基板を構成するにあた
り、光硬化性組成物中に、(F)成分として、反応性希
釈剤を含有することが好ましい。このように反応性希釈
剤を含むことにより、回路基板の硬化収縮を低減させた
り、あるいは回路基板の機械的強度を調節することがで
きる。したがって、回路基板の靭性や耐クラック性を向
上させることができる。
【0012】また、本発明の回路基板を構成するにあた
り、多層基板であることが好ましい。多層基板の場合、
形成材料に対して、微細形状の加工性やエッチング特性
が特に要求されるため、シラン系光硬化性組成物の特徴
を有効に発揮することができる。
【0013】また、本発明の別の態様は回路基板の製造
方法であり、下記(A)成分および(B)成分を含有す
る光硬化性組成物を成型する第1の工程と、光硬化性組
成物を露光して光硬化させ、電気絶縁性基材を形成する
第2の工程とを含むことを特徴とする。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
物、その加水分解物、およびその縮合物からなる群から
選択される少なくとも一つの化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。] (B)光酸発生剤。 このように第1および第2工程を含んで回路基板を製造
することにより、優れた耐熱性や電気特性を有する回路
基板を空気中において、効率的に得ることができる。
【0014】また、本発明の回路基板の製造方法を実施
するにあたり、第2の工程において、光硬化性組成物を
パターン露光することが好ましい。このようにパターン
露光することにより、露光して硬化させた光硬化性組成
物部分と、露光せず未硬化の光硬化性組成物部分を精度
良く形成することができる。したがって、未硬化の光硬
化性組成物部分は現像液に可溶性であるため、現像液を
用いて容易に現像(除去)することができ、結果として
寸法精度に優れた空間や隙間等を形成することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の回路基板や回路基板の製
造方法についての実施形態を具体的に説明する。
【0016】[第1の実施形態]本発明の第1の実施形
態は、加水分解性シラン化合物の加水分解物(A成分)
と、光酸発生剤(B成分)と、脱水剤(C成分)と、界
面活性剤とを含有する光硬化性組成物を光硬化してなる
電気絶縁性基材を含む回路基板である。
【0017】(1)加水分解性シラン化合物における加
水分解物 構造 第1の実施形態で使用する加水分解物は、一般式(1)
で示される加水分解性シラン化合物を加水分解した化合
物である。 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
3の整数である。]
【0018】ここで、Xで表される加水分解性基は、通
常、無触媒、過剰の水の共存下、室温(25℃)〜10
0℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解され
てシラノール基を生成することができる基、もしくはシ
ロキサン縮合物を形成することができる基を指す。ま
た、一般式(1)中の添え字pは0〜3の整数である
が、より好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましく
は1である。ただし、一般式(1)で示される加水分解
性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解
の加水分解性基が残っていても良く、その場合、加水分
解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。
【0019】また、加水分解性シラン化合物の加水分解
物というときは、加水分解反応によりアルコキシ基がシ
ラノール基に変わった化合物ばかりでなく、一部のシラ
ノール基同士が縮合した部分縮合物をも意味している。
さらに、加水分解性シラン化合物は、光硬化性組成物を
配合する時点で加水分解されている必要は必ずしもな
く、光照射する段階で、少なくとも一部の加水分解性基
が加水分解されていれば良い。すなわち、第1の実施形
態に使用する光硬化性組成物において、加水分解性シラ
ン化合物を予め加水分解せずに使用した場合には、事前
に水を添加して、加水分解性基を加水分解させ、シラノ
ール基を生成することにより、光硬化性組成物を光硬化
させて回路基板を形成することができる。
【0020】有機基R1 一般式(1)における有機基R1 は非加水分解性である
1価の有機基の中から選ぶことができる。このような非
加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および重
合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶこと
ができる。なお、有機基R1 における非加水分解性と
は、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そ
のまま安定に存在する性質であることを意味する。
【0021】ここで、非重合性の有機基R1 としては、
アルキル基、アリ−ル基、アラルキル基等が挙げられ
る。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの
組合わせであっても良い。また、非重合性の有機基R1
は、ヘテロ原子を含む構造単位とすることも好ましい。
そのような構造単位としては、エーテル、エステル、ス
ルフィド等を例示することができる。ただし、ヘテロ原
子を含む場合、光硬化性を阻害することがないことから
非塩基性であることが好ましい。
【0022】また、重合性の有機基R1 としては、分子
中にラジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官
能基あるいはいずれか一方の官能基を有する有機基であ
ることが好ましい。このような官能基を有機基R1 中に
導入することにより、ラジカル重合やカチオン重合を併
用して、光硬化性組成物をより速く硬化させることがで
きる。特に、カチオン重合性の官能基、例えば、オキセ
タン基やエポキシ基を有機基R1 に導入すると、光酸発
生剤によって硬化反応を同時に生じさせることができる
ことから、光硬化性組成物をより速く硬化させることが
できる。
【0023】加水分解性基X 次に、一般式(1)における加水分解性基Xは、水素原
子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、ア
ミノ基およびカルボキシル基等が挙げられる。具体的に
好ましい炭素数1〜12のアルコキシ基を挙げると、メ
トキシ基やエトキシ基が挙げられ、好ましいハロゲン原
子としては、フッ素、塩素、臭素やヨウ素が挙げられ、
好ましいアミノ基としてはアミノ基やジメチルアミノ基
が挙げられ、好ましいカルボキシル基としては、アセト
キシ基やプチロイルオキシ基が挙げられる。
【0024】加水分解性シラン化合物の具体例 次に、一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物
(単に、シラン化合物と称する場合がある。)の具体例
を説明する。まず、非重合性の有機基R1 を有するシラ
ン化合物としては、テトラクロロシラン、テトラアミノ
シラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テ
トラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、ト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン等の4個の加水
分解性基で置換されたシラン化合物が挙げられる。
【0025】また、同様に、メチルトリクロロシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブ
トキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンタフル
オロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、d3 −メチルトリメトキシシラン、ノナフル
オロブチルエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメ
チルトリメトキシシラン等の3個の加水分解性基で置換
されたシラン化合物が挙げられる。
【0026】また、同様に、ジメチルジクロロシラン、
ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシ
シラン、ジブチルジメトキシシラン等の2個の加水分解
性基で置換されたシラン化合物、及びトリメチルクロロ
シラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、
トリブチルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリブ
チルエトキシシラン等の1個の加水分解性基で置換され
たシラン化合物を挙げることができる。
【0027】また、重合性の有機基R1 を有するシラン
化合物としては、Xにおける非加水分解性の有機基に重
合性の有機基R1 を含むシラン化合物、Xにおける加水
分解性の有機基に重合性の有機基R1 を有するシラン化
合物のいずれかを用いることができる。
【0028】具体的に、Xにおける非加水分解の有機基
に重合性の有機基R1 を含むシラン化合物としては(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、グリシジロキシトリメトキシシラ
ン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロ
ピルトリメトキシシラン、オキサシクロヘキシルトリメ
トキシシラン等を挙げることができる。
【0029】また、Xにおける加水分解性の有機基に重
合性の有機基R1 を含むシラン化合物の例としては、テ
トラ(メタ)アクリロキシシラン、テトラキス[2−
(メタ)アクリロキシエトキシ]シラン、テトラグリシ
ジロキシシラン、テトラキス(2−ビニロキシエトキ
シ)シラン、テトラキス(2−ビニロキシブトキシ)シ
ラン、テトラキス(3−メチル−3−オキセタンメトキ
シ)シラン、メチルトリ(メタ)アクリロキシシラン、
メチル[2−(メタ)アクリロキシエトキシ]シラン、
メチル−トリグリシジロキシシラン、メチルトリス(3
−メチル−3−オキセタンメトキシ)シランを挙げるこ
とができる。これらは、1種単独または2種以上を組み
合わせて使用することができる。
【0030】加水分解性シラン化合物の加水分解物 次に、加水分解性シラン化合物の加水分解物における分
子量について説明する。かかる分子量は、移動相にテト
ラヒドロフランを使用したゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー(以下、GPCと略記する。)を用い、ポ
リスチレン換算の重量平均分子量として測定することが
できる。
【0031】そして、加水分解物の重量平均分子量を、
通常500〜10000の範囲内の値とするのが好まし
い。加水分解物における重量平均分子量の値が500未
満の場合、塗膜の成膜性が低下する傾向があり、一方、
10000を越えると光硬化性が低下する傾向がある。
したがって、より好ましくは加水分解物における重量平
均分子量を、1000〜5000の範囲内の値とするこ
とである。
【0032】(2)光酸発生剤 定義 光硬化性組成物に添加する光酸発生剤(B成分)は、光
等のエネルギー線を照射することにより、(A)成分で
ある加水分解性シラン化合物を光硬化(架橋)可能な酸
性活性物質を放出することができる化合物と定義され
る。なお、光酸発生剤を分解させて、カチオンを発生す
るするために照射する光エネルギー線としては、可視
光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を挙げ
ることができる。ただし、一定のエネルギーレベルを有
し、硬化速度が大(速く)であり、しかも照射装置が比
較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが
好ましい。
【0033】また、第1の実施形態の回路基板を形成す
るにおいて、光硬化性組成物に、光酸発生剤とともに後
述するラジカル発生剤を併用することも好ましい。中性
の活性物質であるラジカルは、シラノール基の縮合反応
を促進することはないが、(A)成分中にラジカル重合
性の官能基を有する場合に、かかる官能基の重合を推進
させることができる。したがって、光硬化性組成物をよ
り効率的に硬化させることができる。
【0034】光酸発生剤の種類 次に、第1の実施形態に使用する光酸発生剤の種類を説
明する。かかる光酸発生剤としては、一般式(2)で表
される構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一
般式(3)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体
(第2群の化合物)を挙げることができる。
【0035】 [R2 a3 b4 c5 dW]+m [MZm+n] -m (2) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R2 、R3 、R4
よびR5 は同一または異なる有機基であり、a、b、c
およびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+
c+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物
錯体[MXm+n] の中心原子を構成する金属またはメタロ
イドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、
Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、C
r、Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等
のハロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン
化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価で
ある。]
【0036】Qs−〔S(=O)2−R6t (3) [一般式(3)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
6 は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]
【0037】まず、第1群の化合物であるオニウム塩
は、光を受けることにより酸性活性物質を放出すること
ができる化合物である。このような第1群の化合物のう
ち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、
特に好ましくは下記一般式(4)で表されるジアリール
ヨードニウム塩である。 [R7−Ar1−I+−Ar2−R8][Y-] (4) [一般式(4)中、R7 およびR8 は、それぞれ1価の
有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R7 およ
びR8 の少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基
を有しており、Ar1 およびAr2 はそれぞれ芳香族基
であり、同一でも異なっていてもよく、Y- は1価の陰
イオンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオン
もしくは、ClO4 -、CF3 −SO3 -から選ばれる陰イ
オンである。]
【0038】また、第2群の化合物としての一般式
(3)で表されるスルフォン酸誘導体の例を示すと、ジ
スルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニ
ルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドス
ルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ
−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネ
ート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルス
ルホネート類を挙げることができる。また、一般式
(3)で表されるスルフォン酸誘導体のうち、より好ま
しくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくは
イミドスルホネートのうち、トリフルオロメチルスルホ
ネート誘導体である。
【0039】光酸発生剤の添加量 次に、光硬化性組成物に使用される光酸発生剤の添加量
(含有割合)について説明する。かかる光酸発生剤の添
加量は特に制限されるものではないが、(A)成分10
0重量部に対して、通常0.1〜15重量部の範囲内の
値とするのが好ましい。光酸発生剤の添加量が0.1重
量部未満となると、光硬化性が低下し、十分な硬化速度
が得られない傾向がある。一方、光酸発生剤の添加量が
15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱
性が低下する傾向がある。したがって、光硬化性と得ら
れる硬化物の耐候性等とのバランスがより良好な観点か
ら、光酸発生剤の添加量を、(A)成分100重量部に
対して1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好
ましい。
【0040】(3)脱水剤 定義 光硬化性組成物に使用される脱水剤は、化学反応により
水以外の物質に変換する化合物、物理吸着または包接に
より、光硬化性および保存安定性に影響を与えなくする
化合物と定義される。すなわち、このような脱水剤を含
有することにより、光硬化性組成物の耐候性や耐熱性を
損なうことなく、保存安定性や光硬化性という相反する
特性を向上させることができる。この理由として、外部
から侵入してくる水を、脱水剤が有効に吸収するために
光硬化性組成物の保存安定性が向上し、一方、光硬化反
応である縮合反応においては、生成した水を順次に脱水
剤が有効に吸収するために光硬化性組成物の光硬化性が
向上するものと考えられる。
【0041】脱水剤の種類 次に、光硬化性組成物に使用される脱水剤の種類を説明
する。かかる脱水剤の種類は特に制限されるものでない
が、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセター
ル類(ケタール類を含む。)、およびカルボン酸無水物
からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であ
ることが好ましい。また、無機化合物として、脱水機能
を有するセラミック粉体の使用も好ましい。これらの脱
水剤は、優れた脱水効果を示し、少量の添加で脱水剤の
機能を効率的に発揮することができる。
【0042】また、脱水剤としてのカルボン酸エステル
は、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエス
テル等の中から選ばれる。ここで、好ましいカルボン酸
オルトエステルとしては、オルト蟻酸メチル、オルト蟻
酸エチル、オルト蟻酸プロピル、オルト蟻酸ブチル、オ
ルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロピ
ル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルおよ
びオルトプロピオン酸エチル等が挙げられる。また、こ
れらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優れた脱
水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上させる
ことができる観点から、オルト蟻酸エステルが、本発明
における脱水剤として特に好ましい。また、好ましいカ
ルボン酸シリルエステルとしては、酢酸トリメチルシリ
ル、酢酸トリブチルシリル、蟻酸トリメチルシリル、シ
ュウ酸トリメチルシリル等が挙げられる。
【0043】また、好ましいアセタール類としては、例
えば、アセトンジメチルアセタール、アセトンジエチル
アセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、
メチルエチルケトンジメチルアセタール、シクロヘキサ
ノンジメチルアセタールおよびシクロヘキサノンジエチ
ルアセタールを挙げることができる。これらのアセター
ル類は特に優れた脱水効果を示し、光硬化性組成物の保
存安定性や光硬化性をより向上させることができる。
【0044】また、好ましいカルボン酸無水物として
は、例えば、蟻酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安
息香酸無水物等が挙げられる。特に、無水酢酸および無
水コハク酸は、脱水効果に特に優れており好ましい。
【0045】また、好ましい脱水機能を有するセラミッ
ク粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリ
カアルミナ粒子、活性白土、ゼオライト、タルク等が挙
げられる。これらのセラミック粉体は、水に対して、強
い親和力を有しており、優れた脱水効果を発揮すること
ができる。なお、アルミナ粒子およびシリカアルミナ粒
子等は、脱水機能を発揮するばかりでなく、得られた回
路基板の電気特性や機械的特性を向上させるにも役立
つ。
【0046】脱水剤の添加量 次に、光硬化性組成物に使用される脱水剤の添加量につ
いて説明する。脱水剤の添加量は特に制限されるもので
はないが、(A)成分100重量部に対して、通常、
0.1〜100重量部の範囲内の値とするのが好まし
い。脱水剤の添加量が0.1重量部未満となると、添加
効果の発現に乏しい傾向があり、また、保存安定性や光
硬化性の向上効果が低い傾向がある。一方、脱水剤の添
加量が100重量部を越えると、保存安定性や光硬化性
の向上効果が飽和する傾向がある。したがって、より好
ましくは、脱水剤の添加量を(A)成分100重量部に
対して、0.5〜50重量部の範囲内の値であり、さら
に好ましくは、1〜10重量部の範囲内の値である。
【0047】(5)添加剤 光硬化性組成物には、本発明の目的や効果を損なわない
範囲において、上述した成分以外に、ラジカル性光重合
開始剤、光増感剤、有機溶剤、重合禁止剤、重合開始助
剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカ
ップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤をさ
らに含有させることも好ましい。
【0048】特に、界面活性剤を添加することにより、
光硬化性組成物を塗布した場合のいわゆるストライエー
ション(筋むら)を防止することができ、均一な厚さの
回路基板とすることができる。ここで、好ましい界面活
性剤の種類として、フッ素系界面活性剤、シリコーン系
界面活性剤、リン系界面活性剤等が挙げられ、より具体
的な界面活性剤の種類としては、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシ
エチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジ
ラウレート等の一種単独または二種以上の組み合わせを
挙げることができる。なお、これらの界面活性剤は、例
えば、エフトップEF301,EF303,EF352
(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF1
71,F172,F173(以上、大日本インキ化学工
業(株)製)、フロラードFC430,FC431(以
上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG71
0,サーフロンS−382,SC−101,SC−10
2,SC−103,SC−104,SC−105,SC
−106(以上、旭硝子(株)製)、KP341(信越
化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,No.9
5(以上、共栄社化学(株)製)等の市販品を好適に使
用することができる。
【0049】また、界面活性剤の添加量についても、特
に制限されるものではないが、例えば、(A)成分10
0重量部に対して、通常、0.01〜10重量部の範囲
内の値とするのが好ましい。界面活性剤の添加量が0.
01重量部未満となると、添加効果の発現に乏しい傾向
があり、一方、界面活性剤の添加量が10重量部を越え
ると、保存安定性が低下する場合がある。したがって、
より好ましくは、界面活性剤の添加量を(A)成分10
0重量部に対して、0.05〜5重量部の範囲内の値と
することであり、さらに好ましくは、0.1〜1重量部
の範囲内の値とすることである。
【0050】(6)回路基板 回路基板の構成 回路基板の構成は、特に制限されるものではないが、例
えば、図1(c)に示す単層型や、図2(e)に示す回
路両面型や、あるいは、図3(d)に示す多層型が挙げ
られる。
【0051】まず、図1(c)に示す単層型の回路基板
18は、導体(基材)12の上に、光硬化性組成物の光
硬化物からなる電気絶縁性基材(電気絶縁性層と称する
場合もある。)16が形成されている。したがって、こ
のような構成の回路基板18であれば、光硬化により容
易に製造することができる。なお、図1(c)に示す単
層型の回路基板18の変形例として、導体(基材)12
を挟むように、電気絶縁性基材(第1の電気絶縁性層)
16の反対面に第2の電気絶縁層を形成しても良い(図
示せず。)。このように構成すると、導体12が露出さ
れずに、機械的かつ化学的(酸素、水分等に起因した腐
食)に保護されるという特徴がある。また、第2の電気
絶縁層は、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂を用いて
形成しても良いし、あるいは、第1の電気絶縁層16と
同様に、光硬化性組成物の光硬化物を用いて形成しても
良い。
【0052】また、図2(e)に示す回路両面型の回路
基板は36、導体(基材)12の上に、光硬化性組成物
からなる電気絶縁性基材32が形成されており、さらに
この電気絶縁性基材32のビアホール用空間33に、導
電性材料を充填またはメッキして形成したビアホール3
5が形成されている。したがって、このビアホール35
を介して、下面の導体12と、上面に位置する上側導体
34との間で、電気的導通を得ることができる。具体的
に、図2(e)に示す記号Aで示される点と、同じく記
号Bで示される点とに、抵抗測定器のプローブを接触さ
せることにより、その間の抵抗値を測定することができ
る。
【0053】さらに、図3(d)に示す多層型の回路基
板50は、図2(e)に示す回路両面型の回路基板(第
1の回路基板)36上に、さらに、光硬化性組成物から
なる電気絶縁性基材32と、この電気絶縁性基材32の
内部に導電性材料を充填またはメッキして形成されたビ
アホール46と、表面導体47とからなる基板48(第
2の基板)が形成されている。したがって、ビアホール
35およびビアホール46を介して、下面の導体12
と、表面導体47との間で、電気的導通を取ることがで
きる。具体的に、図3(d)に示す記号Aで示される点
と、同じく記号Cで示される点とに、抵抗測定器のプロ
ーブを接触させることにより、その間の抵抗値を測定す
ることができる。
【0054】回路基板の形成方法 光硬化性組成物から電気絶縁性基材を形成する場合、第
1の工程として、光硬化性組成物を、将来パターン化さ
れて導体となる導電層(銅箔、アルミニウム箔、シリコ
ンウエファ等)を含む基材や離型材にコーテイングし
て、一定形状に成型することが好ましい。ここで、基材
の材質としては、アルミナ、窒化アルミナ、ガラス繊維
強化エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポ
リイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、
コーテイング方法としては、ディッピング法、スプレー
法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、
カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン
法、またはインクジェット法等を用いることができる。
なお、光硬化性組成物をコーテイング後に、加圧した
り、切断したりして、所定形状に加工することも好まし
い。
【0055】また、光硬化性組成物を離型材にコーテイ
ングした場合、第1の工程において光硬化性組成物を成
型した直後、すなわち、第2の工程における光硬化前に
導電層を含む基材を積層するのが好ましい。このように
基材を積層すると、接着剤等を用いることなく、光硬化
性組成物の光硬化物である電気絶縁性基材と、基材ある
いは基材上の導電層との間の密着力を著しく高めること
ができる。
【0056】また、回路基板を形成するにあたり、第2
の工程として、光硬化性組成物を成型した後に光硬化し
て電気絶縁性基材を形成する必要がある。その場合、光
硬化の手段は特に制限されるものではないが、例えば、
高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、エキシマーランプ等の光源を用いて、波長200〜
500nmの光を、露光量が50〜5000mJ/cm
2 の範囲内の値となるように照射することが好ましい。
また、レーザ光、レンズ、ミラー等を用いて得られた収
束光等を走査させながら光硬化性組成物に光照射するこ
とも好ましい。
【0057】厚さ 回路基板の光硬化性組成物からなる電気絶縁性基材(光
硬化物)の厚さ、例えば、図1(c)に示す電気絶縁性
基材16の厚さについては特に制限されるものではない
が、具体的に、1〜200μmの範囲内の値であること
が好ましい。この理由は、光硬化物の厚さが1μm未満
となると、機械的強度や電気特性が低下する場合がある
ためであり、一方、厚さが200μmを超えると、光硬
化させて製造するのが困難となる場合があるためであ
る。したがって、回路基板における電気絶縁性基材の厚
さを5〜200μmの範囲内の値とするのがより好まし
く、10〜100μmの範囲内の値とするのがさらに好
ましい。なお、回路基板を多層基板とする場合、上述し
た光硬化物の厚さに、層の数を掛けた値が、回路基板に
おける電気絶縁性基材の好ましい厚さとなる。したがっ
て、例えば、図3(d)に示す回路基板50の場合、層
数が2であり、回路基板における電気絶縁性基材の厚さ
(第1の電気絶縁層32と第2の電気絶縁層42との厚
さの合計)を10〜400μmの範囲内の値とするのが
好ましい。
【0058】また、回路基板における導体の厚さ、図1
(c)に示す導体12の厚さについては特に制限される
ものではないが、具体的に、0.1〜50μmの範囲内
の値であることが好ましい。この理由は、導体の厚さが
0.1μm未満となると、機械的強度や電気特性が低下
する場合があるためであり、一方、厚さが50μmを超
えると、導体を含む回路基板の厚さが過度に厚くなる場
合があるためである。したがって、回路基板における導
体の厚さを0.2〜30μmの範囲内の値とするのがよ
り好ましく、0.5〜20μmの範囲内の値とするのが
さらに好ましい。
【0059】[第2の実施形態]本発明の第2の実施形
態は、加水分解性シラン化合物の加水分解物(A成
分)、光酸発生剤(B成分)、脱水剤(C成分)および
無機粒子(E成分)を含有する光硬化性組成物を基材上
で光硬化して、電気絶縁性基材としてなる回路基板であ
る。このように無機粒子を添加(配合)することによ
り、電気絶縁性基材、ひいては回路基板全体の硬化収縮
を低減することができる。また、無機粒子を添加するこ
とにより、電気絶縁性基材の機械的強度、例えば、ヤン
グ率の値を高くして、耐擦傷性を向上させることもでき
る。以下、第2の実施形態に使用する無機粒子の詳細に
ついて説明するが、加水分解性シラン化合物の加水分解
物(A成分)、光酸発生剤(B成分)、脱水剤(C成
分)および回路基板の構成等については、第1の実施形
態と同様のものが使用できるため、ここでの説明は省略
する。
【0060】(1)無機粒子の添加量 第2の実施形態に使用する無機粒子の添加量は、特に制
限されるものではないが、例えば、(A)成分100重
量部に対して、0.1〜100重量部の範囲内の値とす
るのが好ましい。無機粒子の添加量が0.1重量部未満
となると、添加効果は軽微であり、一方、100重量部
を超えると保存安定性や塗装性が低下する傾向がある。
したがって、確実に添加効果が得られ、またより保存安
定性が優れている観点から、無機粒子の添加量を、
(A)成分100重量部に対して、0.2〜80重量部
の範囲内の値とするのがより好ましく、0.5〜50重
量部の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0061】(2)無機粒子の種類 第2の実施形態に使用する無機粒子は、シリカ、アルミ
ナ、シリカアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリ
ア、ムライト、コーデュライト、スピネル、フォルステ
ライト、アノーサイト、セルジアン、チッ化アルミ、活
性白土、ゼオライト、酸化チタン、酸化ジルコニウム、
酸化硼素、酸化スズおよび酸化リンの一つまたは二種以
上の組合わせが挙げられる。
【0062】また、無機粒子の平均粒子径を、0.00
1〜20μmの範囲内の値とするのが好ましい。さら
に、無機粒子を用いて透明な光硬化性組成物あるいは回
路基板を形成することを目的とする場合には、光散乱と
の関係で、平均粒子径を0.001〜0.2μmの範囲
内の値とするのが好ましく、より好ましくは0.001
〜0.01μmの範囲内の値とすることである。
【0063】また、使用する無機粒子の形状も特に制限
されるものではないが、球状、中空状、多孔質状、棒
状、板状、繊維状もしくは不定形状の群から選ばれる少
なくとも一つの形状であることが好ましい。ただし、分
散性がより良好な観点から、球状の無機粒子を使用する
ことがより好ましい。
【0064】[第3の実施形態]本発明の第3の実施形
態は、加水分解性シラン化合物の加水分解物(A成
分)、光酸発生剤(B成分)、脱水剤(C成分)および
反応性希釈剤(F成分)を含有する光硬化性組成物を基
材上で光硬化し、電気絶縁性基材としてなる回路基板で
ある。このように反応性希釈剤を添加(配合)すること
により、基材に対する密着力を向上させたり、得られる
回路基板の硬化収縮(耐クラック性)を低減したり、あ
るいは回路基板の機械的強度を制御することができる。
また、ラジカル重合性の反応性希釈剤を用いた場合に
は、ラジカル発生剤を併用することにより、光硬化性組
成物の光硬化性をよりきめ細かく調節することができ
る。また、カチオン重合性の反応性希釈剤を用いた場合
には、光硬化性や機械的特性を調節することができる。
【0065】以下、第3の実施形態における反応性希釈
剤(F成分)の詳細について説明するが、加水分解性シ
ラン化合物の加水分解物(A成分)、光酸発生剤(B成
分)、脱水剤(C成分)および回路基板の構成等につい
ては、第1の実施形態と同様のものが使用できるため、
ここでの説明は省略する。
【0066】反応性希釈剤の配合量 第3の実施形態において、反応性希釈剤の配合量(添加
量)は特に制限されるものではないが、例えば、(A)
成分100重量部に対して、0.1〜50重量部の範囲
内の値とするのが好ましい。反応性希釈剤の配合量が1
重量部未満となると、添加効果が発現しずらい傾向があ
り、一方、50重量部を超えると、得られる回路基板の
耐久性が低下する傾向がある。したがって、反応性希釈
剤の配合量を1〜30重量部の範囲内の値とするのがよ
り好ましく、2〜20重量部の範囲内の値とするのがさ
らに好ましい。
【0067】反応性希釈剤の種類 次に、第3の実施形態に使用する反応性希釈剤の種類に
ついて説明する。かかる反応性希釈剤としてカチオン重
合性モノマーおよびエチレン性不飽和モノマーあるいは
いずれか一方のモノマーを配合することが好ましい。具
体的に、カチオン重合性モノマーとしては、エポキシ化
合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセ
タール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、
チエタン化合物、ビニルエーテル化合物、スピロオルソ
エステル化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテ
ル化合物等を挙げることができる。
【0068】また、エチレン性不飽和モノマーはエチレ
ン性不飽和結合(C=C)を分子中に有する化合物であ
り、1分子中に1個のエチレン性不飽和結合を有する単
官能モノマー、および1分子中に2個以上のエチレン性
不飽和結合を有する多官能モノマーと定義することがで
きる。好ましいエチレン性不飽和モノマーとして、例え
ば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
トポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ボルニル(メタ)アクリレート、メチルトリエチレンジ
グリコール(メタ)アクリレートを挙げることができ
る。
【0069】[第4の実施形態]本発明の第4の実施形
態は、基材と、加水分解性シラン化合物の加水分解物
(A成分)、光酸発生剤(B成分)、脱水剤(C成分)
および(A)成分以外の加水分解性シリル基含有ビニル
系重合体(D成分)を含有する光硬化性組成物を基板上
で光硬化し、電気絶縁性基材としてなる回路基板であ
る。このように(A)成分以外の加水分解性シリル基含
有ビニル系重合体を添加(配合)することにより、電気
絶縁性基材(光硬化物)の基板に対する密着力を向上さ
せたり、電気絶縁性基材の硬化収縮を低減したり、ある
いは電気絶縁性基材におけるクラック発生を防止するこ
とができる。以下、第4の実施形態における(A)成分
以外の加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(D成
分)のついて詳細に説明するが、加水分解性シラン化合
物の加水分解物(A成分)、光酸発生剤(B成分)、脱
水剤(C成分)および基材等については、第1の実施形
態と同様のものが使用できるため、ここでの説明は省略
する。
【0070】(1)種類 (A)成分以外の加水分解性シリル基含有ビニル系重合
体としては、分子中に少なくとも1個の加水分解性シリ
ル基を有するビニルモノマーの重合体と定義される。そ
して、加水分解性シリル基含有ビニル系重合体として
は、一般式(5)で表されるような共重合体であること
が好ましい。
【0071】
【化1】
【0072】[一般式(5)中、R9 はそれぞれ独立で
あり、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜12の
一価の有機基であり、R10は炭素数0または1〜200
の二価の有機基であり、R11は水素または炭素数1〜2
00の二価の有機基であり、tは1〜1000の整数で
あり、uは0または1〜1000の整数であり、R1
Xおよびpは一般式(1)の定義内容と同様である。]
【0073】(2)製造方法 次に、(A)成分以外の加水分解性シリル基含有ビニル
系重合体の製造方法について説明する。このビニル系重
合体の製造方法は特に制限されるものではないが、例え
ば、以下に示す第1の製造方法や第2の製造方法により
製造することが好ましい。
【0074】(第1の製造方法)加水分解性シリル基含
有ビニル系重合体を製造する第1の製造方法は、加水分
解性シリル基を有する重合性不飽和モノマーを単独重合
するか、あるいは、加水分解性シリル基を有する重合性
不飽和モノマーと加水分解性シリル基を有しない重合性
不飽和モノマーとを共重合することである。このような
第1の製造方法に使用される加水分解性シリル基を有す
る重合性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、(メタ)アク
リロキシプロピルトリクロロシラン、ビス(メタクリロ
キシプロピル)ジメトキシシランなどの(メタ)アクリ
ロキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジ
メトキシシラン、ジビニルジエトキシシランなどのビニ
ルシラン等を挙げることができる。なお、上述した加水
分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマーは、1種
を単独重合もしくは、2種以上を組み合わせて重合して
も良い。また、加水分解性シリル基を含まない重合性不
飽和モノマーは、ラジカル重合性のエチレン性不飽和結
合(C=C)を分子中に有する化合物であり、1分子中
に1個のエチレン性不飽和結合を有する単官能モノマー
から選ばれる。このような加水分解性シリル基を有しな
い化合物(単官能性モノマー)としては、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリレート類、アクリルアミド類、
N−ビニル化合物、スチレン類、ビニルエーテル類、ビ
ニルエステル類、ハロゲン化オレフィン類、ジエン類等
が挙げられる。
【0075】(第2の製造方法)第2の製造方法は、反
応性有機基を有するビニル系重合体と、加水分解性シリ
ル基を有する化合物とを化学反応させることにより、加
水分解性シリル基含有ビニル系重合体を製造する方法で
ある。この場合、加水分解性シリル基を有する化合物と
して、予め加水分解もしくは、さらに縮合させたものを
使用することができる。このように加水分解性シリル基
を化学反応により導入する場合、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば 1)不飽和二重結合を有するポリマーに対し遷移金属触
媒の存在下、トリアルコキシシランを付加させるヒドロ
シリル化反応、 2)エポキシ基を含有するポリマーに対し、メルカプト
基もしくはアミノ基を有するアルコキシシラン類を付加
反応させる方法、 3)ヒドロキシ基を有するポリマーに対しイソシアネー
ト基を有するアルコキシシランを反応させウレタン結合
によりシリル化する方法などを用いることができる。
【0076】(3)添加量 次に、(A)成分以外の加水分解性シリル基含有ビニル
系重合体の添加量について説明する。かかるビニル系重
合体の添加量は特に制限されるものではないが、(A)
成分100重量部に対して、1〜500重量部の範囲内
の値とするのが好ましい。この理由は、添加量が1重量
部未満となると、下地に対する密着性や柔軟性、あるい
は耐薬品性が低下する傾向があり、一方、添加量が50
0重量部を超えると、光硬化性樹脂組成物の光硬化性
や、得られた硬化物における耐久性が低下する傾向があ
るためである。したがって、基板に対する密着性と得ら
れる硬化物の耐久性等とのバランスがより良好な観点か
ら、かかるビニル系重合体の添加量を、(A)成分10
0重量部に対して5〜200重量部の範囲内の値とする
ことがより好ましく、10〜100重量部の範囲内の値
とすることがさらに好ましい。
【0077】[第5の実施形態]本発明の第5の実施形
態は、以下に示す第1の工程〜第4の工程を含む回路基
板の製造方法に関する実施形態である。なお、第1の工
程は、上述した第1〜4の実施形態のいずれか一つの光
硬化性組成物を成型する工程(成型工程と称する場合が
ある。)であり、第2の工程は、露光機を用いてパター
ン露光することにより、光硬化性組成物を光硬化させる
工程(露光工程と称する場合がある。)であり、第3の
工程は、露光されずに未硬化の光硬化性組成物を現像し
て、ビアホール用空間を形成する工程(現像工程と称す
る場合がある。)であり、さらに第4の工程は、ビアホ
ール用空間に導電材料を充填またはメッキする工程(導
電化工程と称する場合がある。)である。
【0078】(1)第1の工程 光硬化性組成物の成型方法は特に制限されるものではな
いが、例えば、スピンコータやバーコータを用いて、光
硬化性組成物を塗布、形成することが好ましい(図1
(a)、図2(a)および図3(a)参照)。具体的
に、スピンコータを用いた場合、スピンコータ内に、直
径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウエファーを固
定した後、回転数1000rpmの条件で、予め粘度調
整した光硬化性組成物を塗布することが好ましい。
【0079】また、第1の実施形態で説明したように、
基材として、銅箔やシリコンウエファ等を用いることに
より、将来導体となる導体部材を容易に光硬化性組成物
に積層することができる。すなわち、これらの導体部材
に、光硬化性組成物を直接塗布することにより、接着剤
等の接合手段を用いることなく、優れた密着力を得るこ
とができる。
【0080】また、光硬化性組成物の成型後の厚さは特
に制限されるものではないが、例えば、1〜200μm
の範囲内の値であることが好ましい。この理由は、成型
後の厚さが1μm未満では、所定形状に保持することが
困難となる場合があり、一方、200μmを超えると、
均一に光硬化させることが困難となる場合がある。
【0081】また、第1の工程において、光硬化性組成
物の成型後に、100〜150℃の温度で予備加熱(プ
リベイク)することが好ましい。このような条件で光硬
化性組成物を予備加熱することにより、光硬化性組成物
における揮発部分を有効に除去することができ、光硬化
性組成物の成型品が型崩れすることがなくなる。また、
加水分解性シラン化合物(A成分)のシラノールの一部
を反応させることができ、基材に対する密着力や現像時
における耐薬品(現像剤)性を向上させることもでき
る。ただし、過度に加熱して、現像特性が逆に低下しな
いように、110〜140℃の温度で加熱することがよ
り好ましく、115〜130℃の温度で加熱することが
より好ましい。
【0082】さらに、加熱時間については、加熱温度を
考慮して定めるのが好ましいが、100〜150℃の温
度で予備加熱する場合、1〜20分の加熱時間とするの
が好ましい。この理由は、加熱時間が1分未満となる
と、シラノールの反応が不均一となる場合があり、一
方、加熱時間が10分を超えると、シラノールが過度に
反応して、現像液を用いて精度良く現像することが困難
となる場合があるためである。したがって、加熱時間を
2〜15分の範囲内の値とするのが好ましく、3〜10
分の範囲内の値とするのがさらに好ましい。なお、加熱
手段については特に制限されるものではなく、例えば、
オーブンや赤外線ランプを用いることができる。
【0083】(2)第2の工程 また、第2の工程における光硬化方法は第1の実施形態
で一部説明したとおりであるが、図2および図3に示す
ように、所定パターンを有するフォトマスク30(光透
過部28あるいは光不透過部26)を用い、このフォト
マスク30を介して非収束光を光硬化性組成物にパター
ン露光したり(図2(b)および図3(b)参照)、あ
るいは、図示しないが、多数の光ファイバーを束ねた導
光部材を用い、フォトマスクのパターンに対応する光フ
ァイバーからのみ光照射して、パターン露光することも
好ましい。このようにパターン露光することにより、図
2(c)に示すように、露光して硬化させた光硬化性組
成物部分32と、露光せず未硬化の光硬化性組成物部分
20を精度良く形成することができる。したがって、未
硬化の光硬化性組成物部分20のみを、現像液を用いて
容易にウエット現像(除去)することができ、結果とし
て、図2(d)に示すように、ビアホール用空間33を
短時間かつ容易に形成することができる。なお、マスク
パターンのライン/スペース(比率50/50)が10
μm以上の範囲、より好ましくは30μm以上の範囲、
さらに好ましくは、50μm以上の範囲において、光硬
化させた後、ビアホール用空間を再現性良く現像するこ
とが確認されている。
【0084】また、光硬化性組成物を成型した後、導体
12を積層し、さらに、導体12を積層した側と反対側
から光を照射することも好ましい(図2(b)および図
3(b)参照)。これにより、光硬化性組成物を透過し
た光が導体に反射して、光硬化性組成物をより均一に、
しかも比較的弱い光であっても、十分に光硬化すること
ができる。
【0085】さらに、光硬化させて得られた回路基板は
必要に応じて、さらに加熱することも好ましい。その場
合、通常、室温から基材もしくは塗膜の分解開始温度以
下で、5分〜72時間の条件で加熱するのが好ましい。
このように加熱することにより、より耐熱性や耐候性に
優れた回路基板を得ることができる。
【0086】(3)第3の工程 第2の工程で露光されずに未硬化の光硬化性組成物を現
像して、取り除く方法は、特に制限されるものではない
が、例えば、現像液として、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキサイド水溶液(濃度2.38重量%)を用い、
室温、1〜10分間の条件で、ディッピングすることに
より、再現性良く現像することができる(図2(c)お
よび(d)参照)。すなわち、このような第3の工程を
設けることにより、ドライエッチングすることなく、寸
法精度に優れたビアホールを、現像液を用いてウエット
状態にて形成することができる。また、現像剤が残留し
ないように、超純水を用いて数回洗浄することが好まし
い。さらに、第2の工程終了後、少なくとも10〜60
分、室温に放置した後、現像することも好ましい。
【0087】また、第3の工程において形成するビアホ
ール用空間の大きさ(直径)は、回路基板の使用用途に
より変わるが、具体的に、直径において10〜200μ
mの範囲内の値、より好ましくは10〜150μmの範
囲内の値、さらに好ましくは、10〜100μmの範囲
内の値とするのが良い。
【0088】(4)第4の工程 第3の工程で得られたビアホール用空間に導電材料を充
填またはメッキしてビアホールを形成する方法は、特に
制限されるものではないが、例えば、導電材料を充填方
法としては、半田ペーストや銀ペースト、あるいは導電
性樹脂を機械的に充填したり、これらをスクリーン方法
により印刷する方法を採ることができる。また、導電材
料をメッキする方法としては、銅や金の無電解メッキ方
法や、銅や金の電界メッキ方法を採ることができる(図
2(e)および図3(d)参照)。このようにビアホー
ルを形成することにより、寸法精度や導電性に優れたビ
アホールを容易に形成することができる。また、図2
(e)および図3(d)に示すように、ビアホール用空
間33に導電材料を充填またはメッキすると同時に、上
側導体34、47を形成するのも好ましい。
【0089】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではな
い。また、実施例中、各成分の配合量は特に記載のない
限り重量部を意味している。
【0090】[実施例1] (光硬化性組成物の調整)撹拌機付の容器内に、メチル
トリメトキシシラン(270g、1.98モル)と、メ
チルオキセタニルメトキシプロピルトリエトキシシラン
(67.2g、0.22モル)と、電気伝導率が8×1
-5S・cm-1のイオン交換水(89.1g、4.95
モル)とを収容した後、温度60℃、6時間の条件で加
熱撹拌することにより、シラン化合物の加水分解を行っ
た。次いで、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK
と略記)を滴下しながら、加水分解により副生したメタ
ノールを蒸留除去した。そして、最終的に固形分を75
重量%に調整し、(A)成分であるポリシロキサンを含
有する溶液を得た。得られたポリシロキサン溶液につい
て、GPCを用いてポリスチレン換算の重量平均分子量
を測定したところ、1500という値が得られた。次い
で、得られたポリシロキサン100重量部あたり、
(B)成分の光酸発生剤として、トリフェニルスルフォ
ントリフルオロメタンスルフォネートを1重量部と、増
感剤として、9−アントラセンメタノールを0.33重
量部と、界面活性剤として、メガファックF−172
(大日本インキ化学工業(株)製)0.1重量部をそれ
ぞれ添加して、光硬化性組成物を得た。
【0091】(回路基板の形成および評価) (1)光硬化性 得られた光硬化性組成物(溶液)をシリコンウエファ
(厚さ1mm、直径4インチ)上に、乾燥後の厚さが2
0μmとなるように塗膜を形成した。次いで、塗膜を風
乾(室温、10分)し、さらにオーブンを用いて120
℃、10分の条件でプレベークした後、大気下、温度2
5℃、積算露光量300mJ/cm2 (照射時間3
秒)、500mJ/cm2 (照射時間5秒)および10
00mJ/cm2 (照射時間10秒)の各条件で、オー
ク製作所(株)製の高圧水銀ランプ(280W)を用い
て紫外線(中心波長365nm)を、シリコンウエファ
と反対側から光硬化性組成物に照射して、回路基板にお
ける電気絶縁性基材を形成した。また、窒素中、温度2
5℃の条件で、同様に紫外線を照射して、電気絶縁性基
材を形成した。得られた電気絶縁性基材につき、指触で
表面タックを測定し、以下の基準で光硬化性を評価し
た。結果を表1に示す。 ◎:300mJ/cm2露光後、回路基板の表面タック
がない。 〇:500mJ/cm2露光後、回路基板の表面タック
がない。 △:1000mJ/cm2露光後、回路基板の表面タッ
クがない。 ×:1000mJ/cm2露光後、回路基板の表面タッ
クがある。
【0092】(2)基板密着性試験 上述した光硬化性組成物を、表1に示す基材に回転塗布
した後、上述した高圧水銀ランプを用いて、大気中で露
光量が500mJ/cm2 となるように紫外線を照射
し、厚さ25μmの回路基板における電気絶縁性基材を
形成した。次いで、JIS K5400に準拠した碁盤
目試験を実施し、基板密着性試験を評価した。なお、碁
盤目試験は、初期および湿熱試験後(PCT試験、温度
121℃、湿度100%、気圧2atm、24時間)に
碁盤目100個当たりの剥がれた碁盤目数を測定して行
った。評価結果を表1に示す。 ○:剥がれた碁盤目が0〜1個である。 △:剥がれた碁盤目が2〜10個である。 ×:剥がれた碁盤目が10個を超える。
【0093】(3)固有抵抗 上述した光硬化性組成物をシリコンウエファー上に回転
塗布した後、上述した高圧水銀ランプを用いて、大気中
で露光量が500mJ/cm2 となるように紫外線を照
射し、厚さ50μmの回路基板における電気絶縁性基材
を形成した。次いで、抵抗測定装置8340A(アドバ
ンテスト(株)製)を用いて、JISZ3197に準拠
して、電圧500V、温度23℃、空気中の条件で体積
抵抗および表面抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
【0094】(4)誘電率 上述した光硬化性組成物をシリコンウエファー上に回転
塗布した後、上述した高圧水銀ランプを用いて、大気中
で露光量が500mJ/cm2 となるように紫外線を照
射し、厚さ25μmの回路基板における電気絶縁性基材
を形成した。なお、現像後に、回路基板を加熱(ポスト
ベーク)し、その温度を100℃(誘電率Aと表記)お
よび400℃(誘電率Bと表記)に変えて最終的に回路
基板を形成した。次いで、誘電率計HP4284A(ヒ
ューレットパッカード社製)を用いて、JIS Z31
97に準拠して、周波数1MHzの条件で誘電率を測定
した。結果を表1に示す。
【0095】(5)パターニング性 上述した光硬化性組成物をシリコンウエファー上に回転
塗布した後、120℃、10分プリベークした後、上述
した高圧水銀ランプを用いて、ライン&スペース(25
μm/25μm)のフォトマスク(パターン1)を介し
て、大気中で露光量が300mJ/cm2 となるように
紫外線を照射し、厚さ6μmの回路基板における電気絶
縁性基材を形成した。また、ライン&スペースのフォト
マスクのかわりに、ドットパターン(光透過部の直径7
0〜100μm、ピッチ150μm)のフォトマスク
(パターン2)を介して、大気中で露光量が300mJ
/cm2 となるように紫外線を照射し、厚さ20μmの
回路基板における電気絶縁性基材を形成した。次いで、
現像剤としてTMAHを用い、室温、90秒間の条件で
現像し、その後、走査型電子顕微鏡を用いてフォトマス
クにおけるパターンが再現されているか否かを測定し
た。測定結果を表1に示す。また、図4および図5に回
路基板の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を併せて示
す。図4は、回路基板における電気絶縁性基材の断面お
よび表面を示しており、図5は、回路基板における電気
絶縁性基材の断面を示している。なお、SEM写真の原
理上、シリコンウエファからなる基材と、電気絶縁層と
しての光硬化物との境界面が明確に表れていない。 ○:完全に再現されている。 △:一部再現が不完全である。 ×:かなり再現が不完全である。
【0096】[実施例2]実施例1で調整した光硬化性
組成物中に、A成分100重量部あたり、シリカ粒子お
よびアルミナ粒子をそれぞれ5重量部添加したほかは、
実施例1と同様に回路基板における電気絶縁性基材を形
成して、評価した。ただし、現像条件として、TMAH
を用い、室温、240秒の条件を採用した。測定結果を
表1に示す。
【0097】[実施例3]実施例1で調整した光硬化性
組成物中に、反応性希釈剤としてダイセル化学工業
(株)製KRM2110を、(A)成分100重量部あ
たり、10重量部添加したほかは、実施例1と同様に回
路基板における電気絶縁性基材を形成して、評価した。
【0098】[実施例4] (1)アクリルシリコン重合体溶液の調整 50℃に保持した撹拌機付の容器内に、メチルイソブチ
ルケトン100重量部を収容した後、ブチルアクリレー
ト20重量部と、アクリル酸17重量部と、p−イソプ
ロペニルフェノール18重量部と、トリシクロ[5.
2.1.02.6 ]デカ−8−イルメタクリレート37重
量部と、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン8重量部と、アゾビスイソブチロニトリル3重量部と
からなる反応液を1時間かけて滴下した。次いで、容器
内を温度80℃、3時間の条件で加熱撹拌することによ
り、固形分50重量%のアクリルシリコン重合体溶液を
得た。得られたアクリルシリコン重合体について、GP
Cを用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を測定し
たところ、約10,000という値が得られた。
【0099】(2)回路基板における電気絶縁性基材の
形成および評価 実施例1で調整した光硬化性組成物中に、上述したアク
リルシリコン重合体を、(A)成分100重量部あた
り、10重量部添加したほかは、実施例1と同様に回路
基板における電気絶縁性基材を形成して、評価した。
【0100】
【表1】 *基板密着性試験における( )内の値は、PCT試験後の値である。
【0101】[実施例5]実施例1で使用した光硬化性
組成物をシリコンウエファー上に回転塗布した後、実施
例1で使用した高圧水銀ランプを用いて、大気中で、ド
ットパターン(光透過部の直径50μm、ピッチ150
μm)を介して、露光量が500mJ/cm2 の条件で
紫外線を照射し、厚さ20μmの第1層目の回路基板に
おける電気絶縁性基材を得た。次いで、現像剤としてT
MAHを用い、室温で、90秒間現像して、ビアホール
用空間を形成した。このビアホール用空間および第1層
目の回路基板における電気絶縁性基材の表面に、銀ペー
ストをスクリーン印刷し、160℃、1時間の条件で加
熱した。次いで、表面に実施例1で使用した光硬化性組
成物をシリコンウエファー上に回転塗布した後、上記高
圧水銀ランプを用いて、大気中で、ドットパターン(光
透過部の直径50μm、ピッチ150μm)を介して、
露光量が500mJ/cm2 の条件で紫外線を照射し、
厚さ20μmの第2層目の回路基板における電気絶縁性
基材を得た。次いで、第1層目と同様に現像して、ビア
ホール用空間を形成し、さらに銀ペーストをスクリーン
印刷した後、同様に加熱することにより、多層基板を得
た。シリコンウエファーと第2層目の回路基板に形成さ
れたビアホールとの間の抵抗を測定したところ、0.1
オーム以下であり、優れた抵抗値が得られることが確認
された。
【0102】
【発明の効果】本発明の回路基板によれば、特定のシラ
ン系光硬化性組成物を使用していることから、酸素存在
下においても光硬化反応により容易に形成可能であり、
しかも得られた回路基板において、優れた電気特性を得
ることが可能となった。また、光硬化性組成物中に脱水
剤を添加することにより、光硬化性組成物の保存安定性
を著しく高め、さらには光硬化反応を促進することがで
きるようになったため、いつでも優れた電気特性を有す
る回路基板を得ることができるようになった。
【0103】また、本発明の回路基板の製造方法によれ
ば、特定のシラン系光硬化性組成物による光硬化反応を
利用しているため、酸素阻害を生じることなく、大気下
で、迅速に光硬化反応を生じさせることが可能であり、
回路基板を容易かつ正確に製造することができるように
なった。さらに、本発明の回路基板の製造方法において
パターン露光を行うことにより、ウエット現像で容易に
ビアホールを形成することができるため、多層基板を形
成することが極めて容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板を製造するための工程図であ
る(その1)。
【図2】本発明の回路基板を製造するための工程図であ
る(その2)。
【図3】本発明の回路基板を製造するための工程図であ
る(その3)。
【図4】本発明の回路基板における電気絶縁性基材の表
面および断面におけるSEM写真である。
【図5】本発明の回路基板における電気絶縁性基材の断
面におけるSEM写真である。
【符号の説明】
10、20 光硬化性組成物 12 基材(導体) 14 紫外線 16 電気絶縁層(光硬化物) 30 フォトマスク 32、42 露光部(光硬化物) 33 ビアホール用空間 34、47 導体 35、46 ビアホール 36、48 回路基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 学 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 岡庭 求樹 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 野田 俊夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CL012 DL031 DL051 HA216 HA446 HA456 HA476 HA506 JA29 JA42 JA47 JA55 JB01 JC13 JC17 JC29 JC31 JC32 JC34 JC35 KA03 KA06 NA21 PA17 PB09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)成分および(B)成分を含有
    する光硬化性組成物を光硬化し、電気絶縁性基材として
    なる回路基板。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
    物、その加水分解物、およびその縮合物からなる群から
    選択される少なくとも一つの化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
    3の整数である。] (B)光酸発生剤
  2. 【請求項2】 前記光硬化性組成物が(C)成分とし
    て、脱水剤を含んでなる請求項1に記載の回路基板。
  3. 【請求項3】 前記(A)成分における非加水分解性の
    有機基R1 が、オキセタン基を含むことを特徴とする請
    求項1または2に記載の回路基板。
  4. 【請求項4】 前記光硬化性組成物中に、(D)成分と
    して、(A)成分以外の加水分解性シリル基含有ビニル
    系重合体を含有させてなる請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の回路基板。
  5. 【請求項5】 前記光硬化性組成物中に、(E)成分と
    して、無機粒子を含有させてなる請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の回路基板。
  6. 【請求項6】 前記光硬化性組成物中に、(F)成分と
    して、反応性希釈剤を含有させてなる請求項1〜5のい
    ずれか一項に記載の回路基板。
  7. 【請求項7】 前記回路基板が多層基板であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回路基
    板。
  8. 【請求項8】 下記(A)成分および(B)成分を含有
    する光硬化性組成物を成型する第1の工程と、前記光硬
    化性組成物を露光して光硬化させ、電気絶縁性基材を形
    成する第2の工程とを含むことを特徴とする回路基板の
    製造方法。 (A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合
    物、その加水分解物、およびその縮合物からなる群から
    選択される少なくとも一つの化合物 (R1PSi(X)4-P (1) [一般式(1)中、R1 は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜
    3の整数である。] (B)光酸発生剤。
  9. 【請求項9】 前記第2の工程において、前記光硬化性
    組成物をパターン露光することを特徴とする請求項8に
    記載の回路基板の製造方法。
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