JP2000143920A - フッ素系共重合体の製造方法及びそれを含有するシーリング材組成物 - Google Patents

フッ素系共重合体の製造方法及びそれを含有するシーリング材組成物

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JP2000143920A
JP2000143920A JP10334945A JP33494598A JP2000143920A JP 2000143920 A JP2000143920 A JP 2000143920A JP 10334945 A JP10334945 A JP 10334945A JP 33494598 A JP33494598 A JP 33494598A JP 2000143920 A JP2000143920 A JP 2000143920A
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acrylate
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Koshin Maruyama
康臣 丸山
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】常温硬化が可能で、高い伸びと耐候性を維持す
ると共に保存安定性に優れる、シーリング材に適したフ
ッ素系共重合体の製造方法の提供。 【解決手段】(A)(a) フルオロオレフィン、(b) 水酸
基又は加水分解性シリル基を有する不飽和単量体、(c)
(b) 成分以外の(メタ)アクリル酸エステル及び(d) 所
望によりその他の不飽和単量体を構成単量体単位とする
含フッ素共重合体と(B)分子末端に水酸基を有するポ
リオキシアルキレンを混合した後、当該混合物に(C)
加水分解性シリル基を有するイソシアネートを添加混合
するフッ素系共重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系共重合体
の製造方法及び耐候性に優れかつ1成分型で常温硬化可
能なシーリング材組成物に関するものであり、塗料及び
シーリング材等を使用する技術分野で賞用され得るもの
である。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、耐候
性、撥水性、潤滑性及び電気特性に優れていることが知
られており、近年、高耐候性の塗料やオーバーレイフィ
ルム等の建築外装分野に広く使用されるようになった。
一方、シーリング材の分野では、ポリサルファイド系、
ポリウレタン系、シリコーン系及び変成シリコーン系組
成物等が知られているが、ポリサルファイド系及びポリ
ウレタン系組成物は柔軟性及び耐候性が不足し、シリコ
ーン系組成物は低分子量体のブリードによる汚染が問題
となっている。又、変成シリコーン系組成物は耐候性が
不十分であり、現在まで満足できる材料が見出されてい
ない。本発明者らは、上記の問題の解決するシーリング
材として、フルオロオレフィンと特定の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、特定の構造のビニルエステル、
反応性基を有する単量体を主成分とした含フッ素共重合
体よりなるシーリング材を見出している(特開平8−1
27765号公報)。
【0003】
【発明を解決しようとする課題】しかしながら、当該シ
ーリング材において、反応性基として水酸基を含有する
含フッ素共重合体は、硬化剤としてイソシアネートを用
いるため2成分型のシーリング材にする必要があり、煩
雑な操作を必要とした。又、このシーリング材において
反応性基としてアルコキシシランを含有する含フッ素共
重合体ではそれのみで1成分型で常温硬化可能なシーリ
ング材になるが、その場合伸びが不十分であった。そこ
で、このアルコキシシランを含有する含フッ素共重合体
と両末端にアルコキシシリル基を有するポリアルキレン
オキシドを必須成分とするシーリング材組成物を提案し
たが(特願平10−140317号)、この場合伸びに
優れるものの、組成物の保存安定性の点で十分ではなか
った。本発明者らは、1成分型で常温硬化が可能であ
り、高い伸びと耐候性を維持すると共に保存安定性に優
れるシーリング材に適したフッ素系共重合体の製造方法
を見出すため鋭意検討を行ったのである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者は、前記の課題
を解決すべく種々の検討を行った結果、フルオロオレフ
ィンと特定の不飽和単量体を主成分とする含フッ素共重
合体と、ポリオキシアルキレンを混合し、これに加水分
解性シリル基を有するイソシアネートを反応させる製造
方法が、得られるフッ素系共重合体が、常温硬化可能で
耐候性及び伸びに優れる上、保存安定性に優れることを
見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明を詳
細に説明する。尚、本明細書においては、アクリル酸エ
ステル又はメタクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸
エステルという。
【0005】
【本発明の実施の形態】(A)含フッ素共重合体 本発明で使用する(A)成分の含フッ素共重合体は、
(a) フルオロオレフィン、(b) 水酸基又は加水分解性シ
リル基を有する不飽和単量体、(c) (b) 成分以外の(メ
タ)アクリル酸エステル及び(d) 所望によりその他の不
飽和単量体を構成単量体単位とするものである。以下各
構成単量体について説明する。
【0006】(a) 成分のフルオロオレフィンとしては、
フッ素原子と不飽和二重結合を有するものであれば種々
の化合物が使用可能であり、具体的には、テトラフルオ
ロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフル
オロプロピレン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフ
ルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル及び
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等が挙げられ
る。これらの中でも、重合性に優れている点で、テトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン及びトリフルオロエチレンが好ま
しく、さらに好ましくはテトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン及びトリフルオロエチレンであ
る。
【0007】(b) 成分は、水酸基又は加水分解性シリル
基を有する不飽和単量体である。水酸基を有する不飽和
単量体としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル及びヒドロキシプロピル
ビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテ
ル;ヒドロキシエチルアリルエーテル及びヒドロキシブ
チルアリルエーテル等のヒドロキシル基含有アリルエー
テル;クロトン酸ヒドロキシエチル及びクロトン酸ヒド
ロキシプロピル等のクロトン酸ヒドロキシアルキル類;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルのε
−カプロラクトン付加反応物等の(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキル類が例示される。これらの中でも、フ
ルオロオレフィン及び(メタ)アクリル酸エステルとの
共重合性及び得られた共重合体の柔軟性に優れる点で、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル及びクロトン酸
ヒドロキシアルキルが好ましい。
【0008】加水分解性シリル基を有する不飽和単量体
としては、下記式(1)で表されるシリル基を含有する
化合物等が挙げられる。
【0009】
【化1】−Si(R1 a 2 (3-a) ・・・(1)
【0010】(式中、R1 は水素原子又はアルキル基、
アリール基又はアラルキル基を示し、R2 はハロゲン原
子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メル
カプト基、アミノ基、イミノオキシ基又はアルケニルオ
キシ基を示し、aは1又は2である。) 具体例を挙げると、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、
ビニルメトキシジメチルシラン及びビニルトリクロロシ
ラン等のビニルシラン類;(メタ)アクリル酸トリメト
キシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシ
シリルプロピル及び(メタ)アクリル酸メチルジメトキ
シシリルプロピル等のシリル基含有(メタ)アクリル酸
エステル類;トリメトキシシリルプロピルビニルエーテ
ル等のシリル基含有ビニルエーテル類;トリメトキシシ
リルウンデカン酸ビニル等のビニルエステル類等が例示
される。これらの中でも、フルオロオレフィンや(メ
タ)アクリル酸エステルとの共重合性及び得られる共重
合体の柔軟性に優れる点で、メトキシ基又はエトキシ基
を有するビニルシラン又は(メタ)アクリル酸エステル
が好ましい。
【0011】(c) 成分の(メタ)アクリル酸エステル
は、前記(b) 成分以外のものであれば種々のものが使用
できる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸
2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリ
デシル及び(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)
アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリ
ル酸トリシクロデシニル及び(メタ)アクリル酸テトラ
ヒドロフルフリル等のアクリル酸脂環式アルキル;(メ
タ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸クロロエ
チル及び(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル等が挙
げられる。これらの中でも、フルオロオレフィン単量体
との共重合性に優れる点で、アクリル酸アルキルが好ま
しい。(メタ)アクリル酸エステルは2種以上を併用す
ることもできる。
【0012】本発明における含フッ素共重合体(A)
は、(d) 成分のその他の不飽和単量体を共重合したもの
であっても良い。かかる単量体としては、エチレン、プ
ロピレン及びイソブチレン等のα−オレフィン;塩化ビ
ニル及び塩化ビニリデン等のクロロエチレン;エチルビ
ニルエーテル及びブチルビニルエーテル等のアルキルビ
ニルエーテル;酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリ
ル酸ビニル及びラウリン酸ビニル等のビニルエステル等
が挙げられる。
【0013】各単量体の好ましい共重合割合としては、
(a) フルオロオレフィン:10〜60モル%、(b) 水酸
基又は加水分解性シリル基を有する不飽和単量体:0.
5〜10モル%、(c) (メタ)アクリル酸エステル:2
0〜85モル%、(d) その他のビニル単量体:0〜40
モル%であり、より好ましくは(a) 成分:15〜50モ
ル%、(b) 成分:0.7〜5モル%、(c) 成分:35〜
80モル%、(d) 成分:0〜25モル%である。(a) 成
分の共重合割合が60モル%を超えると、最終的に得ら
れるフッ素系共重合体の柔軟性が低下する場合があり、
他方10モル%未満であるとフッ素系共重合体の耐候性
が低下することがある。(b) 成分の共重合割合が10モ
ル%を超えるとフッ素系共重合体の架橋密度が高くなり
柔軟性が低下する恐れがあり、0.5モル%未満である
と架橋が不十分で強度が低下する恐れがある。(c) 成分
が85モル%を超えるとフッ素系共重合体の耐汚染性が
低下する恐れがあり、他方20モル%未満であるとフッ
素系共重合体の柔軟性が低下する恐れがある。(d)成分
は、共重合体のコストを下げる効果があるが、40モル
%を超えると耐候性が低下する恐れがある。
【0014】本発明の含フッ素共重合体は、上記した単
量体をラジカル重合開始剤の存在下に共重合させる方法
で製造される。重合方法は、水性媒体中での懸濁重合や
乳化重合、有機溶剤中での溶液重合等通常の方法が採用
可能である。
【0015】前記ラジカル重合開始剤としては、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシ
エチルオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパー
オキシピバレート、ベンゾイルパーオキサイド及びラウ
ロイルパーオキサイド等の過酸化物;又はアゾビスイソ
ブチロニトリル及びアゾビスイソバレロニトリル等のア
ゾ化合物;過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム等の
無機過酸化物が使用できる。
【0016】乳化重合における乳化剤としては、パーフ
ルオロオクタン酸カリウム塩又はアンモニウム塩、パー
フルオロオクタンスルホン酸アンモニウム塩、高級アル
コール硫酸エステルナトリウム塩及びポリエチレングリ
コールエーテル等が例示される。
【0017】有機溶媒としては、有機炭化水素系化合物
及びフッ素系有機溶媒等が適当であり、具体的には、テ
トラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル類;
ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素化
合物;酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類;アセ
トン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケ
トン類;1,1,2−トリクロロ1,2,2−トリフル
オロエチレン等のフロン類;メタノール、エタノール及
びイソプロパノール等のアルコール類等が挙げられ、こ
れらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0018】前記重合は、耐圧オートクレーブを用い、
重合温度20〜100℃程度、圧力1〜200kg/c
2 及び3〜40時間の反応時間で行うことができる。
単量体の添加は、全単量体を初期にバッチ仕込みしても
よいし、重合の進行と共に一部の単量体を逐次添加して
もよい。必要により、pH調整剤として、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、ハイドロタルサイト及び陰イ
オン交換樹脂等を加えてもよい。
【0019】含フッ素共重合体の分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(以下GPCと略す)に
よる数平均分子量(ポリスチレン換算)で2000〜2
0万が好ましく、3000〜2万がより好ましい。20
万を超えると作業性が低下する場合があり、2000に
満たないと機械的物性が低下することがある。
【0020】(B)分子末端に水酸基を有するポリオキ
シアルキレン (B)成分の分子末端に水酸基を有するポリオキシアル
キレンとしては、主鎖がアルキレン基又はハロゲン含有
アルキレン基と酸素の繰り返し単位からなる、直鎖状又
は分岐状の化合物等が挙げられる。ポリオキシアルキレ
ン骨格を形成する上記繰り返し単位の具体例としては、
以下の化学式で表される繰り返し単位等が挙げられる。 −(CH2 )n−O−(nは1〜10の整数)、−CH
2 CH(CH3 )−O−、−CH2 CH(C2 5 )−
O−、−CH2 CH(CH=CH2 )−O−、−CH2
C(CH3 2 −O−、−CH2 CHCl−O− ポリオキシアルキレンとしては、上記繰り返し単位等の
2種以上を含有しているものも使用できる。最終的に得
られるフッ素系共重合体の作業性、特にシーリング材と
した場合の作業性に優れている点で、繰り返し単位−C
2 CH(CH3 )−O−が好ましい。(B)成分の具
体例としては、ポリエチレングリコール及びポリプロピ
レングリコール等のポリアルキレングリコール、並びに
グリセリン等のポリオールのアルキレンオキサイド付加
物等が挙げられる。ポリオキシレンの末端水酸基の数と
しては、2〜8個が好ましく、伸びに優れている点で、
2〜4個が特に好ましい。ポリオキシアルキレンの好ま
しい数平均分子量は前記GPCによる数平均分子量で、
100〜50000、さらに好ましくは200〜200
00である。
【0021】(C)加水分解性シリル基を有するイソシ
アネート 加水分解性シリル基を有するイソシアネートとしては、
種々の化合物が使用でき、具体的には(C2 5 O)3
Si(CH2 3 NCO、(CH3 O)3 Si(C
2 3 NCO、(CH3 O)3 SiNCO及び(C2
5 O)2 Si(NCO)2 等が例示される。これらの
中でも、下記一般式(2)で示される化合物が好まし
い。
【0022】
【化2】R3 (3-a) SiYa 4 NCO ・・・(2)
【0023】(式中、R3 は炭素数1〜20のアルキル
基、Yは加水分解性基、R4 は炭素数1〜17のアルキ
レン基を示し、aは1〜3の整数を示す) 上記構造式中のYは具体的にはハロゲン原子、アルコキ
シ基、アシルオキシル基、フェノキシ基、メルカプト
基、アミノ基、イミノオキシ基及びアルケニルオキシ基
が例示される。当該化合物の具体的としては、(C2
5 O)3 Si(CH2 3 NCO及び(CH3 O)3
i(CH2 3 NCO等が例示される。
【0024】○フッ素系共重合体の製造方法 本発明は、(A)含フッ素共重合体と(B)分子末端に
水酸基を有するポリオキシアルキレンを混合した後、当
該混合物に(C)加水分解性シリル基を有するイソシア
ネートを添加混合して反応させるものである。
【0025】又、(A)及び(B)成分の混合割合は、
(A):(B)=5:95〜95:5(重量比)が好ま
しく、より好ましくは10:90〜90:10、さらに
好ましくは15:85〜85:15である。(A)成分
が5に満たない場合には、最終的に得られるフッ素系共
重合体の耐候性が低下する場合があり、他方(A)成分
が95を超えると、フッ素系共重合体の粘度が上昇し
て、作業性が低下してしまうことがある。
【0026】得られた(A)及び(B)成分の混合物
に、(C)加水分解性シリル基を有するイソシアネート
を混合する。当該混合により、(A)及び(B)成分の
混合物中の水酸基が(C)成分中のイソシアネート基と
反応し、得られる共重合体が加水分解性シリル基を有す
るものとなり、共重合体を硬化架橋させることが可能に
なる。(C)成分を添加混合する場合の条件としては、
反応温度20〜120℃、常圧及び反応時間1〜48時
間で行うのが好適であり、有機溶剤中又は無溶剤で反応
を行うことができる。有機溶剤の具体例としては、前記
(A)成分の製造において挙げたものと同様のものが使
用できる。又、(C)成分の添加方法としては、一括し
て添加しても良いし、滴下ロート等を使用して1分〜1
0時間かけて分割添加しても良い。この場合、必要に応
じて、(C)成分の反応を促進する目的で、硬化促進剤
を添加することができる。硬化促進剤としては、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート及びジブ
チル錫ジアセテート等の錫系硬化促進剤、p−トルエン
スルホン酸等の有機酸系硬化促進剤、並びにDBU(ジ
アザビシクロウンデセン)等のアミン類系促進剤等が例
示されるが、硬化速度に優れる点で、錫系錫系硬化促進
剤が好ましい。硬化促進剤の配合割合としては、
(A)、(B)及び(C)成分の合計量に対し1〜50
0ppmが好ましい。
【0027】(C)成分の反応割合としては、(A)及
び(B)成分の混合物中に存在する全水酸基に対して5
0モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好まし
い。(C)成分の添加割合が50モル%に満たないと、
最終的に得られるフッ素系共重合体の硬化性が低下した
り、硬化物の強度が低下する場合がある。(C)成分の
添加割合としては、これと同様の理由で、(A)及び
(B)成分の混合物中に存在する全水酸基に対して50
モル%以上となる割合が好ましく、70モル%以上がよ
り好ましい。
【0028】○使用方法 本発明で得られるフッ素系共重合体は、種々の用途に使
用可能であり、例えば塗料及びシーリング剤等が挙げら
れ、特にシーリング材として好ましく使用できるもので
ある。
【0029】本発明で得られるフッ素系共重合体をシー
リング材として使用する場合には、フッ素系共重合体
に、硬化促進剤及び充填剤を配合することが望ましい。
硬化促進剤としては、前記で挙げたものと同様のものを
挙げることができ、硬化速度に優れる点で、錫系錫系硬
化促進剤が好ましい。硬化促進剤の使用量としては、フ
ッ素系共重合体の全重量に対し100ppm〜15重量
%が好ましい。充填剤としては、シリカ、珪酸類、ケイ
ソウ土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カーボン
ブラック、クレー、タルク、ベントナイト、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、亜鉛華、シラスバルーン及びガ
ラス繊維等が例示される。これらの中でもシーリング材
の強度又は伸びを向上させる点で、シリカ、珪酸類、ク
レー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸
化チタン及び酸化亜鉛等がシーリング材の強度又は伸び
を向上させるので好ましい。これらの使用量は、フッ素
系共重合体100重量部に対し10〜400重量部であ
ることが好ましい。さらに、必要によりベンゾフェノン
系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及び蓚酸アニリ
ド系化合物等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合
物等の光安定剤、ヒンダードフェノール系等の酸化防止
剤、ジオクチルフタレート、パラフィンオイル及びポリ
プロピレングリコール系化合物等の可塑剤、密着増強
剤、脱水剤及び有機溶剤を配合しても良い。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。 ○合成例1(含フッ素共重合体の合成) 撹拌機を備えた2リットルのオートクレーブに、溶媒と
して酢酸ブチル165g、エタノール45g、単量体と
してアクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下HEAとい
う)1.0g、アクリル酸ブチル(以下BAという)
5.5g、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下HA)
8.0g、ラウリン酸ビニル(以下VLuという)9.
8g及びラジカル重合開始剤としてエトキシエチルパー
オキシジカーボネート(以下EEP)4.0gを仕込
み、脱気と窒素置換を3回繰り返した後減圧脱気し、ク
ロロトリフルオロエチレン(以下CTFE)510gを
仕込んだ。50℃まで昇温して重合を開始させ、昇温1
時間後、HEA10.0g、BA50.0g、HA7
1.8g及びVLu39.2gよりなる混合液を7時間
に渡り一定速度でポンプを用いてオートクレーブ中に送
り込んだ。重合開始8時間経過後60℃まで昇温し重合
を計10時間行い、冷却した。反応終了後、未反応のC
TFEをパージし、オートクレーブを開放して共重合体
溶液を得た。得られた溶液を濾過しほう酸ソーダを除い
た後減圧乾燥させ、メタノール中に投入し、洗浄乾燥し
245gの共重合体を得た。得られた共重合体のGPC
で測定したポリスチレン換算の数平均分子量は、620
0であった。この共重合体のフッ素含有量を測定したと
ころ20.2重量%であった。水酸基価は18であり、
1 H−NMR、13C−NMRより、共重合体の組成は、
CTFE/HEA/BA/HA/VLu=50/3/1
9/19/9(モル%)であった。
【0031】○合成例2及び同3 後記表1に示す溶剤、開始剤、初期仕込み単量体及び追
加仕込み単量体を用いた以外は、合成例1と同様に重合
を行った。さらに、得られた重合体を合成例1と同様に
組成分析及び物性測定を行った。それらの結果を後記表
2に示す。
【0032】
【表1】 1)単位はすべてグラム 2)VMS:ビニルトリメトキシシラン 3)VES:ビニルトリエトキシシラン
【0033】
【表2】
【0034】○実施例1〜同6、比較例1 後記表3に示す、合成例1〜3の含フッ素共重合体と分
子量4000又は8000のポリプロピレングリコール
(以下PPGという)を混合し、次にトリエトキシシリ
ルプロピルイソシアネート(以下NCOSiという)、
トルエン及び反応促進剤であるジブチル錫ジラウレート
(以下DBTDLという)を添加し、80℃、24時間
で反応を行った。尚、比較例1は分子量8000のPP
Gのみを反応させた。
【0035】
【表3】 ※単位は水酸基反応率以外すべてグラム
【0036】○実施例7〜同12(シーリング材組成物
の製造) 実施例1〜6のフッ素系共重合体に、脱水剤(トリメト
キシメチルシラン)を表4に示す割合で配合した。当該
混合物について、粘度及び貯安性試験を測定した。上記
混合物に、硬化促進剤(DBTDL)、炭酸カルシウム
〔丸尾カルシウム(株)性カルファイン500〕、酸化
チタン〔石原産業(株)製CR−97〕、可塑剤(ジオ
クチルフタレート)及び紫外線吸収剤〔チバガイギー
(株)製チヌビンB75〕を表4に示す割合で配合し、
シーリング材組成物を製造した。得られた組成物を、2
0℃で1週間、その後50℃で1週間の養生を行い、保
存安定性試験、引張試験及び耐候性試験を行った。それ
らの結果を表5に示す。
【0037】保存安定性試験は、25℃における初期粘
度をB型粘度計で測定し、その後化合物をガラス瓶の中
に入れて密栓し、50℃の恒温水槽に2ヶ月間保存した
後に再び粘度を測定し、保存試験後の粘度増加率(=
{保存試験後粘度−保存試験前粘度}/保存試験前粘度
*100)を求めた。破断強度、破断伸度及び50%引
張応力(被着体はアルミ)は、JIS・A5758(建
築用シーリング材)及び区分記号10030に記載の方
法に準じて実施した。促進耐候性試験は試料をJIS・
5758記載のホルダーに取り付け、サンシャインウェ
ザオメータ(スガ試験機製)2000時間経過後の表面
状態と伸度保持率(%)を測定した。表面状態の判定基
準及び伸度保持率の算出方法を示す。 ・表面状態の判定基準 ○:変化なし、△:微少クラッ
クあり、×:深いクラックあり ・伸度保持率(%)=(促進耐候性試験後の伸度/初期
の伸度)×100
【0038】
【表4】 ※配合割合は全て重量部
【0039】
【表5】 1)破断強度単位:kgf/cm2 2)50%引張応力単位:kgf/cm2
【0040】○比較例1及び同2 合成例2の化合物、比較例1の共重合体、MS20A
(商品名:鐘淵化学工業(株)製、両末端アルコキシシ
リル基含有ポリプロピレングリコール)を用い、表6に
示す割合で実施例と同様にしてシーリング材組成物を製
造した。得られた組成物について、実施例と同様に試験
を行った。それらの結果を表7に示す。
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】 1)破断強度単位:kgf/cm2 2)50%引張応力単位:kgf/cm2
【0043】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られるフッ素系共
重合体は、1成分型で常温硬化可能であり、耐候性に優
れ高伸度を保持するのみならず保存安定性が高く、各種
の用途に使用可能であり、特にシーリング材組成物とし
て有用なものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AB04 AB05 AB12 AB16 AB17 AC01 AC05 AD05 AE03 4J002 BD12W CH01X EX076 FD146 GH01 GJ02 4J100 AA02S AA03S AA06S AC02S AC03S AC04S AC23P AC24P AC25P AC27P AC30P AC31P AE02S AE04S AE10Q AE19Q AG02S AG04S AG05S AJ03Q AL03R AL04R AL05R AL08Q AL08R AL09Q AP16Q BA03Q BA04Q BA05R BA14Q BA15Q BA28Q BA29Q BA31R BA52Q BA77Q BB00Q BB01R BB17R BC04R BC07R BC43Q BC53R CA05 CA06 DA01 DA30 DA36 DA50 JA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a) フルオロオレフィン、(b) 水酸
    基又は加水分解性シリル基を有する不飽和単量体、(c)
    (b) 成分以外の(メタ)アクリル酸エステル及び(d) 所
    望によりその他の不飽和単量体を構成単量体単位とする
    含フッ素共重合体と(B)分子末端に水酸基を有するポ
    リオキシアルキレンを混合した後、当該混合物に(C)
    加水分解性シリル基を有するイソシアネートを添加混合
    することを特徴とするフッ素系共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の製造方法により得られたフ
    ッ素系共重合体を含有してなるシーリング材組成物。
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